ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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今回は二つのパートに分かれます。


第五百一話「扶桑の新たな不沈戦艦の初陣、プリキュアのとある一日」

――播磨型や三笠型は扶桑の執念もあり、列車砲に撃たれても跳ね返す防御力を持たせられた。過剰性能もいいところだが、日本側は仮想戦記やティルピッツの実例から、あらゆる兵器への防御力を求めた。それを実現するには、硬化テクタイト板、ガンダリウム、超合金ニューZの複合装甲が必要であるとされ、その複合素材が使われた。その頑丈さは体当たり戦術が有効とされるほどであった。日本側には超合金ニューZは特にインパクトがあった。マジンガーZを超える『グレートマジンガー』の装甲だからだ――

 

 

 

 

 

 

 

 

――超合金ニューZは未来世界では、ガンダムタイプでも破壊が難しいとされる素材であるが、旧式化が指摘されていた。とはいえ、それを超えるGZやNZαは量産が難しくなっており、より年式の新しいガンダリウム合金の最新世代と硬化テクタイト板を組み合わせることで日本の要求した性能を実現させた。日本側は『誰がそこまでやれといった……ほんの脅しのつもりだったのに』とぼやく羽目になった。戦艦の保有枠を縮小して、イージス艦を持たせたり、空母の保有枠を拡大する思惑があったため、わざと無茶な要求をしたら、異世界(実際には日本の未来世界)のオーバーテクノロジーで実現させてしまったからだ。実現させてしまった以上は仕方がないのも事実。火力は宇宙戦艦ヤマトの世代の火器管制装置などで命中精度も抜群。艦の運動性も大出力のパワープラントで担保されるという通告に開いた口が塞がらない日本。空母は場繋ぎで地球連邦軍からの供与品を使用と、ダイ・アナザー・デイ時点でも充分に強力なものであった。空母の問題はそれに乗る航空隊の出身別の相克であり、それを回避するため、ダイ・アナザー・デイに駆り出された雲龍型の搭乗員は全員が日本義勇兵であった。太平洋戦争までの政治のゴタゴタもあり、空母機動部隊は太平洋戦争ではまともに動けず、戦功を挙げるのは決まって、超兵器で身を固めた戦艦群であった――

 

 

 

 

 

 

 

――1949年の盛夏に入る頃、有名無実と揶揄される扶桑海軍の中でも唯一、稼働状態にあった戦艦部隊。史実と正反対に酷使されているため、相次いで長期的なドック入りをしていた。戦艦大和も酷使が災いし、大規模整備に入っており、それを緩和するため、改大和型戦艦と播磨型の再増産が決まるという有様であった。とはいえ、播磨型は一隻で長門型以前の世代の三隻分以上の戦力評価であるため、数隻でも同艦型が稼働していれば、充分に抑止力として機能していた――

 

 

 

 

――主力艦のドック入りが相次ぐ中で最も艦齢が新しく、ダイ・アナザー・デイの戦訓でより光学兵器対策の進んだ播磨型の第二期生産タイプの嚆矢『戦艦水戸』。正確には『水戸型戦艦』に分類されるべき変更が入っているが、予算対策で播磨型として計上されている。主砲は53cm砲に強化され、全長も400m近くに延長されている。その初陣はドック入り中の大和や播磨に代わっての第一戦隊の主力としてであった。いわば、改播磨型である。予算上は退役した旧式戦艦群の内、紀伊の代艦であった――

 

 

「うわぁ。外国の連中が見たら泡吹きますよ、少佐」

 

「まるで、ビスマルクとティルピッツが駆逐艦のようだな……」

 

この日、たまたま若手の訓練飛行で上空を通過したバルクホルンは苦笑交じりに、そう答えた。カールスラントのシンボルとして扱われていたビスマルク級戦艦だが、日本連邦の超戦艦が相次いで竣工したこと、船体設計が旧式のバイエルン級から代わり映えしないものと露呈した事により、抑止力としての効果も失われ、運用もされずに『港の肥やし』と化し、ここ数年の動乱で荒廃してしまった。代替となりえる新造計画も流れた(青写真は現存している)。一時(1907年からの11年)は世界二位を誇ったはずのカールスラント海軍は今や、その時代には近代海軍としては新興であったはずの扶桑海軍の後塵を拝する存在に堕ち、港の肥やし扱いである事、竣工時は世界最大級と誇ったはずのビスマルクも、大和型を更に超える大戦艦が続々と登場した今では『旧型の中型戦艦』でしかないことを鑑みたか、バルクホルンとしては複雑らしかった。

 

 

 

 

 

 

――ナチス残党のヒンデンブルク号の存在は造船技術者を歓喜させたが、技術的にはフランス系戦艦のそれである事の判明で落胆するなど、カールスラントの技術者達はドイツに戦艦の新造を嘆願したが、ドイツは相手にせず、NATOは『鹵獲艦の修繕で我慢しろ』との通達である。NATOにとっても『鹵獲艦と言っても、アイオワよりは強力だし、ティターンズへの抑止力にはなるんだから』との判断であった。要は『大和や超大和と比べるな』である。『資金と資源の限界で、兵器の質を強化するしか選択肢がない』日本連邦と、ある程度の鉱物資源のあるノイエ・カールスラントでは環境が違うのである。ノイエ・カールスラントの再建にも長い時間がかかる上、旧本土に鉱物資源は期待できなくなっている。前途は多難であった。そんな他国の戦艦の新造計画が潰れていく中、強大なリベリオンと戦うために戦艦の新造を続ける日本連邦。水戸は日本の人々の戦艦大和への偶像崇拝、扶桑の人々の『呉軍港壊滅』への復讐心が生み出した『怪物』と言える――

 

 

 

 

 

 

 

――少数の護衛を伴い、哨戒航海を行う戦艦水戸。この大戦では当たり前の光景である。史実と異なり、潜水艦の発達が遅れている上、日本連邦は対潜技術で突出したため、潜水艦よりも航空機への警戒が大事である世界であるからだ。本来、魔女が怪異を落とすまでの囮として割り切り、装甲を二の次にし、速度を重視した巡洋戦艦の案もあったが、仮想敵国の計画艦に対抗する意図で、史実通りの艦容になったのが、大和型であった。だが、それでも性能と拡張性の不足を詰られたため、超大和型戦艦の案が生まれたが、大和型以上の性能の艦など、扶桑には作れないために暗礁に乗り上げた。だが、未来世界の技術がそれを可能とした。水戸は播磨の機能アップデート型であり、当初より装甲の複合材にガンダリウムイプシロンが使用されている、第二世代の量産型『超大和型戦艦』である――

 

 

 

「閣下、自ら座乗なされなくとも」

 

「役職を退いたとはいえ、私は昔の元帥海軍大将だよ、艦長」

 

大笑するは、Y委員会の委員長であり、海軍では最後の元帥府に列しられた大将である山本五十六。この時期には60代後半。史実より多少老けた外見になっている。史実で死の寸前に問題になっていた脚気と高血圧は未来世界の医療で改善されたので、戦前の健康を取り戻している。この頃は国防大臣からも退き、隠居の身であったが、自らが建造を後押しした戦艦(山本は戦争抑止力の観念を史実より理解していた)である『水戸』を視察し、座乗していた。元帥であるので、階級は維持しているからだ。

 

「艦長、敵艦を発見しました」

 

「艦種は?」

 

「ハッ。機関の発するエネルギー量からすると、残存するアイオワ級かと」

 

「アイオワかね?この艦の初陣には物足りんが…。まぁ、いちご狩りのようなものだね」

 

「閣下、それは言い過ぎかと」

 

笑いに包まれる艦橋。戦艦水戸は播磨の更なる強化型。今更、巡洋戦艦的な特性のアイオワの襲撃を受けたところで、蚊に刺されたようなものだ。

 

「敵艦隊、変針。我が方に挑む模様」

 

「外観を大和型と同じにしておいたのが功を奏したようだな。艦長、敵の護衛艦を料理してみせたまえ。53cm砲のデータ取りにちょうどいい獲物だ」

 

「デモイン級を狙います。弾薬庫か機関室を貫通すれば、一発で轟沈でしょう」

 

「頼む」

 

艦長の指令が飛び、瞬時に主砲塔(水戸は53cmを三連装で四基を有する)の内、前部の砲塔が照準を合わせる。未来世界の宇宙戦艦と同じ火器管制システムなので、自動で見越し射撃にも対応する代物だ。この時点では世界二位を誇る巨砲が火を吹いたのは、その数秒後の事。

 

「命中!大破した模様!!」

 

アイオワ級戦艦を護衛していたデモインが火災に包まれ、落伍していく。デモインは条約型巡洋艦とは比較にならない装甲を持つものの、巡洋艦の範疇を出ない。それを露呈した形だが、落伍する程度で済んだのは流石であった。

 

「撃沈は目的ではない。旗艦のアイオワ級戦艦に変更せよ」

 

「駆逐艦はいかがなされます?」

 

「適当にあしらっておくように。駆逐艦程度、我が艦隊に何もできんよ」

 

と、駆逐艦は意に介さない山本。4,5隻程度の駆逐艦が徒党を組んだ程度で、超甲巡にも触れられない(この時代、ミサイル兵装は開発途上であった)からだ。

 

「超甲巡、ミサイルを発射」

 

「M粒子の量は」

 

「この濃度であれば、命中精度に影響はありません。全て当たるでしょう」

 

「駆逐艦に使うにはもったいないが、こちらも護衛戦隊の連中を満足させんといけないからな。敵の魔女は去年で枯渇しとるから、妨害の恐れはないし」

 

 

山本五十六の言葉から、ティターンズ側の魔女の人的資源は前年度までの潜水艦狩りで尽きているという予測がなされていた。魔女の世界での潜水艦はもっぱら、人員や物資輸送艦代わりであったが、日本連邦が対潜哨戒機(21世紀以降の水準)やイージス艦、21世紀以降の水準の潜水艦でとにかく狩りまくったため、リベリオン側は潜水艦の在庫と魔女の人的資源がなくなった。リベリオンは新興国家である故、土地と人のつながりが薄く、原住民族を虐殺して築かれた経緯の都合、魔女の人数は最盛期でさえ、けして多くはない。そこに日本連邦が血眼になって、潜水艦を狩ったため、魔女の人的資源は払底したのだ。

 

「魔女閥もこれで衰退を加速させますな」

 

「4年前に戦っていれば、後世の人々に後ろ指をさされる事はなかったというのにな。元々、魔女閥はあの三人の活躍で生まれた空気に乗っかった連中が作ったものだ。その三人が魔女という枠組みに当てはまらない存在と分かった以上、見限られるのは当然だ。だが、魔女という存在そのものは守らなくてはならぬ。織田信長公以来の歴史を鑑みれば、魔女のおかげで栄えたのだからな」

 

と、山本五十六は軍閥としての魔女の衰退は容認しつつも、魔女という存在は社会的に保護すべき存在だと明言した。魔女は『数ある異能の一つ』でしかないと判明した上、この世界特有の異能というわけでもないからだった。彼なりの温情である。しかし、軍閥としての魔女はカールスラント軍の相次いだ不祥事の余波で衰退しつつある。それが世の中がダイ・アナザー・デイを鑑みて出した結論である。

 

 

「だんちゃーく、今!!」

 

CICのモニターには砲弾が着弾し、上部構造物が派手に破壊され、炎上するアイオワ級戦艦が大写しになる。元々、速度重視の兼ね合いで装甲の品質に問題があったアイオワ級は53cm砲(史実の超大和型戦艦よりも大口径)の前にはひとたまりもなかったようだ。

 

「榴弾のままで燃やしてやれ。復元光線かタイムふろしきで直し、自由リベリオンに引き渡さんとな」

 

「砲術長、閣下からのご注文だ。やりたまえ」

 

「アイアイサー。難しい注文ですなぁ」

 

と、気楽そうな会話が繰り広げられる。戦艦や空母は自由リベリオンからの要請で、鹵獲を要請されているからだ。

 

「第三射、撃て!!」

 

第三射が放たれる。大和型譲りの安定性により、水戸は小ゆらぎもしない。弾種は榴弾だ。榴弾はアイオワ級戦艦の甲板に命中し。艦橋近くにまで炎が起こる。

 

「敵艦、両用砲に引火。使い物にならなくなった模様!」

 

観測員から報告がなされる。

 

「敵に降伏を打診したまえ。彼らも侵略者として死にたくはないだろう」

 

「ハッ」

 

発光信号で降伏を打診する。ティターンズの監視を逃れるため、リベリオン軍はこうした手法で降伏をするようになった。降伏スという意味の旗も掲げられる。史実では太平洋戦争の時代にはされなくなっていたが、前世紀の名残りが濃い日露戦争の頃には例がある。偽装のため、扶桑軍も『撃沈した』と公表する他、偽装のための爆発も起こす。こうした事は日常茶飯事であった。

 

 

 

 

 

 

――デザリアム戦役の後、侵略者が襲来し続ける現状からか、ユニコーンガンダムは封印されはしなかったが、運用規定が厳格になるという妥協的な協定がネオ・ジオン穏健派と結ばれたため、対外的な地球連邦軍の象徴はサイコフレーム搭載であるが、使用部位がユニコーンよりは少ない『Hi-νガンダム』で落ち着いた。アムロ・レイが基礎設計を行ったというヒロイック性もあり、斜陽を迎えていた小型MSにとって代わる形で、地球連邦軍の象徴とされた。初代ガンダムの正統な後継機でもあるからだ。Zガンダムに代わり、連邦の第三世代の象徴かつ、最強のMSという事にされた。とはいえ、Zガンダムも(強大なニュータイプの搭乗が前提だが)超常現象をしばしば起こしており、プリキュアオールスターズも複数の戦いで目撃しており、間接的にガンダムの勇名は彼女たちにも広まった。また、ミラクルライトと同等の現象をサイコフレームが起こせるということで、プリキュアオールスターズの能動的なパワーアップに使われていった。プリキュアは自発的な最強形態への変身は、一部を除いてできないからだ――

 

 

 

 

――ティターンズ残党はネオ・ジオンの解体後はそれを受け入れる形で戦力を補充。また、過去に敗れていった反連邦勢力の残党も取り込み、ナチス残党たるバダンの傘下に入るという複雑な行程を辿った。ロンド・ベルという共通の敵がいるからである。デザリアム戦役で地球連邦政府の治安維持能力が大きく低下したため、カラバ過激派、ティターンズやジオンのアフリカ方面軍、アフリカ解放戦線の残党は『魔女の世界』のティターンズに戦力を提供。その中には、本来は廃棄予定だったティターンズ系のMSが多数含まれており、連邦政府の極端な平和主義施策で突然に職を失い、その後の施策の二転三転で再就職がままならない失業軍人たちがこの動きに賛同し、ティターンズ残党に加わる現象が発生。民間軍事会社を締め付けていた政府はこの現象に狼狽。失業軍人への福利厚生の改善、(地球至上主義などの)危険思想を持っていないという条件でだが、軍への復帰を認めるようになる。度重なる戦乱で中堅層(佐官級や古参の下士官などの)の軍人が民間軍事会社への流出などで不足していたからだ。そのため、魔女の世界の戦争は『連邦の内乱であるグリプス戦役の延長戦のような代理戦争』の様相を強めていった――

 

 

 

 

――ティターンズは元々、ジオンから接収していた強化人間技術を有していたため、捕虜にした魔女を洗脳・強化し、同士討ちさせ、自爆させる戦法もダイ・アナザー・デイで用いた。この卑劣だが、理に適う戦法により、戦線の魔女の部隊は大半が『置き物』と化してしまい、64Fが駆けずり回って、戦線の維持をする羽目に陥った。この時の彼女たちの活躍が後々の時代における『扶桑宇宙軍』に緊急展開軍的な性格を与える理由として使われたのである。その際に主に活躍したのが、キュアドリームであり、キュアメロディであり、キュアピーチである。その補佐役がキュアハートとキュアラブリーであったため、この五人は魔女の世界を守るために、ティターンズと正面切って戦った英傑と高く評価された。日本の左派もティターンズの非道ぶりが明らかになるにつれ、プリキュア達の扶桑の戦争への加担を批判できなくなっていった。ドリームは現地の人間を素体にして転生している上、彼女の夢を潰したのは自分たちなのだから――

 

 

 

 

 

――プリキュアオールスターズの実在と、仮面ライダー(昭和)との共同戦線は日本を揺るがすニュースとなったのは言うまでもないが、その相手がティターンズである事は別の意味で話題になった。また、ティターンズ残党のの幹部がどういうわけか、全員が南斗聖拳か、それに匹敵しうる拳法の使い手であり、プリキュアの上位形態すら圧倒したという報は当事者のプリキュア達を震撼させた。その後、太平洋戦争までには時間があったため、彼女たちは開戦後に至るまで、特訓を重ねた。その中には『変身したままでの生活』も含まれていた――

 

 

 

 

 

――変身を平常時でも維持するというのは、黒江がシンフォギア世界に飛ばされていた際の『やむなく、シンフォギア姿で生活していた』という情報を修行に応用したもの。転移組/転生組を問わずに確認されていた『初変身の後にしばらく解除できなかった』事例も踏まえ、精神的修行として赤松に上奏され、彼女が裁可したものである。そのため、日本連邦大学にも、変身後の姿で通うプリキュアが見られた他、正式な施策にされる以前にも、東京都内の新興の私立大学にキュアフェリーチェが通っていたりする。(ただし、彼女がプリキュアとカミングアウトしたのは卒業後だが)――

 

 

 

 

 

 

 

 

――時間軸は前後するが、日向咲と美翔舞が加わって間もない時期(1948年の秋から冬頃)――

 

「へー。あの時はそんなタネだったんだ」

 

「先輩のおかげで、つぼみちゃんやえりかに誤解されちゃったんですよ」

 

「あれ、のぞみちゃん、あたしに敬語使ってたっけ?」

 

「今は精神的に大人ですからね」

 

のぞみは本来いた世界では、なぎさには敬語であったが、同年代であった咲にはタメ口であった。しかし、精神年齢などの変化のあった転生後は咲にも敬語を使うようになっている。

 

「アタシと舞は現役時代から来たから、変な感じ。こぞばゆいっていうか……」

 

「仕方がないですよ、仕事してる身ですし」

 

「軍って、書類仕事多いんだね」

 

「官僚組織ですから。うちは特別に少ないほうですよ。有事即応部隊ですから」

 

「あたし、実家がパン屋だから、パン焼きたいんだけど」

 

「いちかちゃんに言えば、焼けますよ。パン食の習慣がある外国人も多いですから」

 

「本当!なら、早く言ってよぉ~」

 

「すみません、咲さんとあまり一緒に戦うことなかったから」

 

「そ、そいやそうだったぁ……不覚ナリぃ…」

 

落ち込む咲。彼女は暫定的にプリキュアスターズのリーダーの地位をのぞみから引き継いだため、軍階級も開始時で既に少佐であった。(半年後に中佐。一年後は大佐)直近の先輩後輩関係の二人だが、咲と舞はなぎさとほのかと常にセットであったので、実はのぞみとは同じ場で共闘したことがほとんどなかったりする。

 

「でも、転移した後に、ピンでも変身できるようになったのは、なんでだろう?」

 

「たぶん、転移した影響でパワーアップしたからじゃ?他のみんなも、上位形態に任意でパワーアップできるようになってますからね。あたしもシャイニングやその上になれますし」

 

「みらいちゃんとやりあったって?」

 

「ええ。ちょっと揉めて」

 

「ちょっとどころじゃないっしょ?」

 

「月の穴をいくつか増やしましたからね。あ、あはは~……」

 

「死ぬかと思ったって、ぼやいてたよ?」

 

「グレートブラスター使いましたからね。場の勢いで。最強のアレキサンドライトスタイルでないと、たぶん、そのまま戦えなかったと思いますよ」

 

「あの時のマジンエンペラーGの必殺技だよね。金魔法を重ねがけした防御をぶち抜くから、肝が冷えたってさ」

 

「あれ、マジンガーZくらいはドロドロに溶ける熱なんですよ。アレキサンドライトスタイルの力のサンプルにはなったと思いますよ」

 

朝日奈みらいと夢原のぞみの喧嘩は凄まじく、技と高速戦闘の応酬、最後は最強形態で殴り合うに至った。プリキュア同士で戦うのはタブーであったが、その時に久方ぶりに破られた。のぞみは魔神皇帝の技と超高速の機動で途中からは優位に立っており、みらいは殴り合いしか対抗する術が無くなり、それを実行した。途中でジオン残党の邪魔が入り、頭に血が上っていた二人は『グワンバン級戦艦』をパンチで挟み打ちし、沈めてしまった。そこで我に帰り、二人は駆けつけた仮面ライダースーパー1にこっぴどく叱られたのだ。

 

「どうやって、喧嘩が終わったの?」

 

「実は――」

 

そこまで言いかけたところで、空襲警報がなる。アナウンスによると、敵はF-100であるとの事。

 

「敵もジェットを出して来たな。肩慣らしにいってきます」

 

「そっか、のぞみちゃん、今はパイロットの兼業だっけ?」

 

「格納庫の整備班に連絡頼みます」

 

「わかったー」

 

と、学生時代同様の気心の知れた会話をしつつ、のぞみはキュアドリームに変身し、格納庫に向かう。使う機体はその時によって決まるため、この時は64F専用に未来世界の技術で改良された『F-8』が整備班によって充てがわれ、それで出撃していった。

 

「なんだかんだで、プロだなぁ」

 

現役時代は単なる教師志望の学生に過ぎなかったのぞみが仕事とはいえ、複雑な計器がてんこ盛りの軍用機を軽々と使いこなす姿を窓越しに見、エンジンを全開にして離陸する機体(空自式の洋上迷彩を施されたF-8)に、現役時代との状況の違いを改めて痛感する日向咲(キュアブルーム/ブライト)であった。

 

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