ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第百四十一話「1949年4、そして…」

――Gウィッチの中で趣がもっとも異なるのが圭子である。黒江と智子が転生以前より多少成長したように思える精神状態であるのに対し、圭子は元の温厚さが鳴りを潜め、その代わりに好戦性を300%増量した性格になっている。これは単なる転生ではなく、ゲッターの使者になっているためだ。また、振る舞いも粗野になっているのだが、これは猫を被ればごまかせる。Gウィッチの中ではもっとも早期から活躍しており、42年から44年のある時まで猛威を奮い、敵味方共に恐れられた。圭子が未来行きになった理由は『戸籍上の年齢』が理由だ。もっとも、ミーナの無知は上層部も想定外であったのは事実であり、ロンメルも監督と周知不足の責任を負う形で給与の数ヶ月分は返納している。以後にカールスラント内でミーナが疎んじられたのは、軍事的衰退の引き金を引いてしまったと見做されたからだろう。実際、ロシアによる嫌がらせ的提案がもとでスコアに疑義が呈された旧・52JG隊員などの名誉が地に落ちる一方で、ダイ・アナザー・デイを境に、扶桑空軍・64Fこそが『世界最高峰の空軍部隊』と認識された。理不尽な解雇を恐れたカールスラント空軍撃墜王も義勇兵として合流した1947年を分水嶺に、その流れは固定化。実質的に日本連邦は労せずに質のいい人員を得られたため、新規志願数の回復を軽視した。そこが世代交代の停滞を招いた。とは言え、無闇に若者を死なすよりは『訓練済みの職業軍人ウィッチを好きに使える』ことのメリットのほうが注目されたのも事実。そのために義勇兵やGウィッチが酷使されるのである――

 

 

 

 

 

 

 

――1945年に起こったサボタージュと翌年のクーデターで中堅所の世代であったウィッチを中央から排除した日本連邦はウィッチの世代分布が歪になっていることでのデメリットよりも、戦争を乗り切るために既存人員の酷使することを選んだ。ウィッチは育成コストの割に費用対効果が低いと見做されたからだ。その活用のため、第二世代宮藤理論式ジェットストライカー(魔導リヒート装備)の配備が49年年頭から防空部隊や前線の精鋭部隊から順に進められた。第二世代宮藤理論式はその使用技術に時空管理局から提供されたものが含まれたため、登場当初は最高機密扱いであったが、ある日にルッキーニBがいたずら心と秘密主義的なA世界側への反発心から、秘密の格納庫に侵入してしまう。当然、機密にほぼ無頓着なルッキーニBの口から秘密が敵に漏れることを恐れたA世界のGウィッチ達に追われる事になった。――

 

「う~にゃにゃ~!?」

 

「待ちなさーい!!」

 

ルッキーニBは思いもしなかったが、自分が見たものこそ、A世界のその時点での最高機密だった。最初に追ったのはイリヤスフィール・フォン・アインツベルンとクロエ・フォン・アインツベルンの二人だった。

 

「貴方が見たのは最高機密なのよ~!」

 

「それがなんなのさー!あんなの隠してんのおかしーよ!」

 

と、子供じみた言い返しをするルッキーニB。クロは客観的に見た『自分』に内心で苦笑しつつも、足止めのために矢を放つ。ルッキーニBは持ち前のカンで避ける。

 

「にゃ!?矢を撃つほどのこと~!?」

 

「事なのよ、フランチェスカ!」

 

「にゃ!?なんで、あたしのファーストネーム知ってんの~!?」

 

「言ったでしょ、『同僚』だって!」

 

ルッキーニBは思わず驚いて、スピードを緩めてしまう。イリヤがその隙に捕まえようとするが、ルッキーニBは猫のような身のこなしでイリヤの捕縛術を回避する。

 

「嘘!?ちょっとぉ!!クロ~!」

 

「あたしに言わないでよ!」

 

「待ちなさーい!!」

 

イリヤはインストールでセイバーの力を発動させ、強化した身体能力で追う。クロも続く。そこに事情をこの当時に隊長代理だった広瀬大佐(セラ)から話を聞いたキュアウィンディが飛来し、イリヤとクロに協力する。流石のルッキーニもこれには狼狽し、逃げ惑う。

 

「なんでなんでぇぇ~~!?」

 

インストールで身体能力を強化したイリヤとクロ、更にはキュアウィンディに追われてしまうというのは、『したこと』を思えば仕方ないのだが。

 

「ウィンディ、ブライトは?」

 

「会議に出席中。ドリームが休暇だし、その分の申し送りもあるから」

 

「大変ね、貴方達」

 

「現状、私達が最古参だから。そこは当然のことなのよね。あの子を追うわよ!」

 

と、この時点でのプリキュア最古参としての責務で大忙しのスプラッシュスター。それをクロに教えつつ、逃げるルッキーニBを追うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――その頃、キュアドリーム/のぞみは新野比家で休暇中だった。一週間の休暇なので、週末から取ったのだが、その二日目。思わぬニュースが舞い込んできた――

 

「大変だ、のぞみちゃん!!」

 

「どーしたの、のび太くん。息切らせてドタバタ…」

 

「いいかい、落ち着いて聞くんだ。今、スネ夫から電話があったんだけど……。2021年のヒーリングっどの映画に……君たち。つまり、プリキュア5のピンでのゲスト出演が決まったんだ!」

 

この報にドリームは一瞬の沈黙の後、こう言った。

 

「へ……?のび太くん、今、2020年代だよ……?何かの間違いじゃ?」

 

令和三年になろうかという時代は、のぞみの現役時代からは既に15年近くが経過し、当時に視聴していた女児も最低で高校生以上になっているだろう頃である。のぞみも思わず、そう言ってしまうほどに信じられなかった。

 

「僕もてっきり、プリキュアスターズの選抜かと聞き返したんだけど、ピンなんだよ。これは初代の二人以来の快挙だよ!!」

 

「え、えぇぇ――ッ!?咲さんと舞さんを差し置いて……あたし達がピンで映画!?」

 

大いにうろたえ、椅子からずっこけるキュアドリーム。さすがの彼女も一期先輩のブルーム、イーグレットを差し置いてのピンでの出演は全くの予想外だった。オールスターズの一角としては度々出演してきたが、プリキュア5単体での出演は二度目の単独映画以来のことで、換算すると10年を超えている。ある意味、のぞみのダイ・アナザー・デイでとデザリアム戦役での死闘が前世での願いを叶えたと言っても過言でもない。数あるプリキュアチームの中から自分達が選ばれたというのは、初代に次ぐ快挙であり、名誉なことだが、スプラッシュスターを差し置いて、三代目の自分達が出ていいのかという気持ちがある。

 

「いいのかな。咲さんと舞さんに悪い気が……」

 

「仮面ライダーだって、後輩を助ける率高いの一文字さんと風見さんなんだから、いいんだよ。君たちもその法則が働いたのさ。君たちはプリキュア中興の祖なんだし」

 

咲と舞への気づかいを見せるドリームに、のび太は二号とV3の事例で説明する。また、後世に『中興の祖』と讃えられているとも教える。

 

「スネ夫に言って、特写カットを送ってもらったけど、これだよ」

 

「あ、あの時と同じポーズだ…。なんだか、逆に恥ずかしいなぁ…」

 

現役時代に有志のファンが写真を部屋に飾っていると聞いた事があったが、歳を精神的に重ねている身としては、逆に恥ずかしくなると俯くドリーム。公開予定の2021年には、現役を退いてから13年になるからだろう。

 

「でも、なんでまた…?いちかちゃんの代からは直近の三代だったはずだよね?」

 

「スネ夫曰く、疫病がアニメの制作スケジュールのみならず、メディアミックス展開も狂わせたからね。単体じゃ、それほど浸透していない最新作単独よりも、既に人気が確立してる過去作、それも初代に近い世代と言うことで、君たちが選ばれたんだろう。それと、君の頑張りはこの世界じゃ周知の事実だ。話題作りも兼ねてるだろうね」

 

プリキュアシリーズは代を重ねる内に、コンセプトが初代のそれとかけ離れてきていたのもあり、シリーズの個性が失われてきている。それを危惧した制作側がシリーズ中興の祖とされる『プリキュア5』を引っ張り出した。メタ的にはそう解釈できるが、ダイ・アナザー・デイで捕虜になりつつも、金鵄勲章を得る活躍をし、デザリアム戦役では実質的にプリキュアで唯一、戦争の核心に関わったドリームの威光はドラえもん世界では絶大である表れであり、仮面ライダーで言う『栄光の七人ライダー』レベルと見られている証である。

 

「……前世のこと思い出しちゃった。こんな嬉しいことはないよ」

 

溢れ出る感情で感涙にむせぶドリーム。前世の不幸ぶりが嘘のような恵まれっぷりであるためだろう。

 

「他のプリキュア達も羨ましがるよ。君たちは作品的に初代に次ぐ地位に登りつめた事を意味するからね。シリーズ物のヒロインは入れ替わりも激しいから、忘れ去られていくほうが多いのも事実だし」

 

仮面ライダーもそうだが、シリーズ物の場合、毎年の入れ替わりでメインターゲットの層には忘れ去られる事が通例である。だが、2000年代後半以降、ネット配信サービスなどの普及で以前の作品に触れられる機会が増えた結果、こうしたことも珍しくはない。

 

「君は風見さんのポジションになりつつあるね。サブリーダー的な。君はガラじゃないと言うんだろうが、風見さんみたいに後輩を食うって意味じゃそうだよ」

 

「風見さんは単に目立ちがりな気も」

 

風見志郎は時にクールでうらぶれているような雰囲気を見せながら、おそらくは家族が存命中の素であっただろう『陽気な熱血漢』のところも併せ持つため、割に後輩を食う活躍も多い。仮面ライダーの中でも目立ちたがり屋というのが知られているので、のぞみ(ドリーム)もその例に漏れず、そう評する。

 

「ま、似た顔が同業者に何人もいるし、警察や軍隊のお偉方になったそっくりさんもいるから、目立つのさ」

 

「そういうもんかなぁ」

 

「一号ライダーだって、セガサターンに命賭けてそうな顔じゃん」

 

「まぁ、ねぇ……」

 

そっくりさんは世の中に何人かいる。のび太も例外ではなく、縁戚に『野比のび太郎』という人物がおり、ドラミが一時期面倒を見ていたという。

 

「僕だって、何度か会ったことのある遠い親戚にのび太郎って奴がいるんだし、君にもそっくりさんはいると思うよ?」

 

「前世じゃ記憶ないなぁ……。今回はイレギュラーみたいな形だし」

 

考え込むが、前世では心当たりがなかったようだ。とは言え、この映画出演は放映終了から10年超えくらいぶりであり、シリーズ全体では初代に次ぐ名誉であるため、そこは嬉しいのは事実なキュアドリーム。

 

「変身したほうが休暇楽しめるのは不思議な感じだよ、本当。こまちさんも戸惑ってたけど」

 

「変身してれば、活動中だと皆が思うから、マスコミやファン連中のおっかけも却って、手は出さないからだよ。これぞ、逆転の発想さ」

 

普通は変身前のほうが動きやすいが、プリキュア達は変身後で動くほうが熱狂的ファンの『おっかけ』やマスコミのフォーカスも控えられるという点から、プリキュア達は変身した上で休暇を楽しむことが増えた。この時はキュアミントとペアで休暇を取っていたらしいことがわかる。

 

「逆転の発想、かぁ」

 

「ああ、ミントはフェリーチェに付き合って、図書館に行ったよ。多分、三時間は帰らないと思う」

 

「はーちゃんは何調べてるの?」

 

「この街の歴史かな。こまちちゃんも小説のネタを探すとかで」

 

「相変わらずだなぁ」

 

「今は物騒な世の中だけど、あの二人に手を出す暴漢はいないだろうね」

 

「言えてる」

 

キュアミントとキュアフェリーチェは貴重な『グリーンプリキュア』の一人である。その中でも能力が特に高い二人なので、襲われても大丈夫と踏むのび太。ミントは現在、実姉の転生である如月ハニーに世話になっているため、長期休暇の際は如月家に滞在するが、短期の場合はどうするかを決めていなかったので、のぞみに同行したのである。プリキュアはススキヶ原では割に自由に行動できており、未来世界でデザリアム戦役が終わった後にあたる2020年の秋頃には『プリキュアが駅ビルの地下街で買い物する』、『プリキュアが草野球や草サッカーに参加する』光景も珍しくはなくなっている。

 

「二、三年前に倅がバスジャックに遭った時はかみさんが倅を心配してね。それからは君たちプリキュアに護衛を頼んでるけど、君たちに悪い気がしてね」

 

「それは構わないよ。誰かの笑顔を守るのがあたしらだもん」

 

「ウチは共働きだからね。倅に寂しい思いはさせたくないけど、仕事柄、テレワークとは縁がなくてね」

 

のび太夫婦は仕事柄、テレワークと縁がなく、疫病の流行る時勢ながら、各地に出向く仕事をしている。双方の老いた両親も心配するほどだ。

 

「裏稼業に休みはないからね。30代になってからはデスクワークメインにはしたけど、僕が出向かないとならない仕事もあるからね」

 

「しずかさんは今日からどこに?」

 

「潜入調査でしばらく、僕たちとの連絡を断つとか言ってる。公安警察ってのは、殉職も割にありえる部署だしね。多分、反日本連邦組織のところだろう」

 

――日本連邦の成立後、奇跡的に日本の経済が持ち直してきたのは扶桑の軍事力を含めた『貢献』によるものであるが、軍事力を背景にした繁栄を『軍需産業の陰謀』と断じ、否定しようとする勢力も左派に一定数存在する。だが、扶桑の軍事力なくしては、人口減少時代を迎え、衰え始めた国力を盛り返すことは出来なかったし、領土問題などの諸問題の解決も物理的力無くば解決しなかったという歴然たる事実は左派を退潮させるのに充分な理由であるが、それを否定したい者は日本にはまだまだ存在した。しずかは公安警察配属後は表向きは『パートで食いつなぐ専業主婦』になったと思わせている。この時期には反日本連邦組織を潰すための潜入捜査を始めたと、のび太の口から語られ、しずかはこの後の数年は潜入捜査のために家族との連絡を断つ事になる――

 

「カミさんは表向き、警察辞めたって事になってるから、周りには海外旅行か、留学って話しておくさ」

 

「公安警察も大変だね」

 

「ダーティな仕事するからね。昔の特高よりやり方が賢い部署のようなものだし、あそこ。倅は僕が見るよ。裏の仕事をセーブしたのはそのためさ」

 

のび太は妻とのしばしの別れを惜しみつつ、息子を男手で育てると明言する。とは言え、周囲に思春期の少女が多い環境で育ったのび太の実子『ノビスケ』は長じた後はスポーツ選手になり、青年時代は様々な女性との間に浮き名を流すことで知られていくが、その割に本命は幼馴染であり、意外に一途であった。ちなみに、その幼馴染との間に出来た第一子がのび太の孫であり、セワシの祖父にあたる。

 

「ノビスケくん、りんちゃんとなおの影響でサッカーしてるんでしょ?どうなるの?」

 

「ああ、Jリーグで一流半までいくよ。日本代表選手の経験もある。一族でスポーツで身を立てたのはあいつだけだよ」

 

のび太曰く、ノビスケは将来、Jリーグで一流半程度の選手として大成するという。23世紀までを含めての野比一族では、スポーツ選手として成功した者は後にも先にもノビスケのみとの事。後はビジネスマン、官僚、あるいは軍人であるという。ジャイアンの一族は商売、格闘家、軍人に分かれているため、のび太一族はなんだかんだで代々が起業家向けが多数派、ジャイアンの剛田家は接客業か武道家向けの素質が多数派なのだろう。

 

「ジャイアンさんは?」

 

「あいつのところは代々の長子が接客業向け、分家が格闘家向けなんだ。ごく偶に仏門に入るのもいるけどね」

 

ジャイアンの剛田一族は接客業のみならず、格闘家としても代々、高名な者が多い。その一方で仏門に入った分家もあるという。(その内の一人とジャイアンは交流があり、ジャイアンは少年時代、皆を連れて、叔父が僧侶を務める寺に遊びに行った事がある)そこが武士から企業経営に転身し、見事にコンツェルン形成に至った骨川家と対になる。

 

「スネ夫は明治以降は企業経営の家柄でね。コンツェルンになったのは戦後以降の話らしいよ。スネ夫が引き継ぐ頃は大震災でね、傾いた時期があるけれど、スネツグ君の資金援助とあいつの手腕で持ち直した。あいつは今頃、ベトナムだな。ハノイで商談中らしい」

 

「へー…」

 

「スネ夫は多角経営でね。広告代理店も傘下に入ってるから、映画やアニメの新情報はすぐに入る。君たちの出演映画もそれだよ」

 

スネ夫は子供時代はそのコネでアイドルのファンクラブ幹部になったりしたが、成人後はそのノウハウでのび太への情報屋及び、カーコレクションの提供元になっている。プリキュア関係の新情報はそこから伝わる。また、のぞみが2018年に映画のアフレコをする流れになったのも、スネ夫の経営する広告代理店の売り込みのおかげである。

 

「それにしても、トップシークレットのはずなのに、よく漏らしてくれたね」

 

「制作側に君のファンがいるんじゃないかな。製作中の映画の情報をそう簡単に漏らすはずないからね」

 

「そう考えると、嬉しいような…恥ずかしいような…」

 

「これは君が起こした奇跡の結果だよ、のぞみちゃん。ダイ・アナザー・デイとデザリアム戦役での、ね」

 

「デザリアムの時は闇落ちしかけたし、ダイ・アナザー・デイの時は捕虜になったけどね」

 

「それでも誇っていいさ。スプラッシュスターを差し置いての事に戸惑ってるようだけど、あの二人も祝ってくれるさ」

 

スプラッシュスターは二代目でありながら、色々な要因で目立たず、オールスターズでも第二世代オールスターズ以降は見せ場が激減している。のび太は戸惑うドリームに発破をかける。

 

「さて、ノビスケは部活で遅くなるし、フェリーチェとミントも遅くなるってメールが来た。調ちゃんはなのはちゃんとこに仕事に行った。出前でも取ろうか」

 

「グルメテーブルかけないの?」

 

「あいにく、只今修理中でね」

 

グルメテーブルかけが修理中というのび太は自前で出前を取る。とは言え、それに使う電話もドラえもんの『出前電話』だったりする。この日は金曜日。金曜日の昼はカレーライスである。

 

「カレーライスか。金曜日にカレーって、先輩たちの影響?」

 

「だね。菅野大尉もだし、金曜日にはカレーライスなんだ」

 

陸軍には『金曜日にカレー』の習慣はなかったので、そこは不思議そうなドリーム。もっとも、扶桑でカレーライスが出る日は土曜日だったが、連合軍結成後に訓練日程が変更されたのが週休二日制がある日本との交流で根付き、金曜日で定着した。地球連邦でその習慣を身に着けていた黒江たちの影響か、のび太も大学生以降、金曜日にカレーライスを食する習慣を身に着けた。のぞみもこの頃にはそれが当たり前になりつつあったが、素体の錦が陸軍軍人だった影響か、まだまだ戸惑いがあるようだ。

 

「福神漬け?それともらっきょう?」

 

「あ、両方お願い」

 

ウィッチ世界でルッキーニBが騒動を起こした頃、ドリームはのび太と平和にランチタイムであった。落差の大きい二つの事柄だが、ドリームは2021年にチーム全体がピンで活躍するという意味では久方ぶりの映画、それも『最新の後輩との共闘をする映画』が公開決定というので、内心は興奮気味である。なにせ、現役引退から10年を超えた後での主演映画なのだ。それを知って、段々と声が弾んできている。前世で自分を狂わした経緯からすれば、信じられない出来事だった。ルッキーニBがウィッチ世界で騒動を起こした事をつゆ知らぬキュアドリームは、のび太が出前電話で取ったカレーライスに舌鼓を打つのだった。

 

 

 

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