ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第百四十二話「1949年5」

――ダイ・アナザー・デイで本格的に投入されたミサイル兵装は怪異相手には必ずしも有効ではないが、リベリオン艦には絶大な効果を発揮したが、戦艦は戦闘力喪失までにはできても、沈めることはできなかった。これを野党は問題視したが、戦後のミサイルは戦艦を沈めるようには設計されていない(戦艦が消えた事もあって)事が周知された事、潜水艦と誘導魚雷、戦艦を戦場から駆逐したはずの航空機と空母、ミサイル兵装の価格高騰もあり、戦艦は砲撃と補助のミサイル、魚雷で撃沈するというドクトリンが日本連邦で確立された。M動乱とダイ・アナザー・デイは日本側に『史実大和の後の世代の超弩級戦艦』の脅威を認識させた。あまりに強固な装甲の船体を持つため、『ミサイルで沈めることは不可能』、『21世紀基準の高性能魚雷でも、最低で片舷に五発は当てないと、航行不能にもならない』という戦訓が伝わると、日本側の戦艦廃止論は萎み、むしろ、それを打ち破れる戦艦をせっつき始めた。そのタイミングで公表されたのが『播磨型』と『三笠型』である。ダイ・アナザー・デイ後に『新鋭』とされたこの二つの艦級は日本の官僚が目を回す大きさではあるが、未来世界のオートメーション化で、必要な乗組員の数は多くても、1200人台と比較的に少人数。史実の最終時の大和が3300人あまりであったのに比べ、半分以下。しかも、その装甲はウィッチ世界の兵器では、88ミリ列車砲でやっと傷がつく程度と驚異的強度。それでいて、21世紀現用艦真っ青の機動力。まさに魅力的な兵器だった――

 

 

 

 

 

 

 

――23世紀はデザリアム戦役が終わって間もない頃、神隼人が一人の青年の導きで一体の新型ゲッターロボの最終調整を進めていた。その青年の名は流拓馬。流竜馬の平行世界での実子にあたる青年で、本人曰く『ゲッターロボの申し子』。正確には彼が持ち込んできたゲッターロボの修復とレストアと言えるが、ほぼ新造に近い扱いである。そのゲッターロボの名は『ゲッターロボアーク』。早乙女博士が直接、開発にタッチしたゲッターロボとしては最後の一体で、文字通りに『早乙女博士の最後の遺産』である。

 

「よくここまで直せたもんだ」

 

「こちらで建造が進んでいた同じゲッターのパーツに置き換えてレストアしたも同然だ。エンペラーの導きでこの世界に来たと言っていたな?」

 

「ああ」

 

神隼人の傍らにいる青年こそ、流竜馬の平行世界における息子『流拓馬』。元の世界でバグというゲッターエンペラーに対抗できる超兵器に追い詰められたところをエンペラーに救われ、未来世界にやってきていた。彼が伝えし『バグ』という兵器こそ、真ゲッタードラゴンの目覚めが早まった真の理由でもある。

 

「この世界のゲッタードラゴンが急に目覚めたのは、バグの存在を感知したからだろう。ウザーラ以上の化け物だよ、大佐。あれは」

 

「お前が竜馬の倅というのも、俺には信じられんがな。そういうタマではなさそうに見えたぞ、お前の親父は」

 

「死んだおふくろは押しかけ女房みたいな感じだったらしい。で、親父の知らぬ間に俺を身ごもって、産んだらしい」

 

「あいつが聞いたら、泡吹いてひっくり返るな、これは」

 

笑い飛ばす隼人。竜馬本人も狼狽えていたが、まさか別世界における実子が現れるとは思ってなかった上、ゲッターエンペラーの意思が呼び込んだというのは、ゲッターの導きによる奇跡であろう。

 

「俺達が若い内に真ドラゴンに乗れたのは、バグという兵器と戦えというエンペラーの意思か?」

 

「早乙女博士の意思かもな。人類の進化を俺の仲間だったあいつが絶とうとするなら、真ドラゴンでそれを倒せという…」

 

「爬虫人類とのハーフだったというお前の仲間か」

 

「俺が引導を渡すよ。それがゲッターに選ばれた者の宿命だ」

 

拓馬の友といえた第三代チームの一人『カムイ・ショウ』。爬虫人類と人間のハーフでありながら、恐竜帝国王位継承順位第二位である。出自が人間との混血ながら、母親の同族たる人間を否定しようとする男。別世界の百鬼帝国の残党から受け取った『マジンガーZEROとゲッターエンペラーに対抗できる』兵器『ヤマト・セイクン』、またの名をバグを完成させ、暗躍。ブライ大帝亡き後に動き出し、未来世界の恐竜帝国残党と百鬼帝国の残党を糾合。台頭したプロフェッサー・ランドウと手を組んで、スーパーロボット軍団の打倒を目指している。目下の敵はプロフェッサー・ランドウ。平行世界では隼人のパイロット生命を絶った男である。

 

「ランドウを倒したとしても、その男が立ち塞がる。しかも、平行世界では一度は此方側にいた者とはな…」

 

「あんたらのいう宇宙怪獣もバグの前には『チャチな生き物』にすぎない。そして、真ドラゴンにとってもな」

 

「あの宇宙怪獣を『チャチ』とはな」

 

「バグにとって、宇宙怪獣はチャチな生き物だよ、神さん」

 

拓馬は竜馬の血を継ぐ存在である故か、どことなく竜馬を思わせる雰囲気を持つ。とは言え、派手な嗜好の父と比較して地味な嗜好であるなどの違いがある。仲間の離反を経ているため、情け容赦がなくなったのか、ゲッターの意思に従う選択をしたからか、バグを破壊する事を命題としているようであった。格納庫で順調にレストアが進むゲッターアークは表向きは『早乙女博士の残した部材で組み立てた、最後の早乙女研究所製ゲッター』という触れ込みだ。一応は嘘はついていない。

 

「アークのレストアはあとどのくらい?」

 

「パイロットの都合も考えると、まだ数ヶ月だ。俺がキリクに乗ろう。お前の世界と違って、まだ現役のつもりだからな、俺は」

 

ゲッターアークは総合的性能の比較で真ゲッターロボを超えているところがあるほどのゲッターである。安定性を重視した結果、真ゲッターロボやゲッタードラゴンほどの爆発力はないが、安定して高い戦闘力がある。その戦力化は神隼人には願ったり叶ったり。未知数のゲッターノワール計画よりは安全牌である事から、修復は念入りになされていた。そして、自身の健在をアピールするところは自分のいた世界では失っていた若さの証明だろうと解釈した拓馬であった。

 

 

 

 

 

 

 

――21世紀世界で、思わぬ朗報に心を弾ませる事になったキュアドリーム。カレーを食した後は野比家地下の格納庫に行き、この時期の日課であった『ゲッターロボ搭乗ライセンス取得のための訓練飛行』を行った。ゲッターロボは飛行中に合体する事と、合体動作に音声入力と手動操作が混在する事から、パイロットになる難易度が高い。更に通常の戦闘機よりも遥かに甚大なGがかかる事から、流竜馬や一文字號のような『並外れてG耐性の高い者』が必要であるが、正規のゲッターチームのような超人は各時代につき、数人も現れればいい方なので、次善策として『正規チームと同等のG耐性と親和性があるGウィッチ達を乗せちまおう』という選択が取られた。プリキュア達も例外ではなく、既にキュアミラクル、キュアメロディ、キュアベリーはライセンス取得済みであり、その他数人が訓練途上にあった。ドリームもその一人。

 

「よし、ゲートは開けてあるから、ゆっくり出なよ」

 

「うん。ありがとう。他の二機はオートパイロット?」

 

「僕はリアル系中心だからね」

 

ドリームは訓練用の量産型ゲッタードラゴンのドラゴン号で訓練を行っていた。ゲッター初搭乗時は三号機(ポセイドン)だったが、縁起が悪い&番組の主役特権を行使し、ドラゴン号での訓練を開始した。新野比家の地下は裏山にそのまま通じており、中腹付近に発進ゲートが設けられており、そこから外界に出るという回りくどいルートだった。それは騒音対策とカモフラージュのためで、建設当時に絶頂であった学園都市対策である。この当時にはカモフラージュの必要は無くなったが、騒音対策の意味合いで維持されている。

 

『ゲッターロボG、はっし~ん!!』

 

三機のゲットマシンが格納庫から発進する。他の二機は一号機からの誘導操縦なので、その動作は鈍い。とは言え、訓練なので、問題はない。途中で上り坂のカーブを登り、ゲートが見えたところで加速、一気に飛び出す。

 

『チェーンジ!!ドラゴン!!スイッチ・オンッ!』

 

合体レバーを引き、ゲッタードラゴンへと合体する。量産型なので、スタイリッシュなトリコロールカラーのオリジナル機に比べると、塗装パターンが単純化されている、体形がマッシブである、マッハウイングの形状も異なるという差異がある。大量生産型なため、基本性能は低下した面があるが、それでも基本武装は同様に備えているため、基礎戦闘レベルにそれほどの差はない。

 

「マッハウイング!!」

 

ゲッター1のゲッターウイングより高速で飛行可能なのがマッハウイングである。次代の真ゲッターロボからは『バトルウイング』系が主流になったので、ゲッターウイングの純粋な改良の系譜はマッハウイングで打ち切られている。

 

「おお~!戦闘機以上の加速だ~!シャーリーが病みつきになるわけだ~!!」

 

ゲッタードラゴンの飛行速度はマッハ3を超える。最大速度はスクランブルダッシュ時のグレートマジンガーと同レベルであり、元から戦闘用に造られたため、初代ゲッター1を旋回性能やロール力で上回る。また、ゲッタードラゴン以降のゲッターは有視界操縦が前提であるので、ドラゴンの場合は口元の部分が操縦席のキャノピーにもなる。ドリームは今や、かつての統制を何らかの理由で失った(この世界では基本世界のように、一方通行が二代目の統括理事長になったかは定かではないという)学園都市を飛んでいる。かつてと違い、能力開発が抑えられた事や日本政府の統制下に入った影響で、以前のような独立国家としての軍事力は解体され、持つ技術も日本政府の持っていたオーパーツ兵器の維持と改良にのみ使われるようになった。その施策の影響で、ゲッタードラゴンが上空を飛んでいようと、学園都市側に動きは見られない。2010年代のある時期に軍事部門が解体され、正規の日本連邦軍が代わって駐留するようになったからだ。

 

「これが学園都市か…。関東の広いエリアを抑えていて、のび太君が成人間もない頃まで栄えてたっていう…。高度を下げてみるか」

 

ゲッタードラゴンの飛行高度を下げ、街の様子を見てみる。のび太が成人して間もない頃の事件をきっかけに衰退し、2020年代の時点では能力開発も終わり、かつての栄華が嘘のような状態に堕ちたのは本当らしく、人通りもまばらである。21世紀の空をゲッタードラゴンが飛んでいても不思議がられないのは、すごいことだ。

 

「でも……まさか、ウィッチに生まれ変わってもプリキュアに戻るとは思ってなかったなぁ。しかも、動かしてるのはゲッタードラゴン(ゲッターロボG)だし」

 

ゲッターロボは元は宇宙開発用に開発されたのが戦闘用に転用されたのが始まりである。本格戦闘用の機体としての第一世代がゲッターロボGである。それが遠未来でゲッターエンペラーという究極形態に到達するのである。その過程は詳しくはわからないが、黒江曰く、『ドラゴンが真ドラゴンになって、聖ドラゴンになる。そこで真ゲッターロボと融合進化した形態がエンペラーでは?』とのことである。少なくとも、聖ドラゴンという存在が真ドラゴンのさらなる進化形態らしいのは事実である。

 

「こいつのオリジナルが真ドラゴン、聖ドラゴン、そしてエンペラーになるのか…。なんか想像できないスケールだなぁ」

 

ゲッタードラゴンが進化していくと、『宇宙も滅ぼせる機械の化け物』の一角に登りつめることは未だに信じられないドリーム。とはいえ、幾度か交戦した『龍型の真ドラゴン』はイレギュラーな進化であると弁慶は言っており、あれはゲッターの数ある派生進化の一つにすぎないという。

 

「学園都市は昔、独自の軍事力を持ってたというけど、こうなっちゃうとなぁ」

 

かつては学園都市の防空を担っていた学区は日本連邦空軍の管理下に置かれ、かつての独自開発の非人道的兵器の解体が進められている様子が見える。とはいえ、その後釜がメカゴジラやスーパーXの量産型では、どっこいどっこいに思えるドリーム。搭載している兵器は別ベクトルで突き抜けているからだ。

 

『ドリーム。海軍から要請が入った。違法操業の漁船の上空を示威飛行してくれって」

 

「そういうの、海保の仕事じゃ?」

 

『あそこは戦争と不祥事で実働部門が死に体に近いんだ。太平洋戦争もたけなわで、連合艦隊の艦艇は大半がドック入り中だしね』

 

ゲッタードラゴンは70年代に子供だった者にとっては正義の味方だが、2000年代以降を若者として過ごした世代からは『悪役ゲッター』の認識である。とはいえ、日本の科学力の象徴には変わりない。スーパーロボットの中では比較的に脆弱とされる装甲のゲッターロボだが、それでも21世紀の通常兵器程度では傷一つつかない強度は持つ。この時期、連合艦隊の日本駐屯艦隊も近代化改修の途上で、甲斐も新式ミサイルなどへの対応改修中なので、飛行中のゲッタードラゴンに任務を委託してきたという。海保も戦争で実働部門が死に体なので、違法操業の監視に人員が割けないという本末転倒状態であり、のぞみはゲッタードラゴンで日本海に飛び、違法操業の漁船を海上保安庁からの委託という形で取り締まりに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――こちらは記憶喪失から立ち直ったキュアルージュ/夏木りん。療養生活を終え、戦線に復帰した彼女。彼女はデザリアム戦役終結後のしばらくの間は療養生活を送っており、太平洋戦争が始まる頃に復帰していた――

 

「今回は災難だったわよ。半年近くも病院生活だったから、体が鈍って…」

 

「しゃーないですよ。りんさんが記憶喪失になって、のぞみさん、一時は発狂寸前だったんですよ?」

 

「あの子は子供の頃から、あたしとずっと一緒だったから。それで心の平静を保てなくなったのよ、たぶん。あの子の前世の不幸はあたしたちの落ち度でもあるから、あの子には幸せになってほしいのよ。世界の敵と戦うのが神様から義務付けられたとしても、ね」

 

りんは治療担当の星空みゆき(宮藤芳佳)へ本心を話す。みゆき(芳佳)も前世では絵本作家志望だったのが軍医になって栄達している。そのため、自分に苦笑している。

 

「あたしだって、昔は絵本作家になりたかったけど、現実はそう甘くなかったし、大学で司書課程は終えたけれど、図書館の司書で食いつないでたんです。だから、公務員はカタイ商売ですよ。今の人生での親父の遺志は守れてるし」

 

「あんたの今回でのお父さんは戦争で…」

 

「ええ。智子さんと黒江さんが調べてくれたんですけど、1940年代の初めに消息不明になってるんです。坂本さんも零式を作り終えた後の消息は知らなかったし」

 

宮藤一郎。芳佳の実父で、かの堀越二郎技師の同位体にあたる。今回においては腹心の曽根嘉年技師へ『烈風』の素案を、黒江と智子(幼少期の芳佳に剣を教えたため)には魔導ジェットエンジンとリヒートの技術素案と次世代理論の雛形を託した。前者は遺志を継いだ曽根技師が完成させ、後者は娘婿になった吾郎技師が実現させている。(とはいえ、烈風は宮藤技師の晩年の時の理論で設計されたもので、基礎設計そのものは古くさいと言える。それが1943年以降の時勢の最新理論で設計された紫電シリーズに制空戦闘機の座を奪われた要因である)

 

「とはいえ、親父が最後に設計したのは1940年前後。その時に設計した烈風が大柄になって、ヤーボに使われたのは怪我の功名、本当は制空戦闘機で設計されてたんだから、成功とは言いがたいですね」

 

「烈風ねぇ。たしか史実だと」

 

「東南海地震と空襲で量産できずじまい。それを思えば幸せですよ。和製コルセアで名が通るんですから」

 

医務室に飾ってある烈風の実機の模型。この世界では実父の遺作だが、制空戦闘機としては『凡作』といえる出来で、むしろ戦闘爆撃機として成功した。これは曽根技師が1943年前後に基礎設計の手直しをほぼしないで実機を制作した故に、同時期の新鋭機『紫電』にロール性能で遅れを取る事態が発生したこと、制作途中で次期戦闘機の機銃が25ミリ機銃へ変更された事による混乱への対応の後手後手ぶりによるものだが、烈風は戦闘爆撃機として使われることで、ダイ・アナザー・デイで一花咲かせた。この時期にも一部はターボプロップエンジン化で現役であり、長命を保っている。

 

「親父も草葉の陰で喜んでるでしょう。成功の部類には入るし、ストライカーの震電は弟子筋のダンナが完成させたし」

 

「それはそうと、あなたも大変ね。宮藤芳佳としても露出多いから」

 

「この世界でも主人公属性あるから、チートだって言われますよ。プリキュアとしてもけして弱くないし。とはいえ、のぞみさんのほうがチートですよ。マジンガーと融合したんですから」

 

プリキュアとしては第三フォームがあるため、現役時のスペックではキュアドリームを上回るキュアハッピーだが、ドリームはマジンガーZEROとの融合でプリキュアでトップ5の戦闘力にまで到達したことから、現在では強さ順は逆転している。

 

「おまけにプリキュアとしての経験はあたしじゃ及びもつかないくらいに差があるんですから…あ、メール?……え、えぇ!?」

 

「どうしたの?急に」

 

「み、見てください!!」

 

りんもその次の瞬間に素っ頓狂な声をあげてしまう。2021年に『プリキュア5が現役のプリキュアであるヒーリングっど・プリキュアと共演する』映画が制作されるという急報が伝えられたからだ。ピンで共演というのは極めて異例である上、ヒーリングっどとはあまりに代が離れているからだ。

 

「ど、どういうこと!?2021年じゃ、もう15年も経ってるわよ!?」

 

「オールスターズも展開終わってますからね…。どうなってんの?」

 

プリキュア自身も腰を抜かすこのニュース。プリキュア5はたしかに引退後も比較的に出番に恵まれたほうだが、近年は減ってきていたので、驚きである。

 

「のぞみさんのがんばりが評価されたんじゃ?それと、平行世界のほうはどうなりました?」

 

「のぞみの同位体を宥めるのに苦労したわ。その世界のミルキィローズの見せ場は無くなったわ。士さんがどっかの平行世界から仮面ライダーBLACKを連れてきてくれたから、ゴルゴムには対抗できたけど」

 

「あー…、なるほど」

 

その世界のプリキュア5とミルキィローズでは暗黒結社『ゴルゴム』の残党が繰り出す改造人間には対抗不可能であったため、門矢士が仮面ライダーBLACK/南光太郎(RX化しなかった世界線の存在)を連れてきて対抗させたという。プリキュアで改造人間に対抗し得るのは、未来世界などでその能力を現役時より鍛えたプリキュアらのみ。その世界のプリキュア5では為す術がなかった。りんも復帰後にはその世界の救援に赴き、ハイドロブレイザーでその世界のドリームを助けている。りん曰く、仮面ライダーBLACKもパワーアップして蘇ったシャドームーンに追い込まれ、そこを更にBLACKRX(未来世界の光太郎の変身するRX)が救うという堂々巡りのような展開になったとのこと。

 

「シャドームーン。あいつは強いわ。その世界のあたしらを歯牙にもかけず、BLACKも追い込んだ。だけど、RXが助けてくれた」

 

「RXは太陽のパワーでBLACKの数十倍のパワーアップを果たしてますからね。BLACKを世紀王とするなら、RXは擬似的な創世王状態ですよ?桁が違います」

 

RXの戦力は昭和ライダー最強を争う。元々、次期創世王候補の片割れだったBLACKが太陽のパワーで更にパワーアップして新生したのがRXなので、クライシス帝国の奮闘(?)は語り草である。シャドームーンはいずれの機会でも、プリキュアオールスターズを歯牙にもかけぬ強さで一蹴し、RXと対等に渡り合っている。また、サタンサーベルとシャドーセイバーは容易にプリキュアの防御を貫けるため、プリキュアオールスターズはまさに『手も足も出ない』。キングストーンフラッシュでプリキュアの技と奇跡を無効化できるからだ。それに対抗できる存在かつ同格の存在であるRXの強大さが際立っている。

 

 

「BLACKとRXが同一の存在って言いました?」

 

「言ったわよ?違う経緯をたどった同一人物だって。さしものシャドームーンもダブルキックで退けた時は拍手したわ、あたし」

 

りんもRXとBLACKが共闘し、ダブルキックをかますという夢の光景には感動したようだ。その世界のドリームは相当に悔しそうだったが、シャドームーンは世紀王。プリキュアでは相対することさえ困難な敵なのだ。

 

「現役時代相当のスペックのあたし達じゃ、戦闘員や一般怪人はどうにか出来ても、大幹部には手も足も出ない。アポロガイストや地獄大使なんて来たら、特にね。あの世界ののぞみはどうして、あんな無謀な事を…」

 

「プライドもあるでしょうけど、プリキュアである事はのぞみさんのアイデンティティのようなもんですからね」

 

「どこの世界も似たようなもんか…」

 

りんは妙なところで関心する。みゆき(芳佳)がカウンセリング代わりも兼ねての治療をりんに行っているのだが、のぞみはどこの世界でも、『プリキュアである』ことを自分の存在意義としている節があるところに二人は同意する。その世界でののぞみも無謀にも、シャドームーンに挑み、危うく死にかけるなど、共通点が多いからだ。

 

「シャドームーンに喧嘩売っちゃった時はハラハラもんよ。慌てて止めようとしたけど、間に合わなくてね。RXさんがいいタイミングで…」

 

りんは語る。平行世界のプリキュア5が遭遇したシャドームーンという存在の脅威を、その時に何が起こったかを。

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