ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第百四十四話「1949年7」

――B世界のウィッチ達はA世界の兵器に触れる機会を得たわけだが、64FはISも有している都合上、MSからのダウンサイジング兵器も有する。第二世代ストライカーはそれらをドライブ可能な出力を持つ。シャーリーはストライカーで出る時はEパック式のロングライフルを好む。智子はガンダムF91系統のもののダウンサイジング版を好む。黒江はアナザーガンダムのバスターライフルを好むものの、威力過剰なので、普段はロングライフルとハイメガランチャーを携行する。これはダイ・アナザー・デイ後期以降に補給が充実して以降のラインナップだが、B世界から見れば、超兵器だ。これは九九式20ミリ、ホ5などが旧式化した一方、ジェット用の機銃は大掛かりな装備になりがちで、嵩張ると不評なためにISから転用されたものだ。威力は好評だが、携行弾数に限りがあるバスターライフルやビームマグナムは制空任務には使われない傾向がある。――

 

「これが貴方方の新装備…」

 

「第一世代式では殆ど使用不能なものが多いわ。ビーム兵器だもの」

 

「び、ビーム兵器!?」

 

「別世界の技術を用いたオーパーツ的装備。ルッキーニ達の口から漏れたら大事だもの。ましてや、今は戦時中だもの」

 

武子はミーナB、サーシャB、竹井Bに秘密を開示する。64Fが隠していた装備はまさにオーパーツなのだ。ビーム兵器てんこ盛り。

 

「最高機密だったのは、使用技術レベルが数百年は上の代物だし、人には言えないルートで揃えたからなのよ。当然、怪異程度は余裕で装甲を切り裂いたり、貫けるわ」

 

「ビーム兵器を有しておきながら、どうして他国には開示しないのですか」

 

「他国には整備する能力もないわ。扶桑だけが得れたのよ。時代を超えた兵器なんて、扶桑の国会でさえ疑義が呈されてるもの」

 

「情報は開示しているが、装備を提供していないだけだ、ライセンス契約が有るしな。そういうのをビジネスと言うんだ」

 

「あなた達に提供するだけの量しかないと?」

 

「生産できるのも扶桑だけだが、ビーム兵器の生産など、予算が中々降りんのでな。銃後は戦艦を欲しがっとるからな」

 

「なぜですか?」

 

「5年前のことだ。リベリオン合衆国が連合国を離反し、呉軍港を大規模に攻撃した。海軍はその攻撃で戦艦を三隻以上失い、空母鳳翔も撃沈され、港湾施設もメタメタにされた。紀伊がその時に砲撃戦で群衆の前で撃沈されたんだ。モンタナ級戦艦にな」

 

呉軍港をメタメタにされた扶桑は母港機能を横須賀基地に移すしかなく、一時は連合艦隊司令部を建設中の日吉の防空壕に移す事も検討されていたほどの衝撃だった。つまり、三笠型以降の超大和型戦艦はその衝撃とH級戦艦の出現で出現を容認されたと言える。(ただし、航空主兵論が航空機の高額化で破綻するおまけ付きだが)

 

「紀伊の数千の戦死者の遺族はその後も建艦運動で圧力をかけてな。その分、空母増産に悪影響が生じた。大鳳の増産も中止されたからな」

 

「そんな、あれを中止なんて」

 

「30000トンしかない空母に、ジェット機は積めんよ」

 

A世界では大鳳は表向き『性能不足』を理由に増産が中止されたが、実際は縁起が悪いという日本の験担ぎも含まれた決定だった。大鳳は装甲化で格納庫も小さくなっており、ジェット時代には30機が限度とされたのも、増産が中止された要因だ。とは言え、改良型の45000トン級は計画されていたが、それが85000トン級に拡大されたのが遅延の理由だ。扶桑はミッドウェイに相当する大きさの正規空母を大鳳をPタイプに設計していたが、それが白紙撤回され、キティ・ホーク級航空母艦を範にする大型正規空母に変更させたため、1949年まで予算枠も確保できなかった理由だ。日本は『50年使用できるサイズじゃないと』とないものねだりであり、手っ取り早い戦力拡充を志向した扶桑と対立した。雲龍型の他用途転用は日本側主導の反対派への懲罰的決定だが、大型輸送艦の確保というもっともな理由もあった。雲龍型は戦時量産故か、日本側に粗製乱造と取られたのが転用の理由であった。もっとも、ひゅうが型護衛艦と同程度の船体は21世紀基準からすれば、いくらでも使い道はあり、ヘリ空母化して実験艦になったもの、戦車揚陸母艦になったもの、訓練艦になったもの、病院船へ転用された個体もあった。

 

「この哨戒機が乗らんと、今や正規空母とは見做されん時代だ」

 

「え、この大型双発機を?美緒、何の冗談…」

 

「冗談ではないよ、醇子」

 

アメリカ軍から供与されたE-2D。21世紀の最新グレードのE-2で、第二次世界大戦当時の空母には乗らなさそうだが、原型の開発当時はまだ現役だったエセックス級に乗る寸法に調整されている。64Fも米軍ルートで入手済みであり、運用している。その連携には第二世代ストライカーが必要不可欠なので、前世代機が退役する理由ともなった。

 

「リベリオンの最新空母はこれを余裕で運用できる。それで空中哨戒網を敷き、邀撃機に指示を飛ばす。いわば、空飛ぶ管制室だ」

 

坂本も同機に搭乗し、空中指揮を執ることもある。この時代では最も進んだ戦法と言える。

 

「中を見てみろ。多分、お前たちは目を回すだろう」

 

見るからに凄そうな電子装備が並んでいるため、1945年の常識しかないB世界の面々にはSFの宇宙船のように思えた。とは言え、電探のディスプレイらしきものは理解できた。45年には電子装備付きの飛行機はあったからだ。飛行計器はアナログ計器も残っているので、一安心ではあった。

 

「美緒、あれは?」

 

「異世界から黒江が購入した宇宙戦闘機だ。あれで地球と月を余裕で往復できる」

 

E-2Dの外に出た三人は黒江が購入していたコスモタイガーに気づいた。アースフリート制式の主力機であるが、デザリアム戦役後はガイアも使用し始めた名機だ。地球連邦軍(アースフリート)仕様はガトランティス戦役、とりわけフェーベ航空決戦の戦訓で改良された後期仕様で、機首のロングノーズを特徴にする。設計上、宇宙での邀撃などを主用途としているので、大気圏内ではブラックタイガーには機体の機動力で譲る。黒江は新コスモタイガーの新塗装に塗っており、偶然にも扶桑軍の旧制式塗装と一致する色合いであった。

 

「見かけはちょっとかっこいいジェット戦闘機程度だが、航続距離はすごいぞ。火星から木星を往復できるとか」

 

「……まさにオーバーテクノロジーですね」

 

「もっとも、そういうスーパーマシンはレーシングカーのような位置づけだと思ってくれ。普段遣いではないからな。普段遣いはこのレベルだ」

 

「……(ホッ)」

 

F-100、震電改(改二は時代を超えた外見だが、それと別に普通の改もある)などが並んでいた。震電改は改二が本命だが、あまりに時代を超えた姿なので(戦闘妖精雪風風)、議会が疑義を呈しているが、レシプロ機が旧式化したため、普通の震電改も別に開発されていた。こちらは仮想戦記でお馴染みに近い姿だ。改二をガンダムとするなら、こちらはジムである。ストライカーの翼型がフィードバックされており、こちらは吾郎技師の従兄弟『七郎技師』の作だ。

 

「震電改は震電にジェットエンジンを載っけて、確認された不具合を直した国産機だ。クーデターの後に宮藤の旦那の従兄弟が設計した」

 

吾郎技師は冒険心の強い技術者だが、七郎技師は従兄と違い、経験不足もあり、堅実な技師であった。吾郎曰く『七郎は冒険心のない奴で…』とのこと。震電の元設計にあまり手は加えないが、ジェット機化で主脚を短くし、垂直尾翼を設けているなどの違いがあった。その分、吾郎技師より納期に間に合わせられ、すぐに量産可能な範疇に収められるという差があった。これが七郎技師は山西系の技師で、恩師が菊原技師であったためである。

 

「宮藤さんの旦那さんは宮菱の技師でしょう?震電改はその匂いは感じないわ」

 

「その従兄弟は山西出身の若手だよ。大学出て間もない若造だが、堅実だ」

 

震電は大きく分けて、『堅実に垂直尾翼をつけ、各所をブラッシュアップした堅実路線の改』、『根本から再設計し、ブレンデッドウィングボディなどの先進技術を取り入れた改二』に別れた。改二は高性能であるが、製造ラインの構築に時間を要するとされた事から、元の改計画が再開された。七郎技師はその縁で選ばれ、処女作として生み出した。黒江曰く『石橋を叩いて壊すタイプだな』との事で、性能はこの当時の高性能とされる水準であるが、量産可能な範疇である。機動力は元より高いが、平凡の範疇。だが、火力は固定兵装が37ミリ機関砲四門と高い。ロケット弾も携行可能で、国産初の全天候飛行可能なところなど、機の位置づけはF-86Dに近い。黒江曰く、『和製セイバードッグでも目指したのか?』とのこと。特に37ミリ砲はB-36、B-47などの重爆を粉砕できる絶対火力を目指した結果であるが、『神経過敏』とも揶揄されている。なお、黒江は『ミサイルのないデルタダートか、デルタダガーでいいだろ』と試乗後に語り、邀撃機としてなら手っ取り早いとした。その兼ね合いで軍部が企図していた制空戦闘機としては用いられず、改二と違い、防空部隊と前線の邀撃にのみ使用されたという。この時期はその配備が始まり、64Fの防空中隊に配備が始まった(それまでは紫電改と雷電を使用)頃に当たる。レシプロ機は加速性の良さから、64Fでもまだ使用されていたが、さすがに1949年にはB-47の登場で陳腐化したので、機種変更が始まっている。また、ゼロ距離発進用の実験もされており、一部の機体はロケットブースターにくくりつけられた姿で防空区画に配置されている。

 

「近頃は敵がB29が可愛く見える大型機で定期便をするのだ。そろそろおいでなすったぞ」

 

B-47(当時の敵最新鋭戦略爆撃機)の定期便を感知した基地が迎撃準備に入る。ロケットブースターにくくりつけられた震電改にパイロットが乗り、30°くらいにロケットが立てられる。

 

「な、なんですか!あれ!?」

 

「ゼロ距離発進の実験だよ。ロケットブースターで打ち上げ、邀撃する一種のデータ取りだ」

 

ロケットブースターが次々と震電改ごと打ち出され、それと同時にジェットエンジンを点火する。日本の官僚ははこれを『命知らず』と評したが、扶桑の当時の固有技術でできる範囲の模索である。F-100はロケットをつけて、スロープで上がるものだが、震電改では荒っぽい手法が取られた。これは当初の志願者は秋水を想定した教育を受けていた人員の生き残りだったからだ。やることは同じだが、人体が溶けない分、何倍もマシとはパイロットの談。

 

「あれのパイロットには秋水から機種変更した者が多い。やることは同じだし、ロケットブースターとジェットの高加速を耐えられる者はそう見つからんからな」

 

超兵器は制空に用い、防空には時代よりちょっとマシな兵器を用いる。扶桑空軍のドクトリンが垣間見える一幕だ。秋水と似た用途に使われた震電改だが、ゼロ距離発進で初期型のネックである短めの航続距離をカバーできるため、震電改はしばらくこの用途での運用が主になった。後にロケットブースターは日本産のものが使われるようになり、エンジンが改良された後期型の登場後も防空部隊では続けられる。次世代機のドラケンの本格配備まで、この手法は続いたという。

 

「子供達が見たら、泡吹くわよ」

 

「そうだろうな。だが、戦略爆撃機はどんどん進歩してきたからな。お前らが出会ったコンベアも今では旧型だ」

 

この時期はB-47が最新鋭機であり、富嶽に遅れること三年余でジェット化した。レシプロ機の邀撃機としての価値が消えたのもこの頃だ。だが、陣風や烈風の一部はターボプロップエンジン搭載に切り替えられ、尚も現役である。これはターボプロップエンジン化で速くなったからだ。

 

「なんだか寂しいです。プロペラ機が無くなるなんて」

 

「純粋なプロペラ機とは言い難いが、エンジンを新技術のターボプロップエンジンに変えた奴は残った。800キロ台は出るからな」

 

「ターボプロップエンジン?」

 

「なんと言おうか、ジェットエンジンの機構を流用したプロペラ機だな。レシプロエンジンの限界を超えた速さを引き出せ、燃料もジェット機と共用できる。烈風や紫電改の改良型はこれで延命した」

 

「書類は拝見しましたが、四年前に何があったのです、大佐」

 

「サーシャ君。君の同位体の事についても説明せねばならん。君の同位体に何があったか」

 

坂本Aは若干、気まずそうな表情を見せる。サーシャAはサーニャに決別された上、片目を暴漢の襲撃で失い、空中勤務者生命を喪失した上、サーニャ亡命の咎で僻地に飛ばされてしまったからだ。しかも名誉剥奪の上で、だ。サーシャBは愕然とした。自分が悲惨な目にあった上、国内の混乱で家族も散り散りになったというのは悲報以外の何物でもない。

 

「オラーシャはその混乱もあって、連合軍から脱退した。国が分裂した上、国内統治も覚束ない有様だ。君には辛いだろうが、この世界においては、これが事実だ」

 

サーシャBは青ざめる。自分には直接の関係はないとはいえ、別の自分は僻地で冷遇されている上、片目を失うのだから、当然だった。

 

「あくまで、この世界においてのこととはいえ……堪えます」

 

「それに、この世界はウィッチが戦闘の主体ではなくなったというのは?」

 

「怪異ではなく、人相手だからだよ、ミーナ。通常兵器相手には我々の持つメリットは薄れるし、そもそも、サボタージュとクーデターは戦争の様相が切り替わったことへの反発が原因だ。この御時世では疎まれるさ」

 

坂本はシニカルに言う。自身はこの四年、政治的に疎まれ始めたウィッチの擁護に奮闘していたからだ。

 

「それに、従来の意味合いのウィッチをいろんな意味で超えた者を迫害すれば、革新を受け入れない保守的な集団と言われても仕方ないことさ」

 

Gウィッチは1945年で生まれた造語だが、ウィッチの枠を超えた力を得たウィッチ出身者の意味合いも含まれる。『永続的な力を持てた突然変異のウィッチ』としても知られ始めていた。同時に『多数派が集団から異端と見なして切り捨てようとしたが、普通に軍人として優秀だった上、本来は門外漢なこともこなせる万能性が上層部に買われ、重宝されている』経緯も知られ、多数派のウィッチのほうが社会的に疎まれ始めるという状況が起こった。『Gウィッチの万能性は転生で得た経験値に依るものであり、通常ウィッチにはたどり着くことが困難な境地であるからして…』とする擁護も当然ながら存在し、通常ウィッチの入隊の敷居が上がってしまったことへ警鐘を鳴らす者も多い。実際、ダイ・アナザー・デイでその万能性が誉とされることで、働き手が減ることを恐れた農村部が萎縮し、そこからの志願数がグンと減ってしまったという副作用があったからだ。これも扶桑の農村部の古い風習からの悪影響であった。とはいえ、伝統的に地方から優秀なウィッチが出るのも一種のお約束であったので、(黒江は薩摩、圭子、智子、武子は北海道に実家がある)完全になくなったわけではない。

 

「それに異世界から色々と情報も入るし、ウィッチ以外の異能があることもわかった以上、ウィッチの技能に固執する必要も消えたからな。技術情報だけでも、すごい値打ちものだが、それに飛びつける余地がある国は少ない」

 

坂本の言う通り、ウィッチ世界は魔導学が主体で発達してきたため、通常兵器の発達速度を早めようとしても、それが難しい。扶桑は日本、地球連邦政府、時空管理局の援助があったからこそ、兵器レベルをこの時期の史実通りに飛躍できたわけである。その結果の産物が震電改なり、各種電探、音探なのだ。そして、航空機とパイロット育成費用の高額化と史実の海戦での敗北の記録が航空主兵論を木っ端微塵に打ち砕き、戦艦の王者としての地位は復権した。以前ほどではないものの、戦艦は再び花形となった。潜水艦が怪異戦では主役になりえないことも要因に挙げられる。また、宇宙戦艦の登場も復権の理由である。

 

 

「だから、固定脚機や複葉機がまだ残っていたような状態から、ジェットエンジン機を量産するまでに…」

 

「必要は発明の母というだろ?とはいえ、従来機に比べて遥かに高額でな。新鋭機は中小国の手に余るようになった。だから、比較的に疲弊していない扶桑が矢面に立つ必要があるのだ」

 

扶桑が軍備を更新したくとも、国民の福利厚生を優先する日本の横槍で必ずしも上手くいかない状況。そのため、人員の質を高くするための猛訓練は容認されている。更に優秀な他国軍人のヘッドハンティングも大手を振って行ったので、この時期の扶桑の前線兵力の少なからずはヘッドハンティングで引き抜いた他国軍将校で占められていた。ダイ・アナザー・デイ後、他国は自国復興を優先したため、軍人は冷や飯食いにされており、その冷遇が扶桑に他国軍人が義勇兵として多数やってきた理由である。カールスラントなどは個人単位でなく、部隊ごとの来訪が多く、それが戦後の呼び戻しに繋がった。扶桑もウィッチ志願数の低調、覚醒の数百年に一度の休眠期突入に悩んでいたため、義勇兵の来訪は願ったり叶ったり。さらに、未来兵器の導入も休眠期突入を補う施策の一環だった。

 

 

 

 

 

 

 

――64Fはダイ・アナザー・デイで試験的に用いた機動兵器をそのまま保有し続けた。新型の配備も進み、のび太が持ち込んだ『レイズナーマークⅡ』も含め、下手な地球連邦軍の機動艦隊が霞む陣容を整えた――

 

「のび太、SPTを持ち込んでいいのか?」

 

「コンバットアーマーは陸戦用だしね。それに、名目上は軍に卸すために作らせたから」

 

SPTはコンバットアーマーにはない『空中機動力』があり、デストロイドやバトロイド以上の速度を持つ。のび太は軍に卸すのを製造の大義名分にしたため、自分で活躍させる必要があるとシャーリーに愚痴る。

 

「それにしても、SPTをなんで選んだ?ラウンドバーニアンでもよくないか?」

 

「SPTのほうが何かと小回りがきくからね。それに、ビスト財団がザカールを作る気配あったから、急いだのさ。あれに対抗できるのはマークⅡだからね」

 

「あの財団、どうなるんだ?」

 

「主要人物が尽く失脚するか、死んだからね。緩やかに終わりに向かうよ。デザリアム戦役でサイアム・ビストも目的を果たして死んだ。だが、あの女帝を崇める一派は諦めてないからね」

 

 

デザリアム戦役はジオンとビスト財団の存在意義も消失させ、双方の自然消滅を促した。だが、ジオンは尚もテロ活動を続ける者は多いし、ビスト財団も財団を傾かせた野比家への復讐を目論んでいる。のび太はその残党掃討のために子孫に命じて、ネイサーとアナハイム・エレクトロニクスに出資させたのだ。

 

「子孫達にアナハイム・エレクトロニクスの株を買わせたのは、そのためさ。ビスト財団の締め付けがなくなれば、あそこは暴走する危険があるから、僕たちの一族がその後釜になるのさ」

 

のび太一族はビスト財団とは異なる形でアナハイム・エレクトロニクスを統制することを目指し、デザリアム戦役終結後から徐々に掌握していく。ビスト財団の衰退はそれと同期しており、奇しくもプリベンターによるブッホ・コンツェルンの解体の完了と同時期にビスト家の栄華も終わりを告げることになる。

 

「デザリアム戦役は地球圏を変えたけど、地球に弓引く何かにはゲッターエンペラーが制裁を加えることもわかった。ウィンダミアはプロトカルチャーの遺産で地球を滅ぼそうとするようだけど、エンペラーが本気出したら、そんなものは子供の玩具さ」

 

ゲッターエンペラーは究極のゲッターロボである。空間支配能力さえ有する星系サイズのスーパーロボットであり、地球型惑星を物理的に握り潰すことも造作なく行える。プロトカルチャーの遺産をも『子供の玩具』扱いできる力はまさに神域。今後、ウィンダミア王国が無事で居られるかはゲッターエンペラーの怒りを買わないかに尽きる。

 

「ゲッターエンペラーか。何が根源なんだ」

 

「ドラゴンさ。ドラゴンが二回の進化をした後、真ゲッターと融合進化するのさ。その証拠にエンペラーには歴代の頭部の意匠がある。ゲッター1、ドラゴン…」

 

『ゲッタードラゴンが真ドラゴンを経て、ゲッター聖ドラゴンになった後、ゲッターエンペラーへの最終進化を遂げるのではないか?』というのはまことしやかに囁かれている。エンペラーには真ゲッターロボとゲッタードラゴンの特徴があるからだ。そして、本気を出した場合、マジンガーZEROへの真の意味での抑止力となり得た存在である。

 

「あれが人類究極のスーパーロボットだよ。文字通りに機械仕掛けの神になった、ね」

 

のび太はゲッターエンペラーをそう評する。人類究極のスーパーロボットだと。天文単位の大きさ、空間支配能力など、まさに最高峰。ボディはゲッタードラゴンを根源にし、意志は真ゲッターロボを根源とする。二つのゲッターロボが融合した結果、宇宙も滅ぼせる機械のバケモノが生まれる。それがゼウスらの望む答えである。全ては神すら慄くバケモノを倒すために……。

 

「そこまで強くなって、何と戦うんだよ」

 

「時天空、かな。宇宙と宇宙の間の空間にいる神をも超えるバケモノ。それを倒すための兵器になるのがゲッターエンペラーの目的さ」

 

 

ゲッターエンペラーが敵とみなす唯一無二の存在は時天空。神を超えた次元の強さを誇り、半端な神では同化させられるのがオチという規格外の強さの存在で、ビッグバンの真の存在意義ともされる。ゲッターエンペラーはそれを倒すために宇宙を喰らうと早乙女博士は晩年に述べており、ゲッターの最終目的は『宇宙を食らう時天空を更に倒すため』。地球人はそのために生み出された戦闘的な種。ゲッターの提示するその答えは残酷だが、真理だった。それに気がついた地球人は宇宙制覇を悲願としていく。皮肉なことに、30世紀のイルミダスやマゾーンはその引き金を引いてしまった。ゲッターを覚醒めさせたことこそ、彼らの唯一無二のミスであり、不幸だったと言える。

 

「イルミダスやマゾーンはアホだよ。地球人を屈伏させようとしたら、ゲッターが目覚める。しかも、エンペラーイーグルの意思は竜馬さんだ。情け容赦ないからね」

 

のび太は知っている。ゲッターエンペラーの意思は歴代の一号機操縦者の集合体だが、その最高決定権は初代チームのリーダーたる流竜馬の意思が持つことを。

 

「エンペラーの意思は竜馬さんなのか?」

 

「正確には早乙女博士と歴代の一号機操縦者の集合体。その最高意思決定権を持つのが竜馬さんなんだ。エンペラーイーグルがゲッター軍団の長だよ」

 

ゲッター艦隊はエンペラーのゲットマシン(惑星サイズ)を旗艦に、その護衛艦隊が天文単位で存在する。その艦載機も23世紀のゲッターの数倍の戦力を持つという。のび太はそれを知っている。

 

「待て、なんで知ってるんだよ」

 

「子孫やケイさんから聞いたんだよ。ケイさんは本当なら、ゲッター艦隊の仕事があるからね」

 

圭子はゲッターの使者であるため、仕事を考えると、本来は30世紀にいるべきだという。ウィッチ世界に戻ったのは、黒江の事が引っかかってたからだと圭子は常々言っている。黒江を一人ぼっちにしないために戻ったので、根本では以前の優しさを失ってはいないとのび太は考えている。圭子はそこさえ理解出来ればだが、好人物と見られる。のび太がその好例だろう。

 

「ケイさんって、意外に面倒見良いんだな」

 

「前世でゲッターと自爆したんだ、あの人。それで綾香さんが精神不安定になった。それが引っかかってたから、戻ったんだ。本質的には優しい人さ。じゃなきゃ、ここには戻ってこなかったさ」

 

のび太はケイの本質を理解している。だからこそ、三人が転生を繰り返しても、友で有り続ける。のび太のその優しさこそがゲッターエンペラーに理性をもたらしたのかもしれない。シャーリーはそう解釈することにした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――のび太は青年期以降はシンフォギア装者、プリキュア変身者を受け入れ、なおかつ、妻と子を養っている。のび太は成人後はカーレースに興じられる余裕があるほどの財政的余裕があり、なおかつ、何人もの居候を養える。そんな野比家に世話になって数年が経ったキュアドリーム/夢原のぞみ。彼女は49年には既婚者になったが、普段住んでいる時代が違い、仕事も違うので、意外と会えていない(コージはのび太壮年期におり、その時代で高校の国語教師/手芸部顧問をしているため)。それを愚痴ってはいるが、前世以来の仲であることや、コージがその時代でサムライトルーパーに覚醒したこともあり、意外に共に戦う機会には恵まれていた。のび太がシャーリーへ語り、りんが芳佳(みゆき)へ語ったように、同位体のピンチを救いに行った事もある。りんが先に語ったように、生きていたシャドームーンが自分たちの同位体を襲い、シャドームーンを阻もうとしたBLACKとディケイド、その世界に行かせていたプリキュアの後輩達を退けたという緊急事態。コージはそこで輝煌帝の鎧を纏い、のぞみやRXと共にシャドームーンと戦っている――

 

 

「僕たちが来るのが遅かったら、貴方のキングストーンは奪われてましたね、光太郎さん」

 

「いやぁ、面目ない…。まさかシャドームーンがあそこまでパワーアップしているとは…」

 

BLACKの南光太郎が申し訳無さそうに頭を下げた。RXになった彼より少しだけ若々しく、服の色も灰色である。RXの南光太郎は白い服装で通しているので、そこが見分け方である。ゴルゴムを倒した後にクライシスが襲来していない世界の存在なので、強さはあくまで創世王打倒時のまま。死の淵から月光の力で蘇ってパワーアップしたシャドームーンとは差が出てしまっていた。

 

「仕方ないさ。シャドームーンは月光でパワーアップしている。君とは能力差があるのは当然さ」

 

「君は本当に別の僕なのか?」

 

「俺は太陽の子に生まれ変わっている。だから、シャドームーンと対等に戦えるんだ」

 

RXの光太郎のほうは20代の青年といった外見である。こちらがドラえもん世界における南光太郎でもある。なお、一人称も違い、BLACKの光太郎はまだ東星大学在籍中の学生なためか、普段の一人称は僕であるが、RXの光太郎は歴戦を経たためか、俺へ変わっている。

 

「同一人物が同じ場にいられるなんて…」

 

「俺と光太郎は別々の世界の仮面ライダーだからね。だから、別の存在としてカウントされるのさ」

 

その世界の春日野うらら(キュアレモネード)がその疑問を口にした。同じ人物(外見年齢は三歳ほど違うが)が同じ場にいていいのか?というのは、SFによくありがちなテーマだからだ。

 

「全くの同一人物でも時間軸が違えば併存出来るよ。俺はBLACKが進化した仮面ライダーだが、光太郎はその前の段階だ」

 

「僕の変身する仮面ライダーこそ、本来の姿だよ。RXはイレギュラーなパワーアップだしね」

 

RXはキングストーンと太陽エネルギーが光太郎の改造された肉体の生存欲求を極限まで刺激して生まれた進化形態である。肉体そのものが進化したため、ゴルゴム本来の世紀王ブラックサンとしての肉体とはかけ離れている。BLACKとしての肉体には一応は寿命がある(五万年)が、RXにはそれはないのが不滅性の証である。

 

「でも、貴方の時点で私の出番が殆ど持っていかれたのに、もっと強いライダーが来ちゃったら…」

 

「そう愚痴るな。えーと、お前は美々野くるみだったか?」

 

門矢士は相変わらずの偉そうな態度だ。

 

「いい加減に覚えなさいよー!」

 

「まぁまぁ、くるみ。士さんはいつもこんなだし」

 

のぞみAが窘める。のぞみAはデザリアム戦役後の時間軸ののぞみなので、二段階のパワーアップを有している。そのため、Bが拗ねてしまっていた。

 

「嘘でしょ、二段階もパワーアップがあるなんてぇ~……。しかも、ミラクルライト無しでなれるなんて…」

 

のぞみBはこんな調子だ。ミラクルライトを介さない場合、プリキュア5は本来、背中に蝶の羽が生えるくらいしかパワーアップに伴う外的変化はないが、のぞみAは後輩達のように、コスチュームが劇的に変わるパワーアップフォームを得ている。しかも、それが本来はミラクルライトを介してしかなれないはずの限定フォームであり、更にそれを進化させているのも拗ねる要因である。

 

「しかたないだろう?コイツは自分の意思で奇跡を起こした。その対価だ。それに、マジンガーの魂とも融合している。お前とは別のプリキュアになっていると言ってもいいくらいだ」

 

「ラブちゃんたちみたいなパワーアップができるのはずるいですよ~!!」

 

天使の羽、更にそれが神々しい滑らかな羽へと変わることこそ、のぞみAが『Gウィッチ』として完成された証、シャイニングドリームの更に先へ至った姿。飛行速度もキュアブライトとキュアウィンディの最大速を上回り、全てが黄金聖闘士級へパワーアップした姿。それこそ『エターニティドリーム』。神聖衣のような白金色のコスチューム、神々しく、滑らかな形態の翼。天馬座の神聖衣のようだと、それを知る者は口を揃える。

 

「その『ずるい』と称するパワーアップは全てを失うような苦労の元、手に入れた力なんだが、その覚悟はキミにあるのかな、のぞみ?」

 

コージはのぞみBに問う。子供のように拗ねているBを見かねての問いだ。

 

「私だって……私だって、プリキュアだもん!!」

 

言うことに事欠くBだが、精一杯の答えである。幼稚な嫉妬心だと自分でも分かっているが、自分がどんなに足掻いても、届かなかった敵と互角に戦える姿を目の当たりにすれば、嫉妬もしたくなると。

 

「……私はプリキュアになったから、周りに認められた。家に帰れば、ただのドジっ子といおうか……そんな扱い。学校でも、おっちょこちょい扱い。そんな自分が嫌だったから……嫌だったから……戦う事を選んだのに…」

 

のぞみBは鬱屈とした気持ちを抱えていた事を吐露する。のぞみは元来、少年のび太と同じような境遇にあったのだ。のび太はそれをポジティブに捉えられる強さがあったが、彼女には飽きっぽく、すぐに物事を投げ出す自分が嫌でたまらなかった。戦いこそが自分がそれから抜けられる機会と考えていたとも。そこに彼女の悲劇がある。

 

「きっかけは掴めてるから、じきに結果がついてきますよ、のぞみさん」

 

「フェリーチェ」

 

「そうですわ。私も悪事に加担していた過去を受け入れた上で、自分の夢をもう一度追うことでプリキュアに生まれ変われたのです。そこにいる貴方自身も闇に落ちかけたのですから」

 

「スカーレット。……今、なんて」

 

「スカーレットの言うとおりさ。あたしは前の戦いで正気を無くしかけたのさ。りんちゃんが記憶喪失になってね。敵のテロ攻撃から町を守って力尽きて、ね。あたしの誕生日プレゼントを買った帰りでね…。頭がどうにかなっちゃってね…」

 

のぞみAはりんという安全牌を無くしたことで憎しみと怒りに囚われ、更に前世の長子の囁きなどを要因に闇へその身を委ねかけた。それを制止したのがかれんとこまちであり、更に後輩の朝日奈みらい達のいた世界を滅ぼした魔神との和解を選ぶまでにあった北条響との殴り合い、花咲つぼみの説得…。それを経て立ち直れたとも。

 

「それでミラクルとも殴り合ったよ。自分の世界を一切合切焼き払った魔神と融合なんて、いくらミラクルでも、許せなかっただろうしね」

 

キュアミラクル(オーバー・ザ・レインボー形態)とエターニティドリームの殴り合いは黄金聖闘士にも匹敵しうる速度とパワーのぶつかり合いであった。みらいにあったZEROへの怒りをぶつけられたのぞみだが、のぞみはそれを受け入れた上で、殴り合った。ステゴロの殴り合いであったが、最後はエターニティドリームがアイアンカッターの幻影を見せつつ腹に一発入れて終わらせた。ラッシュの打ち合いが凄まじかったので、どこぞの能力バトル漫画のようだったとは、居合わせたキュアラブリーとキュアハートの談。

 

「のび太くんから聞いたが、大地を割れるパワーのぶつかり合いだったから、ジオンが落とそうとしたスペースコロニーをまっ二つにしたんだって?」

 

「コロニーじゃないです。グワンバン級戦艦ですよ」

 

のぞみAはそう言う。デザリアム戦役のジオンの最後の悪あがきの時に殴り合いし始めたので、黒江が怒るほどだったが、戦いに割り込んだグワンバン級大型戦艦をパンチでまっ二つにへし折ってしまい、黒江も唖然とするしかなかった。

 

「しかしだ。グワンバンは仮にもアステロイドベルトまで航行できるジオンの誇る戦艦だ。それを喧嘩でへし折られてみろ。ジオンの連中は泣いていいと思うぞ?」

 

「サダラーンやレウルーラじゃないだけ、ましじゃ?」

 

「お前たちのあの時のパワーなら、ドゴス・ギア…。いや、ジュピトリス級でも沈んでるがな」

 

士が茶々を入れる。その時の二人のパンチはグワジン級の系譜にある大型戦艦すらまっ二つにへし折れてしまうほどのものなので、連邦軍内惑星圏用最大のドゴス・ギアでも折れるという。

 

「オホン…。闇は悪の温床かもしれないけど安らぎを育む場でもあるから光と闇は補い合わなきゃいけない、それを体現する初代のプリキュアが居るようにね。いいかい、のぞみ。光と闇は表裏一体なんだ」

 

コージは咳払いで場の空気を落ち着かせてから言う。

 

「ココ……。生まれ変わったら、姿が変わるのは当たり前だよね」

 

「生まれ変わったはいいが、小学生の時に飛行機事故で家族を亡くしてね。その時に義父さんに引き取られたんだ。君と結婚したのはそこから13年位が経った時さ」

 

コージは転生後は飛行機事故で孤児になってしまい、壮年のび太に引き取られ、育てられた。17歳でサムライトルーパーに覚醒め、そこから更に数年後の成人後に結婚したわけだ。当然ながら、転生後の容姿は小々田コージとしてのものではないため、のぞみAも戸惑いがあったともいう。外見が如何に変わろうと、心は変わらない。その体現がコージである。

 

「生まれ変わっても、記憶が残ったなんて、ロマンチックです」

 

「お互いに職業違うから、家じゃ滅多にあえなくてね。僕は教師だけど、のぞみは自衛官のようなもので、単身赴任も多いからね、うらら」

 

「それでもいいですよ、私は早くに母親が亡くなってますし」

 

うららは片親な上、父は多忙であったので、普段は祖父と暮らしている。早くに大女優だった母親が亡くなっているためか、どこかで必ず会える夫婦というのは羨ましいようだ。

 

「そう言えば、そっちにいる私は何をしてるところで呼ばれたんです、のぞみさん」

 

「うーん。高校生かなぁ、一応」

 

のぞみAと共に戦う自分の事を聞くが、言いづらそうである。歯切れも悪い。

 

「い、一応…?」

 

「だって、ねぇ。こんな感じだし」

 

写真を見せるのぞみA。それはサンダース大付属高の戦車道部から従軍する際に、プリキュアの姿で撮影した記念写真である。愛車のシャーマン・ファイアフライと共にキュアレモネードの自分が写る。

 

「な、なんで戦車と一緒に写ってるんですかぁ!?」

 

もっともなツッコミである。のぞみも初めて聞いた時は思わず聞き返したほど。戦車道世界は他の世界から見ると、このような反応である。

 

「部活で使ってる戦車だって」

 

「い、いや!だから…ぶ、部活!?」

 

「美希(キュアベリー)はイギリスだっけ、のぞみ。」

 

「うん、マチルダ。最近、やっとセンチュリオンに乗れたって喜んでたよね」

 

キュアベリー/蒼乃美希はダージリンへ転生していたため、必然的に英戦車に乗るハメになった。とは言え、黒江の援助でセンチュリオンに乗れたので大喜びである。

 

「キュアピースはカーベーたんでしたっけ?」

 

「スターリンじゃなかった?フェリーチェ。間違うとシベリアだよ~」

 

「ロゼッタは良いですよね、Ⅳ号だし」

 

「お母さまが家元だから、堅苦しいって愚痴ってましたわよ?」

 

「あ、あの。なんですか。その会話」

 

うららはツッコむが、スラスラと戦車の名が出るのだから。

 

「その世界さ、戦車使った武道があるんだ。その世界に何人も転生してて。ロゼッタなんか、記憶が目覚める前に大会で優勝してたよ」

 

西住みほは大会優勝後にキュアロゼッタに覚醒したため、その世界のまほの理性を吹き飛ばしてしまったり、秋山優花里が『ヒャッホォォォゥ!!最高だぜぇええええ!!』と叫ぶなど、色々と苦労した。プリキュア覚醒後はダイ・アナザー・デイの戦車戦に知恵を貸していた他、ミーナとソウルシスター関係になっていた。また、母親が智子によく似ていた事には驚いており、目つきが柔らかいほうが智子とのこと。

 

「それと、マナちゃんなんて、タイガー戦車乗って、はしゃいでたよ」

 

「え、ど、ドイツのあの…?」

 

「足回り弱いって、あたしに愚痴ってさー…」

 

相田マナはティーガー好きだが、うっかり岩に乗り上げて、履帯を直すハメになったり、整備の際には転輪の多さを愚痴っている。のぞみAはそれに付き合わされた事がある。マナはミーナに『ドイツはなんで、こんな複雑な足回りにしたんですかーー!!』と愚痴り、ミーナは『この当時のドイツに軽い戦車用エンジンが造れると思うか?』と返したというが。

 

のぞみも『戦車をインフラに合わせないと運べない日本よりマシじゃん』と整備に巻き込まれた時に言い返した。その時にのぞみは飛燕をコピーと言われたのにむかっ腹が立ったので、『メッサーシュミットなんて、700キロも飛べないじゃん』と言い返した。

 

「その時、貴方。飛燕を馬鹿にされたとか言ってませんでした?」

 

「うん。思わず言っちゃったよ、スカーレット。メッサーシュミットは700キロも飛べないじゃんって」

 

諏訪天姫がテストパイロットだったため、飛燕は好きなレシプロ機と言っているのぞみ。メッサーシュミットは700キロ未満の航続距離なので、その倍は飛べる飛燕のほうが優れた箇所は多い。圭子も『メッサーは飛べる時間がみじけーんだよ』と酷評している。飛燕乗りだったからだ。また、飛燕は空冷エンジンを受け入れられる余地があるが、メッサーシュミットはエンジンの載せ替えを数回して、スペック上は一線級を保ったが、無理を強いた部分も多い。そこで言い合いになったともいう。

 

「メッサーシュミットは無理を強いすぎなんだよ。第一、武装の強化に手間取ってんじゃん」

 

と、そこは腹に据えかねたのぞみA。とは言え、飛燕のエンジンは史実ではガラスの心臓と呼ばれ、義勇兵からも酷評されているが、友人が心血を注いでいた機体なので、乗ることは無くても愛着はあるようだ。

 

「あ、あの…」

 

「貴方も軍人役が来ても良いように、覚えておきなさいな。仕事に役立ちますよ」

 

うららBへアドバイスするスカーレット。Aは戦車に乗っているため、軍事に詳しくなっており、のぞみが飛燕を自家用機に買おうとしたところ、同じ液冷エンジンでも、マーリンを積むP-51を薦めていたりしていたからだ。

 

「そういうものですか?」

 

「こちらの貴方はそれで役の幅が広がり、女優として一皮抜けましたわよ」

 

「そうなんですか……」

 

女優としての飛躍を考え出すうららB。Aが軍人役もできるのは、転生後の知識によるものだ。専門用語連発ののぞみAとフェリーチェに苦笑いのコージと二人の南光太郎。それについていけずにキョトンとするくるみとのぞみB。スカーレットはうららBにアドバイスを贈り、自身も将来は扶桑とガリア友好の広告塔になる可能性があるため、女優業に興味があるようだった。

 

 

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