ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

297 / 788
前回の続きです。


第百八十三話「戦い終わって…8」

――扶桑は結局、従来の意味合いでの軽空母以下の空母が軍事的に使い物にならなくなり、民間へ売却せざるを得なくなった代替として宇宙戦艦を求めた。また、空軍という体裁もあり、通常型MSよりも可変MSが好まれた。他部隊にはウイングバインダー装備型のリゼルが回されているが、64Fには本格的なZ系が配備されている。これはリゼルが初心者でも操縦できるからであるが、64Fは地球連邦最強のロンド・ベル隊の分署のようなもので、求められるレベルが地球連邦軍歴代の事実上のエース部隊『ホワイトベース隊』、『アーガマ隊』のレベルだからでもある。地球連邦軍という括りで見るならば、64Fは『歴代で最もガンダムタイプを組織的に運用する』部隊であった――

 

 

 

 

――デザリアム戦役で地球連邦軍の参謀本部が壊滅し、軍の統制機能が失われた後、レビル将軍はデザリアム戦役後に成立したユング・フロイト政権(かつてのトップ部隊のトップエースの一人のユング・フロイトが地球への帰還後に政治家に転じて成立した)の了承を得て、ロンド・ベルとその支援部隊に地球圏に残されている人的・物的資源をつぎ込む事を決定。その結果、平均練度の差は極端に広がったが、アースフリートやロンド・ベルという主力に生き残っている熟練兵と優良機材を集中させるのはある種の取り捨て選択であった。デザリアム戦役後に暗躍が確認された銀河系の大国『ボラー連邦』との将来に起こる戦争を一点突破で勝利するためであった。また、ガミラス帝国、ゼントラーディ、ガトランティス、デザリアムとの絶滅戦争の戦訓で、経緯上、『波動砲』という名の兵器に一定の歯止めをかけようとするガイアと異なり、アースは波動砲を更に強力にし、艦隊への量産配備を進める。これは波動砲がガイアにおいての『次元波動爆縮放射器』ではなく、別の技術体系で生まれた兵器『タキオン波動収束砲』である故である。それを知らずにアースの軍備をいたずらに批判した『ガイアの古代進』は始末書と自習室行きの上で謹慎処分に処されている。アンドロメダ級の殆どを退役に追い込んだ張本人であるので、ガイアの古代進は針の筵状態。『次元波動爆縮放射器でない波動砲だとわかっていれば、自分の論文は世に出さなかった』と釈明したが、的外れである上に『時既に遅し』であった――

 

 

 

 

 

 

 

 

――そんなわけで退役し、宇宙パトロールに払い下げ予定であったアンドロメダ級戦略指揮戦艦は性能を惜しんだ64Fが引き取り、運用を引き継いだ。元々、宇宙艦隊を指揮するための機能を持つアンドロメダ級は連合艦隊司令部にとっても範とすべき戦艦であり、敷島型戦艦(二代)のネームシップにはそのアップデート版のCICが備えられている。宇宙艦艇の保有が64F基地の地下部がドックありの軍港になっている理由でもある。空軍部隊が連合艦隊の主力と同等の規模の艦隊を持つという前代未聞の光景は坂本Bを狼狽えさせた。しかも機関・砲術などの人員は海軍出身の人員が多いからだ。

 

「宇宙船の艦隊を動かすのに、海軍から引き抜いたのですか?」

 

「宇宙船は宇宙という大海原を行く船よ?海軍から人員を引き抜くのは当然よ」

 

武子は涼しい顔でそう言う。とは言え、旧型艦艇の退役や装備の近代化で人員が余剰気味だった海軍にとっては『口減らし』に丁度いいので、宇宙艦艇要員ということで、少なからずの軍人を提供した経緯がある。

 

「私達は海軍で訓練を受けたし、海軍の学校で研修してるし、乗艦もしてるわ。生え抜きの海軍軍人に馬鹿にされないようにね」

 

黒江、武子、圭子、智子の四名は隊の中枢を担うため、それぞれ連邦宇宙軍や海上自衛隊などで海軍軍人と同等の訓練を受け、乗艦任務も経験している。元が陸軍出身ながら、下手な海軍軍人より勉強し、傍目から見れば、海軍軍人で通用するほどに『潮風の匂い』を感じさせる。海軍出身者を黙らせるには『海軍の事を勉強することが必要』なのが扶桑(日本)の風土なのだ。(生え抜きの海軍出身者からは『何もそこまでしなくても……。こっちの立場がないから、やめてくださいよ』と困惑されているが、元は黒江が自衛隊で統括官となった後に海自の護衛艦に乗艦した時に裏で馬鹿にされていた事が発端だという)

 

「そこまでしなくても……」

 

「陸軍出身だと、色々言われるものよ、影でね。綾香はそういう経験があって、今じゃ、車、船、潜水艦、飛行機、宇宙船まで動かせるわよ」

 

黒江は統括官に任ぜられた後、陸海自衛隊の乗り物を動かすための資格を時間をかけて取得している。統合幕僚監部曰く、『三自衛隊の派遣部隊の司令を兼ねるったって、誰がそこまでやれと言った……』と言わんばかりに資格を取得しており、2021年の時点では船舶免許までも取得済みである。また、レンジャー訓練もこなし、特別に特技認定を受けている。これは黒江が新兵時代に『挺進連隊』で空挺降下訓練を受けていた経歴によるものである。

 

「あいつは何をする気なんですか?」

 

「空挺降下訓練も修了済みよ。その気になれば、挺進連隊を率いられるわ」

 

「ワンマンアーミーでも目指しとるんですか、奴は」

 

「あの子、馬鹿にされると、なんでも周回遅れにまで追い込まないと気が済まなくてね。気がついたら陸海空を制覇してたってわけ。そのおかげで、カールスラントはえらい目にあったというのは聞いたわね?」

 

「ミーナがどえらい目にあったというのも。パットン将軍は何故、あそこまで怒鳴り散らしたのです?」

 

「あれはポーズよ。内々の理屈で『なぁなぁで済ます』と銃後から批判されて、上の首が軽く飛ぶのよ。だから、ポーズとして、敢えて大げさにする必要があったのよ。パットンも渋ったけど、イメージ戦略は必要だしね」

 

「その代わりに持ち上げられたのがあなた達なんですか?」

 

「カールスラントのイメージが崩れた以上、その代わりのモノは必要よ。都合が良かったのよ、私達は年齢的に」

 

扶桑海事変世代は1940年代後半には最年少級でも殆どが20代に達する。政治的には都合が良かったために宣伝されたが、日本側の一部からは『右も左も分からない20代の若造ばかり』と揶揄された。ウィッチの世界からすれば、20代は『超高齢』であるので、その認識もウィッチの権威の衰退に繋がった。とは言え、開戦前のように数年間の教育を受けた世代のウィッチはもはや、全体からすれば少数派である。東条英機の国外追放に付き従った者も多いため、49年時には一時よりは多少なりとも改善されたが、隊の中枢となるべき中堅世代のウィッチ軍人の不足は未だに深刻であり、純粋にウィッチ部隊である事を諦めた空軍部隊もこの時期に多く生じた。『戦役ごとに人員の入れ替えが起きる』ウィッチの常識が悪影響となり、人員が固定された感のある64F以外はダイ・アナザー・デイ後に抜けたベテラン、あるいは中堅の代わりとなる人員の代替となる人員の補充にすら事欠く有様であり、多くが単独での作戦行動すら困難となっている。50Fや244Fなどは64Fに次ぐ地位を持つウィッチ部隊であり、そんな時代でも往時の姿を留めた上で実績を挙げることが可能な数少ない精鋭である。精鋭部隊の出自が陸軍であるのが主であるのは、海軍を出自に持つ部隊の多くがクーデターに与したために『連帯責任』で解体された名残りであり、なおも軍に残った者は601空が改組された部隊に回されたためである。

 

「しかし、いくら戦争の様相が変化したとは言え、ここまで変わるものなのですか」

 

「変わるしかなかったのよ。ジェット戦闘機同士で空戦が起きると、44年に言われていたような一方的な状況にはならなかったし、やってることは変わらないわ。変わったのは機体と武器だけよ」

 

「……ウルスラ中尉が聞いたら、目を回しますな」

 

「敵味方が同じ技術で戦えば、結局は個人技能の差が物を言うのよ。混戦になると、他人は頼れないから」

 

「ジェット同士の空戦の経験は他の部隊も?」

 

「総力戦である以上はね。私達はイメージを壊さないように厳命されてるわ。エース部隊としての、ね」

 

 

武子は坂本Bに密かな苦しみを吐露する。64Fには弱音が許されないのだ。個人戦闘力も極限まで鍛え上げなければならないという状況に身を置かれた故の苦しみ。武子は元々、チーム戦を重視していたため、エース部隊の指揮官にはなりたくなかった。だが、黒江たちを更に指揮できる人材という事、皇室を批判から守るために現職についたと、度々公言している。

 

「イメージ、ですか」

 

「ええ。あなたも戦闘隊長の職である以上はわかるでしょう?」

 

武子はどこか憂いを見せる。それは友人のために自分の『本意ではない』ポストに就く事になったわり、隊の立場上、弱音が吐けない故の辛さを吐き出したい気持ちからの本音であった。

 

 

 

 

 

 

 

――『ヒーロー/ヒロインとなったら、ついたイメージを大切にしろ』――

 

自分についたイメージに苦しむ者もいれば、襟を正すためと考える者もいる。仮面ライダーV3/風見志郎は黒江達に『自分のイメージを大事にしろ』と説いている。風見志郎も本来は陽気な熱血漢だが、現在では、番場壮吉と新命明に近い『キザな伊達男』である風に振舞っている。本郷猛も本来は気さくな性格であったが、復活後は『寡黙で武道を極めている』イメージが定着している。そのきっかけになった出来事はのび太の時代に『過去にヒーローを演じた俳優のその後の醜聞』がスキャンダラスに報じられ、ヒーローユニオンに属している『本物』が仕事をする上で迷惑を被ったからで、ヒーロー達にとっては切実な問題である。それを聞いていた黒江はデザリアム戦役の際に、ダークプリキュア化しかけたのぞみを強く叱責したのである。

 

――いいか!?お前は子どもたち、いや、ヒロインに憧れた全ての人にとっての憧れなんだぞ!!そのお前がトラウマを刺激されたり、一蹴されたくらいで闇落ちか!?昔にお前を庇って死んだっていう『ダークドリーム』に申し訳無いと思わねぇのか!?――

 

のぞみの最大の後悔の一つが目の前で『和解した矢先にダークドリームを殺された』出来事である。黒江は憎まれ役になる事を覚悟した上で、暴走した咎で謹慎処分となったのぞみを煽り、口論をわざと煽った。のぞみは悲しみと怒りが入り混じった表情(顔は怒っているが、涙が溢れている)で言い返した。

 

――分かってますよ、分かってますよ!!だけど、どうしようもないくらいに頭がこんがらがって、自分でもわからないんですよぉ!!……いくら先輩でも……知ったような口で、あの子の事を口に出さないでくださいよ!!あの子の何がわかるんですか!!――

 

のぞみは口をついて出た言葉が自分自身で信じられなかった。そして、ダークドリームを目の前で『シャドウ』に殺された事が気づかぬ内に自分の中で強いトラウマになっていた事を自覚した。その直後、両者は殴り合いとなった。黒江は自分も謹慎処分を食らうのを勘定に入れた上で殴り、のぞみは爆発した感情のままに殴り返した。数時間後に食事を運ぶのと、黒江が戻ってこない事から、二人の様子を見に来たラブとことはがダブルノックダウン状態の二人を発見し、ことはは慌ててタイムテレビを使い、事の詳細を知り、『一刻の猶予もない』とし、その場に同席していたラブを共犯として巻き込む形で、B世界のかれんとこまちを連れてくる事を決め、すぐに実行したわけだ。もちろん、黒江とのぞみは謹慎処分を受けたわけだが、ある意味では、のぞみが黒江を真の意味で慕うようになるきっかけを作った。普通はそこまでする必要もなければ、気にかけてくれないからだ。それも自分も謹慎処分を受けるのを覚悟の上で。その数年後になる1949年においては、自分の闇を吐き出させ、自分の過ちと向き合うのを促してくれた黒江を尊敬している。けして、人としての弱みを持つことが悪いわけではないが、ヒロインたるもの、『涙を勇気に変えなくてはならない』宿命がある。大冒険の際のドラえもん達が諦めなかったり、歴代仮面ライダーが敗北を許されないように、けして諦めないことが歴代プリキュアに課された宿命だが、のぞみの中でそれがいつの間にか、『呪縛』になってしまっていたのである。

 

 

――駅ビルからの帰り――

 

「のぞみ。あなた、変わったわよね。影が無くなったと言おうか」

 

「みんなのおかげだよ。みんなのおかげで……あたしは前世での呪いと向き合って、光を掴めた。実はやり直した最初の頃は……迷ってたんだ。プリキュアの力がなまじっかあったから、自分は後半生で失敗したんじゃ…って。だけど、人生を何度もやり直してきた先輩たちや、何回でも先輩たちと友達になるのび太君たちを知ったり、あたしたちが戦った姿に憧れた子たちが大人になっても、憧れの眼差しで見てくれてる。それでプリキュアに正式に戻ったんだ。数年前に先輩が謹慎処分を受けるのを覚悟した上で叱ってくれた事も嬉しかったよ。チームとオールスターズのみんな以外の……なんて言えばいいのかな……親やココ以外で、あそこまで向き合ってくれた大人は前世も含めて、誰もいなかったから」

 

のぞみは前世の後半生で人の暗黒面を味わってきた。表面的には友好的に接していながら、いざという時に切り捨てられた経験が教師時代に何回もあったからか、人間関係に冷めてしまっていた。だが、苦楽を共にした仲間達のみならず、自分とそれまで関係がなく、単に『士官学校の先輩後輩関係であるという接点しかなかった』はずの黒江が自分に親身になって接してくれたこと、黒江自身も既に『何回か人生をやり直している』事、その特異性を分かった上で何度も友人になるのび太達の高潔さを目の当たりにする事で前世で染み付いてしまった『どこかで冷めている自分』を切り捨て、かつての『キュアドリームであった自分』に戻るためにダイ・アナザー・デイを戦った。だが、次のデザリアム戦役でトラウマと憎悪でダークプリキュア化しかけたという脆さが浮き彫りになった。チームの再結成と、それに尽力してくれた者たちへの感謝、自分の抱え込んでいた闇と毒を吐き出させるためにわざと自分を煽り、負傷を覚悟で取っ組み合いの殴り合いをし、共に謹慎処分まで受けた黒江への尊敬。黒江はその事を『若い頃から謹慎処分は慣れとる。心配すんな』と笑って済ませてくれたのだ。

 

「殴り合いしたって聞いた時は腰抜かしたわよ」

 

「売り言葉に買い言葉でね。加減してくれてたと思う。先輩が本気のパンチしたら、すごい破壊力だから」

 

「よく生きてたわね、あなた…」

 

「あたしも無我夢中だったからなぁ」

 

「女同士でやることじゃないわよ。まるで、昔のヤンキーの番長同士の喧嘩じゃない」

 

「軍隊にいると、自然とそういう選択になっちゃうんだよね。日本だけかもしれないけれど」

 

ウィッチはある種の特殊なコミュニティや空気を軍隊の中でも形成する傾向が強かったので、『男性的』な光景は嫌われることが多かった。64Fでは殴り合いしてスッキリさせる選択も行われるが、64Fの風土がウィッチ部隊としては異端である表れである。

 

「……多分、四年前(1945年)のミーナさんは自分が苦労して築いた和気あいあいさを『よそ者』に引っ掻き回されるのを恐れたんでしょうね。結果は彼女の方が失脚しそうになっただけだけど」

 

「タイミングも悪かったよ。ロシアが暗躍しだした上、21世紀は一部の戦史研究者がドイツの撃墜数に疑問を呈してる時代だから。その餌食になった感がある。パットン将軍はポーズとは言え、当たり散らさないとならなくなったしね。『欧州用に航空機の航続距離を切り詰める』つもりだったのが、兵器を太平洋戦線にそのまま転用する事になったから、時代を超えた技術を使わないとならなくなった時期だし」

 

ミーナの失敗は『欧州戦線が一段落しても、数年もすれば、太平洋で戦火が起こる』当たり前の事が読めなかった事、自身の行為がカールスラント空軍の品位を同位国に疑わせる結果となり、ドイツにリストラの大義名分を与えてしまったことだ。そのせいでミーナは針の筵状態なのだ。現在、その『肉体』を動かしている西住まほは『当分はノイエ・ベルリンの土は踏めんな』とぼやいている。

 

「あなた、デザリアム戦役での失態は?」

 

「『敵の策略でダークプリキュアになりかけた』とだけ。大勢に目撃されたし、誤魔化しも効かないから、先輩たちが公表を調整してくれた。ヒロインの闇落ちなんて、ヒーロー役の俳優が時の流れで落ちぶれてることがワイドショーに話題にされることがあるご時世に発表出来ないって。あたしも青二才だってよくわかったし……」

 

 

「そう、ね……。人は若い頃のままじゃいられないけれど、子どもたちに夢を与えていた人が結果として、自分からその偶像を壊しているのはいたたまれない。国が国なら、頭をズドンされてても…」

 

「昔にいたからね、ファンがそういう理屈で殺しちゃった超大物ミュージシャン」

 

キュアマジカルもその出来事を知っているので、ドリームの言わんとする事を理解する。

 

「だから、あたし達は襟を正さないといけない。今の子供はもちろん、子供の頃、あたし達の背中を見て育った大人を裏切らないためにもね」

 

「裏切りは最大の罪だもの。チームメイトにも迷惑がかかるし、コミュニティ全体の傷になりかねない」

 

「うん。だから、あたしは『踏みとどまれた』んだよ、リコちゃん」

 

「仮面ライダーV3が言っていることの意味、わかったわ。自分を信じてくれている人たちを裏切るな。そういう意味だったのね」

 

「あの人はそっくりさんもよってかかって、ヒーローだから、特にそういう目線で見られてきたらしいよ。風見さんは1973年頃に組織に家族を皆殺しにされたから、改造人間になる事を選んだけれど、ライダーとして生きることで自分の生きる道を見つけた。あたしも改造人間とは別ベクトルで不死身の体になっちゃったけれど、あの人みたいに生きていくつもりさ」

 

ドリームはマジンガーZEROと融合したことで『肉体は以前と変わらないようだが、その実、中身は普通の人間のそれではない』というSFじみた肉体となっている。故に仮面ライダーV3のストイックな姿勢に感銘を受けているらしい。

 

「あなたも大変ね…」

 

「死を乗り越えて不死身になっちゃうと、これからが大変なんだけどね、お互い」

 

「だから、のび太さんは転生を選んだの?」

 

「それもあると思う。ノビタダ君はのび太くんの転生だけど、彼特有のものもあるよ」

 

「あなた、今住んでる世界でいつ頃に『隠居』するつもり?」

 

「ウチの隊全体の方針としては、2000年を目安にしてる。みんな、その頃には子孫がいるだろうってことで」

 

「2000年ねぇ」

 

「その頃には、今の主要メンバーはみんな定年迎えるしね」

 

冗談めかしてはいるが、ウィッチ世界はまだ1940年代。2000年代までは有に50年を超える長い歳月があるのだ。その歳月を『若い姿のままで』過ごすことが宿命付けられている彼女らは今後、『常人には理解できない苦しみ』を内に抱えて過ごしていく。

 

――神に愛され、死を乗り越えた故に直面する哀しみ――

 

それこそがのび太が転生を選んだ理由。彼女らを『孤独にせず、見守っていく』ために。

 

 

「私達はこれから永遠に等しい時間を生きて、世界を守らないとならない…。これが神様が私達に課した呪縛なの?」

 

「呪縛というよりは宿命だろうね。ヒーロー、もしくはヒロインとしての。プリキュアもそれは同じ。マリアちゃんの世界での「コトバノチカラ」的なものだと思う。時代が望む限り、ヒーローやヒロインは死なない。それがあたしらに課された運命と言おうか、そういう存在だったからこそ、神様たちからも認められて、求められたと思う」

 

キュアドリームはその方面では達観していた様子を見せる。キュアマジカルは自分やドリームに課せられた運命に『残酷』な側面があるのを実感したのだった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。