――シンフォギア世界で起こった一連の騒乱は最終的に、黄金聖闘士の天秤座の童虎、乙女座のシャカが介入することで完全に収まった。光明結社も一人残らず殲滅され、裏世界にアルカ・ノイズが出回ることもなかった。風鳴弦十郎は仮想敵が消えた後のシンフォギアが権力者達の権力闘争に使われたり、大国の示威に使われる事を嫌い、残っている装者たちを『異世界の調査』を名目に派遣した。A世界では、調と切歌がSONGに属さなかったため、シンフォギアは4つのみが彼等の手元にあった――
――D世界の装者達は外的要因で騒乱が片付いてしまい、月も先史文明人に改造された部分を波動砲で消し飛ばし、アステロイドベルトリングの応用で再生する方法が取られたA世界の経緯に驚愕した。そして、極度に発達した現代科学が異端技術をねじ伏せられる(グレートマジンカイザー)事例は直接的な関係のない世界での出来事とはいえ、複雑な思いを抱いた。そして、シンフォギアを纏った装者を軽く圧倒できる異能が存在すること、その異能の持ち主であれば、シンフォギアを負担なしで纏う事が可能であるのは衝撃であった。D世界で行われている心象変化実験は行われていないが、調Aが普段着代わりに纏う事は驚かれた――
「しかし、ギアを普段着代わりに使うだと。整備は大丈夫なのか?」
「定期的にオーバーホールはしてます。行ってる場所が場所ですから、普段から使ったほうがてっとり早いんです。この世界もそうですけど、すごい相手がどんどん出てきますから」
シンフォギアの防御力は保険代わりという認識であり、自身のギアの機動力も(ウマ娘や聖闘士などの超人的脚力の持ち主であれば)追いつかれる程度だと明言する。
「でもよ、お前のギアの走行速度は時速100キロ近く出るはずだぞ?それに追いつけるって……」
「まぁ、世界は広いですから」
ウマ娘達は種族単位の平均速度で時速50キロ程度。地方競争で走る者では55キロ、中央のオープンやG3級では58キロ、G2以上に出れる実力では60キロ前半台、G1を勝てるレベルでは70キロを超える。当代最強級では、瞬間最高速度だが、100キロを超えた例もある。そのため、ある日に調が出先で食べる予定の弁当を野比家に忘れた時、マルゼンスキーが時速80キロという速さで追いついて、弁当を届けたこともある。(なお、マルゼンスキーの瞬発力は歴代屈指である)
「おまけに、プリキュアの皆さんも現役時代の能力値のままじゃ負けることありますから。私も戦い方を変えたんです」
「コイツに何もさせないくらいの手数を身に着けたのか?」
「ええ。有り体に言えば。20年近くも異世界にいれば、技の一つや二つは覚えますから」
「だからって、超音速の拳を打てるの?」
「加減して、超音速ですからね?」
「え、それって」
「光速なんで、本気だと」
「こ、光速!?」
「光速も見切れるレベルにならないと戦えない敵、普通にいますから」
調Aの実力は(経験値を除けば)黄金聖闘士の平均値に到達している。それでも、苦戦する敵は多い。
「私と切ちゃんはSONGには属さなかったです。二課時代に籍は置いたんですけど、私は抜けたし、切ちゃんはしでかした事が大きすぎて、未成年だろうと、死刑が宣告されて、表向きは『この世にいない』事になりましたから」
「どうして、そんな事に?」
「私と、ある人が入れ替わってしまったのは言いましたね?その時に容姿も入れ替わったんですよ。おまけに、その人は異能を持ってるが故に、シンフォギアを負担なく起動させられた」
「なっ…!?」
「嘘、そんな事が!?」
「ええ。その人は着の身着のままで逃げたんで、殆どシンフォギア姿で過ごしてた。今の私のように。声も殆ど同じだったから、切ちゃんはフィーネに乗っ取られたと勘違いして、結局は多くの人を手にかける事になった。なので、二課で戦ったくらいじゃ、減刑出来なかった。世論が許さなかったんです。だから、切ちゃんは死んだ事にして、別の世界に住む事になったんです」
切歌はA世界では目撃者も多すぎる上、イガリマで以て、転生することすら許さずに『魂を消した』。その大罪を背負っているため、聖域に行き、城戸沙織のもとで暮らす事を選び、城戸財団の保護下に置かれ、聖闘士として暮らす日々を選んでいる。そのため、A世界での調と切歌は普段、別々の世界にいるのである。
「私も行った先で生活を作っちゃってるし、お互いに、昔に戻れないのは分かってます。関係は続いてるし、やってる仕事も同じになったけど。会う機会は以前より少ないですね」
「なんでデスカ?」
「私は実働戦力の最高位に近い扱いなんだけど、切ちゃんはまだ見習い期間中なんだよ。それでも、超音速の拳は余裕で打てるけど」
調は黒江の得ていた技能を引き継いでいたのと、聖衣に選ばれたり、中間の階級である白銀聖闘士がほぼ全滅し、事実上は有名無実化している現状もあり、現状の戦力である黄金に準ずる扱いになっているが、切歌は体制が再建されてきた後に正規の手順で候補生になるルートで加わったため、階級と実力に差があるのである。
「どうして、差が?」
「そうですね、私は特殊な事情で仕事を始めたようなもんなんですよ、翼さん。」
「しかし、装者を二人も手放す事をよく、司令がお認めになられたな?」
「異世界と関係を持つのとバーターだったし、装者を必要以上に抱えてると、国連が都合のいい道具にする事が目に見えてたんですよ。アルカ・ノイズの脅威も広まらなかった世界なので。それで、異世界の調査って名目で、派遣をするのが常態に。響さんがプリキュアになったのもあって」
「えぇーーーッ!?」
「そうなんですよ。あなたは今や、プリキュア変身者でもあるんです。なので、二重に主役補正がかかってるようなものです」
「メタな台詞言うんじゃねぇよ…。でもよ、そうなったコイツの写真はあるか?」
「ありますよ」
「あるの?」
「ええ。容姿は本当にプリキュアですし、イメージカラーも違いますけど、あなた自身の変身した姿ですよ、響さん」
装者としての立花響は霞んでしまった感が強いが、プリキュアへの変身能力と『花寺のどかとしての記憶』が宿ることは『本来のポジションに戻るための埋め合わせ』のようなものである。史実での『スペシャルヒーリングっどスタイル』は格闘戦の動きに制限が出てしまうためか、ミラクルライトの力でブーストをかける形の強化フォーム『スーパーグレース』のほうを『動きやすい』(服装はそのほうが軽装なため)と好んでいる。(ドリームキュアグレースを除いた場合の単独での軽装の強化形態であるため)その写真を見せる。
「うーむ。このような大仰な格好で戦えるのか?」
「私達が言えることでもないですよ。とはいえ、現状でもっとも新しい代のプリキュアです。ただ、本来は浄化がメインの世代なんで、基礎パワーは戦闘メインの世代に比べて落ちますが、響さんの本来の力がプラスされた状態なので、戦闘ポテンシャルは遜色無くなりました」
花寺のどかの転生体であるが、メンタリティが彼女と異なる『立花響』の想いが力を変質させたため、戦闘の方法は基本的に徒手空拳に変わっている。また、装者としての特性により、思いの力をダイレクトにパワーへ変換しやすくなっており、正規のパワーアップである『スペシャルヒーリングっどスタイル』と別の道を選んだ。その証が『スーパーグレース』なのだ。ヒーリングアニマルの力を介さないパワーアップなので、『ヒープリ』の枠組みとしてイレギュラーだが、実はこちらのほうが『地球に生きる全ての者たちの意思でパワーアップ』しているため、こちらの方が旧来型のプリキュアのパワーアップに即していたりする。要は仮面ライダーJのジャンボフォーメーションと同種と捉えた方がいいだろう)
「でもよ、アニメ通りの能力じゃないのに、変身した姿は同じなんだな?」
「そこはお約束みたいなものです。仮面ライダーだって、漫画やTVと同じ姿でしょう?」
「理屈はそうだけどよ……」
どうにも腑に落ちない様子のクリスD。現状、何らかの理由で『しがらみから解き放たれた』プリキュアは『パワーアップの方向性の縛りが無くなる』という法則が調査されている。
「でもよ、コイツの別世界の同一存在がどうして、その資格を?」
「おそらく、その前世がプリキュアの変身者だったかもしれません。その要素が覚醒めたんでしょうね」
立花響(A)は装者としては活躍の機会が減ったものの、プリキュアとしては『期待の若手』扱いとなった。これは戦闘力が史実より大幅に高い(ガングニールを用いていたためだろうか)事、シンフォギア装者としての特性が『キュアグレース』という存在をヒーリングアニマルの縛りから解き放ったために、特性が旧来のプリキュアとほぼ同一になったためだろう。
「今は別のところで、先達達に特訓されてます。現役時代のフルスペックを取り戻しただけじゃ、心許ないですからね」
「でも、元々覚えてた格闘技の技能がそのままなら、特訓の必要はないんじゃないデスか?」
「プリキュアたちは元々の運動神経に関係なしに、格闘の猛者なんだ。素の運動神経がダメダメな人が歴代屈指の達人だったりするよ」
「えぇーーッ!?」
素の運動神経は鈍い者も変身さえすれば、それなりに戦えるように強化される。のぞみ/キュアドリームはその落差が最も大きく、現役の頃は『普段は運動神経がダメダメな女子中学生なのに、戦士としては天性の才能を持っている』と評されていた。響たちは『一定の才能はあったが、特訓を続けることで、戦う力を得た』タイプなので、『普通の女子中学生であったのに、変身しただけで、悪の組織とがっぷり組んで戦えた』のぞみは異能と言えるだけの才能があると言える。
「私たちは子供の頃から訓練をさせられてきてたけれど、そんな事はアドバンテージにならないくらいだよ。それに、そんな人達が光速の世界に踏み込むしかないくらいの状況だから、エクスドライブ状態で、やっと戦力に数えられるくらいの魔境だよ」
「バカな、あれでようやくだと?」
「タキオン粒子の実在が確認されて、時の流れから外れて移動する仕組みの機械も発明されてますからね。それを敵が使う事ありますから、『自分本来の力』にこだわらない考えを持つ事が大事になったんです」
それはクロックアップのことだ。普通の加速装置にしても、落下時など以外は極超音速に加速されるため、素でそれに対処する者以外は『同じ世界に踏み込む』しか対処法がないため、速度の物理的以外での『加速』も必要になった。仮面ライダー達がクロックアップのシステムの模倣を試みているのもそれだ。
「敵も強大だからね、切ちゃん。ピンキリだよ」
「どんなデスか?」
「上は本物の神、下はチンケなマッドサイエンティストまで。人にしたって、素でシンフォギアを破壊できる格闘技持ちがゴロゴロしてるから」
「なんデスと!?」
「科学も魔法も存在するから、既成観念は捨て去ったよ。今も、私の同僚達が異世界の調査をしてるから、目を回すよ、報告を見る度に」
実際に、この後に調はフェイトから『ウマ娘世界』についての詳細な報告を聞き、またも目を回す羽目に陥るのである。
「あなた達には、追って要請を出します。こちら側の装者とは明確に別の個体なので、会っても問題はありません。シンフォギアも共存可能です。ですが、単独での戦闘行為は避けてください、翼さんやマリアであっても。貴方達の想像を超えてきます。確率論云々でない本当の事です。『宝具』や本当の魔法が存在する世界ですし、科学にしても、異世界を科学的に渡れる手段を持つほどの世界の存在が入り込んできていますから、単独では危険です」
「私達が……シンフォギアが……太刀打ちできないっていうの?」
「私はそれを体験しています。つか、死にかけましたから、ある時に」
「何、いつだ?」
「私の体感時間で、20年近くは昔のことです」
調Aは注意を促す。それは組織の魔手が迫っているからである。シンフォギアは近縁世界などでは『どんな存在相手でも、ある程度は戦えた』が、『理が違う上、それ以上の力が飛び交う世界』では『生まれた世界での絶対性』は発揮できないし、違う世界の神々相手には相対的に不利に陥る』という『理が異なる世界の存在と出会わなければ分からない』弱点も判明している。調は『死にかけた事がある』とし、聖闘士になる前の時期に、魔法とシンフォギアを駆使し、ある敵と戦ったが、殆ど歯が立たず、仮面ライダーBLACKRXに救われたという過去の出来事に触れる。その出来事の詳細の説明は時間の都合でしなかったが、調Aは苦い出来事も多くしてきた事の示唆の一環であると同時に、師の黒江同様に『生半端な力を持って、いい気になっていると、痛い目に遭う』のを身を以て体験した故の老婆心がある事を示している。
「年寄りの戯言と聞き流して構いませんが、忠告はしておきます。次元世界の坩堝と化した世界は……魔境ですよ」
それは様々な世界の思惑が集まり、その坩堝と化しつつある世界の恐ろしさを教えるための忠告である。D世界の自分自身より遥かに能力で上回るはずのAをして、そう言わしめる世界とは?彼女たちは改めて、謎を提示される事になった。
――さて、その頃の野比家。ウマ娘たちも野比家に馴染み始め、ブライアンがTVに出たことで、存在が有名になり始めた頃――
「ボウズの迎えだと?今日はマスコミのインタビューで勝負服を着ているんだぞ、そのままで行けというのか!?」
「仕方ねーだろ?お前しか近くにいるのがいないんだから。今日は校外実習で、町外れの自動案内軌条式旅客輸送システムの駅で解散だから、普段の駅より遠いんだよ」
「今どきにしては珍しいな?校外実習など」
「小学生だし、四個隣の街へ行ってきただけだからな」
この日、ノビスケは学校全体の校外実習が運良く行われ、その帰りであった。ブライアンはたまたま、ノビスケが帰ってくる駅の近くに『仕事』で来ていたため、ノビスケの迎えをする事になった。ブライアンは勝負服姿で迎えに行く羽目となった事にぶーたれたが、やむなく引き受けた。それから10分ほどで目的地につき…。
「あ、今日はブライアンねーちゃんなんだ」
「ゴルシの奴に行けと言われてな」
と、駅に集まっている児童が解散し始めている中、ノビスケが彼女と普通に会話する様に訝しむ教師たちだが。
「怪しい者ではありません。ノビスケ君の家に泊まり込んでいる者です。この子の迎えでして」
「迎え、ですか」
念のために、持参していたトレセン学園の学生証を引率の教師に見せる。この頃、既に地域のローカルTVである『あけぼのTV』がウマ娘世界のレース中継をし始めていた事、有名ウマ娘たちの活躍ぶりをダイジェスト形式で放映していたため、ウマ娘の存在は知られていた。
「ナリタ……ブライアン?昔の三冠馬だった?」
「ええ。ノビスケ君のお父上の仕事の関係で、私どもはお世話になっていまして。こちらが無理を言って、ノビスケ君のお宅に泊めさせて頂いています」
(すっごい仕事用のトーク。こういうこともできるんだ)
ブライアンは口調を生徒会活動で外部の人間を応対する時に用いる『丁寧なもの』に切り替え、教師と無難に会話を行う。こうした事が自然にできるあたり、曲がりなりにも『生徒会の副会長』であるのが分かる。
「それでは、これで」
無難に会話を切り上げ、ノビスケを引き取り、道をしばらく歩くと。
「……肩がこる。柄にもない事だからな……」
「ねーちゃんも、TPOに応じて、態度を切り替えられるんだね」
「これでも、生徒会の副会長だ。必要に応じて、態度を切り替える事くらいはやってみせんと、学園の評判に関わる。普段はエアグルーヴがやるんだがな、ああいう応対は」
ブライアンは副会長の地位にいるが、半分は三冠足り得る実力でありながら、一匹狼な性格を心配したルドルフの気遣いで与えられたものであるため、生徒会の業務への態度は不真面目の一言。(不良生徒の捕縛などは参加しているが)授業態度も不良に入る。だが、そんな不良的な生活態度とは裏腹に、学業成績は優等生そのもの。美術の成績が低め(絵が下手)な以外はトップレベルをキープしている上、三冠を戴いた栄光を誇るので、文句のつけようがない。(たとえば、スペシャルウィークは赤点スレスレの科目があったり、『同期達との一夜づけ』でどうしかした科目がある。対して、ブライアンは美術以外は文武両道である)
「でも、やれないわけじゃないんだね」
「立場上、仕方なくだがな。今日は仕事で、あけぼのTVにいたんだ」
「ああ、この間の競走馬の引退式の飛び入り参加からこっち、ねーちゃん、引っ張りだこだからね」
「今度は後輩のスペシャルウィークにも来てもらう。私はジャパンカップは出たが、低迷していた時期だから、あまり記憶になくてな…。その点、スペシャルウィークなら、私よりは語れるからな。あいつは勝っているが、私は六位だしな」
ブライアンは敗戦続きだった時期に出たジャパンカップの事は記憶が殆どない。そのため、『ジャパンカップの話題は他のウマ娘に聞いてくれ』とインタビュー前に注釈を入れるしかなかった。ブライアンはその事が悔しいのだ。
「だから、引退するまでに、もう一度出走したいレースの一つだとは答えた。実際に史実だと、私は1996年の暮れに引退しているからな。ジャパンカップや春の天皇賞の雪辱は出来なかったのも嘘じゃない。だから、馬だった頃の分も走りたいんだ。前の時は……満足に子供も残せなかったからな」
ブライアンはブライアンズタイムの最高傑作と言われたが、ブライアン自身は子孫を繁栄させる事も叶わなかった。ブライアンが種牡馬になっていた数年間は種牡馬としてのサンデーサイレンスが絶好調であった時代であること、ブライアンの早世後、残された子供達が満足のいく成績を挙げられなかった事が原因である。早世したことへの後悔が蘇ったのもあるのか、インタビューの半分は競走馬/種牡馬『ナリタブライアン』としての懺悔に近い内容だったと自嘲する。
「今の生で走ればいいよ。僕だって、パパがジャイ子おばさんと結婚したらさ、この世に生まれないはずだったしさ。馬から転生したのは、何かのお召星だと思えばいい」
「そうだな。何はともあれ、吐き出せてスッキリはしたよ。三冠馬でありながら、晩年は見るに堪えない走りしかできず、ファンを失望させてしまった事の後悔を思い出して、自己嫌悪になっちまってたし」
「タイシンねーちゃんが知ったら、泣くよ?」
「あいつは口じゃ鬱陶しそうにするが、本当は良いやつだからな。前世の記憶が蘇ったみたいだから、たぶん、怒られるだろうな」
「心配なんだよ、たぶん」
「姉貴に伝わるだろうから、奴には言いたくないんだがな」
「でも、チケゾーねーちゃんもいるよ?」
「……あいつの事を忘れていた」
「諦めようよ」
「……仕方ない。チケゾーに伝言ゲームされるよりはマシだ」
ブライアンは前世の記憶が宿った事を周囲に話すのか躊躇っていたようだが、ウイニングチケットの線から伝言ゲームの要領で、自分の姉であるビワハヤヒデに変に伝わる事は避けたかったため、やむなく、タイシンに前世の記憶の復活を伝えることにする。タイシンの反応は想像できるためか、げんなりしているブライアンだが、タイシンも同様の現象に遭遇していたため、想定と逆に、タイシンに泣かれてしまう事になり、流石のブライアンも大いに狼狽。テイオーとマヤノトップガンに救援を要請するのである。テイオーとマヤノはその光景を目の当たりにした瞬間、『ねぇ、ボクたち入れる余地ある…?』と漏らし、ブライアンの『突っ立ってないで、さっさと助けてくれ~!』という困惑の叫びが野比家に木霊したという。