ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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オムニバス編です。


第三百三十七話「ウマ娘世界の悲劇、ドラえもんの遺したもの」

――ウマ娘世界に戻っていたナリタタイシンは出走したレースで、ライスシャワーの悲劇に直面した。最大速度でつんのめるように倒れ伏したライスはレースの後半のところで故障を起こしてしまった。レースそのものを勝って終わらせたタイシンはその足で、ライスシャワーに応急処置を施した。そのままでは、史実の運命は間違いなしなのは目に見えていたからで、持ち込んでいた治療用のナノマシンを急いで投与し、応急処置を施した。

 

「トレーナー!ライスの怪我は……」

 

「折れたほうの足を地面につけるな。止血はできそうか!?」

 

「なんとか…!」

 

「タイシンさん、ライスは!?」

 

制服姿のブルボンがやってきた。あまりの惨状に居ても立っても居られなくなったらしい。

 

「できる事はやってる。だけど、限界はある……って、あんた、観客席から…!?」

 

そこにようやく気づいたタイシンだが。

 

「そんな事は些細なことです!ライスは助かるのですか!?」

 

取り乱すミホノブルボン。普段はサイボーグかと思われるほどの無機質さを見せる彼女も、自分が認めた好敵手にして、気の許せる友人であるライスシャワーの惨状を目の当たりにしては、平静を保てずに狼狽する姿を見せた。

 

「落ち着くんだ、ブルボン!俺たちはできるだけの事はしてる。だが……ライスの足が元に戻るかは……」

 

「そ、そんな……」

 

ショックのあまり、その場にへたり込むミホノブルボン。程なくして、救護班が到着する。彼らがライスを担架で運んでいくが。

 

「待ってください、会長がこの病院に連れていくようにって」

 

「ルドルフ会長が?」

 

テイオー政権はまだ正式の発足はされていないため、ルドルフがまだ会長という認識である事が分かる。タイシンはウイニングライブどころではない心境なため、そのまま救護班に同行し、ブルボンを伴って、指定の病院へ向かった。ウイニングライブの中止の説明はトレーナーに任せて。ルドルフへ、タイシンが一報を入れたのは、病院につき、佐渡酒造が緊急手術を開始して間もなくの事であった。

 

 

 

 

 

――オグリキャップとタマモクロスが歴史を改変したことで、その後の経緯の変化は意外と多かったが、オグリキャップはその翌年、『オセアニアの英雄』であるホーリックスに敗れ、最後の有馬記念で劇的勝利を挙げるという流れは変化しなかった。ただし、平成三強の現役期間が延びており、オグリキャップの有馬記念の直後に全員が引退したという。タマモクロスは『引退後は人柄が完全に穏やかになり、オグリキャップを精神面で支えた』という風に変化していた。悲願が成ったため、オグリと『対立する』必要が無くなり、ルドルフの計らいで寮で同室にされてから、オグリキャップのお目付け役に落ち着いたというわけだ。とはいえ、協会の見誤りまでは改変されていなかったため、グラスワンダーの燃え尽き症候群の問題は、ウマ娘達が自分で解決せねばならなかった。罪悪感を抱いたスペシャルウィークはとエルコンドルパサーは、ドリームシリーズへの参戦を明言し、グラスワンダーに再起を促す。グラスワンダーはこの知らせに奮起。引退後にドリームシリーズに出走する権利を得るため、成績の立て直しを急ぐのだった――

 

 

 

 

 

 

 

――扶桑社会は軍人に対し、急激に冷淡になっていったが、彼らなしでは『生まれた地で死んでいく権利』も守れないため、社会的ステイタスは喪失しても、金銭的な厚遇は社会の意思として続けられた。戦後の治安悪化の温床にならないように、だ。新規志願の壊滅的落ち込みは軍隊には打撃そのものであるため、義勇兵を大々的に募集する羽目となった。ウィッチはおいそれと補充できない才能であるからで、結局、この時期の世代間対立が、数十年後の『MATの衰退期』においての在籍経験者達の公的な福利厚生の権利の確立と『代替役』としての認定の闘争に至るまで、扶桑社会に暗い影を落とす。太平洋戦争は皮肉なことに、扶桑ウィッチを長い間、従軍派とMAT派に二分するきっかけとなってしまう。義勇兵や、公には『特異体質者』とされていた『Gウィッチ』は扶桑皇国の救世主となったが、結果として、通常ウィッチの中堅層と古参層の対立の原因の槍玉に挙げられた。軍隊は中堅層の影響のない若手を次期主力として育成していく傍ら、中堅層をできるだけ前線で消耗させるように仕向ける。軍を混乱させた『癌』と見なされたからだ。その過程で、第一世代理論式の限界が露呈し、第二世代式理論の普及が始まる。第一世代理論は当人の魔力量に依存する項目が多すぎた事が仇となり、急速に時代遅れとなっていく。『どのような年齢でも、一定の防御力を得られる』事は、軍隊にとっては福音だからだ。――

 

 

 

 

 

 

 

 

――ジェット戦闘機の普及で、敵機を圧倒する機動性が今度は求められる様になると、カールスラントは独自開発を試作中の機体で辞め、自由リベリオン製のもののライセンス生産で妥協するようになった。高速戦闘に限界がある事がわかったからだ。カールスラント技術陣は技術者の流出で設計能力が最盛期より低下していたために、史実のロシア製の模倣にも手間取る有様。カールスラントは現場の努力で軍隊の維持ができているが、国そのものは衰退期に入っており、内戦の傷もあり、独自開発は戦車、小銃などの得意分野以外は放棄していく。日本連邦への莫大な賠償金の完全な支払いは『1975年』までかかる見込みとなったからだ。そして、カールスラント本土奪還は事実上の棚上げとなり、深い挫折感が軍を支配するようになる。それは軍事国家化していたカールスラントの黄金時代の完全な終焉を意味していた。折角の優秀な人材は1949年までに『あがり』を迎え、多くが軍を去っていったからである。ウルスラ・ハルトマンはそんな祖国の技術面での立て直しに尽力する関係上、若い姿を保ち続けたとされ、後世にはそう記録されている。ただし、エーリカ・ハルトマンなどの一部のエースパイロットは日本連邦の義勇兵として活躍を続け、ウィッチの名門国としての面目は保たれた――

 

 

 

 

 

 

――キュアフローラ/春野はるかの言から、彼女らのチームの初陣となったオールスター戦でとんでもないバケモノ同士の決戦があったと明らかになった。その世界のプリキュアオールスターズの前に現れたのは『バグ』と呼ばれし超巨大ロボと、恐竜帝国の軍団。その世界のオールスターズはバグの絶望的なまでの力に打ちのめされた。フローラの涙と叫びに呼応し、一体の超巨大なゲッターロボが姿を見せた――

 

――チェ――ンジッ!!ゲッターァァァ――……天(ワン)ッ!!――

 

大地を震撼させるその声は、まさしく流竜馬のものであった。初代ゲッターロボがマントを羽織っているような印象であるが、真ゲッターロボのような意匠も確認できる謎のゲッターロボ。ゲッターエンペラーの進化の過程における『過去の姿』の一つと推測されているため、真ゲッターロボの直接的な後身(進化体)と思われる。そのゲッターロボが姿を現したのである。ゲッター天はバグを撃退し、その大地をゲッター線で満たした後に、姿を消したという。そのスーパーロボットを皮切りに、マジンカイザーとも出会っていたとも述べているなど、彼女は知らず知らずの内に、未来世界と接点を得ていたのである。

 

「そういうわけだったの」

 

「はい。今となっちゃ、なんだか……夢を見てるみたいな感じで」

 

キュアムーンライトの質問に答えるキュアフローラ。この頃になると、仕事も行っている。しかし、チームで唯一、キュアトゥインクルが不在である事は気にしているという。

 

「マジンカイザー……そして、謎の巨大ゲッター……。あなたのいた世界のオールスターズ戦に介入したのね?」

 

「ええ。すごい戦いでした。たった一体で敵を倒していく…。それを見ている事しかできなくて…」

 

「カイザーもゲッターも、星を容易く滅ぼせるマシンよ。それに対抗できる敵となれば、現役時代の時間軸の私たちにできる事はないわ。それは事実よ」

 

「ゆりさん……?」

 

「あなたは現役時代から転移したようだけど、私たちの多くは現役を終えて、一度死んで、別人となった後に、往時の能力が戻ったって形なのよ。だから、私とゆかりは肉体的にはアラサーなのよ」

 

「えぇーーー!?そ、それじゃ、他のみんなは!?」

 

「今の時点での戸籍年齢で言うなら、平均で20の前半あたりよ。転生して、覚醒した時点の年齢が17、8だった子も多いから」

 

「でも、前に会った時と変わらないように?」

 

「変身すれば、昔と変わらない姿になるし、転生してからのあれこれで『人の領域』を超えちゃった子もいるのよ」

 

「それって……どういう事なんですか?」

 

「一言じゃ説明できないわ。存在そのものがヒトとは、いい難くなった子も多くてね。ことはみたいに、失った神威を別の神威で補った結果、別ベクトルの存在になったり…」

 

キュアフェリーチェは大地母神の後継者であったが、その因果を奪われた後、光子力とゲッター線を受け入れることで『新たな力』に覚醒めた。姿は変わらないようだが、戦闘スタイルが全く変わっていたり、敵を滅することに躊躇がなくなるなどの変化が生じている。以前のような優しさは無くしていないが、明確な『敵』と判断すれば、容赦はしない。

 

「確か、マザー・ラパパの後継者って……」

 

「三人の世界は滅んでしまったのよ。今は説明できないけれど。それで、別の世界へ移住するしかなかった。あの子は強大な敵に怯えてしまったことを恥じているわ。それで、力を求めたのよ。神レベルの敵も倒すに値する…ね」

 

キュアムーンライトは簡潔に説明する。みらいたちは故郷を失い、のび太の世界に移住した事、ことはは世界が滅んだりした影響で、大地母神としての神位を喪失したが、その代わりに光子力とゲッターの使者となった事、元から不老不死の存在であった(神の後継であったので、当然だが)が、大地母神から戦神にクラスチェンジしたこともあり、敵には情け容赦しない傾向が強まった事…。その象徴と言える姿の写真を見せる。

 

 

 

「こ、これは…?」

 

キュアフェリーチェが何かの技(ストナーサンシャイン)の態勢を取っている。だが、現役時代とは全く異なる『大技』を撃つ最中であるのが見るからにわかった。また、同じ戦闘での撮影か、キュアドリームがキュアフルーレではない剣(正確には剣を兼ねた杖。要は仮面ライダーBLACKRXと同様のリボルケインである)を敵から引き抜いて、決めポーズを決めているシーンもあった。

 

「一例よ。現役時代から変化のあった…ね」

 

「二人に何が?」

 

「一番変わったのは、のぞみかも知れないわね。性格も荒くなって、昔の夢に幻滅してるから」

 

「そういえば、教師になりたいって…」

 

「転生する前、教職の実状がブラックすぎて、嫌気が差してたみたいなのよ。陰湿な側面も多い世界だから。それで、転生した後は、手柄も立てたから、軍を辞めて、のんびりと教職につこうとしたんだけど、のび太さんの世界の文科省の介入で、話がポシャったのよ」

 

キュアムーンライトの言う通り、のぞみは教職への転身を志望しており、話もついていたが、軍学校出身者や師範学校の出身者を除こうとした21世紀世界の介入で潰され、文科省の一大スキャンダルに発展し、転職をできなくされた。連邦による補償の一環で、佐官に昇進したが、本来は箝口令も兼ねていた。だが、マスコミに報道されたため、予備役制度そのものの再構築にまでこじれてしまった。その関係で、『予備士官』という言葉は次第に廃れていく。民間軍事会社も法的規制がされたため、結局は定年まで、軍に在籍し続ける者が増えたからである。また、世間が軍人に冷たくなったことで、基地周辺に『軍人が固まって住居を築く』ケースが相次いだため、基地の敷地内への団地型隊舎の建築が緊急でなされていく。『自宅を持つ』ことが許可されるのは、士官級以上の軍人に限られていくという結果をもたらした。これで扶桑国防省は福利厚生費の高騰に悩むことになるが、華族の新規叙任が減っていった(日本側が華族の無闇な増加を抑えようとしたため)ことでバランスは取られた。ただし、その埋め合わせのためか、武功章の授与は増加傾向が続いたという。従って、華族への叙任が旧来の慣習通りに成ったのは、64Fのメンバーが事実上の最後となったのである。(後の時代、華族への叙任は選考基準が厳しくされたため)また、史実の戦争後半での行いを理由に、多くの士官、下士官級の軍人が強引な公職追放の憂き目にあったため、軍への志願と協力が壊滅状態に陥ったことの埋め合わせは、自衛隊からの出向、あるいは日本からのリクルートで賄われた。旧日本陸海軍と共通する伝統の多くはこの時期に一掃されていく。武人気取りの者たち(意外にも、海軍系に多い)には息苦しくなるが、それが扶桑国民の選択だった。そして、のぞみのような武人気取りでない気質の者が好まれるようになる中で、最後まで武士の末裔らしい厳格な態度を取り続けた坂本は、『ラストサムライ』と後世に評された――

 

 

 

 

 

 

――軍人の戦功の褒賞は細心の注意が払われるようになった。華族への叙任を減らす代わりに、武功章と功労章の積極授与が推奨され、扶桑海事変、メカトピア戦争、デザリアム戦役、ラプラス紛争に従軍した軍人のために『それぞれの従軍記章』が創設されるに至る。ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケが黒江らを冷遇したことの教訓であった。ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ本人は人格の変貌もあり、厳罰の体裁は取られたが、当初の案よりはかなり寛大に裁かれた。だが、カールスラント軍の対外的な評価がかなり低下する原因となったため、周囲(将官や同期ら)から睨まれた。彼女は扶桑に定住し、1946年以降の軍生活の大半を扶桑で過ごす。また、1949年以降は戦車道の道場を開き、その経営を副業で行うため、本来の人格が目指した『歌手』の道は諦めた形となった。(音楽の主流がミーナが戦前に勉強していたものから、ホップやロック系の音楽に革新していったことも大きい)ただし、アドバイザーという形で音楽業界への関わりは持ち、チャリティーコンサートで歌唱する姿が見られることになる――

 

 

 

 

――それと対照的に、ルーデルは障害者スポーツ(片足が義足になったため)の第一人者となり、軍務の傍らで、スポーツの分野で輝かしい功績を挙げていく。(ゴールドシップと記憶を共有するようになったこともあり、スポーツ選手を兼ねていく)この頃から、ルーデルはスポーツへの造詣の深さを買われていく。扶桑競馬の発展に尽力する一方、麻雀などのボードゲームの『娯楽としての普及』にも功績を残していく。マルチな才能を見せる一方で、爆撃戦術の第一人者でもあるため、大佐止まりながらも、事実上の最先任とされていく。これは同位体が同位体なので、将官への昇進が見送られたことも大きいが、戦場での働きには報いられ、かなりの自由が許されるに至る。彼女の功績は孫の代に至るまで、『ウィッチの社会貢献活動の一つの理想』と高く評価されていく。ペリーヌが政治的に人身御供にされた経緯もあり、ウィッチの政治活動は控える風潮が生まれていったためだ。だが、それは表向きで、実際には扶桑の64FメンバーがY委員会の委員という形で、1947年以降の扶桑の政治の舵取りを行っていく。Y委員会は非公式ながら、『扶桑に議会制民主主義を根付かせる』目的があったからだ。軍部の思想の刷新も目的であるため、軍中枢、ないしは設立時の参謀級の軍人らの暴走を抑えるため、非公式ながら、Y委員会の委員である者はかなりの権限を行使できる。ウィッチ・クーデター後の扶桑軍の統制は裏でY委員会が取っていた。だが、完全ではないので、太平洋戦争での部隊間連携の無さの一因である。その対策として、Y委員会は自衛隊と米軍の戦術ノウハウなどを輸入していく。扶桑軍の軍備が史実日米英中心のハイブリッド型に変貌する第一歩がこの時代なのだ――

 

 

 

 

 

 

 

――ドラえもんは統合戦争で相打ちになる前、手記をセワシと、彼の将来の妻子のために残しており、23世紀には、その時代の野比家で重要な地位にいるドラミの手で管理されており、ノビタダへ継承された。内容はのび太との日々の回想、恩義がある10人ライダーのコールドスリープ施設を守るため、相打ち覚悟で暗闇大使らに挑む心境である。ドラえもんとドラえもんズが組織相手に相打ちを辞さぬ覚悟であったこと、ドラえもんは将来に『暗黒結社ゴルゴム』が襲来し、仮面ライダーBLACKがシャドームーンに敗れてしまうことを知っているため、ゴルゴムに対抗できる希望である『10人の仮面ライダー』を守り抜いた。だが、時空破断装置と親友テレカのぶつかり合いの余波で、ドラえもんズは次元の裂け目に飲み込まれ、姿を消した。仮面ライダー達はその恩義に報いることも、活動目的なのだ。手記はノビタダ経由で、のび太とその関係者に伝えられており、ドラえもんズの行動を無にしないために戦うことが原動力となった。他には、しずかが反ジオンの姿勢となる原因でもあり、ジオンの求心力低下に一役買う、ドラえもん達の心意気に打たれたウマ娘たちが衰えていた闘志を再び燃え上がらせるなど、ドラえもんには文才が意外にあった事が窺える。日本系国家の常として、『力がある者には弱音は許されない』という風潮があるのも大きいが、ドラえもんズにはその力があった。セワシやその父ののび三(のび太のひ孫)の制止を振り切り、戦いに臨み、相打ちとなった。前時代的な自己犠牲と、野比一族の分家筋からは評されたが、野比宗家はドラえもんの犠牲を鑑み、統合戦争以後の時代において、タイムトラベル技術の復興、次元世界の研究を推し進め、アナハイム・エレクトロニクスの掌握を目指す。そして、ノビタダ(セワシのひ孫)の時代に、アナハイム・エレクトロニクスの大株主の座をビスト財団から奪取するに至った――

 

 

 

 

 

 

――のび太は青年期には、その手記の存在を知っていた。それを承知の上で未来世界で戦い、転生を選んでまで、ドラえもんを待ち続ける。帰ってくるとはわからぬ友のために。その友情に心を打たれた者は多い。それでいて、友人関係を持った者のためには、戦場にさえ赴く。ジャイアンとスネ夫が成人後は側面からの支援に留まっている事が多いのに対し、のび太は比較的に戦う事が多かった。だが、30代を迎え、子も小学生となった時代には、以前のようには行動しにくくなっていたのも事実だ。ノビスケが両親への反発を強く持っていた理由も、両親の不在が多すぎたことに由来する。ノビスケはそんな経緯もあり、野比一族には珍しく、わんぱくな気質にだんだんと育つが、その一方で、ナリタタイシン、ことは、調などと接してきたため、異性に優しい男性へ育つ。レディーファースト精神と、ガキ大将的なわんぱくさが入り交じるため、野比家歴代当主でも特異な性質の持ち主となる。以後、野比家は時たま、剛田家や源家、あるいはそれ以外の者と婚姻関係になり、だんだんと『気の強い一面がある』一族に変革していくが、野比家代々の『愛』は引き継がれていく。ノビスケはその第一歩となる人物であり、のび太の直接の後継者。その位置づけ故に、組織から狙われ、あるいは世界各国の諜報機関から狙われていく。それを阻止するべく、ゴールドシップも策謀を巡らせていく。タイシン、ブライアン、テイオーらは図らずも、ノビスケを守るためのゴールドシップの策謀に巻き込まれていくのだった――

 

 

 

 


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