――海軍の空軍化がジェット時代による航空機の高額化と空軍の独立で頓挫してしまった後、空母航空団の再建は急務とされたが、日本側は統合軍運用を推進したため、空母航空団独自の行動は取れず、更に旧600番台部隊の航空隊ももっぱら旧任務に専従しつつも、ジェット時代を迎えた故に、整備員に至るまでの再教育にも時間を要する有様であった。日本側が投入を避けた理由は『実戦経験がなかったり、日本側の想定する必要飛行時間に到達していない』からである。64Fのベテランやエースも多くは700時間台に留まっている。元々、空戦ウィッチは怪異迎撃専任兵科だったために飛行時間は相対的に多くなかったからである。1000時間を超えるような者は黒江たちを入れても少数派である。64Fの強さの秘密はむしろ、戦闘経験値が桁違いに高いことである――
――64Fの最高幹部らが異常に強い理由の一つが『百戦錬磨』であることだ。あらゆる状況に対応する事。それは修行だけでは得られない経験でもある。黒江達がトレーニングにおいて、プリキュア達に優位を保っている理由も、経験値の差であった――
「アトミック・サンダーボルト!!」
「どわあああ!?」
この日の組手では、黒江が歴代プリキュア相手に大立ち回りを演じていた。世代を問わず、勤務中のプリキュアと総当りを行っていた。戦況はと言うと、黄金聖闘士が副業なのは伊達ではなく、総当りでやってなお、黒江が有利であった。黒江が優位にある点の一つが転生を繰り返し、その度に極限まで鍛えていた故のタフネスである。普段は調を多少成長させたような華奢な姿を取っているので忘れられがちだが、素は細めながらも、ガッチリした体なのだ。
「なるほどな。この強化率……並の青銅より上だな。だが、動きが素人だぜ」
プリキュアの通常フォームは基礎能力を青銅聖闘士級に引き上げるが、スピードに関しては聖闘士ほどではなく、視覚などに特段の強化はされていない。その点を突く形で黒江は向かってくる歴代プリキュアを組手とは言え、なぎ倒していく。
「嘘でしょ、あの人、私たちが見きれない早さの攻撃してくるんだけど!?」
「あの人には並半端な攻撃じゃ、かすり傷も負わせられないわ…。あれが聖闘士の力なの……?」
「来るわよ!!」
「クッ……プリキュア・エネラルド・ソーサー!」
「プリキュア・ロゼッタリフレクション!」
防御力に定評があるグリーンプリキュアの二人が防御技(ミントは攻撃技の応用だが)を使う。
「ほーう。二人で防御か。いい考えだが……甘いな!ライトニングファング!!」
黒江は獅子座の継承技の一つであり、電撃の放射技であるライトニングファングで防御の隙を突いた。二人の防御の死角から、プリキュアでも立っていられないほどの電撃が奔る。
「あ、ああああああっ!?」
ミントとロゼッタは防御の隙を突かれ、感電して悶絶してしまう。真下の地面を伝って電撃を直に浴びせられたので、防御が無意味となったのだ。
「ミント!?ロゼッタ!?」
「……そんな、地下から電撃を奔らせてくるなんて……!?」
驚愕のキュアアクアとミルキィローズ。ミルキィローズは思わぬ光景に戦慄し、キュアアクアも冷や汗タラタラだ。
「二人共、そこから離れろ!!あの人に並半端な攻撃は通用せんぞ!」
「ダイヤモンド、どういう事!?」
「見てればわかる!プリキュア・ダイヤモンドシャワー!!」
キュアダイヤモンドが試しに自身の技で攻撃をかけてみるが、黒江は『ニヤリ』と笑うと、なんと『オーロラサンダーアタック』でダイヤモンドシャワーを押し返し、技同士がぶつかりあった地点の地面が氷結していく。
「ダイヤモンドシャワーを同じ属性の攻撃で!?」
見ていたミルキィローズは唖然とさせられる。
「驚いてる場合か!さっさと離脱しろ!!」
「え、ええ!」
キュアダイヤモンドはサンジェルマンであった頃の凛々しい口調でその場を仕切った。ローズは雰囲気的に従い、アクアと共にその場を離れる。
「何なのよ、あの人!?私たちより凄い技持ってない!?」
「単独じゃ、あの人から一本取る事もできないわ!総掛かりで戦わないと!」
「パッション!」
「行くわよ、サンシャイン、フォーチュン!」
「うん!」
キュアパッションが『アカルン』の力を用いてのテレポートを使い、格闘技の経験があるフォーチュン、サンシャインの二人を引き連れて、接近戦に持ち込む。格闘ポテンシャルの高い三人の同時攻撃だが、黒江は三人の攻撃を上手くいなし、捌いている。しかもその場から動いていないように見えるが、実際は軸足で体を支えて、なおかつ最小の動きで三人の猛攻を捌いている。三人の同時のパンチが命中するかと思われた瞬間、黒江の姿が消えた。そして、一瞬で三人の背後に立っていた。その次の瞬間、三人は『攻撃の衝撃とパワーが後からやってきた』かのような様相で後から響く打撃音と共に滅多打ちに遭い、その場に倒れ伏す。
「わりーな、せつな。お前のアカルンの事は知ってるんでな。こっちもチートを使わせてもらったぜ」
「貴方、まさか……クロックアップを…!」
「御名答。お前らのパンチは侮れんパワーだからな。使わせてもらったぜ。のび太の奴には、故あって通じんがね」
「クロックアップ……?」
「タキオン粒子を操ることで、時の流れから外れて動ける最強の加速能力よ。本来は『渋谷に隕石が落ちた世界』の仮面ライダーに備わっているのだけど……」
「昭和ライダーがその原理を解析した時に、空間に満ちるタキオン粒子を操ってみたら、偶然できたのさ。時を操れる力は神と言えど、クロノスにしか備わってないが、科学はその領域に踏み込んだのさ。ドラえもんのマッドウォッチもその原理の応用らしいぜ?」
クロックアップやマッドウォッチは、正に科学が神の領域に手を触れられるほどに向上する事の一つの結果であった。黒江はその原理を知ったことで『タキオン粒子を操作してみる』という芸当で再現に成功したわけだ。それを遠くで聞いていた三人は圧倒されてしまう。
「クロックアップだと…!?あの人はとんでもない芸当をしでかしてくれたものだ……」
「クロックアップ?」
「今、あの人が言っただろう、アクア。時の流れから外れて動くと」
「ど、どういう事?」
「いいか、ローズ。時間の流れから外れるということは、攻撃を受ける側は『停止しているに等しい状態』だ。いくら私たちでも、それをやられたらひとたまりもない」
「なぬーーーー!?」
「やっと気づいたか。やれやれ」
「ダイヤモンド、あなた、そういうキャラだった?」
「それがな、アクア。のぞみと同じで、わけがあるのでな」
キュアダイヤモンドは生前とかけ離れた凛々しい低めの声を出しているが、これは直接の前世がシンフォギア世界の『サンジェルマン』の可能性の一つであるのと、肉体の素体が婚后光子なため、低い声のほうが肉体的に使い慣れているからである。口調もサンジェルマンのものになっているのもあり、現役時代より精神年齢が上であることがわかる。
「クロックアップの攻略法はあるにはあるが、かなり困難でな。かなりの高精度の予測を必要とする。なにせ、こちらからは動きを視認できんし、感覚として予測するのも困難を極める。経験則に依存するな、これは……お!?いかん、伏せろ!」
ダイヤモンドがそう促すと、なんと、『ダブルトマホークブーメラン』が飛んでくる。黒江がぶん投げたのである。
「な、何!?」
金切り音に驚くキュアアクアだが、キュアダイヤモンドはすぐに察しがついた。
「ダブルトマホークだ!!」
「ダブルトマホーク!?」
「元はゲッターロボGの武器の斧だ。あの人はそれを等身大サイズで使える。当たれば、タダではすまんぞ!」
「うぇ!?」
「う、嘘でしょ!?お、斧って…投げるものなの!?」
三人は慌てて、地面に伏せる。両刃のポールアックスがものすごい勢いで回転しながら飛んでくるからだ。付近にあった大木を両断しても勢いは衰えない。ダブルトマホークはものすごい音を響かせながら、三人の真上を通過していった。
「……」
立ち上がると、近くにあった大木が綺麗サッパリと斬られている事に青ざめるミルキィローズ。
「う、嘘……大木が……」
「うまいこと避けたな。あれ、初代ゲッターの装甲くらいなら斬れるぞ」
「~~……」
三人は『ゾ~』という効果音が似合うほど、ますます青ざめる。黒江は自身のゲッタートマホークを『初代ゲッターロボくらいは斬れる』と明言したからだ。戻ってきたダブルトマホークを構えて、決めポーズをとってみせる。
「さーて、お前ら。アイデアは良かったが、もっと不意をつけるようになれ。ほれ、フィンガーネット」
「ち、ちょっとーーー!?」
キュアパッション、キュアサンシャイン、キュアフォーチュンの三人をフィンガーネットで生け捕りにした黒江はジャイアントスイングの要領で、目を回すまで振り回す。そして。
「大・雪・山!!おろし!!」
大雪山おろしで〆る。捕縛されていた三人は目を回した状態でノックアウトされる。
「何よあれ!?と、投網じゃない!?それに何よ、大雪山おろしって!?」
フィンガーネットと大雪山おろしの連続攻撃の物凄さに激しく狼狽するミルキィローズ。そして、黒江は次なる攻撃の準備に入るのだった。
――後世、日本連邦の政策ミスはリベリオンは伝統的に民兵の文化を持つことを軽視していた事であった。その民兵『ミリシャ』は太平洋戦争のリベリオン合衆国の事実上の敗戦後も『リベリオンの文化と開拓精神を守る』という名目でのテロリズムを幾度も行い、長く日本連邦を悩ませた。最後のミリシャがリベリオン本土から掃討されたのは、二代目レイブンズの入隊後の時代、つまりは21世紀であった。ここからはその時代のある日のことになる――
――ウィッチ世界の2010年代頃――
「久しぶりにシャバに出てきたけど、ずいぶんと変わりましたね」
「新島が正式に扶桑に返還されたからな。ほれ、記念艦になった信濃が係留されてるだろ」
のぞみは2000年代に姉の小鷹を『見送る』と、錦の妹である疾風の子孫が中島家を継いでいる事を確認した後は、隠居していた黒江と久しぶりに会っていた。自身も退官後はコージとの平穏な生活を送り、この時点では孫娘もいる『おばあちゃん』であった。とはいえ、Gウィッチである都合上、二人はこの時代においても、往時と何ら変わらぬ若々しい容姿を保っている。
「本当に外見が変わらないままで、孫娘に会えるなんて思いませんでしたよ」
「昔に言っただろ?歳くわねぇって。あ、俺も本当ににばーちゃんだ。翼の奴がガキを身ごもったらしいからな」
「おめでたいじゃないですか」
「まーな。お前、コージんとこはどうだ?」
「のび太くんを『見送って』きました。ここでいう『去年』でした」
「今回は何歳で逝ったんだ、あいつ」
「93歳です。曾孫の顔を見れたのが来世への土産だと、最後に言ってましたよ」
「だよなぁ…。近いうちに墓参りせにゃな」
のぞみの口から、のぞみとことは、調の恩人であるのび太は自身の曾孫(セワシの父)である『のび三』の誕生を見届けた後、老年になったノビスケ(のび太死去時は65歳ほど)を始めとする家族に見守られながら、『野比のび太』としての93年の波乱の生涯を静かに閉じた事が語られる。
「お前、孫はいつ?」
「10年前です。娘は割に晩婚だったんで……」
「今回は『現役』のままで孫持ちか?」
「ええ。娘からは『年寄りの冷水』とか言われてますけどね。肉体は昔のままなんだし、年寄りの冷水じゃないですけどー」
「戸籍上の年齢考えろ、戸籍上の」
「それ言っちゃおしまいですよ。」
退役後は変身する機会もめっきり減ったが、現役でプリキュアを続けていると明言するのぞみ。転生後は往時の若い肉体を保っているので、本人としては『年寄りの冷水』ではないつもりである。服装も往時同様に若々しいものである。『孫持ち』にしては服装が若すぎると子供達に苦言を呈されているが、肉体は若いままであるのには変わりない。
「子供達に服装で怒られましたよ。歳を考えろって」
「俺も上の兄貴が生きてた頃に、それと同じこと言われたよ」
二人は元・英雄だが、この時代になると、現役時代からの時間の経過もあって、群衆には気づかれない。退役後に南洋島で余生を送る記念艦『信濃』を中心に整備された公園(信濃は退役後、太平洋戦争で縁深くなった南洋が引き取った)で思い出話に花を咲かせる。
「なんだ、のぞみと黒江さんじゃねーか。久しぶりだな」
「シャーリーじゃないか。久しぶりだな」
「シャーリー、どうしてここに?」
「クラリス(シャーリーの孫娘)に呼ばれたんだよ。天山峰に引っ込んでないで、偶にはシャバの空気を吸えってさ。あいつの手引で、リベリオン空軍の士官学校の分校で講演してきたよ」
シャーリーは往時の軍服姿であるが、略綬とメダルが多くついている事、階級は名誉昇進で現役時代の最終階級から上がっている事が分かる。
「お前、引退後は歌手で食ってんだろ?軍服なんて、久しぶりじゃないか?」
「5年ぶりくらいだよ。ここ最近は式典で着ることも減ってたからな」
シャーリーもプリキュア活動は続けているが、軍からの引退後は『戸籍上の年齢』もあり、歌手に転じ、世界のヒットチャートを賑わせている。孫がエースパイロットであるのもあり、時代が変わり、平和になった後も名が新聞に乗るGウィッチの一人だ。
「でも、レーサーに戻るかと思ったのに、歌手になるなんて、思ってもみなかったよ?」
「故郷のおふくろが反対したんだよ。子持ちになってるからってな。しかたねーから、音楽のほうに進んだのさ。そのおふくろも30年前に逝ったから、レーサーに戻っても良かったんだけど、子供のこともあってなぁ」
この時代になると、歌手として一定の地位を得た事、孫も30代にまで成長した事もあって、レーサーへの復帰を検討中らしいシャーリー。
「久しぶりに、この辺のレストランで食うか?」
「いや、ウチのガキからさ、グランドホテルのクーポンが送られてきてな。そこに泊まっていこうぜ。宿泊代は軍持ちにできるからな」
三人は大戦で自分たちが守った地が平和に栄えていることを噛み締めながら、思い出話に華を咲かせる。引退後はそれぞれ南洋最高峰である『天山峰』に隠居しつつも、別々の場所に隠居後の住まいを築いていたり、それぞれの都合もあり、会う機会は減っていた。それ故に、こうして会うことは久しぶりであった。
「のび太が亡くなったって?」
「九十三歳。大往生だよ。あとで香典出すよ。もっとも、ノビタダに生まれ変わるだけだって、本人は笑ってたけどね」
「それがややこしいんだよなぁ」
苦笑いのシャーリー。この時代には三人は『退役軍人』である上、現役引退から三十年が有に経過した頃であるため、かつての『英雄』である事に気づく者はほとんどいない。また、活躍した時代が昔であるので、引退後は『加齢している』はずだと考えているからだ。
「でもよ、この時代は平和だろ?未来世界でなんか、一悶着ありそうじゃね?」
「そうなったら、まほろばから迎えが来る手筈になってる」
「ああ、あの羽黒妖とかいう……」
「そろそろお呼ばれの予感がするから、トレーニングを再開しとけ、お前ら。」
「先輩の予感は当たりますからねぇ」
「現役復帰の時が来たってわけか?ひ孫も生まれそうなんだけどな、こちとら」
愚痴るシャーリーだが、三人はこの後、建て直された『新京グランドホテル』に宿泊。そこで太平洋戦争時の64Fメンバーに戦闘態勢準備を発令するのである。黒江は薄々とわかっていたのだ。超時空戦艦『まほろば』からの使者が直に迎えに来るであろうことを……。
「まほろばが呼びにくるのか?」
「そうだ。妖はそう言っていた。いずれまた会う時がやってくるとな。だが、今度は23世紀じゃねぇような気がする」
「まさか、ゲッターエンペラーのいる時代じゃ?」
「かもしれん。いざという時に備えて、マシンは30世紀の最新技術でアップデートさせてあるが、その場合に備えてだ。マシンの格納庫は俺が最高機密指定にしてあるから、俺らの身内しか詳細は知らん」
「30年以上も実戦してないからなぁ。腕、鈍ってなきゃいいんだけど」
「同じく」
と、そのことをホテルのロビーで心配する二人。だが、その機会は早速訪れた。そのホテルにかつてのリベリオン本国派の残党と思われる過激派テロリストが白昼堂々と、銃を乱射しながら現れたのである。三人はあまりに『ベタすぎる』テロリストに呆れ果てる。
「なんだありゃ。映画でも見なくなったぞ、あんなベタな連中。どこの若造だ?」
「お前ら、出番だぞ」
「やれやれ。怪我人出る前にのしてきますよ」
二人は『自分らをこの時代に若者の世代は知らないだろう』ということを承知でテロリストを鎮圧するべく、わざと姿を見せる。そして、これからの事を考え、現役引退から久方ぶりに変身を敢行する。(ただし、変身アイテムを介さない簡易的なものだが)
「そんな玩具をこんなところで振り回すんじゃねーぞ、ガキ共」
「悪いけど、あんたたちは許さないよ!」
「なんだガキ共!!死にてぇのか!」
「撃ってみな。その次の瞬間には、アンタの指をへし折ってやるけどね」
シャーリーは煽る。
「あんた達がホテルの人たちを傷つけようとしたら、あたしはあんたらをぶちのめすよ」
のぞみも往時同様の強い言葉をぶつける。
「英雄気取りのガキが!!粋がってるんじゃねぇ!!」
案の定、テロリストの一人が逆上し、手に持つカービン銃(放出品と思われるM1カービン)を構えようとした瞬間……。
『プリキュア・メタモルフォーゼ!!』
『レッツ・プレイ!!プリキュア・モジュレーション!!』
戦いの中で、いつしか可能になった『変身アイテムを介さない、自発的なプリキュアへの変身』。それは二人が戦士としての『生前の限界点』を完全に超えた証でもあった。ロビーにいた壮年以上の客や40代以上の従業員らが歓喜の声をあげる。彼らが子供の頃に憧れた存在であり、かつての戦争の勝利の立役者がそこにはいた。おおよそ、30年以上ぶりに往時と変わらぬ勇姿を見せることの意味。のぞみとシャーリーはかつて、仮面ライダーストロンガー/城茂、仮面ライダーBLACKRX/南光太郎らが自分たちに語っていたことの本当の意味をこの時に悟ったのだった。
「大いなる希望の力!!キュアドリーム!!」
「爪弾くは荒ぶる調べ!!キュアメロディ!!」
かつてと同様の決めポーズも決めてみせる二人。変身したのはこの時が久方ぶり。本当に30年を超えた月日を経た上での戦闘態勢だった。変身を終え、勇姿を衆目に見せた瞬間に湧き上がる大人からの歓声。親子連れの親たちは?マークの子供に一つのことを教える。
――自分たちの親が子供の頃に活躍していたヒロインであり、自分たちも憧れた存在であると――
「いくよ、メロディ!!」
「YES!」
――あたし……わかったよ、のび太君。あの時に本郷さんや光太郎さん達がいってた事の意味が。だから、さよならは言わないよ……。また会える。たとえ、あなたの姿と名前が……立場が変わっても……のび太くんはのび太くんだから――。
ドリームはテロリストを鎮圧せんと一歩踏み出す瞬間、恩人であるのび太へのひとまずの別れの言葉を独白する。のび太はノビタダへ転生することを青年時代から公言していた。『その時』が来ても、のび太は前向きであった。『永遠の別れじゃない』と。のぞみはノビタダとしてののび太との再会を信じ、自らの戦いの第二章へと踏み出す。
――かつての彼女はのび太や仲間達の助けで、前世と違う『果てしなく広がる未来』を切り開き、思いの翼を再び羽ばたかせた。そして、今。彼女はこう思うのだ。亡き恩人への再会に『約束などいらない』と――
――ドリームとメロディは軍退役から30年以上を経たこの時代に、その勇姿を現した。往時と変わらぬ姿で。それはのぞみが転生前に願っていた『プリキュアは永遠不滅』という言葉が叶った証であると同時に、仮面ライダー達がかつて言っていた『時代が望む限り、伝説は蘇る宿命にある』ことの意味を二人はこの時にようやく知ったのである――