ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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第二百六十三話の続きになります。


第四百十七話「幕間その6 1949年の宮藤芳佳(B)」

――扶桑皇国は急激な変革が良しとされた軍事分野と、緩やかな変化が良しとされた民需に大別される変化を味わった。民需分野は大日本帝国より遥かに工業規格の概念が定着していた事、ブリタニアの電子技術が供与されていたため、史実での連合軍の1944年時点の最新レーダーと同等以上の技術は有していたため、軍事分野での変革は早期に可能であった。そのメリットをフル活用した結果がF-4以降の機体の早期製造である。ただし、大量生産のノウハウが蓄積されていなかったため、その補強が必要であった。その弱点を補ったのが、扶桑の衛星軌道と地下に用意された自動工場で、ゼントラーディ(大元のプロトカルチャーか)の技術が用いられている。これは『設計を用意すれば、機械が勝手に製造・改良をしてくれる』という優れもの。扶桑はそれを提供され、地下にその主力を起き、バックアップに衛星軌道のものとした。当初は工廠の補助目的であったが、日本側が工廠の閉鎖と(民需分野の活性化を狙って)民間委託を強めようとしたため、いくつかの新工廠が建設中止に追い込まれ、既存工廠の施設刷新も遅延したため、地下工場が主力化したのである――

 

 

 

 

 

 

――太平洋戦争は扶桑の目論んだ『短期決戦』では終わらず、1950年以降も戦争が続く見込みがとうとう確定した。扶桑と日本の戦争終結のビジョンのズレ、防衛戦しか頭にない日本、攻勢の連続で戦争が終わると思っていた扶桑のズレが戦争の長期化の一因であった。国家規模の変革の最中に大戦が起こったため、全ての分野で不足を来す有様となった。その事が未来技術導入への原動力となり、ついにはMSなどの兵器が出回るに至った。それも第二世代MS以降の機体が、である。地球連邦軍の体の良い兵器処分場と揶揄されていたが、兵器の物量で絶対にリベリオンに及ばない扶桑にとっては福音の申し出であり、直ちに承認された。従来の兵器システムの考えがM粒子の普遍化で崩れたことも大きい。特に長距離無線通信技術が再構築を余儀なくされ、後方からの戦闘指揮が困難に陥った事は衝撃であり、現場で指揮できる人材がこれまで以上に重宝された。育成システムが変革に全く追いつけないため、扶桑以外の国では、既存の指揮官級の士官の温存が図られたが、扶桑ではその逆に、前線への出征が却って増加した。これは戦況が激しくなるに従い、日本側も『高級将校の出征』を促し、元々、扶桑にある『指揮官先頭』の風潮も複合的に作用した。指揮官=戦闘能力も高いの方式がここで完全に出来上がったと言っていい――

 

 

 

 

 

 

 

――64Fは位置づけも特殊な部隊であるが、その分、孤軍奮闘せざるを得ない場合が多かった。別世界の501のメンバーから見ても、他部隊の支援が殆どない状況は奇異であった。殆どが自給自足なのだ――

 

「なんで、外に公用で出ないんですか?」

 

「数年前(1946年頃)にそれで食料品を集めたら、『徴発している』って、とあるところの政治屋に問題にされちまったんだ。それで『私用』って偽って、私財で買う方法になった。それだけじゃ賄えないから、基地で牧場と農場まで用意する羽目になったんだ」

 

菅野が芳佳Bに説明する。扶桑軍部は食料品工廠も自前で用意せざるを得なくなったため、食料品の鹵獲も推奨されるに至った。そのため、日本のレーションも相当数が輸入され、使用されている。ただし、その補給すら難しい部隊では農場と牧場を作ったりしているのだ。64Fも『畑のレストラン』をドラえもんからもらい受け、食料品の少なからずを自家栽培している。そうでなければ、本国からの補給が弱まっている現状で、兵員の士気の維持は不可能である。

 

「ウチは幸運なほうだ。こうやって、異世界の超技術で食料品を賄えてるんだからな」

 

「でも、どうして、大根の中に調理済みの状態の食事が?」

 

「それはわからねぇ。だが、21世紀以降の豊かな食事に慣れてる連中が大半なウチは大いに助かってるぜ」

 

ウィッチ世界では、中華料理が現代にあるような形まで発達せず、代わりに洋食の日本化が史実よりも早く進展した。芳佳は洋食よりも和食を出したがる(馴染みが薄かったためと医者の家系であるので、栄養価を気にするため)傾向があったが、A世界では嗜好も変化しているため、早期に洋食に慣れている。B世界では史実と同様であったが、洋食に慣れてきた時間軸からの転移なので、A世界の自分よりも厨房に立っていた。(この日は当番ではないが)A世界の扶桑軍の食事は和洋中のいずれの種類も存在するが、B世界では、我々の知る形での中華料理は存在しないため、実は中華料理の調理に苦戦中である。

 

 

「この世界の私は赤ん坊を育ててるんですよね…。なんだか妙な感覚です」

 

「そりゃ、1949年にもなると、お前も20だしな。世間的にも不思議でないぜ。もう一人くらい作るそうだから、当分は休むそうだ」

 

「えーーーーー!?」

 

「この世界だと、産休制度も整備されたからな。一昔前の常識は通じないぜ」

 

A世界では、変革を経て、ウィッチの職業軍人化も進んだため、必然的に産休制度も整備された。『ウィッチは幼年期~思春期。つまりはモラトリアム期特有の能力』という認識は過去のものになり始め、この時期には『外見上は10代だが、戸籍上は成人済みである』ウィッチも増加している。成人+出産を経ても、魔力を維持する事例は昔からあるが、シールドを保てる事例も増えたため、この世界のウィッチそのものがゲッター線で進化し始めていると言っていい。

 

「あ、ナオさん」

 

「オッス。今日のメニューは?」

 

「洋食ですよ」

 

「こいつもいるから、オーソドックスなカレーライスにしてくれ」

 

「分かりました」

 

キュアホイップは基本的に厨房で料理を担当している。変身した姿なのは、そのほうが疲れないからである。前線に赴く時も多いが、この日は基地で仕事であった。二人に食事を作る。元から料理人であるため、手際はプロだ。

 

「この世界だと、ウィッチはある戦いで、肩身が狭くなったんですよね?」

 

「仕方ねぇさ。欧州が独裁を目論んでる連中の手に落ちるか否かの瀬戸際に、傍観を決め込んだんじゃな。俺達を含めて、極少数のウィッチしか真面目に戦わなかったし、飛行機乗りの連中は体当たりも辞さなかった。その差が理由だ。危険をかえりみず、死ぬと分かっていても、行動しなくてはならない時がある。負けると分かっていても、戦わなくてはならない時があるって、どこかの偉い海賊(ハーロックのこと)が言ってたが、それを恐れた連中は見放されて当然さ」

 

「行動するべき時に行動しないと、駄目なんですか、菅野さん?」

 

「そうだ。昔の赤穂浪士の討ち入りだって、参加しなかった連中は最終的に隠者にならざるを得なかったろ?そういう事さ」

 

カレーライスを自分と芳佳Bの持つトレーに乗せてもらい、会話をしつつ、開いているテーブル席に行き、そこで食事をする二人。ダイ・アナザー・デイで戦った者は英雄扱いされ、出世コースに乗ったが、サボタージュし続けた者は後々のクーデターの事後処理の一環で左遷され、僻地で飼い殺しに遭っている。そのことで前線指揮タイプの士官が増え、官僚型の軍人が減少する傾向が定着しつつある。平時は官僚型軍人の天下だが、戦時は『英雄が求められる』。故に、64Fのような『エース部隊』が前線にいる事が許容されているのだ。

 

「俺たちみてぇな人種の軍人は平和になれば、どっかの基地で曲芸するか、教師の真似事してるか、新型のテストをさせられるが、戦争の時は前線に突っ込ませられる運命だ。お前は元の世界に戻れば、いずれ軍医になるだろうが、俺たちみたいな人種がいる事は頭に入れておけ」

 

「は、はい」

 

「お前達側のミーナ中佐を驚かせてばかりだが、4年前の時はもっと大変だったぜ」

 

「そうなんですか?」

 

「カールスラントからの補給が殆ど打ち切られてな。薄殻榴弾が来なくなった。扶桑に備蓄を吐き出させたが、せいぜい40万発。俺たちでその半分以上は使った。そうでないと、敵の飛行機は落ちねぇし」

 

菅野も苦労したダイ・アナザー・デイ。カールスラント方面の補給が打ち切られたのは、ダイ・アナザー・デイの作戦開始日の予告がなされたその日で、圭子がブチギレして、「あたしらに丸腰でグラマンやシコルスキー相手にドンパチさせる気か!」と連合軍の担当者を怒鳴りまくっていたのを覚えている。兵站担当者が泣きまくっていたので、急なカールスラントの決定だったのだろう。圭子はロンメルやガランドに直談判して、カールスラントの薄殻榴弾の在庫という在庫をかき集めてもらったが、せいぜい80万発。扶桑の備蓄分と併せても120万発であった。帰還した黒江がレビル将軍や藤堂軍令部総長に連絡を入れ、のび太のコネもフル活用したことで、補給の問題は比較的早期に解決した。地球連邦軍の支援が得られたからだ。また、組織の暗躍が明るみに出たため、ヒーローユニオンの結成のきっかけにもなるなど、黒江があれこれと築いておいたコネが補給問題の解決の糸口となった。

 

「圭子さんと黒江さん様々だぜ。異世界の軍隊の高官達に頭下げて、協力を要請したんだから。当時はあの人たちも一介の佐官だから、会ってくれるかわかんねぇ立場なのに、だ」

 

「あれ、穴拭さんは何かしたんですか?」

 

「あの人はそういうタマじゃないよ」

 

菅野の言うとおり、智子は二人のようなコネで人を動かせるほどの政治的手腕はないので、自分の復帰を大々的に報じさせることで、国内の協力者を増やす努力をしていた。国内で英雄扱い(後輩からは『作られた英雄』扱いされていたが)が続いていた事を活用したのだ。折しも、黒江はその時期に自衛隊で『統括準備室長』の職につき、自衛隊の有志を募る事が公的に可能な立場になった事から、自衛隊にも参加を『Gフォース』としてさせ、米英軍にもその支援名目で兵力を出してもらうなど、ダイ・アナザー・デイの戦線構築に尽力した。

 

「智子さんはエアショーをして、機運を盛り上げてくれた。あの人を慕う有志を元部下の迫水ハルカ中尉に集めさせて、欧州に非正規ルートで送り込ませたから。あの人、公のイメージは寡黙だけど、実際は普段は弱気な性格だから、面食らったぜ、俺」

 

智子は公には寡黙な扶桑美人だが、実際は普段が弱気、戦場にいる時だけは強気を装う人物であるため、菅野は幻滅したという。その実像を知った菅野は圭子の方に懐いた一方、智子のお守り役をやらされるため、苦労人になりつつあった。

 

「そりゃ、智子先輩はヘタレ大口だもの。同期の間じゃ有名だったそうよ」

 

「セラさんか」

 

「向こうの芳佳のお守り?」

 

「ま、この世界じゃ俺が長機だしよ」

 

『セラ』が隣に座る。B世界に同位存在がいない人間の一人であり、A世界が生んだ『空のセイレーン』が一人である。オリエンタルな美貌でありつつ、中東/紅海戦線帰りという戦歴で周囲から一目を置かれるウィッチ。実は黒田と同世代なので、大人びた姿の割に実年齢は若い。

 

「あなたはあの時の…」

 

「広瀬世羅・バルナック。階級は大尉(本当は大佐だが、日本向けの書類では大尉を詐称している)。黒田の同期で、圭子先輩の小隊の一人よ」

 

「混血の方ですか?」

 

「母方がね。父は純血の扶桑軍人よ。普段はセラで通してるわ」

 

セラの名前表記は軍の高官だった父の意向もあり、バルナックの名の位置が安定しないが、正式には、バルナックがミドルネームらしい。黒田の同期であるため、事変中の初代64Fに属していないが、小学校時代に圭子が先輩だった縁で、当初から招聘の候補に挙がっていた。だが、紅海戦線のトップエースであること、彼女の実父(陸軍少将)が源田実を嫌っていた事から、見送られてきていた。その父親が戦死し、一部参謀の思惑で『監視役』に選ばれたのをいいことに、64Fに赴任。その策略で送り込まれた者では、宮部大佐と共に、その後も幹部層に食い込めた唯一の存在だ。なお、階級は日本向けには『大尉』と説明されているが、実際には大佐である。これは黒江達の指揮下にある佐官級の人数が多くなりすぎて、批判が出る事を慮った源田実の指示による偽装である。(実際に、黒江達の配下のプリキュアたちが佐官級の階級となったためで、その兼ね合いである)

 

「圭子先輩とは小学校以来の縁でね。それで呼ばれたのよ。親父が死んで、紅海にいる理由もなくなったし、ちょうど良かったわ」

 

「あなたは何で飛んでるんですか?」

 

「ストライカーは新型のプロトタイプ。量産試作型のテストもしてるけど、この間の装備はワンオフの特注品だから、おいそれと使えないのよ」

 

「どうだ、マルヨンは」

 

「実機より小回りは効くけれど、扱いにコツが居るわね。先輩たちに運用レポート出したわ」

 

「ご苦労さん。俺向きじゃねぇだろ?」

 

「アンタなら、ものの20分で壊すわよ」

 

「マルヨン?」

 

「リベリオンが作った超音速迎撃ストライカーの愛称。F-104っていうんだけど、細くて小さい翼があるだけの機体でね。貴方の手には負えないわね」

 

セラはストライカーを選ばない名手として知られるが、F-104の試験はそれなりに苦労しているようで、菅野や芳佳のようなドッグファイター向けではないと評する。とはいえ、菅野は一撃離脱もこなせるように成長したため、後に下馬評を覆し、乗りこなす事になる。

 

「この間のは特殊なんですか?」

 

「超機密に属するものだから。未来の兵器の技術とデータを用いてるから、ウチ以外には回せないのよ」

 

それは本当だ。第三世代理論はMSやISのレイアウトを参考にして開発された『パワードスーツ』式なので、エース用の調整がされた個体は高機動型MSのそれを模倣したウイングバインダーやスタビライザーなどを備える。Zガンダム系統のロングテール・バーニアスタビライザーとフライングアーマーを備えた最高級仕様はエースにしか回されない『垂涎の逸品』扱いである。

 

「そんなすごいものだったんですか?」

 

「ビーム兵器扱えるもの。その気になれば。貴方ほどの魔力なら、元の世界での震電のエンジンを四発も積めば、一発は撃てるかもね」

 

実際に、芳佳の魔力ならば、魔力を破壊光線に変換する火器のドライブが可能であるという推論がダイ・アナザー・デイの開始時になされており、吾郎技師も携行を検討したという。ところが、当時のレシプロストライカーでは『ハ50を魔導エンジン化したものを四発積んでやっと試射に足るパワーだろう』というほどに変換効率が低く、ジェットへの世代交代後も見送られてきたものだ。第三世代理論はそれを長い年月の研究とMSの火器技術の模倣で成し得ている。しかし、21世紀の中東の事変当時で最高級の装備であり、64Fの立場を以てしても、幹部級専用の装備扱いになっている。

 

「ジェットでも無理なんですか?」

 

「エネルギー回路が保たないのよ。機体への負担が大きすぎて。国産のネ30(ネ20の発展型)を双発にした試験機を更に改造してやっとだから」

 

「ロボットの武器を真似しても、なんですか?」

 

「理論を真似できても、使える金属がエネルギーに追いつく必要があるのよ。それで、難航してるのよ。怪異とは別理論のビームだから」

 

試験火器の写真を見せるセラ。それは地球連邦軍の使っていた『RX-77』のビームライフルの模倣品である。しかし、機構は真似できても、魔力の変換の効率に問題があり、一般的な魔力のウィッチではまともに機能しない。芳佳の膨大な魔力なら使用可能では?と目されているのは、芳佳の魔力量は単純に見て、時空管理局最高の魔導師と名高い、なのはたちにも匹敵する数値であるからだ。

 

「そうだ。貴方、試しにやってくれるかしら」

 

「えぇ!?」

 

芳佳Bはセラの思いつきで、その日のうちに彼女に射撃試験場へ連れて行かれ、試験機を履いた状態で試験火器を使ってみる事にした。芳佳の魔力は期待通り、試験ライフルのエネルギーCAPを満杯に満たした。

 

「それじゃ、行きますよ~」

 

芳佳Bはライフルを試しに撃ってみる。実体弾は発砲などが『違う感覚』だが、『みっちゃん』(従姉妹)が妄想するようなSFじみた光線兵器よりはずっと持ちやすいデザインである。

 

「どうだー?」

 

「うーん。思ったより取り回しはしやすいけど、狙いをつけやすくして欲しいかなぁ。スコープをいちいちのぞけないし」

 

ガンキャノンモデルのビームライフルは元々、狙撃用途に改造されていたため、ガンダムのものに比べると、取り回しで劣るらしい。次に試験するのは、バスターランチャー。使う機体はF-4EJ改ストライカー。この機体以上の機体でないと、回路がオーバーロードを起こすのだ。

 

「なんですか、これ」

 

「どんな怪異もイチコロの長物よ。貴方なら楽に撃てるでしょう?」

 

「なんか、リーネちゃんのライフルみたいですね」

 

「あんなのはチャチなおもちゃに思えるわよ」

 

セラに促され、同ストライカーを動かす。すると。

 

「わ、わっ!!なんですか、このパワーは!!」

 

「気をつけて。その機体はさっきのがおもちゃに思える馬力があるわ。試験用にクリーンな状態にしてあるから、軽くなってるのもあるけど」

 

第二世代最強の馬力の魔導ターボジェットを双発で積んだ同ストライカーがまっさらな状態であるため、震電がおもちゃに思える馬力を見せつけたF-4。そして、標的になっている多砲塔戦車(オラーシャ製)に向けて、バスターランチャーを撃ってみる。

 

「えーっと。エネルギー回路、接続良し。魔導伝達回路も問題なし。アシスト機能最大。いっけーーー!!」

 

アシスト機能は第二世代以降に付与される機能で、火器の反動制御などで活用され、次第にウィッチそのものの身体機能補助に転用されたものだ。それを最大にしてバスターランチャーを撃つ。反動もかなりあり、魔力も多くすり減るような感覚を覚え、表情に苦悶が生ずる芳佳B。だが、バスターランチャーの光芒は予定数値よりも良好な数値をマークし、多砲塔戦車を消滅せしめた。

 

「す、すみません。今ので燃料もエネルギーに使っちゃったみたいで…」

 

「あ、やっぱりそうなるか。」

 

糸の切れた人形のように落ちる芳佳B、それを救出するセラ。こうして、バスターランチャーは機体の燃料も消費してしまう問題が新たに発覚し、吾郎技師はエネルギーの補助に使えるカートリッジの開発に邁進する事になる。芳佳を以てしても、この結果であったものの、威力は担保される事は軍を喜ばせ、実体弾兵器に耐性がある怪異への懸念から、ビームライフルなどのビーム兵器の開発はその後も続くのである。

 

 

 

 

 

――なお、ウィッチ用のビーム兵器の実用化とその普及はストライカー自体の革新よりも遥かに早く、1950年代には、地球連邦軍のデラーズ紛争当時のものに相当する性能の歩兵用ビームライフルが、司令部直属の一部部隊に早くも出回る事になる。このウィッチ用ビーム兵器は『太平洋戦線の今後を左右しうる要素』と目され、1949年度からの数年で集中的に運用試験と実験が行われる。その外観は大半が地球連邦軍の使用してきた歴代のビームライフルを模したものであるため、『地球連邦軍の技術供与で開発された』と素人目にも判別可能である。ウィッチ専用装備であるが故に、早期配備と運用が叶うわけだ。ただし、貴重な装備であること、ビーム兵器の運用自体が手探りな状態である事から、使用部隊はかなり限られてしまう。そこは一年戦争とデラーズ紛争における、地球連邦軍のビーム兵器普及率と同じであった――

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