ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きですが、留守番組が主役です。


第二百十二話「その頃のウィッチ世界」

――1949年当時、連合軍は全体的に縮小傾向にあった。戦時が余りに長引いたためと、同位国の介入によるもので、多くの国が戦時から平時へ移行し、戦時体制を解除していった。職にあぶれた軍人達は多くが日本連邦に行き、義勇兵として参加。体制の変革期で、ウィッチの頭数がまったく揃えられなくなった扶桑の救世主となった。通常戦力も連合軍の中核を担っていた帝政カールスラントの撤兵と軍縮、キングス・ユニオンの軍縮傾向の始まりで一気に縮小。数的主力が日本連邦の部隊になる有様で、連合軍体制の形骸化が危惧された。そのため、財政的にまだ余裕のあるキングス・ユニオンが『東洋艦隊』を増強し、アジア大陸方面に新鋭機甲兵器を配備するという形で体裁を整えていた。また、『体の良い兵器の実験場』とウィッチ世界を見做したアメリカ合衆国も『自由リベリオンへの援助と軍事顧問団』名目で部隊を展開している。連合軍は実質的に日米英の三カ国が運営の主導権を握ったわけだ。独仏は同位国との足並みも揃わず、強引な軍縮で内乱が起こるわ、もしくは片方が衰弱しすぎて、まともな軍事行動(ペリーヌがそのカリスマ性でガリア国土の復興至上主義を掲げ、民衆の支持を得ていたため、ガリア軍は近代化すらままならなかった。いくつかの旧式艦を資材にするほどの金属資源的な意味での窮状であったために、太平洋戦争に参戦していないのに関わらず、軍事力はかなり衰退し、残存している戦間期型兵器が未だに第一線を張っていた)が取れない有様であった。また、急速に21世紀以降の反戦の価値観が流入したため、日本連邦軍、とりわけ扶桑軍は、わずか数年でなり手不足に陥った。その結果、既存の優秀な人材の優遇策が押し進められたわけである。プリキュア達は実働部隊の戦力以外に、広告塔の役目も期待されたわけである。とはいえ、戦闘向きの世代とそうでない世代とに分けられるのも事実なので、多忙だったのは、第二期以前の古参世代が中心だった――

 

 

――ある日のウィッチ世界――

 

「みらい?……ええ。……ええ。伝えておくわ」

 

かれん(こちらは本体)は朝日奈みらいから、映画の件で報告を受けていた。『本物』のプリキュアの監修という事で、のぞみの出番は決定稿(予定)より増やされた(デザリアム戦役の情報をみらいとめぐみが伝え、それに触発された制作側が公開日を『疫病の再流行』を理由に延長した)事、流石に全員の変身シーンは入れられず、『主役』ののぞみのみの追加になった事が伝えられた。流石に『本物』が新規に会得した闘技は色々な兼ね合い(所謂、大人の都合)で殆どは映像化はできないが、『ドリームアタック』の復活と『シューティングスター』の発展型という形で新規に『スターライト・ミーティア』が採用された(演出はほぼ、シャインスパークだが)。

 

「私達は無理だったようね?」

 

「すみません~。シナリオの書き換えの交渉はしたんですが、皆さんの出番を増やすには、シナリオの大幅な書き換えが必要とかで、数ヶ月じゃ追っつかないそうで…。トロピカ~ジュの短編も入るそうですから」

 

「仕方ないわ。2021年は私達がバトンをラブ達に渡してからも、12年も経ってるもの。観客には間違いなく、私達をヒーリングっどの物語の異物、おじゃま虫、不純物と考えて、邪な目で見る人もいるでしょうから。それに。現行のヒーリングっどの出番はどうしても削れないでしょうし。あなた達のおかげで、のぞみの出番が予定より多くなったのが救いよ。プリキュアオールスターズや、プリキュア・スターズって触れ込みで制作されたわけじゃないにしては上等。むしろ、大健闘よ?それと、スターライト・ミーティアは採用されたそうね?」

 

「ドリームアタックと、それをどうにか映像化するそうです。ミーティアはシャインスパークと演出を混ぜるらしいですけど、制作側がどうにか、ねじ込んだようです」

 

かれんは冷静であった。元から大人びていたため、映画の制作事情もうららのツテで既に知っていた。シナリオの変更は小幅なもので留まったが、デザリアム戦役で見せたキュアドリームの新技の内の一つは『大人の都合』で、映像表現的には、シャインスパークと混ぜる形でだが、採用された事を伝えられ、冷静にコメントする。

 

「大人の都合って奴ね。ゲッターロボの技であるシャインスパークをそのまま出すわけにもいかないし、デザリアム戦役の時のように、咲と舞の技を撃たせるわけにもいかないから」

 

「そういう都合って、あるんですね……」

 

「それが大人の世界よ。仮面ライダー達も、特撮作品としては、色々な大人の都合に振り回されているもの。私達もアニメ作品としては、そういう都合とは無縁でいられないわ」

 

ヒーロー達もそういった都合(扮した俳優の不祥事などで)で自分たちへの世間のイメージが悪化してしまうという世知辛い事情があるので、のぞみも、めぐみも、ラブも公の場での『自身の前世』への言及は避けている。また、必殺技もアニメで映像化すると、どうしても、『他作品の技は許可がないと映像化できない』のである。(のぞみは前世で現役時代の自身と相反する結末を迎えてしまっているため)

 

「大人の都合、かぁ」

 

「今の私達にとっては、『神々の都合』と言うべきかもしれないわね。生き返ったり、記憶が宿る事は普通はあり得ないもの」

 

「言えてますね」

 

かれんは自身の志望した『医師』に『軍医』という形でなった。みゆき(芳佳)のような『反則級の治癒魔法』はないが、芳佳が半分は治癒魔法の力で医療学校に入ったのに対し、かれんは平行世界の記憶を手に入れたことで得た本式の医療知識で医療学校に入っている。芳佳(みゆき)が本格的な医療知識をガーデルマンの詰め込みでなんとかしたのとは対照的である。

 

「それと、かれんさん。みゆきちゃん、どうやって医療学校に?」

 

「本人は半分は治癒魔法の力と、軍需産業で名を馳せた父親と坂本少佐のコネだったって言ってるわ。治癒魔法が強すぎるから、本格的な医療知識はさほど必要なかったらしいから。それでガーデルマン中尉に泣きついて、入学試験の前に一夜づけしたとか」

 

芳佳は治療所の娘だが、一族で最強の治癒魔法があるために、実のところは入学する直前までは通常の医療知識はさほどなかったと言っていい。それを流石に不味いと思った黒江、智子、坂本の三者はルーデルのツテを頼り、『医師』でもあるガーデルマンを呼んでもらい、一夜づけに近いが、詰め込み教育を施してもらったのである。その後は人体構造を理解する事で精度や使用魔力の削減に繋げて効率化され、外国のウィッチからは『ドクトル・ミヤフジ』と呼ばれるまでに両立に成功している。(ガーデルマンは遅咲きのウィッチであったため、元々は普通の軍医ウィッチとして従軍していたが、覚醒後はルーデルの三代目パートナーとなり、現在まで腐れ縁になった。)

 

 

「よく受かりましたね……」

 

「みゆきは前世で司書だったと聞いたから、それを引き継いだのなら、力はあるわ。それをガーデルマン中尉が引き出してくれたのよ。私の時は平行世界の自分の知識を得たことで入れたようなものだから。私も、この間まではただのジュニアハイの学生だったのよ?」

 

「私は大学に入って間もなかったんですから、お互い様ですって」

 

かれんとこまちは現役時代の世界から呼ばれたが、みらい達は現役時代から数年経ち、それぞれの道に進んで、再会した矢先に襲撃されたため、みらいは体感としては大学生になり、リコは魔法学校の教諭になったばかり、ことはは神としての役目を引き継いで、世界を安定させ始めたばかりだった。マジンガーZEROはその三人を以てしても強大すぎた。キュアフェリーチェの因果を書き換え、神としての力を剥奪するという力は三人の心をへし折るのに充分であった。更に、漁夫の利で襲いかかった仮面ライダー四号には為す術もなかったわけで、その時のフェリーチェの絶望に染まった表情は忘れられない。その気持ちに整理をつけるために、のぞみと殴り合ったと明言した。

 

 

「でも、のぞみがZEROと和解する道を選ぶなんて、私達も思いもしなかったわ。あなたとリコを一度は冥府に送った張本人だもの」

 

「整理をつけるために、殴り合ったんですよ。そうでないと、納得出来ませんでしたし、グレースも現役時代に、自分に宿ってた敵を拒絶してますからね。まぁ、グレースの場合は自分の病気の根源だったからなんですけど、叩かれてますよ」

 

みらいとのぞみは最強形態で殴り合った。掟破りの攻撃ありで。その時に通りがかりのジオン残党のグワンバン級をへし折ったわけだが、ジオン残党もこれには涙目であったのは言うまでもない。しかも、月面で戦ったため、沖一也に『君たちは月面のクレーターを増やす気か!』と叱られている。お互いに最強形態で戦った上、技の出し惜しみ無しだったため、月面都市が開拓できる規模のクレーターを増やしてしまった。沖一也も止めるのに、スーパー1への変身が必要だったので、この二人の果し合いは『プリキュアの乱』という名で語り継がれたという。

 

「あなただって、アレキサンドライトスタイルで殴り合ったじゃない。しかも、ジオンの戦艦をへし折るなんて。一也さんに怒られたじゃないの」

 

「や、やりすぎだったかな……」

 

「都市部の近くなら、もれなくライフラインが寸断されてるもの。当然よ。しかも、ジオンの大型戦艦をへし折るなんて。これがグラナダやフォン・ブラウンの近くなら、大惨事よ。それに、グワンバンは400m級で、マゼランより大きいのよ?そんなのがパイプラインのあるところに墜落したら、大惨事になるのよ」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「一也さんに言われたでしょ、場所を選べと。23世紀の月面は裏側にも月面都市があるし、全体が都市化されつつあるのだから」

 

23世紀の月はガトランティスの攻撃で大穴が開いたものの、再建も進み、フォン・ブラウンは連邦の首都になるなど、地球経済圏の中心になりつつある。そのため、二人の喧嘩は些か軽率な行為だった。だが、月面にはベガ星連合軍が存在するので、全域が連邦の支配にあるわけではない。つまり、地球の目と鼻の先に敵の基地があるわけだが、ベガ星連合軍も本星が死の星と化した上、大爆発で消えたため、地球を制圧しないと、居住地がないという哀れな状態である。種族としては完全に虫の息とは言え、主力と親衛隊は未だ健在なために、グレンダイザーは地球に留まっているのだ。

 

「でも、ベガ星連合軍っていう宇宙人はまだいるんでしょう?」

 

「ええ。月の北極に基地を儲け、そこに全戦力を集めているわ。マジンガーZの以前の装甲である超合金Zくらいは容易に破壊できる強力な兵器を持ってるから、迂闊に手を出せなくてね」

 

「月の極点にどうして基地を…?」

 

「監視が楽だろうと、安易に考えたらしいわ。そこが全軍の避難先になってしまったらしいから、月の極点には連邦もジオンも近づけなかったのよ。ベガ星の兵器を破壊するには、最低でもグレートマジンガーくらいの力がいるから」

 

ベガ星連合軍が軍事的に抑止力を維持できている理由は『並のグレードのジャパニウム合金を容易に貫く破壊力を備えている』からである。ジャパニウムは地球で最も堅牢な鉱石だが、宇宙合金グレンほどではない。(光量子技術で精錬された宇宙合金グレンは光波獣ピクドロンの『光の矢』を無効化できるが、超合金ニューZにはできない事から)

 

「でも、デザリアム戦役の前や途中で襲ってきたギルギルガンやピクドロンを送ってきた敵は違うんですよね?」

 

「大介さんの話だと、ベガ星のライバルのダドダム星が偵察に送り込んだ兵器らしいわ。ギルギルガンの残骸を調べたところ、ベガ星やフリード星にもない組成の鉱石が合金に使われてたから」

 

「どういう星なんですか?」

 

「フリード星と長年の敵対関係にあり、技術でベガ星を凌ぐとされた軍事大国らしいわ。フリード星がグレンダイザーを作ったのは、ギルギルガンやピクドロンの集団の襲来を恐れたのが本音らしいわ」

 

デューク・フリードがマジンガーZとグレートマジンガーをさほど強力なマシンと見なしていなかった理由はそこにあった。超合金ニューZまでの地球産超合金はピクドロンの光の矢に無力であるからだ。超合金ゴッドZとニューZαは宇宙合金グレンと同様に『光の矢への耐性』がある。弓教授がある時期から新合金の開発に躍起になっていた理由はそこにある。

 

「なんか凄い話ですね…」

 

「私達はそんな相手との戦いが待ってるってことよ、みらい。それにガイアが敵対していた『別のガミラス』が次元を超えて現れつつあるわ。ガイアはまだ軍備再建の途中だから、アースが対処してるのよ?」

 

「別のガミラス?」

 

「ガイアが転移していた宇宙におけるガミラスで、ガイアの主敵の一つ。向こうも戸惑ってるみたいで、大規模には攻めてきてないけれど」

 

「ガルマン・ガミラスとは?」

 

「別の存在よ。下手したら、ガミラス同士で喧嘩しかねないわ。地球はまだまだ危険でいっぱいってことよ」

 

「うへぇ…」

 

かれんはそこを危惧していた。同じ地球人であるはずのガイアとアースでさえ、ガイア側の軍人にアースを攻め落とせという強硬論が生じたが、機動兵器技術に圧倒的な差があったり、タキオン波動砲が普通にフリゲート艦にも搭載されるに至っているということで、共存派が勝った経緯を持つのを知っているからだ。また、アースの兵器とデザインがほぼ同一の存在が多いのも特徴だが、コスモタイガーについては、アースとのライセンス契約で得ている。

 

「ゆりさんとえりかは今、フォン・ブラウンに連れてきたわ」

 

「え、なんでですか?」

 

「ガイアが戒厳令を引いて、渡航制限を始めたところをこっちのヤマトで連れてきたからよ。ゆりさん、そこの新見大尉に転生してたから、ややこしい事になってしまったのよ。おまけに、えりかはガイアの一般市民だし」

 

 

月影ゆり(キュアムーンライト)はそのガイアにおける『新見薫』に転生し、来海えりかは同一の姿だが、一般の学生として普通に暮らしていた。ガイアが徴用しようとしたのをアースの宇宙戦艦ヤマトが阻止し、大暴れ。デザリアム本星を銀河ごと撃滅しての凱旋の際に引き受けた任務であり、ガイアの芹沢虎徹はその無能ぶりをアースの古代に糾弾され、遂にはアースの宇宙戦艦ヤマトの伝説に華を添えたという屈辱を味わった。

 

「えりかちゃんはなんて?」

 

「あの決戦の記憶があるみたいで、のぞみを怖がってね。ゆりさん、相当に苦笑いしてたわ」

 

「ゆりさんの階級はどうなります?」

 

「ガイアに軍籍あるから、一階級上げるそうよ。一応、現役の最年長級だし」

 

「と、なると、少佐かぁ」

 

「それで、電話で咲とのぞみが少佐だって伝えたのだけど、案の定、正気?って返されたわ」

 

「でしょうねぇ。あの二人、成績悪い方でしたし」

 

月影ゆりは秀才+最年長という属性がある。そのため、戦闘面では頼れるが、頭脳労働に向いていない二人が佐官だと聞くと、かれんに辛辣な反応を返したのは言うまでもない。新見薫として一応は職業軍人であった身からすれば当然ではある。のぞみと咲は現役時代に学業面が悪い方なのは知っている身からすれば、心配の種なのだろう。

 

「えりかちゃんのほうは?」

 

「それが、つぼみが産休だって教えたら、中々信じてくれなくてね。病院で赤ん坊抱いてる写真送ったわ」

 

「そりゃそうですって。それと、のぞみちゃんの事の誤解は?」

 

「それが、いくつかの平行世界で、えりかとなぎささんが言ってたみたいで、かなり広まってしまってるみたいよ…」

 

「うわぁ…。本当ですか?」」

 

「たぶん、直近の代のプリキュアのスタートゥインクルやHUGっと、ヒーリングっど、トロピカ~ジュの四つには確実に尾ひれがついて……。はるかがそうな以上、きららにも……。」

 

「のぞみちゃん、間違いなしに泡吹きますね…」

 

かれんも苦労したのが、事情をある程度聞いていたゆりではなく、えりかへの事情説明だった。また、こまちの姉がキューティーハニーな事への説明もあるので、心労で2キロほど痩せたのは言うまでもない。幾分かは自分のせいであるものの、のぞみについての大いなる誤解が広まってしまっているのは事実だ。特に、えりかは大決戦で怒鳴られており、その後も相当に怖がっている。大決戦には居合わせつつも、当時はプリキュアの力を取り戻す前であった都合、ミラクルライトを振る側にいたゆり曰く、『あれは誤解されるわよ。スケバンなの?って次の戦いの時に聞いてたくらいに怯えてたわ』と言っている。

 

――いくつかは自業自得だけど、なぎさとほのかも腰抜かすような力を見せたことは事実でしょ、かれん――

 

ゆりはそこは断定していた。第一期最年長なので、(覚醒は中学生時代だが、主な活躍は高校生時代)なぎさとほのかを呼び捨てできる権利を持つ。みらいに電話で二人の事を伝えると、ため息をつく。

 

「疲れてますね」

 

「元・生徒会長でなきゃ、根をあげてるわよ」

 

生徒会長。プリキュアの属性ではままあるが、初の生徒会長属性持ちがかれんである。生徒会長持ちは主にブルーだが、稀にピンク、イエローにも生ずる。かれんはその最初のプリキュアなのが自慢なのだ。

 

「あの、かれんさん、生徒会長、あまり関係ないような…。それを言うなら、みなみちゃんもそうでしたし。マナちゃんもそうじゃなかったっけ?」

 

「そ、そうね……。」

 

苦笑するかれん。生徒会長という属性ながら、行動派なのがキュアハートこと、相田マナであることを思い出したのだ。

 

「忘れてたわ……。素で、マナのこと」

 

「あー。本人が聞いたら、思いっきりぶーたれますよ?まぁ、あの子は今、戦車道大会で頭を抱えてますけど」

 

「あの子、ドイツ戦車乗りなのに、運転や指揮が荒いのよねぇ。わかってるのかしら。ドイツ戦車の扱い」

 

「それ言ったら泣きますって」

 

逸見エリカの立場になって日が浅めのマナに言うには酷だが、指揮に粗さが見え隠れしており、経験不足が露呈している。ミーナ曰く、『逸見は素質はあるのですが、どうにも短期決戦を急ぎすぎまして…』と、かれんに本音漏らすなど、心配されまくりである。黒森峰女学園の非西住流系としては三年ぶりの隊長になるのもあり、過分な期待がかけられている。それは相田マナを以てしても、不安に駆られるほどの重圧だ。みらいも同情する勢いで、ものすごく不安がっている。

 

「本人、一所懸命に勉強してるんですが、黒森峰女学園って、ここ二年は優勝逃してるんで、かなり運営理事会も荒れてるっていいますよ。腰巾着だったから、なれたみたいな陰口も叩かれてるみたいで」

 

「あの子がそこまで不安がるなんて」

 

「マナちゃん、『なって日が浅いうち』に大きな大会ですからね。かなり動揺してますよ。周りからプレッシャーはかけられる、戦車の性能だけである程度は勝てるから恵まれてると運営側にも影で言われたり…。ミーナさんが心配してますよ」

 

「うーん…」

 

かれんも驚く、相田マナの動揺。日が浅いうちに大会を戦う羽目に陥り、流石に戦車戦は門外漢に近かったため、逸見エリカの知識を得たとしても、経験が足りない。まほの転生体であるミーナに泣きつくほど、怖がっている。根本的に経験不足なのは、多少の実戦では解消できないのだ。

 

「どうするの?」

 

「戦車って、あまりゲームにもならない『むせる』題材でしたからね。地球連邦軍で使われてる教練用のシミュレーターを使うか聞いてみます」

 

「できるの?」

 

「戦車って、基本は二次大戦で完成してる兵器ですからね。これが21世紀のゲームだと、その辺はライトに調整されちゃってるんで、あまり参考になんないと思いますよ」

 

「あなたも詳しくなったわね…」

 

「のび太くんのところで、暇つぶしに戦車のプラモデルとか作ってるうちに……」

 

みらいは野比家で『ミリタリー』や『ロボアニメ』のオタクに変貌していっている。先輩の春日野うららや蒼乃美希、四葉ありす、相田マナが戦車道世界で戦車道をしている事もあり、リコもびっくりの方向に目覚めてしまった。リコも思いっきり困惑中であるが、何人かが戦車道をしているために仕方ない事だとされている。かれんはこの時、『みらいのオタクへの変貌』に強く困惑中であろう、十六夜リコに強く同情したのだった。

 

 

 

 

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