ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第二百十四話「ウィッチ世界の事情とプリキュア5の世界」

――水雷兵装は無用の長物とされていた。史実ではとっくに普及していたはずの酸素魚雷は実のところ、事変中には完成していたが、不要派が多数派となった事で、その量産は1943年の段階では少数であった。儀仗や訓練目的などで旧式の魚雷発射管が駆逐艦に積まれる程度だったので、更新の必要なしとされたが、M動乱での苦戦の打開に魚雷が用いられたこと、(艦娘の装備として用いられ、大戦果を挙げた事で見直しの機運が生まれた)をきっかけにして量産が再開。ラインが既に整っていた酸素魚雷は誘導短魚雷までの繋ぎ目的もあり、M動乱とダイ・アナザー・デイで大々的に用いられた。その後は『世代がより進んだ』誘導短魚雷に徐々に取り替えられていったが、魚雷兵器の存在意義見直しの立役者となった。造船官らはこの一連の経緯に強くショックを受け、多くがその日のうちに辞表を出すという異例の事態に陥った。結局、対潜・水雷兵装が戦況の変化で必要となったため、停滞していたアクティブソナーや対潜・水雷兵装の研究が再開され、撤去を推進した不要論者は懲罰的に前線の艦艇勤務に回され、少なからずが太平洋戦争までに戦死を遂げている。あまりに対怪異に特化しすぎた思考になっていた事が仇となった形である。(ある『魚雷不要派』だった将校は太平洋戦争開戦前、『俺たちが悪かったから、ネチネチと言葉で嫌味ったらしく責めたてるのはやめてくれよぉ!』と会議の場で大声で泣いたという)ダイ・アナザー・デイ以降は『とにかく、積めるものは積んでおく』というドクトリンへ転換していった扶桑海軍。ミサイル兵装の登場で艦艇の大型化が進んでいく時代を迎えた事もあり、1949年当時には総合戦闘能力で日本連邦軍に立ち向かえる海軍はウィッチ世界には殆ど無くなっていた――

 

 

 

 

 

 

――空軍が『陸海の合同部隊』扱いではなく、一個の独立した軍隊として設立されたわけだが、『空母航空団』として訓練中であった600番台航空隊までもが『航空の一括管理』の名目で空軍に移籍させられたために、海軍航空隊に強い被害意識が生まれ、海軍出身者が仲立ちしなくては『統一された作戦行動』が取れない有様であった。日本側はこの被害意識を疎んじたため、空軍の高練度部隊を空母に搭乗させることを『統合運用』を名目に常態化させた。だが、海軍航空隊の組織を再建しなければならないのも事実である。不満を抱く海軍士官らの手による再度のクーデターの懸念があったからだ。なお、事変後の世代の陸軍航空ウィッチは黒江達以前の世代のように、天測航法を習得している割合が減少していたが、太平洋戦争開戦までに全部隊に訓練が開始され、空軍のウィッチは末端に至るまでが1949年度には『天測航法技能』を備えていた。(史実の陸軍航空隊が天測航法を身に着けていなかったために、太平洋戦争で行方不明をよく出した事の戦訓)だが、実戦で戦える練度を維持しているとは限らない。64Fは全ての点で日本側も満足する練度を保っており、軍に残されていた『主だった実戦経験者』を有していた事もあって、この戦争では、あらゆる任務に酷使されていた――

 

 

 

 

 

 

 

――日本連邦軍の軍事力はもはや、戦前期の列強諸国の全てを質で凌駕するに至った。ミサイル装備をVLSで装備し、戦艦級の大口径砲を速射できるというのは、怪異化研究よりよほど実りのある研究成果であった。また、未来世界のスーパーロボットを用い、核兵器よりも『確実に』怪異を始末できる事は地位の確立に一役買った。Gウィッチの闘技の大本がスーパーロボットの技であることも接触で明らかになった。また、スーパーロボットのパイロット達が『俺たちに許可を得ている』と明言した事で、1945年当時のミーナは立場がすこぶる危うくなり、失脚が確実視されるほどであった。それで自暴自棄を起こしたところもある。『ちょっとした嫌がらせ』や『上層部への牽制と、部隊の空気を守る』つもりで黒江達を冷遇したら、『扶桑天皇のお気に入りであり、事変の戦局を左右した英雄たちの生き残り』で、その扱いで国際問題になりかけ、査問にかけられるという予想外の事態(パットンは扶桑の参謀たちの不満を代弁するため、圭子に乞われる形で高圧的に振る舞った)に混乱し、ついには坂本に『見限られた』衝撃で錯乱した。まほはそんな状態から、軍人生活を始めなくてはならなかったわけだ。こうして、まほはダイ・アナザー・デイを『戦車兵』として戦い抜いた。ミーナの技能を発揮し、空中勤務者になったのは、デザリアム戦役のこと。(これは体が馴染むのに時間がかかったことでもある)ミーナが裏で感情的なところが整備兵などに嫌われていたのに対し、まほは寡黙だが、総じて好人物。整備の重要性を戦車乗りとして理解していた事から、ダイ・アナザー・デイでは黒江達に指揮権を移譲した後も『整備状況の把握』に努め、書類上の責任者としての責務は果たしている。64Fに501が取り込まれた後は一士官に徹し、49年時点では中隊長は務めている。この頃には少佐に戻っており、将官の道は閉ざされたものの、最先任の『大佐』として遇することは予め決められており、実質的に『有能だが、政治的に問題を起こした将校は最前線で使い倒す』協定が連合軍・時空管理局・地球連邦軍・自衛隊の間で取り決められ、なのはやミーナはこの規定に則り、最前線でその軍歴を刻んでいく――

 

 

 

 

 

――扶桑軍は64F以外にも精鋭部隊を作ろうとしたが、クーデターで半ば頓挫した。兵器の刷新や育成が終わった人材の民間軍事会社への流出も重なり、64Fに次ぐ練度を維持していた50Fでも、格落ち感は否めないものであった。ウィッチに『オールラウンダー』としての能力が求められるようになった上、40年代前半から、『今後の海軍の主戦力』として育成中であった基地航空隊が全て空軍となったわけだが、今度は引き抜きすぎで、艦上機部隊の質的弱体化を引き起こすという悪循環を招き、仕方なく、『統合軍運用』を名目に、実際は空軍に移籍させられた艦上機部隊を空母に載せる事で実務上の解決が図られた。(日本は『600番台の部隊は艦上機部隊だったの?嘘でしょ』と逆に驚く有様で、面子論とジェット化を理由に、部隊の移籍を撤回しなかったため、『旧・任務専従令』なる珍妙な軍令が旧・艦上機部隊へ出されるに至る。とはいえ、艦上機の根本的な刷新の時代であるので、『一から育成したほうが使えるのでは?』という声も大きかった)だが、史実のマリアナ沖海戦の戦訓もあり、結局は実戦経験者を機種転換させることになった。参謀本部が64Fのノウハウを盗み出そうとしたのは、実のところ、艦上機部隊にノウハウをなんとか与えようとした一部参謀の独走であったのだ。(この独走が64Fの運用に当たっての『中央は不干渉』の原則の徹底の理由で、64Fが事実上の『外郭独立部隊』化していくのは、中央の手に負えない人材が多いからである)歴代プリキュアを抱えた事も、64Fの中央からの不干渉を決定づけた。501を取り込んだ後に続々登場し、幹部からもプリキュアが生じたからだ――

 

 

 

――ウィッチ世界――

 

 

 

「と、いうわけだ」

 

「お前が音楽のプリキュアだと?何かの間違いではないのか、リベリアン」

 

「お前なぁ。せっかく変身したってのに」

 

「でも、シャーリーさん。その……」

 

「宮藤。どこでも変わんねーな。そのおっぱい星人。こっちのルッキーニに一回見せたんだが、そういう目で見られたぜ。ハハハ…」

 

キュアメロディになると、シャーリーの特徴が薄れるため、ルッキーニにはどうであれ、不評であった。とはいえ、プリキュアとしての現役最終時の能力値を維持しており、のぞみの転生後はコンビを組む事が多くなった。士官学校で同期にあたる上、比較的に近い時期に士官になったという転生後の経歴、同じ世代のプリキュア(二人はなぎさとほのかと直接の面識が同世代人としてある。みゆき/芳佳はなぎさとほのかと同世代人としての面識はないため、それが一種のボーダーラインである)であるからだ。

 

「でも、なんで、ルッキーニちゃんと一緒にいないんですか?」

 

「それが、あいつ、本国で教育受けることになってな。本国勤務なんだよ。それに、このご時世だしな」

 

芳佳Bには、そう説明する。リーネBはこの頃には事情を知らされていたので、苦笑いだ。

 

「シャーリー、そろそろ次の予定よ」

 

「お、そうか、奏。んじゃな~」

 

「まるで、人気女優だな」

 

バルクホルンBはその様子を若干、皮肉る。キュアメロディはバルクホルンのそうした発言には慣れている。

 

「プリキュアってのは、そういう側面もあるからなー」

 

「そうなんですよ。これも人気者の宿命で~」

 

実際、プリキュアたちは人気者であるため、メディア露出も多い。北条響(シャーリー)も、南野奏(クレア・ヒースロー)もメディアへの顔出しが多いのだが、軍人として普通にエース級である(ナイトメアフレームとMSを乗りこなしている)ので、戦果での文句のつけようがない。これは黒江達の事例の教訓である。特に二人が乗りこなす『紅蓮系統のナイトメアフレームやZ系のMS』は乗り手を選ぶので、文句のつけようがない。

 

「普通にエースで、メディア露出も多い。ずるいと文句が出ないか?」

 

「そうでないと、軍に予算がいかないんだよ。近頃は民需優先でな。軍需は後回しになるんだ。その分、装備の消耗が許されないんだよ」

 

ダイ・アナザー・デイ以降、連合軍構成国で銃後の発言力が増大。軍を押さえつけるようになると、軍部としては『どないしろっーねん!!』な要求を突きつけてくる。そのため、兵器更新も人員教育もまったく追いつかない(日本連邦軍の場合は、兵器更新があまりの速さで行われるために教育が追いつかない)状況へ追い込まれている。そして、精鋭中の精鋭部隊を最前線に突っ込ませるという戦術は他国軍からは揶揄されるが、『指揮官先頭』が民間からも強要される風土なので、武子自ら出陣することも常態化している。64Fの指揮官代理が実戦経験ありの者に限られたのは、戦死率が高いと見込まれたからだが、二人の古参ウィッチの戦死は隊長代理としては(真の目的もあり)秘匿された。結局は武子の復帰後は参謀たちの秘密を知るセラの転属もあり、『64Fには人的意味での手をつけない』事が徹底される。その兼ね合いで、新規ウィッチの64Fへの入隊者は極天隊からの選抜に限られていく。主要メンバーはセラの加入で固まったが、問題は兵器の支給が追いつかない点で、シャーリーもそこに頭を抱えていたりする。プリキュアとしてのメディア露出を積極的にするのは、それを日本側に促すためでもある。それは軍が広報に重点を置き始めた証拠でもあり、黒江たちが批判を浴びたような『黙っていても、書類を見ればわかってくれるだろう』とする時代は過ぎ去ったのである。ミーナは扶桑軍の中堅ウィッチから、その面で恨みを買ったわけだが、広報をすることが予算維持のためにも必要になったことは事実である。プリキュア達の任務は『財務当局から予算をできるだけぶんどる』事も入る様になったわけだ。

 

「待って、シャーリーさん。ルッキーニちゃんにその姿を見せた時のこと、話してください」

 

「うーん。また今度な。予定が立て込んでると言ったろ?」

 

 

正確には、シャーリーが能力を取り戻した時に見たのが、ルッキーニが見た唯一のケースである。単独では、その日の二体目の怪異へは火力不足であり、キュアハッピーの『プリキュア・ハッピーシャワー』と『プリキュア・ミュージック・ロンド』を組み合わせたが、それでもコアを露出させるのみだったが、駆けつけたキュアドリームと即興で『プリキュア・パッショナート・ハーモニー』(この時に、ドリームがいることを二人は認識し、後日に錦がのぞみの転生であることを知らされたわけだ。)を放ち、その場を収めた。同じ部隊にいる事をお互いに知ってからは『つるむ』ことも多くなった。特に、のぞみとシャーリーは関係性が別の側面(エ○レカセブン的意味で)からも強い事もあり、シャーリーの本来の相棒である南野奏の登場後もコンビを組ませられる事が多い。ただし、この時は広報任務が入ったため、『プリキュア5の世界』には同行できなかった(本人は後日の援軍としての要請を待っているという)。この時は『ドリームに次ぐ実力者』とされる『キュアハート/相田マナ』がメロディ/シャーリーの代わりに行っている。その事から、戦闘面の序列は咲=のぞみ>マナである事が分かる。シャーリーは基礎パワーがつぼみよりマシとはいえ、どちらかというと歴代中では低めに属するため、テクニックでどうにかしている面がある(シャーリーとしては、身体能力が現役時代の北条響より高めであるので、その分が加算されたために、結果的にはパワーアップしている)。

 

 

 

 

 

――日本連邦は扶桑の軍需産業が日本向けの需要を少なからず満たすことになった。これは日本企業の少なからずが、2021年に軍需産業から撤退していったためだった。扶桑の軍備更新が遅れた理由の一つは、扶桑の軍需産業に日本向けの軍需品の製造の需要が生じたためであった。(扶桑の軍需産業の機関銃などは、実際の製造精度が日本製より却って高い有様であった)その都合上、日本は同位企業に技術をどんどん提供し、製造させた。日本から逸話がどんどん伝わったため、カールスラントへの信頼度はガタ落ち。これに慌てたドイツ連邦共和国がライセンス料を値切らせた事もあり、信頼度がガタ落ちしたカールスラントは日本連邦にあった大口需要の多くを失った形になった。とはいえ、士官の拳銃の多くは外国産が主流を占めていたのと、機関銃の輸出は依然として好調であったので、その面での外貨獲得は維持できた。また、史実でポーランドが戦後に獲得した東独地域は当のポーランド相当の国家がウィッチ世界に存在せず、更に、現地出身の住民がポーランドの統治を嫌った事もあり、ポーランドはウィッチ世界への足がかりを得られずじまいであった。また、ドイツ連邦共和国のように『一方が同位国を見下し、資源供給地扱いしたことで内乱になった例が生じた』ため、日本連邦とキングス・ユニオンのように高度に一体化した連邦が新規で形成される事はなかった。だが、間接的に日本連邦はアメリカ合衆国の意向も加味して動くので、アメリカ合衆国が日本連邦をウィッチ世界に影響力を及ぼすための『手駒』として見ていることは暗黙の了解であった。アメリカ合衆国は積極的にウィッチ世界に関わっており、日本連邦軍にかなりの兵器のライセンスを与えている。(史実通りに軍需のシェアを得るため)ある程度の有償ではあるが、扶桑皇国はアメリカ合衆国にとっては上客であり、軍需産業の立て直しも兼ね、積極的に支援名目で兵器を売り込んだ。結果、扶桑皇国軍の装備のかなりの割合をアメリカ合衆国の兵器のライセンス生産品が占めるようにになっていくが、戦車については日本のものを独自に調整したり、ブリタニア製の重戦車などを購入するようになっていく。これは日本の軍需産業が衰退期に入ったからで、日本の政治家が扶桑への売り込みを『機密漏洩の防止』を理由に、あまり容認してこなかった事のツケであった。――

 

 

 

 

 

 

 

 

――扶桑は扶桑で、軍需面でかなりの自給自足が可能となった段階でのライセンス生産の増加は技術者の憤慨を引き起こしたが、保有技術の多くが『時代遅れ』となっている事実に愕然となったのも事実。ただし、列車の完全電化は怪異の攻撃で変電所を破壊されるのを恐れ、装甲列車の利用が不能になるのを嫌がった軍部の反対で遅延したが、変電所の地下化で解決されたので、装甲列車は『近い将来の退役』の運びになった。これは航空戦力に攻撃されれば、如何に装甲列車でも無力であるからだが、製造費用の元を取るため、1950年代中は運用されることになった。これは軍需輸送用に大量にD51型蒸気機関車を生産していたところに『半数を旅客に転用する』ように命令が下り、更に電化の開始で蒸気機関車の需要が下がったが、保守用部品は大量に在庫を抱えていたり、史実と異なる理由でC62形蒸気機関車が新規製造途上であったため、製造メーカーの雇用維持の側面から『いきなりの製造中止は自殺行為であり、大正期製造の蒸気機関車の代替となる新造車がどうしても必要』という事で、電化の促進は『南洋で実験してから本土に反映させる』方針となった。また、ブリタニアのA4形蒸気機関車を模倣した高速蒸気機関車が『亜細亜号』の後継を目指して製造されたものの、結局は電化されている日本の新幹線やイギリス鉄道800形車両を卸し、亜細亜号後継の座につくことになったが、工場の製造工程的に『そのまま作ったほうが安い』ところであったので、技術資産の確保的意味でデモンストレーション用として使用された。この時期は電化/無煙化と蒸気機関車が引退するまでの狭間の時代。ディーゼル機関車も安定した生産は、まだまだできない時代であったので、蒸気機関車は扶桑の鉄道関係者に馴染みがあることもあって、史実通りに1975年まで運行される。扶桑は同時代の日本より工業力があるとはいえ、そのリソースの多くは時勢的に軍需に振り分けられていた。戦乱期のウィッチ世界であるが、長年の戦時状態は多くの国を財政難に陥らせており、キングス・ユニオンも緩やかにであるが、軍縮に舵を切っている。扶桑はカールスラントという『軍事的負担を肩代わりする国』が突然に連合軍からいなくなったこともあり、強大な軍隊を『世界のため』に維持しなければならないが、量の増加に日本側が強く拒否反応を持ったため、質を『時代ガン無視』でしなければならず、ついには人型機動兵器を優良部隊に配備するに至った。ウルスラ・ハルトマンに罪があるとすれば、自身の関わるプロジェクトへの執着で視野狭窄に陥り、連合軍全体の軍備更新に悪影響を与えた点だろう――

 

 

 

 

 

――扶桑が躊躇なく、外国製兵器を買い込むこと。それは日本にとっての衰退気味の軍需産業に入り込む隙が消えていく事でもあり、10式戦車の売り込みと74式戦車の生産促進は命題となった。扶桑はそれを煽る目的もあり、チーフテンとコンカラー重戦車を使用したわけだ。実際、扶桑にとって、大戦中後期相当の水準から飛躍してしまった戦車関連技術を一気に得るためには『外国戦車の購入と運用で知見を得る』しか方法がなかった。そのため、扶桑独自の軽量化・速射路線を一旦捨て、強大な敵戦車に対抗するために重戦車化路線が選ばれた。とはいえ、軍部の人手不足が懸念される時代なので、センチュリオン、チーフテン、コンカラーには後世の小型高性能化された自動装填装置が製造段階で組み込まれた。(74式も扶桑製には自動装填装置が備えられた。これは当時の扶桑人の平均的体格と体力では、75ミリ砲から大口径化した105ミリ砲弾の人力での迅速な装填の長時間の維持は不可能に近かったからである)そのため、いずれの戦車もオリジナルと比べると、砲塔などの形状に明確に差異がある。世界的には、時代相応に『硬芯徹甲弾と高速徹甲弾がトレンド』な時代なのに、それより二世代も先の『装弾筒付翼安定徹甲弾』を使うため、ダイ・アナザー・デイから向こう、『戦車戦で無敵』と言われるほどに連戦連勝なのだが、従来の扶桑製旧式徹甲弾の在庫が使えないこともあり、扶桑の弾薬庫に不良在庫が多く発生。その処理のために、ダイ・アナザー・デイ中から『破砕砲』が開発された。ダイ・アナザー・デイから四年後の1949年には安定した性能の正式量産品が出回り、生き残った攻撃・爆撃ウィッチ出身者の拠り所になっている。とはいえ、弾薬の製造能力は扶桑が1939年に平時体制に戻していた事もあり、まったく需要に供給が追いつかない状態が続いているのも事実で、ダイ・アナザー・デイの後、扶桑は本土の弾薬庫の備蓄分の過半数を使い果たしていたという。そこから四年で工場の大増築を行ったが、砲弾の世代交代なども重なり、まだまだ追いつかない。64Fが実弾の使用を控え、パルスレーザーやビーム兵器の使用を大規模化したことの要因もそこにある。――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ウィッチ兵科の今後の取り扱い、64Fの戦果突出と人材の抱え込みに不満を持つ者たちの人材放出の嘆願書の提出の続出など、課題は山積であった。日本側は『エースに新米主体の部隊を率いさせたら、エースが却って死ぬだろ!』と一蹴した。実際に史実太平洋戦争末期の航空戦では、そういう事例は部隊の例外なく起こっている。史実の鴛淵孝大尉や武藤金義少尉も部隊の指揮や護衛中に隙を突かれて被弾した後に未帰還になっており、日本側は人材の喪失で起こりえる精鋭部隊の能力低下を懸念し、ウィッチたちの嘆願をすぐに退けた。彼らの懸念は予想通りで、1949年春の航空戦で、史実の日本海軍の人員構成を引き継いでいた海軍航空隊を前身部隊に持つ空軍部隊が幹部と隊長の同時の戦死で統制が崩れ、あわや全滅という窮地に陥ったのだ。これは海軍航空隊の人員構成の脆さを露呈するものであったし、海軍の慣習であった『懲罰任務』が人材温存のために行われなくなる効果を生んだ。とは言え、人員育成は将来のためにも、絶対にせねばならぬため、人材交流という名目で人材の出向は度々行われ、それが結果的に64Fの戦闘・運用ノウハウの他部隊への伝播に寄与した。ただし、これは中隊長以下の人材に限られた。替えが効かない大隊長以上の人材と違い、中隊長級までなら、比較的に内部で交代要員の確保に目処が立っていたからだ。プリキュア達が軍でのキャリアを積み、仕事もなんだかんだで板についてきたからである。プリキュア達は現役時代からそのパワーソースが変化し、単独変身を可能としたり、アイテム無しでの変身を可能にした者もいる。第一期プリキュアはこの変化が顕著であった。(元々、第一期プリキュアはスイートに至るまで、現役時代は共通のパワーソースを持っていた。それが何らかの理由で侵されると、途端に全プリキュアのパワーが失われるという致命的な弱点を有していた。大決戦での『ライダーシンドローム』とサイコフレームの奇跡がそれを変化させたと言える。キングストーン(ゴルゴムはそれを『賢者の石』とも呼んでいた)とサイコフレームの超パワーはそれを変えた)仮面ライダーのパワーを与えられた事で、緊急時に『アイテム無しでの変身』が可能となり、(原理的には、ポーズが力を使うためのスイッチ代わりとなる)仮面ライダーの変身ポーズで変身する者も生じている。のぞみは黒江との整合性を気にしたのか、主に仮面ライダーストロンガーとBLACKRXのポーズを気分で使い分け、ラブは前世から『アギトの因子』を持っていた事もあり、仮面ライダーアギトのポーズで変身する。シャーリーはXの『大変身』のポーズを取る。掛け声は現役時代と変化はないが、本人達いわく『自分たちは現役を終えてるから、一種の景気づけだ』とのことだが、実際はサイコフィールドの干渉で変身アイテムが損傷した事での対策である――

 

 

 

 

 

――それはそのまま、転生したプリキュア達の特色になっており、通常形態から強化形態へのフォームチェンジにもポーズを用いるようになっていた――

 

 

「さーて、通常フォームだと空からの敵の対応が難しいからっと……」

 

「あなた、何をするつもり?」

 

「驚いて、目を回さないでよ?……プリキュア・シャイニング・メタモルフォーゼ!!」

 

キュアドリームAは仮面ライダーストロンガーと同じポーズで二段変身してみせた。現役当時の『パワーアップ』が能力値の上昇と飛行能力を得る事だけであったので、コスチュームの変化を伴う『変身』を自力で更に行うことは驚異であった。仮面ライダーの場合、昭和ライダーの変身ポーズは体内のメカニズムを戦闘態勢に入れさせ、本格稼働させるためのスイッチを兼ねているが、彼女の場合も『パワーアップした力を使うためのスイッチと精神統一』を兼ねている。当たり前だが、ポーズは特に固定されていない。彼女は元々、スーパー戦隊のようなブレスレットで変身していた事もあるため、仮面ライダーのように大仰にポーズをつけることへの羞恥心はない。また、キュアハートらもエンジェルフォームを飛行能力を得るために使い分けているので、この場合も『高高度までの飛行能力を得るため』の変身であった。

 

「えーーーーー!?嘘ぉ!?」

 

「普通の変身だと、空から来られると、対応がめんどいし、技で飛ぶと消耗するじゃん」

 

「理屈はそうだけど、鏡の国の時みたいに、背中に蝶の翼が生えるのじゃ、ダメだったの?」

 

「あたしの経験から言うと、それでも、エターナルの館長には押されっぱなしだったからね。これなら、敵のラスボス級にもピンで対応できる」

 

のぞみBはこの時点では、Aの通常フォーム相当の姿にはなれるが、細かいスペックはまだ発展途上に属する。対するAは限界まで能力を成長させている状態から、さらなるパワーアップを重ねた結果、第二期プリキュア以降で言う『フォームチェンジを伴うパワーアップ』を成し得ている。この時点では、シャイニングドリームも中間フォーム扱いになっているので、割に気軽にフォームチェンジする。(これはエターニティドリーム形態を開発したり、ドリームキュアグレース形態の発見によるもの)

 

「今回は平行世界を股にかける戦いだし、あたし達が巻き込んじゃったようなもの。それに、BLACKとRXが強すぎるから、エターナルが破れかぶれの攻撃をしかけてくる可能性も大きいからね」

 

BLACKとRXはプリキュア5の本来の敵組織『エターナル』には『双子のヒーローか?』と見なされている。変身者が服装以外は同一の外見であるからだが、実際は『異なる時間軸と世界線の同一人物』である。ドリームAの言うように、『エターナル』はプリキュア5への門矢士や二人の南光太郎、ロボットガールズ、第二期プリキュアの選抜メンバーの時たまの加勢で、この時期にはかなり追いつめられており、破れかぶれの総攻撃をかけてくる可能性が大だった。ドリームAはそれに触れる。また、これまでの戦闘でフルーレがよく折られた事の反省か、手にはカイザーブレードが握られている。

 

「な、何!?その剣ーー!?」

 

「え、先輩が入れ替わってた時に使った『バスターランチャー』よりはかわいいじゃん?」

 

「い、いや、そういう問題じゃなくて…」

 

のぞみBがツッコミ役になるほど、『カイザーブレード』は物騒な代物だった。超合金ニューZα製の刀身はグレートマジンガーまでのマジンガーを一刀両断でき、マジンガーZEROの強固な装甲であっても正面から斬れるが、『炸裂した空間を歪める』バスターランチャーよりは遥かにかわいいのは事実である。

 

「持ってきてるぞ」

 

「先輩、空間歪める気ですか?」

 

「これなら、敵がグワジン級やレウルーラ級を持ってこようとも、イチコロだぜ」

 

ずっこけるドリームA。黒江がまたも持ち込んだのを明言したからだが、威力は本物である。人間が扱えるサイズのものでも、一年戦争最大の宇宙空母『ドロス級空母』をも一撃で消滅させられるというのが、のび太の友人の談。(原理として、高エネルギーを物質化寸前まで圧縮・縮退させて放つため)

 

「大気圏で普通のビームを撃つと、威力が減衰するからな。あれならお構いなしだ」

 

「あ、アハハ…」

 

乾いた笑いが出るキュアドリームA。とは言え、自分も『ガンバスターも斬れる超合金の剣』を持つので、物騒であるのは変わりがないが。

 

「つーか、二人共、物騒なの使わないほうが……」

 

「ドラえもんだって、戦車が一撃で鉄屑になる銃やビル溶かすレーザー持ち込んでるぞ?」

 

「は、はは…まっさかー…。」

 

「敷島のジジイも、ゾウも一瞬で溶かす溶解銃とか作ってるからなぁ。あのジジイ、どっかイカれてますよ…」

 

ドリームAも敷島博士のマッドサイエンティストぶりには参っているので、『ジジイ』呼ばわりである。何せ、デザリアム戦役の頃には遂に自分を兵器に改造してしまうほどのマッドであるので、のぞみやことはも『ジジイ』と悪態を突いている。(敷島博士のイカレ具合は隼人をして『オカシイ』と言わしめるほど)

 

「自分を戦闘用改造人間にしちまったからな、あのジジイ。メカニック出身の剴が『頭がイッてる』とか言って、リョウさんも『危ねえモン作りやがって』とか言ってるぜ」

 

大道剴が『頭がイッてる』と言い、付き合いが長い竜馬も『危ねえモン作りやがって…』とボヤくが、その手腕は本物。筋金入りの職人気質とも言うべきもので、ゲッターマシンガン、ゲッターレーザーキャノン、ゲッターブラストキャノンは彼のアイデアだ。元々、反応弾の研究を行い、銃火器制作を得意としたため、銃火器の研究は本職のガンスミスと同等以上の手腕であり、のび太に頼まれて『腐食弾頭』を制作するなど、23世紀最高の兵器技術者の一人であろう。

 

「世の中、イカレポンチだけど、いい仕事するのもいるんだよなぁ。あのジジイが特にそうだけど」

 

ドリームAもなんだかんだで世話になった事があるため、敷島博士の銃火器制作の手腕は認めている。敷島博士はゲッターの火器制作などではいい仕事をするし、鹵獲したナチス・ドイツの銃火器の程度を見てすぐに『これは大戦中期以前に制作された個体じゃな』と判定するなど、銃の制作年代を言い当てる才能もある。

 

「世の中、ああいうイカレポンチもいなけりゃ面白くないってこった。のび太の学校の近くにかみなりさんや小池さんもいたし」

 

のび太が子供の頃からのお馴染みの住人がかみなりさんだが、のび太が30歳を迎える頃には病没しているという。神成さんはのび太が子供の頃には『アメリカのオバケ』を居候させていた』という目撃情報があり、のび太の家のちょうど反対方向へ飛んでいく『オバケのQ太郎』と『O次郎』がキュアフェリーチェに目撃されたので、ドラえもんの街には、オバケのQ太郎もいた事が後々になって判明している。

 

「おまけに、あの街、オバケのQ太郎も住んでたらしいからなー。はーちゃんが言ってたぞ」

 

「嘘ぉ!?」

 

「子供ののび太に頼んで、飛んでる時の写真送ってもらったんだが……驚いたぜ。後で見せる。」

 

オバケのQ太郎。ドラえもんの先駆的存在と言える漫画であり、オバケ族で特に有名な人物(?)でもある。妹にP子、弟にO次郎を持ち、のび太の小学校時代に卵から生まれ、全国に存在が知れ渡った。オバケ族は地球の先住民族の一つであったが、その優しさ故に人間に押され、天上世界へに移民していったという。天上人とは関係のない場所に住んでいたと思われ、天上人がいなくなった後に天上世界を管理している種族であろう。生物としての寿命が5、600年単位と長いので、Q太郎達は23世紀になっても、依然として健在だろうと思われる。(神成さんが後世の『大原家』のために遺したノートからの推測では、Q太郎達は23世紀初頭時点では、人間でいう壮年期頃にさしかかる頃だろうか)

 

「さて、オバQについては後だ。今はガキのお守りもせにゃならん。このまま敵の様子を見るぞ」

 

「わかりました」

 

「勝手に話を進めないでくださ~い!もーこうなったら、私も~!」

 

のぞみBもプリキュアへ変身する。こちらはAでいうところの通常フォーム相当の姿だ。(ただし、スペックは落ちる)

 

「ふむ。姿は同じだな」

 

「基本的に姿は同じですからね。よほどの事がないかぎり」

 

プリキュア5のコスチュームは当初の姿からは変化している。現在の鮮やかな色彩のコスチュームはパワーアップ後のもので、当初は蝶モチーフがより顕著の比較的に簡素なコスチュームであった。

 

「行くぞー」

 

「了解」

 

「あ、待ってくださいよー!」

 

二人がジャンプしたので、Bも負けじとジャンプするが、基礎的なパワーの差もあり、到達高度に差が生じる。

 

「へ…?あ、あわわ~!?」

 

Bは強化フォームになっているAは愚か、黒江にも到達高度が及ばないことに驚くと同時に、普段は空中でバランスを取る機会が少なかったため、バランス取りが上手くいかず、落下する。

 

「空中のバランス取りは体で覚えるんだな」

 

黒江が受け止め、お姫様抱っこする形でそのまま運ぶ。

 

 

「す、すみません…」

 

「あたしは翼で飛べるからね」

 

「現役時代でも、ビルの四階くらいまでは跳べるってことか」

 

「旧一号よりは跳べますよ」

 

「なるほどな」

 

仮面ライダー一号は改造直後のジャンプ力のスペックは15mほどなので、プリキュア達は旧一号より高い身体能力を持っている事が分かる。新一号には及ばないが、平均能力値は初期の仮面ライダーと同水準である。

 

「なぎさとほのかがパワーでトップだから、後発のお前らはどうしてもスペックで見劣りするんだよな」

 

「技でスペック差を補える一号ライダーと違って、あの二人はパワーでゴリ押しできますからね。だから、あたしもパワーを上げたんですよ」

 

「後発故の苦しみってやつだな」

 

プリキュア達は後発になるほど、純粋なパワーは落ちる傾向があるために、ブルーム(ブライト)、ドリーム、ピーチ、ハート、ラブリーのような『初代に比較的に遜色ない力を戦闘で発揮できる』者は珍しい部類である。2021年のキュアサマーは『主人公チーム』であるが、ピンクのプリキュアではないなど、事情も変わってきている。

 

「2021年のキュアサマーは虹のプリキュアらしいからな。白基調だから、扱いはどうなるんだ?」

 

「そのへんは咲さんに問い合わせないとなぁ。咲さん以来だし、ピンクをメインカラーにしてない主人公」

 

「あのさ、ものすごくメタってない…?」

 

「まぁ、ドラえもん君の街で暮らすようになったから、メタ発言にも慣れちゃって」

 

「そ、そうなんだ…」

 

 

Bは自分がツッコミ役になる事で、りんの気苦労をようやく理解し始めるわけだが、Aのメタ発言の連発は『ススキヶ原に住んでいれば、ごく自然と身につく』。道中、Bは『ドラえもんとオバケのQ太郎が実在する世界』に自分が嫁入りで住むようになったというAの言を『メタ発言の多さ』で悟る事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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