ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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今回は『遠征』での一コマです。


第二百三十三話「遠征の最中にて…」

――プリキュアの内、前世を振り切れずにいたキュアドリームだが、遠征が行われた頃には家庭を持ったこともあり、踏ん切りをつけていた。言動も落ち着き、現役時代よりは多少大人びているが、ノリは変わっていないもので落ち着いていた――

 

「のぞみ、あんた……」

 

「こっちは世帯持ちだしね。それに、色々あってさ」

 

「だけど、変身解かなくて大丈夫?」

 

「変身解くと軍服だしさ。直前に式典出てたからね。飾緒付きのゴテゴテした奴。自衛隊と同規格に統一される前の記念って奴さ」

 

扶桑軍も1950年代に入るのを期に、自衛隊と同型の軍服に統一する動きが強まった。その前に昭和の日本軍と同型の軍服での最後の式典が遠征の直前に行われた。これが公的な扶桑皇国軍の式典で旧日本軍と同型の軍服が使われた最後の式典であった。

 

「それに、今はマジンガーと同化して、不死身になってる上、ゲッターロボにも乗れる。こいつみたいなゲッターにね」

 

「ゲッターロボG……」

 

「真ゲッターロボは竜馬さんや號さんみたいな人じゃないと、真価を出せない。その上、ゲッターは合体に失敗すると、死あるのみ。戦闘用でギリギリ普通の人の手に負えるのがドラゴンタイプ。あたしたちが変身した状態で訓練を組んで、ようやく使いこなせる。真ゲッターロボ以上の超常的ゲッターは竜馬さんか、號さんとかの正規のゲッターチーム専用だよ」

 

「真ゲッターロボ、か…」

 

「ゲッター線への親和性がないと、真ゲッターロボ以上のゲッターはパイロットを同化しちまうのさ。だから、ゲッター線への親和性が高くないと、乗ることすらままならないんだ」

 

「何よそれ」

 

「要は化け物だってことさ。マジンガーのほうがまだかわいいもんさ」

 

「でも、そんな化け物使って戦争してるの?」

 

「うん。生存競争に近いかな?町一個なんて軽く吹き飛ぶし。前世の悩みなんて、馬鹿らしくなるよ。逆恨みみたいなもんだったしね」

 

「逆恨み?」

 

「あたしの失敗みたいなもんさ。子育てとかのさ。響を巻き込んじゃったようなもんだし、これからあの子に会うとしても、それは持ち込まないようにするさ。それは響にも言ってある」

 

「あんたら、そういう仲だっけ?」

 

「ま、組むこと多くなったしね」

 

「これから、どうなると思う?」

 

「少なくとも、戦艦ローマと対決することになるよ。イタリアから戦時中に接収した同型艦だけど。ただし、空中戦」

 

「それがおかしいってのよ。戦艦で空中戦なんて」

 

「宇宙戦艦に改造されてるからね。21世紀の核兵器じゃ沈まないよ。ドイツ軍に接収されてるから、ドイツ軍仕様にされてるだろうけど」

 

「それと戦うのに、戦艦大和の姉妹艦を?」

 

「うん。正確には改良型だけどね。向こうもおいそれと戦艦は出さないだろうから」

 

「こんなSFじみてるのを持ち込んでるのに、敵も味方もそれを気にすんの?」

 

「流れ弾一つで、街の一地区を吹き飛ばせるのが、戦艦の破壊力さ。住人の反感を買うのを向こうも警戒してるのさ。戦中の反省だよ」

 

「確かに、この世界の警察が見たら腰抜かすわよね、こんな大戦艦」

 

「戦艦大和の同型艦が空母を犠牲にして造られてたってんで、あたしのいる世界じゃ問題になったよ、りんちゃん。日本政府は接収して海自で運用しようとする勢力と、日本軍の兵器の所有権は現代の日本にないという理屈で解体しようとする勢力とが抗争おっ始めたけど、結局は法的に戦前日本が消滅するまでに造船会社から納入されなかったから、日本政府に所有権はないって理屈が認められた。その船の同型艦がこいつ。同じルートじゃ造られてないけど」

 

ラ號は戦後、造船などで名声を得た影山コンツェルンの母体になった『影山造船』が戦後は維持しつづけていた。所有権が大日本帝国海軍に移る事がなく、計画責任者の神宮寺八郎大佐の遺志もあり、管理し続けていた。21世紀当時は戦中の妥協案でのスペックを持っており、46cm砲塔を四連装砲塔で有していた。その後に地球連邦軍に納入され、『ヤマト型宇宙戦艦』化された際に数度の改装で計画時の理想とされたスペックを達成した。21世紀の当時はラ號を接収し、海自のものにしようとする勢力、『旧軍の兵器は旧GHQが所有権を得ていたから、国連に扱いを委ねよう』とする勢力、『旧世代の戦艦なんて解体して、その金で経済を回そう』とする勢力が抗争を始めたが、『オーバーテクノロジーで構築された空中戦艦』ということが判明し、日本政府としては『自衛隊に配備しても、空自にすべきか、海自にすべきかめんどくさいから、手に入んなくて良かった』が本音であった。(ただし、交流で得た扶桑軍の兵器は史実より工業力の精度がよかったり、エンジンの規格が連合軍規格に統一されており、そこで差異が存在していた)そこがラ號が22世紀末まで表舞台に登場しなかった理由である。

 

 

 

 

 

 

――ちなみに、零式艦上戦闘機は、ウィッチ世界では量産開始からすぐに紫電改や烈風の開発が始まったこともあり、史実で言う五x型系の開発は俎上に載せられていなかったり、水エタノール噴射装置の搭載も研究されていなかった。代わりにアグレッサー任務のウィッチ用に魔力の伝導率を良くしたサブタイプ『四三型』が最終型とされていた。だが、ダイ・アナザー・デイ開始までに新鋭機の生産が間に合わない事、紫電改以降の新鋭機は雲龍型での運用に困難が生ずる事から、史実通りに5x型系列が妥協的に生産された。現地改修で四三型から五四型仕様に改造されたモノもかなりに登った。扶桑側は『なんで、そんな無理な改修をしてまで使い倒そうとするの?』と疑問を呈したが、『紫電改、烈風、彗星、天山、流星が雲龍程度の空母でまともに運用できるとでも?』と返され、扶桑海軍はぐうの音も出なかった。結局、ウィッチ世界での零式艦上戦闘機は『旋風』という仮称を持っていた事、43年に初飛行した事を信じられず、日本に否定される事になり、日本側には『1940年初飛行の旧式戦闘機』として扱われた。主に日本軍義勇兵向きの機体とされ、生産分の大半を消耗した。扶桑海軍はこの機種の世代交代のあまりの早さに困惑し、紫電改や烈風のターボプロップ機化による延命の大義名分にされた。そのため、九九式艦上戦闘機がM動乱で淘汰されたように、零式艦上戦闘機もダイ・アナザー・デイで早期に淘汰される結末を迎えた。とはいえ、ダイ・アナザー・デイ後期に前線から引き上げられた機体が日本へ多く売却され、『オリジナルの栄エンジンを積んだ日本保有機』という事で航空ショーの花形となっている。それと対照的に、紫電改と烈風はダイ・アナザー・デイでの数的主力に使われた後も軍用機としての任を全うしており、ジェット機への機種変更は容易でない事を示していた――

 

 

「で、何百年か後に宇宙戦艦ヤマトが造られた後に改良されて使われたわけ」

 

「なるほどね。で、あんたがオールスターズの戦いで見せた技、あれ、聖闘士星矢の奴でしょ?」

 

「その世界に行ったわけじゃないけど、先輩は黄金聖闘士だし、せつなちゃんと美希ちゃん、どういうわけか白銀聖闘士になってたからね。その縁で伝授されてさ。多分、ここのあたしのスーパー形態より強いだろうね」

 

「普通はそれと同等の効果を持つ何かがつくもんだけど、ちゃんと修行して、それ自体に目覚めちゃったわけね…」

 

「うん。それも並の黄金より上の境地にね。小宇宙自体、修行に耐えられればだけど、子供でも使える力だよ。とはいえ、戦闘態勢でないと、銃弾を避けるとか、受け止めるのは難しいよ?小宇宙に目覚めても、セブンセンシズに行かないと、光速には達しない。想定外の武器で不意打ちされれば、どんな聖闘士でもダメージは入る。先輩は元から軍人だから、銃弾を普段から避けられるけど、聖闘士の攻撃でも生き残る人は生き残るしさ」

 

「なんか心当たりあるわぁ……」

 

「でしょ?」

 

キュアドリームAはこの頃には、既に黄金聖闘士級の力を得ている。それも上位に位置するほどに。プリキュアがそのまま聖闘士を兼任するケースも生じているため、ドリームも空位の位に命じられるのは充分にありえる。

 

「星矢さんたちはまだ若年で、昇格にしばらくの時間がいるだろうって事になってるから、あたしもどこかにねじ込まれる可能性はあるだろうね」

 

「人手不足なの?」

 

「ハーデスを倒したはいいけど、聖闘士が殆ど死んだり、行方不明になったり、引退を余儀なくされた世界だもん。内紛で弱体化したところに聖戦だったから、かなり有名無実化が進んでるよ」

 

黒江が聖域の門戸を叩いた時、聖域は悲惨な状態。雑兵は戦力外であるし、青銅は『一軍』以外はものの役に立たない。白銀は魔鈴とシャイナしか残っておらず、頼みの綱であるはずの黄金は全滅していた。黒江が他の候補生をなぎ倒し、山羊座の黄金聖闘士に任じられたのを皮切りに、聖戦での死者の一部の蘇生も行われたが、人手不足な事には変わりない。黒江の仲介とゼウスの厚意で再建が図られたのは、ある種の必然であった。

 

「日本人の求めるのは『質』なんだよ、質。量産型をそこそこ扱える凡人が10万人いたって、突出したエースパイロットの数十人に大負けする事はままある。特に日本やドイツみたいな国じゃ、軍部の人的資源はすぐ尽きるし、物量作戦は絶対に取れない。死にまくれば、政治家や反戦運動がすぐに無能と叩くからね。だから、エースパイロット部隊が求められるのさ」

 

キュアドリームは戦場での経験則で、日本系国家の必然的弱点に気づいていた。人事的なローテーションを組もうとすれば、給料泥棒と叩かれ、怪我や病気でも嫌味を言われるような風潮が日本系国家には存在する。ブリタニアを手本に育ってきた扶桑はこの風潮が強い日本に振り回されてきた。『精鋭部隊を置いて、すごく突出した戦果を挙げさせる』。誰がなんと言おうが、指揮官は先頭に立ち、強い者は前線から動かさない。皮肉なことに、特攻で人材を見境なく使い潰した経験から、一般の日本人は軍事で必須と言えるはずの後方任務に無頓着な傾向が強い。人材を『一から育てる』という思考が希薄なのだ。求めるのは『即戦力』のみ。これは軍事以外の世界でも言えることであり、扶桑と組まなければ、終わりのない不景気に喘いでいただろうという予測は想像に難くない。扶桑が64Fを超豪華にせざるを得なかった事情の一つが日本の『分散配置だと、どうせ酷使して死なせるんだろう?』という参謀たちへの嫌味の連発によるもので、扶桑の参謀達が64Fの陣容に不満に思うのは当然のことなのだ。指揮官先頭という文化はアイデンティティが確立された武士の時代以来の大和民族の性であったと言える。

 

「なんか、武士の時代みたいね」

 

「そういう文化なんだよ、この国はね。根本的に。率先垂範なんて言葉もあるけど、偉くなるほど、誰かの手本にならないと、部下もついていかない。周りからも評価されない。そういう国なんだよ、りんちゃん。教師時代、それを思い知ったからね。いじめられる側で」

 

キュアドリームAは前世での教師時代の教育係や上役がよってかかって『クズのような』連中で、指導という言葉を履き違えていたと転生後に実感しており、軍人として生活する内に、それを強く実感するようになっていた。のぞみ自身、前世では上役の妨害などで学年主任などの上級の役職につけなかった(現場の教師としては、むしろ優秀な方であったが、『出る杭は打たれる』の要領で周囲の嫉妬を買った)上、周りにいじめられた事で教職の世界に以前のように夢を描けなくなった故に教師という職業にあまり未練がない様子を見せた。

 

「だから、仕事でどんなに偉くなっても、現場のことを知らないとさ、冷血人間だって言われるよ」

 

「なんか納得するわぁ……」

 

この日本独特の風潮はダイ・アナザー・デイでの人事ローテーションに悪影響を強く及ぼした。交代要員(日本の政治家が実戦経験過小の者を前線に置くのを嫌ったのも大きい)の派遣が結果的に潰れ、64F主要メンバーはタイムマシンがなければ、休みが取れない状況に追い込まれた。この酷使は他のウィッチ部隊のサボタージュと併せて、ダイ・アナザー・デイという戦いの象徴となり、64Fの地位を確定させた。史実でも『501さえいれば、他部隊はいらないんじゃないか』と言われる事はあるので、結果的に64Fは他世界での統合戦闘航空団そのもののポジションを占めることになった。但し、主要メンバーのアニメ世代の割合は低い。また、素体の軍籍を流用したとはいえ、事実上は別人格が肉体を動かしているケースも多い。のぞみは当初は錦の軍籍を流用したが、色々と不都合があるため、功績その他を新しい軍籍に引き継ぎを行う必要があった。これは中島家が名家だったため、プリキュアというスーパーヒロインになったことに不快感を示す者が縁戚にいるためだった。

 

「それに、現役時代から長く経つとさ、『後輩を差し置いて目立つな!』なんて、トンチンカンな事を外野から言われるんだよ。竜馬さんなんて、號さんより目立ってるのにさ」

 

 

流竜馬は初代ゲッターチームのリーダーという事で、二代目チームの一文字號より目立っている。それを引き合いに出し、不満を口にする。のぞみAも、自分が事実上の戦場のリーダー格として見做されているので、目立つのは当然であるのだが。

 

「そ、そこかいな……」

 

呆れるりんB。のぞみAは生まれ変わった先では有名なウィッチではなかったので、プリキュアに戻った途端に『エース格』になるのは錦の親類からも反発があった。そのため、キュアドリームとしての功績をアピールするしかないのだ。

 

「軍人としては護身用の銃を持ってるけど、日本の銃は質よくないから、外国産の銃持ってる。任地が最前線の最前線だしさ」

 

「ああ、南部十四年式?おじいちゃんがひいおじいさんの遺品にあったとか昔……」

 

「日本軍の拳銃はね、士官級のは嗜好品扱いでさ。十四年式拳銃は士官級はむしろ使ってないんだ。九四式拳銃ってのもあるけど、評判悪くてね。外国に行く将校は外国産を使ってる」

 

扶桑軍は将校准士官用拳銃の国産統一化を意図していたが、結局は外国に赴任する将校ほど外国産の拳銃を使う傾向が強く、圭子を皮切りに、ベレッタ、ワルサー、ブローニングなどのメーカーのものが却って雑多に使われてしまった。日本連邦化の後に、『SIG SAUER P220』と『H&K VP9』に全面的に統一しようとする動きが強まったが、古参将校の多くが画一化に反対する珍事になっている。(そのため、1945年以前に将校、もしくは准士官以上であった世代に限り、私品の使用を認めることになる。パットンなど、357マグナムを携帯していたが、最近はより強力な44マグナムにしたらしい)

 

「最近は仕事で必須だから、拳銃でもマグナム使ってる。プリキュアの姿なら、片手で撃てるしね」

 

「ダンベル持つのもヒーヒー言ってたアンタがマグナムをねぇ……」

 

「S&Wじゃないけどね。のび太くんいわく、あれはラフな使用に耐えられないんだって」

 

のび太は青年期以降は『スタームルガー社』製の拳銃を愛好している。ラフな使用に耐えられる耐久性を持つからで、友人にも薦めている。64Fは任務の性質上、大火力が拳銃でも必須だからである。

 

「アンタの口から、そういう単語がポンポン出るなんてね…」

 

「仕事柄、そういう知識は覚えるよ。こっちはドイツ語、イタリア語、英語は必須だし、喋れるよ」

 

キュアドリームAは必要に迫われた結果、数カ国語を話せる。(連合軍では数カ国語が飛び交うためだ。最近は英語と日本語に統一されつつあるが…。ちなみに黒江は立場上、連合軍の主要国の言語は読み書き含めて完璧に理解できるレベルだが、智子は最近にドイツ語の読解ができるレベルに到達したばかりである)

 

「読み書きは?」

 

「先輩の一人に教えてるレベルだよ。ドイツ語も使うから、読めなきゃ話にならないからね」

 

智子はBがそうだが、普段は英語で話したり、報告書を書くため、ドイツ語は実は読めない。Aはそれを改善しようと努力中である。とはいえ、英語、仏語、独語、イタリア語などを完璧に使いこなす黒江と圭子に比べ、読み書きが出来ない智子は凡人の域である。普通は英語さえできればいいが、現地に行く時に不便なので、現地語を覚えるのが通例であった。智子は平時に教育を受けた世代だが、若い頃にカールスラントに派兵されるつもりがあったのに、カールスラント語の読み書きができないことが判明。黒江に呆れられている。黒江は現地で戦った時期があるので、ちゃんと読み書きもこなせる。錦も必要上、それはこなしたため、肉体を引き継いだのぞみがカールスラント語、ガリア語などを読み書きできる理由になっている。

 

「あんた、転生したからって、そこまでチートしなくてもさ…」

 

「好きでこうなったんじゃないんだよ~。素体になった子がたまたま職業軍人だったから、そのまま身についたんだ。それに、聖闘士の技とかはちゃんと修行して覚えたし、波紋の修行だって、短期間でさせられたし…」

 

「あんた、どこ目指してんのよ」

 

「あたしに聞かれても…。政治屋と官僚がケチつけないように、あらゆる事を覚えさせるのがウチの部隊の方針なんだよー」

 

実際、64Fは常に最強・最高を求められるために交代要員のローテーションにも、一工夫が必要である。多忙の反動で多趣味になる者が多く生じ、副業でアスリートになる者も生じている。黒江は『改革』と称し、広報業務を現場が一部でも管理する事になった事で、現場の負担が増す事を危惧しており、ダンスや歌唱の訓練までも『比較的に上手い者』に担わせるしかなかった。そんなところに出会った『ウマ娘』達は天佑というべき存在。テイオーにダンスや歌唱の講師になってもらう事は決まっているが、遠征が終わった後、シンボリルドルフ、ゴールドシップ、メジロマックイーンなども講師を買って出る事になり、結果的に最高の講師を得たのである。1940年代に生きるウィッチ達に、その10年以上後に定着するはずの『ロックンロール』や『ポップミュージック』をバックにしてのダンスは荷が重い。黒江たちがそれをできるのは、転生に加え、未来世界で生活しているからで、特異中の特異なケースだ。歴代プリキュアにしても、ダンスはできても。歌は無理という者がいるので、メンバーは限られる。ウマ娘達は歌唱も高度に訓練を積んでいる(私的にカラオケで訓練を積んでいる者も多い)ため、一定の歌唱力は保証されており、後日、のび太が『ウマ娘競走教会』の承諾を得る形で、彼女らがウイニングライブで歌っている曲を基地の交流イベント(開放祭)で使用する。また、ナリタタイシンが野比家に来ていた縁で、協会が『BNW』(ビワハヤヒデ、ナリタタイシン、ウイニングチケットの三人を指すユニット名)用に書き下ろした『涙ひかって明日になれ!』という曲をナリタタイシン、メジロマックイーン、トウカイテイオーの組み合わせで披露する事になったという。

 

「これからドンパチでしょ?それにしちゃ、落ち着いてるわね」

 

「修羅場は潜ってきてるからね。あたしらだけが戦うんじゃないし、仮面ライダー達もいる。だから、気負いしなくていいよ。それにこいつらも使うつもりだしね」

 

「グレートマジンガーやゲッターロボGを?」

 

「うん。大決戦の時の教訓でね。念には念っていうじゃん?ま、そんな事はなるべく避けたいけど」

 

「ま、いざとなれば僕も援護するさ」

 

「のび太くん」

 

「車の整備も終わったしね」

 

「あなたが、のぞみとはーちゃんの面倒を?」

 

「そうだよ。のぞみちゃんは僕の息子の嫁さん、はーちゃんは義理の妹でね。かなりややこしい話なんだ」

 

「はーちゃんが義理の妹っていうのは?」

 

「話せば長くなる。事が始まれば、僕はあれで撹乱する。アルファロメオ・グランスポルト・クアトロルオーテ」

 

「某怪盗の三代目が乗ってた奴ですね?」

 

「この街の洋風の雰囲気に合わせたのさ。ミニ・クーパーやフィアット500は合わないと思って、レプリカだけど、グランスポルト・クアトロルオーテにしたのさ」

 

「カーマニアなんですか?」

 

「まあね。官僚ってのは存外に給料良いんだよ。60代以上の人にはチョイスが渋いとか言われるけどね」

 

「うららが見たら、感動しそうですよ」

 

「戦は格好でするもんでもないさ。とはいえ、洒落っ気は必要だからね」

 

のび太は拳銃はワルサーPPK、服装は緑のジャケット姿で、某怪盗の三代目を意識していた。PPKを持つのは、のび太の腕ならば、ワルサーPPK程度の銃でも、充分に改造人間の生命維持装置を撃ち抜けるからだ。

 

「君たちに、後でショックガンと空気砲を渡しておくよ。僕たちは始末するのを前提にするけど、君たちはそういうわけにもいかないだろ?」

 

「ありがとうございます。ウチの方ののぞみが喜びますよ」

 

「フワフワ銃は殺傷能力ないから、君等の護身用にどうかって考えたんだが、あれは見てくれが完全にコルト社のSAAだしね」

 

 

ドラえもんは過去にドリーマーズ・ランドを訪れた際、騒乱を鎮めた功績を讃えられて、アトラクションで使用される『フワフワ銃』を記念にもらっていて、何度か少年のび太が使用した。青年のび太も『B世界のプリキュア5の護身用にどうだろう?』と思案したが、見てくれが完全に実銃のコルトシングルアクションアーミー(ピースメーカーとも)であるので、却下したと話す。実銃同様に、扱いにそれなりの熟練を要するからだろう。

 

 

 

――なお、新・野比家にはのび太夫婦が仕事で使うための実銃などの武器が保管されている。実際の保有目的の半分は犯罪対応用である。新・野比家付近の駅前は学園都市の事実上の解体でゴロツキ共がうろつく場になっている面は否めず、ノビスケが幼稚園児時代には本当にバスごと誘拐されかけた。学園都市の武器を持ち出したり、能力を駆使して犯罪行為を起こすために、日本警察の手に負えず、自主的に64Fのメンバーが警察に代わって治安維持を行うという『世紀末』的な状況である。学園都市が荒廃し、丸ごとスラム化したことで、近隣の街の軽犯罪も多発するようになっており、ウマ娘達は意図せず、犯罪都市化してしまったススキヶ原の治安の回復に務める事になっていく。特にススキヶ原は空き巣やひったくりが多く、ウマ娘達は空き巣やひったくり犯を捕えるため、レースで鍛えた脚力を活かすようになっていく。レースで勝ちきれず、自分に自信が持てなくなっていたナリタタイシンはそんな生活で脚力を使う内に、周囲から感謝される事の感激を覚え、ススキヶ原の暖かな空気に感化され、周囲への心の開き方を身につけていく。また、子どもたちに慕われることには悪い気はしないのか、ノビスケ、ジャイチビ、スネ樹、英世(それぞれ、のび太とその友人たちの子息である)らには良き『お姉さん』として接し、普段の周囲へのつってんどんな接し方を知る従姉妹のナリタブライアンを感心させるのであった――

 

 

 

 

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