ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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今回はウマ娘がメインです。


第二百四十七話「芦毛の怪物対皇帝&不沈船」

――五人のウマ娘は最後の直線であるメインストリートでスパートをかけた。加速したウマ娘の速度はヒトのトップアスリートの世界記録をも遥かに超えるもので、ちょっとした速度を出した自動車と同等以上の速さで、快速列車にも比肩する。そのため、二位グループがメインストリートに入る頃には、既に残り数kmの地点に達していた――

 

「怪物・オグリキャップ!!オグリキャップ、オグリキャップ!!怪物は生まれ変わっても健在ぃぃぃ!シンボリルドルフ、トウカイテイオーと激しいデッドヒートを繰り広げております!!」

 

実況中継の実況アナもヒートアップする展開。オグリキャップ、トウカイテイオー、シンボリルドルフの三名はウマ娘としても『一時代を築いた』ポテンシャルの持ち主。オグリキャップ、シンボリルドルフはもろ他の要因で全盛期の実力を失っていたはずであったが、トウカイテイオーがのび太達と出会うことで『取り戻した』全盛期の輝きに触発され、全盛期、いや、それ以上の潜在能力を引き出し、能力が全盛期以上に飛躍したトウカイテイオーと競る。

 

「嘘ぉ!ゴルシやマックイーンでも、ついてこれないはずの速さだよ、今!?」

 

「言ったはずだ、テイオー!私を……『皇帝』を無礼るな!!」

 

ルドルフは全盛期の頃、前会長の『トウショウボーイ』の正統な後継者であるミスターシービーから最強の座を奪ったことに負い目を持つ。元々は現役時代のトウショウボーイの一ファンであったことから、その親戚であるミスターシービーから最強の座を奪うことに怖さを持ち、トウショウボーイが卒業を控え、生徒会から退く時期にそれを告白したところ、『ルドルフ。お前はお前なりの道を切り拓け。お前の素質に惚れ、後継者にしたのは私だ。シービーもお前に負けるのなら、後悔はないと言っている』と激励の言葉をかけている。また、エアグルーヴが入学し、副会長に就任するまでは、トウショウボーイの言いつけで、マルゼンスキーが補佐についていた。オグリキャップの現役時代はまさにその時代にあたる。現在こそ、後輩に恵まれ、言動もずいぶん柔らかくなっているが、オグリキャップの現役時代は現役時代の『皇帝』としての厳格なイメージを保とうとしていたため、威厳に満ちた雰囲気を見せていた。現役時代の感覚が蘇ったため、ルドルフの口調はその時代のものへ戻っている。往年の闘志に満ち溢れていた時の感覚に戻っているため、テイオーに対しても、それをむき出しにしている。

 

「そう、それだよ、カイチョー。ボクは……全盛期のカイチョーとレースがしたかったんだ!」

 

自身も全盛期の走りを取り戻したからか、トウカイテイオーも余裕を崩さない。だが、二人に割り込む形でオグリキャップが追従する。

 

「私を……忘れてもらっては困る!!」

 

オグリキャップは全盛期、末脚を武器にしていた。同じく、全盛期にあった頃のタマモクロスには一歩及ばなかったが、同世代のウマ娘をほぼぶち抜けるポテンシャルである事には変わりなく、発揮する能力がその頃を上回ったためか、黄金色のオーラの上に稲妻状の火花が上乗せされている。(なお、何かかしらの能力で一定の領域を超えると、稲妻のような火花が既存のオーラに上乗せされるというのは『お約束』のようである』)

 

「オグリ先輩!?」

 

「お前はともかくも、会長には昔の借りがある。真面目に戦う機会を得られた以上、こちらも真面目に行かせてもらう!」

 

オグリも、自身の引退後のポジションが『ギャグキャラ』に固定されてきていることを内心でさすがに気にしていたためか、現役時代のレース時に見せていたようなシリアスな雰囲気を見せる。往時の末脚が戻ったため、二人に並ぶ速さを見せている。

 

「伊達に……、タマと一緒に芦毛最強伝説を担ったわけじゃないんだッ!」

 

オグリキャップはルドルフとテイオーに見事に追従している。また、自分とタマモクロスが後代のウマ娘達の間で『芦毛最強伝説』と讃えられていることに自覚があることを初めて、自分から明確にした。更に言えば、オグリはこの世界においては、立て続けの不祥事で衰退している『カサマツ』の出身(オグリキャップは笠松の地から大成した競走馬であり、ウマ娘である)であるためと、現役時代にはクラシック制覇がクラシック未登録であったために出来なかった事、タマモクロスが全盛期の輝きを早々に失ってしまった故に、全開の状態での勝負が出来なかったことにフラストレーションがあった。現在はメジロマックイーンに明け渡している『最強の芦毛のウマ娘』の座を取り戻さん勢いで疾走している。

 

「これが……オグリの全力か……ッ!」

 

シンボリルドルフも間近で感じることで、オグリキャップのポテンシャルに本当の意味で畏怖する。オグリキャップはスパートが得意であった。現役時代はその切れ味で多くの凡百のウマ娘を絶望に追いやり、全盛期には、彼女に勝てたウマ娘は『指で数えられる程度しかいなかった』。だが、それで終わらないのがシンボリルドルフ。伊達に『オグリキャップ以前の世代での最強格の一人』ではないのだ。

 

『勇往……邁進!道は自ら切り拓く……!オグリ、テイオー!!たとえ、お前たちが相手であろうと!』

 

シンボリルドルフはここで現役時代と同様にスパートをかける。皇帝としてのプライドが完全に復活した事、テイオーはともかく、オグリに勝つことで『自分が昔、クラシック登録の件で一旦は突き放そうとした』ことの正しさを今度こそ証明したい(彼女の来た世界では、オグリキャップの不躾な態度に釘を刺そうとしたら、ハイセイコーとシンザンの指令を受けたTTGに乱入され、逆に自分がオグリキャップの前で、情けなくシメられる結果に終わっていたため)という欲求を満たしたい気持ちが作用していたため、心に10%ほどは邪念が入っている状態ではあった。とは言え、その邪念が彼女の闘争心を往時と同様に燃え上がらせたのも事実なので、そこはカチコミの主軸であったテンポイントの功績と言えた。

 

『悪いが……こちらも負けるつもりはない!!』

 

ルドルフを猛追するオグリ。二人の実力はこの時点では、総合的に伯仲していたと言える。全盛時代に比すれば『衰えた』肉体にかなりの負担を強いるが、精神的にはその頃の感覚に戻っていたため、疲労感そのものはそれほどなかった。処置は受けていないが、この二人は比較的に全盛時代の能力を維持できていた。(引退後に能力が大きく衰えるケースが多いため)

 

 

「ぐぬぬ~!ボクだって、負けないもんねー!」

 

テイオーの現在の能力値は二人を上回るが、精神的には二人には及ばない面があるため、若干は離される。それだけ、ルドルフとオグリの精神が肉体の限界を超えていたということだ。

 

『オグリキャップ、シンボリルドルフ!怪物と皇帝!それぞれ、世代の中心だった者の意地を見せるか!?』

 

実況アナもヒートアップする。名馬の生まれ変わり同士が元々の世代を超えて対決しているのだから当然だ。オグリキャップとシンボリルドルフは比較的に近い世代だが、直接対決はなかったという微妙な差であるので、まさに夢の対決である。その速度は人間が出せる速度限界をたやすく超えてくる。

 

 

『すごいスピードだ!さすがは名馬の生まれ変わり!既に陸上選手どころか、車の走る速度に達しつつありまぁぁす!!』

 

シンボリルドルフは日本ダービー以外のレースでは、涼しい顔でレースを制してきた。だが、相手が自身に匹敵する才覚とさえ謳われた『怪物』オグリキャップであるため、現役時代には見せていなかった(従って、テイオーも見たことがない)必死の形相であった。オグリキャップも、かつての『借り』を返すべく、久しぶりに本気を出している。

 

「うおおおおおおおッ!!」

 

「ああああああッ!」

 

二人共、殆どG1レースを戦う時同様の気合いの入れようであった。が、二人は重大な事を忘れていた。この競技はマラソンであった。

 

「ふふふ……お二人さんよ、これはマラソンだぜ?アタシが一着をもらうぜ~!」

 

「ゴールドシップ、キサマ!勝負に水を差すか!」

 

「おお、怖っ。この勝負はもらったぜ!」

 

ルドルフは思わず睨みつけて威嚇するが、のらりくらりと躱すゴールドシップ。スタミナを温存していたのと、現役のウマ娘であるが故に、オグリとルドルフよりペース配分の管理は充分だった。二人は既に現役を離れて久しいため、肉体のスタミナを急激に消耗するスパートを持続しすぎたことに気が付かなかったのだ。

 

「ナニィ!?クソ、こんな時に……」

 

ルドルフがスタミナ切れを起こす。オグリはニヤリと笑い、スパートを持続する。オグリが怪物と言われた所以である。

 

「なんたる……何たるザマだ!!くそぉぉぉ!」

 

感情を顕にするルドルフ。オグリに追従出来なくなり、速度が目に見えて減速していく。ルドルフはこの時、久方ぶりに『敗者』になったといえる。

 

『おぉーーーっと!!シンボリルドルフ、スタミナ切れを起こしたようです!!さすがはオグリキャップ、ゴールドシップにまだついていきますぅぅ!!』

 

実況アナはすっかり興奮している。メジロマックイーンの血を受け継いだステイヤーであるゴールドシップ、メジロマックイーンの先輩であると同時に、先代の『芦毛の最強馬』であるオグリキャップ。こちらも夢の対決である。そのメジロマックイーンは故障からの病み上がりと処置から間もないこともあり、力を相当にセーブしていて、この展開には絡んでいない。従って、間接的にメジロの誇りはゴールドシップの双肩にかかっていたのだ。

 

「逃さんぞ、ゴールドシップ!!」

 

「へへーんだ。このゴルシ様を舐めんなよ、オグリ先輩!あんたの事はマックイーンから聞いてたんだ。胃袋は負けるが、レースのスタミナなら、アタシに分があるぜ!」

 

別世界では、マックイーンの孫であったのを自覚したからか、スタミナに大いに自信があるゴールドシップ。追込タイプに分類されるウマ娘だが、当代最高クラスのタフネスを誇るため、おちゃらけたキャラでありながら、生徒会からも一目置かれている。

 

「メジロの名こそ持たないが、受け継がれた血潮が!魂が!この胸に燃えているんだっっ!!」

 

「どういうことだ、ゴールドシップ!」

 

「アタシは本当にマックイーンの孫なんだよ!競走馬としちゃな」

 

ゴールドシップはメジロ家には属していないが、別世界ではマックイーンの孫にあたる事を知ったため、それを理由に、メジロ家に出入りするようになった。ゴールドシップは競走馬としては、メジロマックイーンとサンデーサイレンスの血を持つ良血馬であり、結果も残しているので、メジロアサマも納得したという。ちなみに、後にマックイーンは赤面しながら『恥ずかしいですわぁ~~!!公衆の面前で…わたくし……』としか言えなかったとか。

 

 

『芦毛対決となったラストスパート!!オグリキャップ、ゴールドシップに食らいつく!!ゴールドシップはどう躱す!』

 

いよいよ、残り1000mを切る。ルドルフは無様に失速し、マックイーンに肩を借りて歩く有様であった。テイオーはゴルシとオグリと張り合うのは避け、堅実に三位狙いに切り替えていく。テイオーは能力値そのものは戻ったが、基礎スタミナはあくまで『普通よりある程度』で、バケモノ的なスタミナを誇る二人に付き合ったら、瞬く間に失速する。以前、長距離でマックイーンに負けた事の教訓である。

 

 

――中継を野比家で見ている組はというと――

 

「あらあら、ルドルフちゃん、チョベリバねぇ。ペース配分をミスるなんて、あの子らしくもない」

 

マルゼンスキーは90年代以前に取り残されたような死語を使うため、後輩たちは反応に困るのである。トウショウボーイのすぐ下の期である故と、オグリの世代が子供であった当時に全盛の世代であるため、ルドルフを後輩と扱える一人である。

 

「あの、マルゼンスキーさん。いつの時代の流行語ですか……」

 

気まずそうなナリタブライアン。さすがの彼女もマルゼンスキーには敬語を使う。

 

「私の現役時代はこれがナウかったのよ~。ブライアンちゃん、その原稿用紙は?」

 

「エアグルーヴが報告を書けと、うるさいもので…今は同格なんだから、書記に伝えるつもりだったんですが」

 

ナリタブライアンは三冠達成時に書記から副会長に昇格した。まだ日が浅い事、ブライアンが生徒会に関心がない事もあり、副会長の業務はもっぱらエアグルーヴが行っている。エアグルーヴはルドルフを信奉しているが、自身も女帝という異名を誇るので、時代が違えば、生徒会長の器だったと評されている。なお、エアグルーヴは明確に母親がウマ娘であるとわかる一人であり、のび太は『オークスにこだわりがあるんなら、史実通りにダイナカールがお母さんだと思う』とテイオーに伝えている。

 

「すみません、電話が」

 

『ブライアン、貴様ぁ!テイオーに母の事を教えたのか!?』

 

電話に出ると、とんでもなく慌てている様子のエアグルーヴからであった。

 

「……私じゃないぞ。野比氏だ。彼が伝えたんだ。生徒会長室にお前のお袋から電話がかかってきてな。テイオーが応対しただけだ」

 

「バカモノ!!なぜ、その場にいなかった!」

 

「マルゼンさんからの使いをしてただけだ。別にいいだろう、お前のお袋さんの電話に出るくらい」

 

エアグルーヴの母親『ダイナカール』はルドルフが現役を始めた頃に引退した世代のウマ娘であり、比較的にまだ若い。つまり、引退後すぐに、エアグルーヴを妊娠したと見るべきだろう。

 

「お前がカタブツなのは、父親の教育のおかげだという事もバレてるぞ」

 

「ぐぬぬぬ……」

 

「あ、それと、お前、妹が生まれるぞ」

 

「……は?」

 

「なんだ。連絡が行ってないのか?妊娠したんだよ、お前のお袋さん」

 

「!?★※」

 

突然のニュースにフリーズするエアグルーヴ。その子は後に『アドマイヤグルーヴ』と名付けられたという。後年、『臆病な一面はあるが、姉の名を汚さないだけの実力はある』と、その頃には、ルドルフの後を継いだトウカイテイオー(その頃にはキタサンブラックに衣鉢を継がせるつもりであり、生徒会からも引退間近だったが)に評価されたという。

 

「フッ。さすがのお前も、これには驚いたようだな」

 

「ま、待て!!お母様が妊娠だと!?なぜ、お前が知っている!」

 

「言っただろう。テイオーが応対したのが、その電話だったんだ」

 

「なにぃぃぃ!?」

 

「まぁ、こう言っちゃ、なんだが……どんまい」

 

「お、お前……」

 

「語尾が震えてるぞ?」

 

「た、たわけ!そんなわけ……」

 

エアグルーヴは普段が堅物であるため、イレギュラーな出来事に弱いらしい。ナリタブライアンは珍しく、楽しんでいた。そんなかんだで、レースも最終盤を迎える。

 

「へえ。オグリちゃん、ゴルシちゃんについていけるスタミナを保ってたの。さすがはかつての『怪物』ね」

 

「マルゼンさん。状況をエアグルーヴに説明してくださいよ。」

 

「ああん、もう。いいところなのに」

 

助けを求めるナリタブライアンに不満げなマルゼンスキー。エアグルーヴにはがっくり速報だが、シンボリルドルフはレースでバテてしまい、醜態を晒している最中である。ルドルフは現役時代には三度しか負けがないので、今回が事実上の四度目であると言える。マルゼンスキーは中距離への適性が確認されていたため、全盛期の実力であれば、ルドルフやミスターシービーを抜けると謳われた。なお、年齢の都合上、既に運転免許証を保有しており、現役時代の稼ぎでフェラーリやランボルギーニを買って、維持している。まさに悠々自適な生活である。スペシャルウィーク、ライスシャワー、ウイニングチケットは彼女の孫、カレンチャンは曾孫(競走馬としての)にあたるなど、優秀な子孫が多い。

 

「エアグルーヴちゃん~、私だけど」

 

「マルゼンスキー先輩、あなたもそちらに?」

 

「ええ。ルドルフから聞いてないの?」

 

「会長代理という形で舞い戻られた前会長への申し送りで忙しく、それどころではなかったのです。会長にとっての『会長』なので、余計に気苦労が……」

 

「私からも先輩に言っておくから、あまりかしこまる必要ないわよ~。あまり気にすると、胃に穴が開くわよ」

 

「開きそうです……」

 

エアグルーヴも流石に『偉大な足跡を残した』大先輩に戻られては気が気でないようで、胃潰瘍になりそうな勢いらしい。

 

「会長はどちらに?」

 

「ルドルフなら、こちらでマラソンに出たのだけど、あなたが見たら、がっくり間違いなしね」

 

「どういうことです?会長に何か」

 

「それがね、スタミナ切れでヘロヘロになってるのよ。オグリちゃんと競り合って……

 

「バカな、会長とあろう方が……オグリキャップとまともに競り合うなど……」

 

「ゴルシちゃんとオグリちゃんが今はサシで競り合ってるわよ?オグリちゃん、比較的に全盛期の力を保ってたみたいで」

 

『オグリキャップ、ゴールドシップ!!距離は残り200を切った!!芦毛の怪物と不沈船ゴールドシップ!!世代を超えた芦毛対決になりました!!』

 

『スタミナはゴールドシップが有利ですな。オグリキャップは先程の競り合いで消耗していますが、ゴールドシップは脚を溜めています。この勝負はゴルシが有利でしょう』

 

TVから聞こえてくる実況と解説。ゴールドシップとオグリキャップの芦毛対決に湧いている様子がわかる。エアグルーヴは聞こえてきた実況と解説に、どういう状況か察したようだ。

 

「ルドルフちゃんの誤算は、勝負のカンが鈍ってるのに、オグリちゃんとまともに競り合ったことね。ここのところはデスクワークで、実戦から遠ざかってたから」

 

「しかし、それはオグリとて……」

 

「オグリちゃんは引退後も自主的に走っていたわ。そこで差が出たと思うわ。ルドルフは……ここ数年は象徴的に扱われて、デスクワークに追われていたから」

 

エアグルーヴは精力的に補佐しているものの、生徒会の仕事にさほどの興味のないナリタブライアンなどの存在もあり、多忙であったルドルフは体が自分の想像以上に鈍っていたわけだ。マックイーンに肩を借りている姿はなんともいい難い姿である。

 

「あなたにはがっくり速報ね、これは」

 

ルドルフに同情的なマルゼンスキー。ルドルフは衰えが顕著ながらも、元々のポテンシャルが高いが故に、オグリキャップと競り合えた。体力の低下は如何ともし難かったのがよくわかる。エアグルーヴは立て続けの衝撃ニュースに言葉を失う。母親の妊娠、ルドルフのマラソンでの事実上の敗戦……。会長代理を引き受けた『前会長』のトウショウボーイへの申し送りに追われていた最中の衝撃は凄まじかったからだ。

 

「会長はどうなされていますか……」

 

「マックイーンに肩を借りて、完走を目指してるわ。完全にバテてるようね」

 

「なんてことだ……」

 

電話越しに愕然となるエアグルーヴ。先輩であるマルゼンスキーに対しては敬語を使う一方、同輩や後輩に対しては、古風な『たるんどる』、『たわけ』などの言い回しをするのは、実父が厳格だからとの事。その一方で、後輩のテイオーと同じく、現役時代のルドルフに憧れていたらしく、ルドルフのことになると、熱が入る。そこはテイオーと似ている。

 

 

 

――ちなみにルドルフは『エアグルーヴになんて申し開きしたらいいと思う?』という弱音をマックイーンに漏らすなど、皇帝かしらぬ『失態』に落ち込む様子を見せるが、オグリキャップと競り合えた事で自分の自信を取り戻せたようで、この後は少しづつ往年の力を取り戻していく……――

 

 

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