ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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遠征側のキャラが主軸です。


第二百四十九話「遠征の一コマ」

――歴代プリキュアにはこんな揶揄もあった。『困った時のミラクルライト』。それを特に気に病んだのがドリームだった。ドリームは歴代ピンクでも最古参世代に属するがため、ミラクルライトの奇跡がある事を前提に戦っているという論調もあり、自力で強化形態になれないということに危機感を強く持っていた。それ故に、戦線参加後は特訓に励み、自力でシャイニングドリーム形態になれるようになっている。また、プリキュア5は比較的早い段階で全員が揃ったために、遠征が行われたタイミングでは『それなりの地位』を軍隊で得るに至っている。故に多忙であり、遠征でも、『全員が揃っている』わけではなかった。

 

「2020年を超えても、後輩がまだまだ出てくるのぉ!?」

 

「そーだ。続々とな。だから、人気で格差が生まれちまってな。お前とつぼみは人気トップクラスだから、代の離れてる後輩とコラボしたぞ」

 

のぞみはのどかと、つぼみはまなつとコラボした事がのぞみBに伝えられる。シャーリーはこの日、出動の当番なので、キュアメロディに変身済みだ。

 

「なにそれ」

 

「言ったまんまだ。ラブのやつ、それで拗ねちまってな。『のぞみちゃんがのどかちゃんと組んだから、次はあたしだって思ったのに~!つぼみちゃんじゃん~!』って。それで慰めるの、えらい苦労したぜ……」

 

シャーリーは最近はコメディリリーフと解説役を兼任しているため、キュアメロディになっても『ギャグ顔』が多くなっている。現役時代は『アホの子』枠だったが、最近はシリアスとギャグの双方を高度にこなせる事もあり、解説役も担っている。キュアビート/黒川エレンが最近はもっぱらシリアス担当であったり、キュアリズム/南野奏が『おちゃらけ担当』にシフトしたため、解説役がキュアメロディとキュアミューズにシフトしたのである。

 

「そ、そうなんだ…」

 

「お前は良かったほうだぞ?新フォームはもらえるわ、合体技ある、シャイニングドリームあるわ……大盤振る舞いだったからな」

 

のび太世界でのヒーリングっどプリキュアの映画は『完全にキュアドリームが主役でいい』ほどの出来栄えであった。本人が『戦役の英雄』である事もあり、制作側が配慮したか、ドリームの出番が一番多かった。本人は大喜びだったが、『本来の主役を食ってる』とのもっともな批判も出ている。

 

「ま、批判もあるが、破格の扱いだったぜ?」

 

「メロディ、なんか荒っぽいね」

 

「昔と周りの環境がちげーし、力はそのまま引き継いだけど、今してる商売は軍人だしな。環境の違いだって思ってくれ」

 

キュアメロディはシャーリーが変身している都合上、現役時代より『まとめ役』として振る舞うケースも多かった(元々、シャーリーがミーナとバルクホルン引退後の時期における指揮官候補と目され、相応に教育されていた事もあるが)。のぞみと並び、『士官学校を元から出ている』ピンクのプリキュア(キュアハッピーは『宮藤芳佳としては、航空士官学校などは出ていない』ので)である故だ。

 

「中佐、この書類に決済印を」

 

「あ~いよ」

 

遠征での前線指揮官の役目が期待され、階級も昇進した様子が窺える。

 

「軍隊で航空科の将校してると、それなりに給与いいからな。生まれ変わった先が戦時中の世界でな。ピアニストなんてのは、ご時世的に仕事がねーんだ。レーサーもだけど」

 

リベリオン合衆国はともかく、扶桑では有事が起きると、娯楽イベントは強く避けられる傾向がある(大日本帝国ほどでないにしろ)。日本が五輪を他国を脅してでも、強行させたのもそこが理由である。日本連邦では『有事になろうとも』軍隊は日本側の意向で『冷や飯食い』に近いため、1949年現在では、軍隊への志願は技術部門以外は押しなべて少ない。その兼ね合いで、戦線維持は『超人たち』に頼るしかないのだ。額面上は有に500万を超える兵力があろうと、兵站部門まで機械化されていなければ、現代戦ではなんら役に立たないのだ。

 

「その世界の状況が大抵の場合より複雑になっちまったから、あたしは本当はアメリカ人なんだけど、昔の名前でプリキュア活動してる。それに、根本的に辿った歴史も違う。中国が途中で滅んじまって、日本で織田信長が本能寺の変を生き延びて、そのまま天下統一した世界だしな」

 

「え、なんで?」

 

「なんて言おうか、普通の手段じゃ倒しにくい怪物が古くからいる世界でな。それが大暴れしたんで、小国は次々に淘汰された。生き残った国々は『魔法つかいが多く出る』地域を抱えて、その関係で軍事力がある水準まである連中。日本は幸い、そういうのが多いのと、海があるから、その世界で生き延びた。その怪物、海に弱いのよな」

 

ウィッチ世界では、地域大国級の国力と軍事力があって初めて、怪異から生き延びられる。史実のように国々が細分化されず、第一次世界大戦前の植民地帝国が概ね、往時のままに存続しているのも『独立しても、独力では国土を維持できないから』という現実問題がのしかかっているからで、ウクライナはウィッチの供給地であり、工業地帯だったから、独立ができたにすぎない。高い軍事力を誇ったカールスラントでさえ、1936年からの戦争で本土を制圧されたし、ガリア共和国に至っては、領土の鉱物資源の貯蔵量に大きな不安が生じ、それが元で、伝統的な植民地を否定する日本連邦を仮想敵国に認定していき、ついには、後年の『アルジェリア戦争』に至る。日本連邦曰く『民主共和制の悪いところを煮詰めたような醜態』であったガリア共和国はダイ・アナザー・デイで軍事力にさらなる打撃を被り、ペリーヌ・クロステルマンが国土復興にリソースの大半をつぎ込むことを主張し、大衆がそれを支持した事もあり、ダイ・アナザー・デイからの大戦では『存在感皆無』と言っていい有様。ド・ゴール派はこの事実に打ちのめされ、次第に方針が過激化していくわけだ。

 

「だから、勢力圏が無事な日本がわけあって、アメリカとどうしても戦争しないといけなくなったんだが、怪物との戦いが当たり前だったから、今度は魔法つかい連中がボイコット起こしやがった。で、結局はあたしらのような『スーパーヒーローやスーパーヒロイン』、『スーパーロボット』におんぶにだっこなわけだ。三八式歩兵銃じゃ、自動小銃やサブマシンガン完備の連中とやれねぇしな」

 

「うーん……。言えてる。あれじゃ、とても撃ち合いにもなんないし」

 

 

 

キュアメロディも呆れているように、日本連邦は『ウィッチがボイコットを起こしたために、戦力や軍事インフラの完全な近代化を迫られているところに太平洋戦争が起こったため、戦線は一部の有力な精鋭部隊が支えている』状況なのだ。バトルライフルやアサルトライフルのような自動小銃を嫌った高官が次々に左遷された事もあり、歩兵装備の刷新も急がれたが、大日本帝国陸軍の全盛期の更に倍以上の人数である陸軍の小銃の末端に至るまでの刷新、兵士たちの自動小銃への適応訓練に手間取っている。三八式歩兵銃、九九式短小銃はダイ・アナザー・デイ以降からは第一線装備としては急速に淘汰されたわけだが、『狙撃銃』、『儀仗』などの特殊用途では依然として需要があるため、その用途では幸いにも生き残った。自衛隊や地球連邦軍の陸軍装備を常用する64Fは『特別な存在』であることがわかる。

 

 

「日本軍は軽機関銃は専門の射手とかを置く古い考えだったのは、お前もドラマや映画で知ってんだろ?ところが、アメリカ軍が自動小銃やらサブマシンガンで撃ちまくるから、大慌てで、小銃の自動化に反対した上の連中が左遷されまくった。その結果、この遠征はアメリカ軍のうち、日本に味方して、日本側についた勢力が主力になったわけだ」

 

扶桑陸軍は結局、日本側の政治的都合で高官の世代交代が促進され始めたが、歩兵装備の刷新は需要にまったく追いつかないという状況であり、ナチス・ドイツの生き残りとは、まともに戦える状態ではないことが言及された。太平洋戦争が長期化しているのも、『日本が要求する機械化/近代化の水準が21世紀現在の基準だから』が一因である。扶桑がしびれを切らし、人型機動兵器で攻勢に出ようとしているのも無理からぬ状況だった。日本は『短期決戦をするからには、莫大な出血を敵に強い、敵の重要地帯を灰燼に帰す必要がある』と考えていた。扶桑が『反応弾』や『波動砲』での無制限報復を検討しているのを黙認しているのは、『アメリカの工業力では、戦略爆撃機を使って爆撃したところで、長期的な効果は僅かである』ことをよく知っているからで、公にしないのは、左派が反戦運動を扶桑で起こし、扶桑にいらぬ混乱を起こすのを警戒したからである。(結局、波動砲では地殻を貫いてしまうというのが懸念されたため、核兵器の発展形であり、最新のものは対消滅反応を用いる兵器へ世代交代している『反応弾』(最初期のものは『旧来の核兵器を改良し、宇宙空間での威力を向上させたもの』であるので、根本的に原理が異なる兵器に革新したが、単語は慣例で使われている)が選定されていたりする。1949年の時点で、リトル・ボーイとファットマンが実戦で使用される事は想定内であったのだ。

 

 

「シャーリーさん~ごはんですよ~」

 

「お。サンキュー、ドラえもん。畑のレストランか」

 

「持ち運べるしね、これ。のぞみちゃんもどうぞ」

 

「あのさ、これ……ぶっといダイコンにしか」

 

「このダイコンには秘密があってな。上半分をパカって開けるようにしてみろ」

 

「こう……?え~!?中にハンバーガーとフライド・ポテトが!?ど、どういう原理ぃ!?」

 

畑のレストランは64Fが遠征に加わる場合の常備食として、すっかり定着している。元々はドラえもんの時代の日本が将来の食料品不足に備えて作ったものだが、統合戦争時に技術が失われている。地球連邦も食料不足の解消のために何回か復活させようとしたが、最近の試みのものは、デラーズ紛争時に試験用の農業プラントが穀倉地帯ごと吹き飛ばされている。ジオン共和国が解体でジオンの戦乱の責任を取ったのは、そのあたりの責任を取るためでもある。ジオン関係者はネオ・ジオンの解体後、『こんなすごい技術があったのなら、なんで開放……。え、統合戦争で?デラーズ紛争で試験プラントがぶっ飛んだ……はい……すみません』と謝罪している。ジオン系のスペースノイドは統合戦争以前の時代の超技術の復活を『怠惰』と断ずる層と、『我々は旧・反統合同盟の過ちを繰り返した』とし、人類全体の技術回復に寄与しようとする層での抗争が絶えず、シャアは後者の派閥に与していた。そのため、シャアは配下に独自に研究させていた分野の技術をアナハイム・エレクトロニクスに流すなどの行為をしていたことが評価され、『表向きは投獄されている』ということで司法取引を行い、『クワトロ・バジーナ』、あるいは『エドワウ・マス』として生きることになった。二度の動乱を起こした人物に司法取引を持ちかける事は賛否両論があったが、『銃殺にする』ことで史実のマフティー・ナビーユ・エリンのような過激なテロリスト集団が勃興する事が懸念されたためで、シャアはサイド3の移民船団化を見届ける一方で『クワトロ・バジーナ』と『エドワウ・マス』の二名義を用い、グリプス戦役以来の地球連邦軍に復帰。『監視を兼ねて』だが、ロンド・ベルに配属。もちろん、『暗黙の了解』でかつての愛機の後継機『フルアーマー百式改』に搭乗している。

 

「ぼくの道具は君等の常識じゃ測れないものが多いさ。神の権能よりも効力が上の物さえあるからね。それと、君、向こうの君がプリキュアになってる状態の時に、普段の格好でいれば『別人』だっていう証拠になるから、ビクビクしないで、いいんじゃないかい?」

 

「お~~!!その手があったかー!!」

 

「そりゃそうだ。こっちのお前は変身してるから、お前が制服でいるとこを見られれば、『別人』だって言えるかんな。ドラえもん、こっちののぞみの普段を見せてやれ」

 

「あいよ」

 

ドラえもんはタブレットでのぞみBにキュアドリームA(のぞみA)の普段の生活を見せる。変身した姿で過ごす事が多くなったが、広報業務も多くなったために『広告塔』にされているところもある。咲に次ぐナンバー2に相応しいだけの働きをしているのは事実だが、学生時代と大差ないところも残っている。

 

「変身したまんまなのは、なんで?」

 

「修行だよ。変身すると、少なからず興奮状態になる事が科学的分析で判明してな。体を変身状態に慣れさせることで、平常心で戦えるようにする。要は昔に流行ったバトル漫画で見たような理論だ」

 

ハンバーガーを食べながら、解説するキュアメロディ。自身もその理論を『漫画かよ』と言ったものの、やってみた結果、変身していることでかかっていた『見えない体への負担』を無くし、変身した状態を常に維持可能となっている。また、パートナー不在でも変身が可能になっているというのが、彼女にとっての最大の利点だ。現役時代は南野奏がいなければ、変身が不可解だったからだ。

 

「だけどさ、メロディ。前はリズム……奏ちゃんがいないと…」

 

「転生した時に、変身する仕組みがパワーアップか、グレードアップしたんだろう。気がついたら、ピンで変身できるようになってたしな。それと、面白いことに、敵は戦いが外にばれないように、映画撮影を装ってる。こっちもそれに乗るようにしてる。敵味方で利害が一致したって奴だ」

 

「なんで、そんな事を?」

 

「敵は残党だ。母体になる国なんて、とっくの昔に滅んでる。その生き残りも普通に天に召されてる時代だから、敵も知恵を絞ってきたんだ。こいつらを使うような事はないことを願いたいけどな」

 

「こんなすごいの、どこから」

 

「ドラえもんの世界の23世紀からだ。こっちのお前は操縦できるぞ」

 

「ほ、本当に!?」

 

「転生先の肉体がパイロットとして鍛えられてたからな。ただし、ガンダム系とかはともかく、ゲッターで戦闘するには、変身してる事が大前提だけど」

 

「なんで?」

 

「スーパーロボットは他の機動兵器の比じゃない負荷が体にかかるんだ。並のパイロットじゃ、負荷で潰される。とびっきり優秀か、とんでもないバカか。それがスーパーロボットのパイロットの条件だ」

 

ゲッターロボは初代の時点でも、並のパイロットでは迅速な合体は困難であった。G以降は戦闘用に設計され、製造されてきているが、操縦性は改善されたが、体にかかる負荷はより増大していった。そのため、操縦性と引き換えに、機体性能をかなり低下させた廉価生産機の製造が用意されている。ゲッターロボはそんな存在なのだ。

 

「それがゲッターロボなの?」

 

「ああ。マジンガーのほうがまだ、ユーザーフレンドリーな機械だが、ゲッターはある一定の水準(ゲッターロボG)を超えるとな、完全に人外な体とメンタルが必要になる。ゲッタードラゴン……ゲッターロボGはそのギリギリセーフな線の限界だ」

 

俗に言う、真ゲッターロボ以上のゲッターロボは『鋼のメンタルと人外魔境級の肉体』が恒常的な搭乗に必要な絶対条件なので、『ゲッターロボGの性能』が『訓練を積んだ常人の扱える限界』である。そして、正式な初代チームと二代目チームのみが真ゲッターロボを扱えるという。

 

「その領域を超えたってこと?」

 

「極一部のプリキュアはな」

 

自分を含めた一部のプリキュアは真ゲッターロボに比肩する性能を持つゲッターロボの搭乗訓練中であることも示唆するキュアメロディ。

 

「おっそろしい」

 

「おめー自身、のってんだぞ?」

 

「そんなの言われてもなぁ」

 

「キュアフローラなんて、正式にガンダムパイロットだぞ」

 

「えーーーー!?」」

 

「Gアルケイン・フルドレス。あいつが乗り始めたガンダムの写真だ」

 

なんとなく細身で、女性的と取れるフォルムのガンダムタイプがそこには写っていた。Gアルケイン。のび太が子孫に命じ、アナハイム・エレクトロニクスに建造させた新型のガンダムタイプである。のび太はキュアフローラ/春野はるかの前世が誰であるかの察しはついていたのか、予てから用意していた。はるか自身も『なんとなくだけど、しっくりくる』と述べており、パイロット適性がある事が判明している。

 

「のび太くんが子孫の子に命じて、キュアフローラに与えたんだ。小洒落が効いてると思ったね」

 

「は、はるかちゃん、実家は和菓子屋だったよね!?」

 

「のび太くんはその更に前、つまり、前前世に関係があるって睨んでる」

 

「それは、あたしも似たようなもんだけどな。顔に『お弁当』つけてんぞ?」

 

「だ、だってぇ…」

 

キュアメロディはのぞみBの顔についたフライドポテトのソースを、ドラえもんから渡されたナプキンで拭いてやる。手慣れているのは、ルッキーニのおかげだ。

 

「お前らはドラえもんの道具を使って戦え。力に大きな差があるからな」

 

「でも、もっとマシなのないの?ショックガンと空気砲じゃ、『非力』だよぉ」

 

さすがに、のぞみBでも『ショックガン』と『空気砲』が本格的な戦闘では力不足だとわかっているので、不安を口にする。

 

「もっとすごいのはいくらでもあるけど、威力がありすぎるのもあるのさ。下手したら、鉄筋コンクリートの高層ビルを一瞬で蒸発させられる熱線銃はあるけど、市街地で使うには危なすぎる。敵は戦闘用サイボーグだけど、戦車砲や榴弾砲級の威力の武器はやたらめったに撃つもんじゃない。それに一応は改造してあるよ。あれはキッドが得意としてるしさ」

 

ドラえもんの将来の義弟かもしれない、親友のドラ・ザ・キッドは空気砲とショックガンの名手である。その彼の使用している『暴徒鎮圧用モデル』(空気砲の最新生産型で、タイムパトロールが採用していたもの。ドラえもんのものと違い、フロントサイト付きのデザインで銀入りの塗装)をもとにドラえもんが戦闘用にカスタマイズした特別仕様。(未来デパートで市販された記録のある『ハイパー空気砲』と異なる進化と言える)最大出力では旧ドイツ軍の誇った88ミリ高射砲/戦車砲(アハト・アハト)に匹敵する威力という。

 

「今回はカスタマイズしてあるから、最大出力だと、ドイツ軍の高射砲くらいの力は出るはず。衝撃で相手を行動不能にできるよ。仮面ライダーには効かないけどね」

 

空気砲の特性上、風をメカニズムの動力の一つとする仮面ライダーには効かないが、それ以外の相手には痛打となると太鼓判を押すドラえもん。88ミリ砲と同程度の威力という点に、のぞみBはピンと来なかったが、歴史とミリタリーを多少なりとも噛んでいればわかる。『高射砲くらいの力』という事がどういう意味であるか。ドイツ軍の高射砲というのがどういうものか。

 

「なんか、ピンとこないなぁ」

 

「君には縁遠い話だからね、ミリタリーって」

 

「言えてるな、お前は教職志望だったしな。こっちののぞみが次元世界全体じゃイレギュラーだもんな」

 

のぞみBはこんな感じだが、Aが軍の将校であり、そこそこえらい地位にある事はわかっていた。とは言え、理髪師の母、絵本作家の父を持ち、自身も教師志望である彼女にとって、ミリタリー分野は遠い世界の出来事のように感じられ、そういったものに興味もなかったため、『ピンとこない』と明確に述べた。ドラえもんとキュアメロディも納得という感じに頷いた。Aが数いる『夢原のぞみ』の中でも、とびっきりにイレギュラーな環境(正規軍人/職業軍人)に身を置いているのがわかる。畑のレストランの大根型の容器を片手に語らう三人であった。

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