――オグリキャップは引退直前の時期には往時の脚力を失っていた。アイドルウマ娘となったことでの過剰な取材攻勢、新人時代からのトレーナーであった『北原穣』がオグリの引退とともに協会から身を退く事を告げた事での精神不安定化、戦友のタマモクロスの早期の引退で『燃え尽きてしまった』事が衰えの要因であった。だが、タマモクロスの叱咤、北原の有終の美を飾らせたいという想いで、オグリは往時の走りを有馬の直前で取り戻し、あのラストランとなった。ルドルフでさえ、海外遠征では怪我もあって惨敗に終わり、そのまま惨めに帰国、そのまま引退式であったため、ラストでその直前の悪評を蹴散らし、大歓声と共にターフを去る事ができたのは、極めて稀なケースである――
『オグリキャップ、わずかにゴールドシップを抜きました!!これぞオグリ!!オグリキャップであります!!』
オグリは昔年のような走りを見せ、まさにキャリアの全盛期に入っていたはずのゴールドシップをも抜き去る。スタミナは尽きていたはずだが、気力で抜き去ったと言える。そして……。
『一着、オグリキャップゥゥゥ――ッ!!昔年の有馬記念を彷彿とさせる走りでしたぁ!』
一着はオグリキャップであった。僅かな差であったが。オグリキャップの現役時代より、周りのレベルが遥かに上った事、オグリキャップが既に引退してから年月が経ち、能力値そのものは全盛期より衰えていたことを考えれば、大金星であった。最後の『粘り』もオグリキャップの現役時代の持ち味であり、第一線で戦える力を維持していた証であった。
「は、ハハ……勝った……勝ったよ……キタハラ……」
自分の引退で職を退いたパートナーの事を零す。引退後なので非公式だが、オグリキャップの伝説に新たな一ページが刻まれたわけだ。対照的にシンボリルドルフは久方ぶりの敗戦も同然の有様であり、悔しさを顕にし、感情的になるなど、みっともないところを晒してしまった。
「会長……」
「マックイーン、頼むから……何も言わんでくれ……」
肩を借りているマックイーンにそういうのが精一杯のルドルフ。必死に感情を制御しようとしているが、やはり、ウマ娘の原初の感情である闘争心は御しがたく、悔しさを隠しきれていないのがわかる。ルドルフは大きく息をついており、一般人よりは上位だが、ウマ娘としては屈辱もいいところであった。これ以後、シンボリルドルフは体を鍛え直していき、措置を受けるまでには全盛期に近い状態にまで仕上げていく。(また、措置により、低下気味であった視力も回復するため、眼鏡の度は外したという)
「血統と誇りを継ぐ帝王を育てろという、神からの啓示かもしれんな…。だが、あいつはまだ若い。トウショウ会長が私にしたように、まだ席は譲らんつもりだ…」
「会長、まさか」
「帰ったら、テイオーを次期会長に指名する。私も学園を長いこと守ってきたが、そろそろ世代交代を本気で考えなくてはいかんな…もう皇帝の名は返上すべきだな」
「エアグルーヴ先輩が聞いたら、気が動転しますわ。後継の指名ということの意味は……」
「歴代の生徒会長は後継を指名するタイミングは早かった。私は遅いくらいだぞ、マックイーン」
腹を決めたルドルフ。テイオーに次期生徒会長を託すのだと。ただ、テイオーは三冠ウマ娘になれなかったため、もっと実績のあるウマ娘を推す声が生ずるのは間違いない。とは言え、ルドルフ級の実績を持つ者は現世代には殆どいない。ナリタブライアンも怪我で成績が下降した時期があるため、ルドルフを超えられなかったように。
「どうすればいい、マックイーン」
「テイオーにもう数年、トゥインクルシリーズに残留してもらって、古馬三冠を取らせるしかありませんわ、会長。幸い、テイオーは根治しているし、私も副会長候補に名乗りをあげます」
「すまない…」
ルドルフはこの時、マックイーンに予てからの構想を打ち明け、自身の卒業を見込んで、テイオーには大人になってもらいたいのだという気持ちを吐露した。ルドルフを心配して、様子を見にきたテイオーにルドルフはそのまま、単刀直入に伝えた。当然、テイオーは取り乱す。
「なんで……一回、オグリに負けただけじゃん!どうしてそんなこと…!」
「よく聞け!これは私が会長として、お前にしてやれる、せめてのことだ!」
「でも!納得できないよ!!」
「お前には私に代わって、トレセンの柱になってもらいたいのだ!エアグルーヴがなんと言おうと!」
エアグルーヴが聞けば猛反対だろうが、テイオーが別世界では、自分の実子である事を知った事も、決断の理由なのだと。
「三冠が取れなかったのなら、古馬三冠が残っている!それで反対論をねじ伏せろ!かつての私がシービーを押しのけて、生徒会長に選ばれたように!」
ルドルフはトウショウボーイの縁戚にあたり、先に三冠ウマ娘になっていたミスターシービーを超えることで反対論をねじ伏せた。それと同じことをテイオーにしろと述べる。
「すぐじゃ無い、それまでに伝える事が沢山ある、だから今、ここで伝えたんだ!!帝王を名乗るなら、皇帝のやり方を学べ、全てを伝えてやる!!」
「わっかんないよ!ボクはカイチョーみたいになれなかったんだよ!?それに、ボクの世代には『適任』が他にもいるはずだよ!」
「……スペシャルウィークやエルコンドルパサーに務まると思うか?」
「そ、それは……」
「皇帝の系譜として、テイオーの名をお前なら残せると信じた、だからついてこい、そして追い越せ!!お前が別の世界で大成した子孫をそれほどは残せなかったのは知っている!私のようになれなかったのが怖いのなら、運命を超えろ、因果をねじ伏せろ!!」
トウカイテイオーの子供たちは無事に後継の種牡馬となれた者もいるが、祖父・父ほどは大成せずに終わった。競走馬としては三頭(トウカイポイント、ストロングブラッド、ヤマニンシュクル)がG1レースを制覇できた以外はそれほどの実績は残せずに終わった。そのことを知ったため、皇帝の後継に相応しくないとするテイオーだが、ルドルフは発破をかける。(ちなみに、クワイトファインがトウカイテイオー後継の直系種牡馬として、2020年時点でも現役である。なお、メジロマックイーン直系の子孫も『ギンザグリングラス』が2020年でも存命しているので、血統は一応、存続しているのは言うまでもない)
「頼む…。私のわがままだと思ってくれていい。エアグルーヴが聞けば、私を無思慮と批判するだろう。生徒会長の座は当代最強のウマ娘の指定席のような扱いだったからな」
「そんな事言われても……!ボクは『不肖の息子』なんだよ…?カイチョー!!」
「……構わんさ。『親』としてしてやれる精一杯の事だと思ってくれ。お前は一人じゃない。かつての私と違ってな」
「カイチョー……」
「直接の子で無くても、魂を受け継ぐ人やウマ娘が居れば良い。その為に我が身を磨き上げるんだ。私はトウショウ会長の背中を追ったために、幼馴染とも疎遠になり、聞こえはいいが、マルゼンが支えてくれなくれば……私はとっくに失脚している」
幼名の『ルナ』で呼ばれていた少女期の頃、親に連れられて見たトウショウボーイ、テンポイント、グリーングラスの勇姿。テイオーが自分の前でしたように、ルドルフも三人の前で『強くて、かっこいいウマ娘になる!!』と宣言した事を思い出すルドルフ。
「今から磨きをかければ、古馬戦線で最前線を突っ走れる、お前を信じた私を信じろ!私が信じたお前を信じろ!!」
ルドルフはかつて、トウショウボーイが学園を去る時、彼女に言われた言葉をアレンジして決めた。ハイセイコー時代からの伝統らしい。彼女で通算、三世代目。ハイセイコーがトウショウボーイに学園を託す時に伝えられ、それをトウショウボーイが継承し、ルドルフはその儀式をテイオーにしたのだ。
「せっかく決めたとこでわりーんだけど、会長さん。今の、TVで流れてるんだけど」
「何ィィィィ――ッ!?」
「今頃、ブライアンとマルゼンさんが泡吹いて、ひっくり返ってるぞ?たぶんだけど」
ゴールドシップが気まずそうに言う。その通りに野比家では。
『こ、こ、こ、これはどういうことだ、ブライアン!!』
「こっちが聞きたい!!」
電話でエアグルーヴとナリタブライアンが怒鳴りあっていた。一連の過程はTV中継されていたわけで、マルゼンスキーも『ルドルフちゃん、本気なの…』と固まってしまっていた。
『あの儀式は先々代の頃からの会長職の継承儀式なのだ!それを何故、何故、なぜ!!テイオーに!?なぜだぁぁ――ッ!』
「……知るか!!帰ったら、併せで軽く勝負してみたらどうだ?テイオーに勝てたら意見を聞くが?」
『……いいだろう。会長の真意を問い質す前に、この女帝・エアグルーヴが、テイオーの奴が生徒会長に相応しいか、しかと見極めてくれる!!』
「その手の台詞は、大抵の場合は『噛ませキャラ』の言うことだぞ?」
『ええい、茶化すな!』
エアグルーヴはいきなりの事態に混乱中。ブライアンも内心では、姉のビワハヤヒデの心をへし折ったテイオーに勝負を挑みたい気持ちが燃えている。とは言え、生徒会の地位には興味がないので、エアグルーヴの前では、同じ副会長の地位にいるせいもあり、ぶっきらぼうである。
『たわけ!副会長としての自覚を持て!』
「知るか、ボケ!!」
完全に子供の喧嘩である。
「るっさい!!眠れやしないじゃん!!」
「あ、スマン。起こしたか」
寝間着姿のナリタタイシンがぶーたれる。
「副会長、状況は聞こえてたけど、帰ってからにしてよ。これじゃ、療養にならないって…」
『す、すまん。熱くなりすぎたようだ…』
「チャンネル変えてよ、ブライアン。うっさい」
「すまんな。エアグルーヴ……」
『すまん、ナリタタイシン…。療養しているとは聞いていたが…』
「あんたもなんか、声に張りがないけど?」
『先代会長への申し送りが多すぎてな。実は理事長の独断だったようでな…』
先代たちが代理になったため、エアグルーヴは精神的に疲労困憊であった。トウショウボーイには『小娘』、気性の荒いテンポイントには『ガキ』と呼ばれ、こき使われているからだ。ちなみにグリーングラスが癒やし枠だが、大器晩成型であった故の落ち着きであり、ルドルフを公然とちゃんづけで呼べ、かつては『トレセン学園の母性枠』と言われた。先代副会長は彼女である。
「グルーヴちゃん~。そろそろ生徒会よ~」
「そ、その声はグリーン先輩!?」
「久しぶりね、マルゼンちゃん」
スーパークリークに似た雰囲気の優しげな声のウマ娘の声が聞こえてきた。マルゼンスキーはその声に神速のように反応し、ソファーから飛び起きて、直立不動になる。トレセン学園の最古参であるマルゼンスキーが直立不動になる事の意味を悟った留守番組は青ざめる。
「お久しぶりです、グリーン先輩!!」
マルゼンスキーはカチコチになる。当然だが、マルゼンスキーの直接の先輩が『TTG世代』の面々であるためだ。マルゼンスキーは当時の規則の都合で彼女らと戦えていないが、それ以外の場では『先輩後輩関係』にはあったため、頭が上がらない。
「元気でやってる?」
「は、はい!」
「相変わらずね、私達の前でカチコチになるの★」
「先輩の前ですから、当然です!」
普段は死語連発の一昔前のギャルのようなマルゼンスキーも、自分の先輩の前ではかしこまる。その姿に呆然となる現役組。スーパークリークが後を継いだとされる『母性枠』。その魁とされるグリーングラスの優しげな声は、ある種のトレセン学園における『年功序列』の現実を突きつけていた。
――TVのチャンネルはニュースになるが、ニュースは政治ニュースであった。日本連邦が軍事的に台頭しだした2020年代。日本は原子力空母や原子力潜水艦を持てないため、戦争抑止力を扶桑の保有する大和型戦艦の系譜に頼るようになった。近代化改修がなされつつも、第二次世界大戦型軍艦の重厚なデザインはそのままの改大和型戦艦は特に人気であった。横須賀に一隻が配置されているが、それは日本派遣艦隊の旗艦である。大和型戦艦は改造で史実より大型化されているのと、大和型戦艦の寄港を嫌がるところもあったため、かつての軍港でもある港を母港とするのが最善とされた。とは言え、自衛隊の艦艇やアメリカ軍の艦艇でほぼ満杯であることから、比較的にスペースに余裕がある横須賀がひとまず引き受けることになった。2000年代半ばの頃に調が調べたのは、『改良された大和型戦艦が停泊できるのか』というところだ。大和型戦艦はM動乱で弱点をさらけ出した後、ダイ・アナザー・デイまでに『作り直し』に等しい改修を受けたり、改良後の設計で建造された。そのため、(表向きだが)性能は21世紀の現用艦艇の水準に充分に到達している。ミサイルは愚か、レーザーも装備し、肝心の主砲も、21世紀にとってはブラックボックスである『レーダー連動追尾射撃』で21世紀初期の艦艇に匹敵する命中精度で、威力も破格。(長砲身砲を搭載しているため)日本連邦は対艦戦闘でその実効性を立証している。アメリカが当時の設計図から『モンタナ級戦艦』を試験艦と称して建造したのも、日本連邦の戦艦群に政治的に対抗するためで、主砲周りの資材は自由リベリオンの提供である。これは21世紀の状況では、戦艦の砲は製造が不可能に近いからである。――
「極端すぎない?」
「さっきよりは聞き流せるだろう?」
TVでは、日本派遣艦隊の旗艦が交代し、大和型戦艦が入れ違いになる様子が中継されている。ナリタタイシンとナリタブライアンのやり取りの通り、聞き流すには最適であった。とは言え、メディア関係者にとっては格好のネタである上、近代化された大和型戦艦が入れ違いになるという光景はすごい価値のある映像だ。TV中継では、近代化された大和型戦艦の勇姿がこれでもかと大写しになる。並み居る現代艦艇が小舟に見える大きさ、健在である46cm砲と上部構造物が織りなす重厚さ。扶桑が大金をかけて、徹底的に近代化した事がわかる。副砲は撤去されていたり、高角砲がヤマト基準のパルスレーザーやファランクスに置き換えられていたり、VLSも備えられている。また、通常の大和型では、水偵はヘリコプターに更新しているが、武蔵のみは第三主砲も取っ払い、航空艤装が強化されている。艦載機もコア・ファイターになっており、航空戦艦の運用を模索しているのがわかる。
『武蔵ですが、後部主砲がないですね」
『航空戦艦にしたのでしょう。飛行甲板が延長されていますでしょう?』
この時期に日本派遣艦隊に回されたのは武蔵である。航空戦艦としての慣熟のために『平和な世界での航海』が必要になったからだ。航空戦艦は宇宙戦争の時代では普遍化したカテゴリだが、21世紀では『大戦期の日本軍の資材不足で生まれし奇異な船』扱いでしかない。艦載機はVFが6機、コア・ファイターが12機(内、二機は予備機)であり、23世紀の記録によれば、この武蔵こそが最初期の『機動戦艦』とされる。かつてのアメリカ軍も80年代に模索したとされるプランだが、ジェット時代では小型に分類されるコア・ファイターの登場でようやく実現した。
『コア・ファイターとバルキリーを積んでいるようですね』
『我々の技術では、武蔵のサイズで運用可能な戦闘機は殆どありませんからね。賢明な判断ですな』
コア・ファイターは小さいが、熱核反応炉搭載機であるので、垂直離着陸が可能。21世紀基準では『小型高性能機』である。通商破壊作戦に投入予定であったが、錬成のため、日本派遣艦隊に回されたわけだ。そして、艦隊を組む予定だった雲龍型の現役維持に疑義が呈されたため、宙に浮いてしまったからだ。また、蒼龍と飛龍の改装がようやく終わり、第一航空艦隊の『第一機動艦隊』ということで、蒼龍~大鳳までの五隻が集中運用されることになった関係だ。エセックス~フォレスタルの飛躍的大型化で、日本式空母そのものが陳腐化してしまったため、既存大型空母の集中運用で対抗するしかなかったからだ。フォレスタル級はそれほどの効果があったからだ。雲龍型はダイ・アナザー・デイ後に他用途転用が進められたが、限界もあったため、新規に強襲揚陸艦を作るしかなかった。それは太平洋戦争の長期化に繋がっている。また、蒼龍と飛龍の寸法が史実より大きいことで混乱が起こり、更にウィッチによる破壊工作も行われたため、ウィッチの空母からの排除が却って急速に進んだ。第二世代理論の普及がウィッチ側から催促されるようになったのは、軍内で『通常ウィッチはいらなくないか?』という空気が真に世間で醸成されてきているのを恐れたためで、1949年を境に、嘘のように、Gウィッチへの迫害や偏見は消えていく。超人的な力を得た者の威を借りることでしか、ウィッチに生じてしまった『蔑視』の目は払拭する事はできなかったからだ――
――ナリタブライアンはマルゼンスキーに電話を渡し、自身は野比家の室内に設置されているエレベーターに興味が湧いた。しずかが仕事のために書き記していたメモの通りに暗証番号を入力すると、作動した。寝間着姿のナリタタイシンも気になったのか、ついてきた。
「お前……」
「このエレベーターが気になったの?」
「まぁな。姉貴なら調べるだろうしな」
好奇心もあったのか、二人は数分ほどエレベーターに乗る。地下四階ほどの深さまで下り、地下室に入る。そこは一種の武器・兵器庫兼のび太の道楽の車庫であった。
「ちょっと、これ……」
「テイオーが言っていた。このマンションの管理人はある種の特殊な財団法人だと。私達には関わりはないだろうがな」
ブライアンは地下室に置かれている銃器や車を一瞥し、そう漏らす。そういったものには興味はあまりないからだ。だが、彼女らが進んだその先には。
「これは……!」
若干、口角が緩むナリタブライアン。そこには量産検討機として制作された『量産型ゲッタードラゴン』が合体状態で置かれていた。
「ゲッターロボGじゃん!?それもOVAに出てくる量産型だ、これーーー!?」
ナリタタイシンも驚くが、ウマ娘の世界でもゲッターロボシリーズはアニメとして存在していたらしい。関係者用に設置されている解説文によれば、『戦闘用の量産型ゲッターロボの開発のために検討されたものの一つ』とされている。つまり、実際に量産される『ゲッターロボD2』は量産型ゲッターロボGを更にマイルドにして生産されていくのだ。つまり、当初はゲッターロボGを『そのまま』量産する事が検討されていたのである。メタ的には、ゲッターロボGは『常人には扱えないものの、訓練を受けた人員であれば機械的に制御できる』ある種の限界点であるため、後年の戦闘用ゲッターロボの開発の際の性能指標にされているのがわかる。
「お前、見てたものな。衛星放送で」
「んなっ…!なんで知ってんのよ!?」
「ガキの頃、おふくろがそう言っていたからな。おもちゃ買ってやったと言っていたぞ?」
ナリタタイシンとナリタブライアンは縁戚関係にある。そのため、ビワハヤヒデ以上にお互いを知っている節がある。
「ある時に、お前がお年玉でフィギュアを買っていたのも、おふくろから聞いているからな」
「嘘!?あ~~もーーー!!」
赤面するナリタタイシン。自身が体が弱いのを気にしていた故か、スーパーロボットに『憧れていた』らしい。ゲッターロボGの細かな違いを指摘できるくらいには外観を知っている。
「でも、このカラーリングは好きじゃないんだよね。劇中だと悪役だし、馬鹿みたいに出てきて、すぐにゲッター真ドラゴンになっちゃうし」
ゲッターロボGは量産型では各形態のカラーリングが簡略化されている。量産化のための簡略化の一環であろうが、三下感があるので好きではないらしい。
「……重要か?それ」
「重要だっての!胴体が青で、パンツが黄色なのが本当は正しいんだって!」
呆れるナリタブライアンと、好きなスーパーロボットに関する事はいつになく熱弁を振るうナリタタイシンであった。