ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第二百五十四話「遠征の一コマ 3」

―64Fの人員が異常に豪華な事には批判があったが、日本側は『どうせ、最後は特攻で突っ込ませるんだろ』と、人事案に反対した参謀らを精神的に追い込んで潰す事も辞さなかった。時には海軍精神注入棒によるリンチも起こった。結局、大西瀧治郎は特攻を理由に、閑職で飼い殺しとなり、参謀の多くが心療科行きになった弊害で、ダイ・アナザー・デイでは深刻な参謀不足に陥らせた。一部からは『太平洋戦争の旧軍人は参謀に就かせるな』という過激論さえ存在していた。結局、『士官の連中は温室にこもるな』という太平洋戦争で兵士~下士官だった層からの批判もあり、64Fの人員は個人の戦闘能力がとかく重視されたわけだ―

 

 

 

 

 

――ダイ・アナザー・デイは結局、64Fが地球連邦軍や自衛隊、米軍、英軍の力を借りて、欧州全体を守ったわけである。一部隊にそこまでの激務を負わせたことで、ウィッチ部隊は任務放棄の責任を問われ、1946年までに多くが解体の憂き目にあった。クーデターはその事への抗議もあったのだが、太平洋戦争を控えていた日本連邦は断固たる措置で対応した。結果、ウィッチ部隊は自然淘汰され、各世代の主だったエースは64Fに集約された。純軍事学的には間違っていおうが、有能な人材の保全という意味合いが強かった。23世紀でも『民間軍事会社への優秀な人材の流出』は問題視されていたため、64Fは『好きに生活させる代わりに、必ず成果を上げろ』という論理で前線に置かれていた――

 

 

 

 

――ウルトラホークの組み立てが進む中、震電改二を主力とする旧・302空が援軍にやってきた。小園安名少将は史実で空母全廃論を唱え、終戦時に反乱を起こしたことを理由に『懲戒免職処分』も検討されていたが、ウィッチ世界では、防空網構築を海軍で真面目に研究していた数少ない人材である事、カールスラントでのクーデター事件で『起こっていない事で、一方的に罪人として裁かれる』ことへの反発が根強い事などが判明したため、彼は罷免をすんでのところで免れた。64Fを自分の後ろ盾としたと揶揄されたが、彼は海軍航空隊では希少な『防衛戦略』への造詣が深い人間であることには変わりはない。彼曰く、『空母全廃論は複葉機の時代だった1930年代前半の頃に唱えていたのであって、これ(超大型空母とジェット戦闘機)を見れば、空母の有効性に疑う余地はないよ』と事実上の前言撤回をしている。この種の前言撤回は軍人達にはままあり、フーベルタ・フォン・ボニンも『イキってた若い頃の発言を後から持ち出して、もぐら叩きのように叩くのが、日本人のやることか?』と愚痴っている。彼女は前世が『マリーダ・クルス』だった影響もあるのか、服装にますます無頓着になり、式典の時以外は正式な軍服は着ず、普段は片目に眼帯をしたメイド服姿で通している。前世が強化人間であった影響か、身体能力は覚醒以前の倍以上で、攻撃への反応速度もニュータイプ級に飛躍している――

 

 

「302空の派遣手続きですが、私が手を回しました」

 

「ご苦労」

 

フーベルタはカールスラント勢でほぼ唯一、遠征に関わっている。前世がジオンの強化人間だった故に、MSに乗れるからだ。本人は若き日のインタビューが原因で、『軍の階級による普通の上下関係を軽視している』、『撃墜数が測れない時代のパイロットを侮辱している!』と猛批判(21世紀以降で言えば、『ネットの炎上』に相当する)を浴び、記者会見での謝罪に追い込まれている。不運にも、コンドル軍団出身者であったため、ドイツ主導での『懲罰的な名誉剥奪』も検討されたが、本人は先手を打ち、予備役編入(当時は中佐)をし、日本連邦に移住している。元・503副司令であるので『出身地で人物の見定めを誤るようなカールスラント至上主義ではない』のだが、コンドル軍団の出身者であるので、ドイツ領邦連邦で冷や飯を食わされる可能性は確定しており、炎上騒ぎが起こった頃には、日本連邦に移住済みである。505司令のグレーテ・ゴロプ大佐がバダンに内通していた事から、統合戦闘航空団の枠組みそのものがA世界では疑問視されて『形骸化』に向かったため、64Fがその事実上の代替と見做されていた。魔弾隊を含めれば、国際色豊かであった表れである。彼女のような将校の移住者も多いため、カールスラント空軍は事実上、骨抜き状態に陥っていた。ガランドが引退時に『自分に従うトップエースを、まとめて日本連邦へ移住させた』からだ。予備役制度の盲点を突いた一手だった。

 

「フーベルタ。君は連邦系のMSは乗れるのか?」

 

「アナハイムが造る時代では、連邦もジオンもありませんよ、閣下」

 

MSの操縦はアナハイムがリニアシートなどの製造を担う時代には、操縦方法が統一されている。それに、ガンダムタイプに乗った経験もあるにはある。

 

「前世でバンシィに乗った経験があるので、ガンダムタイプも動かせます」

 

「よし、センチュリーを正式に任す。アナハイムの中型MSだが、クラスターガンダムレベルの火力はあるだろう」

 

「ハッ」

 

センチュリーガンダム。ネオガンダムの後継機種だが、完成が遅れた事もあり、機体性能的には全ガンダムタイプ中の『中の上』レベルと見積もられていた。とは言え、通常のジェネレータながら、バスターランチャーをドライブ可能な余裕があるため、火力面では上位であろう。

 

「私はこいつを使う必要があるからな」

 

「ゲッターロボですか」

 

「私の記憶を元に再現した『ゲッターノワール』。この三体が合体し、ノワールGになる。30世紀から資材を回してもらって造ったから、合体した時の性能はゲッターアーク以上の水準だ」

 

ゲッターロボの量産も進められているが、最終的に認可された『D2』は機体スペックをかなり落としている。(初代ゲッターロボよりはわずかにマシだが)まともに扱えるパイロットがいないのが実情だからで、プリキュア達に更に耐G訓練を高度に課すことで頭数を揃えるが、機動兵器のパイロット適性とゲッター線への親和性のバランスが問題であり、更に数は限られる。キュアドリームはマジンガーZEROと融合したため、マジンガーと相互に進化し合う関係にあるゲッターロボにも乗れるので、極めて稀な『スーパーロボットとリアルロボの双方を扱える』人間となっている。

 

 

「しかし、君の国は気の毒な事になったな」

 

「ナチスや東独の出現を防止するためという大義名分のもと、東独出身者、あるいはナチスにいた記録のある人間をとにかく公職から追放しようとしましたからね。自業自得です。私は未練はありませんが、バルクホルンやエーリカは可哀想で」

 

エーリカとバルクホルンも戦前からの空軍将校というだけで、公職追放の候補リストに載ったという。(幸運にも、二人は同位体が戦後は西ドイツ空軍の要職にあったため、リストから早期に外された)

 

「二人も愛想が尽きたみたいだから、今後は日本連邦空軍で過ごすと公言しているからな。ドイツ連邦(ここで言うドイツ連邦はドイツ連邦共和国でなく、カールスラントとの連邦を指す)も軍部の不満解消に四苦八苦している。内乱でNATOに醜態を晒して、カールスラントは事実上の軍政だしな」

 

「私はコンドル軍団の経験者というだけで、名誉剥奪の有力候補ですからね。不満たまりますよ。コンドル軍団経験者はほとんどが佐官級に上がっていたんですから。恩給も出ない上、メルダース隊長のように、寝てる間に全名誉の剥奪なんて、御免被ります」

 

「ゲルニカ爆撃が起こってないとわかったから、今頃になってドイツは大慌てでな。『メルダースの名誉は今後の素行次第で回復させるって言い訳で、後出しじゃんけんしたんだ。で、結果は彼女は日本に渡った。つくはずの要職を蹴ってな。それでますます、ドイツは面子丸つぶれさ」

 

「強引にでも、非ナチ化を狙ったはずが、昔の皇帝による帝政が続いてた…。そんなのばかりですよ、カールスラントは」

 

「NATOでも、総会でフランスやアメリカに嫌味言われまくってるそうだ。軍が行政機能を代行しないと、国が機能不全って…なぁ。いくら、NATOの現地司令官の独断とは言え…」

 

「まったく、地球連邦の時代に軍閥が興るのもわかりますよ」

 

「グラーフ・ツェッペリンも、バダンの鹵獲の方を後生大事に修繕しようとした一方で、うちらから買ったのを、断捨離まがいの真似しやがったからなぁ。カールスラントへUボートを売れと文句言ってるぞ、造船官」

 

「それですが、デーニッツが『水上艦軽視』で更迭されるそうです」

 

「レーダー元帥の意向か?」

 

「ええ。M動乱で評価されたからと、Uボートを造りすぎて」

 

「皮肉なもんだ。Uボートの保有数はそろそろ三桁にいくだろ?」

 

「輸送用が多かったので、攻撃用途に使えるのは30隻前後でしょうけど」

 

「やれやれ。今の戦争でカールスラント海軍は抑止力としては期待できねぇな」

 

「電子兵装の進歩で既存の戦法が使えなくなりましたからね」

 

「今頃、あそこの科学陣は泣いてるだろうよ」

 

「メトックスなどの逆探、カールスラント製の既存電探、音探が根こそぎ旧式化した上、医学でも遅れを取りましたからね」

 

 

二人が嘆くように、ドイツが急激に締め付け施策を転換したのは、カールスラントがナチ党相当のものによる独裁体制でなく、かつてのホーエンツォレルン家が往年の権威を維持していたからで、カールスラント国民は民主共和制を(ガリアの醜態が原因)忌み嫌っており、結局は帝室を維持しての民主化が妥協的に決まるわけだ。1949年では軍備の再建の規模で議論が続いていたが、戦艦については『新造する余裕はない』とされ、バダンの鹵獲品の修繕工事でお茶を濁された。とは言え、史実の大和型戦艦以上の巨艦を持とうとすることは、世界三大海軍から『田舎海軍の背伸びである』と、公然と馬鹿にされたが、史実のドイツ第二帝政の最盛期、世界二位の海軍を持っていたのがドイツ帝国なのだ。また、バダンの持っていたグラーフ・ツェッペリン級を修繕して就役させ、『我が新鋭空母』とプロパガンダし始めた事は扶桑の失笑を買っている。扶桑から買ったものを『なかったことにした』からだが、日本式艤装の天城型の改造より、完全にドイツ式の艤装の史実グラーフ・ツェッペリンのほうが、運用上の都合が良かったのも事実であった。(ドイツは史実では空母を持たないまま、21世紀を迎えた)公式には、このグラーフ・ツェッペリン級こそが『カールスラント初の空母』とされるため、日本連邦へはなんだかんだで『口止め料』で規定以上の大金を支払うことになった。その影響で軍備再建が遅れたのも事実である。また、Uボートはそもそも、ウィッチ世界では物資輸送用のものが大勢を占めていたため、それの攻撃用への置き換えなども急務であったのも、デーニッツが殊更にUボート一本槍であった理由だ。また、カールスラントが誇っていた電波探知機『メトックス』がレーダーの革新などでまったくの無用の長物となり(電波が探知不能になった)、別のものへの置き換えに高額の費用がかかったのも、カールスラント海軍の財政難に繋がった。日本連邦が戦後の技術で一気に潜水艦の性能水準を飛躍させる一方、カールスラントは運用方針の転換に手間取った挙句、財政難で軍の装備更新も予定より遅れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――この頃、日本連邦はカールスラントで冷や飯食いが確定したカールスラント空軍の『古参士官と下士官』を高額の報酬でヘッドハンティングし、設立から間もない空軍の組織を急速に整えつつあった。1950年代に軍の中核を担うと期待されていた世代の主要メンバーが『ごっそりとヘッドハンティングされた』事はカールスラント議会でも問題視されたが、予備役編入の後に日本連邦へ移住しているし、ダイ・アナザー・デイで祖国への義理は果たしている。(これがもとで、太平洋戦争後に『改めての再召集をする』案が軍部の要請で採択される。しかし、この時の軍人施策への不信から、実際に再召集に応じたのは、目論見の半分以下。更に、士官はごく一部であったという)日本連邦は戦乱が長く続いたことで『慢性的に熟練ウィッチの増加がままならない』負のスパイラルに陥っていたため、ヘッドハンティングを公然と行い、軍縮で職にあぶれた経験豊富なウィッチを各国から集めていった。日本の意向で大本営海軍部の参謀たちを中心に左遷の嵐が吹き荒れ、それに反発した中堅ウィッチが軍を去り、残されたのは新人と一部の古参のみ。64Fは『戦果が確実に見込め、なおかつ転生者である』者の行き場。ミーナは64Fの編成を過剰に豪華にした原因になったため、後年、評論家から『軍の戦略を私情で潰した女』というレッテルを貼られ、定年退官後は再就職に四苦八苦。歌手の道は半ば諦め、戦車道を広めるための『武道家』に転じる理由(Gウィッチを各部隊の教官として配置し、各部隊の平均練度を底上げする案。当初は戦略上、そちらが優勢だった)となる――

 

 

 

 

 

 

――B世界のプリキュア5の内、B世界残留組は現役途上の時間軸であるため、能力値は現役時代後期のそれであり、良くも悪くも『オーソドックスな初期プリキュア』の域を出ない。改造人間相手には明らかに見劣りしていた――

 

「そりゃ、向こうの私に比べればさー……」

 

「小学生か、お前は」

 

キュアダイヤモンドに呆れられるのぞみB。Aに比べると、顔つきに幼さが残る。基礎能力は同じはずだが、技の威力に顕著な差があるのもあり、ここのところはふてくされていた。

 

「仕方あるまい。こちらのお前はパワーアップを重ねて尚も、大苦戦することが多かったんだ。素でプリキュアの防御を貫けるパワーを持つ拳を放つ者がいくらでもいたからな」

 

「なにそれ!?」

 

「素の肉体を鍛えた上で、更に変身後の能力値を引き上げる修行が必要だった。改造人間は生体・機械式を問わず、体を相当に強化されている。それに正面から対抗するには、パワーアップを重ねた上で、色々なことをするのが必要だった」

 

のぞみAはその一環もあり、現在では普段の姿で過ごす事は減っている。ZEROと融合したことで、素の身体能力も回復力に至るまでが飛躍的に向上してしまったことを世間に晒したくないという微妙な心境もあるからである。

 

「ただ、向こうのお前は強力な自己再生能力がついてな。四肢の欠損もすぐに治ってしまう」

 

マジンガーZEROの自己再生能力はのぞみAの回復力の向上という形で残っており、四肢の欠損であろうが、眼球が切られようと、仮面ライダー級の回復力で回復する。また、魔神パワー『変態』でゲッターロボのように、腕を武器に変える事も素で可能であるなど、良くも悪くも人間離れしてしまっている。また、ZEROはSDサイズの姿で時々、『衆目に姿を見せる』ようになっており、その意思は健在である。ただし、戦闘力は相変わらずの凶悪さであり、ブレストファイヤーは『鉄筋コンクリート製の超高層ビルを煙にしてしまう』威力を維持し、ルストハリケーンは超合金Zまでの金属を一瞬で腐食させてしまうが、流石に往時の威力には及ばない。これは力の殆どをプリキュア達に受け継がせたからだという。

 

「えぇ!?」

 

「だから、普段から変身していることが多くなったんだ。普段着を見たのは……そうだな。本当にプライベートの休暇の時だけだ」

 

キュアダイヤモンドもいうように、キュアドリームAが『夢原のぞみ』の姿を見せることは少なくなっていたのは事実だ。

 

「とは言え、確かに皆と同じでなくなった事は悲しい。だが、只悲しいだけなら、隠者にでもなればいい。あいつが色々と変質しつつも、キュアドリームとしての姿を衆目に晒し、戦い続けるのはな。あの姿でなければ、守れんものがあるからだ。かくいう、私もだがな」

 

「どういう事、ダイヤモンド」

 

「一言では説明できん。転生を挟んでいる上、元は別人になっていたのを『戻っている』者も多いからな。おまけに、今の仕事は正規軍人だ。人によっては、拒否感や忌避感を持つだろう」

 

プリキュア達は日本連邦/地球連邦で高めの軍隊階級を持つ。戦闘を合法化する便宜上の手段であった。これについては、仮面ライダー達や民間主導のスーパー戦隊の取り扱いで治安関係当局の世代間対立が顕著であったため、プリキュア達を身辺警護の意味も兼ねて、軍事関係当局が確保したのが実際の理由である。プリキュア達の中に『転生先で正規軍人になっていた』者がいたのも追い風となった。

 

「日本の治安関係当局……つまり、警察はな。私達の戦闘行為の取り扱いで大揉めだったんだ。1970年代の仮面ライダー達が現役だった時代は黙認されていたが、2010年代後半にもなると、若めの革新官僚や左派政治家たちがあ~だこ~だと騒ぎ立ててな。それが終わりそうにないから、自衛隊がその間に囲い込んだ。幹部自衛官扱いだから、金は稼げるがな」

 

のぞみA、シャーリー、ペリーヌ、竹井、芳佳などは『転生先で軍人だった』事例である。それを鑑みた自衛隊は一貫して、歴代プリキュアの人事を空自の取り扱いにした。転生先で航空兵だった者の先例に則った事、海自に比べ、行動の自由が効くからだ。また、軍階級も元から軍にいた者は士官で統一する通達がなされている。そうでない者も最低でも中尉に任ぜられるなど、扱いも特段の配慮がなされている。64Fはそういった特殊な者の身元引受け場としても機能しているわけだ。しかも、プリキュアになった者の多くは『素体』が統合戦闘航空団に選ばれるような俊英のウィッチ達であったのも関係している。こうした日本的事情で、軍の主だった有能な人材を独占しているわけだ。軍中央への日本側の不信が根強い事も、事の発端の一つであるため、結局、日本連邦は一部の精鋭部隊と一般部隊との顕著な錬度差の解消に長い間、悩まされる羽目になるのである。

 

「なんか、大人の事情って感じぃ~……」

 

「お前は特にそれに振り回されたほうだ。教師に転職しようとした事もあったが、文部科学省の一部の連中の暴走で話を潰されてな。開き直って、そのまま残ることになった。その補償もあって、お前は出世が早い。直に中佐になるだろう」

 

「そういうの、いいの?」

 

「大抵の軍隊ではな、士官学校を出てれば、大佐までの出世なら、よほどの事がなければ、40代までにはできる。問題は将官からだよ。近頃は佐官に行くのも大変になったが、軍隊も人手不足だからな。これは自衛隊も同じだ」

 

戦後日本は軍事を二の次とする風潮が根強いためと、ここ数年で有事が現実化してきたのもあり、自衛隊の新規志願数は低調化しつつある。それを緩和するための広告塔が歴代のプリキュア達である。また、のぞみは『予備士官問題の被害者』であるのもあり、出世は早く、1951年中には中佐に昇進させる事が検討中である。

 

「書類処理とかしてるの?」

 

「書類仕事は昔から慣れていた。マナがお前タイプだったから、生徒会の事務処理は私がほとんどしていたからな」

 

そこはちょっとだけ、ため息のキュアダイヤモンド。デスクワークに慣れているという事もあり、プリキュアの中では事務処理担当らしい。

 

「あの子、生徒会長の割に、かれんさんとぜんぜん違うんだよなー。かれんさんは割にありがちな生徒会長のタイプなんだけど」

 

「かれんさんも大概だぞ?どこの世界に、変身した途端にパワーファイター気味なファイトスタイルを取れる生徒会長がいる?みなみはテクニックタイプだから、比較はできんし」

 

 

ブルーのプリキュアは来海えりかと立神あおいを例外として、普段からの頭脳派が多い。ただし、ブルーのプリキュア第一号の水無月かれんは容姿端麗・頭脳明晰ながら、意外に武闘派であった。現役時代に史上初の『剣戟』を行ったり、普段のファイトスタイルもパワーファイター寄りなど、その武勇も伝説になっている。(高名な音楽家の令嬢で、本人は医者志望であった)

 

「確かに」

 

苦笑交じりののぞみBだが。

 

「お~い。定時連絡で、ドリームがエターナルの幹部を地獄に送ったってよ~」

 

キュアメロディが声をかけてくる。

 

「え、誰、誰を!?」

 

「キノコ頭のバーサマだそうだー」

 

「あー…。…へ、へ!?あ、あいつを!?」

 

驚くのぞみB。こまちが決着をつけたがっていたが、別の自分が単独で倒したというのは驚くべき知らせだからだ。

 

「今のドリームなら、並の幹部程度は軽いものだ。まぁ、お前は現役時代……いや、ナイトメアと戦っていた時代から、単独では幹部を倒せなかったから、気持ちはわかる」

 

「全部のプリキュアが直面する問題だからな、それは。こっちのお前『プリキュアチームの一人』って粋を破ったようなもんだからな。たぶん、お前がブチギレた『ナイトメアのオバタリアン』もピンで倒せるだろうよ」

 

「嘘、あいつと戦えるの、そっちの私!?」

 

「良くも悪くも、強くなったと言ったろ?…あたしらの推測でしかないけどな。通常フォームでも、エターナルの館長と互角に戦えるだろう」

 

それはのぞみが長い戦歴の中でも、本気で激昂した数少ない事例の一つであり、プリキュア5が最初に壊滅させた組織『ナイトメア』の『ハデーニャ』のことでもある。存命時はドリーム単体では歯が立たず、アクアも精神力などの要素でようやく勝てたほどの強さであった。キュアドリームAは修行を重ねたなどのパワーアップの諸要素を勘案すれば、現役時代の敵を単体で倒せると言えるほどの強さを持つ。それがのぞみBへ明言される。

 

「いったいどうやったの、私…!?」

 

「話せば長いぞ、これ。な、ダイヤモンド」

 

「うむ……。どこから話したものか…」

 

困った顔のキュアメロディとキュアダイヤモンド。『わたし、気になります!!』と言いたげなのぞみBの目に、後に引けなくなったと観念するのだった。

 

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