ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第二百五十五話「二つの出来事での発端とは?」

――日本は2010年代後半からは扶桑の軍事力を如何に減らし、自国の経済に資金を回すかということを至上にするようになったが、自国の領土が図らずも広がった結果、扶桑の部隊を国境警備に回さなくてはならない(左派は反対したが、米国も『日本が得た領土は日本が守るべき』と突き放したため、扶桑の元・大陸領系の部隊を使うしかないという現実問題があった)事もあり、太平洋戦争では戦力不足であった。64Fが南洋の守護の要とされた背景にあるのは、そんな政治的事情が大きく、日本特有の『外征部隊はできるだけ持たないし、多く持たせない』という防衛至上主義の政治思想の弊害がもろに表れてきていた。他国からすれば、ものすごく奇異な状態であるし、太平洋共和国(ウィッチ世界の日系国家)の不満もかなり溜まっていたため、それをなんとか宥めるために、敵国領への攻勢を計画せざるを得なかったところに、戦後日本の政治の歪さがある。他国に言われないと、攻勢を政治的にまったく考えないことが他国からは『独善的』とされてしまうなど、日本ならばのジレンマの表れであった。また、扶桑の陸軍記念日は日本にとっては東京大空襲の日であるために、1945年の後は原則的に廃止する意向だったが、海軍記念日が残ることへの不満が大きかったため、海軍記念日を『軍隊記念日』と改称することで妥協が図られた。ウィッチ・クーデターは『却って自分の首を占める』事例として、後世に語り継がれることになったが、日本側も歴史の根本的な違い、カールスラントの内乱により、扶桑軍人達の扱いには苦慮していた。――

 

 

 

 

 

――精鋭部隊は『自分たちでなんとかしろ』という日本政府の方針もあり、超兵器を躊躇なく保有した。メカゴジラやスーパーXⅢ、メーサー殺獣光線車がそれで、太平洋戦争でも戦訓に合わせた改良が施されて投入された。そして今。――

 

「ウルトラホークだが、使えるようになったぞ」

 

「時間がかかったな」

 

「しゃーねーだろ。計器類とかを全とっかえしたんだぞ。同型機の組み立てもあるし」

 

「あれ、本当に飛ぶの?」

 

「当たり前だ。ガワを再現しただけじゃ、ただのマニアだろ。あれの原案は日本陸軍の最終兵器だったって話だ。その設計案が戦後のゴタゴタで流出して、特撮用のデザインに使われたそうだ。原案の通りに造ってみたそうだから、サイズは特撮での設定の半分くらいだし、合体分離は封印したが」

 

カラーリングやマーキングは一部が自衛隊仕様になっているが、大まかにはTVの通りの塗り分けになっていた。コスモタイガーのエンジンに取り替えたため、そのまま宇宙にも出れる。

 

「制空権はこれで安泰だ。戦中のメッサーやフォッケはカトンボだし、MIGを持ち出したところで屁でもねぇ」

 

「戦中のものを使うの?」

 

「残党だからな、連中は。戦中の機材もまだ現役なんだ。ドイツのエンジン技術は日本よりも、かなり進んでたから可能な芸当さ」

 

メッサーシュミットBf109やフォッケウルフFw190の各型式はナチスが残党化した後も使われているが、流石に東ドイツ時代のジェットへ更新されつつあるという。

 

「あたしらも、いる時代的には、戦中のプロペラ機が現役でおかしくない。だけど、急激にジェットに置き換えられてきてるから、色々と他のとこは苦労してるしな」

 

ジェット機の着陸はレシプロ機と根本的に違うため、要員の再教育が必要になるなどの手間がかかる。64Fの人員はジェット時代を知っているので、どうということはないが、他の部隊は、連山や富嶽に搭乗経験がある要員しか前輪式に慣れていないのもあり、訓練に苦戦し、ジェット練習機の普及が待たれる始末である。のぞみAやシャーリーのように、尾輪式と前輪式の双方の着陸態勢に慣熟しているのは稀であった。

 

「お、噂をすれば」

 

「なにあれ?」

 

「ウチの世界の厚木航空隊に回された機体だ。21世紀水準の技術で造られてるから、見てくれも中身も、21世紀で充分に通用する」

 

21世紀の戦闘機で通用する未来的な外観を持つ震電改二。震電シリーズの本命と目され、厚木の航空隊に優先配備されたものである。改二は当初の予定通りのエンジンを積んでいる事もあり、F-4シリーズと同等以上の搭載量を持つ他、機銃は一対多を想定し、実際の運用では日本側への説明での実体弾ではなく、パルスレーザーが四門になっている。これはダイ・アナザー・デイで一対多が多かったからと、戦後の時代に想定される機銃の使用頻度と装弾数では、国家総力戦での空戦だと、すぐに弾切れになるからだ。元々、302空は雷電が配備されているなど、かなり重視された部隊であった。小園の配下ということで、数年は冷や飯を食わされていたが、首都防空の要である厚木基地にいた事から、一応はその扱いを脱した。その詫びが震電改二への刷新であった。

 

「これで航空戦力は心配ないな。あとは細かい武器の優劣くらいか」

 

「だな。細かいところは私達がカバーせねばな」

 

「仮面ライダー達は?」

 

「ゾル大佐と死神博士の動きを探りに入った。下手したら、生徒を人間爆弾にしかねんからな」

 

「そうなれば……」

 

「下手な連中を連れてこなくて、正解だったぜ…」

 

「人間爆弾って…まさか?」

 

「そのまさかだ。現実でも、中東のテロ組織とかが使う手だ。そもそもはナチスが戦争後期に考案していたという記録がある。奴らは爆弾を体のどこかに埋め込み、任意のタイミングで爆破させる。……恐ろしい手だ。私達が繊細な子らを連れてこなかったのは、それで心に傷を負う危険があったからだ」

 

「……確かに」

 

「私達は良くも悪くも、女子中学生だったろう?それ故、こういう本当の意味での戦闘は酷だ。私達は色々な理由で、戦場の空気を知っているからいいが……」

 

「ああ……。お前には、これから話してやんよ。色々と絡んでんから、長いぞ?」

 

キュアメロディはそう明言した。のぞみBはのぞみAが巻き込まれているもろ他の事情を知ることになった。そして、Aがゲッター線に見いだされたことで『戦いの宿命』に組み込まれてしまった事、マジンガーと融合したことでやらなくてはならない事を抱えたこと。

 

「どういう事」

 

「こいつらが絡んでるんでな」

 

キュアメロディはゲッターロボとマジンガーに視線を移す。のぞみAの運命を決定的に変えた最大要因である二大スーパーロボット。マジンガーとゲッターの持つある種の超常性。そこから話し始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――こちらはシンボリルドルフ。レースに負けるという醜態を晒してしまったことで、遠からずの生徒会からの退任も考えた。そんな失意の中、一人で帰途についたのだが――

 

「しょぼくれた顔だな、ルドルフ?いや、ルナ」

 

「か、カイチョー!?」

 

現・生徒会長のルドルフが『カイチョー』と呼ぶ人物こそ、ルドルフの先代の生徒会長にして、かつての三強『TTG』の筆頭格。『天馬』との異名を誇り、マルゼンスキーの新人時代~全盛期の時代にかけて、トゥインクル・シリーズを牽引していた偉大なウマ娘『トウショウボーイ』である。ルドルフには幼名があり、トウショウボーイはそれを知っていた。

 

「な、なんでここに!?」

 

「ウイニングチケットくんを送りにきたのでな。それと、ビワハヤヒデくんについてだが、彼女は次の次のレースで引退する決意を固めた。怪我は治療させたが、未練はないらしい」

 

ビワハヤヒデは二人の親友との約束を果たすために、あと二回ほど出走した後に引退する決意を固めた。怪我は治癒したものの、妹のナリタブライアンの存在、二目の妹である『ビワタケヒデ』がまだ幼い事もあり、家を支えることにしたらしい。

 

「ナリタタイシンとウイニングチケットはそれを?」

 

「ウイニングチケット君はその場に居合わせたのでな。ハヤヒデ君は、妹のナリタブライアンくんに後を託すそうだ」

 

二番目の妹であるビワタケヒデは素質に乏しく、出走しても大成できない。それを悟っていたのか、ナリタブライアンに後事を託すことにしたビワハヤヒデ。史実では、ブライアンもルドルフ超えは成らず、衰えが顕著となった後に引退しているため、ビワタケヒデが知ればコンプレックスとなりそうである。ブライアンも、タケヒデが自分と姉のようになれないのは知っているが、情故に言えないため、ビワハヤヒデは家族であろうと、レースでの素質を冷徹に判断する面を持つのがわかる。

 

「後の世代には、お前を超える者も現れるやもしれんが、今はお前の世代から、トウカイテイオー君らの世代への交代の途上にある。未練はないと、ハヤヒデくんは言っている。表向きは病気の治療のためということでな」

 

ビワハヤヒデは史実の運命に逆らうことをせず、自分よりも『映えある未来』が約束されているナリタブライアンに後事を託す意志を固めていた。すべてのウマ娘に因果を超える考えがあるわけではない表れである。

 

「今頃、ブライアンくんは荒れているだろう。とは言え、姉妹対決をするまでは引退せんとは注釈をつけていたがな」

 

ビワハヤヒデの心残りである姉妹対決。ウイニングチケットが『思いとどまるように』と必死に説得した結果である。ウイニングチケットがナリタタイシンとナリタブライアンにその事を伝えたのは想像に難くないのだが。

 

「つまり、ビワハヤヒデは……」

 

「自分の体が脆弱なことを知っていたのだろう。ナリタブライアンの姉というプレッシャーもあり、辞め時を探っていたんだろうな」

 

ビワハヤヒデは姉として、ブライアンに背中を見せようとしてきたが、トウカイテイオーに敗れたことで、自分の『限界』を悟ってしまったのか、レースへの未練はさほど持たなくなっていた。トウショウボーイの言う通り、それは事実だろう。とはいえ、BNWとしてのプライドや、二人の親友への手前、辞め時を考えられず、いつしか、中距離では現役最速とまで祭り上げられていた。(マックイーンが故障を起こし、テイオーが全盛期の速力を失ったためもあるが)が、テイオーが全盛期以上の速力でハヤヒデをぶっちぎる快挙を見せたことから、心が折れたのもあるだろう。

 

「この間の有馬でテイオー君がハヤヒデ君をぶっちぎったことが契機になったと、本人は言っている。その瞬間に幻視した光景があるとも、な」

 

「どういうこと?」

 

「我々の魂に刻まれし記憶が呼び覚まされたと言うべきだな。違う世界線の存在と出会うことでな。良し悪しだが、ハヤヒデ君のように運命を受け入れる者、テイオー君のように抗おうとする者……千差万別だ」

 

年齢相応にスーツ姿のトウショウボーイ、勝負服を披露する機会を逸したために、ジャージ姿で帰途についていたシンボリルドルフ。

 

「お前を迎えに行く前、マルゼンスキーに久々に会ったが、ああも直立不動になられてはな。相変わらずだ」

 

マルゼンスキーも流石に自分の先輩の前では、カチコチに緊張する。トウショウボーイは新人時代を知っているために余計にそうなる。

 

「我々は良くも悪くも、年功序列があるからな。更に言えば、GⅡ以下のグレードのレースでしか勝てない多数派のウマ娘と違い、我々はGⅠで勝つことが『魂のレベル』で運命づけられているらしい。これは多くのウマ娘にとっては残酷すぎる事実だ。公には伏せるしかあるまい」

 

トレセン学園の中央は全国一の質を誇るが、大成できる者は『史実で歴史に名を残したか、大レースに出走した馬の魂を持つ者』のみ。その事は学園の存在意義の根底を揺るがすため、トウショウボーイは伏せることにした。また、学内のチームの再編が彼女の意向で行われ、チームリギルを縮小する引き換えに、チームスピカを拡大・再編したと教える。これはリギルが『歴代最強馬ばかりの顔ぶれの割に、海外遠征で勝ちきれない』ことが協会の長老たちに問題視されたからで、『大衆への人気もあるスピカを今後の主軸にする』ことが協会の意向で決まったため、ナリタブライアンはスピカへ移籍扱いとなったことが伝えられた。

 

「長老たちはどういう風の吹き回しなの、カイチョー」

 

「リギルがネームバリューの割に、海外遠征で勝ちきれないことを彼等は問題視したのだ。私には、東条トレーナーの顔を潰さん範囲で、メンバーをスピカに振り分けるしか方法がなかった。お前の引退に至る故障の件の責を負わしたいという意向がありありでな…」

 

言及されたリギルのトレーナーの本名は東条ハナ。現役時代のシンボリルドルフ、現役世代のエルコンドルパサーやグラスワンダーを一流へ育てあげるなど、手腕は確かであるが、シンボリルドルフの引退の理由となった故障を防げず、彼女の経歴に浅からぬ傷をつけた過去などを予てから問題視していた協会の長老たちがその件を持ち出し、彼女を破滅させようとしたため、トウショウボーイが手を回し、学内チームの全体の再編という形で収めた事がルドルフへ伝わった。スペシャルウィークがトゥインクルシリーズを退き、エルコンドルパサーが海外遠征に行ったことで、一人残されたグラスワンダーが燃え尽き症候群を発症したのに、有効な手を打てずにいる事も分割の決め手となったという。(スペシャルウィークは転入から二年ほどでドリームシリーズへ移ってしまい、エルコンドルパサーも海外遠征に行ってしまったことで『切磋琢磨できる同期のライバル』を失ってしまったグラスワンダーはそのショックで、燃え尽き症候群になった)

 

「ハイセイコーさんの意向もあり、私が長老達を宥めすかし、彼女の顔を潰さん範囲での施策を実行した。前・生徒会長としてな」

 

「それでどうなったの」

 

「ブライアン君、グラスワンダー君、マルゼンスキーをスピカへ移籍扱いにした。エルコンドルパサー君の処遇についてはまだだが…」

 

グラスワンダーは燃え尽き症候群が完治していない、ナリタブライアンは三冠達成後は不振気味、マルゼンスキーは籍だけ残っている状態であるので、籍を移しやすかったという。

 

「長老達は、お前もスピカへ移籍させるつもりだ」

 

「え!?」

 

「怪我の一件もあるだろうが、シービーやフジキセキはもはや、盛りを過ぎているのもあるだろうな。リギルは遠からず解体させられるという噂も出ている」

 

「スピカの彼はなんと?」

 

「大いにうろたえていたよ。いきなり、三人も押し付けられたも同然だからな。それと、ドリームシリーズに進んだスペシャルウィークくんの事も心配していた」

 

スペシャルウィークは史実の引退後は自暴自棄に陥っていたのか、現役時代は温厚な馬だったはずが、種牡馬としては暴れ馬となっていたという話も伝えられている。それを知ったのか、ウマ娘のスペシャルウィークの今後も懸念材料だという事もトウショウボーイは伝えた。グラスワンダーをスピカへ移籍させたのは、完全引退後に虚脱状態に陥るのが予測されていたであろうスペシャルウィークを精神的に律させるためである。

 

「今後、スピカの気風は間違いなく、褒め称えられる。リギルの気風は対照的に、時代遅れと見なされるだろうな」

 

現役時代はリギルのリーダー格であったためか、一抹の寂しさを滲ませるトウショウボーイ。

 

「カイチョー…」

 

ルドルフもトウショウボーイの前では、現在におけるトウカイテイオーの生き写しとしか思えない振る舞いになるので、『テイオーが成長すると、こうなるだろう』というような見本であった。また、声のトーンも普段より高めになっている。おそらく、素は普段より高めの声なのだろう。

 

「ほれ、お前の好物だ」

 

「あ、ありがとー!」

 

それはルドルフが新人時代にトウショウボーイを真似て飲み始めたコーヒーである。ルドルフはブラックを飲めるが、新人時代はトウカイテイオーに似て、実は甘い物好きであった。それを知るのは現在も在籍中の生徒では、マルゼンスキーだけ。テイオーもエアグルーヴも知らない。ルドルフもトウショウボーイの前では『皇帝』としての仮面を脱げるためか、大人びている普段と対照的に、トウカイテイオーのような天真爛漫さを多分に感じさせる振る舞いである。人間で言うと、大学生相当の年齢のトウショウボーイ、高校生相当の年齢のシンボリルドルフ。まるで姉妹のような雰囲気である。

 

「グラスがマルゼンに事前に連絡してくれたから、私が訪問した事の混乱は抑えられた」

 

「グラス先輩が?」

 

「ああ。グラスワンダー君とややこしいから、皆の前で言う時は気をつけろ」

 

「うん」

 

 

 

 

こうして、トウショウボーイはルドルフを連れて帰った。その頃、ハヤヒデが引退する意志を持つことを知らされたナリタブライアンは荒れてしまっていた。措置が終わったはいいが、コーラをヤケ飲みしだしたのだ。

 

「クソッタレェェェ!」

 

ブライアンは姉妹で一番に粗野である。三冠ウマ娘で一番に素行が悪いともいえるのも、放出された原因だろう。姉が引退を決意したことにショックを受け、ヤケを起こしたのである。

 

「ブライアンちゃん、ヤケ起こしてるわね」

 

「止められないのか?マルゼン、ウイニングチケット」

 

「無理ですよ、会長。こうなっちゃうと、あたしらでも止められないです」

 

「仕方あるまい。しばらくはそっとしてやる以外に、我々にできることはない。食事は別の部屋で取るぞ」

 

「って、なんで先輩が仕切ってるんですか?……っていうか、なんでいるんですか?」

 

「ウイニングチケット君を送ってきたまでだ。それと年の功だ、マルゼン」

 

トウショウボーイはマルゼンスキーから見て、一期上の先輩である。その関係で、場を仕切っている。実際の実績でも上であるため、マルゼンスキーも従うしかない。『現役当時の実力は自分が上』という自負があるからか、若干は不満気だ。ルドルフがトウショウボーイを慕っていたということもあり、ツッコミ役に留めているが、現役当時はライバル視していた経緯もあるからで、普段からは想像もできないほどに珍しい姿だ。

 

「姉貴……仇は取る……!」

 

ナリタブライアンは口は悪いが、姉を慕う面がある。テイオーを負かし、姉の雪辱を果たそうとするが、テイオーも、ルドルフが次期生徒会長に非公式に指名したことで意地が生まれている。措置を受けた後の両者の能力値は互角であり、ブライアンにとっては、テイオーが、テイオーにとっては、ブライアンが壁となっていく。キタサンブラックがトレセン学園に入学した後にレースに出走できるようになり、トゥインクル・シリーズで頭角を現すまでの期間、メジロマックイーン、トウカイテイオー、ナリタブライアンの三強時代となっていく。これはスペシャルウィーク、エルコンドルパサーが早期にトゥインクル・シリーズのターフから去ってしまった事、後を追うように、グラスワンダーもトゥインクルシリーズからドリームシリーズのターフに移ることを表明するなど、次世代のスターと目されていた人材が早期にドリームシリーズへ流れてしまったからで、テイオー、ブライアン、マックイーン、オペラオーなどが屋台骨にならざるを得なくなる。ドリームシリーズの規模拡大と常設化が現実化したのは、スペシャルウィークのドリームシリーズへの志願がきっかけであるため、スペシャルウィークは自分の意思とは別次元での問題を引き起こしてしまったわけだ。(ハイセイコー、シンザンの二巨塔はスペシャルウィークのこの行為を『厄介なことをしでかしてくれた』と嘆息していたという)テイオー達は協会の要請もあり、古馬戦線で争っていくが、スペシャルウィークはそんな騒動に関わる事はなかったが、スペシャルウィークも早期にドリームシリーズに移籍した事に罪悪感がかなりあったのか、テイオーのレースは必ず観戦したという。

 

「今回の事の発端だが、スペシャルウィーク君にある」

 

「スペちゃんに!?どういうことですか、トウショウ先輩!?」

 

「そう逸るな、マルゼン」

 

マルゼンスキーは可愛がっている後輩が事の発端だと言われ、思わず詰め寄る。若き日にあった血気盛んさの発露で、ルドルフもめったに見たことがないものなのか、驚いている。

 

「では、私がシンザンさんやハイセイコーさんから受けた密命を教えよう。本来はオフレコだが……、テンポイントも、グリーングラスも知っていることだ」

 

スペシャルウィークの何が原因なのか、ハイセイコーやシンザンと言った古豪たちから何を言われたのか。テンポイントもグリーングラスも知ることとは?トウショウボーイはそれに触れる。食事を出前にしつつ。

 

 

 

 

 

 

 

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