――結局、戦後ドイツ製の軍用品への統一を目論見、ドイツ一国を守れるギリギリのラインへカールスラントを軍縮せんとしたドイツ連邦共和国はNATOでの立場喪失を恐れ、『現地の状況に配慮する』体裁で事実上、カールスラント軍の再建を容認した。しかし、戦中ドイツ兵器を排除しようとしたことで、またも問題が発生した。NATOによる仲裁がなされ、現地の雇用維持のため、外国輸出用という体裁で、カールスラント現有兵器の生産は続く。レオパルト1の生産は現地生産設備の刷新の必要もあり、1950年代半ばにずれ込む。カールスラントはこの混乱で多くを失い、軍事大国の地位を喪失していった。空軍の有力な士官達は大半が日本連邦へ移住していったため、実際の軍事力は額面上よりも大きく低下してしまった。そのカールスラントの『代わり』を強く求められた日本連邦は超大国となるしか道がなくなっていく――
――日本連邦も超大国化は反対論が多かったが、欧州の有力国の殆どが軍事的には衰退していたため、外圧に弱い国民性もあり、超大国への道を歩みだす。そして、正攻法でアメリカ系国家を負かすことは不可能であるとよく知っている彼らはゲリラ戦術やハラスメント攻撃を中心的な戦略とし、敵軍を精神的に疲弊させていく。その一方で、スーパーロボットなどで大軍を倒すことが喜ばれるという国民性は他国からは奇異に見られる。(太平洋戦争当時に米軍に本土を一方的に蹂躙された記憶がそうさせるだろうか?と、エルヴィン・ロンメルは推測する)ティターンズは1940年代当時の情勢を利用し、有色人種によるナチス風の監視社会を意図的に構築する一方で、自由リベリオンに亡命する者を敢えて止めず、アメリカ系国家を『永劫に弱体化させたい』という思惑を秘密裏に達成する。そのため、ティターンズは戦乱を意図的に拡大し、グリプス戦役での悔恨の払拭、現地のアメリカ系国家を弱体化させ、資源消費社会の到来を防ぐという双方の目的を達成しようとする。その結果、自由民主主義を守護する日本連邦と、表向きの大義名分と別の監視社会を肯定するティターンズとの争いが史実の米ソ冷戦のように、半世紀近く継続していく。結局、元々、ジャミトフ・ハイマン麾下の憲兵隊が実戦能力を得た存在であるティターンズがウィッチ世界に深い爪痕を残した結果、リベリオン合衆国は統一後、東西ドイツ同様に東西間の経済格差に苦しむようになる。その序章が太平洋戦争であった――
――地球連邦軍はウィッチ世界での戦争も抱えているため、人手手が足りないため、曰く付きのガンダムまでも動員していた。コズミック・イラ世界から得た機体も例外ではない。オーブから返還された『ストライクルージュの外観コピー機』はキュアミラクル/朝日奈みらいが使用していたが、新操縦システムのテストに転用されていた都合上、人と同サイズに縮小されて運用されている。人サイズに縮小しての運用は擬似的なパワードスーツを兼ねてのものである。元来、モビルスーツの関連技術は統合戦争で失われたパワードスーツの構成技術の一部を別分野に転用することで生まれたため、大元に立ち返ったと言えなくもない。なお、この時はデータバンクから再現されたエールストライカー(メタルアーマーのリフターに相似していたため、その技術で製造)を使用しているが、通常の歩兵用の武器を使用できるのが強みであった――
「悪いけど、逃がすわけにはいかないんだよね」
狙撃用としては、極めて優秀である九九式短小銃をMS越しに使い、伝令に走る敵兵を狙撃する。旧式化したボルトアクション式小銃も、製造精度のいい個体は前線で狙撃用に転用されているわけである。
「まさか、ガンダム越しとはいえ、日本軍の古い小銃を撃つなんて。」
「仕方ありませんわ。歩兵には、モビルスーツの武器は威力過剰ですもの。普通の武器で充分ですわ」
「エースもよくやるよね、本当は支援用じゃなかったっけ?そのガンダム」
「ものは使いようですわ、ミラクル」
「それはそうだけどね」
留守番部隊は南洋で突破されそうな箇所を守り、敵の突出部を潰すのが日課であった。MSをパワードスーツ代わりに運用するのは、第一線要員を効率的に交代させつつ、遠征中でメンバーが減っているため、残っているメンバーの負担を軽くするためでもあった。
「敵の機甲兵器は?」
「だいたいは潰しましたわ。ここの突出部は潰しましたし、次に向かいましょう」
「うん。最近はこういう仕事も増えたね」
「主力が出払っていても、成果を求められている以上はやらなければならないのが辛いところですわ」
キュアエースのスローネドライはカラーリングが異なっていたりすることもあり、原型機とかなり印象が違う。白系のカラーが取り入れられ、肩にアムロと違う形での『A』を象ったエンブレムが描かれているため、原型と違い、悪役っぽさは多少なりとも薄れている。
「でもさ、ガンダム越しに普通の銃使うなんて、思ってもみなかったなぁ」
「核反応炉とはいえ、Eパックは多くは携行できませんから。ウイングゼロのツインバスターライフルにしても、ジェネレーターに負担はかかりますから。ダブルゼータはメガコンデンサの実用初期の頃の設計ですから、稼働時間が短いなどの難点が多かったといいますけど、なんだかんだで最新技術に所々を置き換えて使われ続けてますから、名機扱いなんでしょう」
「そう?おでこにキャノンはなぁ…」
「当時のエゥーゴの上層部がティターンズのモビルアーマーを想定していて、それを受けたアナハイムが当時の先端技術で火力を強化した結果だと、アムロ少佐は仰っておられました。」
「でもさ、MSのおでこに乗せるんじゃ、短砲身で、射程も短いと思うんだけどなぁ」
ダブルゼータは頭部ハイメガキャノンの存在もあり、『連邦系第四世代MSの頂点』とされるが、実際には設計の完成度は高くないともされる。派生機に位置するジークフリートは大型化で欠点を無くしたが、根本的解決ではない。ジュドーはダブルゼータを縦横無尽に操ることで真価を発揮したが、彼の個人技量が為せる技であり、彼ほどは技能がないなのはは、(レイジングハートの補助付きとはいえ)砲撃機的運用に留めている。また、連邦軍内で使われている隠語だが、ダブルゼータは『重装型』が充てがわれている。後期型の『強化型ダブルゼータ』は『重装改』であり、エゥーゴ時代に作られた隠語が定着した例である。ガンダムタイプといえど、高度に攻防速を最高レベルで両立させていた機体は少なくなってきているが、ダブルゼータが特務部隊に需要があるのは、艦隊制圧や城塞攻略に使えるからである。
「短期決戦には効果はあるそうです。Zのほうが長期戦には向いていますが、火力は高いとは言えませんからね」
「ハイメガランチャーはかさばるからね」
一年戦争からデラーズ紛争の当時はビームライフルがあれば、充分に高火力を主張できたが、グリプス戦役以降はオプション装備のメガランチャー系の武装、あるいはビーム・スマートガンが使用できないと、高火力の括りに入れられない。ましてや、Gバードやヴェスバーなども現れている時代なのだから。
「一年戦争とデラーズ紛争までの時代ならいざしらず、ザンスカール戦以後の時勢では、ビームシールドもある。ステルス性には悪影響ですので、私達の機体には積まれていませんが」
未来世界製のストライクルージュとガンダムスローネドライは外観を模している以外は標準的なアナハイム・エレクトロニクスとサナリィの規格品で造られているため、連邦軍製のあらかたの武器を使える。また、ビームシールドはジェネレーター出力的意味では積めるが、ステルス性に悪影響が出るため、もろ他の兼ね合いで積まれていない。
「機種によっちゃ、ヴェスバーあるもんなぁ。あれ、便利そうだけどなぁ」
「バックパックの新規制作もあり得るそうですから、アナハイム・エレクトロニクスに言ってみては?」
「そうするよ」
この時は自前のスラスターで飛ぶ二人。25世紀以降の技術の入手で、ミノフスキー・クラフトが更に小型化された恩恵である。MSを人サイズに縮小して運用する事は、擬似的にパワードスーツとして使うのと同義である。これは連邦軍が模索する『パイロット育成の簡便化』の一環で考案されたもので、歩兵用パワードスーツの開発に難儀している事からのアイデアである。ガイアでは『二式空間甲冑』が存在するが、色々な理由で、アースでは正式採用はならなかったためでもある。(より洗練されたデザインのISなどがあったためでもある)
「海はどう?」
「ゲリラ戦術で時間稼ぎをしています。政府のお偉方が参謀らを僻地に飛ばした分、現場指揮官独自の判断が求められますので」
日本連邦では、参謀の『幕僚』への言い換えが進んでいた。参謀という言葉にマイナスイメージがついていることを鑑みての言い換えであった。また、現場指揮官独自の判断が尊ばれるようになってしまった事は大問題と見做されていたが、『兵士を無駄死にさせる』という理由で参謀らの更迭が続き、更に中央のコントロール下にウィッチ部隊がない事が露呈してしまったこともあり、現場指揮官の裁量は大きくなっていた。日本連邦の上層部、とりわけ、日本政府関係者はコントロール下にない部隊の解散を検討するように要請したが、前線の混乱が大きくなるという反対もあり、結局、指揮官を『政府のコントロールが効き、なおかつ有能な者』へすげ替えることで妥協された。64Fの独自裁量権が最大限に拡大されたのは、この混乱を悟られないためであった。また、この頃は日本による、軍部の史実の愚行を強く責め立てる空気がようやく(日本で疫病が収まらず、それどころではないためでもあった)落ち着きつつあったため、混乱を再燃させる事は日本連邦の軍事関係者は望んでいなかった。史実で戦艦長門のロシアへの売却を戦争中に検討したというだけで、扶桑の世論が海軍高官の罷免を訴える時代なのだから。
――日本連邦は軍部を政治的観点から押さえつける動きが強いため、64Fの拡充と裁量権の拡大は前線部隊への中央の統制が上手く働かないことを理由に、第三次拡充が進められた。そのため、プリキュア達も相次いで佐官へ昇格していった。のぞみ、シャーリー、マナ、ラブ、咲といった筆頭格の全員が空軍中佐へ昇格したのもこの頃である。また、軍から去った中堅世代ウィッチの穴埋めを義勇兵で賄うようになっており、多くの亡命オラーシャ人ウィッチは史実の占守島の戦いの意趣返しかのように、最前線でその血を流す事となったが、日本連邦への忠誠を示すために勇戦していた。オラーシャ帝国は日本側に史実の後継国家である『ソ連』の犯した罪を一方的に責め立てられたものの、オラーシャ帝室解体寸前まで追い込まれ、大きく減退した国力では賠償金の捻出は不可能。結局、亡命者への手厚い補償を日本連邦に約束させるのが精一杯であった。扶桑にバレエが本格的に伝わり、花開くのもこの頃であるように、亡命オラーシャ人は文化活動で名を成す者、戦線で血を流すことで忠誠を示す者に二極化された。自由リベリオン軍と亡命オラーシャ人達はそれぞれの道を歩む事になるが、その内の自由リベリオン軍は『日本連邦のために血を流した』という点で、太平洋戦争後の時代にリベリオン合衆国東部の住人に敵視され、冷戦の招来の一因となる。とは言え、1990年代の再統一の際には、長年の監視社会で大陸東部の社会そのものが疲弊していたため、つつがなく再統一は成る。だが、『フロンティア・スピリッツを守る』とするミリシャが乱立し、21世紀まで、その掃討は続いた。また、45年に吹き飛んだ都市の復興も1989年にようやく開始され、2000年代に一定規模に成長する。リベリオン合衆国は結局、約束されていた『招来の超大国』の地位を奪われ、自身の国際的地位も1900年代以前の状態に後退した状態で2000年代を迎えていく。――
「この世界はどうなるんだろう」
「史実の流れに近づくのなら、東西冷戦時代がこの後に控えてるはずですわ。皮肉でしょうけど、日本とドイツがティターンズの手のひらで踊らされた結果ですのよ」
「ティターンズはそこまで読んでたの?」
「統合戦争以前の記録は全てが散逸したわけではありません。それに、おそらくはティターンズに日本連邦の高官の末裔がいたのでしょう」
キュアミラクルとキュアエースは次の目的地に向かう途中、このような会話を交わした。キュアエースは東西冷戦時代は確実に訪れると踏んでいた。ティターンズは自身の将来的な消滅をも見越し、ウィッチ世界のリベリオン合衆国が超大国になれないように仕向けたのだ。結局、歴史の修正力もあり、次代の超大国となるのは日本連邦となり、リベリオン合衆国は史実の分断国家の苦しみを抱えていく。ブリタニア連邦は緩やかな衰退を迎え、やがて超大国としての座を明け渡す。ブリタニアが超大国として振る舞えたのは、太平洋戦争中までである。その頃には財政的困窮が進展したからである。
「我々はSFであるような、アメリカの役を担わされるでしょう。日本がそれに気づくには、戦争が終わるまでの時間が必要かもしれません。アメリカを引きずり落としたとしても、その役を担う者は必要ですから」
「どうして、日本は気づかないの?」
「アメリカが超大国にならなければ、戦前の五大国による妥協的な世界の運営に戻ると考えているのでしょうね。ですが、実際は二つの超大国による対立を生み出すだけだったのが世界大戦です。子供でもわかるようなことでしょうに」
結局、日本の政治家の予想に反し、日本連邦はウィッチ世界の自由民主主義側の盟主にならざるを得なくなっていく。戦後は軍事力を縮小していくのを考えていた者たちには衝撃となるが、戦中に志願制に全面移行したため、おいそれと人員補充ができなくなった日本連邦軍は『精鋭部隊での敵中枢の殲滅』を人員補充の都合で推し進めざるを得なくなり、戦中は64Fと他数部隊の超精鋭化を強引に進めていく。皮肉なことに、この特殊部隊特化のドクトリンはジオン公国軍に多大な影響を与え、彼らがキマイラ隊、そのキマイラがロンド・ベルを生む遠因となったと考えれば、巡り巡っての影響を及ぼしたと言えよう。
――その頃、ドラえもん世界の骨川広告代理店本社でトウショウボーイは、シンボリルドルフにキングヘイローの母親『グッバイヘイロー』がその不器用さが災いし、『現役当時の名声を汚す』勢いで批判を受けていることを伝えた。『キングヘイローがレースで成績を挙げても、娘を認めなかった』ことが、どういうわけか、とある週刊誌にスキャンダラスに報じられてしまった結果、『かつての最強ウマ娘の驕り』として、一大スキャンダルに発展した(一説によれば、一向に娘を認めないことに憤激した執事やメイド達が母親の破滅を意図し、リークしたとも)と伝えた――
「そんな、キングヘイローの実家が…!?」
「既に、世論はグッバイヘイローさんを裁けという、危ない方向に向かっている。お前は会長として事態を収拾しろと、協会長から要請が来ている」
「いくら私でも、彼女の実績には…」
「暴徒によるリンチは避けなくてはならん。既に、彼女は憤慨した夫からは三行半を突きつけられ、欧州のウマ娘競争協会からも理事の退任を遠回しに促され、精神的には死に体だからな」
キングヘイローの実家はスキャンダルの発覚で崩壊寸前まで追い込まれていた。両親の仲が決定的に崩れかけているからである。
「骨川会長!!」
「どうした?騒々しいぞ、会談中だと言ったはずだが」
「申し訳ありません。グッバイヘイローさんが……執事に銃撃されました!」
「何ぃ!?」
会議室に舞い込んだ凶報。そのグッバイヘイローが、娘のキングヘイローへの接し方に憤慨した執事に夫の猟銃で撃たれて重傷を負い、家を取り囲む野次馬の怒号の中で病院に運ばれたというもの。このショックでグッバイヘイローはしばし失語症に陥り、娘のキングヘイローも衝撃を受け、一連の責任を取る形で、『次の高松宮記念で引退する』と考えるまで追い詰められている事が伝えられた。
「……もはや、一刻の猶予もない。……ルドルフ。勝負服に着替えろ。中継で声明を発表し、騒動に一石を投じろ」
「わかりました、会長」
ルドルフはトウショウボーイに促され、勝負服姿でウマ娘世界向けの声明を取り急ぎ発表しようとする。だが、時既に遅しであった。グッバイヘイローが入院先で自殺を図ってしまったのは、奇しくも、この日のこと。キングヘイローは激しくショックを受け、学園を欠席してしまう。友人のハルウララが心配するも、連絡が取れず、ハルウララの頼みで、同期メンバーのスペシャルウイーク、エルコンドルパサー、セイウンスカイらが放課後に寮の部屋(ハルウララと同室)を尋ねるが、姿がなく……。
――野比家――
「あん?どうした、スペ……なに!?キングヘイローがいなくなったぁ!?何がどうなってる!あたしにわかるように説明しろ!」
ゴールドシップはかかってきたスペシャルウイークからの電話に思わず怒鳴る。スペシャルウイークの声が半泣きで、何が何だか分からないからだ。
「何だとぉ!?あいつの実家が…!!?……落ち着け!会長は仕事でいない。エアグルーヴのヤロウは何してやがる!こんな時こそ……。何ぃ、マスコミの応対だぁ!?テンポイントさんが理事長室に詰めてるはずだ、あの人を捕まえて、善後策を練ってもらえ!お前達はあいつの行きそうな場所をハルウララから聞き出せ!」
ゴールドシップは泣きじゃくるスペシャルウイークをなだめすかしつつ、指示を飛ばす。キングヘイローが失踪したのだ。
「それと、フジキセキとヒシアマゾンにも伝えろ!スズカには伝えとくから、お前は探しに行ってやれ!」
ゴールドシップはドラえもん世界にいながら、ウマ娘世界での騒動を収めるための指揮を執ることになった。電話越しに狼狽するスペシャルウイーク。電話を聞いていたダイワスカーレットとウォッカが、理事長室に行き、不在中の理事長と二人の会長経験者に代わり、学園を取り仕切るテンポイントへ事の次第を伝え、テンポイントはすぐさま、学園に残っている有力なウマ娘達を召集し、独自の捜索隊を組織。スペシャルウイークとサイレンススズカも含めたウマ娘達はテンポイントとゴールドシップの指揮で、キングヘイロー捜索に打って出た。
――そのキングヘイローは服のフードで顔を隠しつつ、トレセン学園のある府中市から既に脱出しており、トレーナーからの電話にも出ず、スマホの電源を落とし、そのまま、どこかへといなくなる。傷心のキングヘイローが向かう先とは?テンポイントはその日のうちに学園の緊急事態を宣言し、全国にあるトレセン学園の分校とのネットワークを活用し、全国津々浦々のトレセン学園在校生に『キングヘイロー捜索令』を発する。警察ではG1級の実力を持つウマ娘を探しきれないと踏んだことがわかる。実際、警察は動いたものの、キングヘイローの実家から捜索願が出されていないため、正式には動けないことも大きい。この騒動はキングヘイローの実家を崩壊寸前に追いやったこと、キングヘイローの実母『グッバイヘイロー』の名声に大きな傷を残すことになったこと、シンボリルドルフが生徒会長である時に起こったことから、協会からルドルフの責任論も噴出してしまう。ルドルフはテンポイントとゴールドシップからの連絡で『時既に遅し』であったことを知り、愕然。取り急ぎ、世論の沈静化のための声明を発表しつつ、騒動時に不在の責任を取るということで、折を見て、トウカイテイオーに会長職を譲る決心を固めるのだった――
――一方、副会長の一人であるエアグルーヴは騒動でのマスコミへの応対に追われ、学園の統制どころではなかったが、テンポイントがフジキセキ、スーパークリーク、ヒシアマゾンらをまとめ、混乱する学園を掌握。中等部の有望株も駆り出し、キングヘイロー捜索に全力を費やすと宣言。ただし、中央トレセン学園の生徒たちは少なからずがトゥインクルシリーズのレースをそれぞれが抱えているため、捜索に専念可能な者は実際にはそれほどおらず、テンポイントはもどかしかった。キングヘイローの失踪の翌日、グリーングラスの提案で、学園OG会の比較的若めのウマ娘にも協力を打診。それに応じたウマ娘の一人が、現在のメジロ家の若年層の中での長子であり、現在も中央トレセン学園に在籍中のメジロ家のウマ娘で最年長のメジロアルダンの実姉である『メジロラモーヌ』であった――。