ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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久しぶりに遠征側が舞台です。


第二百七十話「プリキュア5の世界にて」

――のび太は『プリキュア5の世界』で戦っていた。息子のことは自身の父の教育もあり、基本的に育児は『要所々々で関わればいい』(アメとムチのアメ)という昭和期以前の方針であったが、妻が公安警察に引き抜かれてからは方針を転換。3、4歳ごろは自身が育児をしていたが、ノビスケが幼稚園年長になる頃に官僚としての役職が昇進してしまったため、そうもいかなくなり、ノビスケの警護をあれこれ模索していた。その矢先に『誘拐事件』が発生した。ゴールドシップは彼と知り合った後にその事情を知り、大芝居を打ったわけだ。それにハッタリでも、ゲッタードラゴンを見せれば、学園都市の残党も野比家への攻撃を控えるはずだという憶測もしていた。(スーパーロボットの装甲は能力者の攻撃でも破壊できないほど頑丈、ゲッターエネルギーは意思があるので、往時の一方通行の力を以ても、ベクトル干渉は不可能である)――

 

 

――ウマ娘たちがカラオケで特訓を開始した頃、プリキュア5の世界――

 

 

「ど、ど、ど、ど……どふぇ~!ヤークトティーガーとヘッツァーの十字砲火を突破して、学園のみんなの救出なんて、無茶だよぉ~!!」

 

キュアドリームAは監禁されている学園の学生と教員を救出すべく、のび太と別行動を取ったのだが、待ち構えていたドイツ軍機甲師団の十字砲火の真っ只中に飛び出してしまった。当然、120ミリ砲を含めたドイツ製火砲の圧倒的砲火を浴びる羽目となり、思わず涙目となる。と、そこに。

 

「ハッハッハ。苦戦しているようだね」

 

「V3さん!」

 

「ハリケーンの後部座席に乗るんだ。ここを突破する!」

 

駆けつけた仮面ライダーV3のハリケーン号の後ろに乗って、キュアドリームは機甲師団の包囲を突破する。その道中でのこと。

 

 

「ヘッツァーの陣地さえ避けりゃそうは苦労しないさ、ライダーマシンならな。ところで、気になったんだが……君が明確に、綾ちゃんたちの力が自分らを超えているのを認識したのはいつだったかい?」

 

「そうですね……。あれは、シャーリーや芳佳もプリキュアに戻ってたのがわかって間もなくの頃でした。先輩たちが私達より強いのわかったんで、結構腰抜かしましたよ。噂でしか聞いてなかったんで」

 

「なるほど」

 

「でも、先輩たち、本当は控えるはずだったそうです。最初は客人の扱いだと言われてたみたいで」

 

「客人?」

 

「いや、もっと手っ取り早いルートがあるぞ、風見」

 

「一文字さん」

 

合流してきた二号がサイクロンをかっ飛ばしながら上を指さし、ビルの屋上伝いルートを提案してくる。

 

「8.8cm砲は屋上に上げられてないから、せいぜい2cm高射機関砲だろう、サイクロンとハリケーンでも、それなら正面突破出来る」

 

「よし、ハリケーンジャァンプ!!」

 

「サイクロンジャァンプ!!」

 

二号とV3は新サイクロン号とハリケーン号をウイリーさせると同時に、収容式の安定翼をカウルから展開し、それぞれのマシンのロケットブースターを点火し、屋上まで上がる。そして、ビルつたいに屋上を走行する。

 

「さっきの続きなんですけど、本当は一時的な教官の扱いのはずだったそうなんですが、ミーナさんが勘違い起こしちゃった上に、坂本先輩への恋心が暴走して」

 

「恋心…か」

 

「あたしたちの界隈じゃ、偶にあるんですよ。士官が副官とデキるケースが。ミーナさんの場合はそれが片思いだった場合です。これがタチ悪くて」

 

ミーナのようなケースはウィッチ界隈では珍しくなく、同性愛者になる事が多いという。ミーナの場合は恋人の戦死で同性を愛するように歪んでしまったケースで、坂本が転生者であり、ミーナの好意を意図して無視していた事がミーナの暴走を招いたと言われる。ただし、ミーナを弁護するなら、坂本に非がないわけではない。ミーナに人事書類の再確認を促すのを怠ったというミスを犯したからだ。

 

「で、あたしが覚醒する少し前に査問がされたんですが、あの人、上の構想を潰しちゃったそうで、相当に絞られて帰って来まして……ヒステリックに当たり散らしてました」

 

 

のぞみが記憶している『錦の記憶』によれば、帰ってきた時には相当に憔悴しており、帰ってきた直後から周囲にみっともなく当たり散らしていたと、ライダーたちに述べる。

 

「構想?」

 

「ええ。各地にG/Rウィッチを教官として送り込んで、練度を底上げする案です。先輩たちはそのテストケースだったそうなんです」

 

ミーナの冷遇は結果としては『如何に偉大なウィッチでも、時代が変わっていては、若い世代から疎んじられる』という判断を上層部が下すには充分な事例であった。特に、三人はメカトピア戦役などの未来世界での従軍時に実績を持つ上、扶桑海七勇士の筆頭格だったからだ。

 

「ああ、あの計画か。綾ちゃんから聞いたけど、『どうせ潰れんだろうなー』ってのんびり構えてたな」

 

「え、聞いてたんですか、二号さん」

 

「ああ。俺たちのことを知らなさそうだし、知ってたら、あんな塩対応は取らねーっすよってな」

 

ミーナの塩対応ぶりに青ざめていたのが、智子のことを知っていたエイラであったり、バルクホルンやエーリカ、シャーリーである。昭和天皇の肝いりで送り込まれているのに、あまりに塩対応過ぎるのもそうだが、過去の実績を鑑み、厚遇していいはずだからだ。ところが、ミーナがその実績を正確に知ったのが、その査問でのこと。直前に圭子が大暴れしたことで書類を確認したところ、『扶桑海七勇士』という単語があるのに気づいてから間を置かずに査問の日を迎えたわけだ。

 

「で、気がついた時には、後の祭りだったわけか」

 

「パットン将軍が銃を振り回すわ、モントゴメリー将軍は嫌味を連発するわのオンパレードだったそうで。後で先輩に聞いたら、仕込みだったというんですよ?」

 

査問でのパットンとモントゴメリーの行為は圭子の要請による仕込み。既に人種差別と外交問題になりつつあったため、連合国としてきちんと処罰するところを世間に示すための小芝居であった。パットンはイメージとして、マッチョイズムの信奉者というのが定着していたため、銃(357マグナム)を振り回すことも計算に入れられていたし、モントゴメリーの嫌味も圭子が指示しての『世間のイメージに基づく』演技。そのため、査問の目的の半分は世間向けのポーズ、言うならばお芝居に近かったのだ。

 

「仕方ないさ。21世紀の人間からすれば、501の幹部の過半がドイツ人ということは、運営に異議が唱えられるには充分だ。扶桑とカールスラントで、大きな外交問題にもなりかけていたから、ああするしか着地点がなかったんだろう」

 

「着地点……ですか?」

 

「ああ。21世紀以降の倫理観では、一国のナショナリズムを強く誇る事は『極右の過激派』扱いだ。合同部隊の触れ込みだった部隊の隊長が司令部の肝いりで送り込まれたアジア系の人員を冷遇するなど、あってはならない事だ。ましてや、公向けに取り繕った言い訳が部隊の風土を壊されると思ったなど、子供じみている。査問の担当が担当なら、一笑に付されてるよ」

 

「確かに」

 

二号ライダーも言うように、連合軍はカールスラント主体で構成されていた。その時点で存在そのものが疑問視された。ドイツ連邦はミーナを罷免する事も考えたが、功のある『100機以上の撃墜王』という事、先に更迭されたエディタ・ノイマン大佐のことで、既に現場が恐慌状態であったので、人事判断は最終的に連合軍の現場に処分の判断が委ねられた。その結果は『穏便な指揮権の移譲』という手であった。それを演出する『写真』は事後に撮影され、書類もそういう風に改竄された。整備員の入れ替えもその時に行われた。日本連邦に501の運営権が委ねられ、64Fとの事実上の合併が実行されたわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

――このように、501そのものが64Fに吸収されることも、半分は既定路線と見做されていた。ミーナの事前の報告書で『Aプラン』の破綻は間違いなしだったからで、『Bプラン』……つまり、64Fへの吸収が迅速に遂行されたのは、Aプランが潰れる事を当事者を含めて、その方面の関係者はある程度、事態を予見していたからである。ただし、旧世代ウィッチに部隊を乗っ取られる事を恐れた中堅世代が幹部である多数の部隊が副次的にサボタージュに加わった結果、64Fはダイ・アナザー・デイで孤軍奮闘を余儀なくされた。事後、その孤軍奮闘が逆に軍内で『ウィッチ部隊不要論』の拠り所にされる事になり、ウィッチたちは自縄自縛を地で行く行為を連続して行ってしまった。そこに現れた、第二世代宮藤理論は『急速に発達したジェット戦闘機などに追従するには必要である』と判定された。1947年の上半期の頃だ。下半期には初期生産型が現れ始め、翌年には一部の部隊に定数配備が実現した。とは言え、第二世代理論式は仮想敵を強く意識し、全体的に重武装傾向で、それを嫌う者は多かった。固定武装と電子装備が嫌われたのだが、当時の技術水準ではどうしても、固有魔法と同水準の索敵能力を得るには、武装ユニットを兼ねる舟型ユニットに内蔵するしかないのだ。この根本的解決は(タイムマシンで未来型を取り寄せられる64Fを除き)1960年代後半までの長い年月が必要であった。また、Gウィッチ達は学術的には、あくまで『偶発的に起こった奇跡による突然変異』であるが、その強大さに通常ウィッチを追いつかせるための研究が行われていた。第2世代型ユニットはその初期段階の成果である――

 

 

 

 

 

「見ろ。敵は俺達を見失っている」

 

「屋上づたいに走って、正解でしたね」

 

「油断は禁物だがね。敵は東ドイツ時代のロシア系装備も有しているのを確認した」

 

「本当ですか?」

 

「アマゾンから、敵のヘリはハインドという連絡が入っている」

 

「Mi-24ですか?東ドイツにありました?」

 

「崩壊のゴタゴタがあった時期に、内部のシンパがナチに流したんだろう。あれを破壊せんと、地上部隊の安全は確保できん」

 

「全部が大戦中のものじゃないんですね」

 

「ロシア系の装備が横流しされている。航空機も、戦後のMIGとスホーイのが確認された。ゾル大佐はそれなりに準備してきたようだ」

 

連合軍が足踏みしている理由として、戦後のロシア製戦闘ヘリコプター『Mi-24』が現れ、猛威を奮った。64Fの活動で一定数は撃破したが、歩兵装備が二次大戦レベルの連合軍では荷が重いため、仮面ライダー達が破壊を担当している。また、偵察活動を代行しているようでもある。

 

「ゾル大佐って、どういう奴なんですか?」

 

「奴の生前の名は『バカラシン・イイノデビッチ・ゾル』。モンゴル系の血を受け継ぐユンカーの国防軍将校。大戦中はあの強制収容所の所長の一人だったという。ヒトラーから一定の信任を受けていて、前線指揮経験も豊富だったそうだ」

 

二号は現役時代に滝和也から聞いていた情報をキュアドリームに教える。ゾル大佐はかの有名な『強制収容所の所長の経験』があり、緒戦が中心だが、前線指揮経験もある将校であったと。ヒトラーの信任も勝ち得ており、大戦中は戦術・戦略面で『次代を担う』とも言われたと。ゾル大佐が改造人間としては比較的初期に生まれたものながら、後発の改造人間であるライダーと戦えるポテンシャルを持つ事の間接的な証明であるといえる。

 

「なるほど~」

 

「君も難儀だな。捕虜になった事が日本側に知れ渡ってから、物議を醸したんだろ?」

 

「ええ。参りましたよ。戦間期に『帰省』した時、扶桑にいる姉貴(中島小鷹のこと)に絞られましたから。それで、うちの旦那に頼んで、修行をつけてもらうことにしたんです。今回の戦争までには時間があったし」

 

二号とV3に、ドリームは修行を積んだと明言する。デザリアム戦役後に本格的に修行に取り組み、草薙流古武術を完全に会得し、『超弾動』にも覚醒。双炎斬を放つ事が可能となっている。扶桑の名家の次女なので、『プリキュアなどという破廉恥な服装が伴うものでなく、東洋的な力を使え』というトンチンカンなクレームも入ったとも。

 

「なんだ、それ」

 

「扶桑の武家の連中の一部からのクレームですよ」

 

「サムライトルーパーの力も得てる以上、充分に東洋的だと思うがね。メタ的な答えですまんが、残ってるのは『神甲冑』しかないぞ」

 

「なんですか、それ」

 

「RXとフェイトちゃんが調べた世界の内の一つにあるものだ。80年代の終わりにあったアニメ『天空戦記シュラト』に出てくる代物だ。当時は人気アニメだったが、サムライトルーパーの更に二番煎じでもあったとも言われ、後世で名前が出てくるかというと、な」

 

キュアドリームのコスチュームは初期の物よりは露出は抑えられているが、1940年代の時点の老人層などからは思いっきりクレームがつく。そのため、超弾動を身に着けたが、『東洋的な力を持つべきだ』とトンチンカンなクレームがついた。理不尽な扶桑の老人達のクレームに憤慨している彼女に、二号ライダーが例として引き合いに出したのが『天空戦記シュラト』に登場する『神甲冑』とその根幹を為す『光流』というエネルギーだ。

 

「かなりのマニアックなアニメだからな。俺もフェイトちゃんから言われるまでは、ピンとこなかった。鎧もので残っているだろう『最後の大物』なんだが、それを引っ張り出すようなものだよ」

 

苦笑いのキュアドリーム。そのアニメはサムライトルーパーのようにはなりきれず、放映終了後の時代の人々にはあまり、内容が記録されていない。ドリームも『生まれて、初めて聞いた』くらいにピンとこないタイトルであった。(ウマ娘たちに聞いたとしても、オタクであるアグネスデジタルくらいしか、正しい解答は出来ないだろう)

 

「鎧ものなんですか、それ」

 

「ああ。インド神話と密教がモチーフだったが、玩具展開の不振、作画の不安定化が複合的に絡んで、早期に終了した。サムライトルーパーも本放映当時は打ち切りになったが、あちらは本放映が終わった後も、アニメのムーブメントは数年続いたからな」

 

後世の知名度では、サムライトルーパーより劣ると言わざるを得ない物寂しさを感じさせる『天空戦記シュラト』。独自の世界観であったためか、一定の人気は保ったが、先達の二つのような『時間が経ってからの新規展開』はなされていない。そのため、その関連世界が発見されても、それだと気づかれるのに多少の時間を要したという。

 

「時空管理局も人手不足だ。観測するだけに留めた世界はそこ以外にもあるそうだ。下手に介入して、魔法でどうにも出来ない異能の集団と戦争になれば、彼等は倒されるだけだ。彼等がその『最たる例である』聖闘士世界に媚びたりしているのは、そういう事情がある」

 

 

二号ライダーの言う通り、M動乱後のミッドチルダは裏では地球の管理下に置かれたものの、それを次元世界全体に大っぴらにはしておらず、対外的にはそれまで通りの『調停者』を装っている。これは次元世界の秩序の崩壊と混乱で、次元世界の管理に地球連邦が深く関わる事を避けたためであり、俗に言う間接統治の手法で、ミッドチルダの築いてきた秩序は保たれた。その一方で、聖闘士やサムライトルーパー、アルター能力、プリキュア、仮面ライダー、スーパー戦隊、宇宙刑事などの『単独でも、平均的な職業魔導師を大きく上回る能力』を持つとされる集団を異常までに恐れるようになるという『動乱の後遺症』に悩んでいる。そのため、以前より良くも悪くも傾向が『保守化した』とされる。仕方ないが、なのはとフェイト、ヴォルケンリッターと同等レベルの魔導師がミッドチルダからは殆どいなくなり、残った者の多くは要職につけられ、なのは以外は『前線に出したくても出せない』という、ものすごくさもしい事情が絡んでおり、聖闘士世界のイエスマンのように振る舞っているのは、ご機嫌取りのためだという。

 

「なんか、そういうの聞くとげんなりしてきます~……」

 

「大人の世界はそういう妥協が多い。人は起きてしまわないと、あることを事実と認めない傾向があるからね。疫病、大災害、戦争しかり。特に日本人は…ね」

 

二号ライダー/一文字隼人は、平時にはフリーのカメラマン兼ジャーナリストである。1970年代始めの頃に駆け出しであったため、眠りにつくまでの時代の変化をジャーナリストの視点で見てきている。そのため、統合戦争からの戦乱期に至る流れに対しても、一種のシニカルな視点で論評している。ライダー二号はベトナム戦争当時の世相を見てきた世代の人間であったからだ。そのため、日本人に『起こってしまわないと、ある出来事を事実として捉えようとしない傾向がある』事を感じていた。組織と人知れずに戦ったこともあり、仮面ライダーたちはある意味では『人の愚かさ』を最も感じていると同時に、人の善性を愚直にまでに信してもいる。そこが昭和ライダーを『仮面ライダー足らしめている』一番の理由であるが。

 

 

「……商売柄、嫌われ者だけど、必要ないって切り捨てると、あとで必ずしっぺ返しが来るんだよなぁ」

 

「君等の商売の重要性をわかりやすくいえば、メガバンクのシステム管理のエンジニアみたいなものだ。普段は必要ないかもしれんが、いざという時に必要になる。コンピュータ技術の普及した21世紀以降、管理システムの不具合が頻発して信用を無くし、経営が傾いたメガバンクはいくつもあるように、その場の利益だけで物を考えるべきものではないよ」

 

ライダーV3/風見志郎は父親が遺した財産を元手に財を成し、仮面ライダーとしての活動資金にしていた過去がある。また、現役時代は一号と二号が不測の事態を予見し、事前に打っていた方策の数々で難を逃れてきたため、現役時代を教訓にし、不測の事態への備えをするようになっている。株の投資などで財を成したのは、現役時代に幾度も陥った不測の事態による窮地により、危機管理に厳しくなったからでもあった。

 

 

「V3さん、言うことが妙に説得力ありますよ」

 

「こいつは財テクで資金を稼いだ事があるからな。俺はオートレーサーとカメラマンの収入、それと事故で死んだ親父やおふくろの保険金(一文字隼人の両親についての日本の記録では、1970年代初頭に航空機事故に遭い、他界したという)で資金繰りしてたが」

 

「ヒーローも色々あるんですね…」

 

「改造される前は普通に暮らしてたからな、俺たちも。両親が死んでたり、元から孤児だったりで、波乱万丈さ」

 

 

昭和仮面ライダーは基本的に家族に先立たれていたり、戦いの中で組織の魔の手にかかったりしている。V3は後者、二号は前者に属する。改造人間としての生が『愛する者を失ったり、無二の友を失ったりする』ことの『復讐』から始まる場合が多数派であるため、助命のために改造されたスカイライダー、宇宙開発目的のスーパー1の二名が如何に異例であるかがわかる。

 

「あ、前に機関銃の銃座があるバリケードが!」

 

「風見、ライダーブレイクで吹き飛ばすぞ!」

 

「はい!」

 

二号とV3は愛車をある大きめの建物に構築された機関銃が備えられたバリケードに突っ込ませる。多少のバリケードはライダーブレイク(スカイライダーが戦列に加わった後、ライダーマシンには改良が施され、多少のバリケードなどはライダーブレイクで破壊・突破が可能になっている。この機能を最初から組み込んだ新規設計のマシンとして設計されていたのが『立花藤兵衛の遺産』であったネオサイクロン号である。)で突破できる。ハリケーンの後部座席にキュアドリームが乗っているので、ドリームは冷や汗タラタラものの体験をする羽目になった。

 

『ライダー……ブレイク!!』

 

「ひょええええ~!?」

 

急加速のGがかかり、オートバイでバリケードにそのまま突っ込むため、悲鳴をあげるキュアドリーム。情けない声を出しまくっているが、ライダーブレイクのため、二人がそれぞれのマシンを時速120キロにまで数秒で到達するほどの急加速をさせたので、さすがのキュアドリームもものすごい加速Gを感じ、悲鳴を出したわけだ。(加速する一瞬だが)

 

「ライダー共め、突っ込んでくるぞ!?」

 

「間に合わん、逃げろ!!」

 

バリケードにいたドイツ国防軍の兵士達は備え付けのMG42機関銃で防御する間もない事を悟り、バリケードからさっさと逃げる。その判断は正解で、積み上げていた土嚢や備え付けられていた機関銃……。それらがライダーブレイクで吹き飛ばされ、時速100キロを超える速度でライダーマシンは駆け抜けていく。兵士達はまさに危機一髪で難を逃れた。

 

「こちら、バリケード・G!繰り返す…バリケード・G!ライダー共が我々のバリケードを強引に突破した!繰り返す……」

 

通信兵が無線で他の屋上のバリケードに警報を発する。仮面ライダーを想定し、屋上に機関銃を備え付けたバリケードをいくつも用意するあたり、ゾル大佐の警戒心の強さがわかる。戦いはまだ、始まったばかりだった。

 

 

 

 

 

 

――プリキュア5の世界のある日のこと。こうして、仮面ライダー達はプリキュア達を助け、連合軍側に立ち、組織との戦闘を公然と行っている。のび太は裏方に回り、後方の撹乱を愛車で続けているが、キュアドリームAは気がかりであったサンクルミエール学園の学生と教職員のこともあり、組織による監禁から救うため、単独で動いたわけだ。しかし、それを先読みしていたゾル大佐の罠にハマり、そこを仮面ライダー二号とV3に救われたわけだ。組織は映画撮影を装っているので、教職員と生徒にあからさまに手を出すことは避けているはずだが、狡猾で鳴らし、連合国軍を恐れさせた連隊指揮官であったゾル大佐の事なので、彼女らがどうなっているかは怪しい。のぞみBは変身せずに『夢原のぞみ』として動くことで、プリキュア5までの代にあった『正体を自分から隠す』という事を図らずしも達成していた。キュアドリームと夢原のぞみが別にいるという事は、お互いが『別人』というのに何よりの証拠になるからで、そこも、正体バレがどこかであったフレッシュプリキュアやドキドキプリキュアとは違う点であった――。

 

 

 

 

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