ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第二百七十五話「幕間その16 ウマ娘達の生活、ジオン残党という災厄」

――ウィッチ至上主義の社会はティターンズの出現、それに伴う未来技術の登場、ウィッチ以外の異能の判明で『あっけなく』崩壊へ向かった。結局、黒江たちが見せた夢である『単騎で戦況を変えるウィッチ』は夢でしかないこと、黒江たちが過去に使った力はウィッチの力ではない事が判明したこともあり、急速にウィッチ至上主義は衰退した。とはいえ、既にウィッチ経験者が社会で高い地位にあったこともあり、ウィッチ達の地位は治安上の都合などで維持された。その方が都合が良かったからだ。そのため、本質的には異なる力であろうと、一律でウィッチ扱いであるのは『社会秩序の乱れを国家が懸念した』からである。クーデター事件とその余波で『軍の中核になるくらいに育ってきていた、働き盛りのウィッチ』を大量に失った扶桑軍隊は自前のウィッチ戦力を必然的に縮小し、近代兵器を増強せざるを得なかった。また、ダイ・アナザー・デイで通常兵器が枯渇してしまう惨状となったため、維持費が高い割に、怪異戦特化の兵科と化したウィッチの規模維持に魅力が無くなったのである。――

 

 

 

 

 

――プリキュア達が戦功を挙げていく一方で、従来のウィッチ達が強化人間を含めた者達に容易く倒されていったダイ・アナザー・デイは、ウィッチ兵科の維持に魅力を失われているに充分な説得力をもたらした。特に怪力系の魔法を持つウィッチ達が格闘技の達人に容易く敗れていった事は『固有魔法頼り』(バルクホルンのように、普段から鍛えている者は稀である)の風潮にとどめを指した。また、ティターンズ残党の最高幹部は南斗聖拳、あるいは北斗琉拳、崋山系の拳法の伝承者であり、常人と比較にならない力を持つがため、素でプリキュア達相手でも引けを取らない。それでいて、神闘士や海闘士を兼ねてる者もいるため、平均レベルは64Fよりも安定して高く、ダイ・アナザー・デイでは64Fをも苦戦させた。ダイ・アナザー・デイ後に64Fで猛特訓が行われた背景にはそれも関係していた――

 

 

 

――扶桑皇国では、軍・民を問わず、近代化の一段落した1910年代以降、カールスラントに傾倒する動きがあったが、日本国との連合の結果、相次いで親カールスラント派は急激に失脚していった。海軍でも、親カールスラント派から『軍艦を男性と例えるべきだ』と強く提唱されていたが、艦娘の出現により、その考えが根本から否定される格好となった。史実ドイツが日本を裏で駒として利用していたに過ぎない事が判明した事も重なり、独系国家に幻滅した扶桑皇国は、それまでのカールスラントへの強い親近感が急速に冷めていった。その一方で、軍縮で予備役になった優秀な陸空軍の将校達のヘッドハンティングを公然と行い、カールスラント軍の実働部隊を事実上の骨抜きにするほどに引き抜いた。扶桑軍への入隊が都市部を中心に、社会的ステータスと扱われなくなったことでの志願数の低下を補うためであり、1948年の入隊者の過半数は義勇兵か、自衛隊との兼任者という有様であった。

 

 

――一方のカールスラントは、扶桑の幻滅による貿易量の低下による経済危機、反ドイツの強い世論を背景にしての内乱で、国の統制が崩壊していた。共和制への移行を強引にさせようとしたドイツ連邦共和国の強硬姿勢への強い反感が内乱を招いたのである。地球連邦による砲艦外交も虚しく、ドイツ連邦共和国は同位国を大混乱に陥らせた。この内乱を危惧したキングス・ユニオンはNATO軍による鎮圧を提案。アメリカとフランスの同意もあり、近代装備で身を固めるNATO軍が現地に派遣されたが、既に政府機能は崩壊しており、皇室もその身が危うい状態であった。NATO軍は状況を鑑みた派遣軍司令の独断で軍政を引く事になり、ノイエ・カールスラントの統治を代行をせざるを得なかった。この混乱でカールスラントの軍備再建計画は白紙に戻ったが、雇用維持のため、既に工事が始められていた新規の海軍艦艇、陸空軍装備の整備は維持された。その方がNATOにとっても都合が良かったからだ。ただし、船体工事が進んでいたビスマルク級戦艦の増強分は空母へ改装とされ、港に繋留されていたバダンからの鹵獲戦艦群を修繕し、それと既存のビスマルク級で条約での戦艦定数を満たすことで、砲熕型艦艇の新調に強く否定的なドイツ連邦海軍と、昔年のカールスラント大洋艦隊の復活を強く望む現地世論とのすり合わせがNATOの仲介で行われた。それはまさに妥協の連続であった。その分の兵力の埋め合わせが日本連邦に強く求められたため、日本連邦はやむなく、戦艦、超甲巡などの砲熕型艦艇の定数の増強をせざるを得なかった。同盟国のブリタニアが緩やかに衰退期を迎えたため、アジア地域全体の安全保障が急務になったのだ。とはいえ、南洋との連絡を絶たれることは扶桑の死を意味する。スーパーロボットによる圧力を抑止力として活用せねばならないあたりに、根本的な戦闘艦艇の不足(旧式艦を退役させたのが仇になった)が見え隠れする日本連邦。戦艦をドイツ海軍よろしく、通商破壊に投入せざるを得ないのも、潜水艦隊や空母機動部隊の育成と世代交代が終わっていない故の妥協であった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――B世界のウィッチ達はA世界の戦争がもはや人同士の『同族殺し』に回帰している事、複数の平行世界の介入で、『この世界は怪異を倒せば平和になる』わけではないことを戦場に出ることで実感した。そのため、統一した意志を表明できずにいた。A世界の自分との間に差を感じたり、状況の違いに戸惑う者も続出していたからだ。芳佳Bは顔を隠してでも、救護活動に性を出し、リーネはA世界の自分の変化した姿である『美遊・エーデルフェルト』に協力する道を選んだ。芳佳Bが顔出ししない任務を了承したのは、自分の世界の黒江たちへの贖罪、更にいえば、自分が呼ばれた理由を見出したかったのである。そこに彼女の業があった――

 

 

 

 

 

 

――そんなニュースの流れるドラえもん世界――

 

 

「かいちょー。シンザンさんやハイセイコーさんが賛成してるのに、なんで、理事にドリームシリーズの常設化を責める論調が多いの?」

 

「地方競馬が衰退期に入っているからだよ、ルドルフ。オグリくん達の世代が引退した後、地方の有望株を中央に引き抜いていく事を、地方競馬関係者が問題視し始めたが、世論の手前、表立っての反対はできん。そして、地方競馬場が閉鎖し始めたのを気に、対立姿勢を鮮明にしたのだ」

 

「バカみたい」

 

「地方競馬の関係者の気持ちはわかるが、中央のエリート達が凱旋門賞に挑んでは、何度跳ね返されたか…。それに、ハードバージやプレストウコウの悲劇を繰り返すわけにはいかんのだ。ドリームシリーズの常設化はメイズイさん(シンザンの更に先代の生徒会長)の賛同も得られた以上、何が何でも実現させる。たとえ、地方を潰してでも、な」

 

トウショウボーイはマルゼンスキー世代の不幸な運命、自身の先輩であったハマノパレードの悲劇を知る世代であるため、地方の理事らを敵に回しても、ドリームシリーズで『ウマ娘競走全体に活気を取り戻したい』という願いを抱いていた。オペラオーにスター性がないという問題、スペシャルウィークがシニア級に出ることなく、トゥインクルシリーズを退いてしまった事は現役でシリーズに残っているグラスワンダーの低迷を招いた。その点でスペシャルウィークは責められていた。グラスワンダーは全盛期のコンディションを維持していたのなら、海外遠征も夢ではないとされたが、ここのところは精神的に不安定となり、成績は低迷。まさに『マルゼンスキーの再来と謳われた頃の面影はどこに?』な状態であった。その原因と見做されたのだ。(双方に非はないし、グラスワンダーは『三人揃った上で引退したかった』だけなのだ)

 

「スペシャルウィーク君だが、グラスワンダー君の不調との因果関係を疑われている。グラスワンダーくんが夜な夜な、すすり泣いているという噂が学園内で流れている。地方の知事らはそれを使って、我々を攻め立てている。グラスワンダー君にはなんとしても、次の出走で『怪物は健在なり』と示してくれなければ困るのだ」

 

「グラスは同期と仲良かったから…。特に、エルコンドルパサーとスペシャルウィークの二人とよくつるんでたから。羨ましかったんだけどなぁ」

 

「お前は同期からは疎まれ、幼馴染のシリウスシンボリとも疎遠になってしまったからな」

 

頷くシンボリルドルフ。トウショウボーイの言う通り、ルドルフは頭角を現し始めた時期から『皇帝』への道を歩みだしたが、凡百の同期や先輩らを蹴散らしていくその姿は同期からの反感を買っていた。マルゼンスキーと友人関係になったのは、お互いに『世代最強であるが故に、同世代の友人に恵まれなかった』からである。特にシンボリルドルフは、幼なじみであるシリウスシンボリが問題児で、日本ダービーを制した経験がありながら、素行不良で、喧嘩になった相手をレース直前に本気で蹴り、病院送りにするという醜態を見せた。その時から疎遠な状況が続いている。

 

「だって、かいちょー。あいつはレース直前に相手を病院送りにしたんだよ?トレーナー同士でも殴り合う事態になったし…」

 

「今では、その話のほうがあいつの逸話になったからな」

 

シリウスとはその騒動で疎遠になったらしいルドルフ。それ故に、テイオーを可愛がっている面はある。他人のような気がしなかったからだが、別世界では本当に『息子』であったことを知ったため、余計に可愛い。それは素の自分を出している時も変わらない。

 

「先輩~~!!」

 

マルゼンスキーが息を切らしながら、やってきた。マルゼンスキーはスタミナはそこそこで、息を切らす事は珍しい。

 

「どうした、マルゼン」

 

「ま、マヤノトップガンちゃんが……トレーニング中に怪我して、病院に担ぎ込まれたそうです!」

 

「それで、マヤノトップガンの様態は?」

 

「トレーナーによると、屈腱炎だそうです。診察で引退を勧められたと……」

 

「マルゼン、マヤノ君をすぐに転院させるように連絡を取れ。病院には、私から説明する。この連絡先の病院なら、屈腱炎を治癒できる。『彼ら』の拠点でもあるからな」

 

「わかりました!!」

 

トウショウボーイはマルゼンスキーの一期先輩であるため、マルゼンスキーも敬語を使う。また、マルゼンスキーは怪我で早期に引退してしまったため、その事が自分と同世代のウマ娘に不幸を呼び込んだということに負い目があるため、ルドルフが生徒会を引退する時代でも、生徒のご意見番的立場で在籍し続けている。

 

「今、テイオーちゃんがマヤノちゃんのトレーナーを説得しています。引退届を思い留まるように。治す手段があると…」

 

 

マルゼンスキーはトウショウボーイに報告する。彼女にしては真面目な体裁だが、トウショウボーイは彼女の先輩だからだ。

 

「あいわかった。ルドルフ、お前もマヤノ君のトレーナーを説得しろ。お膳立ては私に任せろ」

 

「わかった~!」

 

マヤノトップガンがショックに打ちのめされていることは容易に想像できたため、テイオーはマヤノの説得と慰めに奔走している。ルドルフも生徒会長モードに切り替え、マヤノトップガンのトレーナーの説得を始める。ルドルフは公私を明確に切り替えられる事が容易にわかる。従って、皇帝と例えられる姿はルドルフが長年かけて築いてきた虚像であり、偶像でもある事でもある。また、トウショウボーイも含め、この時の服装は全員がトレセン学園の制服であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――ナリタタイシンはゴールドシップの気遣いもあり、周囲に心を開いていった。出会いは良好ではなかったが、この頃には良き友人になっていた。ゴールドシップがルーデルの記憶を用いての処世術を実践し始めた事も大きかったが、タイシンも『誰かに慕われる』ことで精神的に余裕が生じたためか、表情に優しさが表れつつあった――

 

 

「お前も、いい顔をするようになった」

 

「あの子のおかげ……かな。子供の頃から、誰かに見下されたり、舐められた事はあっても……誰かに頼られる事はなかったからさ」

 

タイシンは史実の自分の悲運を『見た』ことで思うところがあったのか、以前より表情が柔らかくなり、ノビスケに優しく微笑うところを見せるなど、精神的に大きく成長していた。ルームメイトのスーパークリークの気持ちを理解したのも大きかった。

 

「帰ったら、護身術のトレーニングだぞー」

 

「つか、アンタ。いつの間に軍隊式の近接格闘術なんて覚えたのよ。」

 

「ツテがあるったろ?ま、ウマ娘とわかってて、喧嘩売るアホはそんなにいねえよ。それに居合抜きを覚えりゃ、ゴロツキどもは寄り付かなくなる」

 

ウマ娘達は筋肉量などで平均的なヒト(ホモサピエンス)を凌駕する。しかし、極限まで鍛えた人間は時として、ウマ娘をも超える場合がある。ドモン・カッシュ、流竜馬・拓馬親子、兜甲児、剣鉄也、神隼人、亡き東方不敗などがそれに当たる。それら例外を除けば、ウマ娘は身体能力で優位にある(胃の消化能力はオグリキャップが絶対的頂点だという)。なお、別世界まで範囲を広げれば、比古清十郎、斎藤一、緋村剣心の身体能力は凡百のウマ娘を超えているという。

 

「居合抜きねぇ。法律に引っかかない?」

 

「大丈夫だ。ライスなんて、勝負服に短剣ついてるし、エイシンフラッシュはフェンシングのアレ、グラスワンダーは薙刀持ってんぞ」

 

「そういえば……」

 

グラスワンダーは普段から薙刀を隠し持っており、エルコンドルパサーを懲らしめる時に使っている。ライスシャワーも勝負服に短剣がついているし、エイシンフラッシュも剣を持っている。ゴールドシップも中々に巧みである。

 

「それに、この世界じゃ、寝込みを特殊部隊に襲われるなんてのがざらだとよ」

 

「何それ!?」

 

「あの子の親父さんがガキの頃に最盛期だった学園都市、米軍とかが非公式に、ドラえもんの技術を狙って、寝込みを襲った事があるんだ。それも、一回や二回じゃねぇそうだ。そりゃそうだ。オーバーテクノロジーの塊なんだから。途中からはウィッチ、プリキュア、時には、仮面ライダー達も警備についたそうだ。ドラえもんの持つ技術が悪用されないために。だけど、統合戦争って大戦でその多くが失われて、技術の復興を宇宙移民の過激派が妨害してきた。だから、ジオンは国が無くなっても、嫌われ者なんだとよ」

 

「サイド3やスイートウォーターの連中って、そんな連中の?」

 

「一時の独立熱が生み出した存在だ。ナチスと本質は変わらねぇよ。しかも、ジオンの名前でテロをやる戦争屋も多かったから、ティターンズなんていう極右が連邦で台頭しちまうんだよ。デラーズ・フリートやアクシズ、ネオ・ジオン…。そんな残党が蜂起しまくったから、地球の北米東海岸は腐乱死体みてぇに荒廃しちまうし、オーストラリアは首都と最大都市が地殻ごと消し飛ぶ。それでいて、条約違反も平気でやる。そんな無法をやっちまうから、あのコロニー群は嫌われるんだ」

 

未来世界でのジオンは最終的にギレン派残党が主体になって、月の爆破を目論んだ事の責任を問われる形で共和国は自治権を放棄、移民船団化を選んでいる。彼ら本来の故郷であるサイド3をも『ジオンの魂を忘れた売国奴』と見做してテロ攻撃を行うという愚行を多く働き、極めつけに『月を粉砕し、全コロニーと地球を滅ぼそうとした』。その責任を負う形で、サイド3とスイートウォーターは移民船化の改造を受け、近々、外宇宙へ発進する手筈である。

 

「それでどうなったの?」

 

「共和国は月爆破未遂の責任を取って、自治権を放棄。移民船団になって、地球圏を出ていくことになった。それも棄民ってんで、攻撃して妨害してやがる。あの子を暗殺しようと、この時代に部隊を送り込んできたこともある」

 

「そんな、SF映画じゃあるまいし」

 

「子孫が反ジオンを煽ったからだと」

 

ここで、ゴールドシップは『ジオン残党が野比家の血脈を過去の段階で断とうとした』ことを教える。野比家の子孫であり、デザリアム戦役の直前まで生きていた『野比セワシ』は子息の一人がその一家ごと、ブリティッシュ作戦の犠牲になったことで反ジオンへ転じたが、ジオンはそれを裏切りとし、残党軍がセワシの先祖であり、野比家中興の祖となったのび太・ノビスケ親子を抹殺せんとした事がある。その時は『七人ライダー』と『プリキュアスターズ』(その日はキュアドリーム、キュアミラクル、キュアフェリーチェの三人がいた)が暗殺者を倒し、送り込まれていたMSとMAも、危機を察知した流竜馬が送り込んだ『平行世界における自分の子』である『流拓馬』(他世界から『バグ』の脅威を伝えるために現れた、流竜馬の実子。乗機はゲッターロボアーク)の駆る新世代ゲッターロボ『ゲッターロボアーク』に粉砕されている。ジオン共和国の滅亡は、残党軍の身勝手な行為の数々が降り積もったことで起こったわけだ。

 

「だから、それも起こり得るんだ。ジオン残党軍は自分たちに背を向けた連中の一族郎党を皆殺しにするような、ナチスまがいの連中さ」

 

「だから、あんなことを?」

 

「そうだ。アタシは知ってるんでな」

 

のび太親子は自身らの死後の子孫が買った恨みが原因で、白昼堂々と、自分の時代でジオン残党に襲われるという事件にも遭遇した事がゴールドシップから語られた。それはちょうど、ノビスケが幼稚園児だった時代の最後の運動会の日だったという。関係ない人間も大勢巻き込むところに、ジオン残党の悪辣さが見え隠れする。七人ライダー、プリキュアスターズ、ゲッターロボアークの介入を招いたのは当然のことであった。そのため、流拓馬は激怒し、首謀者の元・大佐をしこたまぶちのめしたという。

 

「関係ない時代の、しかも、自分たちの生まれる遥か以前の時代の人間をぶっ殺しに、わざわざ、タイムマシン管理部署の大型タイムマシンをぶんどって、MSを含めた兵力を送り込むか?馬鹿げてやがるぜ」

 

その事件では、警察は全く無力であった。のび太も武器を持っていなかった(息子の運動会だったので)ので、応戦できず。更に警察がきたところで、できるのは避難誘導がせいぜい。更にジオン残党はMSの跳躍地雷(Sマイン)を躊躇なく使用。警官隊、運動会に来ていた保護者などを虐殺し、のび太ら『ススキヶ原の有力者』以外の者達を皆殺しにしようとする残虐行為を働いた。(その残党はキシリア派の残党だったという)当然、その残虐さは、事態を察知した三人のプリキュアを激昂させ、七人ライダーも参戦するに至った。ドム・トローペン、陸戦型ゲルググ、グフ・カスタムらの登場で窮地に陥った一同だが、事態を察知した流竜馬が送り込んだ『ゲッターロボアーク』に救われた。その事件は報道規制が引かれたものの、23世紀のジオン共和国と地球連邦が『国際連合』の名義で、被害者への賠償金を当事者に支給するなどの損害賠償を行った。また、同時に、東京を海から制圧せんと、ジオン潜水艦隊の残党が横浜港を襲撃したが、竜馬と隼人から通報を受けたアムロ・レイがHI-νガンダムで鎮圧している。(この活躍が、21世紀の福岡にνガンダムの立像が建設されることに繋がる)この『21世紀へのテロ攻撃』がジオン共和国の命脈を絶つ一因となった。(間接的に扶桑に人型兵器の万能性を認識させた)皮肉なことに、彼らの行為がティターンズ誕生などの強硬な施策に繋がってしまう。ジオンの敗北は歴史の必然だったことになる。共和国はこれを知っていたからこそ、自治権放棄を選んだのだ。だが、これが21世紀へも公国残党のテロを広げるきっかけにもなった。自分のルーツといえる国の一つにも、なんら躊躇なく、残虐な攻撃をする姿勢はジオン残党の大義名分を消失させる最高の一打となる。

 

「そんな事件がまた起こらねえとは限らない。だから、ゲッターロボGを使うって言ったんだ。昔にあったろ?暴走したコンピュータが過去に兵器を送り込むって映画。そんな時に備えて、使える手は使えるようにしとくってだけだ。」

 

「そんな状況が起こるのが、あの子の親の因果なの?」

 

「正確には、その子孫が地球連邦の名家だからだそうだ。スペースノイドはゼータクなんだよ。社会最底辺レベルの人間でも最低限の教育は受けられるんだし。今の時代はスラムや難民が出てるのに、コロニーはそれがない。地球の難民やスラムに比べりゃ、充分にテクノクラートだってのに」

 

 

ゴールドシップをして、そこまで言わしめるほどの現況がスペースノイドの実情でもあった。歯止めがかからなくなれば、コロニー同士の際限なき殺し合いが起こる。それを平行世界を行き交うことで知った地球連邦は統制を回復せんと、宥和政策と首都の月面への移転を行ったが、結局はネオ・ジオン強硬派(ギレン派の残党)が月の爆破を目論むなど、地球連邦はろくな目に遭っていない。

 

「ワープもできるようになって、本格的な宇宙開拓の時代だってのに、ラグランジュポイントの狭いコロニー群にこだわってんのは馬鹿らしいぜ。とはいえ、気持ちはわからねぇわけじゃないけどな」

 

 

コロニー生まれのスペースノイドは別星系への移民すら始まってきた時代、自分たちが宇宙生まれの代表の座から落ちるのを恐れ、残党への支援をしたが、残党を制御することなどができるはずはなかった。また、際限なき争いが文明を後退させた統合戦争への教訓で、残党への肩入れでの泥沼化を避けようとするコロニー群が続出する。日本の空港建設の泥沼化がそうであったように、過激派を利用しようとすると、ろくなことにならないのだ。ジオン残党に肩入れした者もその負のスパイラルに気づき始めている。

 

「だから、タイシン。トレーニングを欠かすなよ」

 

「わかってる」

 

二人はコンビニで買い物しつつ、ノビスケが遭遇したいくつかの事件の事を話題にする。護身術のトレーニングは過去の人間さえ、ジオニズムの犠牲にしようとするジオン残党の暴虐から21世紀を守るためでもあるのだと、ゴールドシップはいう。結局、ジオンは拓馬の世界でのアンドロメダ流国のようなことに手を染めることで、連邦の名家である野比家の抹殺と、ジオンの名を残そうとする事の両立を狙うが、結局、ジオン・ダイクンの名と存在を自分らの都合のいいように用いたザビ家が築いたものは砂上の楼閣に過ぎない。かの『荒野の迅雷』との異名を誇ったジオンのエースであったヴィッシュ・ドナヒューが生前に述べたように、『地球にコロニーを落とした時点で、ジオンに大義などありはしない』のだ。

 

「自分達の大地でもあるコロニーを兵器に使う時点で、行いが間違ってるって思ってなかったの……?」

 

「わかってたら、北米やダブリンにも落とすか?」

 

「……」

 

タイシンのその言葉は真理だった。スペースノイドもそれに気づいていた者は大勢いたが、短期決戦を狙ったギレン・ザビの手で黙殺された上、戦後の利権を狙ったキシリア・ザビの手引でレビル将軍を逃した事が不幸の始まりであった。ミネバ・ラオ・ザビが『オードリー・バーン』という生き方を望む理由はその罪の意識からの逃避も含む。過去や異世界の存在からも『間違っている』と断じられていくジオン残党は遂には、過去の人間にさえ牙を向ける蛮行を働き、軍隊から『災厄を撒き散らすテロリスト』へ堕ちていく。ウマ娘たちから見てからさえ、その行為の異様さが際立つのがジオン残党の自業自得であり、拠り所が希薄化していく組織の悲劇であった。

 

 

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