ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きですが、ウマ娘については、今後は表現の度合いを手探りすることになりますので、ハラハラドキドキしながら書いております。



第二百九十三話「幕間その37 タイシンとゴルシの会話、ウマ娘競走協会の出した通達」

――基本的に、ウマ娘たちはマスメディアで作られたイメージが有るため、言動には気をつけている。ルドルフも生徒会の多忙で、現役時より視力が多少低下しているが、普段はコンタクトを着用していた――

 

「ふむ、処置とは凄いものだな。視力まで回復するとは」

 

「ナノマシンが体のあちこちを瞬時に組み直すから、らしーよ。どうするの、かいちょー」

 

「伊達眼鏡を持ち歩くようにするさ。不自然だからな、持ってないと」

 

微笑ってみせるルドルフ。色々な兼ね合いで、ウマ娘はレースに出走している限り、表立って『喧嘩できない』などの事情がある。(ある時、ゴールドシップとエアシャカールは一触即発であったが、レースが始まったので、結局は有耶無耶になっている)

 

 

「でもさ。どうして、今更、協会から通達が?」

 

「このごろは色々な出来事があっただろう?世間が持つイメージを怖さんでくれと言うことだろう。これからは一挙一動に気をつければならんぞ、テイオー。」

 

「え~!!すっごーーーくめんどーだよ~!」

 

「そういうな。協会も、自分らのイメージアップに必死なんだ。キングヘイローの失踪は、この頃は何かと世間を騒がしているからな。それと、護身術の履修は勧められている」

 

「護身術ねぇ……」

 

「エルコンドルパサーは父親の影響でプロレス技、グラスワンダーは薙刀を持ってるだろう?相手の攻撃を受け流す合気道などが望ましいが、そう贅沢はできないからな」

 

ルドルフは協会が出したお触れに触れた。『世間のイメージを壊す振る舞いは現役中・あるいはトレセン学園在籍中は避けろ』というもので、ある意味では『縛りプレイ』であった。(例えば、オグリキャップは常に食いしん坊であるべき、など)とはいえ、それは公の場での事である。ルドルフが視力を回復させたのは『世間が持つ自分へのイメージを守るため』である事も示唆された。(とはいえ、トレーナーなどが『セクハラ行為』をしていた場合に制裁をする権利』は、当然ながら保証されている)この通達はあくまで、公の場での振る舞いへの注意喚起であった。しかし、予想以上に混乱も生じている。(例として、ビコーペガサスは『ヒーローの真似はしちゃいけないのか!?』と激しいショックを受けている)その事から、協会は『個人の嗜好に制限を加えるものではない』という通達を出す羽目に陥ったとも。

 

「エルコンドルパサーはプロレス技してたね」

 

「父親が覆面レスラーだったらしい。マックイーンとゴールドシップはキン肉マンの技を使えるとか聞いたが?」

 

「ゴルシが仕込んだらしーよ。とはいえ、迂闊に喧嘩を買えなくなったよ?」

 

「自衛のために、聖闘士の技でも覚えるしかないか?それとも、クロックアップできる道具でも借りるか?」

 

「めちゃくちゃだぁ」

 

「まあ、このニュースよりはマシじゃないか?他人事のように報じているが」

 

それは扶桑戦艦を基幹とした日本連邦海軍がリベリオン海軍を迎え撃っている様子の中継であった。ミサイルは中型艦艇には効果があったが、想定外の装甲を持つ戦艦には効果が薄いこと、現代艦艇は戦艦の砲撃に脆く、容易に戦闘能力を失うことが示されている。また、予算の都合で、ミサイルを戦艦の砲撃の迎撃に使うような真似はできない(爆風で電子機器が破損する危険があったため)事もあり、革新政権時代の交戦規定で自衛隊の護衛艦は雷撃ができない(人的被害を嫌がった当時の首相が決めたもの)ため、連合艦隊の戦艦による砲撃で雌雄を決するしか選択肢がない。播磨型はその要であった。播磨型は大和型戦艦の強化型として設計されているが、地球連邦軍の宇宙戦艦の規格に則った重防御が施されているため、1940年代の兵器ではどんなものを用いたとしても、破壊は不可能という生存力を発揮した。改モンタナ級戦艦は1940年代の造船技術の持てるすべてのノウハウを費やした巨艦だが、宇宙戦艦時代の技術で作られた『戦艦』に勝てるはずはなかった。

 

『あ!!リベリオン戦艦の一隻が炎上しました!!』

 

衛星中継される海戦。連合艦隊の戦艦部隊は長砲身化された51cm砲を斉射する。宇宙戦艦の時代の射撃指揮装置を用いての砲撃は高命中率であり、大和型戦艦の威容を正しく受け継いで巨大化した播磨型は日本にも受けが良かった。外見は第二次世界大戦型戦艦だが、それは偽装。中身は地球連邦軍の第一線級の軍艦と同じ作りである。そのため、命中率は比較にならない。そのため、『砲撃で沈んだ戦艦』という戦史上の不名誉な記録はこの時のリベリオン軍艦が更新した形になる。

 

『第二次世界大戦の再現のような戦いであります!航空機が介在せず、海の猛獣達が互いの鉾を突き合わせています!いずれも、我々の知る、どの戦艦よりも大きい戦艦がです!』

 

そこで、砲が吠える。いずれも、史実で完成した戦艦が巡洋艦に見えるほどの威容を誇る大戦艦。それが本気の砲撃戦を戦っている。日本側は大和型の改良型、リベリオンはモンタナの改善型。造船科学が太平洋戦争期に生み出すはずであった艨艟達がその巨砲を撃ち合う。古式ゆかしい海戦の構図だ。第二次世界大戦では完全に机上の空論と化していたはずの『新戦艦による砲撃戦』が21世紀に現れたのである。否応なしに注目は集まるのである。公式には参戦していないアメリカ合衆国も、偵察機と監視衛星を用いて、様子を観察している。戦艦同士の砲撃戦など、第二次世界大戦の欧州戦線やレイテ沖海戦を最後に行われていなかったため、尚更である。皮肉なことに、この海戦で日米戦艦の再評価が進む一方で、それ以外の国の戦艦の評価が相対的に下落してしまうという副次効果が生ずるのだった。中継の解説音声が妙なシュールさを漂わせるのもあり、テイオーとルドルフは不思議とTVに惹きつけられるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――ナリタタイシンはようやく仕事を終え、元の姿に戻るなり、協会からの通達に不満げな顔を見せた――

 

「なにこれ」

 

「よーするに、協会はあたしたちに世間体を意識しろってさ」

 

「キングヘイローがどっかいっちゃったからって……」

 

「あいつの家庭環境が白日の下に晒されたからな。傷心になって、どこか彷徨ってるんだろう。レースに戻れば、元通りになってくれると思うが…。ハルウララを心配させやがって、あのどアホが!」

 

キングヘイローの史実を知っているのか、再起を期待しつつも、ハルウララを心配させている事でむかっ腹がたったのか、悪態をつくゴールドシップ。とは言え、言動は普段よりかなり抑えぎみなので、ウマ娘のまとめ役的な雰囲気があった。

 

「あんた、最近……大人しめになったっていうか……雰囲気変わったわよね?」

 

「テイオーの怪我の事もあったし、あたし自身にも色々とあったんだよ。それに、うちのトレーナーさ、最近はテイオーが怪我しまくってたから、心労で体を壊しちまってな…。あたしがチームをまとめねーとならねーんだ。まだレースに出てない若い奴らはもちろん、リギルを解体する予定だからって、籍を移された連中の掌握…。やること多くてさ」

 

 

自由奔放な性格のゴールドシップだが、自身のチームの危機には立ち上がり、まとめ役を買って出る任侠的な側面を持つ。ズタ袋でスペシャルウィークを『連れてくる』など、結構に危ない橋を渡っているようだが、意外に仲間思いな実像がある。また、史実での『大チョンボ』をウマ娘としても、やらかしてしまったなどの共通点があるものの、本人はポジティブに考えていた。

 

「あのチームはどうなるの?」

 

「学園最速の称号を持っていたから、学園側は維持したかったようだが、協会の理事共が否決してな。表向きはウチのチームとの合併になる。ウチのオジキ(ディープインパクト)に挨拶してきたが、オジキは強い」

 

「知ってるわよ。こっちでも調べた。……ディープインパクト。2000年代半ばの日本競馬界を席巻した『サンデーサイレンスの遺した最強の遺産』。シンボリルドルフ以来の『無敗の三冠』を達成し、久しぶりに現れた『スーパースター』。オグリキャップが地方から這い上がったのに対し、ディープインパクトは中央競馬のエリート。ナリタブライアン以来の三冠馬の名誉を得、その子孫たちもその後の時代に多数が活躍……。まさに名馬ね」

 

「サンデーサイレンスじいさまが遺した子の中で、ワンツーを争う出来だったからな。だが、経歴は経歴。戦ってみないとな」

 

「当たり前でしょ。前世で歴史に残る活躍をしたってだけで、ウマ娘としても強いって気取られちゃ困るわよ。こっちにも意地ってもんがあるんだから。そりゃ、基礎が違うのはわかるけど」

 

G1競走馬の魂を受け継いだ者はすべからず、高い基礎能力、あるいは高い潜在能力を持つ。その中でも、時代を担った、あるいは時代を変えた経験がある者達が達することができるという境地の存在がウマ娘達の間で語り継がれてきた。ゲームで言うところの『固有スキル』のようなものと考えればいい。マルゼンスキー、タマモクロス、オグリキャップ、シンボリルドルフ。学園に在籍中のものでは、この四名が『その境地に達したウマ娘の中での古株』に相当する。また、境遇と心境でそれまでと違うものに変質する場合がある。これはトウカイテイオーで確認されている。

 

「ブライアンが言ってた。あの有馬で、テイオーにフェニックスを見たって」

 

「あいつにも見えてたのか。あの『鳳凰の羽ばたき』が」

 

「つか、不死鳥と鳳凰って……同一なの?」

 

「厳密には違うんだが、一般的には混同されてるからなー。」

 

ゴールドシップはおどけてみせつつも、意外に博識である。鳳凰は厳密には不死鳥と別のものらしいが、アジア文明と西洋文明の接触期辺りで混同され、それが一般化されたと続ける。

 

「……ふぅん。ブライアン、あれで武者震いしたって言ってたわ。ハヤヒデはあの時、間違いなく最高の出来だった。だけど、テイオーはハヤヒデをわずかにだけど、上回った。ハヤヒデにも一瞬、見えたそうよ。レース場の応援がテイオーに翼を与えるのを。テイオーもその翼を信じた…。それがあの有馬だって。テイオーに出来たのなら、あたしにできない道理はないってことじゃん?」

 

「確かにな。お前は運命っていう鎖に縛られてた。前の宝塚記念に負けた。だけど、お前は前世で『それ以上』は立つことの叶わなかったターフに立ってる。その時点で『運命のその先』に立ってるんだ!お前も、ブライアンもだ。前世は前世だ。確かに前世の存在を意識することは多くなった。テイオーもそうだし、会長もだ!だけど、前世で叶えられなかったからって、そこで立ち止まっちゃ、何も変わらねえ。前世はある意味、自分の遥かな過去だ。だけど、これからの事……未来までは全部が決まったわけじゃないんだ。あたしらでやってやろうじゃねーか。『運命を超える』のをよ、なぁ、タイシン?」

 

「あんたにしてはクサいけど、その気持ちは同じ。やったろーじゃないの。帰ってきてなり、御高説を垂れて…と思ったけど、見てみたいんだ、あたしも『未だ見ぬ明日』を……ね」

 

タイシンはゴールドシップの熱弁を聞いている内に、自身も闘志が燃え上がっていた。ゴールドシップは本来は口よりも行動で自分の意志を示すウマ娘であったが、ルーデルとの記憶の共有で『カリスマ性』が身についたのか、言葉でナリタタイシンを動かすほどの効果を見せた。テイオーとブライアンが意気投合したように、ゴールドシップはナリタタイシンとこの時に意気投合し、共にシニア戦線のターフを荒らすことを誓い合う。本来なら、まったく世代が違う(ナリタタイシンは平成初期に活躍したが、ゴールドシップは平成後期に活躍していた競走馬である)はずの二つの存在を、同じ時間で引き合わせた神々の気まぐれ。

 

「今度、暇ならよ、飛行機で空飛んでみっか?」

 

「あるの?」

 

「極上のがある。戦闘機だけどな」

 

「いいの?」

 

「あたしら、ゲットマシンの訓練は積んできてるから、今更だぜ。この世界の未来じゃ、払い下げの戦闘機でのエアレースが娯楽になってるそーだしよ。それに出てみて、レースに必要な頭とカンを鍛えるのも、トレーニングになるってよ」

 

ゴールドシップが言及した『未来世界でのエアレース』とは、未来世界で可変戦闘機が普及し、その民生分野での活用方法として考案されたエアレース『バンキッシュ』のこと。可変戦闘機の機能を活用しての派手なレースが話題を呼び、電気自動車などの普及と、スペースノイド中心となって制定した規制政策で相対的に衰退したモータースポーツから『花形』の地位を奪い取った新興のスポーツ。デザリアム戦役が終結して間もない頃には、上位リーグで『VF-19』系が使われだしているが、現役機かつ、腕に覚えがある者にしか扱えないために希少。大抵の場合は良くて『VF-17』であるという。(軍役から解かれた旧世代機のリサイクルを兼ねた公認ギャンブルという側面もあるが)

 

「戦闘機のエアレース?」

 

「そ。あたしたちの世界でも、エアレースのアンリミテッドクラスは二次大戦中の最終世代のレシプロ戦闘機をレーサーに改造したのだろ?いわば、その宇宙戦闘機版だ。あいつ(黒江)は何度か出たそうだから、運営に紹介できるって言ってたな」

 

「普通のモータースポーツはどうしたの?」

 

「スペースノイドは管理された環境で育つだろ?だから、モータースポーツとかに興味がなくてな。ある時期に環境を悪化させるとかで槍玉に挙げて、多くの規制を入れたらしいが、結局は禁酒法時代みたいなことが起こったから、規制を解いたそうだ。その間にバンキッシュが栄えたらしい」

 

生粋のスペースノイドには自動車などは『移動手段に使う機械で、遊びに使う物ではない』という風潮が少なからず存在し、古くからあるモータースポーツを『アースノイドの身勝手な道楽』と敵視する者も多い。一年戦争後からしばらくは地球環境の保全を謳うスペースノイド達主導で、モータースポーツのレース場を『遺跡』として保存しつつ、地球環境を回復させる目的で、モータースポーツは『技術維持のための開催は認めるが、娯楽目的は認めない』という規制が入った。当然、モータースポーツ界は悪者扱いされるために大打撃であり、それがティターンズの伸長の一因にもなった。だが、そのスペースノイドたちのほうが、却って地球環境を悪化させる所業を繰り返した事、宇宙戦艦ヤマトが持ち帰った『コスモリバースシステム』(ただし、『ガイア』が知るような『魂をコアにするオカルトな仕組み』ではなく、コスモクリーナーDなどの機械で構成される環境再生システムである)が地球環境を劇的に回復させたことで結果的に不満が噴出し、理屈をこねた末に、関連法令は廃止され、モータースポーツ関連の環境は一年戦争前の水準へ戻された。だが、その間にバンキッシュがすっかり流行っていたので、モータースポーツは衰退したままというオチがついた。

 

「昔の禁酒法時代から、何も学ばないの?」

 

「人間ってのは、失敗から学ぶことも多いからな。世代が入れ替わるごとに『学ぶ』しかないさ。元々、この時代から、モータースポーツなんてのは衰退の道に入ってたからな。それがそれで決定打になっただけだ。歴史ってのは繰り返すもんさ」

 

冷静にバンキッシュレースが栄えた背景を解説するゴールドシップ。ナリタタイシンは座学はそこそこなほうだが、禁酒法時代の事は知っていた。トレセン学園は座学もかなり高い水準を教えているのが分かる。

 

「一応、こんなコースがあるそうだ」

 

「何々?」

 

バンキッシュレースは民生機として可変戦闘機が活用されだすと同時に生まれたため、使われる機種は現用機より二、三世代落ちのものが中心だが、アンリミテッドコースは現用機水準のものがチラホラ飛んでいる。銀河一過激なレースと言われる所以だ。

 

「まあ、初心者が出るんなら、この辺だろうな」

 

バルキリーは性能が上がると、操縦難度も比例して上がる傾向があったため、初心者はVF-1から始める。それでも余裕でマッハ2を超える高速で飛ぶ。F1などと比較にならないため、そのスピードと開放感に『病みつき』になるレーサーは数知れず。

 

「ジェット戦闘機でエアレースかぁ。この時代の人達が聞いたら、泡吹くでしょうね」

 

「自動工場やらで機体の単価が下がったのと、熱核エンジンの放射線遮蔽技術が完成して、この時代の普通のジェットエンジンと同じ感覚で動かせるのもあって、移民星によっては、車より普及してる移動手段だそうだぜ」

 

「でも、変形する飛行機なんて、なんで生まれたの?」

 

「元は宇宙人と戦うために考えられたんだが、普通の戦闘機よりコストがかかるのは変わりないからと、飛行機を変形させる技術を安定して量産できるにはブレークスルーが必要ってんで、ある戦争が終わりそうになる頃になるまで、実用品は出なかったそうだ。その頃にモデルにされたのが、トムキャットやフランカーの世代の戦闘機だそうだ」

 

可変戦闘機のファイター形態は旧西側諸国系の技術陣が米国戦闘機を、旧東側諸国が露製の戦闘機を手本に生み出し、以後、地球連邦軍制式採用機のデザインラインは米・露の冷戦世代の戦闘機をアレンジした物である。可変機構との兼ね合いもあるが、バリバリのステルスより『戦闘機らしい』デザインの機体が多い。愛称も基本的に西側諸国のセンスが引き継がれている。

 

「で、だんだん性能が上がっていってな。今度は人間の肉体が機械に追いつかねえって問題も出てくるが、これ以上言うと、航空大学の講義として成立するレベルになっちまうからなー。そんなのが民生機として払い下げされてるから、レースも自然発生したんだ」

 

「この世界の未来って、どうなってんのよ」

 

「地球や月に執着が無くなって、銀河に版図を広げてる最中だけど、銀河の中には別の文明があるだろ?それと戦争する時代だそうだ」

 

地球は比較的穏健な銀河系の星間国家が加盟する『銀河連邦』の一員である。ワープ航法が波動エンジンやフォールド機関のおかげで実用化され、銀河連邦の一員になったが、銀河連邦はボラー連邦とガルマン・ガミラスとの戦争に巻き込まれており、必然的に准戦時状態が継続している。ありえないほどの頻度で地球が襲われることから、おとめ座銀河団の聖地なのではという説まで出ている。そもそも、人類が到達できた宇宙はほんの一部。おとめ座超銀河団の一部を解明したにすぎないのだ。

 

「とはいえ、宇宙全体からすれば、アリンコ以下の何かの争いのレベルさ。おとめ座銀河団の外にも到達してない上、23世紀の始めで、銀河系の何分の一かが地球の影響下になった程度の広さなんだぜ、地球人の文化圏」

 

「波動エンジンでも、到達できたのは銀河系の周りの銀河だけだし、どんだけ広いんだっての」

 

「プロトカルチャーより前に栄えた古代アケーリアス文明ってのが、おとめ座銀河団全体を支配したとも言われてるが、古すぎてわからん。ただ、波動砲の撃ち合いで滅んだらしいのは分かったらしい」

 

「なんで?」

 

「この世界のマゼラン星雲の空間にはな、太古に波動砲で銀河そのものが切り裂かれたような痕跡があるそうだ。つまり、今の銀河系のすぐ近くにあった伴銀河が太古の超文明の最終戦争で滅んで、そこからまた復興した二つの銀河がマゼラン星雲らしいって事だな。あくまで、この世界での事だけど。宇宙は広いってこったい」

 

「スケールがでかすぎて、ピンと来ないっての」

 

「当たり前だよ。だいいち、日本人と現在の日本語の起源すら釈然としないんだから、宇宙の別の文明の変遷なんて、尚更さ」

 

「政治や宗教が絡んでくると、この手の話は話しづらくなるんだよね。ある種のタブーって奴?」

 

「日本にはそういう空気があるから、仕方ねぇさ。ドラえもんから聞いたんだけど、この世界の日本に最初に住んだのは、中国から移り住んできた『ヒカリ族』って部族だそうだ。その部族がやがて、いろんな地域からの移住者達と交わって、現代の基礎になっていったそうだから、23世紀には、考古学が人気を取り戻したそうだぜ」

 

「考古学で思い出したけど、あたしらが生まれるか否かの頃だっけ?ほら…石器捏造の」

 

「そいや、そんなのあったな。トレーナーもリギルのあの人も、その頃に学生だったから、テストに原始時代がでなくなったとか言ってた」

 

「考古学を調べるとさ。あの事件ってどうなの?って、小学校ん時、ふと考えてさ」

 

「まー、あたしらがそういうのに、どうこういうべきじゃないけど、あれは相当にパニックになったらしーぜ?その影響もあって、23世紀の段階でも、研究途上だとさ」

 

「ふぅん、なるほどね」

 

なんとなく、ゴールドシップの言いたいことを察するナリタタイシン。協会の通達は思わぬところにも影響を及ぼしていたのである。ウマ娘競走協会は『ウマ娘の名誉を守るため』ということで、件の通達を出したが、結果的に、予想外の混乱を引き起こすことになった。この協会からの通達が出された後、ウマ娘たちは会話にも気を使うようになったが、色々な側面で少なからずの不安を強いることになったため、しばらくの間は混乱が続き、ヒーロー大好きっ子であるビコーペガサスはしばらくの間、凹んでしまったという。(このことを不憫に思ったアグネスタキオンは、仮面ライダー達に頼み込み、トレセン学園を訪れた彼らが、ビコーペガサスの前で特別に『変身』を披露してくれたという)

 

 

 

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