――かつて、大日本帝国海軍の滅亡のシンボルとされた坊ノ岬沖海戦で戦没した『戦艦大和』。その生まれ変わりが、宇宙戦艦ヤマトである。ガイア・ヤマトが欺瞞目的で『歴史上の沈没船を模す外見となっていた』のに対し、アース・ヤマトは正真正銘の戦艦大和の後身である。ただし、基本構造などを使用した部分も多いが、多くの箇所は新造されている。同様の改造は大和型戦艦の生き残りの姉妹艦にも施され、大和型戦艦の三隻は大日本帝国海軍の無念を晴らすかのように、地球の力の象徴として君臨したわけだ。純然たる宇宙戦艦としての最強である『ヤマト』のネームバリューは凄まじく、ガミラスと白色彗星帝国、デザリアム帝国を打ち倒した怪物艦という評判がウィンダミアにも轟いていた。そのため、マクロス級を恐れない彼らも『ヤマト』を、ゲッターエンペラーと同じレベルで恐れていた。――
――ウィンダミア王国の過激派達は『トランスフォーメーションもしない古典的な構造の宇宙戦艦』でしかないはずのヤマトを何故、マクロス以上に穏健派が恐れるのか?その理由がわからなかった。穏健派は知っていた。ヤマトの力の根源が、おとめ座銀河団全体を支配した太古の超古代文明『アケーリアス』の遺産である『タキオン波動エネルギー』であること、それを地球にもたらした存在がアケーリアスの流れを汲む、大マゼラン雲の一大国家であった『イスカンダル』である事、その波動エネルギー理論をモノにするだけの力が地球にはあるのだと。そして、ゲッターエンペラーは『一つの技術における究極』に過ぎないのだと。――
――ある日――
「ドラえもん君、どうして、ウィンダミアはどうして、休戦後に地球本星を襲うことを選ばなかったの」
「辺境の地球軍に優位に立ったところで、そいつらは三流の装備しかない『トカゲのしっぽ』さ。本国はゲッター線の効用で、ヴァールシンドロームにも耐性がある上に、侵略者との戦争続きで『侵略者には、死あるのみ』に染まってる。ゲッターエンペラーもそうした思想の延長線で動いてるからね。ショッカー首領のせいかも知れないね、これは」
「どういう事?」
ドラえもんと会話をするのは、キュアドリーム。デザリアム戦役が終わり、地球が束の間の平和に入った頃。久しぶりに休暇をとり、野比家でつくろいでいた時の光景。変身しているのは、その日はジオン残党の鎮圧をしてきたためである。
「一号さんは言っていたんだ。ショッカー首領はB26暗黒星雲から来たと」
「B26暗黒星雲?」
「アンドロメダ銀河近くの矮小銀河らしい。そこが、ショッカー首領の母星がある銀河だったんじゃないかって」
ショッカー首領、即ち、バダン総統『ジュド』はB26暗黒星雲のどこかにある地球型惑星を母星にする存在であり、ひょんなことから地球人類に介入し、進化を促す一つの要因になった存在。本郷猛はそういう風に推測していた。その尖兵となったであろう、歴史上の集団がナチス・ドイツである。日本にこだわったのは、大首領が仲間と共に降り立った地が日本列島だったからでは?そう推測するに至ったと、ドラえもんに話したという。
「なんか、話がややこしくなって来たなぁ」
「仕方ないさ。ゴルゴムとバダンは本来、ライバル関係にあったけど、仮面ライダー打倒って目的で同盟を結んだけど、バダンのほうが全次元世界に手を広めていたおかげで、11人ライダーによる打倒を免れ、生き残った。ゴルゴムはシャドームーンが唯一の生き残りだけど、シャドームーンにその時の記憶はないからね」
シャドームーン。デザリアム戦役までの数回の交戦で、いずれもプリキュアを圧倒する力を見せている。仮面ライダー三号と四号と並び、重大な強敵に位置づけられている存在である。ドラえもんは『大決戦』で何人かのプリキュアが追い詰められる光景を知っている故か、シャドームーンへの注意を促すように話す。
「シャドームーンは、月のキングストーンを持つ世紀王だ。大決戦じゃ、何人かの君の友達が半死半生に追い込まれてる。修行中の君の腕では、まだ戦えないよ。いくら、ZEROと融合したと言ってもね」
「それはわかってるさ」
シャドームーンはブラックRXと唯一、対等に戦える『対極の存在』。RXが『黒き太陽』なら、シャドームーンは『白き月』。中途半端な実力で挑めば、一敗地に塗れる。ドラえもんは戒めるように言う。
「……ん?フェイトちゃんからだ。新しい世界を発見したって」
「本当?」
「詳しい内容は、追って連絡するって」
タブレットに入ったメールを見せる。内容は、フェイト自身が『新しい地球系の平行世界を見つけた』事の第一報であった。その世界こそが『ウマ娘達のいる世界』であり、途中で別の任務が入ったフェイトから仕事を引き継ぎ、第二次調査に向かった黒江らが出会うのが、トウカイテイオーとメジロマックイーンである。それはその日から、21世紀の日本の日付で数ヶ月後。扶桑で太平洋戦争が始まって、しばらくが経った頃である。
――日本系国家の軍隊の航空部隊では、『常に最前線で戦ってないと、古参の兵でも、若い兵になめられる』という奇妙な風習が強い。また、教導部隊と前線が切り離された都合で、前線にいた古参兵は『国家そのものの人材不足』と量の絶対数の不足もあり、リベリオン式の交代体制の構築は国家風土の都合もあり、殆ど許されなかった。その結果、エース・パイロットが前線でバンバン生まれた。日本側も困惑するレベルであったが、扶桑国民に軍隊を史実ほどでないにしろ、嫌う風習が根付き始めたため、銃後に帰る場所がないと感じた兵たちは最前線に居場所を求めた。その結果、日本側も流石に『戦後』に起こるであろう帰還兵問題を睨み、前線の将兵のカウンセリングに力を入れ始める。1949年には、1950年代に入った後の攻勢が計画され初めていたからだろう。皮肉なことに、軍に冷淡な戦後日本の風土が扶桑を変え始めたことで、軍隊は世の中からの冷遇に遭ったわけだ。しかし、扶桑は日本と違い、危機がすぐそこにある世界の国であるため、生き残るためには『戦える人間』をあまり粗雑には扱えない。その最大の差が日本の政治家達の誤算と言えた――
――政治家達の最大の誤算の一つが『大日本帝国海軍の忘れ形見』たちが存在し続けていることであった。『宇宙戦艦ヤマト』と『超時空戦艦まほろば』が実在し、地球の守り手に君臨する事実は必然的に、ラ號も同様の改造を受けていることにもなる――
「何故、日本海軍の忘れ形見たちがヒーローになっとるのだ」
「宇宙戦艦ヤマトをご存知で?戦艦大和を改造した代物ですよ」
「バカな、戦艦大和は坊ノ岬沖海戦で木っ端微塵に粉砕されとるはずだ」
「ところが、最近の調査で、戦没の直前に何らかの改良が施されたのか、残骸の損傷が思った程ではないことが判明いたしました。その残骸が再利用され、宇宙戦艦にされたのでしょう」
「ぬぬぬ……」
ドラえもん世界の戦艦大和はラ號らの建造ノウハウが戦没の直前に適応され、弾薬庫誘爆の可能性が大きく減っていた。そのため、残骸は再利用可能な状態で残り、22世紀の終わりに宇宙戦艦ヤマトとして生まれ変わっている。
「それと、扶桑への妨害工作はおやめになられたほうが、御身の身のためですよ。扶桑の憲兵隊が捜査を開始しています。憲兵隊に逮捕されるよりは、警察に自首したほうが幸せかと存じます」
日本の国会議員の中には、戦前の日本に酷似した体制である扶桑を『戦争で滅ぼし、日本国の合法的な政治的な植民地にする』という考えで、ティターンズに内通する者は多かった。
「……扶桑の憲兵隊に圧力はかけられんのか?」
「いくら、組織が解体予定とはいえ、向こう側は戦争中ですよ。単なる野党議員である、あなた程度の力では無駄なことです」
その内の一人が今、まさに公設秘書にすら見限られようとしている。ティターンズという組織の危険性を知った者たちほど、扶桑への妨害工作に入れ込む者を見限る傾向が生じていた。(ティターンズは敗北後、かつての武装親衛隊同然の扱いにされている)何故、日本の与党政権が、それと対立した『エゥーゴ』の流れを汲む政権の支援を受ける扶桑と連邦を組んでいるのか。その理由は『ティターンズ』の源流が『差別主義者のバスク・オム配下の憲兵隊』にあることであろう。バスク・オムは、ナチズムの再来の一形態である『アースノイド至上主義』の権化である。ジャミトフ・ハイマンは『ティターンズの勢力拡大に利用するだけの捨て駒』と見做していたようだが、切り捨てることができぬままに双方が死亡。ティターンズは『ナチス親衛隊』同様の残虐非道のレッテルを受け、歴史の暗部扱いにされている。ティターンズ残党は過去の人間達を利用する形で活動資金を得、アナハイム・エレクトロニクス内部のシンパを使い、機材の補充を受けている。扶桑軍の憲兵隊の組織改編前の最後の仕事は『ティターンズの支援を裏でし、それでいて、扶桑皇国の戦争遂行を公然と妨害する者の摘発』であった。扶桑憲兵隊は1950年代に自衛隊同様の『警務隊』に縮小改変され、一般人への司法・行政警察権、出版物や手紙の検閲の仕事をすべて手放す予定(余剰人員は一般兵科への転科などで対処する予定)だが、扶桑の戦争遂行の妨害行為がひどくなっているため、最後の大仕事として、『不穏分子の摘発』を行っていた。それを察知した者達は、自己保身を次々に図っていた。史実ほどでないにしろ、憲兵隊の尋問は苛烈であるからだ――
――扶桑憲兵隊は1945年当時には『数万人』の規模に膨れ上がっていたが、警務隊になるにあたって『それだけの人数は必要なし!』とされ、多くは一般兵科の前線の損耗補充に充てられる予定であった。しかし、正規憲兵は法学部卒の将兵を意図的に選抜して配属させるなどし、人材を吟味して得た人材が多く、憲兵隊もその処置への反対を表明している。自衛隊の有に倍以上の規模の軍隊の軍警察機構には違いないが、日本の過去の憲兵隊と違い、世界の事情もあり、銃後の一般人に強権を奮った事は殆どないのに、まるで『悪の権化』のような扱いにされているからだ。この問題は警務隊への縮小改変が実際になされる際にも大いに議論となる。結局、太平洋戦争での不穏分子の摘発は『最初で最後の憲兵隊の功績』と後世で扱われることになる。また、農村部の軍入隊へ生じた偏見の解消のための知識の啓蒙にも務める羽目になるなど、扶桑は戦後を睨んだ施策を始めていく。1949年が初夏を迎える頃には、50年代前半に攻勢をかけることが議論されていたからだ。だが、日本側が航空部隊の平均練度のチグハグさを批判しており、結局、空母部隊が再建される52年度以降に先延ばしとなり、64Fは常に最前線で一騎当千を求められ続ける。それも、要員の練度がクーデターとその後の民間軍事会社への流出でガタ落ちとなった後の立て直しに必要と認められるレベルが『史実開戦当時の南雲機動部隊の最高水準』となってしまった事が、太平洋戦争における扶桑の悲劇であった――
――ドラえもんらがウマ娘達と出会った後――
「……って感じだって」
「チケット。あんたも、レースの予定ないの?」
「うん。トレーナーさんが有馬の後、リフレッシュ期間がいるっていってさ。タイシンも?」
「当分はね。あたし、実はさ、『治療する』前は足の状態が悪くなっててさ。このまま行けば、屈腱炎になってたかもしれなかったんだ。医者からは引退を薦められてたし、トレーナーも泣いてさ…。それを治せたから、のび太さんには感謝してる」
タイシンがマックイーンに同行したのには、理由がもう一つあった。その前日の診察で、『タイシンには屈腱炎の因子があり、それが発現してしまい、もはや発病する一歩手前の状態である』事がわかり、医者からはレースからの引退を勧められ、精神的に打ちのめされていたことを告白する。21世紀初頭の医学では完全な治癒は望めず、寛解状態に行ったとしても、再発の危険性が大きくなる『競争ウマ娘にとっての致命傷の一つ』。それを、
「それがわかった時、トレーナーに意地張ってたりしてたのが虚しくなった。あいつは…いつも、そばであたしを見てくれてたのに、あたしは『勝ちたい』ってだけで、気に入らない素振りばっか見せててさ…バカみたい。あんたらも、あたしに付き合ってくれて…」
タイシンは実のところ、何の対策無しに走り続けていた場合、屈腱炎の発病が確実と診断されていた。遠からず訪れてしまう『選手生命の終わり』を宣告されたことで、それまでの人生を振り返ったらしき様子を見せた。担当トレーナーに惚れ始めているらしき態度も見え隠れしており、宣告と悪夢が、それまでの生活の全てを崩してゆくように思えたと明言する。
「だけど、テイオーや、あんたの背中を見る内に諦めきれなくなった。それで…、マックイーンにくっついて、ここに来たの」
「ウォゥ……ヴァ……」
ウイニングチケットは感受性がとても鋭いという特徴がある。タイシンの告白を聞くなり……。
「タ゛ァ゛ァ゛イ゛ィ゛シ゛ィ゛ィ゛ン゛ン゛ン゛!!!」
南光太郎張りの『全部に濁音がついてる』泣き声を挙げる。
「良がった~!!!良がったよぉぉぉん!!」
「わっーたから!ほら、ハンカチ」
「ありがどーーー!」
鼻水まで出しながら、大泣きするウイニングチケット。以前なら、タイシンが邪険に扱うタイミングだが、タイシン自身の心境の変化で、ウイニングチケットに素直に謝意を示している。
「でもさ、タイシン。これからどうするの?」
「シニア戦線に戻る前に、自分を見つめ直す。それで、ちゃんと自分の生き方に答えを見つけ出す。それと…、あの子(ノビスケ)に……、その、あたしのかっこいいとこさ、見せたいし」
照れくさそうだが、ノビスケに『ねーちゃん』と呼ばれる事は悪い気はしなかったのは事実である。ノビスケも『のび太の息子』という色眼鏡で教師から見られることへの反発があり、その先入観なしに、素の自分に接してくれるタイシンの存在は嬉しかった。タイシンも最初は『家主の息子だから』と言うことで、形式的に遊んでやるくらいの関係だったが、いつしか、弟のように思うようになっていた。ノビスケはのび太の少年期と異なり、母方由来の『抜群の運動神経を持つ』ため、高校生くらいの年齢で『アスリート』であるタイシンに憧れたのだ。ヒロインであるプリキュアの事は子供ながらに『世界が違う』と思っていたが、ウマ娘達は『身近に感じられた』らしい。
「タイシン……」
「なんか、話したくなったんだよね」
タイシンは以前より丸くなっていた。周囲の過保護などが歪ませていただけなので、その要素が無くなれば、彼女が秘めていた優しさが表に出てくる。母親のタイシンリリィによく似た『とても優しい少女』。それがナリタタイシンの本来の姿だ。最近は母親譲りの裁縫の腕を活かし、ノビスケが大事にしているクマのぬいぐるみ(曾祖母の形見でもある)のパッチワークでの修繕をしたりするなど、本来の優しさが出てきている。プリキュアたちも全員が太平洋戦争に出征してしまった最近では、なんと、タイシンとチケットが父兄参観に出席している。もちろん、トレセン学園の制服で。のび太の街では、もはや、何事が起きても動じないため、ウマ娘が父兄参観に来ても、特段の騒ぎにはならなかった。
「そういえば、この間の父兄参観の時の写真、できたって」
父兄参観では、ノビスケが学業面では野比一族の通例で『学業成績は良好ではないが、同じ頃の父親と違い、体育は5である』事を絶えられた。ノビスケの担任は、父の担任であった教師の実子で、父が手を焼いた教え子の子を教えている』と冗談交じりに話していた。その時に、ウイニングチケットが『ウマ娘の中でも、高いと評される運動神経』で小学校のバスケットゴールにシュートを決めたり、タイシンが体育の授業の運動前のウォーミングアップを指導する場面があった。タイシンの担当トレーナーは元々、オートレーサー志望であった関係上、若かりし頃は『自分が体を鍛えていた』。その関係で、タイシンのトレーニングの仕方の構築にも熱心に取り組んでいた。その関係で、ウォーミングアップなどの他者への指導をタイシンができたのである。(トレーナー曰く、自分の親がラジオ体操などに熱心だったからという)彼へ治療のことを伝え、同時に『オートバイ買うから、どれがいいか教えて』と頼み込み、彼の薦めで、250CCの排気量のオートバイを、レースの賞金の蓄えで購入している。(購入に伴い、二輪免許も取得している)
「でもさ、タイシンのトレーナーさん、なんで、ウォーミングアップの仕方に熱心なの?」
「あいつ、子供の頃、朝のラジオ体操させられてたし、家の事情で、トレーナーになるしかなくなる(中央トレセン学園のトレーナーは給与がかなりいい)前は、オートレーサー目指してたんだって。それでね」
「それで、ついでにオートバイ買ったんだ」
「免許も取ったわよ。この間、ウォッカにやけに憧れの目で見られたけど…なんだったんだろ」
「あ、それさ、前にスペちゃんやテイオーに聞いたんだ。ウォッカって、おとーさんがオートバイ乗ってるみたいで、バイクを買いたがってんだって。だけど、あの子はまだ若いっしょ?」
「あー。なるほどね。大型はやめとけって、トレーナーが釘を刺してた」
「なんで?」
「ほら、定年後のサラリーマンが、若い頃に乗ってたからって、外国の大型を無理して買っては事故るなんて、よくあるじゃん?あの子にその例え言ったら、すごくしょげてた」
「まあ、ナナハンだって、外国じゃ小さい方だしね。向こうじゃ、リッター超えもザラだし」
「あんた、わかるの?」
「うち、にーちゃんがいてさ。そのかんけー。初心者は250くらいがいいくらいだよ。120じゃ、スクーターと殆ど変わんないし」
ウイニングチケットは実家に兄がいるため、オートバイの知識はある程度は持ち合わせていたようだ。
「ふぅん。ま、あたしもそんくらいから始めたけど、すごくキラキラした目で見られると、対応に困るんだよね」
「そいや、そういう子、何人かいたね」
「ビコーペガサスへの対応、どうしよう…」
「……バクシンに任せれば?」
「それだ!」
ビコーペガサスは背が低いのと、子供っぽい性格、ヒーロー番組大好きっ子という趣味もあって、年少組に見られるが、実はナリタブライアンと同期であり、そんなに年少でもなかったりする。(背丈が低い部類なので、エルコンドルパサーも年下扱いをしていたが、実は年上なのだ)また、サクラバクシンオーはちょうど、テイオーと黄金世代との中間の期の入学であるため、ちょうど中間の世代だ。
「そいや、この世界のヒーローのお土産買って、あの子に渡すかな」
「ヒーローが百花繚乱だしね、この世界」
ヒーロー達が百花繚乱なドラえもん世界は、ある意味では、ヒーロー好きの天国だが、裏を返せば、邪な者たちがいつの時代も絶えないことでもある。
「豊臣秀吉が木下藤吉郎だった頃に、赤影って忍者がいたのが始まりで、江戸時代に快傑ライオン丸、風雲ライオン丸ってのがいたらしいしね。時代が進んだ1970年代、仮面ライダー一号が現れたのが『現代型スーパーヒーローの夜明け』らしーしさ」
ヒーローユニオンに属する、あるいは協力関係のヒーローは『1971年以降に生まれたヒーロー』である。特に有名なヒーロー達はメディア戦略もしている都合で、活動資金調達のために、公認グッズを出している。仮面ライダー達がそれだ。仮面ライダーの内、一号はかつての少年仮面ライダー隊の存在を内心では『大人の都合で、子供を戦いに巻き込んだ』と否定的だったが、かつてのライダー隊の隊員達が成人した後も、その経験を糧に生きたことを知り、幾分かは安堵している。(ちなみに、現役時代に少年仮面ライダー隊の支援を受けたライダーはごく少数である)
「仮面ライダー一号、か」
部屋に置かれている販促用の、新一号のフィギュアに視線を合わせ、一言つぶやくタイシン。現代型スーパーヒーローの始祖であり、ストイックな生き様を見せる漢。それが本郷猛という人物だ。自分のトレーナーが『子供の頃のヒーローだった』と語り、レースに青春を賭ける自分たちに通ずるものを感じたからか、『会ってみたい』と思っている人物。純真にヒーローに憧れる、ビコーペガサスの気持ちがちょっとわかったような気がするタイシン。
「うちのにーちゃんに、仮面ライダーブラックRXと撮った写真送ったらさ、やけにコーフンした文面で返事来てさ。」
「は、ははっ。そりゃ当然だって」
ウイニングチケットは何気に、マシンの整備などの用で、戦場から一時的に戻ってきた南光太郎にせがみ、RXの姿で記念写真に写ってもらったことを公言する。タイシンは、親友のぶしつけな頼みに、快く応じてくれた南光太郎の明朗快活さに感謝している。タイシン自身も、彼女本来の優しさが表に出てきているため、以前より遥かにウィットに富んだ返しをする。表情も優しいもので、タイシンのルームメイトのスーパークリークが見たら、感涙モノの光景であった。