ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第三百三十五話「入れかえロープ~ナリタブライアン編~ その2」

――23世紀。無人兵器の復権がある程度進んだのは、軍部の人手不足が戦争続きで深刻化したからで、こればかりはプリベンターも反対はできなかった。地球連邦は兵器更新が精鋭部隊はできても、一般部隊には行き渡らない問題も発生しているため、スーパーロボットへの依存はより高まっていた。また、ジオン残党の発生が多すぎる問題もあり、結果的には、ドラえもんのAI構造をもとに自立判断力を強化し、トリガーは人の承認を必要とする方式の無人機が旧式機をベースにテストされている。同時に、スーパーロボットの量産も始まり、キャルフォルニアベースで開発されていた『ステルバー』と『ステルボンバー』も量産され始めている。ゲッターD2やイチナナ式の配備が軌道に乗りつつあった地球連邦軍だが、ミケーネ帝国やプロフェッサー・ランドウの軍勢への不安は拭えなかった。そのため、一騎当千の強力なスーパーロボットの維持は必須とされた。マジンガーZの二号機がゴッドスクランダー装備可能に調整されて用意されたのは、それが理由であった。量産型グレートマジンガーの量産頓挫を周囲から残念がられた弓弦之助は、イチナナ式のエース用の調整の開発を娘にさせる一方、マジンガーZの二号機の用意、グレートマジンカイザーのテスト運用を進めた。64Fに委託されたのは、厚意だけではない弓弦之助の思惑が絡んでいた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――扶桑に兵器更新を異常な速度で強いる日本側の思いとしては、史実のトラウマがあるからだが、戦車兵側から『変えまくらないでおくれ!!』と泣きつかれる有様であった。リベリオン側もM4からの更新がうまくいっていないのに、味方がどんどん重量級の戦車へ更新していくため、戦車兵の教育が追いつかないのである。当時は航空魚雷などが時代遅れとなり、浅間も、富嶽も戦術爆撃が主任務になり、多くの爆弾を搭載しての絨毯爆撃がもっぱらの仕事であった。これは連山以前の双発・四発爆撃機が性能不足を理由に退役させられ、戦術爆撃機が不足した事によるもので、F-4を爆撃装備で投入する事も増加している。これにより、1940年代初頭までの扶桑軍爆撃機の『反復攻撃前提のドクトリン』は淘汰され、地形を変えるほどの爆弾の雨、あるいは超強力な爆弾で地形を変える爆撃が主流になり、敵軍はその情け容赦ない航空攻撃を恐れている。弾道ミサイルがM粒子で宛にならないため、航空攻撃はお互いに苛烈さを増し、南洋の南部の森林が焼け野原になるほどであった。航空機がジェット機主流になり、それまでより格段に燃料消費量が増した事から、ブリタニアのアジア方面の油田から大量に航空燃料を買い付ける事態に陥っている。とはいえ、日本連邦の採用する航空機は航続距離が基本的に2000Km超えで(ジェット機であっても)欧州系の飛行機より格段に燃費が良いため、予想より遥かに消費量は少ない。重武装と引き換えに、航続距離が短い欧州系の航空機は世界的に淘汰され始めていた――

 

 

 

 

 

 

 

 

――カールスラントは軍事技術の発展を見誤った事もあり、急速にその軍事的影響力を喪失していった。ジェット機が普及すると、逆に『それ同士の巴戦が起こる』ことは、カールスラントの技術者たちの顔色を失わせた。F-8やF-20が戦場で無敵を誇り、扶桑のクーデターで、ドラケンがMe262の模倣品を蹴散らす様はカールスラント空軍のゲーリング閥の失脚を招いた。これは飛行場の維持費用が設備更新で馬鹿にならない金額になり、多数の飛行場の維持が非現実的なものとなった事も、カールスラントの旧来型航空機材の淘汰を招いた。技術者の流出が続いた事もあり、以前のような『第一線級の機体を自力開発する』力は失われていく。日本連邦も『自力開発を避け、実績のある西側諸国製の装備の改修を主とする』方向にシフトしていったため、同連邦の戦前の軍用機の系譜は震電の名が後続機に受け継がれていくことで、辛うじて守られていく。震電は試作機の残存パーツをかき集めて再生した一機が航空博物館に寄贈され、本土防空部隊想定のカラーリングで展示されたという。こうして、日本は戦前の軍用機のオリジナル機を労せずに手に入れられたが、扶桑はブリタニアやカールスラントとの規格統一を図っていたため、微妙に史実と違うという問題が発生してしまったため、史実に近づけた姿で展示となったという――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――日本が兵器生産を強く規制した結果、扶桑軍が兵器不足に喘ぐという大問題が起こった。これに扶桑は地球連邦軍ルートでの兵器調達を拡大。RGM-122『ジャベリン』、RGM-153『ジェイブス』といった新鋭機を本土防衛部隊に配備しつつ、前線にはRGM-89『ジェガン』タイプを回していた。ジェガンは地球連邦軍で普及しきっているため、予備部品が容易に確保できるからである。そのため、ガンダムタイプとそれに準じる高級量産機を持てる64Fは重宝された。ジェガンは小刻みなマイナーチェンジでヘビーガン以上の性能をマークしている。基礎的な耐弾能力は18m級のほうが良いからか、再生産が開始される(フリーダムの素体確保のためもある)有様であるが、前線では『手慣れたサイズ』である18m級が好まれた。64Fも長期戦では、搭載量の多い通常サイズのMSを用いており、戦場の花形は人型ロボットに変わりつつあった――

 

 

 

――日本はこのことに困惑していた。現代型兵器を少数生産すれば事足りると思っていたら、国家総力戦の時代には不都合が多すぎるという問題に直面したのだ。更に、時代を超えたレベルの兵器の抑止力で本土侵攻を防いでいる事は、日本の政治家の自尊心をボロボロにした。モビルスーツやコンバットアーマーは電子戦が極めて困難な状況で無敵に近いため、それに近い事ができそうな陸戦ウィッチ用装備の優先度が上げられ、携行火力の低い空戦ウィッチは二の次であった。その状況への打開策が第二世代理論だったが、昔気質のベテランほど、過剰な武装を嫌う傾向が強く、一部のエース部隊が使用するだけにとどまっていた。これはジェット時代のコンバットがあまりに速い事が理由で、旋回速度さえ、レシプロ機の比でないため、反応が追いつかなくなるのが原因であった――

 

 

 

――日本側は航空機の訓練をさせまくる事を是としたが、扶桑のパイロットたちの意識改革が急務であった。扶桑のパイロットたちの平均飛行時間はダイ・アナザー・デイ開始時で500時間程度。日本基準では『特攻兵並に低い』とされるが、ウィッチ世界の世界基準では高い部類に入る。日本側の求める『飛行時間が1000時間超えの者』は、ウィッチでも一握りのトップエースしかいない有様。その時から、義勇兵頼りの状況が始まった。それは四年後でも大して変化はなく、部隊間の平均練度については極端に差が出てくる有様であった。そのため、中庸な練度の部隊を太平洋に回す案が議論されているが、他戦線から反対論が出る始末だった。結果的に、壊滅した部隊の生き残りで、戦える者を前線部隊に再配置するしかなかった。この悪循環はさすがに問題であったため、教導部隊の人員の出征基準の緩和をやむなく実行。皮肉なことに、これで部隊間の平均練度の差が縮まり、死産に終わった111F、112Fの人員はこの時に本来の任務を果たせ、軟禁状態も箝口令が引かれるのと引き換えに解除された。(公には、この二つの部隊は1949年結成とされた)クーデター防止のため、意図的に最前線に突っ込まれることになったが、元々が明野飛行学校の教諭だった者たちであるので、腕は確かだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――東二号作戦は政治の無理解で泡と消えたが、結果的には飛行学校と前線の住み分けが厳格化される一助となった。だが、日本人の常として、『一定の前線経験が無いと、周囲に見下される』風潮が強いため、明野飛行学校は前線で出張講義を行う羽目となった。日本側が教導隊の大規模化を嫌ったためである。そのため、育成可能人数の都合で、空軍の少数精鋭化がますます進んだ。(機材の高価額化も大きいが)モビルスーツや可変戦闘機の導入は必然的であったといえる。敵味方ともに人型兵器の使用が常態化したが、地球連邦軍の援助を受ける側が最低でも、ジェガン以降の新鋭機なのにし、敵はハイザックやマラサイが中心であり、更に古いジム・クウェルやジム改も投入されている。そのため、戦車の国産品の大規模生産は抑えられた感があるが、MSなどは主力兵器にはなるが、多数機の同時運用向けでない兵器であるので、一応の住み分けはなされた。地球連邦軍系の軍隊では一年戦争中から、『機動歩兵』という分類が書類上でなされている。そこがTMS(可変MS)の普及を阻んでいた最大の理由でもある。――

 

 

 

 

 

――その戦いは、間接的に日本にも影響を及ぼしていた。学園都市暗部残党に資金を与える者が、意図的に練馬区で騒乱を起こすように仕向けていた。当時は『学校の裏山』の宅地造成が住民の反対などで潰え、建築会社などが練馬区の方針転換に大いに不満を持っており、学園都市暗部部隊の残党に練馬区を荒らしてもらい、その建て直しの需要で儲けようとしたのである。ひいては区長の惨殺すら視野に入っていた。これを組織(かつての犯罪組織『クライム』の残党がバダンに組み入れられたと判断されたため、ヒーローユニオンの案件となった)が糸を引いていると判断した番場壮吉(ジャッカー電撃隊の行動隊長)はススキヶ原のプリキュアらに一報を伝えた――

 

 

 

――キュアドリームに成り代わったナリタブライアン。ブライアンは幼少期に姉から、自分達の力を理解しろと戒められてきた。そのため、喧嘩を避けてきた経緯がある。だが、手加減無用の悪党というものは存在する――

 

「なるほどな。走ることが本義の私にも……分かったよ。吐き気を催す悪ってのは、『何も知らない誰かを、自分の都合のいい道具としか思わず、価値が無くなれば切り捨てる奴』の事だ!!」

 

ウマ娘の要求に応えられるだけの肉体をキュアドリームが持っている事の表れか、ナリタブライアンの『要求』に充分な余裕を持って、体は応えた。ウマ娘の魂がプリキュアの肉体に宿っていると、蹴りの破壊力が増すという点が判明したこともあり、並のパワードスーツは蹴り一発でスクラップであった。純粋なヒトよりも身体能力が遥かに勝るウマ娘が『他人の肉体を用いて、プリキュアとなった場合』の能力値の差異は基本パワーの差として現れ、ノーマルフォームながら、ミルキィローズを凌駕するパワーを発揮した。

 

「……フッ!!」

 

ブライアンは元々、三冠ウマ娘の中ではパワー寄りの特性を持っていた。ルドルフが完璧と評されたのは、考えられうる戦術を全て取れるだけのオールマイティーさがあったからである。その後輩のブライアンは元々の平均能力も高かったが、怪我で肉体の最大パワーを発揮し難くなったことで精彩を欠くようになった。ブライアンはナノマシンの威力で肉体的には完治していたが、精神面では、どこかで怯えがあった。それは幼い頃からのトラウマが原因でもあり、それをオグリキャップに指摘され、狼狽している。ブライアンの強さは身体能力の高さに依存したもの。その陰口を気にしているのも事実なのだ。

 

 

(……分かっているさ。ルドルフめ、プリキュアまで巻き込んで……えらいことをしかけたもんだ。ゴルシの入れ知恵か?だが……それが奴の思惑なら……敢えて乗ってやる。今後、『後代の三冠馬達』が相手になろうと……)

 

ブライアンは今後、台頭してくるディープインパクト、オルフェーヴルなどの『未来の三冠ウマ娘』達を強く意識していた。ディープインパクトはマヤノトップガンの最高記録を更に更新した怪物、オルフェーヴルもゴルシの親類にあたるウマ娘であり、当代屈指の実力者。競走馬としての子孫を残せた二頭と違い、ナリタブライアンは自身の早世、直接の子達は『走らずじまい』だったことで、直接の子孫はいない。姪のウォッカが競馬史に名を刻んだが、直接の子孫(孫の代以降)がいない事は一種のコンプレックスであった。だが、それはテイオーもほぼ同じ。自分以下の能力しかない子供しか生み出せなかったからである。(ルドルフと自分の血統を次代で輝かせる事ができなかったのは、テイオーのコンプレックスになっている)

 

『ゲッタァァァァ・シャイィィンッ!!』

 

技は一通り使えるため、ブライアンはシャインスパークの使用に踏み切った。この時期では『シャインスパーク』こそが、キュアドリームの極め技であるからだ。

 

『シャイィィィンスパァァク!!』

 

威力も通常通りであるので、敵の大型パワードスーツは粉砕される。

 

「まるで、工事用の重機が発達したような代物だな。昔のSF映画じゃあるまいし」

 

破壊され、放棄された大型パワードスーツはSF映画のような外見である。学園都市製にしては比較的に旧世代のものだが、それでも、日本警察の手に負えないレベルの耐弾性がある。パワーアップを重ねたプリキュアにとっては、そのようなスペックなど『有って無い』ようなものだが。

 

「しかし、元の姿でも充分に対応できると思うが……。協会め、私たちに世間体を気にしろと?マルゼンさんの世代が現役の時の行いへの罪滅ぼしのつもりか?」

 

喧嘩の売り買いなどは極力控えろという通達は、協会と接触する立場のウマ娘達を憤慨させていた。どこまでが『ボーダーラインかわからない』からだ。結局、痴漢防止などの『自衛』の範囲での実力行使については不問とすることにはなったが、どこまでが『ボーダーライン』かがわからないことは、多くのウマ娘を戦々恐々とさせていた。特に、ヒーロー大好きっ子のビコーペガサスが意気消沈しているという報は伝わっている。ルドルフはそのことへの対策として、『プリキュアとの入れ替わり』という提案を受け入れたわけだ。

 

 

 

 

――何故、ナリタブライアンの入れ替わり相手がキュアドリームなのか。それはブライアンは戦後で四番目(セントライトを入れると五番目)の三冠馬として名を馳せながら、現役後半期は半ば夢破れ、周囲の期待を裏切ったも同然の状況にあった事を乗り越えるためには、自身も『前世の挫折を乗り越えた』キュアドリームの影響を受けるべしと、ゴルシがルドルフとテイオーに推薦していたからである。ブライアンは実のところ、最初の怪我が発覚し、レースでの低迷が続いていた頃、自身の感覚の狂いを矯正できず、全盛期を終えたと周囲が掌返しをしてゆく状況に逢い、本音は誰かに縋り付きたかった。だが、三冠ウマ娘は弱音を吐けない。ルドルフが、シービーがそうだったように。自身のトレーナーにだけは、その部分を見せられるが、それも情けないと考えている。難儀だが、周囲から怪物と讃えられた事のある者は『諦めなど愚の骨頂』という不文律がある。オグリキャップがそうだったように。故に、ルドルフはこの提案を呑んだのだ――

 

 

「おい、あんたら。雇われの傭兵か?だったら、とっとと失せろ。私達がいる限り、この街には……指一本たりとも触れさせん」

 

ブライアンは、キュアドリームの姿で腕を組んでの仁王立ちをする。入れ替わっていても、どことなくであるが、のぞみとは違う『無頼』な雰囲気を醸し出している。のぞみはデザリアム戦役後は言葉遣いが荒くなっているが、ブライアンほどの迫力はない。だが、ブライアンは三冠ウマ娘である故か、どことなく『凄み』がある。凄むことでの『ハッタリ』が元の本人より効くことでもあった。元・暗部部隊の構成員だった男達は、シャインスパークでほうほうの体になったその身を引きずりつつ、逃げるように、その場を立ち去った。

 

「様になってるじゃねぇか、ブライアン」

 

いつの間にか、ゴールドシップがいた。確認のためだろう。

 

「……ゴルシか。お前の差し金か?この流れは」

 

「そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。だが、お前の前世っていう影に勝つには、自分という存在から距離を置いてみる必要がある。それはお前のトレーナーも認めていた」

 

「……連絡したのか!?」

 

「行く前に聞き出した。それと、ハヤヒデからもな。お前はハヤヒデと史実通りに戦えなくなる事が怖くなった。ハヤヒデがテイオーに理論をぶち壊されただけで、引退を公言するとは思っていなかった……そうだな?」

 

「姉貴はあの時、テイオーの勝ちを認めていた。だが……選んだのはリターンマッチでなく、引退だ。ふざけるな!!」

 

「理論派は……イレギュラーな出来事に弱い。テイオーは体のネガを解消できたが、全盛期と同等以上のポテンシャルを引き出せるかは未知数だった。だが、予想以上のポテンシャルを引き出して、ハヤヒデをちぎった。下馬評通りにならねぇレースはいくらでもあるが、ハヤヒデは全盛期を迎えていた自負があったからこそ、全盛期の状態にテイオーが戻ったとしても、勝てる自信があった。実際、テイオーは長距離に耐えるスタミナが無いことは、マックイーンが証明していたからな。だが……」

 

ゴールドシップは淡々とした口ぶりで、ハヤヒデの心境を代弁した。精神が肉体の限界を超える事。その事はマルゼンスキー、タマモクロス、オグリキャップの現役時代から証明されてきたこと。だが、テイオーは心が折れかけていたウマ娘という情報があったことで、その重要要素を計算に組み入れなかった、だが、テイオーは『マックイーンのために』という精神面のブーストがかかっていたため、ハヤヒデの計算を破綻させるほどの激走を見せた。それがハヤヒデに引退を決意させたのだろうか?

 

「姉貴のバカ野郎が……ッ!」

 

憤慨するブライアン。テイオーに負けたくらいでターフを去る。自慢の姉かしらぬ選択なためか、吐き捨てるようであった。

 

「怪我の因子が顕現した時、見たそうだ。史実を。だから、お前と引退レースをすることを罪滅ぼしにしたいそうだ」

 

「罪滅ぼしだと……!?私は姉貴の背中を追い越すために、走ってきたんだぞ!!能力値は追い越していたが、姉貴は目標だった!!下の妹達には……夢を叶えられるだけの力はない!!だから……!!」

 

途中から半泣きになっていたブライアン。ハヤヒデを愛し、尊敬していた事の表れか、姉の心が折れたことを認めたくないようだった。

 

「ブライアン。ハヤヒデも、お前を裏切りたくはないんだ。だが……奴は自分の『運命』を受け入れた。だからこそ、最後にお前と走っておきたいんだ。……分かってやれ」

 

「これから、私はどうすればいい……?」

 

「テイオーに一矢報いるんだろ?それに、オジキ(ディープインパクト)やオルフェーヴル。前途有望な『三冠を約束された』後輩連中に先達としての背中を見せてやれ。お前の姉貴を安心させられる道は……姉貴に代わって、夢を見せていく事だ。そして、この街のガキ共の夢を守る。他人の姿を借りろうと、それはお前自身が為すことだ。誰かの背中を追って来たのなら、今度は自分が追いかけられる立場になるべきだ」

 

「お前……」

 

「三冠ウマ娘って肩書から離れて、プリキュアとして、しばらくこの街を守ってみろ。さすれば、今後の道もおのずと開けるさ」

 

ブライアンは、あまりの光景に頭を殴られたような衝撃であった。普段は自由奔放、ぶっ飛んでいるはずのゴールドシップが大真面目に周囲を気遣い、自分に発破をかける。そこが信じられないといわんばかりの心境であったが、姉に言いたいことは山程あるが、姉に手を引かれ、他人の意で今後の進路を決める年頃では既になくなっていることも理解している。そんなブライアンの『妹』としての葛藤を理解した上で、諭すように語りかけるゴールドシップに、普段の自由奔放さは『能ある鷹は爪隠す』の要領の一環なのか?と疑問を持ちつつも、ブライアンはゴールドシップの言うことを概ね受け入れ、プリキュア稼業に勤しむのであった。

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