――プリキュア達は現役時代であれば、『ただの中学生、ないしは高校生』という言が通用した立場であるが、転生後はそのような立場ではなくなっている者が多い。のぞみ、シャーリーなどはその典型例である。転生後の環境による『しがらみ』も存在するため、昔のままではいられなかったのである――
――のぞみは扶桑の名家に転生したため、あれこれと秘匿すべき情報も多かった。当主であり、転生後での姉にあたる『中島小鷹』の寛容もあり、どうにか受け入れられたが、親戚筋からの反発もあったため、のぞみは野比家に居候及び、南洋に新居を構えている。教師への転職が頓挫した後、職業軍人として骨を埋める覚悟を決め、佐官へ正式に昇進している。プリキュアのリーダー格は基本的に佐官にすぐになるが、ガイア(23世紀世界の反地球)での軍籍がある月影ゆりは大尉への昇進を地球連邦でさせるステップを踏んでいる。そのため、かなりの行動の自由が許されている――
「ゆりさんはどうして?」
「私は未来世界の反地球に転生していたのよ。そこで軍人になっていたから、アラサーなのよ。ゆかりはこの世界。だから、成人なのよ。特に、ゆかりはこの世界の日本の名家の息女だから、転生した先での親に睨まれてね」
「あー……」
キュアフローラも納得したようだ。琴爪ゆかり(キュアマカロン)は北郷章香に転生していたが、北郷家は代々の軍人かつ、武道家を輩出する名家で、章香と妹の茂子の父親は元・海軍中将。その関係で、プリキュアというものに長女がなったことに不快感を顕にしたが、海軍長老の岡田啓介(総理経験者)の一喝で押し黙っている。その関係で、家を妹の茂子に継がせ、自分はプリキュアとして本格的に復帰することにしたという。のぞみは次女であったので、問題が早くに収まったが、ゆかりは長女だったので、家が大揺れとなったのだ。
「時代故のしがらみって奴よ。だから、ゆかりも、転生先の実家には帰りづらくてね。だから、ここに家を買ったらしいわ。空軍の将軍ともなれば、高給取りだから」
「二人共、お菓子もってきたよ」
「ありがとう、ホイップ」
「あの、私たち、変身したままでいいんですか?」
「変身しておいたほうが体力が持つからよ」
「意外に厨房もハードでさ。変身しといたほうが体力が持つんだよね」
プリキュア達は、この頃には変身した姿で勤務する事が常態で、キュアアクアはコスチュームの上に白衣を羽織り、キュアホイップも変身した姿で厨房に立っている。また、現役時代からの召喚組との能力の均等性を保つ意味もある。
「そういえば、真琴ちゃん、拗ねてましたよ?」
「まぁ、響が歌手として名を馳せてるから。あの子、特訓して、プロで食えるだけの歌唱力になったのよ。元はピアニストだったから、素質はあったわ」
「でも、どうして、単独で変身が?」
「転生でパワーソースが変わったのと、パワーアップがあったからよ。のぞみも気合で、通常フォームになれるようになっているわ。おそらく、転生と、色々な超パワーが跋扈する環境に身を置いた故のことでしょうね」
キュアムーンライトの見解はそれであった。ゲッター線と光子力で、変身能力自体が変質したのだと。それは元来は初代&S☆Sと同様のシステムであったはずの『スイート』の初期メンバーが単独変身を可能としたことで証明されている。
「響ちゃんはどうして、変身してる事が多いんですか?」
「あの子、転生先がこの世界のアメリカの軍人だったのよ。軍人になる前も、レーサーとして名が知られてたから、顔が知られてるのよ。だから、プリキュアになってたほうが、プライベートを過ごせるって言ってたわ」
北条響の名義をプリキュア活動時に使っているシャーリーだが、日本では北条響としての姿も知られているため、キュアメロディになっていたほうがマシという逆転現象が起こった。その関係もあり、最近では、キュアメロディの姿で紅月カレンのガサツさを出している状態である。言葉遣いも現在の素であるため、女性言葉が多めかつ、歴代比で割に大人しめであった現役時代より相当にガサツで、喧嘩っ早い。また、シャーリーとして、既に軍歴を重ねた状態で覚醒したために、覚醒時で17歳。その四年後の1949年では、21歳(戸籍年齢)。ウィッチとしての寿命は普通なら、とうに過ぎている。だが、覚醒の影響か、魔力も衰えず、キュアメロディへの変身能力を得たので、肉弾戦にも対応できるようになっている。その関係上、転生したピンクプリキュアの中では唯一、日本国籍を正式に持たない。とはいえ、過去生の記憶も蘇ったからか、アメリカ人らしさは薄れているという。
「なんでですか?」
「私たちは有名人よ、はるか。仮面ライダーたちに伍するくらいの、ね。現役時代のような弱音は吐けない立場になっていると言っていい。だから、強くあらねばならない。難儀だろうけれど、それがヒロインという立場なのよ」
「『中学生』って言い訳、大人の世界じゃ通用しないですからね。成人したら、家を継ぐことになっただろうし。夢は持ち続けていいけれど、現実と向き合うのも必要ですよね」
「それが大人になるってことよ。辛いけれど」
キュアフローラは元の世界にいたままなら、いずれは実家の和菓子店を継いでいただろうと感じており、大人になっていく自分を、そうして受け入れていっただろうと。そのため、プリキュアとしての能力を自家薬籠中の物にした状態ではあるが、法的な問題の都合で、(形の上で)職業軍人となる事は受け入れている。『プリキュアであろうと、一介の少女である』というロジックの通じない環境に身を置いている事をお互いに自覚しているのか、少女としてではない『笑み』をお互いにする形で、お互いの覚悟を確かめ合ったフローラとムーンライトだった。
――ウマ娘達と入れ替わったプリキュア達は、イベントのお呼ばれで歌を披露することになった。プリキュア達もこの頃には、特訓で歌唱力を改善していたので、それなりに形になった。(ウマ娘達の体を使う事で『歌う』感覚が掴めた事も大きい)曲はウマ娘たちの持ち歌であるが、のぞみが入れ替わったナリタブライアンは『声のキーが現在の本人より多少上がっていた』ため、『BLAZE』ではなく、『シャドーロールの誓い』となった――
『溢れる涙たちをぉ~零さないための誓い~♪決してぇ~色褪せぬ自由にぃ~答えは出ない~♪』
歌唱力の特訓と肉体が変わったことで、絶対音感が活性化したのぞみは『シャドーロールの誓い』をきちんと歌えていた。のぞみも、特訓の成果が出ていることに地味に感動していたりする。
『どんな道が待っていても~♪目指してる場所は同じぃ~~♪想いはぁ~曲げない~♪今を見つめて――♪』
この『シャドーロールの誓い』はオグリキャップの歴史改変の効果で『オグリキャップの現役期に一部の作詞作曲編曲は完了していたが、正式の完成はオグリの次代の怪物であるナリタブライアンのデビュー後となった』という風になっていた。オグリキャップが歌ったことでの帳尻合わせであった。彼女はまだいいが、問題はキュアハート(相田マナ)が入れ替わっているシンボリルドルフである。マナは現役時代、ジャイアン級の音痴で鳴らしており、のぞみもそれが気がかりであった。黒江の特訓も自分以上に厳しいものであったのも知っている。ジャイアンも、音痴が一定程度の改善がなされるのに、成長による変声が必要であったからだ。歌い終えた瞬間の気持ちは、次に控えるシンボリルドルフ(中身は相田マナ)への心配であった。黒江の特訓でどの程度の改善ができたのか?それがものすごく心配なのであった。それはルドルフが入れ替わることを了承させられる形になったエアグルーヴも同じ。ステージの裏で、『会長の名を汚さないでくれ!!』と言わんばかりに、ハラハラドキドキである。心配性な上、ゴルシから、マナの歌唱力のほどを聞いていたからだろう。
(ぶ~~!現役時代から、誰も彼も『ジャイアンさん級の音痴』って!……見てろぉ~今は他人の体だし、歌の特訓だって、四年間もしてきたんだから。それに、また、まこぴーと会えたんだから)
もちろん、マナ本人はルドルフの姿で憤慨している。黒江から課された歌唱特訓で『血の滲む努力』をしてきたし、音感が無いわけではないとという自負もある。何故か、ダンスは社交ダンス、タンゴなどを高度にこなせるからで、そこは仲間内では七不思議扱いだ。エアグルーヴとのぞみの心配をよそに、シンボリルドルフの姿になっている『相田マナ』(キュアハート)はルドルフ本人の持ち歌『SEVEN』の歌唱に入る――
――扶桑は旧式航空機を外貨獲得の手段に用いたが、元々、九六式艦戦が『九九式』になるほどに開発と配備が遅延していた関係もあり、現地部隊が練習機に供する必要から、供出できる数には限界があった。当時、日本の開発した『T-1』のライセンス生産も開始されていたが、本国への配備が優先されたり、前線部隊が専門的な練習機を疎んじたこともあり、数が少なかった。その関係もあり、人材育成は立ち遅れがちになった。以前より戦死率が上がったためで、ウィッチの世代交代も停滞状態が続いていた。本格的な世代交代は『1949年に第一線にいるウィッチの子供世代が成長する時代』を待たねばならないが、それまでの繋ぎを義勇兵で乗り切ることは賛否両論であった。また、戦争中に退役できる風潮でも無くなった事から、少なからずのウィッチが後方勤務を希望したことも、前線のウィッチの活躍が少ない理由であった。その兼ね合いで、ジェガンやジムⅢが少なからず扶桑へ流れ、使用されていた――
――ジムⅢは、デザリアム戦役後の時代では、相対的性能の低下で、『もはや、現代の第一線での運用に耐えられない』が、扶桑で運用するには必要充分な水準はあったため、倉庫で解体待ちだった個体の多くは扶桑へ流れた。地球連邦軍も、新型機の調達費を扶桑への販売で稼いだ。ウインウインの関係だったと断言できる。そのため、ジムⅢの製造数とされる800機の少なからずが扶桑の地で第二の人生を歩んだといえる。ジェガンは再生産も始められたため、大量に余剰機があった。その再利用先が扶桑であった。ジオン系のテロ活動も縮小し始め、連邦軍の機材更新により、余剰となった機体が大量に生まれたので、両機種の扶桑への輸出が行われたのだ――
――扶桑は本国をおざなりにし、外地を優先させているという批判が強かったが、ユーラシア大陸領の喪失で、本土への投資を大きくしてきており、それは的外れであった。重要資源地である南洋諸島の喪失は絶対に阻止せねばならないため、未来兵器も躊躇なく投入した。その一つがジムⅢであり、ジェガンであった。ジムⅢは生産数の多くが扶桑へ流れ、扶桑陸空軍で基地の警備、装甲戦闘車両の代替などに使用された。リベリオン軍はこの新たな難敵に苦戦を余儀なくされるわけである。だが、彼らの不幸は扶桑陸軍が『陸上戦艦』を投入したことで極まった――
「クソぉ、敵は俺たちを全員消し飛ばすつもりか!」
リベリオン軍のある機甲師団はヘビィ・フォーク級陸上戦艦の進撃に遭い、蹴散らされていた。ヘビィ・フォーク級陸上戦艦の備砲は51cm砲。その威力は折り紙付きで、一撃で要塞の地下弾薬庫を貫く。第二次大戦型に過ぎないM4中戦車では抵抗すら不可能であった。ラーテすら倒す『第一線級戦艦と同等の火力』は陸上兵器には脅威以外の何物でもなかった。
「司令官と副官は!?」
「今の砲撃で天に召されちまったよ!逃げるぞ!」
敵機甲師団は統制を失い、半数以上が逃げていく。ダイ・アナザー・デイ以降、陸上戦艦は陸の王者となっており、未来世界で廃れたのと対照的な扱いであった。更に追撃で、MSの180ミリキャノンの砲撃で消し飛ぶ戦車なり、自走砲が続出。壊滅的な被害を出し、リベリオン機甲師団は潰走状態となった。戦線の均衡を破ろうとしたリベリオン軍は突出部を完全に潰され、攻勢をまたも困難にされたのである。陸戦艇は元々、一年戦争前の連邦軍が開発していた揚陸艦を転用し、戦闘能力を持たせたのが始まりだという。一年戦争後は不正規戦が主体になったので、殆どが兵器庫で埃を被っていたが、扶桑の要請で引っ張り出され、活躍していた。反乱を起こしたカールスラント強硬派のラーテを破壊したのも、地球連邦の陸戦艇だ。機甲兵器の不足を補うには充分すぎる代物だ。国家総力戦であった一年戦争期に作られた通常兵器はその後の時代に需要が無くなっただけであるので、相応の場があれば、充分に活躍できるのである。
「今ので散り散りになったか?」
「ええ。この時代の戦闘車両では、艇体の装甲に傷もつけられませんから。ここ最近は暇を囲っていましたが、こいつをまた活躍させられるとは」
「ああ。宇宙時代の陸軍など、治安維持以外にやることが殆どないからな。ジオン残党も殆ど投降したか、自然消滅したから、扶桑への出向を受けて良かったよ」
連邦陸軍は、宇宙時代には暇を囲む軍隊の筆頭である。治安維持と雇用維持の場と揶揄されて久しく、モラルも低下していた。デザリアム戦役はそれを正す絶好の機会であった。扶桑への出向は『手柄を立てる』チャンスの再来でもあるため、多くの連邦陸軍軍人が扶桑への出向を選び、戦ったり、近代兵器の教官を務めている。宇宙軍と空軍が花形とされる時代、開店休業と揶揄される陸軍に『仕事を用意する』事は難儀であるため、地球連邦陸軍の扶桑への派遣は『やりがいを陸軍軍人に与えるための秘策』であった。
――太平洋戦争は、地球連邦にとっては一年戦争~デラーズ紛争期に試作、あるいはプランが確認された機体の散逸したデータの再収集の場としても活用されていた。キュアミラクルはこの日、RX-78-7『ガンダム7号機』のデータ再収集の任に就いていた。ジョン・コーウェン大将が(デラーズ紛争直後は中将から少将に降格されていた)ティターンズの台頭で、一時的に失脚していた時期、彼が計画に関わった兵器のデータが登録抹消されたため、地球連邦の兵器データバンクに多数の欠落が生じた。その穴埋めが求められたのである。ティターンズ派にとっては、これ以上ない皮肉であった――
――デザリアム戦役当時に相模原の武器庫で解体、あるいは払い下げのために置かれていた同機は回収後、外観のみが流用され、ムーバブルフレーム構造に実質的に作り直された。装甲もフレームも現時点の最高品質となり、対ビームコーティングも標準装備である。フルアーマーも作り直されており、背部のビーム・キャノンは技術進歩により、F91と同構造のヴェスバーで代替されている。これは素体の運用データが欠落していた関係だ。フルアーマー形態は充分に戦闘データがあったので、当時のままで作り直す必要はなかったのだ――
「すまんな、急な出撃を挟んで」
通信越しに詫びる赤松。本当に急な要請であったのだろう。すまなさそうな表情と声であった。
「いえいえ。テンプレな魔法つかいばかりしてると、他の部隊から文句が来るのは分かってますから。出ます!」
この日は単騎での出撃であり、サブフライトシステム(ドダイⅡ)を用いての任務となった。MSなどの人型兵器の運用はこういう事も多いのである。
「今日は七号機か。フルアーマーは設計変更で新造したそうだけど、どの程度か」
キュアミラクルはここ最近、元の世界とは打って変わって、機動兵器のパイロットをすることも増えている。ロボアニメオタクになったためか、機械工学などに興味が湧いている。機動兵器のパイロット資格を取得したプリキュアとしては、彼女で五人目である。
「全天周囲モニターとリニアシートにコックピットを換装して、武器も現用規格のに変えてある、か。ガンダムタイプだから許されるんだなぁ、こんな贅沢」
ガンダムタイプの端くれであるため、七号機の武装は現用規格のものに変わっている。ビーム・ライフルも、一年戦争後に量産された『ロングライフル』(Zガンダムのライフルの量産品)に変えられている。ジェガン用のショートバレルのものでは『威力不足』であるからだ。ただし、実戦では『旧式』とされるジムⅡ用のもので充分な出力なためか、旧型機の携行火器は殆ど、製造数の多いジムⅡか、ジムⅢ用ののビーム・ライフルで済ませられている。ガンダムタイプのみが『火器の新造』を許される。この点で、連邦にとっての『スペシャルな位置づけ』な機種であるかが分かる。
「敵は旧式、はたまた、横流しされた現用品か」
ティターンズ側もシンパらから現用規格のMSの補充は細々と受けている事は確認されており、ペズンでしか製造されていなかったはずの『ゼク・アイン』、『ゼク・ツヴァイ』の存在も確認されている事から、『ニューディサイズが蜂起前に正規軍に引き渡した機体をティターンズ派がリバースエンジニアリングで解析し、新造したもの』と推測されている。。ゼクシリーズの設計年度はジェガン、ドーガシリーズと同時期で、一応は現用規格のMSといえる。ジオン系の外観を持つ機体を地球至上主義者が用いる点はエゥーゴとカラバ出身者からは大いに皮肉がられている。
「ゼク・アインとゼク・ツヴァイが確認されたっていうなら、ジムⅢじゃ太刀打ちできないし、パトロール範囲を広げてみよう」
ジムⅢの多くはジムⅡの再改造機であり、一から新規設計されたゼク・アインの敵ではない。更に第四世代の重MSである『ゼク・ツヴァイ』は殆どモビルアーマー然としている。ティターンズ残党がハイザックに代わる機体として導入したのだろうか?それであるなら、低練度、転科間もないという二重苦を背負う扶桑のパイロットの乗るジムⅢ程度では『対応不能』であると推察されている。その威力偵察に駆り出されたわけだ。目撃情報が自衛隊員から寄せられたからだ。
「ハッタリも兼ねて、ガンダムで威力偵察か。マークⅡより古い機体だけど、純正のRX-78の中じゃ最後発に近いんだ、やってみるかな」
ミラクルは多少の愚痴を呟く。自機が一年戦争中に基礎設計のなされた『旧式のガンダム』である事からのものだが、実際の運用はデラーズ紛争直前の時期と、純正のRX-78シリーズでは比較的に新しい年代である。その設計はRX-78の正統後継機である『ガンダムマークⅡ』に影響を及ぼしており、同時期の設計である『ガンダムNT-1』と同様に基礎設計段階で『オーガスタ研究所』が噛んでいることも窺わせる。
「まさか、変身した姿でガンダムを操縦するなんてね。現役の時の私に言っても、笑い飛ばされるだろうなぁ」
プリキュア姿で機動兵器を動かす事はこの時期には当たり前になっているが、冷静に考えると、実に珍妙な状況である。ましてや、動かしているのは、現存する『RX-78ガンダム』の兄弟機では『末弟』となる機体。みらいが子供の頃に見たであろう『お台場ガンダム』の実物の改良型だ。
「国際学科いってたのが、今じゃ軍の士官かぁ。どこでどうなるか、わかんないって、この事だなぁ」
元は19歳にまで加齢していたが、現役時代の姿に若返った、普通の大学生から、軍のエリート将校に立場が一変するなど、どこでどうなるかは神のみぞ知る事という自覚があるキュアミラクル(朝日奈みらい)。テンプレな魔法少女であった自分が、どこをどうしたか、一般的な魔法のイメージと相反する『SF全開の人型機動兵器のパイロット』を務めている。
「軍の将校なんてのは、わたしの柄じゃないんだけど、これも大人の事情ってやつだよなー」
便宜的に『日本連邦の少佐』という地位も得ているが、プリキュアとしての戦闘行為を合法化するための方便であるという自覚も強いみらい。とはいえ、『受けた仕事はきっちりする』のも彼女のいいところ。元から英語に堪能(母親の仕事を高校時代から手伝っていたため)であるため、語学に弱い転移組の教師役もしている。自嘲地味に独白しつつ、彼女は戦場へ機体の進路を向けるのだった。