――シンザンとハイセイコーの発言の真意を問いたいナリタブライアンは、金鯱賞を優勝した直後に二人が宿泊しているホテルを訪ねた。単独行動だったが、ブライアンは『当代の三冠持ち』という泊があるため、すぐに面会は叶った――
「ブライアン君。君が訪ねて来るとはな」
「面会を受けてくださり、恐縮です。貴方方にご足労頂くのは失礼と思い、こちらから参りました」
ブライアンも流石に『神馬』の異名を持つシンザンとの接触に際しては、言葉を選び、服装もきちんとしている。曲がりなりにも副会長という立場なためだ。シンザンとハイセイコーはかつての強者であるためか、その容姿に衰えはさほど見られず、30代半ばに見えるほどの若々しさである。しかし、二人とも、既に孫持ちの年齢である。シンザンに至っては『メジロアサマ(マックイーンの祖母)が入学した当時の生徒会役員』というほどの年齢層に属する。
「さて……用件を聞こうか」
往年、『神のウマ娘』と言われただけのことはあり、当代の三冠ウマ娘であったナリタブライアンをも威圧できるほどのオーラと雰囲気を纏うシンザン。傍らに控えているのが元祖ウマドル『ハイセイコー』だ。
「ハッ。スペシャルウィークのことを『厄介なことをした』と仰ったようですね。そのご発言の真意を問いたいのですが」
「彼女がシニア級を経ないで、ドリームシリーズに入ったことを指している。せめて、あと一年は在籍すべきだったのだ」
「それは本人の勝手では?」
「組織の建前としてはな。今のドリームシリーズの在籍組は『三年間をきっちり走りきる』ことが美徳として教育されてきた。スペシャルウィークのクラシック級在籍時の功績は見事だが、協会の強行派、それと、ドリームシリーズに出場資格のない古い世代から、シニア級に行かなかった事への批判が出ているのだ。私が批判を抑えていなければ、彼女は『交通事故』に遭いかねん」
「引退した方々は勝手ですね」
ブライアンは皮肉って言う。シンザンも苦笑交じりに返す。
「ドリームシリーズ自体、昔の八大競走のどれかの覇者でありながら、引退後に困窮に陥った例を鑑み、救済措置として顕彰ウマ娘制度と共に作られた。故に、ある年代を境に出場資格はない。キリがないし、ウマ娘の走行能力は人で言う40代頃にはすっかり衰える。だが、成功者はその年代あたりで社会的に地位を持つ。議員になっている者もいるし、社交界の華となった者もいる。故に、そう言ったのだ。如何に私でも、抑えられる限界はある」
なんとも政治的だが、ウマ娘達の走行能力は生物学的衰えがヒトよりも早い傾向があるため、ヒトでいう40代が限界である。足を潰した場合は青年期のうちに訪れるとも、シンザンは言う。マルゼンスキーやTTGの全盛期にまとまった数で確認された『領域』はそれ以前の世代では、シンザン、トキノミノルなどの伝説級のみで確認されていた。シンザンは競争ウマ娘としての後継はミホシンザンの後は恵まれていない。孫娘であるマイシンザンやスーパーシンザンは才能に恵まれず、名前負けは否めない。そのため、直に表舞台から退く(ミホシンザンに家督を譲る)つもりだが、現役中の名声がそうさせないのである。
「故に『厄介』なのだ」
「余力を残すなと?」
「有り体に言えば、な。足を潰せというわけではないが、きっちり三年間を走ってくれれば、協会にいる古い世代のウマ娘から批判や中傷が出ることはなかったのだ」
「私にも、そうしろと?」
「そうだ。君には、三冠の後継者としての責務を果たしてもらう。次代が育つまででいい。その後は好きにしたまえ」
「ああ。あのディープインパクトという若者ですか」
「そうだ。彼女にはその資格があると睨んでいる」
「わかりました。三冠経験者としての責務はお望み通りに果たします。ですが、姉の事もあるので、姉と最後の勝負の時間は頂けますか」
「君の姉上も実績を残している。ただちに、私の名のもとに認めよう。手配をしておく」
「ありがとうございます」
お互いに腹の探りあいとなったが、シンザンは基本的に後輩に寛容なようで、ビワハヤヒデの引退レースの機会を設ける事に自らのお墨付きを与えた。それは後日、シンザンとハイセイコーの臨席のもとでの特別レースという形で実現する。学園理事長が認めても、協会がゴーサインを出さなければ、レースはできないので、ブライアンのこの行為は正解だった。
「それと、スペシャルウィークの身辺はしばらく、私たちが守護する。君が配置換えとなった先のチームのトレーナーにも通知しておこう。前協会長とそのシンパが彼女や彼女の義母上に嫌がらせをしてくる可能性は大きい」
「何故ですか」
「彼は公家の最高位である五摂家のどこかの分家筋の末裔のボンボンでな。家の地位でその更に前任者(オグリキャップの現役時代における協会長)の後釜に座ったにすぎん。彼はグラスワンダーに入れ込んでいたのだ」
「ただの妬みですか?」
「そうだ。だが、地位のある人間が入れ込んでいる者の前途に影響を与えてしまったという事実はある。グラスワンダー君はもし、レース戦績が良好であり続けたのなら、海外遠征が決まっていたからな。故に、彼が逆恨みしていると言わざるをえない」
「これだから、公家の連中は…」
ハイセイコーもぼやくが、旧公家の者たちは旧大名家(武士層)の出身者より根性がなく、加えて、わがままな傾向があるといい、ウマ娘世界でも、公家の出身者は実務向きでないという風潮がある。
「彼がなにかすると?」
「そうだ。故に、競争ウマ娘崩れのチンピラや極道者を鉄砲玉にする危険がある。警察内部にもいるからな、極道者の送り込んだ『ネズミ』がな」
「あなた方にスペシャルウィークが護れますか?」
「そのような非合理的な工作など、君は想像だもせんかっただろう?だから、君には現役の三冠ウマ娘として、そういったネズミの駆除を頼みたい。レースと関係なくなるが、そういう状況がスペシャルウィークを襲っているのだ」
「わかりました。お任せください。害虫駆除は『慣れています』」
ブライアンとしては、実際は煩わしいことこの上ないが、シンザンが学園の守護者であることが確認でき、協会の改革派を味方につけられるのなら、多少の労苦は安いものだと考え、シンザンの権威と威光を利用することとした。それがブライアンなりの協会への意趣返しであった。
――遠征軍は装甲戦力の刷新を急いでいた。敵が最低でも『V号戦車パンターF型』であり、ハイローミックスでM4中戦車も残る状態では苦戦を強いられていたからだ。M60戦車、更にそれを凌ぐM1戦車(21世紀時点の現用車)も段階的に配備された。これは強化された『ヤークトパンター』、『ヤークトティーガー』が壁となり、連合軍を撃退し続けているからで、対戦車兵器を使おうにも、M粒子散布下ではあまり命中率は期待できない。更に、無人兵器は『政治的な観点』から、大規模投入は期待できない。そのため、更に強力な戦車を使うことが手っ取り早い手段であった。実際、ヤークトティーガーの強化された装甲はプリキュアの攻撃すら弾き返すほどの強度を誇っており、ラブリービームを『跳ね返してしまった』のである――
「うっそぉ!?」
「強化されてる。耐磁気地雷用のコーティングを改良したか!ひとまず退くよ!」
「わ、分かった」
斜め上側面からのラブリービームはヤークトティーガーを貫くどころか、エネルギーが曲がるような形で弾かれる。これはフェーザー光線砲がガミラス艦に弾かれるのと似た現象であり、プリキュア元来の技としてのビームの出力では、コーティングで防がれるのである。
「駄目だ、装甲も固ってぇ~!ただの戦車じゃねーよ、これ!?」
正面から殴りかかったキュアジェラートも、拳を氷で覆いつつぶん殴ったが、逆に氷が砕け散り、拳が赤くなる有様で撤退した。これにより、プリキュアの攻撃でも壊れない強度があることが確定した。
「ヤークトティーガー、部材が変更されてるな。ただの鉄じゃない」
「お~、いてて……プリキュアになってて、手が痛くなるなんて思ってみなかった」
「大丈夫かい?お医者さんごっこカバンで出した湿布でも貼っときな」
「でも、どーすんのさ」
「戦後型の戦車でぶち抜くしかないね。ドローンは23世紀じゃ忌避されてて、殆ど残ってないから、使えないし」
のび太は二人を引き連れ、後退する。ヤークトティーガーの史実以上の強度に疑問を持ったため、スネツグ(スネ夫の実弟)のツテで、より年式の新しい『M1戦車』を調達していく。同時に、M4中戦車の一線での使用の取りやめを進言する。防御力がまったく通用しなくなっていたためだ。とはいえ、連合軍でもっとも稼働率が安定している車両という現状もあるため、一線任務では使用されなくなるが、障害物破壊や地雷撤去などに駆り出されていく。また、現役中の頃と大差ない状態では、プリキュアはナチス・ドイツ残党と戦うには力不足であるのも再確認された。
「でもよ、どうやって逃げる?」
「その辺にある側車でも分捕ろう。ドイツの側車は質良いよ」
と、のび太もドイツ軍の側車の良さは認めている。『BMW・R75』は史実でも模倣品が出回っているからだが、当然ながら二人乗りなので、自前での飛行能力がないキュアジェラートが側車に乗り、キュアラブリーは自前の能力で飛ぶことになった。このように、敵味方ともに、BMW・R75を使うことはままあり、のび太達も時たま使用した。カールスラントでは、軍の物的復興が遅れたこともあり、長らく使用されていく。(リベリオンの分裂で『ジープ』の部品調達や新規注文が難しくなり、連合軍全体での軍用四輪駆動車の配備計画の迅速な進展に支障が生じたため)そのため、ジープは最前線ではあまり使用されなくなり、要人以外はサイドカー、もしくはキューベルワーゲンでの移動が多くなっていった。そこも微妙に貧乏くさい連合軍の懐具合であった。
「でもよ、あんなのに居座れちゃ、面倒だぞ?」
「対策は取るさ。実際の機動戦力は中戦車さ。駆逐戦車や重戦車は砲台に近い。ドイツの重戦車と、重戦車の足回りを流用した駆逐戦車は脆弱だからね。だから、あまり動かないんだ。それが最善策だから」
「横から、バズーカ砲でもぶち込むのか?」
「いや、その手の兵器への対策はなにかかしらしてるだろうから、足回りを壊すしかないな。正攻法じゃ至難の業さ」
ヤークトティーガーの手強さはプリキュアをも苦戦させるほどのものであった。特殊コーティングでビームをも弾きかえすという改良は戦闘向きの世代でないにしろ、プリキュアのパンチに耐える強度を持つ。これは由々しき事態であった。キュアジェラートもこの頃になると、プリキュアアラモードで『正面戦闘担当』であるキュアジェラートが戦闘に参加している。ポテンシャルが高いため、あまりスタイルに変化はないが、パワーは歴代の青のプリキュアでは下位に入る。(水無月かれん、黒川エレンなどがずば抜けているだけで、他の青のプリキュアはテクニック寄りの特性である)
「でも、手ぶらじゃ帰れないよ」
「分かってるって。その辺の臨時の集積地をぶっ飛ばしていこう」
と、いう結論になる辺りは流石である。敵の集積地を襲うというのは、戦国時代には既に存在する手段である。戦が大規模化すれば、必然的に発生する考えである。
「集積地から食料品でも分捕ろう。サイボーグ用だったら、普通の食物があるはずだ」
「なんでだ?」
「サイボーグは生体の部分の維持のために、生身の消化器官を遺してある場合があるからさ。仮面ライダーZXみたいに、ロボットとの境界線が薄れるのは、割に『最近のこと』だそうだ」
「脳みそとかを維持するためか?」
「有り体に言えばね」
「サイボーグって、体に機械を入れる技術じゃないの?」
そこでキュアラブリーが質問をする。ごく当たり前だが、サイボーグについての常識的なことについてのことだ。
「サイボーグはある程度まで発達すると、生身の部分が多いままじゃ、色々と無理が出てくる。仮面ライダーや怪人は人型を保ったままで、別の動物の能力を与えて、耐久性を上げようとした研究で生まれたらしい。正統な仮面ライダーは怪人と同根の存在だからね」
「そういえば、一号ライダーと二号ライダーは」
「組織の次期幹部候補の強力怪人として生み出された。二号は一号の打倒用の用途が主だったらしいけどね」
仮面ライダーはV3、X、スカイ、スーパー1など、組織由来の技術を使えど、救命目的だったり、宇宙開発用として生まれた者もいるが、一号、二号、ストロンガー、ZX、BLACKなどは組織の幹部、もしくは首領の後継者候補として生み出された経緯を持つ。一号にしても、『プロトタイプがそれ以前にいたが、能力に耐えられずに死んでしまった』という出来事を経て完成されている。(なお、のび太は『仮面ライダーの正統な系譜は昭和ライダーの系譜である』としているため、基本的に昭和ライダー前提で話す場合が多い)科学万能主義の組織が生み出したが、それに反逆し、反抗勢力となったという経緯も鑑み、昭和ライダーは『大自然の使者』を自称する。
「敵味方で同根の技術を使う例は多いよ。サイボーグしかり、宇宙戦艦、モビルスーツしかり、シンフォギア……」
技術の発展と普及とは、そういうものである。ある優れた技術を模倣したりして、新たな技術体系は生まれていく。のび太は成人後は技術分野も噛んだらしく、一家言あるようだった。子供の頃からは信じられないほどの成長であった。
――その頃、マルゼンスキー、オグリキャップ、タマモクロス、フジキセキの四名は骨川コンツェルンが番組スポンサーを勤める歌番組に出演していた。タマモクロスはサプライズ出演のような形になったが、マルゼンスキーの言動の監視と、ど天然なオグリキャップのツッコミ役を兼任した。この頃には、全員が競走馬としての自身の記憶も持つ状態になっていたため、司会者の質問によどみなく答えられていた。――
「私、オグリ先輩、マルゼン先輩の三人はクラシックロードをそれぞれの理由で諦めざるを得ませんでした。ご存知の通り、私は足を痛め、オグリ先輩は規則の壁、マルゼン先輩は母上が外国出身、先輩ご自身の『帰国子女』という規則の壁でクラシックの栄光は味わえませんでした。この曲はオグリ先輩が現役の頃に作られたもので、その後の後輩たちにも歌い継がれているものです。では……」
フジキセキは大仰であるが、どこか華麗さを感じさせる前フリを行う。センターで歌うのは、『現役の頃のネームバリュー』の関係でオグリキャップ。フジキセキとマルゼンスキーは脇を固める。すぐに曲が始まる。タイトルは『UNLIMITED IMPACT』。元は『マルゼンスキーとオグリキャップの二名が現役中に味わった悲運を嘆いた誰かが作った』と言い伝えられている曲で、両名の引退後には『ダートやマイルレースに出走するウマ娘達』(スマートファルコンやタイキシャトルなど)が歌い継いでいるという。
『今を全霊で生きたいよ――未完成な私で―胸を張っていこう、これが選びたい進化論――……何があったってぇ~スタートをしたなら、行くっきゃない~~貫くよいつだって……!♪」
オグリキャップ、マルゼンスキーは共に『世代最強』を目されながら、自らの持つ因果により、競走馬、ウマ娘。双方の生でクラシックロードを歩むことは叶わなかった。そこが怪我でその道を断念したフジキセキとの最大の違いである。フジキセキは記憶が宿った後は、前世での早期引退が堪えたらしく、しばらくは現役に留まるつもりだとのこと。なお、この曲は『オグリキャップが歌うことが元々想定されていたが、現役中に間に合わなかった』曲である。
『♪YES…UNLIMITED IMPACT―――!!見せてあげるぅ~EVOLUTION~~GO AHEAD…未来DAYS!!!』
三人が紡ぎ出すハーモニーはスタジオを感動の渦に巻き込んだ。マルゼンスキーが現役時に漏らす『日本ダービーに出させてほしい。枠順は大外で構わないし、他の子の邪魔は一切しない。賞金もいらない。自分の限界をを確かめるだけでいい!だから……!!』という嗚咽混じりの言葉。マルゼンスキーの全盛期といえる 『朝日杯』の際の頃の映像、フジキセキの引退レースになった弥生杯……。そして、三強と謳われ、共に競ってきたライバルが全員去ってしまったショックと、メジロライアンなどの新世代の台頭もあり、『終わった』、『燃え尽きた』と罵倒されつつ、最後の有馬記念で魅せるオグリキャップの勇姿。それが歌が終わると、スタジオの液晶モニターに写し出される。ウマ娘競争協会厳選の映像。それが『あけぼのTV』(ススキヶ原などの都内で視聴できる地域ローカルのTV)のスタジオの液晶モニターにデジタルリマスターで写し出された。三人は凄く恥ずかしそうであったが、マルゼンスキーは『青臭かった頃の自分』を、フジキセキは『怪我さえしなければ…』と若干悔しそうに振り返り、オグリキャップは懐かしそうな顔を見せた。
『マルゼンスキー~~!』
『オグリ~~!!』
『フジぃ~~!』
観客席の誰かが声をあげる。三者は生まれ変わっても、前世と同じような運命を歩んでしまった。だが、三人は前世と違い、自分の意志で『その先を歩める』。たとえ、どんな道がまっていようが。
『みんな、ありがとう!!』
オグリは一瞬で場を盛り上げる。現役中に二代目『ウマドル』(アイドルウマ娘が変じた俗語。スマートファルコンはこの単語を好んで使う。初代は若き日のハイセイコーである)であったのは伊達ではないのだ。
『アドリブだが、私とマルゼンで、もう一曲行こう。ゴルシが音源を用意してくれたんだ』
と、オグリはゴルシの存在に触れる。それはゴルシがマルゼンスキーとオグリキャップへプレゼントしたもの。それは正式には23世紀でのヒット曲『インフィニティ』であった。
『♪絶望からのぉ~旅立ちを決めたあの日…』
『♪あたしたちの前にはぁ~ただぁ~風が吹いてたね――』
ゴルシは意外にも、23世紀世界のヒットチャートに興味があり、その楽曲データを友人関係にあるウマ娘達に渡していた。ゴルシが仲介した関係で、一曲はアドリブで歌えるくらいの時間が割り当てられたため、インフィニティを歌ったのである。この場合はオグリキャップがシェリル・ノームのパートを、マルゼンスキーがランカ・リーのパートを歌唱した。後にこの事をサイレンススズカ経由で聞かされたスマートファルコンはウマ娘世界で『む~~~!オグリ先輩、ずるぅーーーい!!私だって、ウマドルなのにぃ~!!』と拗ねることとなったとか。
『♪サヨナラを抱きしめてぇ~~愛しさを抱きしめて~~君への想いで世界、埋め尽くしたい――……ヒラリヒラリ飛んでったぁ~ポロリポロリ泣いちゃったぁ~約束の地の果てで、もう一度会いたい――……』
オグリキャップとマルゼンスキー。現役時代は離れているが、お互いに規則と時代に泣かされた。そのシンパシーも、デュエットを成功させた。歌い終えた瞬間、観客席から割れんばかりの拍手が巻き起こった。顔を見合わせ、頷きあうオグリキャップとマルゼンスキー。ちょっとばかり羨ましそうなフジキセキであった。