ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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第三百八十三話の続きです。


第三百八十四話「二つの世界での風景2」

――競走馬の世界がそうであったように、ウマ娘の間でも『成績でのヒエラルキー』は見えなくとも存在していた。スペシャルウィークらの世代には殆どなくなっているが、マルゼンスキーの現役時代には、突出した成績とスピードを誇った彼女への醜悪までの嫉妬が他のウマ娘の間で渦巻いたことは(当事者達の間で)後代のタブーとなった。誰か(マルゼンスキー以外の同世代のウマ娘のトレーナーか?)に『あのウマ娘は日本で走る資格などないよ』と陰口を叩かれていた(そのトレーナーはトウショウボーイらのお叱りを受け、その後に依願退職したという)ほどだ。マルゼンスキーが引退後も走り続けていた理由の一つは、同期たちが『自分が走るだけで』尽くが不幸のどん底に落ちたことである――

 

 

 

 

「マルゼンは速すぎた。それ故に、本人と関係ないところで、同期達が不幸のどん底に落ちた。当時の世間はクラシック勢を『マルゼンスキーの敗者復活戦』という認識で見ていたからだ」

 

マルゼンスキーをクラシック戦線から追い出したはいいが、世間はこれを組織的ないじめと見做したため、当時のクラシックの覇者達(プレストウコウ、ハードバージ、ラッキールーラなど)は正当に評価されず、世代全体のその後の運命にも多大な悪影響を生じた。当時に引退が近づいてきた時期であったトウショウボーイも、マルゼンスキー世代の飛び抜けての不幸ぶりは存じていた。

 

「勝利至上主義のように見做しているという批判がありますが?」

 

「マルゼンの同世代はマルゼンを忌み嫌ったからな。クラシックの名誉を汚したからだと。あの時期は帰国子女のウマ娘が出てくることなど、まったく想定していなかった。それが、マルゼンスキーの登場で混乱に陥った。その後に、オグリキャップくんが地方から出てきた時のように」

 

トウショウボーイは政権こそ長かったが、後任のルドルフと違い、就任の時期は現役後期であったために、その時期は後輩らを抑え込めるほどの権威がなかった。その事への自嘲も入った発言であった。それでも、マルゼンスキーは足に『爆弾』(選手生命に関わるほどの怪我を起こしやすい状態)を抱えていたという状態であり、クラシックシーズンの終わりにそれが爆発した。その事が同世代のウマ娘の運命を暗転させたのだ。

 

「協会も想定外だったことは、マルゼンとオグリくんの二人が人気を博したことだ。特に、オグリ君はハイセイコーさんの後継者と謳われたほどで、フィーバーだった」

 

オグリフィーバーは、オグリ本人にしてみれば『はた迷惑』ですらあったものの、後輩らを学園に引き入れるきっかけとなったので、結果オーライといったところ。また、オグリは引退レースが有馬記念であり、そこで有終の美を飾っている。そのことから、後輩らにとっての『引退の理想像』に登り詰めた。だが、史実ではゴールドシップもなし得ず、キタサンブラックが久方ぶりに成し遂げる。当初から有馬記念での引退を明言し、有終の美を飾ることは難しい。ほかはシンボリクリスエスがなし得た。

 

「それは存じています。しかし、マルゼンさんが人気とは?」

 

「奴はイギリスの名ウマ娘『ニジンスキー』さんの実子で、その中でも指折りの実力を誇った。君が幼少の頃だから、君の母上のダイナカールさんに聞くといい」

 

「そういうことですか」

 

「ただ、奴には心を許せる同期がいなかった。奴の同期は学園には、もう残っていないからな。それが悲劇だ」

 

 

マルゼンスキーの同期らは、マルゼンスキーが足の不安を抱えた状態で無敵を誇った事がショックであり、現時点では当のマルゼンスキー以外は学園に残っていない。それがマルゼンスキーの抱えた悲劇でもある。なんだかんだで『勝利こそが最強の証明』という標語がウマ娘達の存在意義の証明なところがあり、最近は勝利至上主義と叩かれ始めたものの、それはハルウララの登場で言われだしたことだ。(ハルウララは自分と関係がないところの事情に翻弄される馬生であったのは有名であるため、ウマ娘となることで本当に幸せになったと言える)特にマルゼンスキーの時代は、クラシック戦線のレースが強さの証明にならないことはショックそのものであった。彼女らが走れば走るほど、マルゼンスキーの実力に箔を与えるだけだったからで、それが世代全体の悲劇だったといえる。

 

「君は若いから知らんだろうが、奴が現役の時代はある意味、殺伐とした空気があった。それが改善されてきたのは、ハルウララくんが出てきてからだ。負けて愛されるのは、彼女だけだろう。」

 

トウショウボーイの言うとおり、ハルウララは例外的に『負け続けても許され、愛される』存在。彼女が中央にいられるのは、ルドルフが彼女と彼女のトレーナーをかばっているからである。(ハルウララは素質自体はあるのだが、気質の問題で勝てない事が多く、協会からは実のところは疎んじられていた。だが、世間がアイドル扱いした事、『ルドルフ、トウショウボーイ、シンザンが彼女を認めていた』ため、彼女は『レースを盛り上げた』ということで、功労賞を受賞する見込みである。これを『冒涜』と見るか、ウマ娘という種族を栄えさせる一つのきっかけと見るかは、後代の者たちが決めるだろう)

 

「彼女のおかげで、『負け続けてもいい』という空気が醸成された。その点で彼女は評価されていい。彼女のトレーナーとしては複雑だろうが、世間はそういうものだ。オグリ君でさえ、現役晩年期には『終わった』と言われていたのだからな。彼女が引退する有馬記念で勝ってみせたことは痛快そのものだったよ。オグリ君世代の有力な者たちは殆どが晩年期に周囲に見放されている。イナリワン君もだ」

 

「そういうものなのでしょうか?」

 

「怪我などで能力減退が急激だと、特に言われやすい。世間は意外に冷淡なのだよ、エアグルーヴ君」

 

エアグルーヴは意外なことに、ルドルフと数歳以上は離れているので、マルゼンスキーの現役時代は直接見てはいないという。オグリキャップの引退時期がマックイーンが入学した時期に重なるため、マルゼンスキーは少なくとも、オグリキャップとも更に数歳は離れているので、少なくとも、現時点で大学生くらいの年齢である事が推測される(自動車免許証を有しているので)。また、トウショウボーイは『オグリが現役晩年期に成績が低迷した時、当時の世間は引退しろと叩いた』と教える。オグリが有馬記念に勝った途端に掌返しで褒めちぎった世間を冷ややかな視線で見ていたらしい。彼女は現役時に三強と謳われ、常に称賛を浴びてきた。それ故に、自分たちと正反対の立場のハルウララを『無事之名バ』と正しく評価している。また、オグリの現役晩年期の苦悩を見てきた事を明言する。(オグリのダービー出走に動き、当時の協会長とルドルフの面談を実現させたため)トウショウボーイはどこか懐かしそうだった。また、イナリワンも晩年期に挫折を味わったと明言し、彼女に最後の花道を用意したと明かす。また、マルゼンスキーやオグリキャップのように『惜しまれて引退できた』ケースは極めて幸運だとも述べ、世間の冷たさを口にする。先輩や後輩達の多くが直面する引退後の生活の厳しさ。ドリームシリーズに行ける者はごく少数のエリートだと。

 

 

「ゴールドシップ君から報告がある。読み給え」

 

「失礼いたします。……こ、これは!」

 

トウショウボーイが渡した報告書は以下の通り。

 

――タマモクロスは引退を決めたレースでの『売り言葉に買い言葉』でオグリに心の傷を残したことを事後に激しく後悔しており、歴史改変をしている。本人は『償いや』とだけ述べており、オグリの親友に徹することを選んだことを示唆している。改変後においては、タマモクロス、イナリワン、スーパークリークの引退時期がオグリと同時期にまで延長されていて、史実よりオグリは心穏やかに引退を迎えている。なお、二度目のジャパンカップは史実通りに勝てておらず、そこで帳尻合わせがされている――

 

大まかには、そのような内容であった。タマモクロスとオグリキャップも歴史改変を認めており、オグリは『タマにライバルでいてほしかったから』、タマモクロスは『オグリへの償いや』とだけ答えており、タマモクロスの行為にオグリが加担した事が書かれていた。オグリ世代が結果としては『史実より穏やかに引退していくように仕向けた』。タマモクロスが主な実行者である事を肯定しており、エアグルーヴは驚愕する。やがて、会議も一段落つく時間になり、TVのニュースがあることを報じる――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――扶桑は反攻に備え、余剰になった人員を吸収するため、85000トン級の大型正規空母を五隻前後は建造し始めていた。中型空母の要員として確保していた者たち、軽空母や護衛空母の乗員、近代化で手空きになった戦艦の乗員が十万単位で生じたため、海軍としてもその行き場に窮していた。ウィッチ閥は『短期的に使う中型空母を10隻作れ!!』と喚き散らしたが、F-14やF/A-18E/Fを多数搭載可能な空母は『軽く見積もっても、85000トン級』である上、ジェット戦闘機時代の空母は『長期運用で元を取るのが当たり前』。彼女らの提言は採用されず、最後の『商船改造空母』の飛鷹型航空母艦を後生大事に使うしかなく、泣きを見た。1941年の基準なら『大型空母』に入るエセックス級が続々と量産された事も彼女らを精神的に追い詰めた。流石に飛鷹型が1946年には性能面で陳腐化したため、代替として、エセックス級の鹵獲艦が修復され、彼女らに与えられた。なお、飛鷹型の二隻は1946年に練習空母に種別変更がなされた後、日本で病院船代わりに動員された後、元の『橿原丸級貨客船』に戻す案が出ていた。だが、現実問題が立ちはだった。既に海軍が細部まで空母にしていたこと、甲板に魔術処理が施されていた影響で、史実の試算よりも再改造に時間がかかる上、内装を客船のそれに改めてし直すのは、現実問題としてムダであった。(その資金で貨客船を新造したほうが早いのだ)

 

結局、双方の妥協案として、隼鷹を退役後に日本に記念艦として提供することで決着した。飛鷹はウィッチ閥が手放さなかったため、鳳翔の後釜に収まり、1970年まで練習空母として使用されたという。これは日本と扶桑の間の妥協の一つである。

この事から、旧来的な考えに固執する、海軍ウィッチ閥は厄介者と見做されるようになっていった。強襲揚陸からの制空任務に無理解なのも理由の一つで、彼女達が気がついた時には、派閥そのものが時代遅れとなっていたのだった――

 

 

 

 

 

 

――『優秀なウィッチは大尉~中佐の階級に留め、現場で使い倒す』という扶桑の慣習は日本連邦化で消えることになり、軍ウィッチの最低階級も少尉で統一された。また、兵科以外の科の士官も『兵科将校に準ずる扱いにする』という規則が設けられた――

 

 

例として、ミーナ(人格変貌前)が『扶桑海軍の慣習に則り…』ということで、既に軍医中尉の芳佳を飛行任務の際は兵科曹長の扱いにしようとしたところ、他部隊で差別された日本軍義勇兵(叩き上げの特務士官が多かった)から火の出るような抗議が舞い込んだ。ロンメルは彼等を宥め、怒りを鎮めるのに苦労を強いられた。ミーナとしても、この予想外の事態に当然ながら困惑。階級の降格はこの問題への懲罰の意図も含まれていたのである。なお、アイゼンハワーが義勇兵とのトラブル回避のため、『兵科将校と他科士官に待遇差はない』とする規則を緊急に設け、表ざたにならぬように取り計らい、荒くれ者の多い日本軍出身の義勇兵の手綱を握るのに腐心した。

 

まほはこのトラブルの尻拭いをダイ・アナザー・デイ中に強いられたのは言うまでもないが、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケが報道の効果もあり、『祖国を混乱に陥れるきっかけを作った』と白眼視されてしまったので、しばらくは『西住まほ』の名義で活動した。そのほうが隠れ蓑になったからだ。また、便宜上、西住まほ名義の戸籍も作成された。そのため、彼女はミーナ・ディートリンデ・ヴィルケとして『責任を取った』が、『西住まほ』として活動する一方で、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケとして、日本連邦の義勇兵になっていたということになる。理由は『G化』で固有魔法の『三次元空間把握能力』が上位互換のニュータイプ能力へ昇華したため、その能力が上層部に惜しまれたためだった――

 

 

 

 

 

――ニュータイプ能力はウィッチ世界では『三次元空間把握能力の進化系』という解釈となった。そのほうが受け入れられやすいのと、共感能力があっても、アムロとシャア、カミーユとハマーンのように『精神的に相容れない』例があるからだ。そのこともあり、連合軍は『三次元空間把握の固有魔法がなにかのきっかけで自己の固有能力に転じたか、魔法の素質がなくとも、覚醒する能力』という説明で流した。実際、その手の魔法が使える者は大抵が優秀な指揮官であったからだ。(その一方で、前世以前の能力と記憶が覚醒した事の副産物のケースがある。のぞみとシャーリーがそれ)武子は本来、個人戦果は二の次とする性分であったが、64Fの現場責任者となった後は『精鋭部隊にふさわしい個人戦果』が必要であるので、そこそこは挙げている。また、乗機も『Ex-Sガンダム』及び『ガンダムF91』であり、扶桑で有数に贅沢だとされている。(扶桑全軍に地球連邦軍の援助があるとはいえ、フルスペックのガンダムを扱える部隊は64Fのみである)――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――キュアミラクル/朝日奈みらいは復活後の留守番のうちに『ロボットアニメオタク』になっており、いつのまにか、それを買われて、テストパイロットも任務のうちになっていた。これはプリキュアとしての最終決戦からの数年は『一見して無難な学生生活を送っていたが、仲間と離れ離れになったことでの空虚感と孤独感が支配していた』時期があるので、その反動だと思われる。意外な事に、国際学部の学生であったのと、母の仕事を高校以後は手伝っていたため、素で数カ国語に堪能。その関係でコンピュータ技能も高くなっていたため、ピンクプリキュア勢ではもっとも素で高スペックになった一人といえる――

 

「みらい、仕事は終わった?」

 

「今日の分は。この間、やりあったゼク・アインのデータを解析してるとこ」

 

「ああ、ペズン戦役の生き残りの。敵も色々なルートで機体を手に入れるんだね」

 

みらいが(疲労軽減のため、キュアミラクルの姿でいる)の作業中のラップトップを覗き込むいつき(こちらも同様の理由で、キュアサンシャインの姿である)。

 

「多分、次期主力の採用試験のために、地上に送った個体をベースに、奴らの工廠が作ったんだろうね。その戦役で完成機の大半が失われたってあるから」

 

ゼク・アインはTR計画の遅延に伴い、連邦正規軍が独自に計画した機体の一つだが、ティターンズが没落した後にペズン戦役に使われ、歴史の闇へ消えたとされる。だが、鹵獲機を含めた複数の個体が残存していたため、ティターンズ残党が工廠で生産し、あるいはバダンの生産援助を受け、ハイザックを代替する機体とした。それが真相であった。一応は本来の目的を達成したと言える。技術的には『グリプス戦役に毛が生えた』程度の代物だが、ハイザックでは『ネモにも劣勢』であるため、連邦正規軍の現行世代機であるジェガン(とはいえ、世代交代中だが)とまともに戦える量産機をティターンズ残党は入手したことになる。

 

「スペックはジェガンと互角、装甲は上回るくらいか」

 

「ジェガンの初期型よりは良い数値だね」

 

「Zガンダムの一号機よりハイパワーだしね。ジェガンの最終型はもっと上だよ」

 

ジェガンの公表されているスペックは初期型のものであるので、現行運用中のものに比べものにならない差がある。現行の最終型は当初予定された『ジェスタ』と『グスタフ・カール』のスペック値を上回る数値である。非ビームシールド搭載の世代としては最後のジム系になったためか、ジムとネモの集大成という位置づけか、配備数は依然として多く、64Fも練習機という位置づけで持つ個体、スタークジェガン化させた個体を有する。これは元々、ロンド・ベルがジェガンの最優先供給を受ける部隊であった関係で、地球連邦軍の主力がさらなる次世代機にバトンタッチしてきた後も『その時々の最新主力機が優先配備される』という慣習として残った。ガンダリウムγの量産に目処が立った事から、ジム系も6000kw級ジェネレーターの搭載が成った(ゾロアットを超えるためである)。また、ガンダリウム合金の精錬技術の進歩でさらなる強度が実現し、機体サイズも運用上の都合で大型へ回帰し始めたため、ジェイブスとフリーダムはジェガンの後継/改装機として地位を築きつつある。

 

「でもさ、MSってさ、どこから来たの?」

 

「ジオン系の企業が研究してたパワーローダーが祖ってされてたけど、正確にはドラえもんの構成技術の残り滓らしいんだ。2100年代までには二足歩行ロボットの技術が完成してて、AI技術が頂点に達した時代だったから」

 

ドラえもんの時代のロボットは明確な自我を持ち、霊魂すら持つ確固たる存在であった。だが、皮肉にも、ロボット裁判所の暴走(過去の人間を22世紀の論理で裁こうとした)がそれに終止符を打ってしまい、統合戦争がそれまでの全てを消し飛ばし、残された構成技術の一部がMSなどに利用されたという。ただし、アナライザー、ヒューマノイドロボットに生まれ変わった『ミネルバX』のように、『確固たる自我を持った』ロボットがその後に出ないわけではない。残り滓というのは、二足歩行を実現させる技術、作業を可能にする腕の器用さなどが後世に生かされたからである。

 

「どこがどうして、ああなったの?」

 

「統合戦争が長すぎたみたい。目的が忘れ去られて、惰性で戦争が続いた。馬鹿げてるけど、それがやっと落ち着いてきた時に、マクロスが落ちてきたそうな」

 

 

統合戦争を乗り越えた後、一年戦争からの戦乱期が到来したものの、結局は異星人が立て続けに襲来する、宇宙怪獣の退治で銀河に殴り込まなければならないなど、あれこれの出来事が起こりまくりった結果、23世紀に恒星間文明としての隆盛を迎える地球だが、常に動乱の影がつきまとう。

 

「で、その後も色々な事があって、今に至る。濃密すぎるくらいさ。ジオンが嫌われたのは、ひみつ道具時代の復活を邪魔してるからだって」

 

ジオンが見限られていったのは、サイド3の同胞も『連邦に媚びた売国奴』とレッテル貼りして、躊躇なく虐殺しようとした事、一年戦争開戦の際、反ジオン的なサイドの住人をを億単位で虐殺した事、終戦間際、ザビ家を否定した世界を自分たちの道連れにしようとした事が白日の下に晒された事、シャア・アズナブル、ひいてはミネバ・ザビさえも、『地球を滅ぼすための神輿』としか見なさない過激派の排除に失敗した事が、ジオンという国家の存続に悪影響を及ぼした。結果、かつての敵であるはずのティターンズ残党に与するなど、(ティターンズ残党もだが)本来の理念などお飾りだと言わんばかりの状況となり、複数の平行世界に破壊をもたらしている。時間軸さえも無視して。

 

「で、ティターンズもジオンも結局は反連邦ってだけで呉越同舟して、今の地球連邦に喧嘩を売る。まったく……」

 

ティターンズとジオンは『利用し合う関係』だが、反連邦という目的だけで手を結んだ。その呉越同舟ぶり、環境汚染すら何ら躊躇しないため、しずかは『アニマル惑星の隣の星のニムゲの旧文明と同じレベルで愚かな連中』と断じている。

 

「そういえば、ドラえもんが前に言ってたけど、銀河のどこかに『1200年前くらいまで栄えた』地球人型宇宙人の文明があったけど、環境破壊と最終戦争で滅んだ。その生き残りたちが隣で栄えた動物たちの文明に嫉妬して、襲ったとかいう」

 

「しずかさんはそれを知ってるから、コロニー落としをしたり、アスタロスを使おうとしたジオンが嫌いなんだ。せっかく、天上人が手を引いてくれたのに、数百年後の人間たちがニムゲと同じ道を辿ってるからね。最も、天上人が23世紀まで生き残ってるかどうか。ガトランティスに蹂躙されたか、ゼントラーディに滅ぼされたか…」

 

天上人/植物人は23世紀の時点では、より優れた軍事力を持つガトランティスやゼントラーディに蹂躙された可能性が高い。21世紀時点で植物人の勢力圏であった星系は、23世紀ではゼントラーディ、ないしはガトランティスの攻撃で滅亡した星が大半になっており、辛うじて良好な環境で残った星にひっそりと暮らしていたと探査団の報告にあり、逆に『ゼントラーディに対抗できる』地球連邦に庇護を願う有様だったという。天上人の生き残りは『先祖返り』で地球への帰還を願っているとされる。

 

「ああ。それ、この間の科学雑誌で見たよ。地球連邦に庇護を求めてるそうな。やっぱり、ゼントラーディとガトランティスの攻撃が交互にあって、星系ごと滅亡寸前に追いやられてたみたい。で、エデンに移民させるとか」

 

「やっぱり。因果応報だなぁ。ノア計画なんて考えるから」

 

 

とはいえ、ノアの方舟の伝説の大本は水惑星『アクエリアス』の回遊によるものであるので、その時に天上に逃れた、いくつかの『最初の地球人の中の数種族』が天上人の先祖だと考えられるので、後に、地球に災厄を齎すディンギル帝国と同根にあたる。(メンタリティに共通性があるため)

 

「彼らは最初の文明を持つ地球人だったから、後から栄えた種族が文明を持つのが許せなかったんじゃない?」

 

「それはあるかもね。あるいはゲッター線が地上人を進化させたのが怖かったかも。彼らは23世紀の時、ゲッターロボに怯えたようだから」

 

「エンペラーの存在でも幻視したのかなぁ?」

 

「さぁ?」

 

謎も残るが、二人の会話からは『天上連邦は移民から数百年で滅亡寸前に陥った』事、ゼントラーディとガトランティスに立て続けに攻撃された事実が窺えた。また、しずかは自分と夫が子供時代に多大な苦労をして勝ち取った『地球人が地球で暮らす権利』を、後世の人々が手前勝手に否定して、却って、地球を汚す事を許せず、ジオン嫌いになった事が示唆される。最も、スペースノイドの国家はどれもこれも『地球に核の冬、ないしは地球人全滅を引き起こそうとする』割に、自分たちがいざ異星人に攻められると、ぬけぬけと地球連邦に泣きつくため、その図々しさを嫌っているようだった。結局は異星人との生存競争で地球連邦は求心力を取り戻したことになる。とはいえ、ジオン共和国も『国家の維持は長期的には不可能』とは自覚していたのも事実だし、『ミネバ・ザビがいなくなれば、残党は霧散する』ことは分かっていた。植民惑星の増加で『宇宙移民の代表』として振る舞うこともできなくなり、サイコフレーム封印の交渉で主導権を取れないなど、一年戦争の虐殺のツケを一気に支払う事になった。

 

「それに、ミネバ・ザビさんも、グラン・ジオングやネオジオングは把握してなかったから、連邦側に指摘されて、赤っ恥をかいたから、サイコフレーム封印の交渉で主導権を取れなかったからね」

 

「残党を統率できてないってことだからね。こっちがガンダムXとダブルエックスを造っといたから、良かったものの……」

 

「下手すれば、グラナダとフォン・ブラウンは全滅してたからね。この連中のせいで」

 

映像に映るジオングの後継者達。実際には『クイン・マンサの発展機』であったり、『モビルアーマー』であるそれらだが、他にも他派閥が『グレート・ジオング』を制作しようとしていたなど、ミネバ・ラオ・ザビが承服しない兵器を製作していた。それらに皆、サイコフレームが使われていたため、ミネバ・ラオ・ザビは連邦への釈明すら覚束なくなり、量産型νガンダムの配備を認めざるを得なかった。サイコフレームの使用量は規制されたものの、バイオセンサーやバイオコンピュータとの併用で『ニュータイプパイロットの満足する反応速度を為し得る』目的での使用は認められた。また、ミラクルライトの代替のプリキュアパワーの触媒としての加工も『条約のうち』であるので、ジオン共和国が移民船団に衣替えするのを補助する見返りに、サイコフレームの使用用途、使用量の上限を定めることで妥協しあったのだとわかる。

 

「でも、こっちもバケモノ(マジンカイザーや真ゲッターロボなど)使ってんから、お互い様かもね」

 

「まー、それは言えるね。だけど、向こうはヤク中にしたりした強化人間を使うからね」

 

「エクステンデッドや、ブーステッドマン使ってた『地球連合』と大差ないんだなぁ」

 

「ティターンズも、ジオンも人的資源を補うために強化人間は研究してきたけど、フォウ・ムラサメが比較的にマシ、ロザミア・バダムは使い物にならない、ギュネイ・ガスは割に安定してたけど、自信過剰って感じ。ジオンはユーマ・ライトニングやイングリッド0とか言うプロトタイプを実験した後、プルシリーズに移った。プルさん姉妹のクローンだね。ネオ・ジオンの記録だと、最低でも20体近くが製造されてる」

 

「その内の一人が、フーベルタ大佐の前世にあたる子?」

 

「うん。フーベルタ・フォン・ボニン大佐の前世に当たると思われるのが、マリーダ・クルスって個体名を後でもらった『プル12』。プルさん自体がギレン・ザビとその秘書『セシリア・アイリーン』との間に生まれた隠し子の説あるからね。断定はできないけど。遺伝子情報は使った形跡はあるそうだよ。マスターにあたる『グレミー・トト』がギレンの落胤って噂は一年戦争当時からあったみたい。最も、未来世界のマリーダ・クルスが別にいるから、ガンダムタイプを使うとか言ってるけどね」

 

 

フーベルタ・フォン・ボニンはマリーダ・クルスという『エルピー・プルのクローン』の転生体であった。ジオンにもはや忠誠心はない(前世でミネバに尽くしたからだとのこと)こと、別人に生まれ変わったので、ガンダムタイプに乗らない道理はないと公言している。未来世界に『その世界におけるマリーダ・クルスがいた』事は感じており、クシャトリヤの情報を流し、捕獲に持っていくように仕向けていた。曰く、『今は別人でも、その人物として生きてきた記憶がある以上、そいつに犬死にされては、自分の夢見が悪くなる』とのこと。

 

「バンシィにでも乗るの?」

 

「それはないと思うけどね。本人も苦笑いしまくってたから」

 

キュアミラクル(朝日奈みらい)、キュアサンシャイン(明堂院いつき)はメタ発言をしまくるが、キュアサンシャイン(明堂院いつき)自体、ステラ・ルーシェを素体とする形で転生したため、ステラとして生きた記憶も持つ状態になっているので、キュアミラクル(朝日奈みらい)もそれを踏まえていた。二人は機動兵器乗りの資格を取得し、ガンダム乗りにもなっている。

 

「でも、みらい。まさか、あなたがパイロットになるなんて」

 

「どこでどうなるか。人間、わからないもんさ。私だって、まさか、故郷が滅ぼされて、のび太さんちに転がり込むなんて、思ってもみなかったしさ」

 

マジンガーZEROへは複雑な気持ちになるが、はーちゃんに希望を与えてくれたのび太へは何かかしらの形で報いなければならない。そう考えたみらいははーちゃんの思いを汲み、野比家に居つくことにした。

 

「はーちゃんのことで恩があるからね、保護者として。でも、ちょっと羨ましい……」

 

「あ、見たかったのね、はーちゃんの中高生姿…」

 

「のぞみちゃんと響ちゃん、マナちゃん、ラブちゃんだけだよー!ずるーい!!私だって見たかったよ~!」

 

のぞみ、シャーリー(北条響)、相田マナ、桃園ラブの四名はリアルタイムで見ているが、本来の保護者であった、朝比奈みらいは見れていない『花海ことはの中高生姿』。大学に行く頃には蘇生が間に合ったが、その頃は『キュアフェリーチェの姿で通学する』こともザラであったので、チャンスを逃した感が否めないと悔しがっていた。また、フェリーチェの姿で普通に散歩し、以前から『謎のヒロイン』として存在が囁かれていたことも地味に衝撃なようであった。

 

「それに…、わたしだって、蘇生がもうちょい早ければ、TVに先駆けてぇ~」

 

「あ、そこね…」

 

呆れ気味のキュアサンシャイン。とはいえ、今の時点で充分に属性過多なくらいなほどに属性を得ているので、それ以上は高望みをするなと言いたいが、フェリーチェが2000年代前半から活動していた事が地味に効いている戦友をちょっと気の毒に思うのだった。

 

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