――ダイ・アナザー・デイでの64Fの孤軍奮闘は逆に連合軍のモラルが疑われる事態になったため、連合軍はサボタージュに参加した将校と下士官に見せしめとして厳罰を下した。このサボタージュは後年にまで続くウィッチ間の対立の根源になるが、64Fに孤軍奮闘を強いた現実は変わりないため、連合軍は通常兵器に『魔導弾』を配備し、人員不足を補う方向にシフトしていった。いくら64Fが無敵を誇ろうと、戦域全体はカバーしきれない。それを理解していた連合陸軍の首脳陣はミッドチルダの技術援助を仰ぎ、『魔導弾』の生産配備を急いだのだ。これは太平洋戦線でも続いた。南洋が史実の群島と違い、日本列島以上の大きさと強固な地盤を持つ関係上、重戦車の展開に支障がないからである。また、急激に戦車の重戦車化が進展し、M60戦車/74式戦車の制式化と生産配備が目処が立つと、カールスラントが主力化を急いでいたパンター戦車は短期間で旧式化してしまい、戦闘車両を欲した扶桑に多数が払い下げられた。(ただし、その決定でカールスラントの治安維持に支障を来たした)そのため、連合陸軍はM26の最終発展型である『M48』を暫定的に生産しつつ、センチュリオンとその後継型、74式戦車の生産を行う方針を1948年度中に定め、遠征軍にはM48が主力戦車として配備されていたが、さらなる改良で重装甲化したヤークトティーガーなどに火力不足を露呈。緊急で次期主力としての試験中であったM60戦車、その更に次である、「M1エイブラムス戦車」を緊急配備することで対処された――
「もうM60か…。直にM1エイブラムスになるな、こりゃ」
「それも直に来るよ。ナチの駆逐戦車の装甲はM48の主砲を弾くからね。戦後型徹甲弾でも弾くって、戦艦用の装甲でも使ってんのかねぇ」
90ミリ戦車砲が効かなくなったため、105ミリ砲装備の戦車に切り替えるのは当然の流れだが、史実を考えると、あまりに早い切り替えである。M48の撃破数も馬鹿にならない数である故だった。また、敵MSもティターンズのグリプス戦役型ではなく、それ以降の開発になる『ゼク・アイン』が主力化してきているため、64Fもガンダムタイプで対応している。ゼク・アインはハイザックやマラサイ、バーザムよりも高性能だからだ。
「MSもゼク・アインになってきてる。実機でも手に入れたのかね」
「一機あれば、彼等ならリバースエンジニアリングでコピーできるからね。正規軍にはジムⅢが相当数(デザリアム戦役後は250機ほどが残存)残ってるから、それを次世代機に変えないと手に余るよ」
のび太の言うように、使い勝手の良さから、地上軍は四世代先のMSである『ジェイブス』登場後も、ジムⅢを使う部隊が尚も残っている。古のジオン残党が消滅しつつあった時期には充分であったが、流石に性能が旧式化して久しいため、ジェガン以降に更新され始めている。また、ティターンズ残党に第一次ネオ・ジオン戦争水準のMS『ゼク・アイン』が渡ったことが、プリベンターの筋で確認されたのもこの日だ。
「どこで生産してやがる?」
「どーせ、アナハイムのグラナダ工場でしょ。あそこはエゥーゴ時代以外はジオン系専門みたいなものだし、ゼクシリーズは旧ジオン系の後継機種のような位置づけだしね」
ゼク・アインの不自然な目撃情報にアナハイムが絡んでいることは公然の秘密扱いである。企業活動とされれば、資本主義/民主主義を謳う地球連邦政府は殆ど手の出しようがない。しかし、連邦軍以外にも兵器を卸すのが、健全な企業活動というものなのも事実。ゼクシリーズは元々、MSの原点を見直す意図で開発されていたが、コンセプトの破綻が起こった事でコンセプトの練り直しを強いられた所で開発拠点の消滅となり、歴史の闇に消えたはずであった。だが、少数の鹵獲機がアナハイム・エレクトロニクスに渡り、彼らが異世界の動乱を意図して継続させるために、ティターンズ残党に流した。そこから組織の手に渡ったのだと。
「参ったな、死の商人が息を吹き返すとは」
「アナハイム・エレクトロニクスとしても、停滞は望むところじゃなくなったんだろうね。それで、意図的に騒動を続けさせる事で利益を得る」
「俺らの世界は兵器実験場か」
「体の良い実験場として見てるだろうね。だから、ティターンズ残党を匿名で援助してるんでしょ」
「やれやれ。企業活動だってのはわかるが」
「ティターンズ残党は意外に人気があるからね。組織の創設者の理想を知る者はほとんどゼロだし、反連邦組織と見られてるし」
「ジャミトフ・ハイマンが聞いたら、草葉の陰で泡吹くだろうな」
ティターンズは戦後は反連邦組織という体裁で組織の体を為しているが、実際は『連邦軍から排斥された過激派の特殊部隊』である。その彼らがジオン残党と手を組み、現体制の打倒を悲願にするあたり、歴史の皮肉を感じさせる。
「そんなの、連邦軍から排斥された彼らからすれば、クソみたいなお題目さ。彼らの目的は組織に利用されようが、現在の連邦軍を打倒して、地球帝国を造るつもりさ」
「どこの銀河帝国の建国者だよ?奴ら、もはや、倫理もクソもないな」
「一年戦争で研究されてた強化人間の歪んだ技術を躊躇なく使う時点で、彼らは悪魔になったよ」
「悪魔、か」
黒江はペイルライダーの一件もあり、ティターンズの歪みを調べている。(デザリアム戦役後には、ペイルライダーのパイロットであったクロエ・クローチェは新たな肉体に脳を移植され、普通の人間に戻った。史実と異なり、地球連邦の所属のままであったため、なし崩し的に連邦軍に属し続け、この時点では史実と違う形で生まれたペイルライダーの系列機をテストしている。ハデスシステムを省いた上で、ムーバブルフレーム設計にされた外観のコピー機。操縦システムは新システムになっている。(史実で言う『ペイルライダー・キャバルリー』と『ペイルライダーDⅡ』の役目を担う)
「あの子は最初期の強化人間だそうだが、よくもまぁ、脳髄だけを機械と繋げられたもんだ」
「旧イタリアで研究されてた『義体』の資料を使ったそうな。第二次世界大戦でドイツからもたらされた技術を、戦後しばらくしてから見直して、使い捨ての殺し屋を得るために使ったそうだよ。」
「日本のほうがまだ人道的だな」
「日本は不死身のロボットに舵を切ったからね。超人機メタルダー、その副産物としてのキカイダー兄弟……」
のび太の口から、人造人間キカイダーとキカイダー01は戦時中の『超人機計画』から派生した存在であり、剣流星(メタルダー)ほどの完成度には達していないことが語られる。良心回路という外付けの回路で人に近づけようとした形跡があるのもあり、光明寺博士は古賀博士(メタルダーの開発者。古賀博士の子息は第二次世界大戦中の特攻出撃で戦死している)の研究部に助手として在籍していたのでは?とする推測がなされている。のび太の成人後においては、半世紀近く前は昔の出来事であるため、ほとんど確認しようがない。
「やれやれ。現用戦車までも搬入されるのを見たぞ?」
「自由リベリオンは人的損害を出せないからね。役人までメタ情報で迫害されて、なり手がいないのさ。日本側には、史実で不手際した人間を排除しろって声があるからね」
「そんなこといってたら、なり手がねぇぞ」
「そうなんだよ。コズミック・イラ歴で、ロゴスを叩いたら、今度は経済がガタガタになったんで、結局は地球連邦の飛び地扱いでの統治を受け入れたように、君らの国もそうせざるを得なくなるよ」
「あれな。過度のリバタリアニズムの進行を抑えたい地球連合が連邦に『加盟』したように、俺らの世界も、事実上は連邦の飛び地だしな」
「地球連邦は比較的に寛容だから、日本よりは口うるさくないよ。日本は軍人の排除を目論んだ勢力多いし」
黒江はウィッチ世界が地球連邦の影響下にある事を認め、飛び地と表現した。のび太も地球連邦を寛容だとしている。それに対して、一枚岩ではない日本に呆れている様子を見せた。実際、日本では『扶桑の体制を強引に戦後日本式に変えようとする』勢力が一定数存在し、軍人を極道と同質の『穀潰し』と見下し、彼等が受けている福利厚生の殆どを廃止しようとしている。彼等の企みはかつてのショッカーと同じであると、歴代仮面ライダーからも酷評されている。だが、2020年代は『統合戦争へ向かい始めた時代』と後世に記されるように、第二次世界大戦後に作られた国際秩序が崩れ始める時代であったため、中・露を中心にした国々が後々の反統合同盟に突き進む時代であり、戦後日本の体制をひたすらに盲信する勢力は『時代遅れ』になりつつあった。
「日本は100年近くも、平和に過ごしてきたからな。故に、それを乱す者を認めないし、抹殺したい。幕末の黒船もそうだが、眠りから覚まされるのは突然なんだよな」
「日本は近代以降、80年周期で時代が変わるからね。だから、カミさんみたいに、地球連邦を作ろうとする考えに行き着くんだ。宗教紛争、民族紛争に終止符を打ちたいがためにね」
しずかは数多くの冒険を経た後の成人後、地球連邦の樹立による平和を志向するようになり、生涯をかけて土台づくりを行う。だが、皮肉なことに、その地球連邦を打倒しようとする者たちが宇宙移民から出現するのである。
「お前のカミさん、ジオンに否定的なのは、やっぱり?」
「ああ。ドラえもんから、ニムゲの話を聞いたろ?ジオンはコロニーや隕石を落として、地球環境を致命的にしても、その後のことに無頓着だからね。だから、ミネバ・ザビにも容赦ないのさ。僕らは21世紀の人間だしさ」
「お前のかみさん、ジオニストに殺されそうな事を言いまくるから、こっちは気が気じゃなかったぜ」
「地球至上主義でもないけど、カミさんは環境保護に熱心だったからね。それを都市ごと環境破壊しまくればね。カミさんのおかげで、ジオン残党はオーストラリアから完全に撤退したからね」
しずかはジオン公国とその残党に辛辣であり、過去の人間として『ジオンの存在意義』を否定するため、ジオン残党にはのび太よりも狙われていた。だが、しずか自身が成人後は敏腕警察官であるため、尽くを返り討ちにしている。のび太曰く、『倅のきかん坊気質はカミさん由来だよ』とのことだが、しずかは意外に苛烈な側面があり、怒った場合、のび太やドラえもんをズタボロに叩きのめしたことも多々ある。成人後も仕事で相手を尋問し、相手を精神的に半ば潰してしまい、大目玉を食らった事がある(もちろん、謹慎処分を食らっている)ほどだ。
「過激だろ。俺たちが引くんだぞ?」
「ある意味、特高より怖いよ?下手なレスラーが可愛く思えるビンタが飛ぶからね。僕もガキの頃にさんざんにやられてる」
黒江たちも仕事の都合上、相当に過激な脅しをかけるが、しずかに火がつけば、それを超える勢いになることを示唆している。
「カミさん、怒ると後先考えないとこあるから。ガキの頃、ドラえもんの道具でヌード見てたら、フルボッコされたからね」
「そりゃお前が悪いが、青あざ作るほどの一撃ができる時点なぁ」
「若い頃(大学時代)、正当防衛とはいえ、因縁つけてきたチンピラにコークスクリューパンチを見舞って、前後不覚の廃人に一発でしちゃったんだ、カミさん」
「初耳だぞ」
「相手がナイフ突きつけて脅してきたし、カミさんのクラスメイトに大怪我負わして、カミさんにも切りつけたんだ。それで怒りが頂点に達して、ホセ・メンドーサ張りのコークスクリューパンチ。相手が全面的に悪かったし、どこかのヤクザものへ上納金を収めようとして、女子高生をカツアゲしようとしたクソ野郎だから、正当防衛になったんだ。僕が駆けつけた時、もうその瞬間で、相手の顔の骨が砕ける音が響いた。打ちどころが悪かったってことで処理されたよ」
「うへぇ……」
「その頃から護身術を習ってたみたいだしね。多分、怒りでアドナレリンが出てたとはいえ、下手なプリキュアより破壊力あったかもしれないね。相手が廃人になってたから」
「ホセ・メンドーサみたいなパンチ繰り出すんだな、あいつ……」
「プッツンしたら、多分、ジャイアンも一発じゃないか?」
しずかは大学時代、チンピラを返り討ちにした際、コークスクリューパンチで廃人に追いやったという凄まじい武勇伝があることを、のび太は黒江に教える。しずかの潜在ポテンシャルはかなりのもので、親の教育で清楚なように振る舞っていたが、実際はかなりのおてんば気質である。そして、公安に配属される前は交通科を経て、ごく一時期は組織犯罪対策課に属していたと教え、かなりの武闘派である。
「武闘派だなぁ」
「普段は僕を立ててくれるんだけどね。お義母さんが良家の出で、厳格な教育をカミさんに課したから。焼き芋を人前で食いたがらなかったし、昔」
「だから、お前がデザリアム戦役でカミさんを関わらせるの渋ったのか?」
「カミさんが尋問したら、どうなるか分かんないからね。相手を生かさず殺さずに尋問しそうだしさ」
「公安は『形を変えた特高』だと揶揄されるが…」
「役割を継承してるからね。仕事のことはお互いに、あまり話さないようにしてるよ。『人に誇れる仕事じゃない』からね、特にカミさんのは」
のび太の裏稼業はその手の業界での評判で成り立つところが大だが、しずかはのび太とは別ベクトルで『国家を守る仕事』をしている。故に、地球連邦政府の実現を理想としていたと、のび太は示唆する。だが、実際には地球連邦政府ができても、戦争が絶えることはなく、宇宙移民が戦乱を起こす時代が到来するわけで、地球環境を悪化させることにも躊躇ないジオン残党らに何をするか、夫である自分すら予想できないと明言した。
「俺たちのほうがマシだと?」
「君達は南極条約は守るだろ?カミさんは拷問と尋問の境界線を攻めがちでね。組織犯罪対策課でも過激で慣らしてたって、カミさんの元同僚から聞いてね…」
「わーお……」
「ある意味、残党への尋問に使いたくない人材さ。精神を潰しかねないもの」
「一時、荒れてた時期ののぞみでも、一発か二発を脅しで『かます』程度だったからな。恐ろしくなってくるぜ」
ジオンも、捕虜をバットでぶん殴る事は日常茶飯事。酷いケースでは視覚障害を負わせた(その最たる例がティターンズの指揮官であったバスク・オム。彼はジオンの拷問の果てに視覚障害を負い、そのことへの怨恨がティターンズの暴走の要因となった)もあるため、ある意味ではお互いさまだが、法規を遵守する姿勢は取るので、コズミック・イラの戦争よりはまだマシである。(コズミック・イラの戦争は第一次大戦でのパナマ攻防戦を境に、捕虜関連条約は黙殺される傾向にあり、第二次大戦時においても、その傾向があった。なお、シン・アスカはもし、第二次大戦の後もプラントにいれば、『インド洋攻防戦』の際の生身の兵へのMSでの虐殺行為での咎で、赤服の剥奪と降格は免れないだろうとされる)
「コズミック・イラの世界じゃ、捕虜でなくても虐殺されるから、君らのほうが真っ当さ。たとえば、シン・アスカ君。」
「あのガキがどうかしたか?」
「彼がコズミック・イラ世界でのインド洋で行った行為が問題でね。彼がした事の目撃者がいたんだ。それで、彼はあっちで訴追され、被告不在のまま裁かれたそうだ。勝手に行動して、上官の制止命令を無視して、相手側が戦闘能力を喪失しても攻撃を続行して、非戦闘員まで殲滅した行為のツケだね。結果はFAITHの身分剥奪を伴う不名誉除隊処分。優れたコーディネイターだから、銃殺刑は免れたが、戦争犯罪人扱い。元の世界にいれば、間違いなく収監されてたそうだ」
「あのガキ、元の世界でそんなバカをしてたのか?」
「だから、コズミック・イラ世界には帰れないことになる。最も、地球連合側の撮ってた映像付きだから、言い逃れできない。いくら地球連合の非道に憤慨したからって、非戦闘員もブチ殺すのはね。戦死扱いにしても、これだからね。プラントも政治的に、彼の存在は抹殺したがってたからね」
のび太はシン・アスカを引き合いに出し、下手に感情のままに動くと、取り返しがつかなくなると教える。最も、シン・アスカは元の世界には帰れなくなったが、英霊でもある妻を娶り、プリキュアになった妹分を得て、未来世界でやり直している。
「彼に釘は刺しといたよ」
「戦争犯罪人として裁かれて、ザフトからの不名誉除隊だもんな。今の暮らしは紙一重の幸運で得られた僥倖だって奴か」
「そう。デザリアム戦役の戦功でそれなりに裕福に暮らせてるけど、ザフトのシン・アスカは死んだと思えと、彼には言っといた」
「あのガキ、家族も死んで、元の世界ではステラも死んでるから、感情の起伏が大きすぎる嫌いがあるからなぁ」
「元の所属先の『タリア隊』は全滅の扱いになってたそうだよ。どうも、ジャンヌさんの素体の子がいたコズミック・イラでは、記録上はオーブ軍との戦闘で行方不明って事になってるそうでね」
「ん、ルナマリアとあいつ、出身世界が違うのか?」
「近いけど、微妙に違う世界だって分かったよ。同じ機体に乗ってて、戦闘記録にも矛盾ないし、歴史認識も殆ど同じだから、気づかれなかったけど、フェイトちゃんが『デスティニーと他とにある戦闘記録の日付に差異がある』のに気づいて、後で調べたんだ。そうしたら、彼の言う日に、ジャンヌさんの持つルナマリア・ホークちゃんの記憶では『戦闘はない』事がわかった。そこから調査したんだ。ルナツー方面軍の介入はあったけど、その後の第二次大戦で分岐した2つの世界の住民ということになる」
「ややこしすぎね?」
「二人とも、かなり複雑そうだったよ。で、ステラちゃんも更に別のコズミック・イラから飛ばされたことが分かった」
のび太はフェイトと共に、シン・アスカとジャンヌ・ダルク夫妻にそのことを知らせたのだが、次元世界のミステリー・ゾーンとでもいうべき『奇っ怪な経緯』にかなり複雑な心境になっていた。とはいえ、シンも過去の自分の行いを振り返り、反省している様子を見せ、『元の世界には戻らない。死んだ事になってるのなら、元の上官にいって、墓に花を手向けるように言付けを頼む』と告げている。
「ま、生まれた世界が違っても、勝手知ったる同士が一緒に暮らすんだ。ある意味では幸せかもな」
「ルナマリアちゃんとステラちゃんは人格が統合されたけどね」
「それでもだ」
のび太は、面談の際にフェイトが取ったアスカ家の家族写真を黒江に見せた。私服姿のシン、ジャンヌ、それとキュアサンシャインが写っている。人格の統合はあれど、それまでの記憶は保持しているので、シンとしても安堵する結果である。シンもデザリアム戦役後は正式に地球連邦軍に入隊しているため、未来世界の住民として生きることを決めている。
「どうして、キュアサンシャインだけ変身してんだ?」
「あー、それは明堂院いつきとしての記憶も覚醒めた関係で、普段着をどうするか決めてなかったから、変身した姿のままで撮ったんだって。明堂院いつきとしてはボーイッシュな服装で通してたみたいだから。かといって、ステラ・ルーシェとしての私服はエッチって言われそうだろ?」
「変身してるほうが多くなったみたいだがな」
「ま、急な要請も入るし、あの三人は別々の勤務先だからね、平時は」
遠征の時期になると、プリキュア達は変身した姿での勤務のほうが多くなっている。現地で変身する手間を省くためと、パワーアップした一部のプリキュアとその他のプリキュアの能力の平均値を少しでも近くするためというのが第一の目的である。また、シンプルなコスチュームの者は変身したコスチュームの上から、白衣ないしはフライトジャケットを羽織ることも増えている。白衣はキュアアクア/水無月かれん(軍医少佐に昇進)、素体が宮藤芳佳であるキュアハッピーが、フライトジャケットは戦闘要員である者達が着用している。写真を見てみると、キュアサンシャインもコスチュームの上に、扶桑軍式のフライトジャケットを羽織っている。また、『プリアラ』の面々は変身後の格好で厨房に立っている。そのため、ナリタブライアンがキュアドリームと入れ替わって披露した服装の『変身コスチュームの上に、軍用フライトジャケットを羽織る』というものは、さほど不自然ではない事になるのだ…。