ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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四百二話の続きです。


第四百四話「二つの世界での風景 9」

――ナリタブライアンは結果的に、不振を味わう事で協調性を学んだ。また、副会長職に留任したため、学外の者には必要に応じ、敬語を使うように変遷していた――

 

 

「ブライアン君、ルドルフがテイオー君に役職を譲渡したのは本当かね」

 

「はい。会長も世代交代は考えておりましたから。私とエアグルーヴで、テイオーを補佐いたしますので、その点はご安心ください」

 

ある日、ブライアンはOGらからの問い合わせに無難に対応していた。テイオーが会長職を引き継ぐ事が公表されたからで、久方ぶりの『非三冠のウマ娘による会長職の引き継ぎ』故に、学園生徒会の政治力低下を懸念しているのだ。(テイオーも名家の出だが、まだ幼い故か、家の力を使う事を考えられない)加えて、当代の三冠ウマ娘のブライアンは実家が酒屋と運送業を兼業する商家の出であるため、その次の三冠を期待される『ディープインパクト』(こちらはルドルフと同レベルの名家の出)の台頭を期待する者は多い。

 

「ふう。外野は勝手だな」

 

「日本という国はそんなものだよ。古い時代のしがらみをなかなか捨てられない。マルゼンやオグリの時代がそうだったように」

 

「やれやれ。TVはつまらんニュースしかやってないぞ」

 

「仕方ない。この世界の今頃は世界情勢がキナ臭くなり始めたそうだから、明るいニュースは少なくなるよ」

 

 

ルドルフはブライアンを宥める。二人が見ているTVは、扶桑で退役した高雄型重巡洋艦の一つが日本に運ばれ、記念艦として整備されるために、ドック入りする様子が中継されていた。史実では、全艦が本土に帰投出来ずに生涯を終えたためか、大枚をはたいて、日本側が購入。史実通りの装備がされた状態で記念艦になった。これは扶桑も、高雄型重巡洋艦の一隻の売却で得られた資金で代替艦になる超甲巡を作りたかったためと、M動乱とダイ・アナザー・デイで船体の痛みが進行したからである。(高雄型重巡洋艦はウィッチ世界では、水雷装備が撤去され、そのスペースが居住スペースと燃料庫の拡充に使われていたが、M動乱でそれが逆に問題視され、結局は史実の対空火器強化仕様に『戻された』経緯があるため、相当に無理を重ねていた。予定が繰り上げられての退役になったのは、無理を強いたために、船体のあちらこちらにガタが来たからである)

 

「扶桑の日本との友好、か。大戦型の巡洋艦を売っぱらって、日本に置くことが友好か?」

 

「そういうものが、世の中でいう『外交関係の促進』だよ、ブライアン。扶桑にしてみれば、古い軍艦を日本に売るだけで、多額の資金が得られるし、感謝されるのは手っ取り早い外交なんだ」

 

回航された高雄型重巡洋艦は日本の要望もあり、史実の摩耶になされた対空火器増強改装の姿にされていた。対空火器は『実際には、ウィッチ世界の高雄型で使われていなかった』代物も設置されている。これは三笠の売却時にクレームがあったための対応策である。扶桑はこの対価に、超甲巡と空母の追加建造を勝ち取ったわけだ。

 

 

「日本はなぜ、あんな第二次世界大戦の船を買いまくる?」

 

「史実では失われたからだろうな。二次大戦の日本海軍の船は九割方が沈んでいる。それ故だろう」

 

ルドルフはそう分析する。しかし、その情報が伝わったことで『高雄を海没処分したことへの抗議』がブリタニア大使館に舞い込む事態になったのである。ブリタニアはこれに大慌てになった。義憤に駆られた暴漢が大使館員を刀で斬ってしまう事件が起こったからだ。焼き討ちを恐れたブリタニア大使館は対策を本国に仰ぐ必要に迫られ、大使は心労で本国送還になった。ブリタニアはこの事件以後、賠償などで得られた『他国の軍艦』の処分にものすごく慎重になり、扶桑もブリタニアとの関係悪化を恐れ、犯人に厳罰を下す一方で、『人気がある軍艦は引退後、原則的に記念艦にする』という通達を内部通達する事で手打ちにするのだ。

 

「失われた何かへの郷愁か……」

 

「栄光は時代ごとに誰かが手にするが、失われたものは戻らないことが多い。君も、私も例外ではない。だから、私は羨ましく思ったものだ、オグリをね」

 

「アンタは惨めな引退だったものな」

 

「ああ。トレーナーくんの前で、みっともなく取り乱したものだよ。だから、テイオーには同じ運命は辿らせたくなかった。故に、あの方と取引を交わしたのだ」

 

「自分と同じ運命を『倅』には味わわせたくないってか?」

 

「その時は意識していなかったが、今となってはな」

 

ルドルフは既に前世の記憶が覚醒していたため、テイオーを『実子』と認識している。また、最後の栄光がそれまでの二レースの失態をかき消したオグリキャップの選手生活を羨ましがっているようだ。

 

「そうだ。私は既に生徒会役員の地位も退き、直に進学の準備に入る。テイオーをこれまでのようには見てられん。エアグルーヴには彼女なりの都合もある。君に託したいと思う」

 

「エアグルーヴが聞いたら、落ち込むぞ?」

 

「彼女には女帝としての責務があるよ。それとテイオーの面倒が両立できるとは限らない。テイオーの『父』として、君に頼んでいるのだ、ブライアン」

 

「私はアンタの子らを苦境に追いやった種牡馬の一頭『ブライアンズタイム』の息子だぞ?」

 

「それでも、だよ」

 

ルドルフはこの場においては、ウマ娘としての自分ではなく、かつての七冠馬『シンボリルドルフ』としての心境を見せた。ブライアンもそれに応じる。

 

「テイオーはまだガキだからな。荒事は私が引き受ける。エアグルーヴは表向きの活動向けで、荒事は向いてないからな」

 

前世の記憶が覚醒した場合はこのように、『競走馬~種牡馬時代のメタ情報』を話の種にすることも増えるのである。また、ブライアンは自分が『汚い仕事』を引き受けることを明言する。自身が前世で早世したが故に、血の繋がりを持つ直接の後継者がいないことで、しがらみなく動けることも計算に入れているようだ。

 

「頼む」

 

「ああ、こいつらの休暇が終わったら、元の体に戻るだろ?その時になったら、街の競技場の長距離トラックを借りれそうだ」

 

「長距離トラックか……2000mか2500mくらいか?」

 

「……人用だぞ?一周は400mくらいだ。が、それを何周かすれば、私達の走る距離に達する」

 

ウマ娘はヒトをベースにした肉体を持つが、ウマ族由来の持久力・速力を併せ持つため、人のアスリートたちの走る距離では、その真価は見定められない。そのため、ウマ娘世界では『ウマ娘専用の練習施設』が存在する。しかし、他の世界で彼女らのレース場と同等以上の大きさというと、競馬場を貸し切る必要がある。しかし、それには手間がかかりすぎるため、妥協で普通の陸上競技場を借りる事になったそうである。

 

「そうか。だが、当分は戻れんぞ」

 

「あの通達のせいで、自衛行動って証明しなければならなくなったからな。当分は借りるしかないだろう。ビコーの奴が落ち込んどるようだから、何かかしらの救済は必要だな」

 

「間違っても、カワカミプリンセスには見せるなよ?」

 

「わかっとる。建物を壊されちゃ、たまらんからな」

 

ブライアンは思春期以降は無頼を気取っていたが、記憶の覚醒後はその傾向は薄れてきていた。これは本質の部分にある優しさが表面化してきたためである。なお、カワカミプリンセスは鍛えすぎた結果、『ウマ娘としても』おかしなパワーを持つため、生徒会も『要注意』と見ているようだが、ちゃんと実績も持つ(史実では、キングヘイローの子であり、牝馬二冠を誇った)ため、生徒会としても扱いに困る(ゴールドシップ、ステイゴールド、ナカヤマフェスタがそうであるように、素行が不良気味なウマ娘に限って、何故か好成績を収めていたりする)面があり、最近は傷心のあまり、学園の建物を二、三個は傾かせたという。

 

「奴が聞いたら、諸手を挙げて喜ぶだろうが、そうなったら、金がいくらあっても足りん。加減できんからな、あいつは」

 

「それは否定できないな」

 

「……私です。そうですか、それは良かった」

 

「どうした?」

 

「明治に現れた個体の破壊に成功したそうだ。大正と昭和期も進行しているとのことだ」

 

「それは良かった。」

 

「ここの個体がもっとも凶悪に作られている事がわかったから、素直には喜べんがな。下手すれば、自衛隊も巻き込むぞ。旧日本軍がそれで被害を受けたらしいからな」

 

「骨川氏の曾孫さんに執行猶予がつかなかったのは、各時代で『洒落にならない被害』が出たからか」

 

「そういうことだろう」

 

二人はタイムパトロールからの知らせに、一喜一憂する。二人がプリキュアの体を借りているのは、街の自治会との約束を守るためである。この時の経験は二人のその後の体調と肉体の管理に役立つことになったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

――こちらは遠征軍――

 

「ゼク・アインだと?クソ、アナハイム・エレクトロニクスめ、厄介なことしやがる」

 

敵MSがゼク・アインであった事で、アナハイム・エレクトロニクスに毒づく黒江。

 

(おそらく、21世紀の情報が『回復』するに従って、身近な仮想敵の消失で、政府や軍が弛緩するのを恐れた誰かの差し金か?日本軍も日露戦争の後、仮想敵をアメリカにしないと、予算を得る大義名分を持てなかったというが…)

 

この事実を悟った黒江だが、如何に彼女でも、こればかりは『一軍人が一人でできる領域を超えている』。

 

(恒久平和なんてのはありえんとはいえ、これは地球連邦の中の軍需産業の意思だな。軍縮時代の負の遺産だろう)

 

軍の廃止が本気で進められていた時代、大量の失業軍人が民間軍事会社に流れ、会社が巨大化してしまう弊害が生じ、企業が国家を超える影響力を持つ事が現実味を帯びた。そのため、企業が国家の機能を代行するような事態を防ぐため、公的な軍事組織の存続は官僚たちの中で内々に議論が(当時の大統領を蚊帳の外に置いて)進められたという。失業軍人の再就職は当時の情勢では難しく、軍が無くなる一方で、警察組織は存続することでの矛盾を突かれ、政権が苦境に陥ったところに、白色彗星帝国の襲来であった。結果、多くの経験豊かな軍人が同戦役で逝き、艦隊も期待に反し、ほぼ全滅したのがとどめになり、政権は軍存続の国民投票の結果を見届けた後、責任を取って総辞職。その後に戦乱期が訪れたのが未来世界である。その時代の負の遺産と言えるのが、中興したアナハイム・エレクトロニクスの死の商人ぶりである。

 

「回収できるように、重篤な破壊はできんな。プルトニウスを確保していてよかったよ」

 

Zプルトニウスの装備の一つである『スマートガン』。これは運動エネルギー弾を弾頭とする市街地戦用の装備で、デザリアム戦役当時の地球連邦軍の最新火器の一つだ。グリプス戦役当時のガンダリウム系装甲を撃ち抜けるパワーを持つ。

 

「ん、見越し射撃を手動設定して……っと!」

 

MSは動きが早いため、21世紀までの兵器の常識である『ロックオン』をするだけでは当たらない事が多いため、見越し射撃の技能が必要になってきている。それを感覚で自然にできるのがニュータイプ技能持ちのパイロットである。MSの射撃管制装置は一年戦争から基本的には変わらないため、こうしたマニュアル操作は旧ジオンから流れたノウハウでもある。

 

「よしっ!」

 

トリガーを引く。育った時代的に、実体弾の武器のほうが感覚的に弾頭を数えやすいらしい。ビーム兵器全盛の時代なので、却って実体弾の使い勝手の良さは評価されているのである。

 

「やはり、向こうも実体弾装備か。ビーム兵器は大気圏だと減衰するからな」

 

グリプス戦役~ザンスカール戦争までと違い、デザリアム戦役後の時代には実体弾が勢力を問わずに再評価されており、Zプルトニウスにも実体弾を使う装備が用意されている。黒江は遮蔽物代わりに建物を使い、ゼク・アインと銃撃戦を展開する。ゼク・アインはザクの後継者を目指して造られたため、基本的に軽装と重装をオプション装備で対応できるという特徴を持つ。そのため、プリキュア5が現役時代に守っていた街はMS用武器サイズの空薬莢が散乱することになった。

 

「うお、撃ってきやがった!」

 

ゼク・アインは本来は要塞攻撃用の大型マシンガンを乱射する。黒江は遮蔽物を上手く利用し、弾雨を逃れる。ライフル持ちと撃ち合う拳銃使いさながらの状況だ。

 

「チッ!」

 

黒江はZ系の瞬発力の高さに賭け、相手パイロットの意表を突く。敵が銃を向けた瞬間、左に持ち替えてのスマートガンを見舞い、相手の武装を破壊する。もう一機は右のサーベルで叩き切る。敵の装甲であるガンダリウムはグリプス戦役レベルの旧型なので、最新型のサーベル(粒子加速つき)の敵ではない。袈裟懸けに叩き切り、機能を停止させる。

 

「一年戦争の後は、偵察行動に三機以上は出さんというが、セオリーは知ってるようだな。そぉい!」

 

武装を破壊した機にサーベルを見舞い、沈黙させる。一年戦争後はMSの装甲は宛にならないとされるが、ガンダリウムの世代交代(技術革新による強度向上と軽量化)によって変わった。ビーム・シールドは外宇宙戦では役に立たない(艦砲を防ぎ得ない場合が多い)ことも多いため、装甲材と対ビームコート(と、その派生技術)の開発が進み、宇宙戦艦ヤマトが空間磁力メッキを試作したこともある。(同様の技術はガルマン・ガミラスも有しており、要塞などに使用)地球連邦もその技術をコーティング技術の強化に応用。デザリアム戦役以降の地球連邦製MSに施されたビームコートは『一年戦争~グリプス戦役レベルのビームライフルを無効化する』ほどのものなので、実体弾の使用を増やすテロリスト勢力も出ている。そのためか、ゼク・アインも実体弾装備で見かける事が多い。

 

「こちら黒江、敵は殺った。敵機の残骸の回収と捕虜の輸送を頼む」

 

「あいあい」

 

「ドラえもん。なんで、ゼク・アインが出てきたんだ」

 

「アナハイム・エレクトロニクスの差し金だよ。君も思ってる通り、グラナダ支社はジオン寄りだったから、そこに保管されてた機体をコピーして生産してるんだろう。連中は隠れジオン派だし、ティターンズ残党も段々とジオンに鞍替えしてるからね、捕まった時の身分偽装のために」

 

この頃、未来世界に残るティターンズ残党は段々と戦後の身分保障が確かである(デザリアム戦役後に保護の規定が決まった)ジオン残党を装う事が増えており、鹵獲したジオン系MSを使うことで信憑性を上げるのも行われている。

 

「やれやれ。俺の思った通りだな」

 

「脱走兵がジオン残党を装うことも多いからね。今、プリベンターがその調査を行ってる。投降すれば、悪いようにはしないし、罪状も免罪するって条件でね。スーパーロボも残党狩りに使われるようになったからさ」

 

「無駄な抵抗よりも、恭順か。ジュドーが戦ったという『ロンメル隊』もそうだが、残党は死に花を咲かせたがる」

 

一年戦争以来、残党の人員補充は連邦の脱走兵の受け入れでも行われたため、身元を調べると、連邦の脱走兵だった(死亡扱い含め)のもザラだったので、殲滅から懐柔に切り替えつつある。連邦も人手不足(特に教官級パイロット)である故の妥協策を取るしかないのである。

 

「ゼク・アインが来たんじゃ、ジェガンじゃキツイな。ジャベリン以降じゃないと。せめて、グスタフ・カールが欲しいな」

 

「連邦の兵站部署にいいな。遠征軍に回されてる量産型はジェガンとガンブラスターばっかだよ」

 

「レビル将軍に頼み込んで、回してもらうか。ジェガンはせめて、スターク化させておけ。ガンダムタイプはあまりないからな」

 

「整備班に伝えとくよ」

 

「頼む。スーパーロボは切り札だから、なるべく万全の状態でとっときたい」

 

「敵次第だね」

 

「インペロがどこまで完成してるのか、だな」

 

敵軍の切り札と目される『海底軍艦インペロ』。リットリオ級の未成艦『インペロ』を海底軍艦として完成させたとされる軍艦である。元々、海底軍艦は世界の主要国全てに技術が流されたが、連合軍はプランはあれど、途中で核兵器に興味が移り、殆どが完成していない。だが、枢軸国側では完成したと思われる。インペロは未成だと思われたが、戦後に組織の手で船体とパーツが運び出されたという情報がある。仮面ライダー達の調査で、イタリア独自の試作兵器が積まれたという情報も入ってきている。

 

 

 

 

「リットリオ級くらいは基礎設計で大和型ベースの廻天の敵じゃないが、問題はそれに何が積まれてるか、だ。データが全然ないからな」

 

「少なくとも、主砲は増やされてる可能性ありだよ」

 

「戦時中、空母にされることも考えられたそうだな」

 

「ああ。これは公式記録にある。まぁ、持ったとしても、連合軍の肥やしにされただろうけど」

 

「イタ公は俺らの世界でも『カカシ』だったからな」

 

ロマーニャ海軍は外洋海軍化は結果的に阻止され、地中海の番人扱いに落ち着きつつあるように、イタリア海軍は外洋海軍を目指したが、燃料不足・戦意不足でいいところがほとんどなかった。黒江も『カカシ』と表現するほど、因果は巡ったようだ。

 

「問題は主砲の数もわからんとこだな」

 

「未成艦だからね。プラモも資料にならないし」

 

「前に、真田さんから聞いたんだが、イタリアの技術では、あまり砲塔を積みまくっても、トップヘビーになるそうでな。砲塔が増えても四基だろうとのことだ。」

 

「問題は砲身の数だよ」

 

「馬鹿な、イタリアは三連装が限界のはずだぞ」

 

「それは一つの結果だよ。それに、組織が造る以上、どんなことになるか分かんないし」

 

「うーむ……」

 

通信越しに、ドラえもんにそう言われ、ハッとなる黒江。謎に包まれる『インペロ』の存在。戦艦は第二次世界大戦世代では、派生型含めて、三連装であることが多いが、欧州の最強戦艦は四連装砲塔というキワモノに手を出しやすい傾向にあった。それを思い出したからだ。

 

「とにかく、警戒はしときな。インペロ以外にも、兵器を用意してる可能性があるよ」

 

「分かった」

 

海底軍艦化しても強者と見られない所に、イタリア戦艦の悲劇があった。イタリアの兵器は『カタログスペックはいいが、使っていくと内部の部品が摩耗してきて、精度が落ちる』という問題があり、戦艦で特に顕著だった故か、ロマーニャ海軍も『地中海で番人でもしてろ』と言わんばかり。敵味方関係なしに、三下扱いである。その評価はロマーニャ海軍自身にも覆し難いのは、大国の戦艦が既に、ロマーニャで最新型であった『リットリオ』よりもはるか格上の次元に到達していたり、ロマーニャ海軍自体が史実の統一イタリア海軍よりも規模が小さかったからである。インペロが『大物』扱いされていないのも、その延長線上の思考によるもの。また、廻天は『超大和型戦艦』であるので、同じ海底軍艦同士でも、砲撃戦では『圧倒的に優位である』。黒江がインペロを脅威と見ていないのは、素体になった軍艦のそもそもの格差が理由だったのである。

 

 

 

 

 

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