ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第四百五話「二つの世界での風景 10」

――ダイ・アナザー・デイはカールスラント、ロマーニャ、ガリア、ヒスパニアが軍事的に零落する最大のきっかけであった。連合国軍の主導権は名実ともに扶桑皇国の手に渡ったが、陸上戦力は近代化の途上であったため、その数年後の太平洋戦争でも終わらない有様であった。また、フランコ将軍やド・ゴールと言った有力者が史実ほどには強権的にならず(フランコ将軍は失脚)に終わるため、扶桑はその分も軍事大国である事が求められた。ガリアは性急な軍事的な復興を良しとしないペリーヌ・クロステルマンが『愛国者』達の逆鱗に触れ、7回も暗殺未遂を起こすに至る。ここぞとばかりに『日本がガリアきっての名馬達を買いまくった』のも、愛国者達の憤怒に繋がった。結果、ガリアの復興は遅々として進まず、兵器も殆どがカールスラントの放出した品々になるなどの屈辱を味わった。なお、ペリーヌは後々に『自らの手で復興することの達成感というのが分からないのですの?他国の援助は必要ではありますが、民需が最優先のはずですわ』と釈明している。この点でペリーヌは後世、『政治をするには、いささか現実を知らなすぎた』と自国の歴史家に揶揄されることになる――

 

 

 

 

――ガリアは同位国のフランスが冷淡であったこともあり、満足な支援も受けられていなかった。流石に、自力復興にこだわっていたペリーヌも周囲の説得で折れ、日本連邦の支援を受け入れる。娯楽も満足に提供出来なければ、治安はより悪化するからだ。しかし、数年の時間はガリアの既存の権威の失墜には充分であり、ガリアは混沌とした状況に陥っていく。皮肉な事に、日本連邦が超大国化してゆく流れに抗おうとしたことが、ガリアの国民の少なからずが望まぬ『欧州のブリタニアの覇権』を蘇らせてしまう流れを決定づける。それで縋った『権威の象徴』が戦艦であるところに、ウィッチ世界での戦艦の象徴としての存在意義を裏づけていた――

 

 

 

――ダイ・アナザー・デイから太平洋戦争までの数年間の『戦間期』に日本連邦などでは『軍縮が試みられた』が、カールスラントがそれを契機に内戦に突入し、扶桑皇国でも『検閲が即時廃止されたことで生ずる、内務省の担当職員の次の職場の割り当て』(間違いなく、僻地へ左遷させられる)『軍関連の検閲を担当していた憲兵達の処遇がどうなるか』で多大な社会不安を扶桑に招き、それがクーデターの一因となってしまった。その後の穏便な処理に半ば失敗したことも、太平洋戦争でのウィッチ兵科の顕著な人員不足、ひいては軍への新規志願の低迷に繋がった。それが、64Fにおんぶにだっこな戦線の有様となったため、古参の作戦参謀達はそれを大いに嘆いたという。特に、憲兵の職分が大きく縮小させられ、純粋に軍事警察のみを掌る事、また、憲兵という名称さえも消滅する(警務隊に縮小改編)ことがセンセーショナルであった事から、45年当時にいた36000人の憲兵についての取り扱いで、かなりの社会的混乱が生じた。扶桑は国家総力戦型の大規模な軍隊であるため、万単位の警務隊員が必要なことには変わりはない。結局は検察に転出した者を除いても、万単位の憲兵(時代的に、憲兵向けの人材が確保しにくいため)が『再教育』を受けて『警務隊員』に転じていった。この混乱もあり、軍は扶桑の社会から、不人気の就職先と見做され始めた。今後の損耗補充に支障を来すこと間違いなしかつ、一気に蓄積された軍への不満が噴出した情勢に、扶桑軍は義勇兵の募集に活路を見出そうとした。現に、1946年~1948年度は入隊者の7割強が『義勇兵』枠での入隊であったが、それを『戦時の需要拡大』を大義名分に、より大規模化したわけだ。1949年の頭のことである――

 

 

 

――これに強い危機感を覚えたのが、人材育成に見識を持つ竹井醇子(キュアマーメイド)と坂本美緒の二人であった。生え抜きの隊員の育成の継続を強く主張。軍内で大きな発言力のある二人(竹井は身内に、大西瀧治郎中将などの有力な高官がいるし、坂本は軍内でも『ラストサムライ』の渾名で知られる)が主張したため、扶桑軍の『新規入隊枠』は維持される事になった。教官級のウィッチは戦間期に減少していたため、64F内部の一中隊が本土に残り、その任務に専従する事になったため、第一線部隊である64F内部の三つの大隊がこき使われる事になったのである。従って、遠征軍の主力もそこから選抜されている。その一方で、彼女達のみを酷使していいのか?という真っ当な指摘もあるが、大半の部隊では(MATへの転職、一般的な『あがり』のタイムリミットもあり)彼女達に比肩するほどの実戦経験者は希少となっていた上、そのうちの精鋭と呼べる者は50Fや244Fなどの著名な部隊が独占していた。坂本と竹井はその状況の将来的な解消を目指しているわけである。――

 

「昭和24年。私は将来へ向けての布石を打った。いつまでも、黒江達におんぶにだっこでは、扶桑軍は『底が知れる』と笑い者にされる。宮藤の件は残念だった(移籍)が、次の世代に扶桑撫子の心意気を伝える。前世では不完全に終わったことだが、今度こそは…、事を成し遂げるという意気込みであった」

 

坂本は後年に出版する回想録『大空のサムライ』で、こう書き記している。坂本なりに、事変経験者におんぶにだっこが続く有様を憂いていた事、(結果的に)一部の者達に『果てしなき戦いの宿命』を背負わせたことに負い目を感じており、少しでも多くの後輩を世に送り出すことを責務と感じ始めていた。しかしながら、教官職の柄でもないため、新人発掘を副業にし始める。

 

 

 

 

――日本連邦は大量破壊兵器が象徴となるのを避ける政治的目的もあり、オーバーテクノロジーの塊であるMSやVFを軍事力の象徴としていく。ウルスラはそれに連合軍の技術陣の一人として反対したが、日本は『通常兵器で勝てず、核兵器まで使われて敗北した』歴史を持つために意見は通らなかった――

 

 

 

「何故、貴方方は安易に超テクノロジーに頼るのですか!?」

 

「一介の技術中尉の分際で!!我らは80年近く前、通常兵器で必死に戦った!!外道と断じられる手段さえも用いた!!だが、結果は圧倒的な力に蹂躙されただけだ!!本国の主要都市の殆どを焼け野原にされ、多くの文化財も失われ、無辜の300万以上の国民が命を落としたのだ!!MSやVFすら可愛く見える『スーパーロボット』すら投入しなければ、アメリカという国は正攻法では負かせられんのだ!!」

 

こうなると、ウルスラは反論できなかった。史実の日本は北海道以外は主要都市を焼け野原にされ、軍事力も『刀折れ矢尽きる』状態に追い込まれて敗北した。そこを引き合いに出されれば、東方を喪失し、分断されたとはいえ、早期に軍事力も再建されたドイツは日本よりはマシなのだ。日本は『核兵器以外なら、何を使ってもいい』という思考なので、技術の正常進歩を重んずるウルスラとは相容れない。彼女はダイ・アナザー・デイ中の聴聞会でこう述べたことが災いし、彼女はしばらくの間、冷や飯食いを被ることとなった。実際の戦局も『超兵器と超人たちで物量の劣位を補わなくては、戦線の均衡も保てない』有様であったからだ。とはいえ、時代相応か、『数年ほどの前倒しの兵器』もちゃんと活躍しており、F-86やセンチュリオン、コンカラーは武勲の兵器とされる。ウルスラが反感を持ったのは、歩兵装備の更新が精鋭部隊優先にされ、部隊の多くが『ボルトアクションライフルのまま』であることであったが、リベリオンの抜けた連合国軍には『自動小銃の弾丸を常に末端の歩兵全てにまで行き渡らせられる』能力がなかったのだ。(数年後の太平洋戦争時においても配備未了状態である)そのため、連合国軍全体での作戦行動はダイ・アナザー・デイ後は困難に陥った(弾薬消費量が莫大すぎた)という皮肉な有様になった。太平洋戦争に他国軍が殆ど関わり合いを持たないのは、各国の弾薬備蓄量が回復しきっていないからであった――

 

 

 

 

――ダイ・アナザー・デイで戦争の残酷な側面を見せつけられたウィッチたちは多くが太平洋戦争までに退役し、軍に残った者はけして多くはなかった。ノウハウ継承に多大な支障を来したため、太平洋戦争の時期に魔法の『体系化』を始める。これは数少ない人材を有効活用するためであった。また、新規募集は日本からの義勇兵が中心になりつつある。これは農村部がウィッチを隠し、玉音放送で手当たり次第に送ってくるようになった集団就職組が『使い物にならないレベル』であるからであった。そのため、日本でのリクルートに力が入れられるようになり、日本でも名が知られる者たちが主にポスターに起用された。(ただし、世代間闘争の中心と見なされた黒江達は外されたために、その弟子筋にあたるとされるメンバーの芳佳、調、のぞみ、ラブ、マナなどが主に起用された)特に、芳佳は内面はともかくも、外見はアニメ通りであるため、芳佳は夏の『日本連邦・防衛連絡局員募集』のポスターに起用されることが多く、のぞみ達は主に『日本連邦軍は君の力を求めている!』という趣旨のポスターに起用された。通常フォームでの撮影は陸・海軍向け、空は翼ありのフォームでの撮影であった――

 

 

―2022年。その仕事の依頼が野比家に入ったのだが、ちょうど入れ替わっていた上、双方に仕事が入っている日だった。防衛省もこれ幸いと言わんばかりに、ポスターではなく、PR映像の撮影に切り替えた。趣向を変えたかったのもあるが、世界情勢が不穏さを見せつつあったためか、『勇ましさと凛々しさ』を押し出しての映像を欲しがっていたからだった。――

 

「すまないけど、このままで仕事するしかないね」

 

「それは別に構わんが、自分の顔を他人目線で見るのは妙な感覚だ」

 

ブライアンは中身がのぞみである自分を客観的に見る。のぞみが『中身』であるゆえか、普段の自分が纏っている『威圧感』は無く、むしろ、デビュー初期の頃の新米時代以前のような『フレッシュさ』が感じられた。表情も全体的に穏やかである故か、同じ勝負服であっても、感じる印象がかなり異なる。

 

「しっぽがあるのは変な感じだけど、後輩にいるから、気にしなくなったよ」

 

「いるのか?あんたらの後輩に」

 

「代の離れた後輩チームがそうでね。それでお菓子作ってるよ」

 

「そうなのか?」

 

「動物の力を宿してるからね」

 

それは「キラキラプリキュアアラモード」のことだ。メンバーは揃っていないが、最近は本業に精を出していることのほうが多い。これは本格戦闘向けの世代ではないからだ。(戦闘向けの傾向が色濃い世代のプリキュアでも苦戦が多いためでもある。)

 

「しかし、肉体は私のもののはずだが、声が高くなっていないか?」

 

「おそらく、互いの性質の違いだろうな」

 

ルドルフがここで理由を推測する。キュアハートの体に宿っているが、こちらは逆に、マナ本人より声が低くなっており、マナの『素体』である逸見エリカ寄りの声色になっていたが、こちらは二代目ゲッターチームの橘翔を思わせる、冷静沈着さを感じられるものになっていた。

 

「アンタは似てる箇所が割合に多いから、それはいいが……」

 

「君は三代目(三冠達成者をミスターシービーから数えた場合)という点以外は、あまり共通点がないからな」

 

「ええい、くそっ」

 

「ま、お互いに上手くやろうよ」

 

「頼むから、私のイメージは怖さんでくれよ」

 

「わかってるって」

 

「あのなぁ~……」

 

基本的に、元から明るいのぞみと無愛想なブライアンはその立ち位置以外の共通点はあまりない。だが、心根は優しい点は同じと言える。

 

「しかし、翼を持つフォームか」

 

「先方の注文だからな。貴方方も難儀でしたでしょう?」

 

「現役時代なら難儀してたね。私は翼が最初のパワーアップフォームの時点であるけど、ドリームは祈りなしだと、蝶型の翼が生えるだけだし、外見の変化」

 

「そそ。シャイニングフォームに任意で変身できるようになって良かったのは、天使みたいな羽根が生えることかな」

 

キュアドリームは単独での最強フォームと『その際に生える翼が白い羽根である』ことの元祖だが、現役時は自力で到達できず、祈り(ミラクルライト)による奇跡で変身したに過ぎなかった。だが、パワーアップを重ねた結果、自力変身が可能になった。そのため、精神が他人と入れ替わろうと、変身能力は維持されている。

 

「こう、か?」

 

「そそ」

 

コスチュームが純白になり、背中に羽根が生えるという外見的変化を伴う。パワーアップ後は特別な儀式もアイテムもいらず、気合を込めれば、任意の変身が可能になっている。(そこから、さらなるパワーアップもできる)

 

「しかし、他人の体とはいえ、だいぶ慣れてきたぞ」

 

「あなた達なら、体の使い方はすぐにつかめるだろうし、基本的な骨格や筋肉は構造が同じだもの」

 

「ヒトをベースに、ウマ族の特徴を落とし込んだのが我々ですから」

 

「変身してれば、あなた達の要求にも体が応えられるのは幸いかもね」

 

「それは言えてますね」

 

ウマ娘という種族は素の基本能力が人間のアスリート以上であるため、そこから更に鍛えた『ウマ娘のアスリート』は多くの平成仮面ライダーよりも走力が上回る。ただし、持久力は個人差が大きいので、そこがウマ族の特徴が出ている点だろう。

 

「この姿なら、素で空を飛べるそうだが、どのくらいの速さだ?」

 

「普通に音速は出せるよ。だいたいはそれで事足りるしさ」

 

のぞみ(ブライアンと入れ替わっている)の言うように、音速さえ出せれば、だいたいの空戦は事足りる。どんな飛行機(宇宙戦闘機含む)も、旋回などの動きを取った時は速力が落ちるからだ。旋回半径は普通の戦闘機の比でないという利点も考えば、ストライカーユニットよりも小回りが効くため、プリキュア達が他のウィッチに『敵視』されたのも当然の事である。防御力でも、ウィッチがシールドを抜かれる=死なのに対し、プリキュアは並大抵のことでは堪えない。その差は大きい。また、いくら初速が強化されると言っても、怪異のような『装甲弱体化補正』のない通常兵器相手では、空戦ウィッチは『空中で戦える歩兵』の粋を出ないのも難点となった。また、多額の訓練費用と『戦える時間の平均的長さ』が全く釣り合わないという最大のコストパフォマンスの問題が浮き彫りになったのも、ウィッチの権威が急速に衰えた理由だ。また、64Fが戦場で『歌いながら戦った』ことが皮肉な事に、慰問専門部隊の存在意義をガタガタにし、ルミナスウィッチーズの結成が史実よりも大きくずれ込む理由となるのである。

 

「それが理由で、貴方方は反感を買ったそうですね」

 

「機械の箒無しに空を『鳥みたいに飛べる』上、コミックやアニメのヒーローみたいなことができればね。アメコミヒーローみたいにぶっ飛んでないけどね、あたし達は。先輩たちのほうがアメコミヒーローよりぶっ飛んでるし、ジャ○プヒーローじみてきたしさー、最近…」

 

「草薙流古武術をフルで操れる、アンタの言うことじゃないだろうに」

 

と、ブライアンにツッコまれるのぞみ。転生後は前世の後半生がひたすら不幸だった事の反動か、総じて恵まれた生活を送っているのは言うまでもないからだ。実際に、日本連邦空軍の佐官(将校)かつ、20代前半(素体の戸籍年齢)で所帯持ちと言うのは、普通に『勝ち組』である。また、素体が継承家であった関係で、草薙流古武術の免許皆伝になってもいるなど、前世よりかなりのハイスペックである。

 

「まぁ、三冠を取り、その後の生の安泰が(一応は)約束されている我々もそうですが」

 

「あなた達の世界だと、どうなの?」

 

「一般的には、『G1レースを走った』場合は、引退後に『サポート職』や解説役など、レースに携わる『就職口』が保証されます。無論、一般職に就く者も多いですが」

 

ウマ娘たちの内、レースの花形だった者達は(過去の教訓もあって)食い扶持に困らないようになっている。実家の都合などで、レースの世界から離れる者も、もちろん多い。だが、現役時代に『当代最強クラス』を謳われた者達は社会的に『範』となることが、引退後も求められる傾向がある。ルドルフが現役引退後も『生徒会長』を長らく務めたり、学園一の『ウマドル』の地位が(ダートレースで鳴らす『スマートファルコン』がその後継を目指しているが)オグリキャップのままで、小揺るぎもしていないのが、その証拠である。

 

「我々のように、一時でも『最強』であったか、歌もできる『ウマドル』であった者は引退後も相応の振る舞いが求められます。それは我々の業…というべきでしょうか」

 

「ある意味じゃ、そうかも。でも、あたし達も似たようなことは思うよ?子供たちの前じゃ、表立っては絶対に弱音が吐けないし」

 

「やはり、そうですか」

 

「子供の夢は壊せないからね」

 

苦笑交じりののぞみ。プリキュア変身者は内輪でさえ、弱音を吐きにくい。特に自分たちが『子供たちの夢の象徴』になっている世界にいれば、自分を律しないとならないと意識しているようだ。これは歴代の昭和ライダー達が『弱音を吐くことは、自分を頼りにする者達への侮辱』と考えている事と無関係ではないだろう。これは彼等の多くの育ての親であった『立花藤兵衛』が若き日に大日本帝国海軍航空隊の戦闘機搭乗員であり、戦争に出征していた世代が持っていた『敢闘精神』を叩き込んだためである。(彼は1971年当時に40代前半であったそうなので、逆算すると、1926年から1931年までのいずれかの生まれになる)

 

「どうして、そんなことを?」

 

「昭和ライダーと付き合いがあれば、ね。平成生まれから見れば、時代錯誤に思えるような考えも多いけれど、真摯に自分達の使命を果たそうとする姿勢はヒーロー/ヒロインの後輩として尊敬してるんだ」

 

昭和ライダーは自己犠牲精神が旺盛なことでも定評がある。その後を託された後輩が苦労するケース(カメバズーカの体内の原爆をどうにかしようと、太平洋上で爆発させたダブルライダー)、敵組織の弾道ミサイルを自分が犠牲になってでも、安全なところで爆破させ、生死不明となったケース(ライダーマン)など、平成中期以降に中学生であったプリキュア達からすれば、『首を傾げる』ような考えではある。(本来の『生きる時代が40年ほども違う』ことを考えれば、仕方ないが)とはいえ、自分達が力を失うことも厭わなかったこともあるので、そこは昭和ライダー以来の『光』を司る存在としての精神を受け継いでいると言える。

 

「それは仕方ないだろ。昭和ライダーはあんたらの時代には、本当は『老人』であるべき年齢になっているんだ。色々と違っていて、当たり前だ」

 

「そうなんだよね。だけど、わかることも多いよ。誰かの夢や幻想を守るって事の意味は身に沁みてるしね」

 

ブライアンの指摘の通り、のぞみはデザリアム戦役の際に、個人としての弱さをさらけ出した。だが、『自分は誰かの夢や希望を背負っている』事を再認識できもした。故に、昭和ライダーと共闘関係を正式に結ぶことができたのだ。

 

「誰かに夢を見せることも、我々の仕事ですからね」

 

「うん……世界が混沌としてる時だからこそ、希望が必要だから」

 

「それに、愛もね」

 

「マナちゃん、違和感ないね…」

 

「そりゃまぁ、生徒会長経験者だし」

 

「そうだったね」

 

相田マナは生徒会長の経験がある(現役時代のアイデンティティでもあった)ためか、ルドルフの威風堂々たる振る舞いを真似することは簡単だったらしい。(ルドルフも長らく、生徒会長であった)

 

「さて、お互いの仕事場に行きましょうか」

 

「そうだね(だな)」

 

四人はそれぞれの仕事の場所に向かった。キュアドリーム(フォームはシャイニングドリーム)の体を借りているナリタブライアン、キュアハート(こちらも最強フォームである『パルテノンモード)は、都内から電車でいける『骨川家所有の海辺の別荘』(裏が墓地!)へ、『翼による飛行』で向かい、ウマ娘たちの体を借りているのぞみとマナは『マナ運転のキューベルワーゲン』で撮影場所に向かう。何故、ブライアン達が『空を飛ぶ』事になったかは、ルドルフが『カイチョー(ルドルフにとっては、トウショウボーイが会長である)みたいに『天を翔けてみたーい!』と駄々をこねたためで、役職から解放されたためか、テイオーのように『子供っぽいところ』が表に出てきたためで、ブライアンはエアグルーヴと違う意味での『気苦労』を感じ始めたのだった。

 

「ブライアンか?」

 

「オグリさんか。何の用だ?」

 

「ルドルフが駄々を込めたと聞いたぞ?」

 

「……もう伝わったのか?実はそうなんだ。オグリさん、助けてくれ……ルドルフがガキみたいに駄々こねやがるんだ」

 

「君が仕事から帰ったら、タマと一緒に『ルナ』になった時の扱い方を教えよう。ルドルフは色々と、就いていた役職の都合で、『心の奥底に溜め込んでた』からなぁ」

 

「恩にきる……!!」

 

ブライアン達が学園の生徒会役員として在籍する時代になると、『ルドルフは素が出ると、テイオーとよく似ている振る舞いになる』ことはルドルフに近い世代の後輩達の間では有名になっていた。特に友人関係にあるオグリキャップやタマモクロスは、その姿の『生き証人』である。また、生徒会長経験者であるルドルフを親愛を込めての意味合いで『名前で呼びあえる仲』である(幼馴染のシリウスシンボリはというと、からかい半分、名誉と地位への妬み半分で『皇帝サマ』と呼ぶことが多いため)三人(マルゼンスキー、オグリキャップ、タマモクロス)であるからこそのアドバイスであった。ブライアンはこれ以後、何かと、ルドルフやテイオーの『子守り』のアドバイスを(こっそりと)この三人に相談することが多くなり、ゴールドシップにも『生徒会の苦労人』に認定されるのであった。

 

 

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