ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第四百七話「二つの世界での風景 12」

――ほんのちょっとのきっかけで、歴史は変わる。もし、未来世界の介入がなければ、ウィッチ世界の戦艦大和は浮き砲台扱いの生涯で終わったろうし、のぞみの覚醒が起きなければ、黒江達は自分たちで『なろうとした』だろう。その一方で、日本の太平洋戦争の敗戦など、歴史的に重大な事項は多くの場合で既定路線であるなど、謎も多い。そして、その仕組みを知った者たちが(結果的に)介入することで『歴史の支流』は生まれていく。かれんとこまち(プリキュア5)の故郷も、黒江達の故郷もいわば『支流』の一つなのだ――

 

 

 

 

――扶桑皇国の統合参謀本部の第八課。軍事面の異世界交流を主務とするために増設された課である。これといった責任者はいないが、海軍提督の山口多聞の管理下にある。彼等の仕事はそういった事柄の記録と管理であった。黒江達が遭遇した出来事の報告はこの課の管轄とされ、保管されるようになった。かれんとこまちの故郷であり、遠征軍が戦闘中の世界は『プリキュア5・ケース』というファイル名で報告書がまとめられている。そもそも、その世界との交流はデザリアム戦役がきっかけであった――

 

 

 

 

――「プリキュア5の世界」にて――

 

 

 

「あのさ、どうして、かれんさんとこまちさんが行く時に駄々こねたのさ?」

 

「なんかこう……自分達の戦いが終わってないのに、別の自分のために行くってのが納得できなくて。で、フェリーチェやピーチに喧嘩売って、その写真の通りになったんだ」

 

「なんか、ごめん」

 

キュアラブリーは『プリキュア5の世界』の詳しい事情は聞いていなかったため、この時にドリームBから聞かされた。報告書に添付されている写真は、その時にボコボコにのされた時のドリームBの泣きじゃくる姿だ。

 

「あれ、まだ決着は?」

 

「エターナル、仮面ライダーBLACKにすっかり恐れをなして、近頃はおとなしいのなんの。くるみ(ミルキィローズ)は拗ねてるけど」

 

「なんで?」

 

「いやぁ、美味しい場面、ほとんどがBLACKに取られたし」

 

ここでいう『仮面ライダーBLACK』は門矢士がキュアフェリーチェに頼まれて『クライシス帝国が来なかった世界』から連れてきた存在で、『RXになった南光太郎と別の南光太郎』である。つまりは『RXになるきっかけがない場合の南光太郎』と言える

 

「あの人、BLACKだろうが、RXだろうが、美味しい場面で来るからなぁ。くるみちゃん、加わるの遅くなってそうだなぁ」

 

「うん。そっちのわたしが言う『ミルキィローズの初陣、こっちじゃ、仮面ライダーの華々しい登場』だもん。しかも、わたしたち五人分よりも圧倒的に強いし」

 

「そりゃまぁ、BLACKの時点でさぁ、神の一歩手前みたいな存在だし」

 

「神様の一歩手前?」

 

「BLACKやシャドームーンのキングストーンだけど、あれさ、ファンタジーもので有名な賢者の石そのものだよ?」

 

「えぇえええ――ッ!?」

 

椅子からひっくり返るキュアドリームB。シャドームーンを抑えられず、半死半生に追い詰められた事があるため、なぜそこまでの差があるのか不思議だったようだ。

 

「シャドームーンは俺と対を成す存在『月の世紀王』だ。月の光が作用した場合は、RX化を引き起こすだろう」

 

「光太郎さん、使いっぱしりですか?」

 

「11号の俺は、まだまだ下っ端のガキ扱いだよ。近頃は下が入ってきたけど、まだまだ使いっぱしりさ」

 

食料品をいっぱいに持つ南光太郎。服装が白いので、RXになれる光太郎である。外見年齢はこちらの方が上で、『21~2歳ほど』に相当し、青年らしい顔つきをしている。BLACKの光太郎は灰色のジャケットで、顔つきも少年と青年の間に見えるので、そこで見分けがつく。

 

「仮面ライダーって、体育会系なんですか?」

 

「運動部の出が多いからなぁ。俺も学生時代はサッカー部だったし」

 

苦笑交じりに答える光太郎。改造人間は生体式・機械式を問わずに『頑健な体があれば望ましい』が、光太郎と秋月信彦は日食の日に生まれていた。それが世紀王の条件であった。最も、アマゾン(山本大介)のように、古代インカの超技術の施術を受け入れられる体を持っていた偶然が作用したケースもあるが。

 

「オレはまともな教育は受けてないから、独学で覚えたけどな」

 

「アマゾンさん」

 

「野生で育ったから、何かと異端児扱いされるんだよ、オレ。ちゃんと日本語覚えたけど、顔出しの時は片言キャラをしてくれって言われてな」

 

仮面ライダーアマゾン/山本大介(アマゾン)が偵察から帰ってきた。彼は野生育ちだが、ガランダー帝国の台頭と前後する時期に日本語を習得したため、実は流暢に喋れるのだ。そのため、コールドスリープの間に伝わった『片言キャラ』には困惑中である。

 

「普通に喋れるんだ……」

 

「君まで勘弁してくれよぉ。日本にいないほうが多いから、ついつい忘れるんだ。子供の頃は日本語使わない環境に置かれてたからね」

 

意外に紳士的な口調なアマゾン。雄叫びなどがクローズアップされる彼だが、実父は大学教授なので、地頭はかなりいいのだ。

 

「その紙の束はなんですか?」

 

「敵から分捕ってきた兵器の搬入予定書だ。司令部にそのまま渡すんだが、リストに超重戦車マウスがあったぞ」

 

「マウス?」

 

「ドイツ軍の試作した重戦車で一番有名な奴さ。プラモデルも出てたはずだ」

 

 

アマゾンが言うマウスとは、ドイツ軍の試作車両(完成)で一番有名かつ、戦闘力に期待のかかった重戦車のこと。バダンはそれを持ち込んだということだろうが……。

 

「しかし、200トンもあるんだ。道路が陥没してしまうんじゃないか」

 

「に、二百!?」

 

「重装甲なんだ。正面なら、90ミリ砲程度じゃ弾かれるし、砲も120ミリだから、この時代の主力戦車に遜色ない」

 

「足回りは妥協の産物で、移動砲台以外の何物でもないが、装甲はすごい厚さだって、プラモの箱に……」

 

「ああ、お前でも蹴破れないだろう」

 

マウスの装甲はRXのキック(BLACKの四倍)も弾く厚さだろうと解説するアマゾン。如何に仮面ライダーと言えど、一定の厚さ以上の装甲は蹴破れない。RXと言えど、それは変わらない。

 

「そんなの、どうすれば」

 

「クローラーをやるのさ」

 

「クローラー?」

 

「キャタピラのこと。専門の仕事の連中はそう言ってるのさ」

 

戦車は天蓋と足回りがウィークポイント。ジオンが61式を蹴散らせたのは、ウィークポイントを自由に狙える立場だったからだ。

 

 

「ロボット兵器が四肢やコックピットが弱点属性になるように、どの兵器にもウィークポイントはあるさ」

 

「俺はロボライダーで対応できますけど?」

 

「お前は反則だ。俺たちは8人がかりで、戦車を壊した事あるんだからな」

 

光太郎にはロボライダー形態があるので、戦車程度は怖くないが、他のライダーの多くは袋叩きで戦闘不能にするしかなかった案件がネオショッカー時代にあったので、ロボライダーの装甲とパワーが羨ましいようだ。

 

「戦車ってキャタピラを壊せばいいんですよね?」

 

「そうだ。だが、そこまでが難儀なんだ。オレは生体改造だから、他のライダーより銃弾が痛くてね…」」

 

「そうか、アマゾン先輩は俺みたいな装甲質のボディはないんでしたね」

 

「え、あの姿は皮膚なんですか!?」

 

「皮膚が古代インカの力で硬質化したものだ。刃物には強いんだが、銃弾は他のライダーより相性が良くない。速さで対戦車地雷をばらまくのが、お前の手っ取り早い戦法だ」

 

「丈二、あなたも戻ったのか」

 

「本郷さんの新サイクロンのエンジンを見てくれと、一文字さんから言われてな」

 

結城丈二はツナギ姿。新サイクロンの調子を見たらしく、代車にネオサイクロン号を持ってきたという。

 

「あのゴツいバイク、一号ライダーの?」

 

「おやっさん……立花藤兵衛っていう、俺たちの父親代わりだった人の遺作でね。再整備が終わったところだ」

 

「あのバイク、おやっさんの製作なのか?」

 

「ベース車が俺たちの現役時代に、おやっさんが贔屓にしてたメーカーのものじゃないからだ。晩年の頃に調達しやすかった大型のものをベース車にしたらしい。本郷さんへの遺書にも書いてあったそうだ」

 

ネオサイクロンはそれまでのライダーマシンより格段に大型の車格を持つ。これはベース車の関係で、改造/新サイクロンの予備パーツを改造して仕上げたとはいえ、フォルムはかなりゴツくなっており、新一号の姿では手に余るほどのトルクを持つ。

 

「今、本郷さんが新しい姿で試している。どうも、おやっさんは新一号の姿では限界が来る事を見越してたようでなぁ」

 

結城丈二はそこで、ネオ一号の存在を明かす。本郷自身が体の補修ついでに、ゲッター線をボディに照射した(新一号の体は設計が古いため、本郷の頭脳を以ても、改造箇所の増加は限度に達しつつあったため)結果、偶発的に生まれた形態。入れ子構造らしく、旧一号をスタイリッシュにしたような本体の上に、厚い装甲を兼ねた外骨格が覆いかぶさる形である。その外骨格をキャストオフし、俊敏な本体が現れるというのは、仮面ライダーカブトを連想させる。

 

「ゲッターエネルギーを強化に?」

 

「そうでないと、本郷さんの体はパワーアップに耐えられなかったからだそうだ。長い事戦ってるから、人工心臓も消耗してきてたそうでね」

 

本郷猛は埋め込まれた人工心臓は1971年当時の組織が造れる最高のものであったが、長年の稼働で『発作』(誤作動)が起き始めていた。それが人工心臓の経年劣化であることを知っていた本郷は、機械式の仮面ライダーで最も進んだ技術で作られている『ZXの人工心臓』をコピーしたものに取り替えを図ったが、再改造を経たとはいえ、本郷自身の心肺装置については手のつけにくい構造のものだったためか、最初の改造で埋め込まれたものがそのままであった。最後の手段として、それをゲッター線で新型と同等にまで進化させる方法を取り、成功した。

 

「苦渋の決断だったが、成功した。だから、二段変身ができるようになったそうだ」

 

「ゲッターエネルギーって、ゲッターロボの?」

 

「そうなんだが、今すぐの説明は無理だよ」

 

ゲッターエネルギーは説明が結城丈二をしても困難なものである。兜甲児も『タキオン波動理論の数倍は難しーエネルギー理論』と認めている。早乙女博士でさえ、全容の把握は無理だったのだから、如何に天才と言われた結城丈二でも、理解が至難である。

 

「君の後輩の子はそれを制御した。こちらの君自身もね」

 

「それ、どういうからくりなんですかぁ!おかげで私、ベンチウォーマーじゃないですかぁ!」

 

「まーまー」

 

ちょっと駄々をこねるキュアドリームB。ベンチウォーマーなことが堪えているようだ。

 

「あたしだって、サポートがせいぜいだよ?それに、こっちのドリームとフェリーチェは純粋なプリキュアじゃ無くなった感あるしさ…」

 

キュアラブリーがなだめる。仕方がないが、A世界の二人は状況が状況な上、強くならなければならなかったので、パワーアップしてきた。ドリームAに至っては、闇落ち寸前に陥った状況から立ち直ったのが奇跡なくらいだった上、草薙流古武術の継承者でもある。

 

「こちらの君は色々とヘビーな環境だったからね。月の戦いの後、のび太くんが一也のもとに預けたのもわかる」

 

「映像は見ましたけど、子供が撃たれて、そのショックと怒りで覚醒ってーーー!かっこよすぎて、するいよぉ~!?」

 

エターニティドリームはシャイニングドリームの純粋な強化フォームである上、翼も滑らかで神々しく変わり、プラチナ色のコスチュームである。それを安定させたのがZEROとの融合であり、変身自体は感情をキーにする形でなし得ている。その姿でタウ・リンに色々と啖呵を切る映像がフォン・ブラウンの監視カメラに写っていたのである。

 

「うーん。ずるいとか言うなら修行に出てみる?」

 

「な、なに、めぐみちゃん。その顔」

 

「百聞は一見にしかずというからな。この戦いが終わったら、スーパー1に稽古をつけてもらうといい」

 

「だからぁ~!」

 

結城丈二とキュアラブリーに唆されるドリームB。苦笑交じりのアマゾン、南光太郎。

 

「だって、後輩のキュアグレースとの合体フォームは2つのチームの力を一つにしないと無理なんだし」

 

「え、あるの?」

 

「こっちはね」

 

ドリームキュアグレースはA世界では、キュアグレース(立花響)の特性が『繋ぐ力』であったことで、プリキュア5のエネルギーだけで変身できたらしい。しかし、戦術には組み込めないと判断されたらしい。

 

「ああ、立ち合ったが、最低でも六人以上のプリキュアが二人にエネルギーを与える必要がある。色々と条件が難しくて、こちらの君は実戦で使うのは諦めたと言っていたよ」

 

とはいえ、プリキュア5の合体フォームの最新バージョンではあるし、見栄えもいいので、トロピカルージュプリキュアの映画の宣伝に活用したという。

 

「いいな~……。そーいうぜーたく言ってみたーい~!!」

 

ドリームキュアグレースフォームまでも持つことが衝撃か、またもしょげかえるドリームB。

 

「で、そっちの私は何を?」

 

「それがだね……」

 

結城丈二が説明する。A世界のドリームはというと…。

 

 

――骨川家――

 

「どうかね」

 

「うーん。かなり無頼なイメージですね」

 

自治会館でのライブを無事にウマ娘の姿で終えたのぞみたち。のぞみは体の持ち主として、撮影地から送られた写真と映像の最終チェックをしていた。のぞみはナリタブライアンの体を借りているが、性格は出るもので、かなり穏やかな顔つきになっている。

 

「あ、鼻の上、やっぱり貼ったんですか?」

 

「落ち着かないといったそうでね」

 

ブライアンは鼻の上に絆創膏を貼る癖がある。これは前世のシャドーロールをしていた事の名残りであり、トレードマークだ。のぞみも入れ替わった時にしていた絆創膏をそのままにしていた。

 

「いやぁ、歌は緊張しましたよ。絶対音感はあるけど、昔は下手だったから」

 

「いや、大いに結構だよ、君たち」

 

労うはヒゲを生やしたスネ夫。2022年には二人の子持ちなので、相応の変化があった。

 

「よく頑張った。なかなかだったと思うがね」

 

「これでいいのかなぁ。現役時代、音痴だったし」

 

相田マナもルドルフの体越しにいう。かなり喧々諤々だったが、体が変わったためか、上手く歌えた事に胸を撫で下ろしているようだ。

 

「でも、ブライアンさん、あたしの体使ってても、粗野なんだなぁ」

 

「姿が変わっても、心はそのままだからね」

 

「プリキュアのコスチュームの上に、フライトジャケットを羽織ってる。あ、ちょっとドヤってる」

 

画像データには、ルドルフにフライトジャケットでドヤっているブライアンの姿があり、フライトジャケットを着てみたかったらしい。

 

「ああ、その姿なら、ブライアンくんが君の姿でぶらついたらしく、ネットに上がってるようだよ」

 

「あ、本当だ」

 

SNSや、ネット掲示板には、フライトジャケットをコスチュームの上から羽織っているキュアドリームの画像が多数上がっていた。64F制式のものだが、フライトジャケットのかっこよさが妙にプリキュア姿とマッチしている。また、雰囲気が普段と異なる姿がギャップ萌えと評判である。

 

「すいませーん。テイオーちゃんに言われて、様子を見に来ました~」

 

「君は?」

 

「マヤノトップガンでーす~☆テイオーちゃんのルームメイトでーす」

 

マヤノトップガンがやってきた。マヤノトップガンは勝負服がフライトジャケットであったり、自身も飛行機映画好きなウマ娘で、テイオーの同期である。意外な事に、彼女もブライアンと対等に戦えるウマ娘の一人で、天才肌を誇る。

 

「ブライアンさんはちゃんと仕事してます?ブライアンさん、すぐサボるから」

 

「ちゃんと仕事してるみたいだよ?」

 

「あ、このフライトジャケット、タイシンさんが見つけたやつだー!いいな~、マヤも着たいー」

 

のび太もフライトジャケットは着ているためか、64F仕様のそれを自宅に持ち帰っていた。それをタイシンが見つけ、着させたのである、

 

 

「良ければ、君のサイズのを用意させよう。そのジャケットの縫製と納入はうちがしているから」

 

「本当!?わーい!」

 

小躍りして喜ぶマヤノトップガン。マヤノトップガンは普段は普通の服を着ているため、フライトジャケットは憧れらしい。

 

「マヤノ……トップガンちゃんだっけ?普段は着ないの?」

 

「うん。フライトジャケットはマヤの勝負服なんです。だから、普段は避けてるんだー。でも、着てみたいなぁ」

 

目が輝くマヤノトップガン。父親がパイロットである関係か、フライトジャケットには特別な思いがあるらしい。航空無線用語などに詳しいのは、その影響だ。ブライアンがライバルとして見る実力者ながら、意外にかわいい系の口調なので、ファンも多い。また、テイオーが自家用機に『ドラケン』を検討している事を漏らすと、アメリカ機好きなためにぶーたれたという。

 

「あ、あの。マヤ、レースの賞金はかなり溜まってるんです。せっかくだから、F-14を買いたいんですー!」

 

「大きく出たね…」

 

スネ夫もこれだ。いきなりの頼みなためもあるが、F-14は入手しにくい機種だ。

 

「マヤノちゃん。素人がトムキャットは無謀だって。軽自動車に乗ったことしかない人がF1に出させられるくらいにさ」

 

のぞみもさすがに無謀だと諌める。

 

「プロとして、トムは高等向けだって断言するよ」

 

「え~!?」

 

「あと、可変翼は費用がかかるよ?クルーか、スクーターを薦めるよ」

 

「クルーやスクーターって、まだ残ってるんですか?」

 

「扶桑の生産品がそろそろ払い下げされるから、僕としても回しやすいよ」

 

扶桑で各種教導や試験に用いられた個体の払い下げが始まるというように、役目を終えた機体は戦費調達のためにマーケットに売りに出る。旧・横須賀航空隊が末期に持っていた『A-4』と『F-8』がオークションに出るのは伝わっている。一流のウマ娘であれば、手に届く金額だ。クルーやスクーターはその2つの愛称のようなものだ。

 

「それに、アメリカルートでも正規品が出ることあるよ。スネ夫さん、そういうオークションの運営に顔が効くから」

 

「弟が航空会社の経営を手掛けていてね」

 

「そそ、あたし、それで自家用機を用意してもらって」

 

相田マナも相槌を打つ。マヤノは映画好きとしての葛藤があったが、映画に出てきたためか、A-4の購入を決める。

 

「それじゃ、スクーターをお願いします」

 

「弟の会社に伝えておくから、二週間見当で見積もって。うちの貨物船で運ぶけど、検査とか登録の関係もあるから」

 

「わかりましたー!」

 

「お、海軍式の敬礼」

 

マヤノは三人への礼も兼ねて、予てから特訓していた『敬礼』を見せる。何気に、ちゃんと海軍式である。(敬礼は国によって違うが、マヤノは海軍式をした)

 

「あ、空軍と海軍って違うんだっけ?」

 

してから気づく。のぞみが答える。

 

「時と場合によるね。うちの隊は海軍式の敬礼する機会が多いけど」

 

マヤノにとっては『プロのパイロット』と話せる楽しいひと時であった。マヤノトップガンは引退後に自家用機の免許を正式に取りたいらしいが、気の早い話である。マヤノは現役を継続できたことは嬉しいが、空への憧れも強まったらしい。スネ夫達はそんなマヤノに、スネツグ(スネ夫の弟)が所蔵する飛行機プラモデルの秘蔵コレクションを見せてやり、マヤノとの雑談に花を咲かせるのだった。

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