――21世紀日本の扶桑への政治介入は個人レベルも含めれば、実に2019年度まで続いた。これは扶桑の軍事重視の姿勢をあらゆる手で潰そうとしたためだが、それらが失敗した後に残された混乱は大きかった。予備役制度も形骸化してしまい、軍の人件費が膨れ上がってしまった扶桑はGフォースの拡充を求めた。社会的混乱の責任を取らせる類のものとしては優しめの要求であった。日本側は野党が反対したものの、扶桑のみならず、自由リベリオンにも混乱は波及していたため、アメリカ合衆国からの損害賠償を恐れた政府の判断で決定された。また、史実の『敵性語運動』と『検閲の弊害』を根拠に、内務省などの部局から大量に閣僚を追放させた結果、今度は扶桑で市井の社会不安が増大するなど、日本側の予想外の現象が起こり、その損害賠償が自衛官の派遣の増大で済むなら、儲けもの。日本政府はそう考えたのだ――
――カールスラントの実質の無法地帯化はドイツも予想外の結果であり、NATOで針の筵となる原因だった。その分の軍事的埋め合わせが日本連邦に求められるのは当然の流れであった。扶桑は結局、全ての分野で軍事強国であることを続けなくてはならなくなった。これは中国が近世のうちに滅び、アジア・太平洋地域の大国が『扶桑しか存在していない』世界だからだ。カールスラントの衰退で、軍の規模縮小ができなくなったのもは財政的には痛いところだが、人的整理だけは戦間期に断行されていたため、戦乱が起こると、『人的資源の層の薄さ』が問題として浮上した。特に、ダイ・アナザー・デイ以降の混乱で魔女兵科の人数は大きく目減りしており、その維持費の高さの割に、所属人数が少数であるのも、財政的に問題視されるようになっていた。『近代兵器は基本的に高額なのに、魔女は自分たちの敵でないと判断すれば、てこでも動かない者に金を与えるのか?』という懐疑論が浮上したのだ。『兵科の存在が彼奴らをつけあがらせた』という論調も出始めたが、兵科の廃止に伴う混乱を戦時の最中に起こしたくないこと、実質の世界最強国の施策は他国に影響を及ぼすことから、太平洋戦争中は処遇を据え置く事で落ち着いた。魔女達のすべてが黒江達のような『万能超人』ではないことは重々承知されていたし、1949年の年頭当時に属している魔女の大半は『1939年以降の急速促成教育で任官された』故に、本当に『銃を撃つこと』しか知らない者も多いからだ――
――魔女全体がダイ・アナザー・デイのサボタージュのせいで白眼視された結果、少なからずが軍を去っていった。また、新規の魔女も『怪異だけを相手取る』MATに流れていったため、1940年代後半の扶桑の魔女は『一握りの超人たちの活躍如何で、今後の運命が決まる』という有様だった。そのため、熟練者は一握りの精鋭部隊に集められる傾向が強まり、後方の教育部隊は形骸化していた。教育部隊を冷や飯食いと卑下する者も増えたため、結局、定期的に教官を個人単位で前線に送り込む事で解決が図られ、日本側も了承した。その関係上、後方配置の部隊は『置物』感が否めなくなった。これはブリタニアの秘蔵っ子部隊『グローリアスウィッチーズ』がいざ出征したら、結成当初からの世代交代による練度低下と『実際の実戦経験の不足』により、初戦闘で半壊状態に陥った事によるものであった。(面子丸つぶれのブリタニア空軍はグローリアスウィッチーズのメンバーに箝口令を引く羽目となった)――
――部隊を配置転換できなくなったことは、扶桑軍の大誤算であったが、64Fが宇宙艦艇を有した事で、各地に迅速に展開可能となったため、統合戦闘航空団の枠組の復活はまたもお流れになった。日本が部隊の『政治利用』を懸念した事、『64Fに旧メンバーの大半がいるんだから、また分ける必要はない』、『転生者を一括管理するのには楽だから』と結論されたからだ。これは1945年時点で存在していた全統合戦闘航空団のうち、そのメンバーの多くが転生者であり、その内の数名がプリキュアの中心戦士の生まれ変わりであった事も関係していた。その代わりに、各地に迅速に派遣できることから、各地に部隊を固定で置く必要が薄れた事、MATとの棲み分けの兼ね合いもあり、育成済みの人員の価値が増大。名うての者が次々と最前線に送り込まれていく風潮に異議を唱える者も多かった――
――その議論もあり、64Fは重宝された。予備軍でも、かつての統合戦闘航空団級の練度を誇るからだ。人員の独占感の強い陣容だったが、多くは行き場を失っていた教官経験者、あるいはカールスラントからの移住者であり、特に移住者を日本連邦は喜々として受け入れた。新規育成の手間を惜しんだからだ。そのため、前線ではカールスラント義勇兵が各所で重宝がられており、それを超える質が保証済みの64Fは『扶桑の武威を示す格好の存在』であった。カールスラント軍は『人材派遣サービス』と揶揄される有様に落ちぶれていたが、派遣された者たちは扶桑の戦線を支えており、カールスラント国家そのものが『人材派遣サービス』を実質的に国策としてゆく端緒となった――
――21世紀 のび太たちの世界――
ナリタブライアンは無難にプリキュアとしての仕事をこなしつつ、外見上の見分けポイントを自分で作っていた。それは『鼻に絆創膏を貼っている』ことで、そうでないと、ブライアンは自分の能力を自分で引き出せなくなるのだ――
「ブライアン、他人の体でも、それ貼るのか?」
「そうでないと、全力が出せないんでな。それに、見分けのポイントは必要だろう?」
「まぁ、そうだけどよ。ここは横須賀だから、今から帰ると、夜になっちまうぜ?」
「なら、どこに泊まる?」
「横須賀だぞ、ビジネスホテルの一つや二つはあるだろ?テイオーには連絡を入れとく」
三人はそのまま(プリキュアの姿を維持したままで受付をした)、市内のビジネスホテルに宿泊した。プリキュアといえど、『職務についている』事はこの頃には認知されているので、すんなりと部屋を取れた。ありがちなツインベッドルームだが、変身を解除し、変身者の姿で休んだ。入れ替わっている主の精神状態が反映されたか、ゴルシ(黒川エレンの肉体)はコミカルな雰囲気たっぷり、タイシン(花海ことはの肉体)はインドア派全開、ブライアン(夢原のぞみの肉体)はホテルの売店で買ったおつまみ(ベーコン系のもの)をつまんでいる。
「お前ら、他の世界来ても、やること変わんねーな」
「だって、他人の体借りてるって言ったって、見てないところじゃ、普段の生活してていいってことじゃん?」
「そうだぞ。ホテルったって、常に見られてるわけじゃないからな」
ブライアンとタイシンは日常での振る舞いは『どこにでもいそうな高校生』である。ウマ娘と言っても、常にレースの事を考えているわけではないのだ。
「そりゃそーだが。ん?タイシン、何を読んでるんだ?」
「気になってたから、この世界の日本の歴史本。細かいところが違ってんのね…。ん?東京遺跡?」
「ああ。のび太達が中国から連れてきた原始人達が暮らしてた村の跡らしい。2020年位に発見されたんだと」
のび太は『原始時代への冒険の時』に本当の意味での『日本のあけぼの』を目の当たりにした。それは遥か7万年の昔、中国にあたる地域で暮らしていた『ヒカリ族』という部族を助け、日本列島に移住させたという、一つの冒険譚に触れる必要がある。ゴルシはノビスケ経由でその詳細を聞いていた。現代の東京のある場所から発掘された『原始時代の遺跡』はその彼らの暮らしの跡だと、のび太は言っていた。その彼らがやがて、他の渡来人の部族との衝突や融和を経て、日本の過半の地域に広がり、縄文人/弥生人に進化した後、その中の一団が『国』という形のコミュニティを築き、その原始の国々の中でも有力だった者たちが『邪馬台国』となったのだろうと、のび太はいう。それに取って代わったか、邪馬台国の滅亡後に興ったかは分からないが、現代にまで続く日本の大元は、それから更に数百年後に整うという。
「最初に日本に住んだ現生人類って事?」
「そうなる。ギガゾンビに従ってたネアンデルタール人の『クラヤミ族』の一部も東北や北海道に移住して、それらが合流して、もっと他の地域から渡来した連中と混血していったのが、この世界での日本の成り立ちらしい。ドラえもん達が助けた『ククル』って奴が部族の長になって、その血統がしばらくの間、その部族の長の家柄になってたって話だ。日本最初の『コミュニティの長』って奴だな」
原始時代。そこにはドラえもん達が築いていた拠点があり、7万年の地殻変動で地中へ隠されたのだが、21世紀に発掘された。風化で家具などは失せていたが、置いてあった『畑のレストラン』は発掘されており、後にそれ自体がその道具の起源になったとの事。ネオ・ジオン戦争後の地球連邦の時代、その仕組みが『再発見』され、食料難の解決策として注目され、デザリアム戦役の頃に量産プラントが稼働する。以後、日本列島が主な食料品の供給地となるのである。(コスモリバースシステムで土地の汚染から回復した北米の穀倉地帯が再開発で往年の規模に回復するのは、デザリアム戦役よりも後の時代である)
「で、ドラえもんが『畑のレストラン』を置いたままだったんで、21世紀に発掘されて、学会がパニックになるんだ」
「いいの?」
「未来人がタイムトラベルで置いてったことしかわかんないからな、21世紀の技術だと」
「あれか?大根の中に、調理済みの料理が入ってる…」
「そうだ。あたしらからは『物足りない大きさ(ウマ娘は基本的に、カロリー消費量が莫大なため、食事量が大きい。普通の人間並みの少食であるタイシンやルドルフが珍しいのだ。しかも、その摂取量でG1を勝っている)』だがな。普通の人間には充分だろ?」
「確かに」
ドラえもん達はこのように、歴史に重大な影響を及ぼしているのだが、恐竜ハンター事件とギガゾンビ事件の功労者であるのと、当事者の一角である野比家が地球連邦の名家であるため、タイムパトロールもお目溢しをしている(のび太の孫が成人後に公の組織としてのタイムパトロールの創設に貢献したためもある)。良い影響を与える場合、タイムパトロールも見逃すわけである。(現場判断で小市民の生きてきた道を良くする場合もある)
「まぁ、のび太の孫がタイムパトロールの公的機関としての設立の功労者だってのもある。そのタイムパトロールも、ジオンと連邦の時代には、タイムマシンの技術維持と保管のための組織に堕ちてるけどな」
ジオンは21世紀からひみつ道具時代までの一部技術を破棄させつつ、タイムマシンでジオンが連邦に勝つ可能性を探っていたのだが、『ガルマ・ザビが死んだ時点で、ジオンの勝利の芽は摘み取られた』という現実を突きつけられただけである。人的資源を確保するために『リユース・サイコ・デバイス』やクローン人間の製造にも手を染め、ついには『ジオン以外のコロニーを生物兵器・アスタロスで壊滅させる』、『月を爆破する』などの外道を考案していた。ミネバ・ザビはその外道の責任を負うべく、ネオ・ジオンの正式な解体を行い、ジオン共和国の自治権の返還と歩調を合わせたのだが、自身の伯父が地球圏外のジオン残党を束ね、公国の復活を期するべく、暗躍している事は知らないのである。
「ジオンはなぜ、ドラえもんの時代のそんな技術を目の敵にする?」
「自分らがコロニー移民で苦労したからだろうさ。そんなのを一瞬で解決できちまうから、葬ろうとしたんだろうな」
ゴルシも呆れ気味な、ジオン公国の取っていた国策。その一方で、クローン人間技術はひみつ道具時代の資料を使うなど、自分達に有益なものは残すという高慢ぶりであり、それが内部の反ザビ派の伸長を許し、世論操作が容易なように『戻ってしまった』現状を憂いた元・ジオンの科学者達がインターネット技術と情報インフラの復興に尽力するという皮肉がある。そのため、ジオンは歴史上、もっとも功罪の入り交じる国家と言える。
「ジオンには、反連邦思想に染まった脱走兵も加わってるから、残党軍の身元調査は厳重にされてるそうだ。脱走兵だった場合、仕方のない事情で脱走したのなら、恩赦を出すことも、地球連邦は始めたそうだ。人手不足だしな、連邦も」
地球連邦軍を脱走した者が反連邦テロリストに堕ちた例は山ほどある。だが、そういう時代を過ぎたため、地球連邦は地球圏全体を統治し、地球人類全体の生存を考えるようになっている。
「地球圏の中でそんな争いしてるのに、よく異星人とドンパチできるな?」
「うん。それも何回もしてんでしょ?」
「宇宙人にとって、地球での争いなんて、ただの内輪もめに過ぎねぇからな。諸共に攻撃されるのが関の山だ。だから、民間軍事会社もヒーヒー言い出したみたいだ。銀河を支配する規模の帝国が銀河系の近くに何個もあるんじゃ、ジリ貧だしな。逆に言えば、地球連邦の権威がそれで復活するんだけどな」
地球連邦は移民星の増加、星間ネットワークと交通網のワープ機関化で中興していく。コロニー国家は移民星に比しての不利な側面が色々と露呈し始め、次第に多くのコロニー国家が自治権を返上。一行政区に立ち返っていく。ただし、ネオ国家コロニー群は各地の民族の固有アイデンティティの維持が目的の建造なので、それまで通りの自治権が認められている。独自の軍事力には限界があるため、結局は地球連邦軍本体の軍事力頼りである。(地球の影響力を脱しょうとすると、超巨大ゲッターロボに全てを滅ぼされるという噂も囁かれ始めたのも、この頃である。ゲッターエンペラーがあまりに強大なため、生存者も口をつぐむほどの恐怖を与えたわけだ。)
「そんな時代だから、ある程度成長した移民星にはな、地球から名実共に独立しようとするのも出てくるんだが、ゲッターロボの究極形態がそれを星ごと滅ぼすことで、危険分子を摘む事例も出てきてる。まぁ、独立しようとする連中って、地球を滅ぼすとか、資源採掘場にするだのの、過激な事言うのが多いからな」
「ああ、噂の皇帝サマ?」
「その行動を先読みしないと、移民星が萎縮するからってんで、高度な自治権を与えるらしいぜ」
「皇帝サマはどっかのSFみたいに、地球が死の星にされて、忘れ去られるのを嫌うんじゃないの?そういうのって、結局、目的が果たされても、次の覇権争いになるだけだし。織田が没落した後の豊臣や徳川みたいに」
「歴史から学ばないと言おうか、同じことを繰り返すんだよな。宇宙時代になっても」
23世紀の人々は宇宙大航海時代を迎え、異星人との衝突を経験したわけだが、地球の過去の歴史の繰り返しを宇宙で演じているようなものであるため、ゴルシもそこはシリアスに答える。
「ん?ブライアン、急にどした?」
「サニーの奴からメールだ。……あいつにしては珍しいな」
サニーとは、サニーブライアン。スズカの同期で、その世代の二冠馬だが、怪我もあり、まだ現役の座にある。ブライアンと前世での父が同じなためか、とてもよく容姿が似ており、影武者を頼んでいるという。
「姉貴にはバレたか。まぁ、当然か。対外的な影武者は続けてもらう。当面の間は戻れんからな」
「お前、影武者立てたのか?」
「副会長とあろう者が長期間、学園を開けるわけにもいかんが、戻れんからな。サニーブライアンに影武者を正式に頼んだ。奴なら、私によく似ているからな」
「戦法は似てないだろ?」
「走るわけではないし、生徒会の職務を代行してもらうだけだ。サニーなら、姉貴とルドルフ、エアグルーヴ以外には、容姿での見分けはつけられんよ。後はあいつの番記者か?」
ブライアンは従妹のサニーブライアンへのメールを打っていた。サニーブライアンは、その容姿がナリタブライアンにとても良く似ていたが、実姉のビワハヤヒデには見破られたので、本当の事を話したという趣旨の連絡があったからだ。ハヤヒデはテイオーにもその旨を伝えており、妹の事は把握済みらしい。とはいえ、副会長があまり休みっぱなしでも、トレセン学園の外聞に関わるため、ルドルフの了承を得て、サニーブライアンとナリタブラリアンを影武者としたのだ。
「この際だ、姉貴も巻き込んで、口裏を合わせろと言ってやる。あいつなら、若い連中を無下には扱わんだろう」
「あんたは強者以外には興味ないって素振り見せんから、後輩に怖がられるのよ」
「ある時期からそういう感覚が本当にあったから、言い訳はせん。だが、名声と言うものが、どんなに儚い奇跡かっていうのは実感したよ」
ブライアンはおつまみをつまみつつ、自身の不振期を振り返った。どこか自虐的ですらあったが、それは前世での顛末の記憶のためだろう。
「だからこそ、オグリさんのように『蘇る』事を誓ったのさ。ディープインパクトやオルフェーヴルのような青二才共に、襷はまだまだ渡さんさ」
オグリキャップはキャリアを終えるその時、全盛期の輝きを確かに取り戻していた。その出来事は『落ち目を迎えたG1級ウマ娘たち』の一縷の望みとなっていた。歴史上、ラストランのその時に勝利の栄冠を手にできたウマ娘はそれほどいない。かの『神馬』シンザンの他には、オグリキャップが挙げられる。それほどの奇跡だったのだ。
「前世の後半は不甲斐ない走りばかりしか出来なかったからな…。
だからこそ、今回は三冠持ちの意地を見せたいんだ。前世の記憶持ちになると、ついつい考え込んじまうが……」
「気持ちは分かる。なら、今回は見せてやれ。夢の続きをな」
「ああ。この体を使わせてもらっているのも、何かの縁だろうからな。夢をプリキュアの名に持つコイツとの」
ブライアンはのぞみの姿で微笑う。のぞみ本人と違い、威圧感を感じさせる目つきになっていたり、声のトーンが普段の本人よりだいぶ低い(中島錦のそれに近い)故に、少女らしさがない声色になっているという差異があるが、大まかにのぞみ本人の容姿を保っている。それが逆に、新たな人気を呼び起こす事になり、のぞみ本人を困惑させる事になる。この騒動をきっかけに、武道を修める気になったブライアンは後々に、仮面ライダー一号=本郷猛(彼は科学者でもあるが、23世紀への復活後は武道家としての顔も持つ)の営む道場の門戸を叩く事になる。
「それに……今後のためにも、ちゃんとした武道は習っておいたほうがいいだろう。記憶からの見よう見まねでは、限界があるしな」
「あんたにしては、ずいぶんと殊勝な態度じゃない」
「お前みたいに、魔法の応用が効くわけじゃないからな。スーパーロボットの技でのゴリ押しも手としてはあるが、子供でも思いつくことだろ?」
ブライアンはこの言葉通り、後日に『個人トレーナーがやめさせられたから、その穴を少しでも埋めるため』という公向けの声明を出し、本郷猛が副業で営む総合格闘術の門戸を叩くのである。
――せっかく、近くにスーパーヒーローがいるのだから、大いに頼るべし――
マルゼンスキーや『TTG』の三人に頭を下げ、正式な推薦状を書いてもらい、本郷猛の道場に入門したのは、ホテル泊まりをしてから、週を跨いだ後のことである。天才科学者でありながら、『技の一号』と名を馳せるほどの格闘技の達人となった彼はまさに『文武両道』。ころばし屋やジオン残党との次なる戦いの機会と、『競走者としての復活の狼煙』のため、精神修行のため、ナリタブライアンは彼のもとを訪ねるのだった――