ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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今回は日常回です。

(※旧ドラえもんを基準にしているので、「映画ドラえもん のび太のパラレル西遊記」は『過去に有った冒険』としています)


第四百三十六話「ノビスケの自由研究への取り組み」

――1949年。クーデター鎮圧後のカールスラントは無政府状態に陥った。やむなく、NATO軍による軍政が引かれ、カールスラント軍の残存部隊はNATO軍の管理下に置かれた。クーデター後のカールスラント軍の軍備は史実西ドイツと大差ない規模で据え置かれる事になったが、治安維持の観点から、兵器製造の再開は認められた。ただし、戦艦の保有については、カールスラント軍の都合が優先され、最終的に六隻の保有で妥協された。これは戦後型フリゲート艦は戦艦ほどの実効火力を発揮し得ないという戦訓によるもので、日本連邦の圧倒的な戦艦部隊への『平時になった際の抑止力』としての保有であった。戦艦は航空機の時代以降は日本連邦の超改造で初めて、第一級の兵器たりえるので、他国にとっての戦艦や空母は(大国以外)は高価な玩具となり、空母に至っては、ますます『贅沢品』と位置づけられた。そのため、扶桑は空母機動部隊の質的強化をますます余儀なくされたのである。遠征の直前には、扶桑が連合軍の中枢を担う事が確定し、カールスラントは軍事大国の座から降りる事が確定事項となっていたが、優秀な人員の存在から、国家ぐるみの『人材派遣サービス』と揶揄されだした――

 

 

 

 

 

 

――黒江の報告書に記されていた『シンフォギア世界』への転移の要因であるが、双方がに事実である。黒江自身が正確に認識していなかった事を後から教えられて、二回目の報告書に前回の補足事項として加えたのが『遺跡の作動の形跡』であり、直接的な原因(の一つ)が直前に交戦していた『敵によるアナザーディメンション』である。扶桑軍の報告書は訂正事項の事後の補足が認められている。怪異との戦いでは、情報が常に更新されており、情報の訂正のために、一から作り直す暇はないので、いい加減な長文でも良いので、大まかに物事が伝われば『良し』とされた。言い方は悪いが、『事務方の軍人たちの暇つぶし』の道具でもあるため、多少の『遊び』は大々的に容認されていた。これは連合軍全体の慣習で、年端も行かぬ少女たちに『形式張った報告書が書けるとでも?』という、もっともな理由からだ。(芳佳やひかりは女学校、ないしは制度が整った後の訓練校に通えているので、むしろ教育に恵まれている部類に入る。黒江は高等教育を軍で済ましているが、実は小学校卒で軍へ入隊している)扶桑の魔女としては比較的に、『綿密な教育』を受けた世代の魔女であった黒江であるが、自分で報告書を書いた経験に関しては、実のところは数度の転生を入れてさえ、『けして多くはない部類に入る』。これは(自分で報告書を書く必要のある)下級士官の時期が(数度の転生を合わせても)長くなく、人を使う立場の上級将校にすぐに昇進していくため、報告書を副官や友人に丸投げする(扶桑軍には、将校付きの『従卒』も1946年までは制度として存在していた)ほうが圧倒的に多く、聖闘士としての報告は口頭での報告が義務付けられていた(神話時代からの慣習)からだ。これについては、自衛隊にいても大して進歩はしていないので、黒江の数少ない苦手な分野であると言える。(自衛隊に勤務しつつも、地球連邦大学に通った時期もあり、そこで多少は進歩した)――

 

 

 

 

――話は飛んで、ノビスケが小学校に入学し、数年が経ち、ウマ娘たちが合宿するようになった頃――

 

 

「西遊記の元になった出来事?」

 

「うん。今年の夏休みの自由研究にしようと思って」

 

ノビスケは同年代であったの頃の父親と違い、多少は自分での勉学意欲があるので、夏休みの自由研究ができるようになると、歴史に関する自由研究を好んでいた。その二年目にあたる小学三年の夏休みの自由研究(野比一族の通う小学校では、21世紀になっても、夏休みに『自由研究』が課題として出される)は西遊記にまつわるものにしたようだった。ノビスケはガキ大将であるが、クラス一の秀才『出木杉英世』(あの出木杉英才の息子。容姿は同年代の頃の父親と瓜二つだが、外国人とのハーフである)と友人であるため、意外に壮大なテーマに挑む傾向があった。

 

「次のレースまでは時間があるし、手伝ってあげる。小学生じゃ、図書館の司書がまともに取り合ってくれないだろうし」

 

ナリタタイシンはレース復帰への下準備を始めたため、ころばし屋への警戒の当番をブライアンに任せていた。その関係で元の体に戻っていたわけだが、ノビスケの頼みは断らないらしい。

 

「会長に頼んでみた?」

 

「うん。だけど、レースが近くなったから、余裕がないとかで」

 

「会長、体が相当に鈍ってたようだしねぇ」

 

「仕方がない。会長は引退後、執務を主にされていて、年に二度ほどしか出走の機会がなかったのだからな」

 

「わっ、副会長!?」

 

「すまんな、話に混じらせてもらう。ブライアンはころばし屋への警戒で出かけているからな」

 

エアグルーヴが話に入ってきた。ルドルフの役職からの引退後は後継者のテイオーの補佐を務めるが、正式な移行の前であったり、テイオーはルドルフと違い、自分で物事を探しに行くようなタイプなので、今のところはルドルフ時代の残務整理をしていたのだが。

 

「それで?」

 

「テイオーは会長とは違うタイプだ。奴を慣れさせたくてな、執務に。それで、な」

 

「あんたにしては、珍しい判断だね」

 

「私とて、まったくの堅物ではないぞ」

 

若干の不満を見せるエアグルーヴ。タイシンがタメ口なのは、エアグルーヴの入学した期そのものはスズカと同期なので、『BNW』の三人にとっては後輩に当たるためだが、レースのデビューは逆に早いという史実との逆転現象が起こっているので、ややこしい関係となっている。

 

「まずはどういう背景で起こったかを調べる事だ。そもそも、三蔵法師が何故、天竺へ行くことになったか、だ。そこを知ることだ。私も手伝ってやろう」

 

と、若干ドヤっている様子のエアグルーヴ。ゴルシやテイオーなどへの態度から、堅物扱いされるが、心酔するルドルフ、自身の母である『ダイナカール』などへは『素の自分』をさらけ出しているが、意外に優しい少女である事が垣間見える。なお、サイレンススズカとは学年は違えど、対等な親友の関係にある。

 

「こんなところで立ち話もなんだし、図書館でも行こうよ」

 

「そうだな」

 

ノビスケに促され、二人はノビスケについていき、ススキヶ原の図書館に赴いた。三蔵法師(玄奘三蔵)の天竺(現在のインド付近)への旅の背景を調べる。

 

――しばらくして、図書館の通路――

 

「三蔵法師が天竺に行くことにした時代って、中国の国の形が隋から唐に変わったあたりなんだね」

 

「日本で言うと、飛鳥時代の真っ只中だ。推古天皇の治世になる。国の体を成してから間もない頃だな」

 

その時代、日本は『国家』の体になってから間もない新興国、対して、中国は隋が煬帝の悪政で滅びの時を迎え、代わりに唐が興った頃。既に夏、殷、周、秦、前・後漢、王朝の滅亡に伴う戦乱期をいくつか経た歴史を持っていた上、隋朝の遺産の多くを受け継ぎ、次の時代に於ける『中国』となり、大国となっていく最中にあった。

 

「その当時、東西交流が既に行なわれてた。西の商人たちがヨーロッパにはなかった『絹』での一攫千金を夢見て、数えきれないくらいのキャラバン(隊商)が西洋から東洋を目指してたわけ」

 

「なんで、死ぬかもしれないのに、数えきれないくらいの人たちが東洋を目指してたのさ」

 

「絹はその当時、西洋にはなかったと言ったろう?欧州の中には、自分たちで作ろうとした国もあったが、いずれも上手くいかなかった。入手方法は唐の都だった『長安』で商人から完成品を買うしかない。それを自国の王侯貴族に売れば、一生遊んで暮らせるくらいの金が手に入ったのだ。西洋と東洋で、ハッキリと生産できる物に違いがあったからこそ、成り立っていた交流だ」

 

エアグルーヴとナリタタイシンはノビスケに、玄奘三蔵が天竺を目指した時期の時代背景を解説してやる。その当時、既に盛んであった『シルクロード』の東西交流と交易の存在が当時の唐の国禁(建国間もない頃の唐は自国民の出国を禁じていた)を犯してでも、天竺に経典を取りに行く事を玄奘三蔵が決意した一因だろうとされる。

 

「そのシルクロードの途中には、いくつもの国や都市が栄えては消えていった。さまよえる湖の伝承で有名な桜蘭、オアシス都市の敦煌はその内の一つだ」

 

「そんな時代の空気も関係してるのよ、彼が行く決意をしたのは」

 

二人にとっては、久しぶりに平和そのもののな風景であるためか、小学校の自由研究という事を忘れているかの如き『熱の入れよう』であった。ノビスケはライバル兼親友(これは親の代から)の出木杉英世への対抗心からか、普段は勉強嫌い(父親より成績はマシだが)のノビスケにしては珍しく、真面目に聞いていた。三蔵法師が天竺に向かった当時、既に『さまよえる湖』こと、ロプノール湖は枯れ(移動したとも)、かつての桜蘭は既に砂の中に消え果てていたし、伝説の地域『ガンダーラ』も滅んで久しく(ヒンズー教とイスラム教の台頭で、現地を治めていたクシャーナ朝が滅んだ)、その名だけが仏教徒に『理想郷』として言い伝えられていたという背景がある。彼は王朝の交代期に青年期を迎え、27歳前後の頃に天竺への度に出た。これはすべての世界で共通している。ただし、この『ドラえもん世界』(その未来である『未来世界』を含める)特有の特徴がある。それは他の世界では、彼が帰国後に書いた『大唐西域記』(当時の唐王朝の二代目の皇帝であった太宗への報告書を兼ねていた)に数百年経った後、その当時に唐王朝が統治し始めた各地域に出没していた妖怪変化と、三蔵法師を時たま助けていたと、口伝で言い伝えられていた三人の妖仙(孫悟空、猪八戒、沙悟浄のこと)が『お供だった』と付け加えられ、16世紀の明朝の時代に『面白おかしい物語・西遊記』として出来上がったということだ。その三人こそ、少年~思春期頃ののび太、ジャイアン、スネ夫であった。(しずかも三蔵法師の従者の僧という体裁で参加しており、それが後の世での『三蔵法師は女だった?』説の誕生した要因である)――

 

 

 

 

 

 

 

――その日の夜。

 

「そうですか、息子は今年の自由研究に西遊記のもとになった出来事を」

 

「ええ。私とタイシンがご子息のお手伝いをさせて頂いています」

 

「ありがとうございます。そういうことなら、あなた方に伝えておくべき事があります」

 

「なんでしょうか?」

 

「実はというと、西遊記の孫悟空、猪八戒、沙悟浄のモデルは……子供の頃、タイムマシンでその時代に赴いた時の私たちなのです」

 

のび太は定期連絡の際、西遊記の物語のモデルとなった出来事に自分達が関わっていたことを、エアグルーヴに伝えた。事の起こりはのび太が小学生であった1990年代の後半。小学校で新入生歓迎の行事があり、その時にのび太たちの在籍するクラスは『西遊記』の劇を行う事になった。そこから『唐の時代にタイムマシンで行く』流れになり、例によって、ジャイアンとスネ夫との口喧嘩の流れで、ドラえもんに泣きついて、孫悟空に扮したのだが、それが原因で大冒険になったと告白した。三蔵法師の道中、ドラえもんの道具から飛び出した妖怪変化だけではなく、当時の遊牧民族(おそらく、モンゴル系)らにも襲われる事が多く、その地帯を抜けたとしても、危険が多いため、のび太らは時たま、助太刀に加わっていた。彼の旅は長期に渡ったので、必然的に助太刀も複数回に及び、のび太達に助けられた、牛魔王の遺児『紅孩児』が名を変え、三蔵法師の弟子になった後、三蔵法師の偉業を広めた事は想像に難くない。彼はどこかで21世紀現在も存命中(元々が妖怪なので、少なくとも、数千年以上は生きるという)だろうと思われる。

 

「私たちの失態で歴史が妖怪に支配されましたが、牛魔王を倒し、元に戻しました。妖怪たちも大半は消えていきました。ですが、ごく一部は生き残り、現地の悪意を餌に、別種の怪異を生み出した。そいつらの悪行がアジア各地に妖怪伝説として残ったのでしょう。近年になっても、怪物の生き残りが悪の組織に改造され、歴代の仮面ライダーらに倒される(デルザー軍団)事例がありましたので、ある意味での帳尻合わせでしょう」

 

「つまり、各地の妖怪伝説の要因はあなた方のミスにあると?」

 

「有り体に言えば。ボス級の妖怪は倒しましたから、大半の妖怪は自動的に力を失う仕組みでした。元はドラえもんの持っていたゲーム機のキャラクターでしたので」

 

のび太は語る。1990年代の後半、自分達がこの時代のノビスケと同年代の頃に犯したミスで歴史を『現実に飛び出したゲーム機のキャラクター』に支配され、それを修正したものの、影響は僅かに残ったことを。それとは別に、ショッカー首領の生み出した魔物もおり、それがデルザー軍団の主要メンバーの祖となり、後に生まれたそれらと交わることで、力を得ていった事も付け加える。(ある意味、ドラえもんは『妖怪の世』の出現という大罪を犯したと言えるが、彼の行動が『西遊記』を生む要因を作ったと言える)

 

「なので、私達は組織と戦う責任があるのです。ただ、妻のことについては、変則的な形で歴史に残ったようです」

 

「奥様の?」

 

「ええ。玄奘三蔵の旅には、弟子という女性の僧が従者のようについていたという民間伝承があると思いますが、その従者とされるの僧は、私の妻なのです」

 

「奥様が、この世界での三蔵法師=女性説の起源なのですか?」

 

「おそらく。1970年代末の有名な西遊記のドラマで、夭折した人気女優が三蔵法師に扮した事で、その伝承が広まったと思いますが、実際の彼は『過酷な旅に耐えうる、筋肉隆々の体躯を持つ僧でしたよ」

 

のび太たちと出会い、交流した玄奘三蔵は筋肉隆々の青年(当時の平均寿命からすれば、壮年に入りたてか?)であった事、大変に徳のある人物で、ドラえもんが自らの大失態で、世界全体を危機に晒した事を涙ながらに謝罪すると、ドラえもんを咎めず、紅孩児を弟子にしたいと申し出るというほどに寛大な人物であった事、逆にドラえもん達に『天竺までの旅の手助け』を依頼し、ドラえもん達を驚かしたという。

 

「そうして、私達は彼の旅を『目的を果たした』後も助けていったのです。西遊記の妖仙に扮した上で」

 

のび太は自分が『孫悟空伝説のもとになる活躍をした』と明言しつつも、他の世界でのアニメ映画では語られていない続きがあったと続けた。『当時は屈指の難所であった、天山山脈超え』を行い、その帰路で、既に滅んでいた『楼蘭』の廃墟を通ったのだと。

 

「楼蘭には帰路で立ち寄りましたが、既に滅んでいました。ロプノールが干上がったために、人々は国を放棄して散り散りになっていったのでしょう」

 

漢王朝の時代には栄えていた楼蘭だが、隋が滅び、唐が興った頃には『滅んで久しかった』。ただし、ロプノールの名残りと思われる、小さな湧き水は出ており、飲み水は確保できたので、報告書である『大唐西域記』に『帰路で楼蘭の廃墟に立ち寄った』と記されている。

 

「ロプノールはいつ干上がったのですか?」

 

「ドラえもんが調べたところでは、唐が興った時代から更に数百年前。おそらくは西晋の時代に湖が移動し、楼蘭が水源にしていた場所から水が無くなったため、国が自然に分解したのでしょう」

 

のび太たちがその後の調査で得られた推論であるが、少なくとも四世紀に、さまよえる湖である『ロプノール』が移動し、楼蘭は自然に国が分解し、滅亡に至ったのは、21世紀の学者達の見解とも一致する。

 

「おそらく、我々の知らないオアシス都市も多数があり、水が干上がったりして放棄され、砂に埋れていったのでしょう。23世紀の科学を以てしても、全容の解明には至っていないようなので、学者は食うのに困らんでしょう」

 

玄奘三蔵の度はシルクロードを辿る旅でもあったため、のび太達は小学生時代の時点で、その歴史に触れていたことになる。

 

「その後に、アラビランナイトにまつわる冒険もしましたから、一応ですが、その時代の世界都市に足を踏み入れてます」

 

のび太たちは二つの冒険で、最盛期の長安とバグダッドを目の当たりにした。その当時、人口が100万人に達していた都市は数えるほどであった(ちなみに、その時代の日本の都であった『平城京』や『平安京』の人口は10万から17万ほどである)ので、如何に直近の数百年で人口が増えたかがわかる。

 

「ノビスケには大まかには伝えてありますが、自分で調べたほうが勉強になると思っています。私自身、大人になるにつれ、苦労の方が多かったもので」

 

「ご子息は今頃、資料と格闘してるでしょう。ところで、そちらの状況は?」

 

「私が戻った日に作戦会議がありまして、近々、大攻勢の見込みです。連合軍の要請した兵器が届き、一定の訓練が完了するのを待っていたので」

 

のび太が『プリキュア5の世界』にまた戻った日、連合軍の要請していた各種兵器が届けられ、兵たちの訓練が開始されていた。短期促成だが、戦時下での訓練はどうしても、平時のようにはいかないのである。それは比較的に戦況が安定していた『1942年から1943年前半迄の日本軍の航空兵』や、『一年戦争の前半のジオン兵』にも当てはまる。連合軍はプリキュア5の世界の解放を目指し、攻勢をかける腹積もりである。表向きは『映画撮影』を称しての活動なので、砲兵による射撃に制限があったが、攻勢の際には制限を撤廃する。海底軍艦『廻天』の投入も確定している。だが、敵にも海底軍艦『インペロ』の存在があり、陸では改良された『ヤークトティーガー』や『ヤークトパンター』が粘るなど、不安要素も大きい。MSは64Fの力で対処できるものの、組織全体としての戦略は読めない。敵側の仮面ライダーである三号は『平均的な仮面ライダーに倍する能力を有する』ため、プリキュア達の攻勢をもたやすく退けられる。

 

「敵側が敢えて生み出した仮面ライダーである『三号』ですが、並の仮面ライダーでは足止めも困難です。七人ライダーを以てしても、既にアマゾンライダーが負傷し、二号は重傷を負わされたとのことです。奴は神出鬼没です。私が戻るタイミングを見計らい、司令部を急襲したようです。中々に考える……」

 

のび太が自宅に戻っている間、仮面ライダー三号による連合軍の中枢部への奇襲があり、七人ライダーとRXが応戦したが、アマゾンライダーが負傷、二号は療養を強いられるほどの重傷を負わされる被害が生じた。三号のライダーキックは二号の最強技『ライダー卍キック』に真っ向から打ち勝ち、二号の胸部装甲をそのまま穿った。二号はパットンとブラッドレーを命がけで守ったものの、自身はボディにかなりの修理を要するほどの重傷を負い、療養を余儀なくされた。ライダー達の懸命の防戦に加勢しようとした『プリキュア5の世界のプリキュア』達だが、当のライダー達に『無謀』と止められる有様で、これ以上ないほどに無力感を味わされていた。二号は歴戦の勇士だが、その二号を上回る能力でノックアウトに追いやり、全てのライダーでも最強と名高いRXと互角に持ち込み、歴代屈指の敏捷性で鳴らすアマゾンライダーをもねじ伏せる速度を見せるなど、その能力を誇示した。黒江とストロンガーの『ダブル稲妻キック』で撃退に追い込めたものの、仮面ライダー全体のサブリーダー格たる二号があっさりと退けられ、アマゾンライダーも負傷した事は衝撃であり、偶々、ヒーローユニオンの経営会議と道場運営の確認のために、21世紀世界へ戻っていた一号ライダーはその知らせに衝撃を受け、ヒーローユニオンの幹部格(ビックワン、アカレンジャー、ギャバンなど)による緊急会議を召集した。ブライアンと出会った日から二日後のことだ。

 

「襲撃は退けたとの事ですが、かなりの代償を払いました。攻勢はその事への報復も兼ねていると」

 

「敵の仮面ライダーをこの際だから、と?」

 

「ええ…。ヒーローユニオンにも援軍を依頼しているとの事です」

 

連合軍は仮面ライダー三号の現地司令部の襲撃への報復を求める兵たちの声に応じ、大規模攻勢へ動いた。七人ライダーの中でも経験豊富な二号ライダーがノックアウトされた事への衝撃が大きいことを物語っている。プリキュア達のうち、キュアハートとキュアラブリーも三号と戦ったが、最強フォームを以てしても圧倒され、キュアラブリーは『ライダー放電』の超高圧電流の餌食になり、ノックアウトの憂き目に遭っているなど、三号相手の力不足を露呈している。最強フォームになれる力を持つ歴代のリーダー格が為す術もないので、『プリキュア5の世界』のプリキュア達が戦える相手ではない。複数のライダー相手に優勢に立ち回れる相手では、最強フォームのピンクプリキュアでさえ、現役時代そのままの能力では足手まといになってしまうのだ。

 

「そんな状況で攻勢を?」

 

「仕方ありません。いつまでも膠着状態のままではいられませんからね」

 

組織に事情があるように、連合軍にも異世界に遠征しているが故の事情が色々とある。のび太もその事情故に、息子のノビスケの面倒を人任せにする事は心苦しく思っているが、成人後はそういう裏の仕事で副収入を得ているのも事実である。

 

「あなた方には今しばらくのご迷惑をかけますが、息子をよろしくお願いいたします」

 

「分かりました。ご子息は私達が責任を持って養育致しますので、ご安心ください」

 

エアグルーヴはのび太へその事を約束する。彼女自身も、母親のダイナカールが自分を生んだ時は未だ現役の座にあり、度々、家を開けていた経験を持つからか、子供に優しい一面を持つからだ。

(生徒会長に立候補した経験も持つが、堅物な性格が災いし、ルドルフからの世代交代は成らなかった。だが、ルドルフが敗者であり、敵といえた自分を副会長に抜擢したことに感動。現在に至るまで心酔している。名家の出であるので、言葉づかいに堅苦しさがあるが、基本的に誠実な人柄であるので、後輩達に慕われている。メジロドーベル、ダイワスカーレットなどがその代表である)

 

のび太へ気遣いを見せつつ、ノビスケの頑張りを評価する彼女であるが、厳しくも、誠実な彼女の接し方により、ノビスケのきかん坊ぶりに歯止めがかかり始めるきっかけを担う事になる。

 

 

 

 

 

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