――扶桑皇国は日本帝国と似て非なる国である。その事は織田信長の天下統一、中華帝国の完全滅亡による『気質の違い』が証明している。カールスラントの衰退を目の辺りにした扶桑は日本に『自分たちは大日本帝国ではない』事をアピールすることで、なんとか軍事力の保持に成功した。かなりの分野で史実の米軍機に変えざるを得ないものも多かった航空機分野、国産の系譜が維持されつつも、支援車両の保有で揉めた戦闘車両。砲熕型大型戦闘艦艇の保有で紛糾した海軍といった問題もあった――
――海軍は後方支援艦艇の充実に傾倒させられたため、今度は逆に、新式の戦闘艦艇が不足してしまう有様だった。魔女の世界では、駆逐艦や巡洋艦は『的』として忌避され、戦艦が高人気の艦艇であった。だが、制空権の確保なしには活動ができないので、急速に価値を落としていたのも事実であった。だが、戦後期に発達した防空システムやミサイル兵器などの実装が大型戦闘艦艇に力を与えた。中型以下では実現できない搭載量を確保でき、攻撃からの生存率も高い。日本連邦は象徴を欲しがっていたため、大和型とその派生型はその用途にちょうど良かったわけだが、流石に『50万トン級戦艦』がリファインされて産まれるとは思ってもなかったのが本音であった。海軍はこのように、恩恵がすぐに受けられたが、陸軍は人員整理と装備の廃棄がダイ・アナザー・デイや太平洋戦争と重なり、装備更新が遅延を重ねる有様であり、一握りの超人が戦線の要となる状態が続いた――
――シンフォギア装者達は多くの世界のうち、一つの世界の彼女らが『海千山千の次元世界』に放り出される形になった。聖闘士の介入で『元の世界の騒乱が収まり、元の世界で使うことがなくなった』ためで、その世界の政争から装者らを守るため、異世界行きを押し進めた風鳴弦十郎。ただし、止むに止まれぬ事情を持つ者が複数ある。立花響はプリキュア因子の覚醒は後にあれど、異世界行きの原動力は『行方不明』になった父親の捜索である。 暁切歌は自らの過ちにより、死刑執行はどうやっても避けられなかったため、表向きは『死刑が執行された』という体裁で死人扱いになり、極秘に聖闘士世界へ渡り、聖闘士になった。月読調はSONGを自分の意志で脱退し、ドラえもん世界に移住。そこで野比家に居候する事になり、のび太の成人後は正式にハウスキーパーとなり、野比家に仕える身になる。ダイ・アナザー・デイに参戦したのは、『2010年代後半の時間軸の彼女』である。マリア・カデンツァヴナ・イヴは黒江に協力していたためと、切歌のような大罪は犯していなかったのと、夭折した実妹などの件で酌量の余地が認められたため、服役だけで済んだ。以後は雪音クリス共々、潤滑油的なポジションに落ち着き、ダイ・アナザー・デイにも参戦した。とはいえ、理すら異なる世界での戦闘は装者らには至難の業であった。ガングニールのフルポテンシャルが出ないことに、立花響が悩んだのがその証左であった――
――その謎の一端が解けたのは、魔女の世界で1949年の晩春頃。シンフォギア世界でガングニールが絶対的であった理由は『ガングニールがロンギヌスを内包している存在だから』というもの。ロンギヌスがグングニルと別個に存在する世界では、グングニルとロンギヌスの力が明確に分離してしまい、グングニル単体の力に依存する結果になるのだ。グングニルそのものは必殺の槍ではないため、響が望む結果を得られない事のほうが当たり前になっていた。だが、自分の拠り所であったため、情緒不安定に陥る事が多々あり、周囲を振り回した事もある。しかし、その想いの強さがプリキュア因子に影響を及ぼし、結果的に『現役時代のアイテム無しでの単独変身が可能な状態』でキュアグレースに覚醒した。その力を受け入れた後は、双方の特徴が混じり合うようになり、キュアグレースの状態で『突進力』が発揮される、シンフォギアを纏った状態で浄化を可能とするなど、中々に強化された状態となっていた。これはガングニールがプリキュア因子を取り込み、立花響の装者としての特性が双方の力を強引に一つにしたためであり、ドリームたちを見てきたことで、プリキュアの力を受け入れたためでもあった――
「とはいえ……私、前世みたいに『病弱』属性ないんだよねぇ」
「良いんだって。あたしなんて、前世が教師だったけど、今は職業軍人なんだよ?」
「あんた、よく受け入れたな?」
「素体になった子への罪滅ぼしでもあるからね。その子の立場を奪った形になったから、その償いはきちんとしようと思ったんだ」
のぞみは(ナリタブライアンの体を借りているため)メールで響&クリスとやりとりを交わしていた。のぞみの学生時代はガラケーの全盛期であったが、成人後はスマホを使っていたため、転生後の現在は双方に対応できる。
「今は長期休暇で、体を『貸してる状態』でさ」
「貸してる……って、いいのか?」
「先方が相当に悩んでたからね。精神を入れ替えるだけだから、能力はそのまま。後輩に、妖精と心が入れ替わって、その状態で妖精が戦った子がいるって聞いてたから、すんなりとね」
「つまり、あんたらの能力は個人の魂や存在に紐づけされていないわけか?」
「まぁ、プリキュアは本当は『チーム内での代替わりがある』仕組みだからね。変身アイテムを持ってれば、変身できるよ」
キュアパインの事例を知っているため、のぞみはそのあたりに関しては気にしていない様子を見せた。
「本当はだって?歯切れわりぃな」
「ややこしいんだよ、その辺」
のぞみは久しぶりにフリック入力でメールを打つ。ブライアンの体も慣れていたためか、元よりも速い速度で入力できていた。自分の体はナリタブライアンが使っている状態が続いている。ブライアンにはエアグルーヴと違う『仕事』があるからだった。
「のぞみさん、私がプリキュアになるのを受け入れたもう一つの理由だけど、お父さんを探すためなんだ」
「ああ、先輩から聞いたよ。あなたがノイズ災害から助かったことで、職場から居場所が無くなって、家庭をほっぽり出して蒸発したとか?」
「うん。子供の頃は本当に『いいお父さんだった』んだ。だけど、私が助かったことで職場で居場所を奪われてね」
「それだけで?」
「その時のノイズ災害で亡くなった人の中に、お父さんの勤めてた会社の偉い人の令嬢がいたんだよ。それと、日本政府はノイズ災害を口外しないようにしてたから、ね」
「先輩の話だと、その時に極小の次元震が起こってるようでね。あなたのお父さんはそれに巻き込まれたっぽいよ」
「本当!?」
「なのはに時空管理局のデータを調べさせたから、間違いないよ」
「それで、どうなんだ?」
「調ちゃんや先輩の例は幸運なほうで、別人として再構築される可能性も多いんだって。普通は次元の狭間に落ち込んだ時点で、その人の体感時間も止まるから」
響の父は史実で和解するタイミングの前に姿を消してしまったため、シンフォギア世界では行方不明者として扱われ、彼の妻(響の母)は死亡届を出そうかというくらいに関係は冷え切っていた。響が正式に異世界への旅をしようと考えたのは、父を探すためであった。
「そうなると、どうなるの?」
「調ちゃんの例を考えると、容姿からして、別人になるよ。記憶が保持されている方が本当は少ないらしい。会ったとしても、あなたを家族だとわかるかどうか」
「そんな……」
異世界への転移は時空管理局や地球連邦でさえ、その仕組みの全容解明には至っていない。聖域が存在し、サムライトルーパーまでも存在したのであれば……と聞かされていたのぞみは一つの可能性に触れる。
「もしかしたら、運命の女神の気まぐれか、神罰で別人にされて、どこかで戦う宿命を背負わされたかもね……」
「待って、聖闘士やサムライトルーパー以外に、そんな事の受け皿になる存在があるっていうの……」
「最後の一つが未確認なんだ」
のぞみも確証はないようだが、次元世界には少なくとも、あと一つは異能の発揮の媒介として『アーマーを身に纏って戦う』形を取る存在がいると思われる。聖闘士は西洋的で、サムライトルーパーは日本の鎧兜であった。では、あと一つは何か?仮説の範囲であるが、日本以外のアジア地域の神話や密教を基にした何かがあっても不思議ではないと考えられている。
「待ってくれ。神様か何か知らねぇが、そんなに神話をもとにした鎧を造って、軍団を持つもんか?」
「オリンポス十二神やオーディーンは普通に持ってるし、何かの神話や宗教を媒介にした軍団を手足にしての聖戦には、西洋も東洋もないよ」
海闘士、神闘士、狂戦士などは聖闘士世界にあるが、西洋の神々以外の神、たとえば、仏教やインド神話などの神々が別個に存在し、それらの価値観で成立する別の異世界を本拠としている事もありえるわけである。運命の神々が彼を再構築し、そこに送り込む事もありえる。
「運命の神々は目についた者に意地悪をしがちだから、あなたのお父さんに何かの罰を課したのは充分に考えられる」
「罰……?」
「そう。家族をほっぽらかした罰を。あなたの家は崩壊状態に陥ったのに、子供を守ろうとしなかった。その神罰が降ったと思う」
「なんで、お父さんなの、のぞみさん」
「あなたのお父さんには何かがあった。彼女達の眼鏡に適う何かがね。気まぐれな神様だから、目についた者に何をもたらすかはわからない。ゼウスは言ったそうだよ」
運命の神々。運命の神々は女神である。のび太は彼女達と出会った際に取引を交わし、転生の道を選べたが、それはのび太が特別な存在だからである。彼女らは意地悪な神だと、ゼウスは言う。その気まぐれで『夢が泡と消えた』者の一人がトウカイテイオーであり、ナリタブライアンである。テイオーは三冠と無敗への夢を、ブライアンは姉とのレースでの真剣勝負と『栄光に彩られた日々』を理不尽なまでに奪われた。のぞみ自身も前世で被害に遭ったため、運命の女神らをぶん殴りたいと公言し、ゼウスを困惑させている。ZEROの力を得たので、『神様に喧嘩を売れる権利が物理的にある』状態だからか、ZEROとの融合の影響か、神相手でも遠慮が無くなったようだ。
「あんた、神様に物申す気か?」
「やりたいことは山ほどあるからね。前世に弄んでくれたお礼参りは考えてる」
「今のあんたじゃ、洒落になんねーって…」
クリスは苦言を呈する。実際、ZEROとの融合後においては、プリキュアのコスチュームの胸のリボンを放射板代わりにしての『ファイヤーブラスター』や『カイザーノヴァ』さえも可能になっており、マジンカイザーにゲッター線が関わった影響か、『ストナーサンシャイン』と『真シャインスパーク』さえも撃てるのである。後輩たちは口を『チート』と揃えるが、草薙流古武術と組み合わせれば、炎使いとしての属性を強める。生前の属性と異なるが、それはりんへの強き想い、さらに言えば、錦への贖罪意識がそうさせたのである。のぞみはメールでのやりとりであるが、運命の神々へ抗う権利を持ったっていいじゃん?な思考に至った事を垣間見せたのである。
――ナリタブライアン。彼女もまた、運命の神々の気まぐれで、運命が暗転した一人。前世(競走馬としての記憶)の記憶の覚醒で、やり場のない闘争心が滾るようになり、そのはけ口に『プリキュアの仕事』を選んだのである。とはいえ、状況自体はかなり切羽詰まっている。遠征軍からの緊急連絡で、一文字隼人が黒井響一郎に叩きのめされてしまった事が判明したからだ。そのため、ブライアンはすぐに元に戻る機会を失った――
――ヒーローユニオン社屋内の治療施設――
「お前が敗れるとは……一文字…」
「スマンな、本郷……。だが、子供達と司令部の要人は守ったぞ」
包帯グルグル巻きの頭と、入院着を着用した痛々しい姿の一文字隼人。7人ライダーとRXらで三号を迎え撃ったが、三号は彼らを更に圧倒、加勢したキュアハートとキュアラブリー(共に最強フォーム)を物ともせず、一文字渾身の卍キックも三号には通じず、ボディの各所にかなりの傷を負わされ、複眼にはヒビが入っていた。
「一文字さんのボディはかなり傷ついている。再改造をするしかないだろう」
「本当か、ジロー」
本郷がハワイから呼び寄せた人造人間キカイダー兄弟の弟『ジロー/キカイダー』。彼は担ぎ込まれてきた一文字隼人の体の機械部品の損傷の応急処置を施し、一文字を救った。だが、機械の部分(特に胸部)の損傷がひどく、変身機能に異常が出ているといい、応急処置ではどうにもならないレベルで内部が損傷してしまったと診断した。
「ああ。かなり迷ったんだが、一文字さん。あなたを仮面ライダーであり続けさせるには、再改造で内部に手を加えるしか方法がない」
「待ってくれ、ジロー。自己修復でどうにもできないのか?」
「その限度を超えてしまっているんですよ、一文字さん」
「うぅむ……」
「お前は元々、俺より改造箇所が多かったのは承知している。だが、お前の力を必要とする者がいるんだ、一文字」
一文字隼人は自己修復でどうにかしたかったが、その限度を超えた損傷であったため、止むに止まれず、機械化率のアップ(再改造による改造箇所の増加)による修復手術を選ぶしかなかった。施術は本郷猛とジローが行う運びとなった。ジローはアンドロイドであるので、正確な作業がこなせるからだ。
「分かった……」
「…すまん。図面は俺が自分自身に課した施術のそれを使う。かなりの時間がかかるが、その分、奴と互角に戦えるはずだ」
黒井響一郎の能力はまさに『ホッパー殺しのホッパー』とも言うべきレベルであり、単なるショッカーライダーではない存在。黒江が聖闘士になっても動じないほどで、最強フォームのプリキュアを赤子の手をひねるように倒した。そんな相手から、B世界ののぞみたちやパットン、ブラッドレーを守り抜いた一文字隼人は勇者である。
「奴は……女子供でも無慈悲に殺そうとした。だが、どこかで迷いがあるようだった。綾香ちゃんと対峙した時、どこか哀しげな態度だったぞ」
「むぅ…奴は黒井響一郎といったな?」
「ああ。そう名乗った」
「調べてみよう。奴がゲルショッカーの存在した世界線の存在で、俺達と同世代のレーサーなら、俺達に近い世界線のカーレースのレーサーに該当する男がいるかもしれん」
そう。黒井響一郎はゲルショッカーやダブルライダーの存在した世界の一つで生み出された第三の男。黒江やプリキュアのような『戦う女』に嫌悪感を示すことから、ジェンダー関連の価値観は1970年代前半時点で止まっている事がうかがえる。また、黒江が自身に敵意を持つのを『転生をしてまで、俺を追うのは結構なことだが……』というなど、不可解な言動も見せたという。自身が失った家族(妻子)の事を思い出すのか?とアマゾンライダーが指摘したところ、肯定も否定もしなかった。(その次の瞬間に、アマゾンライダーの右腕をへし折ったが)
「奴には可愛い盛りの娘がいたんじゃないか?」
「どういう事だ、一文字」
「俺の推測だが、奴は1972年の時点で妻子がいて、その妻子をゲルショッカーに殺され、嘘を吹き込まれてホッパータイプになり、その世界の俺たちを倒した。だが、ヤツの体には真なる目的が…みたいな?」
「村雨のような『器』だと?」
「あの能力は改造された時期からは異常だ。V3は愚か、ストロンガーをも超えている」
三号の力はV3やストロンガーと言った、後発のはずの改造人間をも超えており、キックの時に紫電の光が奔ることから、一文字は『ホッパータイプの皮を被ったゼクロスタイプ』と推測した。それならば、X、アマゾン、ストロンガーを含めたメンバーが圧倒されるのも当然だ。二号は得意の柔術や空手で対抗したが、三号の加速装置併用の攻撃には対処できず、B世界ののぞみたちの目の前で、胸を貫かれた。その際に仮面越しに吐血したが、それでも倒れず、無傷で守り抜いた。目の傷は業を煮やした三号のめった打ちで負ったものだ。
「色男が台無しだったぜ、俺」
「よくやってくれた。礼を言うぞ、一文字……俺の留守中……」
二号ライダーの不屈の姿は『かくあるべき英雄の姿』、『古式ゆかしい男の背中』を存分に表すものだった。三号はそんな二号を『見事なものだ』と称賛した。三号が去った後、二号の変身が解け、その場に倒れ伏したわけだが、命をかけてまで、自分たちを守ろうと奮闘してくれた彼に、B世界ののぞみはかける言葉がなかったという。また、A世界の自分達が身を置く場がどんなものかを理解し、体の震えが止まらなかったという。
「これで、あの子らも理解しただろうな」
「ああ。あの二人(キュアアクアとキュアミント)はそれを承知の上で加わったからな。ある意味では肝が据わっている…いや、俺たちのような超常に慣れてしまっているのだろうな」
アクアとミントの二人はB世界の出身だが、のぞみAのために、戦線に加わった。B世界ののぞみはそれがなぜなのかわからずに苦悩していたが、別世界の自分が引き込まれたモノの重大さを、二号ライダーの姿で理解したのだ。
「向こうののぞみちゃんは……戦いを選ぶと思うか?」
「お前がそうまでして守った事の意味に悩むだろう。特に、最強フォームになっていた後輩達が手もなく捻られたことで、戦う意思は消えていたはずだ……」
「その子もプリキュアなら、一文字さんの行為を無駄にはしないと思いますよ」
「会話がうまくなったな、ジロー」
「長年生きていれば、ね」
ジローは現役時代よりウィットに富んだ会話を見せる。長年の稼働で人間味が増したというべきか。ほぼ完全な良心回路を埋め込まれた兄のイチローに残っている『人間らしさの若干の薄さ』を考えると、ジローのほうがイチロー(キカイダー01)より人造人間としての完成度で上回る事がわかる。
「そういえば、ビジンダーはどうした?」
「ビジンダーはグアムの守護についています。イチロー兄さんは直に、マシーンで日本につく頃です」
「お前ら、マシーンで入国したのか?」
「変身していれば、活動の一環ということで、審査をパスできますからね」
「お前らも考えたな?」
「いくら外見を変えても、X線検査で機械とバレたら、学園都市の何かと間違えられますからね。それで、飛行機に乗れないんですよ」
ジローのぶっちゃけに、二人は苦笑する。とはいえ、キカイダー兄弟にとっては切実なことである。彼らの知名度は仮面ライダーらには劣るし、変身していても、若い警察官に職務質問され、その上司に平謝りされた事もあるらしく、ずっとハワイにいた(光明寺博士一家はハワイへ移住した)ための知名度の低下に兄弟で驚いたらしい。仮面ライダーはどこに行っても『日本の英雄』だが、キカイダーはハワイでの隠棲生活が仇となり、些かの知名度の低下は否めない。一文字隼人は怪我の身だが、現役時代と同じく、ガッツを見せる。その姿がやせ我慢だと、本郷は理解している。だが、一文字隼人は『演じる事も英雄の勤め』と公言し、自身の道化性に気づいている。フリーのジャーナリストであり、カメラマンの本職ゆえだろう。自身にはないものを持つ一文字が羨ましいらしい本郷。彼は一文字を改造人間として蘇らせる事を誓うのだった。