ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第四百四十話「ナリタブライアンの選んだ道、そして、世界情勢」

――扶桑陸軍は日本からの干渉で製造の遅れている戦闘車両よりも、人型兵器に傾倒し始めた。日本はこれに慌て、74式の製造促進と、10式の製造承認を認めた。日本の当局者は『九七式が最新の時代に、戦後型が製造できるとは……』と言い訳しまくったが、時既に遅し。扶桑陸軍はコンバットアーマー、MSに傾倒し始めていた。機動戦闘車がダイ・アナザー・デイで思わぬ損害を被ったのも、日本には予定外であった。ドローン兵器がM粒子で役に立たなくなっていることも痛手となった。偵察としても使えないので、旧式になった彩雲を退役させられない事を意味するからだ。日本連邦では予算の都合で、こうした予定外は日常茶飯事であった。そういうわけで、陸戦兵器は少なからずが人型兵器に置き換えられ、空戦兵器は新旧が入り混じる状態となった。絶対的な物量が確保できない扶桑の軍隊にとっては、兵器と人員の質は死活問題であった。――

 

 

 

 

 

――仮面ライダー三号の異常な強さの秘密とは何か?ほぼ同系統の改造人間である二号を圧倒し、より後発のライダーにすら優位に立てる能力は『1973年の時点の改造技術ではもたせられない』はずである。ヒーローユニオンはその謎を探っている。敢えて、『仇敵たる仮面ライダーの名を冠して製造させた第三世代型のホッパータイプ』であるが、新一号やV3をも超える能力を持たせる事は1973年当時の改造技術では不可能なはずである――

 

――ヒーローユニオン本社――

 

「三号は明らかに、改造された時期にしては強すぎる。二号、X、アマゾン、ストロンガーが止めきれんとは」

 

海城剛(アカレンジャー)は深刻な表情だ。仮面ライダーの中でも伝説級の四人を相手に優位に立ち、再改造後のXライダーよりも加速装置の性能で上に立つという事は、並の戦隊の人員やライダーでは対処はままならない事を意味するからだ。

 

「組織の資料によれば、ホッパー型のバージョンⅢという触れ込みで開発が始まり、セカンドステージとして日の目を見た。つまり、Xやストロンガーの改造時よりも後の技術で完成させた可能性ありだ」

 

「ムゥ……。セカンドステージ、か…」

 

本郷も深刻な表情で、番場壮吉の説明を聞く。ただし、三号の高能力は『最終型の原子反応炉』に依存する面があるため、より次世代の技術である、核融合反応炉を持つZXには劣るという。なお、ネオ一号は基礎アーキテクチャが更に後の世代(ゼクロスの世代)のものに刷新され、タキオン粒子の過給器が追加された都合で『ゴツい姿』となったが、キャストオフで軽装に移行する機能もあり、そちらは旧一号風のカラーリングのボディとなる。二号もそれに準じた再改造を施される手筈だ。

 

「みんな、聞いてくれ。俺は一文字の再改造をジローと共にするが、実は風見…V3にも同様の構想を前々から抱いていた」

 

「風見くんにもか?」

 

「風見の人工心臓はありあわせのものを流用したからな。いずれは取り替えなくてはならないだろうと思っていた。この際だ。組織から奪った『本来のV3』の設計を流用し、機能追加する」

 

ショッカーライダーV3の設計は本郷の手に渡っており、カラーリングの変更と独自改良で『オリジナルのV3のパワーアップにできないか』と模索しており、三号の存在が決め手となったようだ。

 

「ジローを呼んだのは、そのためか?」

 

「いや、もう一つある。ハカイダーだよ」

 

「ハカイダーだと!?」

 

ハカイダーは元々、ダークが作ったロボットだが、01の時代に、別の暗黒組織『シャドウ』がハカイダーを修理するために解析した関係でその構造は解析されており、量産型の構想があった。組織はオリジナルのハカイダーを黄泉の国から呼び戻した一方で、かつての四人衆の後継である『量産型ハカイダー』を新規に製造していた。

 

「かつてのギルハカイダーが色違いの子分を連れていたろう?その後継ぎになる量産型が確認されたのだ。カラーリングもかつての子分達に準じている」

 

「キカイダー達がハワイで復活したのは?」

 

「その暗黒エネルギーを感知したからだ」

 

本郷は明確に、量産型ハカイダーの活動で、キカイダー兄弟が復活し、その彼らがグアムの光明寺博士の別邸に安置されていたビジンダーを眠りから覚ました事を告げた。

 

「敵はシャドウやダークの残党も?」

 

「いや、それだけじゃない。ファントム軍団やデスパー軍団の残党も取り込んだ」

 

「イナズマンの敵じゃないか」

 

「すでに彼はミャンマーで戦っている」

 

悪の組織は実のところ、残党も数多く存在しており、プロフェッサー・ギルのダーク、ビックシャドウの『シャドウ』はキカイダー三人衆との交戦を免れた海外支部が、デスパー軍団やファントム軍団は組織の末端部が未だに活動していた。本郷の口から、デスパー軍団とファントム軍団はミャンマーを根城に、残党として活動し、バダンのネットワークに加入していた事が明確に語られた。

 

「我々は後手後手だな、本郷」

 

海城は本音を漏らす。

 

「奴らは法的な縛りがない分、離散集合も容易だ。俺たちという共通の敵もいる」

 

「ズバットが言っていたな、悪に国境などないと」

 

番場も同じ趣旨の一言である。快傑ズバットが言ったという『悪に国境はない』。ヒーローユニオンは悪の組織と違い、一応は法の縛りを受ける立場である。そのため、大規模行動には当局の承認が形式上とはいえ、必要である。これは機動刑事ジバンの対バイオロン法の反省によるもので、レスキューポリスが解散した直後、正木俊介の後任となった警視総監が構想していた組織の構想を当てはめ、警備会社の体を取らせたのだ。

 

「我々のこの組織は正木俊介氏の後継ぎであった者が、2000年代に『レスキューポリスに代わる組織』として構想していたモノの具現化のようなもの。後手後手に回るのは、当局も想定している」

 

番場壮吉はその事を知っている。特捜エクシードラフトの責任者であった『桂木重吉』(警視総監としては、正木俊介の前任)から聞かされていたからだ。彼いわく、自分と正木の後任(警察学校での正木の後輩)となった男も『学園都市の出身者の犯罪にも対応できる新組織』の必要性を感じており、レスキューポリスの後継組織の設立を説いたが、正木俊介や桂木重吉の政治力で成立していた面も大きいレスキューポリスの後継枠は(不景気な時代になっていた事もあり)無くなってしまった。だが、後年に学園都市の自治体としての解体を勢いでしたことで、治安の悪化を招き、ススキヶ原周辺は無法地帯化。2000年代前期頃の正木俊介らの退官で日本警察には、レスキューポリスのような組織を官の主導で作れる組織力は失われていた。ヒーローユニオンはその構想をヒーロー達自らが『民間の警備会社』という体裁で実現させたもの。特例が許される立場だが、一応は法に縛られる。故に、本郷達は難しい舵取りを強いられるわけだ。これは機動刑事ジバンの『対バイオロン法』が超弩級のインパクトを与えたからである。(緊急の立法とはいえ、対バイオロン法を要約すれば『機動刑事ジバンが何をやっても許される法律』であったので、凄まじい衝撃が法務局を襲ったのは言うまでもない)

 

 

「だから、あの子に持たせたのか?」

 

「ダイ・アナザー・デイの際に見つけたもので、所有権はこちらに移っている。我々の手土産ということだよ、本郷」

 

番場壮吉は休暇を終えたキュアドリームに『ヒーローユニオンからの手土産』を持たせたようだ。そのブツが何か、本郷と海城は分かったようで、苦笑するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ナリタブライアンは自身の闘争心のはけ口を求めていたが、自分の体は長期の調整が未だ必要な状態であるのと、協会からの通達との兼ね合いで、自分の体を荒事の解決で用いるのは困難になったため、キュアドリームの体を借りることにし、その状態で遠征に加わることになった。精神を入れ替えているのみであるので、ブライアンはドリームの全能力を扱える状態である。元々、役職にほとんど無頓着であったので、『元の姿で働けないか?』と打診したが、ブライアンは前世が『90年代のクラシック三冠馬』であり、名が知られすぎているとして却下。そのため、キュアドリームとして参加するという裏技で従軍することになった。ゴルシがお目付け役ということで、『キュアビートの肉体を借りてついてくる』事になったが、これはブライアンの監視を名目にしての、ゴルシの気遣いである――

 

 

「ゴルシ。なぜだ。お前まで、私の下らん余興に付き合う必要はないぞ?」

 

「お前の監視もあるが、お目付け役は必要だからな。マックイーンも誘ったが、あいつはテイオーの生徒会長への就任の事務の手伝いがあるし、タイシンはぼうずの面倒を見るからな」

 

ゴルシはおもしろいことには全力であるが、意外に面倒見が良いことから、ウマ娘世界と連合軍の架け橋となっている側面もあり、ブライアンの面倒を見るため、キュアビート(黒川エレン)の体を借りたのである。そのため、『目つきが怖いキュアドリーム』、『おちゃらけな事をしているキュアビート』という絵面が連絡用のスペースランチの座席にあるわけで、同乗の自衛官らの笑いを誘っている。

 

「ゴルシさん、なんでその体を?」

 

「魂の相性の問題もあるが、あたしの要求に応えられる柔軟性を持ってるプリキュアがコイツだったんだよ。メルトランディのエリートが素体だから、プリキュアでなくても、あたしの要求についてこれるし」

 

キュアビート/黒川エレンはクラン・クランに転生しており、メルトランディの若きエース格であった。ウマ娘としても高い能力を持つゴールドシップの求める水準に素で追従できる体を持つため、ゴルシは入れ替わってもらったのだ。

 

「よくOKしましたね」

 

「まぁ、向こうも向こうで、たまには戦いから離れたいようだったしな。メルトランディと言ったって、年頃の女だもんな」

 

「文化に感化されてますねぇ、戦後のメルトランディ」

 

「そりゃ、和解した後に生まれた世代だからな、コイツ。プリキュアの前世持ちだから、その影響も出てたんだろうな」

 

ゴルシはキュアビートの立場を演じることになる。趣味で他人への変装や声真似をしているため、演技力は高い。だが、ブライアンは性格的に正反対に近いキュアドリームであるので、色々と心配されている。

 

「ブライアンさんはどうして、この仕事を?」

 

「抑えきれんからだ、煮えたぎる闘争心を。弟のタニノギムレットみたいに、柵を壊せればよかったんだが、あいにく、副会長の身でもあるしな」

 

ブライアンは『烈火剣』と『剛烈剣』の二振り(四本)の刀を足元に置いている。又借りに当たるが、超弾動双炎斬には必須の武器だ。のぞみ(A)も最近は借りている武器である。

 

「ヒーローユニオンから、色々と重火器を持たせられたが、私が使うわけじゃないからな」

 

そう応えるブライアン。

 

「プリキュアのタブーを破ってますね、思いっきり」

 

「ナチス残党相手に、そういうお役所的事情を気にしていては、生き残れはせん。奴らは大戦中だけで数えきれない人数を地獄に落としたからな」

 

それは事実だ。俗に言う、プリキュアタブーも時代ごとに変わっていくし、キュアサマーのように『ピンクではないカラーリングを掌る、チームの中心戦士』も2020年代からは現れつつある。ブライアンにしてみれば、『のうのうと御託を並べる暇があったら、実力を見せてみろ!』であるが、ブライアンが怪我をした後の衰えぶりから『正視に耐えないから、誰かが引導を渡せ』という批判を浴びる原因になった。サクラローレルが『ブライアンちゃんは獰猛なケモノでなくてはならない』と公言し、引導を渡すことに執念を燃やすなど、ブライアン本人にしてみれば『ドン引き』な状況も生んでいる。

 

「サクラローレルさんに好かれているようですね?」

 

「熱狂的ファンを持ったミュージシャンの気持ちがわかったよ……。ヤツには前世の借りはたしかにあるが、マスコミの報道に影響されてるからな……勝手にロートル扱いはやめてほしいものだ」

 

ブライアンはそういう表現で、サクラローレルの自分への想いを評価しているようだった。ブライアンもたしかに『前世の借りを返したい』が、ローレルほど大げさに考えていない。だが、サクラローレルは『サクラ軍団最後のエース』であると同時に、クラシック三冠馬と同期の間柄に恵まれた点でも、サクラ軍団最後の華であった。(競走馬の歴史でも、ローレルの去った後、サクラの名を冠する競走馬がG1レースに現れる事は2020年代に至っても確認されていない)結果的に、ブライアンの凋落と自分の遅咲きの全盛期が合致したことでブライアンから王座を奪い、僅かな間であるが、『最強の馬』であったサクラローレル。ブライアンはローレルの境遇に同情はするも、その史実に抗い、『最強の座を死守する』という大望を抱いている。プリキュアの代行をするのも、その目標を実現させる大望を果たすためだ。

 

(最も、偉大な姉の宿願を果たす事だけが、その存在意義の全てだったローマンに比べれば、私などは幸せだが)

 

ブライアンの同期には、オグリの年の離れた妹『オグリローマン』がいた。だが、その歩みには『英雄』であった姉の影がつきまとった。偉大な姉の偶像を振り払えず、彼女は『オグリキャップの姉妹』という色眼鏡に苦しみ、いつの間にか、ターフを去ってしまった。それに比べれば、ブライアンはまだ幸せなほうである。(とはいえ、オグリローマンは桜花賞を勝っているが……)

 

 

「話は変わるけど、そっちは大変なんだろ?」

 

「ロシアが学園都市に負けた憂さ晴らしで、お隣のウクライナに攻め込みましたからね。統合戦争の伏線ですよ」

 

「ロシアと中国はこの後もつるむのか」

 

「統括官によれば、統合戦争の枢軸になるそうです。多数がジオン支持派でもあるので、23世紀じゃ、反統合同盟の盟主です」

 

「信じられんな」

 

「地球連邦政府は西側諸国が作ったものですから。東側諸国はシリウスなどの移民星の独立に資金提供しています。最も、シリウスはゲッターエンペラーに潰されたそうですが」

 

シリウス星系は地球連邦政府の打倒を目的に、軍備を整え始めていたが、地球の破滅も辞さない姿勢がゲッターエンペラーの逆鱗に触れ、逆に自分達が絶対的な絶望を味わされ、地球連邦に属し続ける事を選んだ。地球をそこらのモニュメント代わりにする事は許されないのだ。ゲッターエンペラーの存在がそれを証明している。

 

「あんな化け物がいるんじゃ、地球連邦と敵対するのはやめたほうがいいということか」

 

「地球を破壊しようと、移民星の政治家が心の中で考えたら、ジ・エンドですよ。その瞬間に」

 

ゲッターエンペラーは恒星の爆発でも、その装甲に傷一つ負わない強度を誕生時点で持つ。進化を重ねた後には『恒星間文明がすべてを捨てた一撃をぶつけても意味がない』ほどの力に至った。時間軸を無視しての干渉も容易になった上、『エンペラーを見たら、その世界での誕生が確定する』という絶対性もある。自衛官はそれを知っていたのか、未来世界での異星人や移民星の抵抗を『無駄なあがき』とも表現した。

 

「二昔前のSFで、地球は発祥の地以外の価値を無くすと言われていましたが、エンペラーはそれを本気で許さない。さらにいえば、人類を脅かす者は、たとえ地球の意思であろうが、ねじ伏せる。それが皇帝たる所以です」

 

ゲッターエンペラーの力は地球意思の代弁者であるヒーリングアニマルすら、ある世界で『赤子の手をひねるかのように』ねじ伏せるほど。宇宙怪獣ですら『手も足も出ない』ほどの力で宇宙を制圧していくのだ。

 

「それが進化の行く末か……」

 

「動物の進化など、つまるところは淘汰と闘争ですからね。神もそれを望んでいるところが大です。すべては一つの目的のためでしょうね」

 

「目的だと?」

 

「ええ。宇宙の外にいる『神をも超える存在を倒すため』。ゲッターエンペラーも、その過程で生まれた兵器の一つにすぎません」

 

ブライアンはこの時に、自分が首をつっこんだ出来事が『神々の壮大な実験場』だという事を実感した。

 

「最も、ドグラやラ=グースなどという存在も次元世界には確認されています。時空管理局も匙を投げていますよ、それらの対処は」

 

時空管理局の記録には、各世界の伝承を無視したために、自分達が壊滅的損害を負い、撤退した世界もある。それが『空間兵器・ドグラ』のある世界、『ラグース細胞のある世界』の地球である。ゲッターエンペラーはそれらより美しく『安全』な対・時天空兵器。そのような推察はまことしやかに囁かれている。ゲッターエンペラーも進化の過程で『空間支配能力』を得るだろうというのは容易に推察される。

 

「確かに、ラグースやドグラが使われる戦場に魔導師が来ても、赤ん坊も同然だもんな」

 

「それどころか、ドグラに寄生されて、艦隊が全滅したという記録があるそうです。なので、時空管理局は地球系の世界を内心で恐れていたそうです」

 

彼の階級章を見ると、二佐である。彼曰く、時空管理局と日本連邦の交流の一環で、ミッドチルダに駐在していたが、後任との交代で帰国したのだが、今度は遠征軍の幕僚に抜擢されたため、着任するという。彼の口から、時空管理局は『ラ=グース細胞』や『ドグラ』に触れてしまい、『大火傷』を負い、その恐怖心が『質量兵器の禁忌へ走らせたというのだ。

 

「まぁ、ドグラやラ=グースなんてのを見ちまえば、地球が怖くなるのはわかるぜ。だけど、ラ=グースは全宇宙の神々が恐れおののく存在だ。管理局がどうにかできるレベルじゃねーよ。大火傷どころか、熱傷で死ぬレベルだ」

 

ゴルシの指摘は的を射ている。

 

「ええ。『ドグラ』でさえ、空間支配能力を持たぬ者では、なんら為す術がない。管理局は大方、ドグラの封印を解いてしまったんでしょうね」

 

「空間支配能力、か。あいつらは最終的に?」

 

「統括官らはそこを目指しておいでです。一言で言うなら、ドワォですよ」

 

時空管理局の古い記録にあった『空間兵器ドグラ』と『ラ=グース』。インフレが極まる戦いの中でも、その頂点に位置すると思われる存在。しかし、逆に、それ以外であれば、時空管理局は何者も屈服させられるという幻想に取り憑かれたとも言える。M動乱はその幻想から覚まさせるだけでも、充分に意義はあった。ゴルシとブライアンは壮大なスケールに膨らんだ雑談にすっかり聞き入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

――プリキュアも、ウマ娘も目指す場所は運命の克服。そのために、ゲッター線の導きに身を委ねる。ゲッター線は『神々にとって、好ましい兵器を生み出すための装置』である。同時に『進化を望む者』に力と加護をもたらす。ゲッタードラゴンが真ゲッタードラゴン、ゲッター聖ドラゴンを経て、ゲッターエンペラーへ至るように。真ゲッターロボも『神ゲッターロボ』を経て『ゲッター天』に至るという。ゲッター天はどういう存在であるのか?真ゲッターロボが進化したゲッターロボであるという推測がなされており、キュアフローラの危機に際し、たった一度、おなじみの『チェェ――ンジ!ゲッターァァァ・ヌゥァンッ!!』という流竜馬の声と共に現れたという。そのことから、真ゲッターと真ゲッタードラゴンはどこかで融合進化を遂げ、ゲッターエンペラーへ変異し始める事と、竜馬の意思は真ゲッターに宿る事が確定した。キュアフローラの涙に呼応するかのように現れたという証言から、流竜馬の意志で起動した事、真ゲッターの進化らしき事の証拠か、ストナーサンシャインを使用したという。ウマ娘たちにそんな凄まじいエネルギーが何をもたらすのか。

 

(タキオンは私達の種としての宿命として、レースという形での闘争心の発露を背負っているという。なら、前世の記憶が蘇った今、私の成すことは『運命を超える』ことだ。ローレルを負かし、『最強は健在』である事を示すこと。そのためなら、戦神とも契約を結んでやるさ。)

 

ブライアンは『前世の後半生の雪辱を果たすためなら、ゲッター線に魅入られてもいい』という、なりふり構わない姿勢を持つようになった。サクラローレルに引導を渡され、世間の期待に添えられなかった前世のキャリア後半期の因果を断ち切るために、ゲッターエネルギーの持つ神秘性に賭けたのである。すでにウマ娘本来のピーク期は終わっているという自覚も芽生えていたため、最終手段として縋ったのが、ゲッターエネルギーの特性である。ブライアンはそれが叶うのなら、プリキュアとしての戦いを代行していく事も厭わない覚悟であった。何かの分野で『王者』であったが故の苦しみ。それは王座にあった者にしか分からぬものである。サクラローレルもそれを理解している。だからこそ、自分がブライアンのいなくなった後のターフを担う。その点で、ブライアンとサクラローレルは相容れない点がある。サクラローレルは『サクラ軍団最後の雄としての宿命に殉ずる』。ブライアンは『世間の期待に応えられる自分に戻った上で、オグリキャップのような結末を迎えたい』。ベクトルは違えど、『現役最強』の座にこだわる二人。前世からの宿命と運命の星が導く中、ブライアンはそれを超えんと意気込むのだった。

 

 

 

 

 

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