ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。(かなり長めです)


第四百五十四話「道場送り作戦。そしてブライアンとゴルシは」

――デザリアム戦役後、地球は反地球との国交を再開するも、反地球の古代進がアース側の『波動砲の大量生産』に猛抗議をするが、アース側の真田志郎に諭され、あえなく返り討ちに遭う事案が起こり、藤堂軍令部総長の頭痛の種となった。この時に、双方の協定でコスモタイガーの共通戦闘機としての採用、ガイア側の波動砲の使用技術を『タキオン波動収束砲』へ変更する旨が決められた。その過程で、アース側のアンドロメダ級は政治側の判断で退役が予定されたが、それを不服とした軍は64Fへ複数を供与するに至る。はやてはM動乱当時にグレイファントム級を得ていたが、一年戦争後期の建造である改ペガサス級の第一世代型では大型化するMSに対応しきれないので、アンドロメダ級を欲していた――

 

 

 

――世間一般には『悲運の新型戦艦』と渾名されているアンドロメダ。その存在意義は二つの地球ではまるで違っていた。アース側のアンドロメダは『超ヤマト』を目指した『戦後第一世代波動エンジン艦』の目玉。ガイアでは『波動砲の効率的な運用のためのもの』。似て非なるものである。はやては戦略指揮能力を持つアース側のアンドロメダ級を欲したのだが、調に待ったをかけられていた――

 

「A級は愚連隊的な特性の部隊向けじゃないですよ。大規模艦隊戦前提の設計なんで。カイラム級の改良型を薦めますよ」

 

「カイラム級?あのミラーついてる?」

 

「あれは核融合炉の冷却用ですから、機関換装型にはついてないですよ」

 

ヴィックウェリントン社からはやてに送られてきた艦艇のセールスカタログ。それ相手に執務室で格闘し、唸るはやて。『移民星向け』に発行されている、古めかしい紙媒体のものだが、火星などの環境が必ずしも良くない地ではローテクが好まれる。地球連邦軍の艦艇建造の分野では最大手の企業で、ヤシマ重工や南部重工業は提携関係にあり、カタログに自社製品を掲載させてもらっている立場である。近年はサラミスに代わる『クラップ級』、マゼラン級とアイリッシュ級に代わる『カイラム級』を送り出し、ベストセラーだが、南部重工業がえいゆう(ガイア側でいうこんごう型)、ヤマト、アンドロメダ、ドレッドノートで猛追している最中にある。そこに新興のネルガル重工(旧佐世保工廠の払い下げで興った企業)やらが食い込もうとする構図である。ネルガル重工はまだ下請け業者という体裁で、連邦からの興味は得ていない。だが、火星でシェア獲得に成功しつつあるという。

 

「大丈夫?」

 

「ヘリウム3の貯蔵タンク部分とかを格納庫とかの容積拡大に使えるようになったんで、シータタイプも運用できますよ」

 

「あれはなのはの奴と、予備機で充分よ。重装改型(ZZタイプの事)は運用コストが連邦系じゃ最大じゃない?」

 

「イオタタイプの全パーツ積むほうが整備班を泣かせますって」

 

はやては、なのはが『火力重視』でダブルゼータを選んだことに頭を抱えていた。火力は良いのだが、経費がかかるのだ。

 

「フラッシュシステム型は?」

 

「なのはさんにこれ以上のバ火力持たせる気ですか?」

 

「……確かに」

 

「適性はあるようなんで、レオパルトタイプは?機動性も悪くないですし」

 

「考えておくわ」

 

はやてはMSのカタログ(デザリアム戦役後最初の発行。発行がビスト財団から野比財団に変更されている)も片手に持ち、思案する。フェイトはエアマスター系を希望しているというし、はやて自身はフルアーマー系のガンダムを考えているようで、アナハイム・エレクトロニクスが製造可能なフルアーマー系のページにしおりがついていた。

 

「シグナムはのび太が特注のを用意するっていうし……」

 

「アンジュルグですか?」

 

「シグナムに合うと思う?ヴァイサーガのほうよ」

 

のび太は子孫がアナハイム・エレクトロニクスの指導権を得たのを良いことに、自分がキャプテン・ハーロックやクイーンエメラルダスから得た技術の実験を行わせ、自分の趣味のアニメメカを実験的に製造させていた。レイズナーやザカールも、彼の趣味と実益を兼ねた『壮大な実験』である。無論、斬艦刀もその一環で出されたプランの副産物である。

 

「のび太、趣味で色々と遊ばせてるんですよ。斬艦刀もその副産物ですね」

 

「アナハイム・エレクトロニクスの大株主一族の道楽ね」

 

「アナハイム・エレクトロニクスに技術を流す必要はありますけど。30世紀までにああいう類の技術は出揃うそうなんで」

 

「じゃ、ガンダムXも?」

 

「その元になった砲台までが23世紀の技術。小型化は30世紀の技術を入れたそうです」

 

「地球連邦、あれを砲台にしてたの?」

 

「ええ。第二次ネオ・ジオン戦争の後に建造中だった戦闘衛星の主砲が基礎なんですよ、あのサテライトシステムは」

 

「30世紀の技術で砲台をMSの武器にまで小型化して、パワーユニットを外部にすることで割り切ったのね?」

 

「ガンダリウムε無しには、小型化も無理でした。30世紀の冶金技術で仕上げた『レアメタル不要のガンダニュウム』のようなものですから、あれは」

 

「従来のガンダリウムより頑強な理由ね」

 

「ええ。ガンダニュウムの性能をガンダリウムに落とし込んで、性能をもっと強化した軽量合金ですからね。ザクやドムの攻撃くらいなら、バズーカでも無傷だそうで」

 

ガンダリウムεの基礎はグリプス戦役時にあったが、当時の冶金技術では、設計時に想定された用途に耐えられない強度であったために開発が頓挫。だが、ガンダニュウム合金の本格実用化後にプロジェクトが再開され、これまた冶金技術の限界による強度限界が問題になっていたが、30世紀水準の精錬技術が解決した。元々、核パルスを積むための合金を意図されていたが、30世紀の技術であれば、23世紀では解決不能な諸問題をクリアできるのだ。元々の想定用途のため、ビーム兵器への耐性は旧来のガンダリウム合金の比ではない。

 

「元はどういう用途で?」

 

「同名の試作品がエプシィというガンダムに使われたそうなんですが、失敗したそうです。そのリベンジに成功したことになります。物理攻撃への耐性は初期のジャパニウム合金に並んだとか」

 

「どれ?」

 

「たぶん、超合金Zでしょう」

 

ガンダリウム合金の最新型は実のところ、グリプス戦役の時代の失敗作を作り直した代物であった。だが、従来のガンダリウムを凌ぐ特性を持つ上、ガンダニュウム合金のような製造上のネガもないので、ガンダムXやZプルトニウスなどの新世代機や旧来の可変機の強度強化に使われている。特に、脆弱と揶揄されたZ系の構造強度の改善に大きく役立ち、『ちゃんとチャンバラができる』ようにまで引き上げてみせた。また、物理攻撃への耐性を大きく引き上げたため、例として、ザクⅡ最終型の90ミリマシンガンの接射を寄せ付けない(MS装甲用の徹甲弾使用)とのこと。

 

「マジンガーZと同じ強度……残党は驚いたでしょうね」

 

「旧式のヒート・ホークくらいなら、刃が当たっても傷つかないそうですしね」

 

ε合金に傷をつけられるジオン軍の武器は殆どない。ビーム兵器にも耐性があるため、量産品のサーベルでは斬れない。グフ系のヒートサーベルで傷がつく程度である。そのため、必然的に接近を強いられるわけだが、その装甲を持つガンダムXの性能は『新規格のミドルサイズ』ということを考えても傑出しており、ジオンの旧式機では対応が困難であった。

 

「マジンガーZも破損は意外に多くしてたけれど、意外に知られてないのね」

 

「鉄の城って謳い文句だし、関節のジョイントとかを攻撃されない限り、滅多には壊れなかったからですって」

 

マジンガーZやグレートマジンガーも、ゲッターロボも関節のジョイントや腕部などを攻撃され、破損した事は意外に多くあった。ガンダムXのシールドバスターライフルはそれらの例を研究した結果、硬化テクタイト板を重要部に使用しているため、『壊れない』という。

 

「色々と研究してるのね、世の中」

 

「ゲッターロボも、ゲッター3のあの履帯がスリップさせられ、動けなくされた事例があったそうですし、改良はされるもんですよ」

 

ゲッターロボの内、ゲッター3は実のところ、ある世界では、履帯をスリップさせられて行動不能にされたところを攻撃され、巴武蔵の棺桶になってしまった。それをミネルバXは知っている。調もそれを彼女から聞いていたらしい。とはいえ、90万馬力のゲッター3の履帯がスリップさせられる事自体が特殊なケースなのだが。

 

「あれじゃねぇ」

 

「まぁ、レアケースですけど」

 

「ゲッターの履帯で動けなくなるって、想像付かないわね」

 

「ガンタンクもですけど、履帯を突かれると、弱いんですよね」

 

履帯型の移動手段は封じられると、乗り手が動揺してしまう。ある世界での巴武蔵がそれである。とはいえ、武蔵は多くの場合、ゲッター3を棺桶にしたケースはレアで、たいていはベアー号単独か、ゲッター1らしい。

 

「履帯は便利だけど、スリップする時はするものよ。障害者の階段移動に昔は履帯を持つ昇降機が使われてた事もあるけど、階段の段差とかで滑ってたの見た事あるわ」

 

「まぁ、不整地を走るために生まれたから、ゲッター3とかゲッターポセイドンに機能が残されたわけだし、モノは使いようですね」

 

地球連邦も履帯を用いるメカは残している。二足歩行に比べ、整備が楽で、安価という利点もあるので、ガンタンクⅡが開発されたわけだ。特殊部隊用だが、ロトにもタンクモードがあるので、戦車の有効性は否定されていないと言える。ロトは61式戦車の後継も期待されていたが、流石に元々、特殊部隊用の機材であったので、そんな任務は無謀ということで却下。代わりに61式を『デストロイドの補助』という名目で再生産しつつ、M粒子対応型の電子機器に積み替えた改良タイプを製造し始めている。無論、そのモデルを時空管理局が買えるはずはないが。

 

……という内容の検討がされた結果、ミッドチルダの実状を鑑みて『動力の魔導炉への置き換えができるものは置き換える』という『ミッドチルダの産業保護もしつつ、実績のある兵器の導入』がされていった。その辺りはミッドチルダは合理的であった。扶桑海軍航空隊が『自分達の造っていた兵器にかけた時間と労力は何だったんだ!!』という感情論でクーデターを起こし、却って立場を悪くしたのとは対照的であった。ミッドチルダはM動乱で『地球連邦の傘下に収まったが、それなりの身の振り方を習得した』が、扶桑海軍航空隊は『作戦の独自遂行能力を喪失した』。ジェット機『橘花』の一件に対しての制裁でもあった。結局、彼らは橘花の配備を自らの手で完全に断ってしまった結果、彼らの望まぬ『他国機のライセンス生産』が主流になってしまったわけで、そこを指して、時空管理局と比しての身の振り方の下手ぶりが後世の歴史書で強調されていく。

 

 

 

 

――かくして、時空管理局はM動乱から数年後に臨時首都を中心にしての再建の端緒につく。通常兵器の導入も進められ、限られた魔導師に頼らない体制に急速に転換。なのはは『数少ない優秀な魔導師』であったのと、『管理外世界の出身』である事で、新しい執行部に価値を見出されていたため、失態による教導隊からの除名処分を免れた。本人も『お情け』であることを自覚していたため、酒で気を紛らすようになり、半ば依存症になっていた。その治療を兼ねての『道場送り』である――

 

「スバルさん、薬は混入しておいたよ。ママ、酒はグイッといくほうだから、気づかないと思う」

 

「ごめんね。手伝わせて」

 

「フェイトママも手を焼いてたから、なんとかしたくて。なのはママ、エリートから転落したからか、自暴自棄になってるし」

 

「うん。ナノマシンが入ってるから、肝硬変とかになんないのは救いだけど、あれが元のエースオブエースなんて、信じらんないと思うよ」

 

「どういう薬入れたの?」

 

「ミッドで不眠症治療に使われる睡眠導入剤。強めの奴だから、三日は眠ると思う」

 

「なのはさん、麻酔効くほうだからなぁ」

 

ヴィヴィオは七歳を迎えていたが、かつての影響が残っており、外見年齢は史実での九歳相当のものになっている。これはM動乱で埋め込まれていたレリックの破壊の後遺症のようなもので、肉体年齢が二歳ほど元より高い状態になっている。精神年齢も九歳相当になっているので、史実の同じ時期より大人びている。

 

「リョウさんに連絡は入れたよ。後はハヤトさんが手筈を整えるって」

 

「ありがとう、調。これからどうするんです、スバルさん、フェイトママ」

 

「なのはを貨客船に乗せる。そこで酒を飲ませて眠らせる」

 

「あれでもするんですか、フェイトさん。昔のハリウッド映画であった『連れを起こさないでくれ。死ぬほど疲れてる』ってネタ」

 

「そのつもりだ。一番早い高速船だが、景色の遊覧席は取れたからな」

 

ミッドチルダと未来世界との間の運航船は高速船から完全な遊覧船までのバリエーションが就航していた。デザリアム戦役後の再開なので、一番高速な遊覧船の席を取ったという調。もちろん、なのはの名義で、なのはの支払いである。次元航行の観光船はミッドチルダではごく当たり前の移動手段であるので、局員も祝日などに利用している。

 

「ミッドチルダの観光船、未来世界だとどういう規制受けてるの?」

 

「形が飛行機に近いから、空港に降りる扱いだな。地球の基準での着水機能がないからな」

 

「じゃ、向こうじゃ『ジャンボジェット』みたいな扱いですか?」

 

「そういうことだ」

 

「ヴィヴィオ。なのはの荷造りをしてやれ。スバル、調はついてきてもらう。リョウさんに手みやげの一つでも買わんと。倅の拓馬と同居になったから、食費で泣いてるそうだ」

 

竜馬は別時空での実子である『流拓馬』を引き取ったようで、道場で稽古をつけているという。別時空とはいえ、内縁の妻が儲けた子なので、放ってはおけなかったようで、結局は自分が引き取り、不器用ながらも父親をしている。なお、拓馬が元いた時空での竜馬は既に30代を迎え、肉体的に壮年にさしかかる年頃であったので、未来世界での竜馬は拓馬の持つ写真よりかなり若いという。

 

「引き取ったんですか、拓馬を」

 

「別時空とはいえ、内縁の妻の儲けた子だ。無下にできるはずはないからな。最も、未来世界の竜馬さんはかなり優しめの性格なんだが」

 

驚くスバル。竜馬はそういったことに無関心と思っていたからだ。未来世界での竜馬は中学時代に実妹を交通事故で、空手バカな教諭の老父は高校時代に、母を百鬼帝国との戦いの最中の成人時に亡くすなど、家庭的には薄幸であった。そんな経緯がある故か、戦闘時の修羅ぶりからは想像もつかないほどに穏やかなところを持つ。拓馬を引き取ったのは、別時空での実子である事、それが家族への罪滅ぼしになると考えてのことである。そのため、ある意味では、拓馬のいた世界の彼自身より慈愛精神が強い。ただし、貧乏なので、黒田とタメを張る守銭奴という俗物根性もあったりする。

 

「守銭奴ですよ、リョウさん」

 

「親父さんが空手バカ一代を地で行く人だったから、賃金を稼ぐことにほとんど関心がなかったというから、仕方ない。母上は心労で亡くなったようだから、リョウさんも父親を嫌っているようだしな」

 

竜馬は戦友からも守銭奴ぶりは有名で、敷島博士に武器を作ってもらうのをツケにするほど。息子の拓馬は『ケチくせえぞ』と苦言を呈している。

 

「でも、意外に女の子には優しいんですよね」

 

「ああ、なんでも、亡くなった妹さんをあまりかまってやれなかったことに悔いがあるとかで。だから、のぞみさんやみらいさん、はーちゃんには手荒な指導はしてませんよ」

 

「意外だなぁ」

 

スバルからはこの評価ぶりだ。

 

「そりゃ、スバルさんはサイボーグじゃないですか」

 

「そう言われると……ダハハ……」

 

ヴィヴィオにツッコまれる。ヴィヴィオにもそれはわかる。スバルはかつては戦闘機人、現在は地球でのサイボーグとなっているので『無茶が効く』から、竜馬も加減をあまりしないのだと。のぞみたちは能力自体は上がっているが、変身しない場合は『ごくありふれた10代の少女』の粋に留まる。そのため、変身前での体作りは意外に気を使うのだ。

 

「そういえば、今、道場にははーちゃんがいます」

 

「何、本当か?」

 

「ええ。ウマ娘の皆さんとの感応現象が起こったみたいで、それを確かめるために」

 

「大変だなぁ」

 

「彼女達も大変だぞ。元の世界でのあれこれの思惑が入り混じっているのだからな」

 

フェイトも言及するように、ウマ娘達はウマ娘達で、色々な問題を抱えている。ナリタブライアンなど、史実でのキャリア後半の凋落が運命として待ち受けていることを知ってしまい、精神的な苦悩はかなりである。ブライアンは記憶が蘇ることで、自らや姉の運命が因果に縛られていると知ってしまい、『ただ単純に走っても、運命は変わらない』ことに悩み、選んだのが『戦いに身を置く』ことで『前世にはない何かをつかむ』という手荒な手段だった。

 

「でも、いいの?ナリタブライアンさんをのぞみさんと入れ替わらせて」

 

「彼女たっての希望だからな。彼女は前世での悔いを思い出したことで、運命を超えることを意識するようになった。そのためには、プリキュアとして戦うことも厭わないんだ」

 

ブライアンはのぞみの『名を借り』、キュアドリームとして戦場に立っている。それが前世での『期待を裏切ってしまったことへの罪悪感』に突き動かされての行為であるかは定かではない。そんなブライアンの思いに応え、のぞみもブライアンのイメージを崩さない範囲の演技をしており、入れかえロープは便利アイテムとして扱われている。

 

「入れかえロープって、チートだよね」

 

「精神そのものを入れ替えるからな。時空管理局の技術では、構造の解析も無理だろうな。ひみつ道具時代の偉大な遺産だ」

 

「派生作品だと、欠陥があるように描かれてたけど、それは映画だけの設定だもんね」

 

入れかえロープは精神そのものを入れ替える。同時に『相手がウマ娘だった場合、入れ替わったウマ娘の能力が相手に反映される』という作用が確認された。のぞみが俊足になったのは、ブライアンの能力値が反映されたからである。ブライアンは前世での全盛期に怪物と評されたが、その力が入れかえロープの効果で受け継がれたのである。

 

「なのははなんだかんだで、平行世界に行った時が一番のストレス解消だったようだが、ああいう出来事はそうは起きないからな」

 

 

「なにそれ」

 

「ああ、まだヴィヴィオには言っていなかったな。別の自分自身に会ってきたんだよ、パラレルワールドというやつだな」

 

フェイトはため息だが、M動乱で遭遇した『別の自分たちに会う』出来事はなのはの荒れた精神バランスをある程度は回復させたものの、完全ではなかった。そのため、フェイトは荒療治な手に打って出たのだ。

 

「あの時、なのはさん、別の自分に遠い目をしてましたね」

 

「今回は子供の頃の自分とだったからな。その分、ヴォルケンリッターのみんなを涙目にさせたが」

 

「あたしも史実よりパワーあるし、おふた方は異能持ちですしねぇ」

 

「別の自分には相当に戸惑われたがな。時間軸も10年違うし、別の管理局だし」

 

「でも、なのはさん、プリキュア見てたんですね?」

 

「ああ、S☆Sと5の一期あたりの間の頃に闇の書事件があったからな。俺たちが行った先はプリキュアの代替わりの時期だったからな。のぞみも嬉しかったと思うぞ。異世界でもファンいると分かったからな」

 

「すごい食いつきだったですもんね」

 

「のぞみは参戦できなかったが、二期以降のへそ出し無しのコスを見れたから、相当喜んでいたしな、子供なのは」

 

「ママたち、何したの?」

 

「何、別の世界の闇の書事件を解決しただけだ。向こうにとっては驚天動地の連続だが」

 

「よく、その世界が無事だったね?」

 

「多少は遊んだよ。向こうのヴォルケンリッターを一回は叩きのめした。子供の頃の意趣返しって奴だ」

 

フェイトたちはその世界のヴォルケンリッターと戦闘になったが、遥かに実力が増した状態かつ『メタ情報持ち』なため、逆に圧倒した。その事を明言する。

 

「まぁ、シグナムにはライトニングプラズマを当ててやったよ。レヴァンテインを壊すわけにもいかんから、当てる箇所に気を使ったな」

 

「今のママたちなら、舐めプでもいいくらいだしねぇ…」

 

「威力は加減したが、実力は見せた。シグナムは加減されるのを嫌うからな」

 

「なのはさんなんて、ヴィータ副隊長相手に、自立モードのレイジングハートでズタズタにした上で、ラケーテン・ハンマーをシェルブリットでぶん殴ったしなぁ。で、泣かせてた」

 

「ママ、あれ使うと、言動が荒くなるしなぁ」

 

「で、極めつけはあの事件をややこしくした、当時の提督の使い魔が変身した奴、いたじゃん。あたしがぶちのめしておいたよ。関係者でもなんでもないけど、リインフォースⅠさんを出現させた元凶だしさ」

 

スバルは当時の管理局の提督の使い魔達の変身していた『仮面の戦士』をしこたまぶちのめし、骨の数本は叩き折ったと明言する。クロノの師に近い立場であったのに、はやて諸共に闇の書を封印しようとしたことは許せるものではないため、徹底的に打ちのめしたと。

 

「えーと、イナズマキックと踵落とし、ベアハッグはしたかな。鋼鉄ジークに肖って。たぶん、骨の数本は折っただろうな」

 

「闇の書の闇はどうしたの?」

 

「真ゲッタードラゴンの真シャインスパークで、チリ一つ残さずに倒された。向こうの管理局の連中は怯えていたよ」

 

「それと、あたしとなのはさんで、スターライトブレイカーをツインで撃った。向こうのなのはさん、腰抜かしてたよ」

 

「剣になるし、魔力の運用効率も上だもんね」

 

「カートリッジも10年分の進歩をしているものを使ったからな。それに、剣モードでの放出なら、負担はさほどかからん」

 

「爆熱ゴッドスラッシュの要領でしたっけ」

 

「そうだ。その後にシャインスパークだった。向こうのアースラの計器が振り切れるくらいの高エネルギー使ったから、よく結界が持ったよ」

 

「真ドラゴンの説明、大変でしたしね」

 

「うむ……。ロボットが有機物のように繭になって、羽化した姿なんて、普通は誰も信じん。向こうの管理局はゲッター線を発見していなかったし…」

 

と、話は盛り上がる。と、ここで、部屋にあるTVから『動乱慰霊祭』に関するニュースが流れる。

 

――本日、動乱終結より~年を記念し、合同慰霊祭が~…――

 

「ああ、慰霊祭か。M動乱じゃ、多数の軽巡や駆逐艦がUボートや敵艦の餌食にされたからな」

 

扶桑海軍の造船傾向に大きなショックを与えた動乱。扶桑海軍は潜水艦の猛威に直面し、外していた対潜装備を緊急で軽巡以下の艦艇に備え付けさせ、魚雷装備も復活させた。これは戦艦や重巡が現れると、魚雷装備のない扶桑の小艦隊は無力であったためで、悲報に打ちのめされた中堅造船官の何人かが拳銃自殺や自刃する騒ぎにまで発展した。その結果、欧州までの自力遠征には新造艦が必要であると結論づけられ、M動乱後は新造艦の建造が盛んになった。だが、そこに日本財務省や防衛省の官僚が横槍を入れたため、予算策定が大いに混乱。結局、高雄型重巡洋艦は史実の『摩耶』の大まかな艦容に統一された仕様で、1940年代後半の退役を迎えた。慰霊祭は高雄型『鳥海』の艦上で行われた。これが鳥海の公式な最後の任務であった。

 

「高雄型、まだ使ってたんですね」

 

「日本が超甲巡のことでケチをつけてな。代艦がどれになるか決まらなくて、結局はバラバラに退役していく事になったからだ」

 

高雄型は1920年代の建造であり、本来は1945年に退役の予定であった。ところが、M動乱での造船計画の変更、新式甲巡の伊吹型の竣工が遅延する内に、性能が陳腐化したなどの理由で『さらなる後継』が必要となり、伊吹型は(書類上は)乙巡扱いへ変更された。近代装備の搭載で、艦容を一新した超甲巡の第二期生産型が竣工しだした1948年度の春に『高雄』が退役。夏に『摩耶』が、鳥海と愛宕は1949年度の慰霊航海で退役の予定だ。そのうちの高雄は日本が買い取り、どこかで博物館船にする事になっている。(これは日本の高雄は海没処分されたからだ)M動乱で活躍したため、扶桑も記念艦にしたがっているが、その予算がつかないのである。

 

「一連の海戦で何十隻の駆逐艦が藻屑に?」

 

「初期の段階で15隻以上がボカチンされたからな……戦前型の駆逐艦の少なからずは海の藻屑だ。秋月型や陽炎型も損耗が激しいからな。雪風は買い取られるというし、冬月も博物館船行きだから、扶桑向けに戦後型の護衛艦が量産されだしてる」

 

自衛隊は扶桑へ戦後第一世代の護衛艦の設計を提供。それらを戦前の駆逐艦に代わる戦力として整備させている。扶桑は決戦兵力の近代化に成功しつつあったが、対怪異戦で『的』扱いの中小型の艦艇に無関心であったため、大喜び。直ちに量産に入ったが、兵装訓練などが追いつかず、実際に稼働している船は第一艦隊(戦艦部隊)と第三艦隊(空母機動部隊。第一航空艦隊とその後身の第一機動艦隊)配備のもののみ。後は訓練中の段階である。

 

「あ、長門?」

 

「いや、あれは加賀だ。魔女の世界だと、そのまま戦艦として生まれたが、相方の機関不調で連合艦隊旗艦になった事がないままという不遇ぶりらしい」

 

 

TVに映った戦艦加賀。魔女の世界では関東大震災が起こらず、軍縮条約の内容も違ったので、戦艦として完成した。本来は連合艦隊旗艦の地位が約束されていたが、僚艦の土佐の機関不調が原因で長門型の予備扱いが続いた。後続の紀伊型戦艦の就役でそれも無くなり、遂に次世代の大和型戦艦が次期主力に選ばれるに至ったという哀れな艦歴であった。史実通りに空母改装の話も出ていたが、既に加賀の大きさでは不足になる時代になっていたので立ち消え。M動乱後の観艦式のお召艦も『甲斐』に取られて逃すなど、史実と逆の『時代に翻弄された』艦生であった。そのため、慰霊祭の護衛が戦艦として唯一の晴れ舞台となる。

 

「扶桑も金ありますねぇ」

 

「空母機動部隊の時代になるから、大和型戦艦とその派生以外の戦艦は実験艦行きになるか、解体の予定だという。せめての晴れ舞台のつもりで護衛にしたんだろう」

 

加賀と土佐は八八艦隊華やかりし時代の設計であり、史実で加賀が空母として活躍した時期に完成を見たので、昭和生まれである。だが、日本からは『大正の老兵』な扱いであり、大和型と超大和型の就役を理由に、両艦の解体が意見具申されていたほどだった。とはいえ、砲撃支援には41cm砲は有用なため、その用途に転用される予定であった。皮肉な事に、土佐の不調はその改装での船体の検査と機関のチェックで判明する。造船官らが大いに悔し涙を流したと記録されたともされ、土佐は生まれながらに不幸を背負っていたのだ。

 

「そういえば、街のおもちゃ屋に大和のプラモが置かれてたよ。タ○ヤ製の」

 

「本当か?大和は日本の誇りだからな。長門の奴は拗ねとるだろうな」

 

M動乱で大和型ファミリーは獅子奮迅の活躍だったので、ここのところ、艦娘・大和は超弩級のごきげん。逆に、長門は意気消沈であると聞いているフェイト。扶桑では『大和は国の誇り』という内容のかるたが製造されているという。これはかつての長門型の地位を継承した形である。大和は史実と違い、M動乱とダイ・アナザー・デイの『実績』により、対外的に『日本連邦の海軍力のシンボル』と扱われている。扶桑は砲艦外交の有効性を大和の存在で認識したわけだ。フェイトに『日本の誇り』と言われる点で、その目論見は大成功だった。ヴィヴィオさえ、その存在を知っているほどの軍艦として。海自としても、『モンタナが量産された世界だから、俺たちは生きた心地がしない』とボヤいている。アイオワ級戦艦よりも更に強い戦艦がしょっちゅう『次元間ゲートを通って、艦隊を率いて襲ってくる』のだから、『護衛艦での戦闘は艦長の手腕次第』と評判だが、『扶桑の戦艦ばかりに手柄は取らせない』と意気込む者もいたりする。

 

「ミッドの海、アイアンボトムサウンドになってる海域ありますからねぇ。回収は?」

 

「量産型ゲッター3を使って、残骸の回収を行っているが、5年以上はかかるそうだ。さて、準備にかかろう。ヴィヴィオ、なのはに上手く飲ませてくれよ」

 

「うん」

 

「チケットの発行は手続き終えました。家のPCを借りますよ。印刷しますから」

 

「頼むぞ、調」

 

一同はそれぞれの役目を果たすために動き始める。流竜馬が道場でボヤいているだろうが、協力してもらう。それがフェイトの方針であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――こちらはナリタブライアン。キュアドリームの姿と名を借り、戦陣に立っていた。ブライアンは史実の因果を断ち切るためには『戦場に立つ』ことも厭わない姿勢だが、流石に元の姿では(色々な理由で)無理なので、キュアドリームの姿と名を貸りていた。武器は『ショルダースライサー』。元はマジンカイザーの肩部に収納されている剣である。キュアフルーレは戦闘向きでないため、『魔女の世界に転生した夢原のぞみ』が得た『空中元素固定能力』とZEROの持つ能力を組み合わせることで、武器を生成する。そのため、『プリキュア5の世界にいる夢原のぞみ』とは決定的に戦闘力に差がある状態だ――

 

 

「悪いな、私は元のこいつほど優しくはない。はぁっ!!」

 

ブライアンはショルダースライサーをぶん投げ、怪人を串刺しにする。更に追撃のサンダーブレークでとどめを刺すが、基本的にショッカーの怪人は電気攻撃にはめっぽう弱い。ライダー放電で弱ったところを倒された個体もいるほどだからだ。

 

「ふぅ。しかし、こいつは本来、どのくらい戦ったんだ?」

 

「世界線によって違うけど、のぞみちゃんは大人になっても戦う事は判明してる。代によっては『役目を終わる』と変身能力を失う事があるけれど、私達の時代までは『役目が終わった』後も維持してたよ」

 

プリキュアは近年、役目を終えた場合には変身能力を失うことも増えてきたが、古い代のプリキュアは能力をその後も維持する事が普通であった。のぞみ自身の言う『前世』でもそれは確認されている。

 

「そうか。少なくとも、大抵の場合は教師になれるんだったな?なっても、心を病む事が多い商売だと聞くがな」

 

ブライアンは酒屋を営む父親の得意先に教諭が大勢いるため、闇の部分を聞かされている。教諭という職業は『夢だけでは、やっていけない』事を実感しているので、そのような返し方になった。

 

「日本はバブルの夢が終わった時から右肩下がりだからな。その割に、昔の幻想を引きずってる。教師は特にそれだ。なり手が減るのも無理はない」

 

順当に行けば、のぞみは2012年前後に成人を迎え、2014年頃には就職する年頃になる。その頃には教師という職業の闇の部分がクローズアップされだす。かつて、校内暴力を振るっていた世代が子を持つ時代を迎え、教師を振り回すようになるし、一人っ子の比率が増え、過保護になる親が増えるからだ。

 

「親父やじいさまが言ってたが、教師は夢だけではやっていけない。自分の家庭にストレスをぶつけ、それで家庭崩壊を起こしたなんてのも、ザラにある。この世界のこいつには、そういうことも覚悟させといたほうがいいぞ」

 

「だねぇ。のぞみちゃんが就職する頃は2014年だろうし、後でそれとなく、釘を刺すよ」

 

キュアハートも同意する。

 

「ん?まてよ。代の離れた後輩……この時代だと赤ん坊だーー!?」

 

「2020年代に『なる連中』の生年を考えば、ふつうにそうだろ?」

 

キュアハートはここで、2008年から十数年が経過した2018年頃からプリキュアになる者達はまさにこの時代(2000年代後半)、本当に生まれたばかりである事に気がついた。2008年頃には宇佐美いちか、野乃はなは一~三歳の幼児か、赤ん坊。花寺のどかや夏海まなつに至っては生誕する前の可能性が大。つまり、第一~第二世代のプリキュアと第三、第四世代のプリキュアは世代が一回り以上は離れているのである。

 

「考えてみろ、2020年代にプリキュアになるんなら、この時代は普通に赤ん坊か、よちよち歩きだろ」

 

「それもそうか」

 

「あんたら(プリキュアオールスターズ)の初代様は1990年生まれだろ?だったら、2020年代に14歳になる連中の教師の世代にあたるはずだろ?もうちょい進めば、第一世代の生んだ子供がプリキュアになる年代だぞ」

 

「なぎささん、それ聞いたら落ち込むだろうなぁ…」

 

本来、第一世代(初代~スイート)と第三世代、第四世代は一回りは生年月日が離れている。キュアハートは第二世代の後半だが、第一世代と極端に離れているわけでもないので、なぎさがそれを聞いた場合の反応が目に浮かんだようだ。

 

「仕方ない。そうなると、私たちはまだいいほうだ。前世での世代の区分はあれど、同じ時代に生まれてるからな。本来なら、私はルドルフやオグリさんとは会ってもないし、現役時代も違うからな」

 

「あなたは90年代の三冠馬だっけ?」

 

「そうだ。私の後継ぎはディープインパクトだ」

 

ブライアンは1990年代の三冠馬であった。ブライアン達がいなくなった後がスペシャルウィークやサイレンススズカの時代であるため、非サンデーサイレンス系の三冠馬が生まれた最後の時代にあたる。

 

「私の後の三冠馬はサンデーサイレンスの血が入る連中ばっかりだから、前に競馬関係者に『古き良き時代だった』って言われたよ。私の前世の親父も外国産馬だったんだがね」

 

ブライアンは夭折しているものの、サンデーサイレンス、トニービンと種牡馬の覇を競った『ブライアンズタイム』の代表的な子供である。その次の代が駄馬ばかりと言うが、サンデーサイレンス系統が異常な適応力なだけだと、ブライアンは考えている。そうでなければ、前世でもうけた子どもたちが哀れすぎるからだ。ブライアンはコントレイルの引退式に飛び入りした後、関係者と話す機会があり、サンデーサイレンスとキングカメハメハの血統が支配する現状に不満がある者は意外にいるのだが、2020年代には『かつての名馬の血は絶えている方が多い』と聞かされ、ブライアンはバツの悪い想いをしたという。

 

「私は前世では早くに死んだから、子もろくに残せなかった。兄弟も種牡馬としてはダメだったから、直接の子孫はいない。異母弟のタニノギムレットの系統は続いているが…どうもバツが悪い」

 

「仕方ないって。みんな、サンデーサイレンスとかけ合わせれば、いい馬が安定して出るってのに飛びついていったから」

 

「野郎は子や孫まで一流がズラリは反則だぞ。オグリさんも曾孫まで細々と繋いでるだけだってのに」

 

ブライアンは(前世の)父の分も愚痴っていた。サンデーサイレンス系の子孫は多くが名を馳せた。スズカのように、悲運の名馬もいれば、マックイーンの娘との組み合わせでターフを賑わした問題児軍団もいるが、自分の父はサニーブライアンやタニノギムレットを最後に、G1を勝てる馬は出せなかったからだ。

 

「親類のサニーブライアンという奴がいたが、奴が菊花賞を取れていれば、親父も喜んだかもしれんが……今となっちゃ、愚痴にしかならんな」

 

と、サニーブライアンの悲運を嘆いた。ウマ娘世界でも親類のようで、容姿も似ているという。違うのは、脚質が『逃げ』であったという点か。ナリタブライアンはサンデーサイレンスの血統が支配する前に名を成し、ターフを去ったが、晩年に無様な走りをしたのが最大の心残りであった。故に、ウマ娘になったのだろう。

 

「だから、前世と同じ道をなぞっていると気づいた時、足掻いてやろうと決めたのさ。運命の神がサクラローレルに力をもたらそうが、それを超えたい。そのためにはどんな労苦も厭わん。それが戦いであろうとな」

 

ブライアンはサクラローレルが担わされた役目を知った上で、三冠の名誉を守り抜き、姉のビワハヤヒデを超えてから、次代に道を譲るという目標があると語る。

 

「ディープインパクトやオルフェーヴルは三冠を次ぐに値するが、まだ若い。当分は現役でいる。前世の分を走りきりたいんでな」

 

と、自分の後継となるであろう二人を評価していると明言する。

 

「オルフェが聞いたら、諸手を挙げて喜ぶぞ?」

 

「茶化すな、ゴルシ」

 

「お前は肩たたきされそうで、個人トレーナーも去っちまってたからな。だから、あいつらの言うことに乗ったんだろ?」

 

「悪いか?」

 

「それもお前らしいよ。お前、惚れたら入れ込むタイプだしな」

 

ゴルシはからかう。茶々を入れているようだが、ゴルシ一流の緊張ほぐしだった。

 

 

「敵の戦車はさっきから、戦中のマイナーチェンジのようだな?」

 

「基本は残党だからね。年式が新しいのは、東独時代のものだよ。MSにしても、ティターンズやジオンの旧式だしね」

 

「格納庫にあったウルトラホーク一号はデモンストレーション用か?」

 

「いや、合体分離しないけど、試験段階のホンモノだよ。旧日本陸軍の設計図に酷似してる『空中戦艦』を試作してみただけの」

 

「旧軍にそんな技術が?」

 

「超技術を使おうとした時には、マリアナ沖で空母機動部隊が、レイテ沖で戦艦部隊が壊滅した後だっただけで、技術はあったらしいよ」

 

ドラえもん世界で、東條英機の評価がだだ下がりになった原因はそこにある。ついには魔女部隊すら編成させていたということで、彼への批判が余計に大きくなったからだ。そこからの繋がりで、扶桑海軍の参謀たちも『電子装備の軽視』を理由に、多くが更迭されていったが、扶桑は史実の日本より電子装備の充実がされていたため、日本の施策は参謀の不足と、現場の混乱を招いただけであった。問題は日本側で戦争終結間際に設計されたモノが『戦後に本当に危機を救っていた』という事実のほうだ。

 

「扶桑にそれを渡す分には問題ないっていうしね。問題は内政干渉のほうさ」

 

「日本は陸軍や華族を目の敵にしてんだろ?自分たちの先祖でもねぇのに」

 

ゴルシ(姿はキュアビート)がツッコむ。

 

「扶桑じゃ、海軍の方が問題ありありらしくてね。多分、日露戦争や第一次世界大戦を経てないからだと思うけど。華族の存廃は扶桑の人間の判断に任せるべきだし、陸軍は招来のユーラシア大陸方面の外地の奪還のために拡充してただけだからね。元・住民へのポーズだと思うけど」

 

「日本は外地を放棄させる気か?」

 

「元住民には、扶桑の有力者もいるからね。日本は彼らを意図して召集して、太平洋戦線の前線で死なせて、扶桑を海洋国家に特化させるための人柱にしたいんだ。あからさまだけど、日本にとって、ウラジオストクから先の大陸には良い思い出なんて、全然ないからね」

 

扶桑にとっても、『書類上の土地』でしか無くなった大陸領は重荷になりつつあり、合法的に施政権の放棄ができるかどうかを探っていた。だが、元住民たちは『財産一式を置いてきた!!』と喚き散らし、軍に奪還を強要してくるため、扶桑内部でも厄介者扱いされていた。そのため、日扶間の極秘同意により、『扶桑の大陸領の出身者を意図的に最前線に配置する』という施策が行われている。これは土地に愛着のある大人の世代を減らし、招来の施政権放棄をしやすくするための口減らしであった。

 

「1930年代に大陸に深入りして、痛い目を見たとはいえ、元住民を裏切ってないか?」

 

「そこが両方の首脳の後ろめたい気持ちに繋がってるのさ。多分、南洋や台湾のいい土地を与えて、税制の優遇措置を子々孫々にまで引き継がせることで宥める気だと思うよ」

 

「大人の事情だな」

 

「陸の近衛師団も同じさ。扶桑じゃ、一回も悪事に加担してないのに、日本の警察や政治家は『反乱の温床になるから、即時の解体が望ましい』って方針でね」

 

「実際は海軍の方がクーデターを起こした……」

 

「そう。それで、現地に合わせて、扶桑の皇宮警察の重武装化を日本警察は主張したけど、2022年に不祥事を晒して、扶桑の近衛師団のことを言えなくなった。結局は間をとって、『連隊への規模縮小、儀仗専門部隊と実戦部隊は分ける』って事になった」

 

扶桑の近衛師団は連隊へ縮小はされたが、宮城部隊の体制は存続した。日本の皇宮警察の体たらくぶりの報道が扶桑国民の不安を煽ったためだ。そのため、近衛師団所属であった余剰の人員は前線へ出征せざるを得なくなり、既にその30%が外地で戦死している。

 

「やれやれ。扶桑は穏やかな形で近代化に成功した場合の世界線だから、日本と似て非なるって事がわからん輩は多いんだな」

 

「警察や官僚には特に多いんだよね、陸軍さえ抑えておけば、軍国主義は興らないはずだって。のぞみちゃんもそれで、えらい迷惑被ったし」

 

「それが、あんたらが軍隊にいる理由の一つか?」

 

「戦闘行為を法的に合法にするための方便で、軍籍が自動で与えられたからってのもあるけど、日本はアメコミのような『兼業のヒーロー』を嫌うからね。軍隊にいてくれる方が管理し易いっていう事情もあるんだ。最も、前世の記憶持ちってのもあるからだろうけど」

 

キュアハートのその言は、当たらずも遠からず。日本政府も過去の組織との暗闘で『スーパーヒーロー』の存在は既に認めていた。だが、警察組織内部での戦前~戦後直後生まれ世代からの上層部の世代交代により、スーパーヒーローの法的位置づけの厳格化を求める若い世代と『位置づけを曖昧にすることでの自由さ』を尊重したい長老たちとの世代間対立が激化。ヒーローユニオンはそんな彼らの対立からヒーロー達を保護するために設立されたのである。(法的機関に属していたヒーローが時代と共に姿を消していたからでもあるが)と、そこに、一同の戦車隊を始末しようと、組織のハイザック隊が降り立つ。

 

 

「ハイザックか!ティターンズも節操ないな!」

 

と、キュアハートも悪態をつくが……。

 

『サンダーブレーク!!』

 

即座に上空からのサンダーブレークで回路を焼き切られ、糸の切れた人形のように倒れ伏すハイザック。

 

『お前らが出たって聞いて、様子を見に来てやったぞ』

 

「ブラックグレートを使ったんですね、黒江さん」

 

姿を現した『漆黒のグレートマジンガー』。23世紀の日本の軍需産業『新住日重工』がマジンガー量産計画で試作した『機能実証機』であったが、同社がプリベンターの摘発を受けた際に押収。オリジナルのグレートの代わりの『グレートマジンガー』として運用される事になったが、当の剣鉄也には既に上位機種のマジンエンペラーGが与えられていたので、64Fに提供された。操縦できる者が限られているが、主に黒江が時と場合によって乗り込む。

 

『格納庫の肥やしってわけにもいかんし、マジンガーは相当に頑強な体を持っていないと、乗れんからな』

 

マジンガーは『MSよりも相当に乗り手に負担を強いる』。ゲッターロボほどでないが、乗り手を潰す事も想定されたため、兜十蔵と剣造の親子はそれぞれの身内、ないしは選抜した人物をパイロットとした。逆に言えば、黒江たちは鍛えていたので、両スーパーロボットの予備パイロットになれたようなものだ。

 

「能力が高いってことは、乗り手に負担がいくことでもあるからな。で、アンタが自分で乗ったわけか」

 

『普通の奴に、グレートマジンガーは扱えんよ。兜博士は量産を目論んだが、マジンカイザーの魔モードの事もあって、弓教授が反対したんで、量産は頓挫。作った会社も、百鬼帝国にマテリアル情報を流して、当局に摘発された。残った機体を日本海溝に投棄する案もあったが、色々とヤバい戦争が続いたんで、うちの隊で引き取った』

 

マジンガーのフルスペック量産はカイザーの魔モードを懸念した弓教授が阻止したが、新研究所の建設頓挫による痛手、陽子エネルギーへ軸足を移すための資金がいるため、結局はマジンガーにジムの要素を持たせた機体『イチナナ式』の開発に踏み切ったのだ。また、ミネルバXには『ゲッターエネルギーの無駄使い』と断言された『グレートマジンカイザー』をなんとかして運用し、政府から陽子エネルギー研究の資金援助を引き出したい思惑があった。弓教授が政治の世界に足を踏み入れたのは、その目的が主な理由で、政治家としての主張は『世論への方便』である。

 

「なんだそれ」

 

『大人の事情だ。おっと、アッシマーなんて、ナウいものまで持ってたのか』

 

「あの円盤か?」

 

『円盤獣みたいだけど、れっきとしたTMSだ。ティターンズにもかなりが卸された名機だぞ』

 

アッシマーが飛来し、MSに変形する。元・ティターンズの空挺MS部隊の機体のようだ。デューク・フリードからは『新手の円盤獣かと思った』と言われるなど、円盤状のデザインで損をしている機体である。とはいえ、実際の性能はグリプス戦役が終わった後も強力な部類で、グレートマジンガーともまともに戦えるだけの空戦性能を誇る。後継機がある分、ギャプランやガブスレイよりはマシな戦後である。

 

『じゃ、やってくる』

 

黒江は最大戦速での機動を見せ、アッシマーの変形の隙にタイミングを合わせ、ニーインパルスキックを行い、串刺しにする。その一機からニーを抜き、撃破した後、バックスピンキックによる回し蹴りで、別のアッシマーを両断する。機体サイズは互角(アッシマーは最初期のTMSなので、大柄である)なので、なかなかに見応えのある空戦である。

 

『ネーブルミサイル!!』

 

ネーブルミサイルを連射し、目眩ましに使う。敵機がブレーンコンドル狙いで、MS形態で思いっきり拳を組み上げた態勢で急降下してくるところを。

 

『ブレストバーン!!』

 

MSも瞬く間に溶かす熱線を放熱板から放射。アッシマーはみるみるうちに溶解し、液体に変わり果てて『落下』していく。ブレストファイヤーを上回る高熱の熱線だが、グレートマジンガーの必殺技とは見なされていない。

 

『これで全部か。MSは三機で一個小隊だが……威力偵察だな』

 

MSは基本的に、三機で小隊となる。通常兵器より高価な兵器であるのと、飛行機や戦車よりも一機あたりの戦闘力が高いためでもある。威力偵察とはいえ、アッシマーを送れる余裕があるということは、他のTMSもあるのは確実。そう考えた黒江。グリプス戦役以降はMS編成も空軍方式になりつつあったが、ティターンズはその思想が浸透する前に解散しているので、そこは怪しい。地球連邦軍のMS戦術教本は更新が滞っていたので、黒江がどの年代の教本で勉強したかは定かではない。また、単騎で集団と戦闘できるアムロが上官であったので、細かい集団戦術までは教えていないようだった。そこはアムロの落ち度と言えるが、アムロはグリプス戦役以降は単騎で戦線を支える事が多かったので、編隊を組んだことは久しくなかったので、落ち度と言い難い面もある。

 

『本当は相棒がほしいけど、グレートマジンガーとか使うと、MSやVFじゃ、ほとんどついてこれないのが難点だな』

 

スーパーロボットは単騎戦闘で戦果を挙げる事も想定されているが、グレートマジンガーは一応、レディロボットと同時運用はされていた。レディロボットが非力であったのが問題だが、役目は果たしていた。この場合、グレートマジンガーの速力に追いつける機体がリアル系では少なくなってしまうのが問題だった。

 

「とっても、単騎じゃ問題だぞ?」

 

『それもそうだが、機体が少ないんだ。グレートマジンガーの戦闘に耐えるだけの強度の機体が。VFはスーパーロボットと組むと、脆さがな』

 

と、グレートマジンガー越しに困ったような仕草をする黒江。ゴルシの指摘も最もだ。

 

「トルネードメサイアか、カイロス改でも使わせたらどうだ?」

 

『考えとく。前進してくれ。俺はこのまま、上空監視を続ける』

 

「ところで、格納庫で怪しい叫びを挙げてたガキがいたが……あれは?」

 

『あー…。あいつか。奴は朝日奈みらい。のぞみのだいぶ代の離れた後輩だが、メカオタクになっちまった。魔法つかいなんだけどな』

 

「相反する属性だな」

 

ブライアンは呆れる。みらいは蘇生後は暇であったので、のび太の持つDVDなどで暇を潰していたが、元々、ハマると熱中する性格だったらしく、気がついたらプログラミングを覚え、そこからメカにハマってしまった。太平洋戦争の段階では『かなりきてる』オタクであった。

 

『最近はメカの設計に凝っちまって、真田さんのラボに入り浸ってるんだ。あいつ。高度な魔法を使えるくせに、メカオタクになるなんてな』

 

「進んだ科学は魔法と紙一重だぜ?時空管理局だってそうだろ?」

 

『それもそうか』

 

ゴルシの一言に納得の黒江。そもそも自分も魔女だったからだ。みらいは独学でプログラミングやメカ設計を学んだらしいが、かなりツボは抑えているらしい。プリキュア特権で、GP01FB(ガンダム試作一号機/フルバーニアン)の設計を取り寄せるなどしたらしく、のび太もびっくりのハマり具合だ。

 

「あのガキ、ガンダムフルバーニアンの模型作ってたぞ?」

 

『フルバーニアンだと?渋いな。てっきりZかと思ったが』

 

みらいはエンジニアの勉強をしているのだが、言動が来ているので、先輩と後輩を困惑させている。のぞみが扶桑でテストパイロット経験の記憶があることを羨ましがっているため、メカの設計や組み立てに興味を持ったのは確かだろう。

 

『俺もテストパイロット経験があったが、本物か?一回、ニナさんに見てもらうかな……』

 

そこでMSエンジニアでの知り合いであり、コウ・ウラキの内縁の妻である『ニナ・パープルトン』の顔が浮かんだらしい黒江。ニナはデラーズ紛争の咎で窓際部署に飛ばされていたが、デザリアム戦役の直前に野比財団の監査で『問題なし』とされ、現場に復帰していたからだ。ゼフィランサス(フルバーニアン)の設計主務の過去も持つので、デラーズ紛争での軽率な行為さえなければ、グリプス戦役の頃には部署のエースになれていたと言われている。現場に彼女が復帰した頃には、サナリィの台頭で、アナハイム・エレクトロニクスのプライドがズタズタにされて久しく、いわくつきの経歴持ちの彼女にすがるほど、アナハイム・エレクトロニクスは技術陣に穴が空いていた。アナハイム・エレクトロニクス重役曰く、『第二事業部の要求がなければ、冷や飯食いを続けさせてた』とのことだが、ジェイブスのミッションパック方式の難点を指摘したのは彼女だ。忘れられがちだが、本業はシステムエンジニアなので、みらいに紹介するのにはうってつけの人材である。

 

「あんた、どの位のコネあるんだ?」

 

『軍需産業と民間軍事会社のいくつかに知り合いがいるんだ。最も、何人かは軍が無理に復帰させたが』

 

ブライアンの質問にそう答える。黒江が兵器を迅速に手配できる理由の一つ。一つはのび太の末裔が23世紀には『野比財団』という形でアナハイム・エレクトロニクスの大株主になっている事、イサム・ダイソンのツテで、新星インダストリー社のエースエンジニア『ヤン・ノイマン博士』と知己である事、メカトピア戦役で『マクロスクォーター』の面々と面識を持ったからである。クラン・クランとはその時以来の戦友で、黒川エレンに覚醒した後に『ミドルティーンくらいの外見になれてよかったじゃん』とからかっている。本人もキュアビートに『戻った』ことで『恋人と釣り合いが取れる背丈でデートができる』と大喜びであった。更に、成人の精神状態を保ったままで『ミドルティーン』として動けるので、実はプリキュアに戻ったことを最も喜んでいる。ゼントラーディとしての身体能力がプラスされているので、現役時代よりも身のこなしが軽くなり、後輩のキュアマカロン顔負けの猫じみた身のこなしもできる。

 

「だから、この体があたしの要求に応えられたわけか」

 

『お前は一流のウマ娘だし、ステイゴールドの子だろ?暴れん坊だから、キュアビートがもってこいだったんだ』

 

ゴルシは苦笑する。ステイゴールドとはウマ娘世界では『親子ではない』からだが、それでも、前世での記憶をデフォルトで持つという特異性なため、ステイゴールドを『親父』と呼んでいる。メジロマックイーンが祖父の生まれ変わりである事も知っている。故に、メジロマックイーンに絡むのである。前世でメジロマックイーンの孫なので、メジロの末裔である。その理屈でメジロアサマ(マックイーンの祖母)を説得し、メジロの末席に連なる資格を得ている。(マックイーンはウマ娘世界ではアサマの直系の孫だが、史実ではメジロでは傍流の生まれである)ゴルシとオルフェーヴルがメジロマックイーンの血を残す立役者であることを知らされたためか、両者はメジロ家に普通に出入りするお墨付きがでたという。

 

「言ってくれるな。まぁ、ルドンナに一泡吹かせるまでは現役張るつもりだけど」

 

『凱旋門賞でジャスタウェイをドン引きさせんなよ』

 

「るせー!!」

 

ゴルシは前世の凱旋門賞で愛想を観客に振りまき、ジャスタウェイに『他人のふり』をされたことがあるので、本人も『ジャスタウェイにドン引きされた』ためにショックだったのか、黒江にムキになる。なんだかんだでジャスタウェイが好きで、それと別枠でオルフェーヴルやナカヤマフェスタとつるむ、ウマ娘世界では後輩だが、史実では先輩であるグラスワンダーには敬意を払うなど、多面的な姿を見せるのがゴルシだ。マックイーンと一緒にいる事が多いのは、史実ではゴルシの生誕時にはマックイーンは亡くなっていたからだと思われ、意外に『おじいちゃんっ子』な一面もある。ただし、マックイーン側も『ゴルシが自分の孫である』と認識したので、身内としての発言も増えていくのである。

 

「メタ情報ありきでツッコむなよなー」

 

「いつも、お前がやっとることだろうが。ジャスに言って、叱ってもらうぞ」

 

「きたねー、こういう時に副会長ムーヴしやがってー!」

 

ブライアンがジャスタウェイのことを持ち出したので、ふてくされるゴルシ。ブライアンはちょっと微笑っているようだった。無頼漢を気取っていた彼女だが、ゴルシの『誰とも友人になれる気さくさ』は眩しいらしい。姿は他人(キュアドリーム)だが、本当は寂しがりで、親しい友達が欲しかった子供時代からの深層心理が見え隠れするブライアンであった。

 

 

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