――大決戦で突きつけられた『光と闇の果てしなき激闘』。その場にいたプリキュア達になにかかしらの影響をもたらした。昭和どころではない過去から延々と続く死闘は、その場にいたプリキュア達に強い影響をもたらした。キュアアクアとキュアミントがその最たる例であった。その二人は黒江のタネ明かし後に『心のひっかかり』が生まれ、それが故郷の世界からの出立の理由となった。二人は詳しい調査のために、二人の出身世界を訪れていたキュアフェリーチェ/花海ことはと極秘裏に接触。以後は出立の決意を伝え、のぞみたちに極秘でそうするはずであったが、のぞみBはカンのみでそれを悟り、二人を困らせた。その結果、自分よりも遥かに強くなっていた後輩らに叩きのめされる事になってしまった――
――そんなのぞみBを納得させるため、キュアフェリーチェはのび太のツテでキャプテン・ハーロックとクイーンエメラルダスに連絡を入れ、事の次第を伝えた。すると……――
「……え……」
のぞみBは言葉もなかった。黒い戦闘服と赤い裏地の黒マントを着用した(しかも、髑髏と骨が戦闘服に白で大きく描かれている)隻眼の男が現れたからだ。
「キャプテン・ハーロック…!!」
「嘘でしょ、こんなところにわざわざ…!!」
かれんとこまちが畏まる事から、敵ではないことはわかったが、ハーロックのど迫力に圧倒され、言葉も出なかったのぞみB。
「君たちがことはの先輩か?」
「は、はい……」
「あの子の要請で、迎えに参上した。直に彼女も到着する」
「彼女も……。あの子はあなた方と何の関係があるのですか?」
「あの子の義理の兄上が我が友なのだ」
と、ことはとの義理の兄が友人である事を簡潔に述べる。ハーロックが乗ってきたボレット一号が付近に着陸しており、彼は座乗艦から、それでやってきたことも示唆されている。
「待ってください!!かれんさんとこまちさんを連れていかないでください!!」
「のぞみ……!」
「言わせてください!そっちの世界の私にも……みんながいるはずです!なのに、どうして!!」
声を荒げ、かれんとこまちを止めようとするのぞみB。納得できないからだろう。
「そうではないのだ、夢原のぞみ。我々と共に戦うお前自身には、同じチームの仲間は……夏木りんだけなのだ。だが、今の彼女には…お前との日々の記憶はない」
「!?」
「月の都市でお前への誕生日プレゼントを選んでいる時にテロ組織のテロ活動に巻き込まれたのだ。夏木りんはプリキュアの力で被害をなんとか抑え込んだが、その反動で記憶が消えてしまった。……爆発のショックによるものだろう」
「う、嘘でしょ……りんちゃんが……!?」
「そうだ。それでお前は錯乱し、そのテロ組織の構成員をリンチするという行動に出たのだ。プリキュアの姿でな」
「!?ま、まさか……!?」
「……我々も持ち得るあらゆる手段で、別のお前の出身世界を探し、ようやく特定はできたのだが……」
「だが…って…」
「既にお前たちの時代は過ぎ去り……子供、いや、孫の時代になっていた」
ハーロックの持つつ技術は地球連邦よりも数世代は進んだものであるため、のぞみAの故郷を特定に成功した。したのだが、発見した時には、現地は2050年を有に超えた時間軸になり、のぞみ達の孫世代がプリキュアのバトンを受け継ぐ時代になっており、のぞみの生前の仲間たち(プリキュア5)は妖精も含めて、黄泉の世界の住民となっていた。また、のぞみが変身していた『キュアドリーム』はのぞみ自身の予測通り、次女の子孫が引き継いでいた。その事から、のぞみAの長女は妹に倒されたことも確定した。
「黒く染まりつつも、元の色の残った衣装を纏い復讐の鬼と化したアレ(ダーク化ドリーム。後に正気を保った状態が『ノワールフォーム』となる)を止めるにはプリキュアの因子を持った者が声をかけねばその耳に届かんだろうだから、迎えに来たし、そのまま連れてなど行ける訳も無い」
「そ、そんな……りんちゃんがそんな事になっただけで……?」
別の自分の闇落ちが信じられないのか、明らかに動揺した表情を見せるB。
「そうです。別の貴方は復讐の鬼となっています」
「フェリーチェ……」
「私達の言葉も届かない状態に落ち果てていますから、このような選択を取らざるを得ないのです、のぞみさん」
「どうして…、どうして、そんな……」
「右も左もわからぬ別の世界に転生し、そこで再会できた『竹馬の友』だ。お前には拠り所だったのだろう。たとえ、お互いの出身世界が違えど」
「!?」
「ええ。りんさんはそのことを負い目にしていましたが、あなたは『傍にいてくれればいい』と言っていました。幼少の頃からずっと傍にいてくれた。それだけで良かったと……」
フェリーチェも悲しそうな表情であった。りんAはその負い目から、のぞみAを公私で支えていたからだ。
「こちらのお前は幸せをつかめなかった過去生の記憶がある。それ故に、りんの存在が一種の安全ピンになっていた。だが、それが『外れてしまった』。それも許されぬテロリズムでな。だが、出身世界が違おうが、魂で結ばれた絆が有るものだ。そのまま可能性を追わなければ、ここまでは来なかったかもしれん」
「そうなのよ。その私達が出来なかったことを果たしに行くのよ。別の自分たちの罪を償うために!」
「罪ってなんなんですか!?その世界での事じゃないですか!この世界にはまだ……敵が……エターナルが残ってるのに、それをほっぽり出すんですか!?」
のぞみBは感情的に喚き散らす。恥も外聞もかなぐり捨てて。
「そうではない。その為の力は奪わぬ。必要な魂(力)を分けて貰おうという話だ、海賊らしくは無いがな」
「われわれの世界の為にこの世界を滅ぼす事はあってはならん」
「でも、二人の力が欲しいんでしょう!?どうしても……連れていくのなら……!」
のぞみBは感情の赴くままに暴走を初めてしまう。
「馬鹿はやめなさい!!今のあなたは……欲しいものを買ってもらえずに駄々をこねる子供……」
そこまでいいかけたところで、かれんはのぞみBの逆鱗に触れてしまったのを悟った。慌てて静止しようとするが、のぞみBはキュアドリームに変身しようと、キュアモのボタンを押そうとする。こまちが悲鳴をあげるが――
「……ッ!?」
のぞみBの右腕が狙撃される。そのショックでキュアモを落としてしまう。
「だ……!?」
怒気を孕んだ声が不意に中断する。のぞみBを狙撃したのは……。
「……来たようだな」
「ええ…」
ハーロックとフェリーチェは納得した。狙撃した主は、彼と並び称される実力を誇る『宇宙最強の宇宙女海賊』。その名も……。
「!?」
マントを翻し、一人の麗人が降り立つ。その端麗な美貌と釣り合わぬ勇猛果敢さ、その威風堂々たる姿はのぞみBのみならず、かれんとこまちも呆然としてしまう。
「クイーン……エメラルダス」
フェリーチェのつぶやき。クイーン・エメラルダス。それこそが彼女を表す名。
「スタンモードだから痺れてるだけだ、かったるいやり取りはやめて、とっととダブルを作れ!」
「は、はいーーー!!」
と、フェリーチェが大慌てになる。やれやれといった様子のハーロック。
「手荒い挨拶だな、エメラルダス?」
「子供の駄々につき合っていられるほど、我々に時間はないのですよ、ハーロック」
「メーテルのように穏便にできんのか?」
「私はメーテルのように、お涙頂戴なやりとりは好きではないのです」
メーテル。それは彼女の実の妹であり、機械化帝国を継ぐ権利を持っていた、かの有名な美女の事である。彼女とエメラルダスは実母・プロメシュームの人間時代の容貌を受け継いでいるが、エメラルダスはおばにあたる(プロメシュームの姉妹)セレンの面影が色濃い。
「!!」
「ほれみろ、お前の迫力で子ども達が怯えているではないか」
「言っただろ、駄々につきあう時間はないと」
「俺より海賊向きだよ、お前は。そこがアイツのほれたところだろうが……」
「アイツの話はやめろ。亡きおばの御霊を慰めに、地球に来ているのだからな、私は」
エメラルダスとメーテルの姉妹のおば『セレン』は千年海賊を名乗り、『二つ星』という宇宙戦闘艦でラーメタルへの海賊行為を働いていた。エメラルダスとはほぼ瓜二つの容貌を持っていたが、1999年の戦闘で戦死を遂げている。
「ちょうどいい。たまには子どもたちに会って行け、俺はヤツに託されたからたまに会ってるが、お前はここ数年、顔もも見てないだろう?」
「子ども達は好きに生きさせるつもりなんだがな…親の義務という奴か」
エメラルダスはトチローとの間に『まゆ』と『昇太』という子どもを儲けている。普段は30世紀の孤児院にいるが、まゆは14歳。昇太は12歳。大山家の継承者でもあり、ラーメタル人とのハーフにあたる。父親の才能を分割して受け継いでおり、まゆは冒険家としての、昇太はメカニック・エンジニアとしての才能を受け継いでいた。昇太は10歳にして『波動砲がちゃんと撃てる、ラジコンの宇宙戦艦ヤマト』を自作しているという。
「バツが悪いならおばとでも名乗っておけ」
「そうする」
エメラルダスはハーロックの酔っぱらいのような絡みで素が出る。メーテルもだが、姉妹で肝が座っているため、ハーロックの絡みに動じない。
「クイーン・エメラルダス、こちらは完了致しました」
「ご苦労」
「あ!あれを!」
「ウジ虫が湧いたようだな」
それは(偶然)ブンビー(B世界の)が引き連れていた使役怪物『ホシイナー』の群れであった。かれんとこまちが慌てて、変身しようとするが、エメラルダスはそれを制止する。
「手を打っておいて、正解だったな」
なんと、上空にエメラルダス号が飛来し、その艦首の砲門が開き、プラズマが走る。
「お前たち、対ショック・対閃光防御をしろ。目がやられるぞ」
「かれんさん、こまちさん!!あれが使われます!!のぞみさんも早く!!」
「は、ご、ゴーグル?」
のぞみBもキョトンとしながらも、投げ渡されたゴーグルを着用する。それと同時に、独特のエネルギーチャージ音が響く。かれんとこまちは顔が真っ青だ。
――そして、それは放たれた。大気圏用の低出力での発射であるが、波動砲であった。ただの波動砲ではない。ヤマトのそれより遥かに強力な『プラズマ波動砲』だ。空間に一時的に真空が生じ、凄まじい暴風が吹き荒れる。当然、のぞみたちの通う学校の窓は全壊してしまう。さらに、幸か不幸か、九死に一生を得たブンビーがのぞみたちの前に墜落してきた。怪人態は解けており、人間の姿に戻っている。
「ぬおわああああああ!?く、クイーン・エメラルダスと……き、キャプテンハーロックゥゥゥ!?お、お前ら反則だぞ、反則!!」
ブンビーは二人の存在を知っていたのか、その場で足がすくみ、ずっこけてしまう。それなりに悪事を働いてきた彼だが、キャプテンハーロックとクイーン・エメラルダスを見た途端に、この怯えようだった。
「嘘……あいつが、あんなみっともなく怯えるなんて……」
「それがあの二人というものです、のぞみさん」
「フェリーチェ。どうして、私を気づかってくれるの」
「そうですね……あなたは私と姻戚関係になりますし」
「は…え??今、なんて」
「何度も言わせないでください。あなたと私は姻戚関係になるんです」
「え、え?姻戚?」
「ああ、この子の兄の義理の息子とこちら側のお前は近い将来に結婚することになる」
「え、え!?」
「ココの生まれ変わりなんですよ、私の甥は」
「えーーーーーー!?」
のぞみBはこうして、怒りは明後日の方向にぶっ飛んだ状態となっていく。
「姻戚ってそっちの意味なのかーてっきり空から落ちてくる『隕石』かと思った」
「なんでそうなるんですかー!あなた、国語教師志望でしょうが!」
「姻戚と隕石じゃ、イントネーション違うだろう?」
と、フェリーチェは叱り、ハーロックはツッコむ。こうして、分身ハンマーで、かれんとこまちの分身を作りつつ、ボレットのエンジンを温めにいくのだった。これがハーロックとエメラルダスの手で幾分、穏便になった『かれんとこまちの出立』であった。
――一方、のぞみAはダイ・アナザー・デイとデザリアム戦役の英雄とされ、1948年前後に少佐に昇進。正式に64Fの幹部となるなど、対照的な道を辿った。また、その時期に64Fのエンブレムが『炎の鬣の一角獣』と正式に定められ、精鋭部隊と宣伝されるようになった事から、その身分を借りた大人のぞみはエースパイロットと扱われている。また、大人のぞみはのぞみAと違い、64Fのフライトジャケットを(身分を借りている事を自覚しているため)変身した姿で羽織る形で勤務していた――
――未来世界が『遠からぬ未来』であることを知った21世紀日本の政府や官僚達は自衛隊を冷遇する事に次第に危機感を覚え始めた。ジオン残党の襲撃が相次いだからである。自衛隊の内部も、旧軍人と同義かつ、実戦経験者の黒江を嫌う派閥が有事の勃発で没落に向かい、代わりに『扶桑の力で自分たちの待遇を改善させる』派閥が台頭した。災害の相次ぐ発生もあり、自衛隊の人手不足と予算不足が露呈したからである。長年の軍事アレルギーで弾薬備蓄が抑えられてきた自衛隊では、ジオン残党の襲撃に継続的に対応できなかった。更に災害救助のほうが大事と見做された事から、西部方面隊の再建は後回しにされた。それもGフォースへの志願の多さの一因であった。日本政府も、21世紀の法律では、まったくの想定外である『まだ生まれてもない軍隊の残党のテロリズム』に頭を抱えていた。その事から、ススキヶ原以外にも『自警団』結成の動きが生じたのを抑えようとしたが、既に往時のレスキューポリスのノウハウは全官庁から失われていた(当時の関係者はほぼ全員が定年退職済み)。さらに、当時のレスキューポリスの活動の根拠とされた法律も、2000年代頃に廃止、もしくは野党の手で形骸化させられていたため、警察組織の重武装化の議論は早くも暗礁に乗り上げた。結局、自警団の結成を規制する代わりに、Gフォースの活動の拡充とヒーローユニオンへの委託業務の拡大などで、現場の不満が溜まっている警察組織をなだめることとした。ススキヶ原自警団の存在を認めつつも、その追従は容認しないという意思表示でもあった。その関係で、Gフォースは2018年~2023年までの数カ年の間に組織の拡大が行われ、2024年度には、実質的に『日本の海兵隊』と見做されるようになった。配下に水陸両用機動団を加えたからである。水陸両用機動団はその目的もあり、Gフォースに組み入れられ、急速に実戦部隊としての体裁を整えていくのである――
――『プリキュア5の世界』を時たま救援していたのぞみAらだが、連合軍の遠征はその延長線上に位置していた。ナリタブライアンはその遠征に『姿と名を借りて』参加。大金星を挙げた。そして、インペロの撃破から数時間後の事。
「ゴルシ、私と『合体』しろ!!」
「わかったぜ!!」
敵がモビルドール化したサイコガンダムを出してきたため、黒江はゲッタードラゴン(ブラックカラー)の投入を指令。自身がライガー号に乗り、プリキュアと入れ替わっている最中の二人を乗せて、出撃していった。
(こういうの、ガキの頃から『してみたかった』が、仕事で本当にする事になるとはな)
『チェェェェンジ!!ドラゴンッ!!スイッチ・オン!』
ブライアンはスイッチを押しながらの音声入力を行う。ゲッターロボに限らず、スーパーロボットは何ごとも音声入力のシステムであるからだ。
サイコガンダムのモビルドールは原型機よりも大型化していたが、身長が50mに及ぶドラゴンよりは低い。取っ組み合うと、若干の体格差が生じていた。
「おい、なんで音声入力なんだ?」
「危険報知兼ねた安全装置なんだよ。ほれ、なんとかしてみろ」
「スポンサーは無茶な注文が多いな。ゲッタービィィィム!!」
ゲッタービームでサイコガンダムの肩口に損傷を与え、怯ませる。ブライアンはすささず……。
『スピンカッター!!』
腕部の丸鋸でそのままサイコガンダムが構える盾のような部分を切り裂く。これは黒江も生身で使った事がある戦術だ。
『ダブルトマホォォク!!』
お馴染みのゲッタートマホーク。ドラゴンや真ゲッターロボなどの戦闘用のトマホークは両刃である。
『掻っ捌く!!』
ブライアンはダブルトマホークを縦横無尽に奮い、サイコガンダムに抵抗する間を与えない。そして、システム中枢部のある頭部を機体越しに掴むと。
『はぁっ!」
サイコガンダムの頭部をそのまま握りつぶす。
「なるほど、これがゲッターか……。コックピットの構造が変わるのか?」
「合体してる時は直感的に動かせるシステムに切り替わるように変わったんだそうな。昔はレバガチャで全部を動かしてたってよ」
ゲッターは操縦系統の世代交代により、以前よりは戦闘がしやすくなっている。ゲッタードラゴン(ブラック)は増加生産&改修機なので、オリジナルより進んだ世代の操縦系を持つ。ブライアンはそれで大助かりである。
「初代ゲッターのように、マントを纏えんのか?」
「Gのウイングは違うんだよ、型式が」
「残念だ。あれを勝負服に取り入れたいと思うんだが……」
「隼人さんと敷島のジジィに問い合わせてみろ」
反重力回路の活用でマントにも転用できたゲッターウイングと違い、高速飛行の安定性を重要視したマッハウイングは板状である。これはこれで外連味があるのだが。
『うぉおおおっ!!』
ダブルトマホークを横薙ぎに一閃。二機目をまっ2つにする。
『ゲッタービームランチャー!!』
レーザーキャノンの後継であるビームランチャーを取り出し、掃射する。レーザーキャノンの系統の火器であるので、バスターランチャー並の大ぶりだが、通常のビームより強力なビームを撃てる。よく見てみると、エネルギーケーブルが胸部の増幅炉心に繋げられており、大出力を担保しているのがわかる。
「近ごろのスーパーロボットは外付けの火器を使うんだな」
「元は頭のビーム発振器の負担が高くて、その冷却と休眠時間の確保のために造られたものだ。意外に消耗が大きいんだ。炉心直結じゃねぇしな、Gのビーム」
「初代用はマシンガンだと聞いたが?」
「敷島のジジイ曰く、Gは炉心出力が高いから、エネルギー兵器が良かろうだと」
「まぁ、こんなエネルギーゲインのあるエンジンの出力を遊ばせておくわけにもいかんしな」
「ヘッドビーマー酷使したら、ドラゴンのコクピットで焼死しかねん。気をつけろ」
「うお、そういう問題かよ」
「エネルギー伝導管やビーム発振器の冷却のために、余り長時間の照射は禁物だって、マニュアルにあんだろ」
「そういう問題か……」
「胴体ビームは増幅器積んだ兼ね合いで外したそうだ。行き先が頭部だったとか笑えねぇ。真は両方あるからいいけどよ」
真ドラゴンでは解決(進化で)されているが、通常のドラゴンタイプは『頭部のビーム発振器の温度上昇に気をつけろ』という難点を持つ。これはビーム発振器が頭部にある都合、エネルギー伝導管が複雑になるからである。Gまではゲッターエネルギーを熱線に変換するプロセスがあるため、意外とエネルギーのロスも多い。そのためか、真ゲッターロボや真ゲッタードラゴンはゲッターエネルギーを直接当てるようにされている。
「コックピットの近くに熱線を置くとは……設計屋は何考えてるんだよ」
「ZZよりは良心的だろってさ」
「「ZZってアレは波動砲みたいなものじゃないか!……いや、コア・トップのことか?」
「うむ。まぁ、ストライクフリーダムガンダムよりは良心的だぞ?」
「あれはどういう趣向なんだ?設計屋は奇抜さでも狙ってんのか?」
「わからんな。ビームが通じなきゃ、シャインスパークだ。他の形態への変形が惜しけりゃ、撃て」
「ペダルのタイミング、合わせろよ」
「わかってる」
シャインスパークは切り札である。エネルギー消費の大きさにより、一回の作戦で数回が限度になっている。オリジナルでは一回なので、改良はされている。ゲッターロボがマジンガーより攻撃力で超えると言われる所以の必殺技。ブライアンは自分でそのパワーを噛み締めているので、使いどころはわかる。
「最も、シャインスパークを使うに値する奴らは残ってないだろうが」
「ヤマトの波動砲相当の兵器だ、そうあってたまるか」
「おい、ブライアン、あたしと代わってくれよ」
「ポセイドンのパワーだと、余計に被害増えんだろ、150万馬力にアップされてんだから」
「あの有名なロボの15人分か」
「そうだ。だから、むやみに暴れるなよ」
「トマホークで狩れるだけ狩って、逃げる奴はビームランチャーで追い討ちで良いか?」
「それだな。ライガーも市街地じゃ、足の真価は出せんしな。ドラゴンのままでいくぞ」
即席チームながらも、『下手なゲッター軍団のパイロット』よりゲッターを扱えている一同。ゲッター線適性の高さもさることながら、中身が有力なウマ娘である二人のプリキュアの闘争心も作用していた。サイコガンダムの無機質さ、自動操縦と対照的な躍動感と闘争本能の発露がゲッタードラゴンにはあった。ブライアンはドラゴン越しに闘争本能をたぎらせ、その燃える血潮のままに戦うのだった。