――キュアドリーム(夢原のぞみ)は26歳頃に戦士を完全に引退し、以後は普通の生活を送ることになる世界線が存在するが、それは彼女の固定された未来ではなく、『戦士であり続ける』世界線も存在する。そのうちの後者寄りの世界から転生した存在が『のぞみA』であり、前者の顛末を辿るはずであった世界線にいたのが『大人のぞみ』であった。のぞみAはマジンガーZEROとの融合で強大なパワーを手に入れたのだが、その時点でのZEROが『シンギュラリティポイント』を遥かに超えた存在であったため、平行世界にいたのぞみ自身にもその影響が及んだ。1000年女王達は大人のぞみに刻まれたその要素の覚醒を、アカシックレコードにアクセスすることで起こしたというわけだ――
――大人のぞみは別世界の自分の身分を借りる形で、対白色彗星帝国の戦いに従事していた。『想い人と想いを添い遂げられないだろう』という判断から、ヤケを起こしていたのも事実だが、別の自分の得た『神域の力』が与えた安心感も同時にあるという複雑な心境であった。つまりは『ココが人間に転生するまで待つ』という、気の長い選択肢も考えられるからだ。とはいえ、自分はこれから未来永劫を戦い続けなくてはならないということへの確信もあるので、その心中は複雑であった――
「後輩をつきあわせるのは気が引けるけど、今回は下手をすれば……『あの時』のように……」
大人のぞみは現役時代の末期に『超生命体・シュプリームの襲来』があり、一度は倒されるという経験を経ていた(ただし、そのことの記憶は曖昧になっている)ため、現役時代と違い、地球を守るということへの意識が強まっていた。それに成人後の『郷愁』も重なり、戦士に完全に立ち返る事に抵抗はない。
「あいつが世界を再構築して、で、後で修復されたせいか、記憶が曖昧になってるんだよな。あの出来事に関しては。別の個体が来たら、向こうのあたしが対応して、シャインスパークで消し飛ばしてくれるだろうけど」
明確に全プリキュア(現役含む)が敗北した唯一の存在『シュプリーム』。のぞみAが『空間支配能力を会得した上で、絶望を味わせてやる』と別世界の自分の雪辱を誓っているように、後輩らに『シュプリームはプリキュアに完全に転じた』と聞かされても、心の底では許せない気持ちがあったのがわかる。また、のぞみAも『生前』に似たような出来事を経ていたであろう事もわかる(ただし、その辺りの細かい記憶は失われていたが)。
「お、ネメシスとドレッドノートの砲撃が止んだ。勝ったな」
空中で大戦艦がいくつも炎上し、墜落していく様子が見える。地球連邦軍は(内戦続きという環境はあれど)艦隊戦に関しては、ガルマン・ガミラス、ボラー連邦の両大国よりも遥かに手慣れた分野であった。そのため、技術力が伴えば、大国の艦隊を返り討ちにできるだけのノウハウがあるのである。
「さすがは56cmショックカノン。波動カートリッジ弾だと、大戦艦もただの玩具だな」
大戦艦達はいずれも、アウトレンジで蜂の巣にされ、木っ端微塵に吹き飛んでいった。地球軍が『化石のような』化学反応を用いた弾体で攻撃するとは、夢にも思わなかったのだろう。
「宇宙戦艦にしては、あっけないわね」
「ビームやレーザー兵器しか想定してないからね、恒星間航行が当たり前になって長い上、内輪揉めがなくなってる国の宇宙戦艦は。こっちは良くも悪くも、身内同士での争いが続いてるから、実体弾も想定済みの装甲があるし、実体弾を使ってる。だから、その点で絶対に有利なんだよね」
「あ、生き残った艦載機が来るわよ!!」
「問題ないよ。ゲッタァァァ・トマホォォク!!」
「!?」
キュアドリーム(大人)は1000年女王らから得た能力をフル活用し、真ゲッターロボと同型のトマホークを召喚し、そのまま『ゲッター機動』で敵爆撃機に肉薄、トマホークで一刀両断する。よく見てみると、Aが闇落ちしかけた事がある出来事の反映か、翼が『ゲッターバトルウイング』と同様の『コウモリ型の翼』になっている。これはAが憎しみに呑まれかけつつも、闘争本能は増大していた故の変化であったが、正気に戻った後も『高速戦闘での翼の変化』として用いるようになっていた。それが反映されての変化であった。
「嘘、何それ……」
ミルキィローズはすっかり圧倒されているようだ。話が真実なら、別世界ののぞみ自身の得た能力が移植されたとの事だが、完全にプリキュアの範疇を超えたものだ。
「向こうのあたし、かなり能力が変化したらしくてね。良くも悪くも、ただのプリキュアじゃなくなったんだよね」
コスチュームも黒く染まっているが、かつてのダークドリームとは異なるバランスの色彩になっている。ゲッターノワールの本来のパイロットである、流竜馬達のクローンが着ているコスチュームのようなバランスになっていた。いうならば、『ノワールフォーム』だ。
「あなた……その姿は……」
「向こうのあたしが得たフォームの一つ。闇落ちしかけたけど、正気に戻った影響で得たもの。ノワールフォーム……。そう呼んでるらしいよ」
コスチュームが黒くなり、翼もコウモリ型になっているが、自我を保っていたり、得物が完全に『プリキュアの扱っていいもの』を逸脱しているポールウェポンであるなど、一種の変化形態であるものの、通常はありえない変化であるのがわかる。
「あなた、目つきが悪くなってない?」
「なに、連中にマンションを焼かれたからね。あのパソコン、20万超えで、まだ一年しか使ってなかったってのに!あれ、月賦が残ってるんだぞ、ちくしょうめ!!」
「げ、月賦……」
「家賃と光熱費払うとねぇ……」
「うわ、切実……」
キュアドリームは『オトナプリキュアの世界』では実家を出て、賃貸暮らしであったため、意外とやりくりに四苦八苦していた。そのマンションから焼け出されてしまったので、これからどうするか。それを考えると、むかっ腹が立つらしい。
「艦隊に続くよ。いざ、台湾へ!」
「復讐の女神の名を戴く戦艦、か……」
「一番艦がアンドロメダだもの、あれ」
「アンドロメダぁ!?そんな名前、なんでつけたのよ」
「元々、女神の名前を持つ旗艦級として造られたから。一番艦は案の定、土星の艦隊決戦で沈んだけど」
アンドロメダ級戦略指揮戦艦(アースでの艦級名)は艦隊/戦隊旗艦を担うために設計された。人的資源の減少を補うために自動化を進めたが、案の定、自動化の難点が露呈し、あえなく戦没した。その三番艦として計画されていたが、建造中に戦役が終了したため、改アンドロメダ級の一番艦(カシオペアが欠番扱いにされていたため)として完成し、カシオペアの艦籍が復活した後は『二番艦』として扱われるなど、何気に複雑な艦歴を辿っている。搭載された波動砲は収束波動砲に変更されており、拡散波動砲が『ガスを取り払うことしかできなかった』事のショックが大きかった事がわかる。(以後、拡散波動砲は艦隊戦専用の波動砲扱いになり、以後の波動砲は収束波動砲中心の発展に落ち着く)
「戦後にその改良型に切り替えられて造られた初期のやつだから、艦影は姉妹艦と一緒だよ」
ネメシス、カシオペアを『改アンドロメダ』の初期ロットとするなら、その大幅改良型の一番艦が『しゅんらん』である。ネメシスは計画が変更された時には、かなりの工程を終えていた。工事の延長をしてまで、艦容を大幅に変えることはその年の予算の都合で叶わず、一番艦と同じ外見で竣工した。竣工からの年数はそれほどでもないのと、ガイアとの政治的な話し合いの有無に関わらず、旗艦級戦艦は不足している事から、公然と任務についている。(ガイアの古代進が出世コースから外れた要因でもある)
「で、おつきは量産型?」
「本当はヤマトの量産型って話だけど、互換性の都合で、アンドロメダの簡易型みたいな外観なんだそうな」
八隻前後のドレッドノートがネメシスに帯同している。ガトランティス戦役後は内部設備の大幅刷新が生き残った全艦や建造中の艦に施され、外宇宙運用が可能となっていた。その都合で若干ながら大型化している。帯同している艦は全てがその時期の建造である『後期型』だ。
「アンドロメダは基本的におつき付きで運用されるよ。それが艦の運用前提だから。基本的には、それで事足りるし」
アンドロメダ級は(額面上の戦力は)ヤマト以上であるので、護衛艦を八~十はつければ、ガミラス残党軍程度は撃退できるのだ。それが波動エンジンのパワーだ。
「戦艦だけで殴り込み?」
「空母は別の地点にいるみたいだし、台湾は小さい島だから、敵もそれほど戦力を置いてないみたいだ。配置を変えたのかも」
白色彗星は22世紀終盤時点の情報で動いているため、過去の地球のデータを持つ地球側と戦略的要所への認識が異なる。東京がやたら狙われるのは、そこは23世紀の世界では『メガロポリス』であるからだ。
「ヤマトの世界だと、東京と横浜が合併してるから、厚木が狙われたんだろうけど……」
「え、合併したの?」
「関東一円が戦災から復興する時に、昔の首都圏を一括して扱えって、宇宙生まれの人達が言ってね。まぁ、殆ど一体化してるし」
「宇宙生まれ!?」
「なんて言ったらいいんだろう、ミラクル」
「月や人工の建造物に普通に移民する時代だし、別の恒星系にも普通に住んでるからねぇ……」
驚くプレシャスと、説明に頭を抱えるドリームとミラクル。
「今度の敵の本隊はシリウスとプロキオン恒星系から来てるからねぇ」
「嘘ぉ!?」
「宇宙をワープできる文明にとっては『隣近所』の感覚だよ、一個先の恒星系なんて」
「へー……」
「その応用で、次元を超えてきてるわけ。ワープさえできれば、後は簡単だよ」
「ほえ……SFは詳しくないんだよぉ。拓海は見てたけど」
プレシャスはあまりの情報にオーバーヒート気味であった。元々、定食屋の娘っ子であったので、SFに縁が薄かったからだろう。
「とにかく、太陽系の外から来るから、土星圏を絶対防衛圏にしてるわけ。もう、設営は始まってる。タイタンが前線基地かな」
「配置は以前と?」
「いや、ヒューペリオンだか、フェーベに空母機動部隊を隠すらしいよ、ミラクル」
「以前はヒューペリオンの連中、役に立たなかったっつーしな。宛にできないなぁ……」
「その時の編成、ドレッドノートが数隻と水雷戦隊だけじゃねぇ…」
と、その時の撹乱部隊の編成が脆弱であったことは『戦略ミス』とされている。大戦艦にアウトレンジされ、為す術もなく全滅していったという経緯はあまりに有名だ。
「戦艦を増やさないと、アウトレンジされるしなぁ。だから、ワープで奇襲の案が出てんだよね」
「数千から数万規模だしね。司令は囮で釣りだしての包囲を考えてたらしいけど、諦めたそうな」
「だろうなぁ。無人艦で?」
「有人が1、無人が5の割合で波動砲をかわりばんこにブッパする戦法取るって」
「かなり難しいと思うんだけどねぇ。潜宙艦もたんまりいるだろうし」
「そいつらを波動爆雷でしらみつぶしする予定だって」
「わーお」
次元潜行艇とは別のアプローチで潜水艦の宇宙での再現を試みた艦種が潜宙艦である。その最新型は次元潜行能力を備えていた。次元潜行艦艇が次代の『潜水艦』足り得るというガルマン・ガミラスの判断は当たっていたのである。地球連邦軍は『波動爆雷』の標準化で対応するなど、潜水艦と駆逐艦の戦いが宇宙時代に再現されようとしている。
「波動砲のバーゲンセールだなぁ」
「条約がどうの言ってたら、この世界の地球は火の海だしね。ガイアの古代さんは何をヒスってんだ?」
「波動砲のことで大恥かきたいのかね、あの御仁」
と、二人はガイアの古代に辛辣なコメントだ。とはいえ、ガイアの古代進はアースの彼自身と違うところも多い『別人に等しい』。また、サレザー・イスカンダルはサンザーイスカンダルと異なる歴史を辿ったことから、波動砲の量産どころか、使用に否定的であった。ただし、アースのすさまじい侵略者との連続的な戦争の経緯を知った後は、アースとガイアを分けて考えるようになったという。
「イスカンダルの違い、わからんもんかね?」
「同位体のようだから、勘違いしてたんだろうなぁ。あの人、風のうわさだと、アースの軍備に不満タラタラだとか?」
「やれやれ。向こうの前衛武装宇宙艦と、こっちのアンドロメダは『スペースシャトルとブラン』くらいに似て非なるものだってのに……こっちの軍備整備計画に口出ししていい立場なの?」
「言う分にはただだしね」
「はた迷惑なことを…」
ガイアの古代はアースの彼自身と違い、メンタル面に難がある上、感情的になりやすい嫌いがあり、それが彼の昇進を妨げたのは事実である。また、ガイアは芹沢参謀長が人型兵器を軽視していたのが災いし、空間騎兵隊用のパワードスーツの制作が現地部隊のアイデア頼りであるなど、意外に盲点が多い軍隊となっている。対照的に、アースは人型兵器が全盛であるため、パワードスーツの研究は遥かに進んでおり、既にいくつかのモデルが採用されている。また、ISも64F所属者用にいくつかは用意済みであるし、そもそもの開発元の世界から使用者を連れてくるなどしている。
「のぞみ、私だ」
「箒、どうしたの?」
「台湾には敵の陸戦部隊が控えている。私とシャルも現地で合流するが、あいにく、ラウラはまだ来れない」
「なんで?」
「すまん。奴の元の所属先の連中がプリキュア化を聞いて、日本に来てしまってな……」
「え~!?」
「本人があれこれと、頑張って相手しているが、部下たちが離してくれんそうだ……」
箒が通信越しに頭を抱えているのがわかる声色であった。
「鈴はどうしたの?」
「セシリアが根掘り葉掘り聞いてくるんだそうだ。セシリアの奴、そちらに来ていた頃、まるでいいところなかっただろう?」
「昔の先輩に声が似てたから、こっちはドキッとしたけどね、あの子」
「それは聞いている。私の幼なじみを帯同させる案もあったんだが、生徒会長と織斑先生が却下してな。先生は自分の弟の光太郎さんと甲児への無礼を腹に据えかねているらしくてな」
織斑千冬はこの時点(IS世界では、事件より数ヶ月ほどが経過していた)においても、弟の一夏の謹慎を解いていないくらいに怒っている事が伝えられた。
「篠ノ之、話しているのは夢原少佐か?」
「先生」
「代わってくれ。私から少佐に事情を説明したい。……夢原少佐か?話し込んでいるのに割り込んですまんが、織斑千冬だ」
「お久しぶりです、織斑先生」
千冬がやってきて、通信を代わったようだ。彼女はドイツ軍に出向していた時期には『中佐』の待遇であったため、のぞみより(在籍時)階級が上であったので、のぞみも相応の応対である。
「黒江閣下より要請があって、そちらに操縦者を派遣する運びになったのだが、私の弟のことは聞いているな」」
「はい。光太郎さんや甲児さんから」
「その節はおふた方に無礼を働いた事を、深くお詫びすると伝えておいてくれないか。本当は本人に謝罪させたいのだが、そちらにはそちらの都合もあるだろう?」
「ええ。お二方は多忙ですから」
「あれは……私の教育不足のようだ。姉として、自分の不覚を恥じているところだ」
と、弟の不明を代わって謝罪する千冬。せっかく、助けに来てくれた相手に対する態度ではなかったのは明らかだった。それを見るに耐えないと断じ、弟に罰を下した。そのことはわかる。
「こちらも色々な組織が動いているらしく、新規の操縦者を送り込む事で、そちらに迷惑をかけるのは避けたい。故に、経験のあるデュノアと篠ノ之を再度、そちらに送り込む事になった。オルコットとボーデヴィッヒがやたらと行きたがっているが、奴らの本国がうるさくてね」
「お察しします」
IS世界も、事件から数ヶ月の間に世界情勢に影響が生ずる出来事があったらしく、千冬は学園の地位保全などに駆り出される事が多いらしく、声に疲れが出ている。
「お疲れですか?」
「ここのところは篠ノ之博士の監視やら、各国のIS開発企業の接待やらに駆り出されていてね。おまけに弟の教育……飲まんと、やってられんよ」
千冬は基本的には超人であるが、流石にあれこれの雑務をあちらこちらに押し付けられれば、嫌気が差す。声の調子から、家に帰ると、かなり飲むらしい。
「篠ノ之博士を拘束できているのは不幸中の幸いだ。そちらにデータを提供させられるからな」
「ええ。博士にはお世話になったと伝えてください」
「わかった。少佐、二人を頼む」
「分かってます。キュアドリームの名にかけて、二人を無事に帰すことをお約束します」
と、千冬との会話を終える。千冬はキュアマーチ(ラウラ・ボーデヴィッヒ)からキュアドリームの武勇を聞いていたらしい。
「…と、いうわけだ。そちらの世界には、あと数時間で向かう。シャルには身支度をさせている。私はもう終えている」
「わかった。それじゃ」
「ああ。現地で会おう」
IS世界との通信が終わる。
「あの人との会話は肩こるんだよなー……」
と、ぼやく。織斑千冬の声が、自分の上官の一人である圭子によく似ているからだろう。また、後輩であるキュアマーチが千冬に自分のことを教えたのか、やたらと評価されている。それはそれで嬉しいのだが、プレッシャーをかけないでほしいというのが本音であった。
「ドリーム?」
「みんな、聞いて。台湾で味方と合流する事になったよ」
と、今回の仕事で一番に大事なことを伝えるのであった。
――この時点で、大人のぞみは完全に『のぞみAと同一人物として振る舞っている』のがわかる。いくら同一人物でも、住む世界の違いで、個々に違いが出るはずだが、大人のぞみは淀みなく、箒たちと会話をこなしていた。そのことから、大人のぞみは(現役時代に起こった)『シュプリームとの戦い』の記憶、異世界にいる同位体が持つ情報、伝え聞いた雪野弥生=プロメシュームの悲劇などから、市井の生活での幸せを半ば諦め、『オトナプリキュアの世界における、地球の守護者として、この先を戦っていく』という茨の道を自然と選んでいた。1000年女王の遺志を継ぎ、地球をあらゆる敵から守っていく。そう、心に決めていた。それは彼女がココとの別れをも覚悟して、敢えて選んだ道であった。この世界でのココは『パルミエ王国の王位にあったり、お互いの種族の違い』など、多くのしがらみを自然に抱えており、長年想っていた存在であり、国の恩人でもある、のぞみとの関係に最終決着をつけるのを躊躇っていた。また、白色彗星帝国との戦闘に巻き込むのを強く嫌がったのぞみ自身が手配している妨害工作を受けており、まったく現地の情報を得られない状況にあったのもあり、のぞみの近況を知れないもどかしさを感じていた。一方、相方のナッツは水無月かれんと秋元こまちのラインで、今回の『出来事の事の次第』を奇跡的に知れたが、ココには告げないという選択をとった。ココは既に、のぞみの大学卒業から四年以上も想い人の前に姿を見せずにおり、それが却って、のぞみに苦しい思いをさせている事が許せなかったからだ。のぞみ自身にはナッツ自身が連絡を取り、今回の事の次第を確認しており、ココのした事にむかっ腹が立っていた。ある意味、ナッツはココの愛情を自ら試したことになる。その事により、ココは周りの様々な思惑が作用し、地球のみならず、想い人の近況すらも、全く知れないという状況に、瞬く間に追い込まれていった。それと対照的に、ナッツはかれんとこまちから、リアルタイムで地球の状況を教えられ、プリキュアスターズの武運長久を祈る立場であった。ある意味では友人に残酷な選択をしたのであるが、国の再興の恩人であるのぞみ達の前途に光あることを密かに祈っていたのである――