ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第五百九十九話「合流。そして、衝撃の事実」

――シャア・アズナブルは実のところ、父親の主義主張などは『自分の幼少期に受けた仕打ちへの復讐の方便』であり、それ以上でも、それ以下でもなかった。その本質がネオ・ジオン将兵がタウ・リンに利用される原因となった。アムロ達はその責任を取らせるべく、サイド3の移民船団長『キャスバル・レム・ダイクン』としての責務を負わせ、更には連邦軍将校『クワトロ・バジーナ』としての活動の責任も負わせ、旧エゥーゴの残務処理を押し付けた。その結果、シャアは表向き、戦犯として裁かれ、スペースノイドの反乱増加抑止のために『終身刑』を宣告された。これはあくまで、元・ジオン公国軍大佐『シャア・アズナブル』への処分であった。つまり、法律上、クワトロ・バジーナなどには『咎は及ばない』事になる――

 

 

 

――サイド1――

 

「まさか、私を生かすとはな」

 

「貴様を支持するスペースノイドへの償いをしろってことだ。ジオン将兵の中には、お前を信じていた者が多いんだぞ」

 

アムロはカラバ時代の服装で、『クワトロ・バジーナ』と会っていた。彼を倒せるパイロットとして、だ。

 

「私を今度は連邦が人身御供にするのか」

 

「言っただろう。貴様はそういう血に生まれていると」

 

「それで、私をどこに連れて行くのだ」

 

「その前にセイラさんに殴られてこい。貴様はあの人を失望させたからな……」

 

「私をアルテイシアに差し出すのか!?」

 

「それとも、カミーユにグーパンされたいのか?それのほうが嫌だろう」

 

「アムロ……」

 

「シャア、名前変えても、何かしらの旗を振ってたお前の運命(さだめ)だと諦めるんだな。カミーユはそれでお前を殴りたいと息巻いてるはずだ。あいつはゼータでサザビーを抑え込めるからな…」

 

「それを聞くと、私付きのエンジニアが泣くぞ」

 

「貴様がいうことか?クェスをマシーンにした貴様が」

 

「その事はすまんと思っている……頼むから、私を睨むな」

 

「いい友達だったガルマ・ザビも誅殺したお前に友人関係を云々する資格があるのか?調べは上がっているんだからな」

 

アムロはこの時、シャアに舌戦で優位に立っていた。シャアは色々な負い目を作っている上、タイムマシンで過去の策謀を暴かれている。クワトロ・バジーナとしての生存を許されたのが奇跡に近いからだ。

 

「貴様のお付きのエンジニアだが……俺だって、ララァを殺したくて殺したわけじゃない。そうでなければ、20の後半まで、悪夢にうなされるものか。ニュータイプでも、わかりあえんものはわかりあえんということか」

 

「あの子は一年戦争の時に拾った子の一人でな。ララァによく懐いていた……」

 

「だからと、憎まれても困る。あの時の貴様は間違いなく、全てで俺に遅れを取っていたのは事実だ」

 

そのエンジニアとは、サザビーの設計主任であった、シャア付きのエンジニア『アルレット・アルマージュ」のことであるが、彼女はララァの一件以来、アムロを仇敵と認識していたのだが、結局は彼女が何年もかけて設計したサザビーはたった数ヶ月の設計と製造であるνガンダムに遅れを取った。彼女はνガンダムをマーク2の焼き直しに過ぎない機体と酷評していたので、なおさらであった。サザビーの敗北はジオン系ワンオフ機の設計思想が初代ガンダムの正統な後継機種に敗れ去ったという点で、ジオン系の衰退の象徴となった。

 

「それに、サザビーも、ナイチンゲールもだが、火力を重視しすぎだ。あれでは、同等の腕を持つ者には決定打にはならん。そこを俺は突いただけだ。貴様の癖は一年戦争とグリプス戦役で嫌と言うほど見てきたからな」

 

アムロはそこで酒を煽る。

 

「アムロ、お前はシンプルな設計を突き詰めただけだと?」

 

「ファンネルと大火力火器、あとは実弾兵装。それだけあればいい。最悪、ステゴロで倒せばいい。それを俺に教えたのは、貴様だぞ」

 

アムロは初代ガンダム以来、シンプルな構成の機体を好む。時代相応に大火力火器は持つが、基本的には確実性のある武器を好む。グリプス戦役以降に顕著である。

 

「それで、私を何に乗せる気だ」

 

「デルタ系に乗せる。グリプス戦役で百式に乗っていたんだ、あの系統には慣れているだろう?」

 

アムロはそれを明言させる。暗喩としてのデルタ系であろう。シャアへの嫌味も入っているだろう。

 

「せめて、マークⅢに乗せてくれ」

 

「だめだ。あれはうちの分署が使ってて、予備パーツも送り込んでしまった」

 

「なんだと」

 

「貴様ともあろう者が珍しいな?」

 

「私専用に用意させてた個体があったはずだぞ」

 

「戦後に解体されたそうだぞ。次のタイプのために」

 

「なんだと!?」

 

「ニューディサイズの持っていたガンダムがマークⅤな時点で察しておけ」

 

と、アムロはクワトロにデルタガンダム系を充てがうつもりだと告げ、マークⅢの所在も伝える。マークⅢは実際に64Fに回され、キュアフェリーチェが使っているので、嘘ではない。

 

「ところで、タウ・リンを倒した新型だが……どこであんなキャノンの技術を。連邦には、戦闘衛星用のエネルギー砲をあそこまで小型化させる技術はないはずだ」

 

「キャプテン・ハーロックの提供した技術で小型化に成功した。それに、あれは貴様の知るサイコミュシステムとは仕組みが違うらしいぞ。俺もそこまでは知らんが」

 

ガンダムX系の構成技術には、23世紀より遥かに進歩した時代の技術が入っている。フラッシュシステム自体は連邦が『ネオサイコミュ』として研究していたものの一つであるが、実用段階に至るには、それが必要であった。

 

「貴様の好きな真っ赤な機体か、灰色の量産機からなら選ばせてやる、金色のも有るが、テストセンター送りで、今はジュドーがテスト中だからダメだ」

 

「後で資料を渡せ」

 

「アナハイムの社員が直に説明に来る。それから選べ。如何に貴様でも、慣らし運転はしたいだろう?」

 

と、アムロに言われ、珍しくむかっ腹が立ったクワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)は半ばムキになる形で、自分用に用意された機体の選定のため、『ロンデニオン』の港湾部に停泊中の輸送船に赴くのであった。それを見守ったアムロはその間に、黒江と連絡を取り、シン・アスカらの様子を確認させるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――オトナプリキュア世界での戦いは新たな局面に入った。大人のぞみの方針もあり、かつてはプリキュア戦士であった者達に無理な復帰は求めなかったため、スマイルプリキュアはメンバーの全員が辞退する事になった。既に戦いから退いて久しい上、全員に生活があるからである。星空みゆきから『ごめん。私達は――……』という文面から始まる詫び状が届けられた――

 

「スマイルはやっぱり?」

 

「仕方ないさ。HUGっとも全員は無理でしょ?」

 

「さぁやは復帰してくれると、連絡がありました。この世界の私から『頼む』との伝言が」

 

「さぁやちゃんにはお礼を伝えておいて」

 

「わかりました」

 

ブリーフィングルームのボードには、プリキュアオールスターズとの連絡状況が書き込まれていた。転移組で穴埋めするべきプリキュアはかなり多いので、現役時代の頃の顔写真の下に印がつけられる形で、召集を承諾したか、否かが示されている。その作業の手伝いをキュアエトワールがしていた。

 

「メールで送る文面、こんな感じでいい?」

 

「誤字ってますよ」

 

「あ、本当だ」

 

文面は『全然は居るメンバーで何とかするから避難先とかで不安にしてる人の力になってあげて、不安なひとが減るだけでも力になるんだから』と、誤字っているものの、趣旨は伝わるものである。

 

「写真、撮るよー」

 

「お願いします」

 

自分たちのプリキュア姿での写真を添付し、誤字を直して送信する。

 

「スマイルが辞退で、スター☆トゥインクルは全員が応じて……HUGっとは私とさぁやが。はなにも、私が会ってみます。」

 

「待って。それはあたしがする。向こうの世界のあたしの持つ『しこり』を無くしたいんだ」

 

「でも、状況説明の役は必要ですよ」

 

「確かに」

 

「行きましょう。コスモタイガーなら、30分で日本に戻れます」

 

エトワールに促される形で、ドリームは複座型のコスモタイガーを使い、野乃はなに会うことにする。野乃はなは2018年のプリキュアなので、それから数年後の2020年代には、高校三年生ほどになっている計算であった。プリキュアから引退した後、夢であるデザイン業の起業に向けての勉強をしているとのことであった。エトワール(ほまれ)が自分の同位体から教えられた『2022年の野乃はなが通う高校の近くの公園』にコスモタイガーを着陸させ、はなが通うという高校の校門前に来てみる。

 

「私達、高校は別々になったみたいですね」

 

「ラヴェニール学園、高等部ないんだね?」

 

「ええ。まぁ、たった数年で変わるわけはないですからね」

 

「あ、はなですよ!」

 

「あ、本当だ!」

 

校門から、首をしきりにキョロキョロさせる野乃はな(当時は18歳ほど)が出てきた。ほまれから『会えるか』というメールを受け取り、『どういう事だろう』と気になっているのだろう。

 

「はな!!」

 

「え、エトワール!?なんで、プリキュアに戻っ……!?」

 

「事情を話すから、とにかく」

 

「と、とにかくって言われても~!?」

 

エトワールは取り急ぎ、はなを公園に連れ出した。そこで改めて、のぞみが姿をみせる。キュアドリームの姿でだ。

 

「久しぶり、はなちゃん」

 

「ど、ドリーム…!?なんで……引退したって……。それにどうして……あの時のままなの!?」

 

「基本的に、なった時の姿で固定されるみたいでね。はなちゃんに聞きたいことがあるから、日本に戻ったんだ」

 

「じ、じゃ、あのニュースは本当なの!?」

 

「うん。また戦う事になってね」

 

「まって、エトワールは……ほまれは今、ヨーロッパでスケートのツアー中のはずだよ!?どうして、日本にいるの!?」

 

「それは、この世界のほまれちゃんとは別の世界のほまれちゃん自身だからだよ」

 

「え、え!?」

 

「う、うん。現役時代の時点で別世界に飛ばされて、そこでドリームたちと一緒に戦ってたんだ」

 

「めちょっく!?」

 

高校生になっても、はなの中学生時代の口癖は健在なようであった。

 

「その事なんだ。私たちがはなに会いに来たのは」

 

「うん。はなちゃん、単刀直入に言うよ。今でも、キュアエールとして戦える?」

 

「……当たり前だよ。どんなに年を取ったって……私はキュアエールだよ。だけど、変身する手立てが……」

 

「いや、あるよ。あたしたちは強く念じれば……!はなちゃんが現役の頃にやったことじゃない」

 

はなは歴代のピンクプリキュアで珍しく、現役時代に自己意志の強さでプリキュア因子を活性化させ、アイテムなしにプリキュア化を起こした事が確認されている。これは非常に珍しく、のぞみやマナでもなかった事である。

 

「う、うん……四年ぶりくらいだけど……」

 

はな(高校生)は往年のように、声に出して、念じる。

 

『フレー!フレー!ワ・タ・シ!フレー!フレー!プリキュア!!』

 

それをいい終えた瞬間、はなの姿が往時のキュアエールのそれに変わっていく。のぞみの考え通り、はなはプリキュア因子が強く残る体質なのだ。

 

「お、おおーーー!!なれたーーー!!」

 

「これで一安心だね。それと話したい事あるんだけど、いい?」

 

「う、うん。いいけど……?」

 

その話をしようとした瞬間、のびのび町(HUGっとのいる街)に自爆型航空兵器『イータⅠ』が突如として降り注ぐ。

 

「ど、ドリーム!」

 

「う、嘘でしょ!?自爆兵器をこの街に落とすなんて!?」

 

その兵器『イータⅠ』は剣を模した形状であるのもあり、街に剣のように突き刺さっていき、一定数に達すると、一斉に自爆を起こす。バルゼー艦隊は殆ど使わなかったものだ。ナグモは彼と違い、銃後にも情け容赦をしないのがよく分かる。

 

「ヤロウ、罪のない人達をよくも!」

 

「待って、ドリーム!どこへ!?」

 

「こいつで空中戦と洒落込むんだよ」

 

「め、めちょっく!!戦闘機!?」

 

「エトワールは後部座席に!エールは機銃座に!急いで!」

 

「う、うん!」

 

カバーを外し、複座型コスモタイガーを起動させる。

 

「防壁喰らいはまずいなぁ、機銃はともかくミサイルは効きそうかな?」

 

「やってみるしかないですよ」

 

「だね。離陸するよ!」

 

こうして、三人は自爆兵器を迎撃するため、緊急で離陸し、空中戦に打って出た。

 

「ど、ドリーム!なんで、私が機銃座なの~!?主人公格なのにぃ~!」

 

「そこは我慢して。照準器に入ったのを撃つだけでいいから!」

 

ぶーたれるエールをなだめつつ、ドリームはエトワールがレーダー手になる形で、自爆兵器を食い止める。機銃の火力も通ずるようだが、いかんせん数が多かった。

 

「あ、あぁ……!!」

 

エールが悲鳴をあげる。高校の校庭や校舎にいくつかが突き刺さり、盛大に爆発を起こしたからだ。

 

「ドリーム、こいつら……!」

 

「数が多すぎる!クソ!!いったい、いくつ投下しやがった!?」

 

ドリームが後輩の前で毒づくほどの数が街に投下されたようで、まさに三人の行動は蟷螂の斧であった。

 

 

『ドリーム1、こちらパトロール艦『オレゴン・シティ』!!応答されたし!!』

 

『状況知らせ!こちら、ドリーム1!』

 

『貴官らのいる街に大量の自爆兵器が投入された!!数はおおよそ……数百万!!」

 

『街を消し飛ばす気か!?』

 

『一機だけでは、焼け石に水だ!逃げろ!!』」

 

と、状況が伝えられる。三人は必死に迎撃を続けるが、一機が至近距離で自爆し、大きく態勢を崩されてしまう。直撃ではないが、コスモタイガーを失速させるには充分な力であった。

 

「し、しまった!!」

 

「ドリーム、まずい、失速してる!」

 

「わかってる!く、クソぉ!」

 

計器表示が危険を知らせる。幸い、新コスモタイガーは装甲が強化されており、致命傷は防いだ。だが、相当にダメージを負う形になり、ドリームが機体を立て直そうとする間にも、機体はみるみる内に降下する。

 

「こ、こなくそ……!上がれぇーー!」

 

必死に操縦桿を動かし、宇宙用の高機動バーニアも全開出力で噴射する。それが功を奏し、機体は上昇に転ずる。

 

「ふ、ふう……助かった」

 

「エール、大丈夫?」

 

「な、なんとか……死ぬかと思ったよ……」

 

『こちら、補給母艦『摩周』。ドリーム1へ。貴官は本艦へ着艦されたし。自爆兵器は我々が対処する』

 

『ドリーム1,了解。けど、どうやって数百万単位の自爆兵器を?』

 

『彼が撃ち落とす』

 

『彼って……』

 

『そこからなら見えるはずだ』

 

『あ、あれは!!』

 

ドリーム達がいる高度からもはっきりと見えた『背中にマントをはためかしている』ような翼を持ち、見るからに強そうな外見の巨大ロボット。それは……。

 

『サンダーボルトブレーカー!』

 

その叫びが響いた瞬間、エトワールが思わず叫ぶ。歓喜の叫びであった。

 

「マジンエンペラーG!!グレートマジンガーの後継ぎになるスーパーロボット!!」

 

「よっしゃ!!これで安心だ!!」

 

大喜びの二人に置いてけぼりにされ、何がなんだかわからないキュアエールだが。彼女の機銃座からも、その勇姿が見えた。

 

「き、巨大ロボットぉ!?それも……デフォルメされてない、リアル体形のだ…。なんかカッコいい……」

 

自爆兵器にサンダーボルトブレーカーを撃ち込み、挨拶代わりの一撃をお見舞いするマジンエンペラーG。グレートマジンガーの後継ぎになるが、マジンカイザーとの差別化により、グレートマジンガーを近代化させたような体裁がある。カイザーと違い、肩の装甲の形状がグレートマジンガーと同じであるからだろう。

 

『ルストタイフーン!!』

 

ルストタイフーンが吹き荒れ、グレートスマッシャーパンチが乱れ飛ぶ。そのパワーはまさにスーパーであり、何もかもが桁違いの破壊力であった。

 

『のぞみちゃん、母艦に着艦しろ!ここは俺が引き受ける!』

 

『鉄也さん、ありがとう!!』

 

「え、し、知り合い!?」

 

「仕事の同僚。後で説明するよ。摩周へ。空きのVFない?有れば出たいんだけど?」

 

「ちょうどいい。19と171EXが待機中だ」

 

「着艦するから、すぐに出せるように調整しといて」

 

「了解」

 

コスモタイガーを着艦させると、キュアエールを171EXに乗せ、自分とエトワールは19に乗り換えるドリーム。

 

「待って待って、待って!!なんで、戦闘機に乗せられてんの、私ーーー!?」

 

「動かせば自然に覚えるよ」

 

「そういう問題じゃなくてーーー!?」

 

狼狽えまくりのキュアエールをよそに、ドリームとエトワールは慣れた手つきで機体を起動させる。

 

『ドリーム1、出る!!』

 

『ドリーム2、発進します!』

 

『え、え、えぇ!?えーと、き、キュアエール、いっきまーーーすっ!』

 

三人はなし崩し的に可変戦闘機で再出撃した。キュアエールまで出撃させたのは数合わせに近いが、いないよりはマシだ。

 

『171EXはガウォークかバトロイドなら、ジェスチャー操作やマスタースレーブで操縦って感覚じゃなく操作できるから、エールはそれで戦いな』

 

『と、言われても、どれがどれだか……』

 

「グリップの手首辺りのスイッチ押せば、手の動きをマニピュレーターが真似してくれるよ。それと、機体のモード切り替えは左のスティックを引きな。90度で人型形態になる。』

 

ドリームの機体も、ある程度の共通化は図られているが、機体特性はまるで違う『じゃじゃ馬』寄りの特性である。19は171よりはるかに扱いずらい。だが、乗りこなせば、そんじょそこらのVFより高度な飛行を約束する。ヤン・ノイマン博士曰く、『地球の在来技術で製造できるVFの限界点』と自負するほどの名機。64Fでは『19を乗りこなしてこそ、荒鷲』という風潮ができるほど、乗りこなしがステイタスになっている。

 

「エールは私の傍から離れないで。ドリーム、前衛は任せます!」

 

「YES!鉄也さん、取りこぼしは任せてください!」

 

『お、機体をとっかえたか。のぞみちゃんは俺に続け!ほまれちゃんは友だちを守ってやれ』

 

「わかりました!」

 

と、ごく自然に会話を交わす、剣鉄也と両名。しかも、かなり親しげだ。エールは情報の嵐に頭がパニックだ。

 

「ど、どうなってるのぉーーー!?」

 

虚しく響く、キュアエールの叫び。だが、街に降り注ぐ自爆兵器は止めなければならない。どのような手段を用いてでも。

 

「エール、敵が近くに来たら、『PPBP、セット』って言ってから殴れば、バリア付きパンチ打てるから、ミサイル迎撃とかでも使えるよ」

 

「え、そんな機能あんの!?」

 

「元々は宇宙人と戦うための兵器だし、これ」

 

ピンポイントバリアパンチの機能をレクチャーした後、ドリームは初っ端から使用。格闘ならお手の物と言わんばかりの動きだ。ちゃんとドリームの動きをトレース出来ているあたり、19の高性能がわかる。

 

「はなは私が守る!!」

 

エトワールも気合が入っており、経験値は浅いが、元々がスケート選手であった故の適応力の高さでVFを操る。こちらも19である。既に型落ちだが、地球連邦軍の機体としては未だにトップレベルではある。最新鋭スーパーロボットのマジンエンペラーの僚機が務まるくらいに機敏だ。

 

「ほまれ、すっごぉ~い……よ、よぉーし……!」

 

主人公補正はあれど、そこは素人。射撃武器で仕留めるつもりはなく、格闘で仕留めるエール。

 

「こんなのが作られてる世界があるんだ……」

 

「うん。あたしはその世界にコネがあってね」

 

と、適当に状況を説明する。コネがあるのは本当であるのぞみ。

 

「軍隊を動かせるの?」

 

「実はというと、あたし……軍の将校なんだ」

 

「えーーーーー!?」

 

「私も同じく。のぞみさんは少佐」

 

「あれ、さん付けだっけ?」

 

「ずいぶん会ってなかったし、うんと年上ってわかったしね」

 

と、エトワールは別世界で戦っていた都合上、のぞみとの本当の年齢差を知り、以後は年下として接している事を明言する。おおよそ、12歳ほどの差があるのだ。

 

「どのくらい?」

 

「えーと…12歳」

 

「……え?」

 

「12歳」

 

「め、めちょっくーーーー!!じ、十二!?」

 

「あ、ブラックとホワイトはあたしの三年は先輩だよ」

 

「!?」

 

それがまず信じられない。ブラックとホワイトはドリームよりももっと上の世代。キュアエールは衝撃の事実に、思わず叫ぶのであった。

 

 

 

 

 

――こうして、キュアエールは図らずも、戦闘機で戦うことになり、結果的に復帰戦となる。この時は機会を逸したが、のぞみは同位体が前世で犯した罪を告白しようとしている。のぞみは同位体が持っている罪の意識を晴らしたいと思い、罪を懺悔した上で許しを請うつもりであった。一種の賭けであったが、キュアエトワールがそれを後押ししていた。こうして、大人のぞみはゆいとほまれ。二人の行動的な後輩の助けを借りつつ、地球連邦軍での『プリキュアの代表格』という形で活動をしていくのであった――

 

 

 

 

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