ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

640 / 787
オトナプリキュア世界編です。


第六百四十七話「オトナプリキュアの世界の花海ことは」

――大決戦でMSなどの存在を知ったプリキュアたち。その縁で、のぞみはオトナ世界の動乱などでガンダムを動かすことになった。正規軍人扱いであるので当然だが、敵が敵なので、仕方がなかった。人型機動兵器は一般に『通常兵器より強力』とされるが、戦略級の武器をマスベースで搭載する事は極めて稀な事であった。地球連邦軍と言えど、政治的理由でそれは控えていたが、やむにやまれぬ理由で、既存の武器を更に改良する形で配備を進めていた――

 

 

「おおう、ハイパー・メガ・カノンの第三世代型の『ハイパー・テラ・カノン』だって?」

 

「なんでも、第二次ネオ・ジオン戦争の時期にZZ系の火力増強案として試作されていた『ハイパー・ギガ・カノン』の改良型だそうです」

 

「ゴツいな。Gバードの技術をハイパー・メガ・カノンに?」

 

「ええ。改良点は本体にエネルギードライブ用の高出力炉を三基搭載して、機体本体への負担を軽減したそうです。ZZタイプでさえ、負担でアップアップだったそうなので、前型は」

 

「やれやれ。ダブルゼータはガラじゃないんだけど、高火力の代表格だし、使うしかないか」

 

「そもそも、連邦の純正なガンダムタイプを素で乗りこなせるプリキュア、私とドリームくらいですからね」

 

「他の子達は訓練で適性見ないとな…。日本はギャバンさんが守ってくれるから、こっちは安心して、北米を解放できるけど」

 

「皆はうろたえてますよ。1000年女王にいきなり別の世界の記憶を与えられて、地球の敵と戦えなんて言われて」

 

「覚悟がガン決まりしてる子達を前線に置くとして、咲ちゃんと舞ちゃんには頑張ってもらわないと」

 

「そっちじゃ、タメ口なんですね」

 

「え?そっちじゃ、仕事が咲ちゃんと同じだから、敬語なの?あたし」

 

「ええ。一学年先輩でしょ?それで、仕事中は敬語を通してます」

 

「そっちのあたしも大変なんだなぁ」

 

日向咲はのぞみとは学生時代以来の付き合いだが、実は一学年上になるので、のぞみAは(先輩後輩関係が厳格な環境で働いているので)敬語で接しているが、『オトナ』世界では学生時代以来の再会なので、タメ口で接しているようである。合流したキュアフェリーチェとの会話で、それが明確になった。

 

「軍隊は体育会系ですからね。ウチは緩いほうですけど」

 

「そっちじゃ、20年くらい、別の日本にいたんでしょ?一人ぼっちで。寂しかった?」

 

「そうじゃないといえば、嘘になります。みらいとリコに生かされましたから。大地母神としての力はとうに失いましたから、プリキュアとしての姿が保てたのが不思議なくらいでしたよ。でも、この20年で……私は仮初とはいえ、帰るべき場所をまた得られた。今度こそ守りたい人が、世界がある。そのためには、私はなんでもします」

 

キュアフェリーチェはZEROにそれまでの全てを奪われたが、彼の気まぐれで消滅を免れ、大地母神としての因果(そのため、別の世界の彼女自身とは明確に『別の存在』に分離している)を抹消されたが、その代わりに『神を超え、悪魔も倒せる』力の資質を得た。その資質の開花により、彼女の属性は『大地母神』から『戦神』へと変貌している。姿に変化がないだけで、能力はほぼ別物に等しい。ZEROの気まぐれと、彼女自身の渇望が運命を変えたのである。

 

「でも、ここ最近はあなたが来ましたから、面白く過ごしてましたよ。調とはあまり一緒に過ごせる事がなくて。すれ違いの生活ですから、あの子とは。話せる機会もあまりなくて」

 

「あの子は先輩の弟子兼懐刀だからなぁ。なのはの子の面倒もあるし、のび太君ちのハウスキーパーでもあるから、忙しそうだもんね」

 

調は野比家のハウスキーパーに落ち着いたが、そこまでに『のび太の両親から信頼を得る』ための苦労の日々が(当然ながら)あった。フェリーチェ(ことは)は『仕事の関係ですれ違いが多く、あまり一緒にいたことがない』と、大人のぞみに告げる。みらいが野比家で過ごすようになったのは、復活に伴う全ての検査の完了後なので、のぞみが(ダイ・アナザー・デイ直後から)ことはの面倒を見ていた。のぞみは同じ『プリキュア』なので、ことはも腹を割って話しやすく、この時点では、のぞみAはことはを『妹分』としてかわいがり、ことはも姉のように慕っている。それを踏まえて、大人のぞみは接している。

 

「あなたをキズ物にしたら、そっちのあたし自身に殴られそうだ」

 

「同じ自分ですよ?」

 

「なんとなく、ね。でも、あたしがいくら正規の訓練をアムロさん達から受けたったって、θ(ZZの社内番号コード)系まで乗れってのはねぇ」

 

「他の子は適性調査待ちですし、この世界の子達に、いきなり全天周囲モニター・リニアシート完備の機体を動かせってのは、江戸時代の人間にカウンタックを運転させるくらいの難度ですからね」

 

「それはしゃーない。ああいうコックピット構造は特殊だから、ある意味。スーパーロボットのほうが、まだわかりやすいかも」

 

「ですね。MSの技術発展で、パネル式よりも全天周囲モニターのほうが視界が得られるからと普及しましたが、あれは慣れが必要ですからね」

 

「教練で、自機を動かしてる感覚を掴めなくて、事故を起こした例がいくらでもあるって習ったけどさ、あれに慣れてる『未来世界のパイロット』ってエリートだよね」

 

「ええ。パネル式より視界はいいですが、錯覚に囚われやすく、パイロットの教育に手間取るのが難点です。私達は職業柄、慣れてますが、この世界の子らには荷が重い感が」

 

「古い世代には、コンピュータもまともに触ってなかった環境の子もいるからね。新しい世代の子らはともかくも……」

 

 

のぞみらが成人した後の時代になる、2010年代末では、全プリキュアが流石にコンピュータに縁のない生活は送っていないと思われるが、古い世代は世代・環境的にPC(あるいはスマホ)に拒否反応を示す者もいるかもしれない。それものぞみの懸念である。

 

「マナちゃんが記憶の移植で乗れるようになってりゃ、楽になるんだけどな」

 

「仕方ないですって。モビルスーツは戦車や戦闘機とは違いますからね。異星人はたいてい、侮るそうで。でも、ゲッターロボやマジンガーとかの圧倒的なパワーにびびって逃げるところまでがテンプレです。連邦はメタ情報でハイパー放射ミサイル対策を進めていますが、それが普及するには、あと三年はいるでしょう」

 

 

「ハイパー放射ミサイルか…」

 

「ハーロックからの情報でわかったことです。真田さんが理論を組み立てていますので、数年後にはヤマトに試作の防御策が積まれるでしょう」

 

「あれもおっそろしいけど、ボラー対策は?」

 

「奴らは物量以外はガミラスとどっこいどっこいなので、物量とブラックホール砲以外は脅威ではありませんよ。まぁ、数年後に新鋭艦隊と要塞で太陽系に乗り込んでくるそうですが」

 

「上の連中がガトランティス残党の掃討を焦るはずだ」

 

「数年後にボラーと地球近海で大一番があると分かれば、上も本腰入れますよ」

 

それが今回の動乱に連邦が本気になっている理由であった。ボラーとの一大決戦が数年後に控えているからである。白色彗星帝国は蛮族に近いメンタリティなので、殲滅あるのみというのも、連邦軍には負担である。普段は政治的に疎んじられている『無人兵器』も白色彗星帝国相手なら『消耗品』感覚で使える。そこも現金な話だが、蛮族相手には、力で力を制するしかない。ズォーダー大帝からして『どうだ、わかっただろう。宇宙の絶対者は唯一人、この全能なる私なのだ。命あるものはその血の一滴まで俺のものだ。宇宙は全て我が意志のままにある。私が宇宙の法だ、宇宙の秩序だ。よって当然、地球もこの私のものだ。ムハハハハ、アハハハハハハ!!』と勝ち誇るメンタリティであったので、その臣民はもはや文明人とはいい難い。

 

 

「和解できたゼントラーディが貴重なんだよな、たぶん」

 

「ガミラスがマシに見えるくらい、白色彗星帝国は蛮族ですからね、地球連邦からすれば」

 

「宇宙戦争は殲滅戦だって認識されんの、あいつらのせいだからなぁ。それで他国がぼやくんだよな。第一、イルミダスもだけど、地球からすりゃ、20世紀前半以前の帝国主義まんまのメンタリティなんだよ、それも白人至上主義の。だから、外務省も形式的に置かれてるだけってボヤいてるんだよな。まともな仕事が国内問題の処理だけだから」

 

結局、宇宙戦争は殲滅戦に近い様相であり、それに嫌気が差した者達が28世紀くらいに『限定戦争』という概念を提唱し、一定の普及を見せたが、イルミダスの侵略でご破算となるという。ゲッターエンペラーの登場はその度重なる理不尽に耐えかねた地球人類の神への反逆でもあった。ある程度の抑制は効いたものの、エンペラーが力を奮えば、一つの恒星間国家が軽く滅亡に追いやられる。そのため、ウィンダミアは『幸運である』。

 

「寄ってかかって、メンタリティが蛮族なんですよね、今までに出会った宇宙の国家。イスカンダルとテレザートは国家としては滅んでたから、カウントできないけど。そもそもゼントラーディは戦闘機械だし、ほぼ」

 

「問題はあと三つくらいとドンパチすんのが決定事項なことさ。ジオン残党、よく生きてられんなー……」

 

「先の大戦でずいぶん減ったそうですがねぇ……」

 

 

一年戦争を経ていないはずの世代も加わっているため、ジオン残党は『ジオン公国の残党』からは変質してしまったというべきだが、ネオ・ジオンの残党を含めれば、かなりがまだ存在している。そもそも、公国の残存戦力の8割強が残党化したとも噂されていたので、地球連邦軍が対外戦争を何度も経験した後の時代でも存在していられるのはありえない話ではない。残党も内部で思想の対立を経験し、離散集合を繰り返しているが、シャアの信奉者らと公国の信奉者では、根本で相容れないからでもある。

 

「連中も少しは防衛に貢献してほしいよ。ギラ・ドーガやギラ・ズールの一体でも提供するべきだよ、まったく」

 

「同感です。こういう有事にだけ、連邦を頼るなんて……」

 

二人に大いに嘆かれる、ジオン残党の身勝手さ。だが、実際には白色彗星帝国は『地球人類共通の敵』であるので、ジオン残党の良識派は元の共和国を介して、ジオン系の機材と人材をこの遠征軍に提供しているので、半分は濡れ衣であった。ギラ・ドーガとギラ・ズールも連邦の鹵獲塗装(偽装)でちゃんと戦列に加わっているが、別便であるので、大人のぞみは知らない。とはいえ、火器の備蓄を見てみれば、それら用のビーム・マシンガンが存在する。ジェガンやリゼル用の備蓄だけでは、消耗戦には耐えられないということだ。重火器も通常であれば、運用が差止めされそうなクラスのものが続々と到着しており、地球連邦軍も白色彗星帝国相手には『情け容赦無用』ということだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――オトナプリキュア世界の報道は差止めがされている。先進国で唯一、被害が軽い日本が実質的な反攻拠点に使われている事は、日本政府としては報道してほしくない事項であったからだ。軍事関係の戦況報道がタブーとなっている日本らしい曖昧な扱いであるが、インターネット時代であるため、他国の報道は容易に視聴可能である。その都合上、のぞみは『国連軍に志願した日本人の教諭』として、他国では派手に報道されている。更にプリキュア戦士であることも併せて報道されており、結果的に、本人のつゆ知らずのところで、世間に正体がまるっとバレていたりする。オトナ世界の(元)プリキュア関係者は報道に(当然ながら)驚愕することになった。戦士を完全に退いた状態にあり、当時の時点で20代後半を迎えていたはずの夢原のぞみがキュアドリームに返り咲き、尚且つ、国連軍の反攻活動に『正規将校』として参加しているからだ――

 

 

 

――当然ながら、時代的にSNS等で連絡を取り合っていた者たちも多く、のぞみが教師の職を擲つ形で公に戦うための身分を得て、プリキュアの力を奮っている様が報道されたことに腰を抜かした者が大半であった。更に、この世界の該当人物とは別個体にあたる『本人』が参戦した者も多いため、SNS上でパニックが起こっていたりした。特に、既にプリキュアを引退している者も多い世界線であったので、そのパニック度は大きかった――

 

 

 

――なんで、のぞみちゃんが自衛官してんの!?それも幹部扱いだって!?――

 

――ほまれちゃんも、欧州の選手権に出てるはずなのに、キュアエトワールになって戦ってたよ!?――

 

――私の大学時代の知り合いがキュアスカーレットを見たって……。トワちゃん、ホープキングダムに帰ったはずだよ!?――

 

いくらプリキュア経験者といえど、既に現役を離れて久しい時代においては、メンタリティが『プリキュアになる以前の状態』にある程度戻っていたりするため、殆どがパニックに陥っていた。特に、のぞみが夢を犠牲にしてまで戦いの道を選び、キュアドリームに返り咲いた事が明示された事は、そのパニックを助長した。そして、それはオトナ世界に(当然ながら)いる『大地母神の力を持ったままである場合の花海ことは』も同様であった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――彼女は世界の危機を察知し、実は宇宙刑事ギャバンが現れる少し前のタイミングで顕現していたのだが、別世界の自分自身が変身した状態で現れ、あまつさえ大暴れしてしまったことで『出るに出られなく』なっていた。

 

 

 

 

 

――オトナプリキュアの世界の日本 宇宙刑事ギャバンが駆けつけた直後――

 

 

「なになになに~!?あれって、わたしだよね!?別の世界線の~!!?ど、どうしよ~~!!で、で、出るに出られなくなったぁ~~!」

 

と、大パニックであった。

 

「仕方がないが、この戦いは俺の知る君自身に任せるしかない。大地母神としての力は失われてしまったが、戦闘力は段違いだ」

 

「あなた、なんなの!?別のわたしとどういう関係なの!?」

 

「知り合いだよ。俺の故郷の世界での君の義理のお兄さんは俺の友人なんだ」

 

宇宙刑事ギャバンこと、一条寺烈に連れられ、事情の説明を受けていた『オトナ世界のことは』。こちらはドラえもん世界のことはと違い、ことはとしての精神的な成長が起こっていない状態なため、言葉づかいは『肉体の見かけより幼い』状態のままだ。

 

「別のわたしに、いったい何があったの?」

 

「話せば長い。君の存在の根幹に関わるからね。君の大地母神としての存在そのものに干渉できるほどの強大な存在が絡んでいるし、君の存在そのものも変質してしまったようなものだ」

 

一条寺烈はなるべくわかりやすくするように心がけ、ことは(オトナ世界)に事情を説明する。自分の世界でのことは自身は大地母神ではなくなった代わりに、より上位の神々たるオリンポス十二神、とりわけアテナ(城戸沙織)の使いともいうべき存在に変貌しており、その力を奮っている事、花海ことはでいるよりも『キュアフェリーチェ』でいるほうが多くなっている事を。

 

「そのわたしは……大地の祝福を受けられなくなった。なのに、なんで、プリキュアになれるままなの?」

 

「君に干渉した存在(ZERO)の気まぐれとしか言えん。だが、そのおかげで、君は消滅を免れた。だが、目の前でキュアミラクルとキュアマジカルを倒されてしまったショックで、一時はプリキュアからその状態に戻れなくなっていたと聞いている」

 

「う、嘘よ!!ミラクルとマジカルが……そんな……!」

 

「だが、それは事実だ。友人から預かっている証拠写真を見せよう」

 

一条寺烈は証拠を見せる。それはドラえもんが(ことはを野比家が引き取る前後に)情報の確認のためにタイムテレビで撮影した写真であった。巨大なマジンガーZEROが腕を組んで仁王立ちし、その場を見下ろす中、仮面ライダー四号がその力を以て、キュアミラクルとキュアマジカルを倒した一瞬を写したもの。仮面ライダー四号のライダーパンチがアレキサンドライトスタイルの両者の胸をものの見事に貫き、『痛みを感じる一瞬もなく』倒す(死亡)瞬間のもので、二枚目には二人の名を絶叫し、仇を討とうとする(激昂した表情の)自分、三枚目はマジンガーZEROの『因果律兵器』でアレキサンドライトスタイル(プリキュアとしての最強形態)を強制解除され、通常状態に戻されたばかりか、その場の因果律を改変され、全ての魔法を封じられてしまった結果、戦意を喪失し、醜態を晒す自分の姿、四枚目はその自分を救った戦士たちが颯爽登場し、仮面ライダー四号の前に立ちふさがるところである。

 

「……魔法を封じられたの?」

 

「その場での因果律を捻じ曲げた結果だ。それで、モフルンがその身を犠牲にして、君を庇った。四枚目を見てみるんだ。モフルンだったぬいぐるみが君の目の前で倒れているだろう?」

 

「……うん……」

 

「異世界の戦士たちが駆けつけ、君を生かし、俺達の世界へ逃がした。モフルンは君が連れて行ったよ。みらいちゃんたちとのつながりの象徴でもあったからね」

 

仮面ライダーディケイドと仮面ライダー鎧武が颯爽登場し、仮面ライダー四号率いるバダンの軍団に立ち向かい、鎧武が殿を務め、ディケイドとフェリーチェを逃がした。フェリーチェはこの時の戦意喪失を『生き恥というものを始めて理解できた』と語っており、鎧武が殿となって戦ってくれているのに、自分は仲間を奪われた悲しみに暮れ、二人の平成ライダーに礼の一つも言えなかったと、自分を恥じている。その感情が20年間に及ぶ修行の日々に繋がったのだと。

 

「仮面ライダー鎧武……彼が殿をしてくれたおかげで、仮面ライダーディケイドは君を逃がせた。逃がした先での事は別の機会に説明する。しばらくは俺と一緒にいてくれ。そのほうが俺としても、君の仲間だった子達へ説明がしやすい」

 

「なんでなの?」

 

「それがのぞみちゃんの頼みだからだよ」

 

「のぞみの……?」

 

一条寺烈はお馴染みの愛車『ジムニーのジープ』で空襲の被害からの復旧を始めようとする街を走る。ことは(オトナ世界)はジムニーに同乗する形である。

 

「なんていえば、いいかな」

 

「実は君とのぞみちゃん……俺の世界では義理の親戚同士になってるんだ」

 

「へー……へ???」

 

ことはの表情が一瞬で変わる。いくら精神年齢が幼くとも、そのことの意味はわかるからだ。

 

「なんでなんでぇ!?」

 

「うーん。ココ君の事は知ってるね?」

 

「うん。のぞみと一緒にいる、パルミエ王国の……え、ま、まさか!?」

 

「そのココくんが長い年月のうちに地球人へ輪廻転生をして、のぞみちゃんとくっついたんだ。彼の願いが岩をも通した結果……と言える」

 

「それじゃ、のぞみも……?」

 

「そうだ。だが、彼女はプリキュア戦士であるが故に、生前の若い頃に戻る形で輪廻転生を遂げていた。世界が彼女を必要としたのさ」

 

一条寺烈の説明に聞き入ることは(オトナ世界)。別世界にも、別の自分自身が存在する事は悟っていたようだが、いざ実際に起きると、なんとも言えない気持ちになる。しかも、別世界ののぞみと自分は姻戚(ことは自身がのび太の義妹であり、のぞみはのび太の養子であるコージの妻である)関係にある『身内』。驚くな、というほうが無理だ。

 

「のぞみがそうなったのも驚きだけど、わたしを引き取ってくれた家の事を教えて。わたし自身には関係はないかもしれないけど、わたし自身が辿った道の一つだし、『わたしの家族』の一つの形だから」

 

「わかった」

 

 

――オトナ世界のことははこうして、宇宙刑事ギャバンと共に行動することになった。一方、『ドラえもん世界のことは』はしゅんらんの格納庫で『仕事のこと』で大人のぞみと話しこんでいた。一方は『ミドルティーンの見かけより幼い喋り方ながらも、地頭はいい』ことを見せ、一方は地球連邦軍の兵器事情と、ジオン残党の身勝手さについてぼやくなど、キュアフェリーチェの状態であるのを差し引いても、20年分の精神的成長がわかる状態であった。大人のぞみは地球全体の危機であるのを考慮し、自分がプリキュア戦士の経験者である事の報道を気にすることはなく、むしろ、世界各国のプリキュア経験者に『事の重大さを理解させる』ための道具として利用してすらいる。それがわかる新聞記事がジムニーの後部座席に置かれている。それが大人のぞみの思惑だろうが、ある意味では、現役時代からかけ離れてしまった側面の表れでもあるので、ことはとしては複雑な思いであった――

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。