ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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オトナプリキュア世界編です。


百五十五話「大人のぞみの選択、オトナ世界のココの懺悔」

――大決戦の戦死者はドラえもんの手で救われた者もいたが、それでもそれなりの数の戦死者は生じた。艦艇の少なからずがが撃沈されたからである。第七艦隊のドレッドノート級の内、『ロイヤル・サブリン』はウザーラの攻撃からかばう形で撃沈したのだが、艦長が敬礼しながら散華していったため、プリキュアたちに少なからずの衝撃をもたらした。その時に参戦していた『ハートキャッチプリキュア』がその後も闘い続けたかは定かではない。彼女らは優しすぎたと、後に水無月かれんは語る。その逆に、プリキュア5やフレッシュは闘いの道を選んだ。記憶が宿る条件はその時に『誰がために、自分の命を賭けられるか』であったのである――

 

 

 

 

 

――大決戦の記憶は(『本来、その時期にいないプリキュア』が参戦したことによる帳尻合わせで封印された者も多い。それが蘇った後で選んだ選択はそれぞれであり、戦いを(自分の義務を終えた後に)離れたと思われるのが、ハートキャッチであった。そのため、アリシア・テスタロッサに転生した花咲つぼみは大決戦の個体とは別の個体になるという推測であった。逆に、のぞみは大人の個体が(先祖にラーメタル人がいたので)1000年女王に即位しようとし、Aは永劫の戦いへ踏み込んでいる。個人の気質による差があるとはいえ、世代が古いほど、戦いに躊躇がない事も確認されたが、戦い向きでない気質の資格者も多いため、本質的には戦い向きでないと言える。また、技の性質が浄化メインになっていくため、シュープリームのような『生物として、純粋に強さを求める者』が敵対した場合、無力となる危険があり、実際にそうなった世界線がある。それを知ったのぞみAは、対抗する手段としての空間支配能力を志向し始めたが、そこに至るには、長い年月がかかると思われる。大人のぞみは自身に歴代の1000年女王の誰かの血(髪の色が素でマゼンタなのは、日本人としてありえないとされているためだが、ある意味での遺伝子的回答であった)を継いでいたことが判明。プロメシュームの去った後に空位であった女王に自分が就く事を公言。卑弥呼、クレオパトラの導きで歴代女王の記憶を継承。以後は1000年女王の現任者(プロメシュームの子であり、女王の正統な後継者であるメーテルとクイーン・エメラルダスが継承を放棄しているため)として扱われることになった――

 

 

 

 

 

 

――オトナ『世界』。大人のぞみはキュアドリームの状態で勤務をしていた。そのほうが体力を消費しない(Aと違い、素の肉体が鍛えられていないため)からだ。Bのいる世界の戦いが終息へ向かい始めた頃にはロサンゼルス市解放作戦に従事しているが、副次的に得たニュータイプ能力の確認のため、一年戦争時にオーガスタ基地に置かれ、ティターンズ解体後は放置されていた『ガンダムNT-1』(トリスタンとされたのと別の個体)の近代化改修機に乗せられていた。とはいえ、近代化改修というのは『予算確保の方便』であり、実際には現用規格(ムーバブル・フレーム機として)で作り直された個体であり、外観がそのままなのは(予算確保のための)偽装を兼ねている。そのため、リニアシートとモニターはνガンダム以降の世代のものにされている(ただし、アームレイカーは廃されている)。――

 

 

――オーソドックスなガンダムタイプのNT-1。装備その他も作り直されており、ライフルも外観は以前通りだが、Eパック式に改良されている。これはアムロなどのトップエースでもない限り、一撃で複数を仕留める芸当はできない故である――

 

 

「このあたりの米軍は壊滅?」

 

「ハッ。付近を捜索していますが、米軍はこのあたりを放棄したようです」

 

「米軍はこの時期、対空戦車を持ってないし、初手で空軍を叩かれただろうからな。陸軍も消し飛んだのか?」

 

「指揮系統の混乱ではぐれた部隊を保護していますが、芳しくはありません。装備は大半がスクラップにされたようで、部隊の士気も…」

 

「連中はアテにできないか」

 

「おそらく、ニューポート・ニューズ造船所の防衛のためかと」

 

「西海岸は放棄か?」

 

「カルフォルニア州を防衛しきれないと踏んだのでしょう。米軍は戦後、常に制空権を取れる事を前提条件にしていましたからね」

 

「やれやれ。西海岸の連中が知ったら、秩序が壊れるぞ」

 

「米政府と接触し、発表を差止めさせています。我々が国連でない事がわかれば、この世界の連中はパニックになりますからね」

 

「一般人は?」

 

「日本と違って、秩序だった避難はできなかった模様です」

 

「何万人死んだかな」

 

「米軍も奇襲されたそうなので、10万を超えているのは確実です。中心地がこの有様ですからね」

 

「米軍は叩かれるよ、これ」

 

「機材を相当数失ったはずなので、モスボール保存されていた旧式を引っ張り出す羽目になるでしょうね」

 

「F-14とかか」

 

「おそらく」

 

大人のぞみ、彼女に帯同している兵士の会話から、F-14やF-16などの退役個体を米軍が引っ張り出す羽目になる事を予測する。実際、新鋭機は『武装を多くは積めない』というステルス機特有の問題が顕在化(機銃の装弾数も多くはない)。ステルス万能論(相手が相手であった不幸もあるが)の衰退を引き起こす事になったという。この動乱で求められたのは(そこそこの機動力と)搭載量であるため、米軍でさえ、F-35とF-22の機外搭載量増加を(やむなく)容認したと、米空軍の生き残りは言う。

 

「カニはF-14やF-16でも充分にカモれる。イータはコスモタイガーやVFが必要だが、あれは配備数が少ないのが幸いだな」

 

「ですね」

 

イータは白色彗星帝国の最新鋭機であったのか、配備数は少なめだが、コスモタイガーでも初期型では撃墜に苦労を要するなど、意外な高性能を誇っていた。そのため、新コスモタイガーの開発とその後続機となり得る機種が試作中であった。また、デバステーターは『地球の第四世代ジェット戦闘機(20世紀後半の主力であった世代)で充分にカモれる』機種だと明確になった。

 

「中心部の復興には、10年単位の時間がいるな、こりゃ」

 

 

大人のぞみは(レストアされた)アレックスの試運転を兼ねて、ロサンゼルス市を闊歩しているが、爆撃で中心部は見るも無惨な有様に成り果てている。爆撃で破壊された米軍の戦闘車両やF-16、F/A-18E/Fの残骸が放置されていたりするので、デバステーターの圧倒的物量に潰されたことがわかる。

 

「自衛隊がこんなことになったら、解散論が吹き出るだろうな」

 

「米軍が無理なら、21世紀のどんな軍隊も不可能ですよ」

 

「言えてるな。日本の一部の連中は防衛のなんたるかもわからんし」

 

Aとの思考の同化が進行しているようで、米軍の惨状に同情する様子を見せる大人のぞみ。白色彗星帝国相手では交渉が不可能であるので、降伏も許されずに殲滅された事は容易に推察できる。かつて旧日本軍を圧倒した米軍が自身を更に上回る相手に捻り潰されるのは、歴史の皮肉だろう。

 

「放置されてるガンショップの様子は?」

 

「生き残りの住民に荒らされていましたが、一部の品は回収できました。住民はショットガンなどを優先的に分捕っていったと」

 

「ミリシャ気取りか…。米国でこれなら、初手で核なんか撃った中露はもっと悲惨だな」

 

アメリカでさえ、最前線はこの有様なので、中露は秩序が崩壊寸前であろうことは簡単に想像できる。また、この有様から、ミリシャを住民が自主的に結成し、疑心暗鬼から悲惨なことになっている事は想像が及ぶ。核兵器が宇宙からすれば『原始的なおもちゃ』である事の証明で抑止力が失われた場合、通常兵器での戦争が誘発される。とはいえ、軍事大国も冷戦後の軍縮と核ミサイル優先の施策を続けた反動で通常兵力に余裕がない。比較的に被害の軽い日本でさえ、『自衛隊の再建に40年近くの時間がいる』くらいの損害だというので、白色彗星帝国が特に爆撃を加えたであろう米国の損害は悲惨の一言だ。

 

「核がガラクタ扱いですから。中国とロシアも馬鹿な事を。宇宙戦艦にこの時代の核が通用するとでも?」

 

「この時代の核は瞬間的な出力はあるが、宇宙戦艦相手には無力だからな。床を揺らすので精一杯だろう。むしろ、これで核抑止力が崩壊して、通用兵器での戦争が誘発されることが怖いな。とはいえ、今回のことで軍拡がどこでも容認されるだろう」

 

この動乱の後の抑止力となるのを期待されるプリキュアだが、(この世界線では)初期世代は多くが戦える状態ではない。それもあり、1000年女王への即位を以て、自分が地球を治めると公言している『大人のぞみ』。各国の過去の文献にその存在を裏付ける記述が確認されたのも、その根拠となっていた。アメリカは(今回の動乱で)軍事的に没落するのは確定したので、日本も対応に苦慮するだろう。プリキュアに全面的に頼れない世界線なのだから。

 

「あなたはこの後、どうなさるので?」

 

「しばらくはこの仕事で食いつなぐさ。教師に戻ろうにも、この国のニュースで『幹部自衛官』扱いされてるからね。日本じゃ、軍隊あがりは強く嫌われる。おまけに、若いうちに転職しようとすると、面接で嫌味ったらしく責められる風潮がある。だから、もし、うちの親たちが問い合わせをしてきたら、『空襲でクビになったから、応募を見て、国連軍に志願した』って回答するように頼んでる。嘘じゃないし、半分は」

 

大人のぞみは以後、別個体の代役と1000年女王の継承者としての顔を持つようになる。その都合上、本来の『教諭』に戻る事は叶わず、『地球の真の統治者兼プリキュア戦士』として生きていく。ことはが本来担うべき立場に近い事を、先輩であるのぞみがすることになるのである。その頃、ココは宇宙刑事ギャバンに事の次第を聞かされ、自分の願いが招いた事態に憔悴していた。結局は自分の願いと相反する道を想い人が選んだことにショックを受けたのだ。この動乱の責任は彼にはないが、歴代プリキュアから力を奪った原因とも見なされかねない事をしでかしたのには変わりはない。結局、ココは宇宙刑事ギャバンが慰めなければ、自殺しかねないほどの衝撃と罪悪感に苛まれたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――大人のぞみはのぞみAとの同化が進みつつあり、プリキュアへの変身も(アイテム無しに)可能なほどになっていた。思考も根っからの軍人であるA寄りになっているが、Aと異なり、いずれ本業に戻りたい意思を持っているのが違いであった。だが、この時点では失職の身の上であったので、軍人である『別の自分』の仕事を代行する身である。元々、キュアドリームであったことで『アイデンティティを持てた』身の上であるので、戦いに躊躇はしない。それがココの最大の誤算であった。ココは宇宙刑事ギャバンに懺悔した――

 

 

 

――日本のある避難シェルター――

 

「自分は彼女らを解放してあげたかっただけだったのに、どうして、世界は彼女らを必要とするのか!?」

 

「それが宿命だからだ。一度でも、悪と戦う力を持ち、それを成した者たちは『逃れる』こと自体が世界への罪なのだ。君にできる、世界への償いは、彼女らの帰る場所を守る事だ」

 

ギャバンはそう断言した。自分がそうであったように、勇者が安らぎに身を委ねる事は許されざることなのだ。戦士であるのなら…と。

 

「私も、別の世界の遥か昔の地球を守った。プリキュアたちと同じように。だが、それは帰るべき場所を守る者がいたからだ。君があの子と添い遂げたいと思うなら、あの子の心の『戦士としての本能』を受け入れてやれ」

 

「なぜです!?」

 

「あの子にとって、プリキュアは青春なのだ。プリキュアを否定する事は。あの子の『14歳』という時代のすべてを否定することだ。君との恋も……」

 

「馬鹿な!?そんな……」

 

「あの子は自己アイデンティティをプリキュア戦士になることで得られたという事実は揺るがん。君がいくら喚こうとも」

 

小々田コージはその言葉に言い返せなかった。実際、プリキュアになった後はそれ以前より明らかに『夢を追って生きていた』し、自分を心の拠り所としていたことも知っている。だが、自分がそれを否定しようとしていた事に気付かされたのだ。

 

「君はまだ若い。過ちはまだ正せる。国を一度は滅ぼした責任感からだろうが、あの子が『プリキュアとして生きていく』ことを望んだのなら、それを尊重していくべきだ。世界線によるが、君の願いが複雑な形で叶う世界も存在する。」

 

「どういうことです」

 

「君が死後に地球人に生まれ変わり、のぞみちゃんと再会するんだが、のぞみちゃんは人生を先にやり直していて、そこに生まれ変わった君が現れて……という寸法だ。そして、君はプリキュアとはまったく別の戦士となっていた。三文小説じみてるが、本当にそんな感じなんだ」

 

のぞみAはそんな経緯で結婚し、所帯持ちになったわけだ。共働き家庭かつ、双方が世界を守る戦士であるのも『共働き夫婦』の一つの形である。

 

「ぼくが……地球人に?」

 

「のぞみちゃんの一念が岩をも通した。そう思ってくれ。その世界線では、君とあの子は生前に別れたままになったようだから」

 

自分と別の道を選んだ自分の存在、のぞみを不幸に追いやってしまったが、神が償う機会を与えてくれた結果、自分の願いを(巡りに巡った結果だが)叶え、結婚式をやれた世界線。その事は自分が何をすべきかの指標でもある。

 

「君の選択は君個人の願いだ。だが。時として『個より全体が優先される』事はある。世界全体の存続のために、誰かが犠牲にならなくてはならない事もあるんだ」

 

「だから、のぞみに背負わせるのですか!?」

 

「戦士というのはそういう存在だ。私もそうだ」

 

「あなたが?」

 

「見せてあげよう。蒸着!!」

 

一条寺烈がコンバットスーツを纏う。

 

「私は宇宙警察の刑事であると同時に、宇宙の平和を守る戦士だ。君も王位にある者なら、責任というものを知っているだろう?戦士というのは、なった時点で周囲への責任を負うものだ」

 

ギャバン自身、銀河連邦警察の敏腕刑事であると同時に、母の故郷である地球を守る宿命を背負っている。プリキュアたちも『力が残った者』はその責任を果たそうとしている。大人のぞみはその生き方を望んだのである。ココには皮肉そのものだが、プリキュアの力を失ったことで空虚感に囚われ、何をしていても『虚しい気持ち』があった大人のぞみにとって、千載一遇の好機なのだ。虚しい気持ちで過ごした青春時代を取り戻すという意味で。

 

「それと、今回のことは、君が身を引こうとした事で、あの子が虚無感に囚われ、苦しんでいた事のツケと言える。ことはちゃんも言ったように、今度、あの子に同じことをしたら、君は今度こそ、歴代プリキュアに見限られる。そう思ったほうが良い」

 

「……!」

 

ココはギャバンの指摘に押し黙る。

 

「僕は……どうすれば……」

 

「私が言えた義理ではないが、のぞみちゃんの帰る場所を守れ。それが君にできる償いだ」

 

「のぞみを守ってください。あなた達はそれが……」

 

「もとよりそのつもりだ。ことはちゃんからそれで呼ばれたのだから」

 

宇宙刑事ギャバンたちを呼んだのがキュアフェリーチェであることがギャバンの口から語られる。

 

「あの子に何があったのです?」

 

「君が会ったあの子は、先ほど言った世界線におけるキュアフェリーチェ。この世界の彼女自身とは別の存在だ。別々の存在だから、共存できるわけだ」

 

「この世界線における彼女は大地母神だが、俺達の知る彼女はその属性を戦いの中で失った。だが、プリキュア戦士であるという一点が彼女を完全消滅から救い、今はオリンポス十二神に仕える戦士としての顔を持つ」

 

「オリンポス十二神…!?」

 

元が大地母神である彼女がオリンポス十二神に従うというのも変な話だが、神性を喪失し、一介のプリキュア戦士となったなら、そういう関係でも不思議ではない。

 

「そのうちの知恵と戦いの神『アテナ』の配下と言える関係にある。神ではなくなったとはいえ、プリキュアとしての力と魔力量は健在だから、依然として高い能力を誇っている」

 

その事から、64Fはアテナ(城戸沙織)の配下に収まったと言っても過言ではなく、必然的にハーデスやアレス、ポセイドンなどの『人間界に好意的ではない神々』との戦いもさせられる運命にある。

 

「オリンポスも全てが人間界に好意的ではない。ある意味、人間界に人間が生きる権利を守るために、あの子は命を救われたのかもしれん」

 

それはギャバンなりの『キュアフェリーチェがマジンガーZEROによる因果律改変から生き延びた』事』への推理である。ZEROの力も及ばぬ次元で、キュアフェリーチェは生きながらえた。元の世界が滅んだ時点で、彼女は本来、消滅するはずだった。だが、神々の意思で生きながらえ、今日の地位を築いた。その都合上、実質は別の存在だと言える。

 

「だから、同一人物が二人も同じ世界に?」

 

「漫画や小説と違い、それぞれが『独立した別々の存在』である故の奇跡だよ」

 

「この世界線のことはちゃんは俺が面倒を見よう。みらいちゃんはどうやら、母親の仕事の手伝いで北米に行っていたようだ。のぞみちゃんが探すと言っているが、リコちゃんとモフルンがいなければ、プリキュアにはなれんからな。生き延びてればいいが……」

 

この世界線におけることはがナシマホウ界を再訪したのも、みらいが白色彗星帝国の爆撃に巻きこまれた可能性が高く、リコに代わり、その消息を探すためだという。(ギャバンの知る)ことはは別の自分の代わりに、『この世界線における朝比奈みらい』を探しているという。何故、そうなったかというと、この世界線におけるキュアフェリーチェでは、白色彗星帝国と戦えないからである。

 

「だから、この世界線のはーちゃんは落ち込んでいるんですね?」

 

「来たはいいが、ほぼ戦力外通告も同然だからな。だが、ある意味、この世界線におけるはーちゃんには、この戦争は耐えられん。死人すらも爆弾として利用してくるような連中だ」

 

「し、死人!?」

 

「我々は蘇生体と呼んでいる。遠隔操作で爆弾にできるようにした上で生き返らせる。彼らはそれほどの技術の持ち主だ。耐性のないプリキュアでは発狂の危険すらある」

 

白色彗星帝国が周囲を恐れさせた理由の一つが『蘇生体』の利用である。その技術は純粋な蘇生法にも応用可能だが、元は死体を無自覚な人間爆弾に変える技術である。そのことも、大人のぞみが後輩らに無理強いしなかった理由である。

 

「既に水無月かれんちゃんの勤務する病院はそれで酷い有様になってしまった。彼女が戦いに戻ったのも、それが理由だ。君は読み誤ったんだよ、彼女らの原動力を」

 

ギャバンの言葉にまたも打ちのめされるコージ。彼は図らずも自縄自縛の様相を呈し、責任を取る方法としての『王位を完全にナッツに移譲する』ことも考えだす。だが、ナッツにも、こまちがいる。そこに気がついた彼はますます悩んでいく。想い人が地球のために、全てを犠牲にする覚悟すら決めたのに対し、なんとも情けないが、パルミエ人であるが故の無力の証明でもあった。

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