ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

669 / 787
前回の続きです。


第六百四十五話「慰問ライブの始まり」

――日本連邦はリベリオンとの戦争で『数合わせの装備の必要性』を悟った。その関係で、扶桑が独自に調達している『ドラケン』や『F-20』戦闘機を容認したものの、F-20に関しては『エースパイロットしか真価を発揮できないのでは?』との指摘があり、エース部隊への配備に留まる見込みであったが、ドラケンは『発達型フライ・バイ・ワイヤに操縦系統を置き換える』という手段で量産の継続が決まった。これはドラケンは1940年代末時点では最高性能の局地戦闘機と言えたからである。扶桑は国産機も整備を続けたものの、日本側が『実績重視』を掲げたために、少数生産に留まっており、軍需産業の手慰み感は否めなかった。当時は高価なジェット戦闘機の主流化に伴う『保有機数の圧縮』の空気があったからだが、戦時の消耗により、結局は補充が比較的容易な『F-5E』が量産され、扶桑でハイローミックスが真に実現した。

 

 

 

 

 

 

 

――空中給油機の配備もあるが、扶桑は外地を持つ都合上、数を揃える必要があったからだった。さらに、旧式のレシプロ戦闘機が『軍事的に使い物にならなくなった』都合上、その代替機を早期に用意する必要があったのである。未来戦闘機は64Fとその支援部隊の特権であったので、1940年代からは(比較的に)近未来の戦闘機のF-5Eは外地の防空用としての生産にはうってつけであった。その都合上、本土では『仮想敵機』としての運用が主であったが、外地では立派に第一線を担う戦闘機であった――

 

 

――それの大規模配備までの場繋ぎもあり、64F、50Fなどの精鋭部隊にはコスモタイガーⅡ(新コスモタイガー)、セイバーフィッシュ、可変戦闘機の使用が許可されていた。多数の敵機との交戦が想定されていたからであった。また、スポンサーの野比財団(ドラえもん世界)の意向で『企業が国家を完全に超えることは許されない』というスローガン(しずかの主導)のもと、複数世界の企業(民間軍事会社や複合体)の政治的影響力が急激に抑え込まれ、国家組織の権威回復が図られた都合上、64Fやロンド・ベルなどの『外郭独立部隊』は重宝されていた。ある意味、統合戦争以来の『技術的特異点の訪れによる世界の変容による企業による世界統治』の到来を恐れた者たちの思惑は(形を変えて)実現したと言える――

 

 

 

――アナハイム・エレクトロニクスや民間軍事会社(ケイオス、S.M.Sなど)は野比財団の意向もあり、政治的影響力の削減が図られ、必然的に企業規模の一定程度の縮小が行われた他、政府の雇用枠の拡大が進んだ。反政府組織の強大化は『戦時体制の終了に伴う雇用の喪失』も作用してのものであったし、地球連邦の本国自体がガタガタであり、宇宙移民であろうが、非地球人系の人類であろうと、人材は欲しかった。そんな地球連邦政府全体の意向もあり、地球連邦の統治下に組み入れられていた『異星人類』の就業差別も完全に無くなった。白色彗星帝国との戦争での高級将校の大量戦死、『反無人兵器』の風潮の強まりと無人艦隊の全滅は皮肉にも、地球連邦軍の保守派の大半の壊滅、レビル将軍麾下の改革派による軍のリベラル化の推進を決定づけ、ビスト財団の檜舞台からの退場と、それに代わる野比財団の台頭を起こしたのである――

 

 

 

 

 

――野比財団はISの動力を解析する中で『なんかやばくね?』クラスの一つの事実に行き着き、動力部の設計変更を行う必要に迫られた。その事実は束のみが知っていたのだが、野比財団の要請で彼女を『六道輪廻』で尋問した乙女座のシャカによって知らされ、野比財団は確信を得た。その関係で、扶桑軍も、地球連邦軍も、ISの『そのままの量産』は諦めざるを得なかった。また、保有の既存個体も動力の変更(宇宙刑事のコンバットスーツと同様のもの)が行われた(既に変質を起こし、半聖衣化していた赤椿は除く)。この事実はIS世界の根幹を揺るがすためか、結局は機密扱いとして、限られた人物のみに共有されることとなった。その関係上、ISの改修は『装甲服』のサイズまで機体を小型化し、動力を変更する』程度に留められ、世界の根幹に関わる事項は(使用者にも)伏せられた。それを知るのは、織斑千冬などに限られた――

 

 

 

 

 

――遠征軍の黒江の執務室――

 

「そうか、あの黒兎め。そんなことを……」

 

「いかがなされます」

 

「黒兎には、シャカにさらなる制裁を課してもらう。あの人は神にもっとも近い男だ。あいつの発明などは無力に等しい。その気になれば、一つの宇宙すら創世できるそうだ」

 

「……それで神ではないと?」

 

「神のように慈悲深くないから、だと。おとめ座の連中は超能力の極地をいくからな。黒兎を見張っとけ。いざとなれば、彼に一度は精神を破壊してもらう」

 

「いいのですか?」

 

「あの黒兎は世界を自分の都合の良いように変えたが、気に入らなくなると、家族をもコマとして使うような輩だ。サガとシャカに手綱を引いてもらうのがいい。自分より上のヤツなどいないという認識をぶち壊させる」

 

織斑千冬に指示を飛ばし、束の精神の破壊と再構築も考慮していることを告げる黒江。IS関連の人物は遠征には関わっていないが、箒とラウラは扶桑の戦争に特に深く関わった都合(特に、ラウラはプリキュアであるので)で揺動には動員されており、最近はラウラの友人であるシャルも、自主的にラウラのサポートを名目に参加しているとのこと。

 

「弟についてですが、だいぶ頭を冷やさせました。ですが、私共としては」

 

「わかっている。君の弟は参加させんよ。本人は詫び代わりの仕事がしたいそうだが……そちらの事情もあるからな」

 

「申し訳ありません、閣下」

 

千冬は一時はドイツ軍に出向していたので、佐官級の軍階級を持っていた。その都合上、出会った時点でも、黒江は『目上』である。この時点では、黒江は将官になっているので、千冬は『閣下』と呼んでいる。軍歴がある者ならばの『癖』であった。

 

「私と弟の秘密については……」

 

「ああ。口外させんよ。もっとも、黒兎は君の弟には心を開いとるようだが」

 

 

織斑姉弟には秘密がある。彼らは自然な形で生まれた『姉弟』ではない。IS世界の何処かの国の何処かの組織が『遺伝子単位で強化した人間』を製造しようとした末の成功作とその量産試作調整体(千冬の量産試作体が一夏)であり、実は姉弟ですらない。それは千冬が隠している一つの事実であり、束は『あるタイミングでの暴露』を目論んでいたという。結局、束の思惑は彼女すらも遥かに超える者達によって打ち砕かれ、自分自身が彼らの監視下に置かれることになった。特に乙女座のシャカの前では、束の如何な手段も無力そのもの。不本意ながら『世界のために働くインテリ』の立ち位置を演じさせられている。シャカの手で六道輪廻を味わせらられたらしいと、もっぱらの噂だ。その束すら、ゲッター線を神秘と評しているため、アグネスタキオン共々、ゲッター線研究の端緒についたレベルに過ぎない事がわかる。

 

「束は何を研究し始めたのでしょうか」

 

「彼女も魅入られ始めたと聞いているよ。例のエネルギーに。あれは魔窟だ。第一人者の早乙女博士すらも全容は理解できなかったからな」

 

いくつかの世界で、ゲッター線研究が始まったが、まだその端緒についたばかり。ウマ娘世界では、アグネスタキオンが。IS世界では、篠ノ之束が始めたが、早乙女博士が数十年ものの月日を費やしても解明しきれなかったものに取り組むという事はけっこう重大な決断である。束にしてみれば、気を紛らわすためという感覚だろうが、ゲッター線研究はそんなものではない。黒江は遠征の完了に向けての『店じまい』の支度を始めつつ、千冬に電話口で告げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――遠征軍最後の仕事は『残存する機甲部隊』の殲滅であった。当時の連合軍はM48が新鋭戦車であったが、それをも一撃で破壊可能な『E100重戦車』が現れ、猛威を奮っていたため、結局はT30試作戦車(150ミリ砲搭載)をもとに、史実の『M103重戦車』後期型の要素で再構築したモデルが同車として採用され、緊急で配備された。つまり、史実より大口径の砲を積み、足回りもより改良された重戦車となったのである。その慣熟訓練の必要から、遠征軍はしばしの現状維持を強いられたわけである。その間に、生徒たちへの慰問ライブが行われた。その際に、ブライアンは持ち前の歌唱力をキュアドリームの姿で披露。持ち歌である『シャドーロールの誓い』、『BLAZE』で場を盛り上げたわけだが――

 

 

 

 

「む~~!わたしの姿で、あんなに歌えるなんてぇ……」

 

観客席でその様子を見ていたのぞみBは『同じ自分の肉体を使っているのに、春日野うらら(キュアレモネード)が霞むほどのパフォーマンスを見せつけられたことに拗ねていた。うららは(2008年当時)売り出し中のアイドル(成人後は女優へ転身する)であるが、ブライアンは既に、正規のボイストレーニングもダンス訓練も高密度で受けた身であったので、彼女を凌ぐパフォーマンスを見せつけた。いくらプリキュアの姿を借りていようと、こればかりは個人の資質である。

 

「うららが地団駄踏んでそうね、これ……」

 

「アスリートとして一時代築いてるレベルで、歌も踊りも上手いなんてぇ~……」

 

ブライアンの持ち歌のうち、『シャドーロールの誓い』は(彼女の出身世界線においては)元々、オグリキャップが引退時に披露したという幻の歌をベースにアレンジを加えて生まれたという。発表当時はちょうど、ブライアンは全盛期にあったので、未来へ向かう意思を表した歌詞となっている。奇しくも、それは転生後ののぞみAの境遇とも合致していた。のぞみBはりんBと共に、ブライアンのライブを見守るのだが。

 

「同じ姿で、同じ体なのに、どうしてこんなぁ~……」

 

と、あまりの落差にしょげかえる(正確には異なる世界線の派生存在同士なので、遺伝子学上は別人にあたるという)。のぞみAは眠っていた絶対音感が訓練で目覚めつつあり、その発露がブライアンによって促されたといえる。また、戦闘力も完全に上位互換であり、技もシャインスパーク(ブライアンだと、ズワルト・シャインスパークになる)という完全に上位互換の技を使う。

 

「ど、どんまい」

 

「ゲッターロボの技を使えるなんて、反則だぁ……。」

 

シャインスパークがゲッタードラゴンや真ゲッター1の技であることを知らされた後なので、それを扱える別の自分と、それを難なく使いこなしてみせたブライアンの才覚。中学生の自分が誇れるものといえば、戦闘の才覚なので、正規の戦闘訓練を軍隊で積み、自分より遥かに過酷な経験を経た状態の『別の自分』と比べることはできないが、根本は同じ人物のはずなので、戦闘力の差が大きいことはコンプレックスらしい。

 

「でも、敵の掃討はまだ済んでないらしいわよ」

 

「状況が許せば、ナチの残党なんて、けっちょんのけっちょんにしてやるのにぃ…。向こうに任せるしかないの?」

 

「ドリームキュアグレースで、ようやく互角に持ち込めるくらいの連中よ?あたしらは自力じゃ、シャイニング形態にもなれない。悔しいけど、向こうのあんたの体を借りてる子とマナたちに任せるしかないわ」

 

「わたしとりんちゃん、うららは向こうのほうが圧倒的に強いからなぁ。マナちゃんも転生した後、何してたんだろう?」

 

「普通に高校生だって」

 

「うっそだぁ」

 

「部活が特殊な以外は。もっとも、就職先は別世界……あの人(黒江)の世界の日本軍だって」

 

「もっとややこしいって……」

 

「世界を超えられる技術持ちの世界の存在が力を貸して、世界間の交流があるんだそうな。そのうちの最近に発見された『平和な世界』があんたが入れ替わった子の出身地。でも、サラブレッドの特徴持ってるから、ピークの終わりが早いそうで」

 

「競走馬は怪我にもよるけど、早くて半年しかピークがないって、お父さんが言ってたっけ…」

 

「気質も違うようね。精神年齢の差ね、こりゃ」

 

「え、そうなの?」

 

「向こうのあんた、おじさんのことを『親父』って言ってるそうよ、素で」

 

「なぁ!?」

 

「向こうは転生込みだから、精神年齢的にはもう大人らしいから、当然だと思うわ。仕事の都合で、酒も飲むらしいし」

 

「お、お酒!?」

 

付き合い程度だが、のぞみAは酒を嗜む。それは年長組(高校三年相当)のウマ娘も同じ。海外遠征などで飲む事がある。シリウスシンボリ曰く『海外じゃ、タバコ咥えるか、酒をつきあい程度に飲まねぇと、ガキ扱いだぞ』との事だが、日本のウマ娘は(日本人のご多分に漏れず)下戸である場合も多いが、前世由来の体質によるものか、酒に強い場合が多い。

 

「外見は変わんなくても、戸籍年齢の都合もあるらしいわ。年相応の振る舞いができるとこ見せないといけないって事が多いみたいでね」

 

(オトナ世界でビール好きになり、肝臓にダメージが入っていたことを考えると、成人後は酒で仕事の鬱憤晴らしをするようになっていく事は確定事項に近い事が判明している。かの世界でも、後輩たちのこともあり、酒を控えるようになっていくので、現役期間中にそのことを知ってしまったのぞみBは、ショックもあり、酒を避けるようになるのだった)

 

「うぅ。なんだか、大人になるのがこわくなったよぉ~……」

 

「大人にならないと、これはわかんないと思うわよ?93年生まれのあたしらが成人するのは2013年のことだし」

 

りんBは冷静だが、複数の未来をいきなり提示された形ののぞみBは動揺している。無理もない事だ。ただし、いずれも戦いからは逃れられない道を辿る事は判明している。そこを割り切らなければならない。ココがショックで寝込むのもわかるというものだ。

 

「戦いから逃れられないのが私らの運命なら……どうするべきなの、りんちゃん」

 

「それはあんたで考えなさい。別世界のあんた自身は世界のために、守りたいもののために、戦士であり続ける道を選んだ。でも、それは一つの結果。あんたの好きにしなさい」

 

「……」

 

のぞみは複数の世界で、青春時代以降は『プリキュアの否定=自分の青春時代の否定』の図式となっているため、Bも最終的に戦う道を選ぶ。ココも結局はそれを尊重せざるを得なくなる。オトナ世界での自分の選択が彼女らから対処手段を奪ったと知れば、罪悪感に潰されるのも当たり前である。B世界では、この事件をきっかけに、『二人の関係が気まずくなる』時期が到来してしまうことになる。戦いの否定が世界の存亡を左右する事態を招いてしまう事が起こった世界の存在はココBを追い詰めてしまったのだ。戦うべき時は戦わなくてはならない。親兄弟であろうと、争う時は醜い有様を晒す。それが世の真理である。のぞみは複数の世界でそれに悩み、青春時代の象徴のプリキュアへの回帰を望んだ。

 

(この子には悪いけど、親子や兄弟でも、遺産相続とかで醜く争うのは当たり前。人道がどうのこうの言ってる口で、金よこせ!……なんてザラだもの。太平洋戦争を選んだ先祖達を笑えないわね)

 

りんはのぞみと違い、親類縁者の遺産相続の争いを見たらしく、その点に関しては諦めの感情を持っていた。のぞみは人の親愛に関しては純真とも言えるが、いずれ就職すれば、その現実に突き当たる。その時に耐えられるかはわからない。りんの心配はそれであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――未来への一抹の不安は誰でもある。のぞみとて、それは例外ではない。だが、それなりに生きていくしかないのだ。のぞみAは軍人としての道を選び、ブライアンは運命に逆らう道を選んだ。オグリとタマモクロスは未来を歩む前に『過去の良化』を願い、それを実行した。そして、過去の栄光の再来を望む者たちの一つは『プリキュア5の世界』を襲撃する――

 

 

 

 

――ライブ会場の外――

 

「ジオン残党とティターンズ残党が紛れてるのは分かってたが、あそこまであからさまだとな」

 

「今度はサイコガンダムマークⅡに、グロムリンⅡか……普通のMSじゃ骨だな」

 

「グロムリンⅡだって?あれ、本当に作ったのか?」

 

「アクシズの資源量じゃ、到底不可能だ。どっかの巨大小惑星を資源に使ったな?いいか、撃退すりゃいい。ナノマテリアルで自己再生あるって噂がある代物だ。キングオブドラゴンといい……残党の割に、物持ちいい。信じられんな。ゲッターノワールGを使う。あれなら、キングオブドラゴンやグロムリンも目じゃない」

 

「あれは劣化コピー品だろ?」

 

「劣化コピーと言っても、炉心のパワーはゲッターロボアークを超えるくらいだ。つまり、真ゲッターロボよりも強大だ。本物がすごいのは、作られた時代の差だよ」

 

64Fがネイサーに造らせた同機は23世紀初頭時点で造れる限界点を極めていたが、圭子が知るオリジナルに比すれば『劣化コピー』と断言されるほどに性能差があるという。それでも、ゲッターロボアークをも凌駕する性能を誇るというので、伊達に通常サイズより巨大なゲッターロボではないということだ。この時は圭子とゴルシが搭乗した。オリジナルと異なり、23世紀当時のゲッターロボと同様に(フルポテンシャルは出せないが、戦闘は一通りこなせる)搭乗者が足りなくとも合体できる特徴を備えていた。また、一定以上の適性のある者が搭乗さえしていれば、『シャインスパーク』の発動が可能という『オリジナルよりも優れる』点もあった。

 

「それでも、真ゲッター以上のポテンシャルだぞ、ゴルシ。あれの時点で、人智を超えてるって恐れられたんだ。それを超えるパワーって事はだな」

 

「日本くらいは軽く消し飛ばせるってことだろ?ったく、感覚がうちのドンナくらい狂ってるぜ、あんたら」

 

「ジェンティルドンナのことか?」

 

「同期だよ。あいつを呼ぶべきだったな。あいつなら、素でダンプカーくらいは蹴りの一発でスクラップにできるしな……たぶん、並のプリキュアなら、デコピンで重傷になるだろうよ」

 

「辛辣じゃね?」

 

「だって、鋼鉄の砲丸投げの砲丸がチョコボールサイズに圧縮されてるんだぞ?ルドルフが泣いてるんだぞ、備品管理の役員からの報告で」

 

「……今度は誘え」

 

「あいよ。ヤツのパワーと属性に近いのいるか?」

 

「属性的には、かれんが近いな。打診はしとけ」

 

と、遠目に降下を終えつつある一団を見つつ、圭子とゴルシは一つのことを取り決めた後、ゲッターノワールを起動させる。大型ゲットマシン状態で。ゲットマシンは編隊を組んだ後、このかけ声を合図に、合体する。

 

――チェーーーンジッ!!ノワールG!!スイッチ・オン!――

 

ゲッターロボの中では異色の『三機のゲッターロボが更に巨大なゲッターに合体する』というシステムから、ゴルシは『別のロボットアニメみたいだ』と感想を述べた。初代に近い外見の機体が合体すると、ゲッターロボG寄りの外観の超巨大ロボになるという点でも異色というほかない。ブライアンはその叫びを(ウマ娘としての聴力は体が入れ替わっていても健在らしい)聞き取り、事の次第を悟った。

 

(外で戦闘が始まるか。今回はゴルシ達に任すしかあるまい。敵が来たら、避難誘導はせねばな)

 

と、ちゃんと戦闘の影響が及んだ時のことを考えて動けるあたり、現任の副会長の一人である事がわかる。ブライアンはキュアドリームとしての慰問ライブをこなし、大盛況であるが、楽屋裏では、ブライアンのあまりの歌唱力に圧倒された春日野うらら(キュアレモネード)が地団太を踏んで悔しがっていたりする。現役のアイドル(俳優)としてのプライドも作用してのことだが、弱冠13歳(2008年当時)にしては確かな実力を持っているのは確かである。高名な舞台女優を母に持つが故か、他人の体にも関わらず、普段通りのライブパフォーマンスを出せるブライアンとの間の実力差に気づき、劣等感を抱き始めている。ブライアンのライブパフォーマンスのクオリティはそれほどのものであった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。