ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第六百四十五話「1950年代への序章 2」

――戦艦大和を始めとする、扶桑戦艦の威力は21世紀日本への『脅し』として充分であった。近代化改修で装甲がただの鋼鉄ではなく、硬化テクタイトと超合金ニューZ、ガンダリウム合金の複合材に交換され、武器の威力も宇宙戦艦級と報告されたからだ。そんな化け物が続々と登場したので、日本の政治家は失禁したという。特に、史実ではペーパープランのハズであった『51cm以上の口径の艦砲』が量産に到り、ついには53cm以上に到達したという事実は大艦巨砲主義も限界を極めると、航空主兵をねじ伏せるのである。さらに言えば、戦後のミサイルは『艦艇の重装甲を想定していない』上、『大戦時のような多数機による波状攻撃』は物理的に不可能』。また、近代武装と防空システムを一通り備えた艦艇相手では、自衛隊の保有機数では割に合わない。その事実が通知された総理大臣(2019年前後当時の)は『扶桑を刺激した官庁』に激怒し、その官庁を所管する大臣を閣議で怒鳴りまくり、大臣は事務次官を怒鳴る……という『負の連鎖』が発生。事件発生から解決までの永田町は暗い雰囲気に包まれたという――

 

 

 

 

 

 

 

――逆に、軍事的には数年のうちに一体化が進み、自衛艦隊と連合艦隊とで連絡の仕組みが造られるに至った。双方の完全な一体化に保安庁が猛反対したからだが、『保安庁の出過ぎた真似』は小泉純也(扶桑の新総理)が不快感を顕にしたため、保安庁の新トップは就任早々に詫びる羽目に陥った。結局、学園都市とロシアの戦争での損害の立て直しに躍起になっていた彼等だが、この悪手で『衆目に存在意義の疑義がつけられる』ことになり、予算面で冬の時代が続くことになった。とはいえ、扶桑の水上警察組織を所管することになるなど、一応は待遇面では良くなった。だが、元々、扶桑の海外領まで海保の人員と船では面倒を見きれないとの意見が強かったのも事実なので、海保は結局、船を少数、現地に供出するだけに留めたという。海自と空自は戦艦と空母の管理等は連合艦隊持ちであるのもあり、軍事的一体化が一気に進展した。また、史実ではペーパープランに終わった『超甲巡』が本当に竣工している世界線であったことから、同級の砲熕武装と装甲の強化が急がれ、『SHS』の生産もなされた。その関係上、水雷戦隊の旗艦任務はイージス艦を代替とされ、実質的に放棄させられ、戦艦と空母の護衛艦、同型艦を複数まとめての打撃艦としての運用が主となっていく。水雷戦隊が花形から転落し、空母機動部隊と潜水艦が花形となった都合である――

 

 

 

 

――超甲巡の前部艦橋は大和型の線図を流用した塔型であったが、水上機運用設備が船体中央部にある『前時代的』な艦容であった。改修は内部構造をも改造する大がかりなもので、水上機用設備を取っ払い、後楼の配置レイアウトとマストの形状は史実の大和と同型にされ、ミサイル装備やパルスレーザー、CIWS等の新兵器が『高角砲と旧時代の機銃』に代わって装備された。機関も換装されたが、機関の偽装目的で旧煙突は残された。そのため、大和型などの居場所を欺瞞する影武者としての役目も負わされることとなり、マイナーチェンジで『旗艦任務艦』という名目で『防御・指揮能力強化』がなされた仕様が開発されてもいた。結局、水雷戦隊旗艦という本来の目的が霧散した同型は『何でも屋』として使われることになっていくのである。日本に駐留する扶桑艦隊にも配備されたわけだが、大和に似た艦容から、銀幕に大和役で出演している。カテゴリとして、『装甲巡洋艦』の復活も取り沙汰されたが、結局は砲火力の強化により『巡洋戦艦』として取り扱われることになった。水雷戦隊という枠組みが実質的に解体へ向かったためである。この頃になると、史実の海軍で提督であった者たちのうち、年長組の高齢化も進みつつあったが、一部はY委員会に属し、1937年当時の年齢にまで若返っていた。そうでないと、委員会の任を果たせないからである。仕方がないが、史実で敗戦時に少佐以下であった層が指導層に登りつめる時代には既に、自衛隊が軍隊に取って代わっていた都合上、実戦での指揮の確実性を保障できないからである。その都合上、戦前からの提督/将軍の多くが尚も現役扱いであった――

 

 

 

――とは言え、史実で有能とされる者たちは限られていた上、山本五十六にしても、政治面で有能でも、実務は博打打ちの無能と揶揄されるので、自衛隊の幕僚らが補佐する形で任務を遂行させるしか手段はないからだ。自衛隊の幕僚たちには、大戦型の艦隊戦の指揮などは無理な相談だ。艦隊戦自体が過去の遺物化して久しい上、戦艦や重巡などの完全な砲熕型戦闘艦艇も既に歴史上の存在でしかなくなっているからだ。むしろ、宇宙戦争時代の人間のほうが艦隊戦のノウハウを豊富に持つという奇妙な状態なので、扶桑も海自や米軍よりも、地球連邦軍の援助のほうを信頼している――

 

 

 

 

 

 

――扶桑皇国海軍は日本との連邦化により、戦闘機が短期間に交代しまくるという事態に遭遇。九六式艦戦と零戦から紫電改/烈風、更には戦後型ジェット機へ。短期間に数十年分のワープ進化を遂げたが、搭乗員の育成がまったく追いつかなくなっていた。黒江たちのように、エンジンの種類を問わずに乗りこなせる天才は扶桑全体でも一握りであり、ましてや、空母への着艦技能と天測航法を必要とする海軍パイロットはそう簡単に育たない。ましてや、ジェットへの変革期となれば。海軍はクーデターで気骨ある若手~中堅の将校の多数を失っていたため、『空軍の二軍』扱いに甘んずる有様であった。一方の空軍は空自を手本に創設された都合上、戦略爆撃機の配備には賛否両論であったが、国連の都合で保有が認められた。結局は外圧の影響であった。ただし、人員は黒江たちの人望の高さにより、陸海のホープとされた者の大半が集まったため、航空作戦をその(1949年時点)一手で担っていた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――元々、扶桑の航空関係者らの間で七勇士は畏敬の対象であった。その事は事変を経験した世代であれば共通認識であったが、事変世代が引退し、その後の世代に主流が移ったことで問題が大規模化してしまった。人種差別の問題が取り沙汰されたのもあり、ミーナには致命的なスキャンダルとなった。彼女の更迭は当然だと、扶桑の国民は受け取った。一方のカールスラント人はどうか?1945年当時は白人優位思想が史実ほどの勢いではないにしろ、存在していた。(扶桑は大国になって数百年にも関わらず)アジアの田舎者という認識が潜在的に存在していた彼等にとって、事変の伝説が真実である事は受け入れがたいものであった。ミーナは世代的に事変を知らなかったのだが、中佐という立場故に、『機密情報にアクセスできただろう』と記者会見では集中砲火を浴びた。その頃にはミーナ本来の人格は『交代』してしまっていたが、無知と先入観が事態を招いたのは事実なので、ひたすら謝罪に終始した。この事件はカールスラントが501の運営権を正式に放棄すること、賠償金を支払うことで幕引きが図られた。また、カールスラントがダイ・アナザー・デイ前の撤収作業の時に遺棄した兵器の諸権利を正式に扶桑へ譲渡することも併せて。この時に入手した兵器は太平洋戦争で数合わせとして使用されたり、21世紀世界の戦争博物館に売却されたりした。戦中のドイツ兵器は戦後のNATO規格と異なる規格だから……という理由であった。とはいえ、それまで、1943年水準の中戦車がある程度であった扶桑には、カールスラント製の重装備と数百万もの弾薬は福音であり、太平洋戦争の戦線を支えていた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――扶桑は元々、富嶽の他に『キ91』という大型爆撃機を開発していた。だが、より大型かつ『内部容積に余裕がある』富嶽に一本化された。富嶽は量産開始前に内部構造の変更により、史実のB-29と同等以上の装備(機上レーダーも備えられた)がなされた。その兼ね合いで一式陸攻以前の機種の淘汰がされ、富嶽専用の航空魚雷の開発中止の代替として、巡航ミサイルが搭載された。また、用兵側の要望で『飛龍』のみは結局、生産が継続された。魔女の空輸やパラサイト運用が考慮されていた最後の双発機であったためだが、ジェット化でそれも難しくなり、結局は短命になる見込みである。富嶽の後継ぎには純ジェットの『飛天』が予定されたが、大きな機体サイズによる高額化の懸念により、連山の後継候補とされたターボプロップ機『浅間』がそのまま採用され、量産された。これも巡航ミサイル搭載がなされ、ダイ・アナザー・デイで対空母攻撃に使われ、戦果を挙げている。航空魚雷に代わる攻撃手段として期待されたが、(戦艦相手には)コストパフォマンスが問題視され、航空魚雷も引き継ぎ使用されている。ただし、大型機用は巡航ミサイル置き換えられた都合もあって、天山や流星、スカイレイダー用の小型のみが使われている――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――横須賀航空隊(テスト部門)と陸軍航空審査部がクーデターの事後処理の一環で解体された後は、練度の高い者が集中している64Fが彼等の任務も代行しているが、バリバリの戦闘部隊である同隊の負担を大きくするのはよろしくないという意見があったが、その2つが熟練者を出し惜しみしていた(遊ばせていた)という意見が日本側に強かった結果、実戦部隊がテストも行うという方針になったが、空自のこともあるので、戦後に『しがらみのない専門部署を造る』という妥協案が認められた。これは『専任のテスト部隊を作り直すほうが分業制を根付かせられる』との判断からである。史実でも、両者が防空戦に参加していないわけではなかったのも事実であるので、有事に防空戦に傘下を義務付けることを条件に、この事が決定事項となった。64Fの負担軽減策のつもりであったが、結局は戦後にずれ込むこととなったので、64Fの受難は続くこととなった――

 

 

 

 

 

 

――グンドュラ・ラルは今までの裏工作がバレたこともあり、嫌がらせ目的で空軍総監にさせられた。だが、就任した際に同空軍は有名無実化していたので、実質的には一士官扱いで日本連邦に与していた。さらに言えば、彼女は『御坂美琴の同位体の転生した姿』であったことの判明につき、政治的に動きにくい『グンドュラ・ラル』としてでなく、日本人『御坂美琴』として活動していた。ただし、転生後のグラマラスな容姿が惜しかったのか、容姿は変えず、言葉づかいのみを生前のものへ戻す形で扮していた。生前の『超電磁砲』も取り戻しており、コンピュータ時代を迎えつつある時勢では『重宝されている』。生前に敵対した経験がある麦野沈利の転生でもあるシャーリーとの関係は(転生後はシャーリーのほうが色々と気苦労の多い立場である)改善されており、(『原子崩し』は扱いづらい上、麦野沈利は凶悪犯罪者として認知されていたということもあるが)羨ましがられている身であった。また、転生後は正規の戦闘訓練を受けている世代の魔女であったので、対人戦闘では、下手なプリキュアより強い。前世の強力な異能と現世での撃墜王としての能力が同居する状態である。懸念は魔女として、過去に負っていた古傷だが、宮藤芳佳の治癒魔法と21世紀以降の医学で回復(過去に負傷した際に骨折した際の骨片が体内で突き刺さっていたので、それを除去した)している。ドラえもん世界にいる同位体の記憶も持つが、一部は(色々な都合か)欠損しているという――

 

 

 

 

 

 

 

――こうして、複数の世界にまたがって、確認された転生者。広義ではウマ娘たちも該当するが、該当する競走馬がいない者もいるので、そこも複雑にしている。ブライアンは前世での不遇の後半生を思い出したのと、オグリの弟子になっている世界線の存在であったため、前世の運命のロールプレイをしていたという自覚が生まれた後は『運命を超える』という考えを持つようになった。だが、既に不調期に入っており、精神的にダメージを強く負った状態であったため、その立て直しは必要であった。その立て直しのために、のぞみの立場を演じることにし、のぞみには自分を演じてもらうこととした。のぞみも高校生活に前世で悔いがあったため、『利害の一致』で入れ替わったのである。かくして、ブライアンはのぞみの任務を(関係者以外には極秘で)代行し、のぞみはブライアンが軽視していた『学生の本分』を果たすことになったわけだ――

 

 

 

 

――のぞみはウマ娘世界に長期滞在の見込みであったので、連邦軍本部の要請には応えられない状況にあったが、別個体である『大人のぞみ』が図らずも、期待された役目を果たすことになった。その過程で、1000年女王とラーメタルの存在も明るみに出た。大人のぞみは(想い人の思いには反するが)戦いの日々へ戻るのを自ら選択し、別個体の自分の期待された役目を代行する日々を送っている。1000年女王らの異能で『別個体の得ている全て』をインストールされたことも大きかったが、『守りたいもの』が少女時代より増えていることも理由であった。大人のぞみは別個体の自分の軍人としての身分を使う形で、地球連邦軍に加わっている。事後承諾という形にはなるが、職場を焼き払われ、自宅も戦乱の激化で失った身としては『渡りに船』。肉体・精神が少女期に文字通りに戻っているのぞみAと違い、成人後の精神状態を保った状態でプリキュアに立ち還っていることも作用しているが、荒事に躊躇がなくなっていた――

 

 

 

 

 

 

――北米解放へに向かう道中のしゅんらんの艦内――

 

「戦士の銃は普段使いにするには、オーバーだぞ。この時代に流通してる実銃を使えるようにしとけ。いくら記憶を得たっていっても、こればかりは体で覚えろ」

 

と、トチローから言われ、艦内の訓練室で射撃訓練をこなす大人のぞみ。しゅんらんほどの大艦になると、訓練室もかなり大きい。シューティングレンジも備えられている。そのことから、しゅんらん(改アンドロメダ級)は内部空間がかなり広く取られている事がわかる。

 

(別の自分は先輩の薦めで、ベレッタを使ってるったっけ。向こうは『本業』だけど、こっちは飛び入り参加の素人だしなぁ)

 

のぞみAは素体が正規軍人であることもあり、銃器の扱いはプロである。非番の時に銃の手入れをしていることもあるほどだが、大人のぞみは(記憶は持っても)銃の扱いは素人である。その都合上、反動が比較的少ない『SIG SAUER P220』(自衛隊も採用している拳銃)などが勧められている。のぞみAが扶桑軍での流行に乗っかり、『ベレッタ92』をダイ・アナザー・デイで使用し、以後は愛銃にしているのとは対照的だが、環境の違いで、同一人物といえども、世界の違いでの違いは現れるということだ。

 

「向こうは玄人で、こっちは射的も下手な素人。贅沢は言ってられないな」

 

(職業への帰属意識はともかく)別の自分への羨望を口にしつつ、当分は戦いで飯を食うしか『食いつなぐ』手段はない。年齢的にまだ予備自衛官に応募は可能であるし、公立と違い、私立学校の教諭であれば、可能ではある。

 

(事が全部済んだら、予備自衛官にでも応募すっかな。せっかくの技能がもったいないし)

 

大人のぞみは、この事変でプリキュアに完全に戻った事や、必要上、別の自分の技能をそっくりそのまま受け継いだことから、後日に予備自衛官に応募。『国連軍の軍務経験者』と見なされたことから、即座に予備自衛官に採用され、本当に教師兼予備自衛官となったのである。これは医師であるかれんも同様であったとの事。オトナプリキュア世界の動乱はその世界の(元)プリキュア資格者の人生を決定的に変えたが、その最たる例であった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――未来世界でのジオン残党軍はミネバ・ラオ・ザビが実質的なジオンのコミュニティの終焉を認めたこともあり、自然消滅に向かったかに見えたが、生き返ったギレン・ザビのもとに有志が続々と集結しており、RFシリーズの量産を進め、『然るべき時』を期しての雌伏の時に入っていた者も多いが、ネオ・ジオンの解体後に食い扶持のために地球連邦軍に入隊し、デザリアム戦役後の屋台骨を担っている者もいた。地球連邦軍も民間軍事会社の最盛期頃に大量の古参兵を引き抜かれ、質が大幅に低下していたためで、野比財団の意向で『質の良いパイロットはジオン残党の敗残兵であろうが、雇用すべし』と決められたため、ネオ・ジオンにさほど郷愁がない若手や、家庭を持つ者らは率先して投降。一定の期間の裁判の後に無罪放免とされ、地球連邦軍に雇われていった。連邦も財政状況の問題で、新式MSの配備は遅々として進んでおらず、鹵獲機をそのまま使用することも増えていた。特に、アナハイム・エレクトロニクス社製造であるギラ・ドーガやギラ・ズールは重宝され、元ジオンやティターンズ所属経験者らの部隊に回されていた。ダイ・アナザー・デイ以後に問題となったティターンズ残党は強硬派に属する者らであり、穏健派は比較的早期に無罪放免であった。ティターンズ所属の経歴だけで左遷されていたが、人材不足で思想調査を済ませた後にロンド・ベルに転属した者もいるように、地球連邦軍も度重なる対外戦争で人材不足が顕著なのだ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――野比財団はサイアム・ビストが壮年期の頃に交わしていた密約に則り、ビスト財団の担っていた業務の多くを引き継いだ。マーサ・ビスト・カーバインの逮捕に伴い、中枢の悪事が判明し、社会的に糾弾されるビスト財団の末端の人間たちの逃げ場を提供してやる思惑であった。元々、サイアムも『財団は箱を解放するためと、自分を守りつつ、社会的地位を得る目的で作ったものであり、自分が死に、その際に箱が解放されれば、意味のないものになる』と生前のセワシに述べたと言い、その通りにビスト財団は解体へ向かい、野比財団がそれに取って代わりつつある。野比財団は民間軍事会社などの『企業体の巨大化』を抑え、国家組織の再建を進めているが、それはしずかを始めとする『源家の血を直接的に継ぐ者』の意向であった。企業体はこの政策の転換もあって、政治力を抑え込まれていき、次第に『企業の影響力が国家を超えていく』という声は消えていく。それは統合戦争の起こった背景を鑑みてのしずかの意思が反映された結果であった――

 

 

 

 

 

 

 

――とはいえ、社会的にかなり影響力を得た状態の企業を強引に抑え込んだ事による弊害も起こったのも事実であり、ビスト財団の末端の構成員は幹部層のやることなどはつゆ知らぬので、食い扶持を奪われることになるので、野比財団への業務譲渡に強く反対したが、ビスト財団そのものへのバッシングの強さに屈する形で終わった。地球連邦政府はこうした内部の権力抗争の結果、末端まで目が行き渡らず、結局はウィンダミア王国の蜂起を招いた。だが、彼等の行き過ぎた反地球の姿勢は先王が何よりも恐れた『ゲッターエンペラーの介入』を引き起こしてしまうのである――

 

 

 

 

 

 

 

――30世紀の世界のイルミダスがそうであるように、地球を犯した者の何人たりとも無事で済むはずはなかった。ウィンダミア王国はこのことを軽視していた。だが、地球人はガミラスやガトランティスを滅亡に追いやるほどの力を発揮する。ゲッターエンペラーの登場はその表れであった――

 

 

 

 

――ダメです!!次元兵器も、反応兵器も通用しません!!――

 

――馬鹿な、あの艦は……いったい何の物質でできているのだ!!――

 

ゲッターエンペラー率いるゲッター艦隊が時空を超えて介入した結果、ウィンダミア王国の軍隊は全滅に近い損害を負い、エンペラーのパワーにより、星団のいくつもの居住惑星が破壊された。ビームの一発で艦隊を星ごと消し飛ばすばかりか、合体しただけで、星団のいくつもの惑星が粉砕されていった。ウィンダミア王国はプロトカルチャーの遺産を含めたあらゆる手段で抵抗したが、ゲッターエンペラーの前には意味のないことであった。『ロンド・ベルの介入の前に』と、蜂起を予定よりも早めた彼等だが、もっと恐ろしい『怪物』を呼び込んでしまったのである。

 

――我々は地球を完全に滅ぼす気はなかったんだ……地球連邦の高慢を打ち砕ければよかったんだ……なのに、あの艦隊は我々からすべてを奪……これも全ては……――

 

 

ウィンダミア王国はゲッターエンペラー率いる艦隊の侵攻で目を覆うばかりの損害を被っていく。彼等の持つ兵器はエンペラーには無力であり、次元兵器であろうが、ワームホールを物理的に握りつぶす形で無効化した。結局、事を引き起こした宰相は空中騎士の一人に倒され、ワルキューレの一人『フレイア・ヴィオン』の必死の呼びかけが功を奏し、エンペラーの制止に成功したものの、それまでに負った損害は傾国レベルに凄まじく、惑星すら物理的に潰す光景は誰もが絶望するものであったという。宇宙戦艦ヤマトやロンド・ベルに介入されたほうが『まだマシだった』と、王国の強硬派の誰もがそう思ったという。では、宰相はなぜ、蜂起を焦ったのか?ゲッターエンペラーのビジョンを見てしまったことで『芽を摘もう』としたのだろうが、却って、自分達が民族滅亡の淵に追いやられてしまったわけだ。

 

 

 

――なんなんだ、お前らは!!我々とお前たちとでは、時間の壁が……!?――

 

ゲッターエンペラーの前には、そんなものなどは意味をなさない。宰相はプロトカルチャーの力を用いてさえも、ムシケラ同然でしかない現状に発狂したとも噂された。ゲッターエンペラーは竜馬の声で『今度、地球に手出しをしてみろ。この程度で済むと思わんことだ!』と宣言し、地球を侵す場合、星団を消すことも辞さないと表明した。『ロンド・ベルの介入を受けたほうが、まだ被害は少なかった』と、後年のウィンダミア人は嘆いたという。ゲッターエンペラーの去った後、星団は複数の主要惑星を失った影響もあり、急速に衰退していく。軍事力はほぼゼロに落ち込み、ヴァールシンドローム患者への非人道的扱い(家畜扱い)の露見もダメージとなった。ヤマトの波動砲を恐れ、蜂起を予定より早めたが、その方が良かったという悲惨な結果になった。この事変により、ワルキューレのフレイヤ・ヴィオンが(ウィンダミア人の老化現象が限界に達した)死去した。ウィンダミア王国強硬派が蜂起を予定より早めた事による歴史の変化の影響であったという。――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――こうした事変でエンペラーが『ご出陣』したことにより、地球の統治から離脱しようとする者たちは移民星でも排除されるようになる。その排除された彼等が独自の国家を樹立し、地球連邦と敵対するようになるには、23世紀の初頭からは百年ほどの時間を待つ必要があった。その国家がジオンやティターンズなどに代わる仮想敵として、およそ200年近く存在する事は確定している。だが、結局は宇宙戦艦ヤマトが18代目となった時期、聖ワルキューレの女神の意思を受けて、彼等が行使した『炎の奇跡』であっけなく滅亡するのだという。その際に回収されたメインコンピューターの残骸から、イルミダスはかつての白色彗星帝国の『同族であり、彼等が本家大元』であった事が判明するのである。イルミダスが地球連邦の26世紀以降の強敵になる事を知らせたのは、『イルミダスが地球連邦軍を倒した』世界線のキャプテンハーロックとクイーン・エメラルダスである。その彼等は親友の一人であった『30世紀の野比家先代当主』(イルミダスとの戦闘で壮烈な戦死を遂げたという。珍しいことだが、連邦の軍人であった)の意思を継ぐ形で地球をイルミダスから守る事を決め、その彼が『一族中興の祖』と崇拝していた、のび太に与し、23世紀(イルミダスとの戦争から700年ほど昔である)の段階から歴史改変に乗り出した(ひいてはクイーン・エメラルダスとメーテルの母であり、かつての1000年女王『プロメシューム』の悲劇を軽減するため)。ダイ・アナザー・デイ以降に表舞台に現れたのである――

 

 

 

 

 

 

 

 

――ドラえもん世界が一時(ひみつ道具時代)に『民需が後の時代を超えるほど発達していた』時期を持ったのは、1999年の頃に起こった『ラーメタルとの抗争』の際に残された遺物を解析し、学園都市の残した研究と組み合わせ、更に他の異星人や過去のヒーローたちの置き土産を解析していった成果であった。だが、『欧米諸国』が技術的特異点の完全な顕現を恐れ、統合戦争を意図的に引き起こしたために失われてしまった。だが、その目的は長い年月で忘れ去られ、反統合同盟の存在意義も霧散したが、その残党は生き続け、バダン(ナチ残党)に利用されるという皮肉な結果となった。結局、ひみつ道具時代を終わらせた罪の意識を西欧諸国が抱くことはなかったこともバダンに資金や技術を利用される原因となり、ジオン残党が長く活動を続けられる理由の一つでもあった。スペースノイドは『コロニーという住まいの魅力低下』、『資源豊富な移民星の増加に伴う、スペースコロニーコミュニティの存在感の低下』という問題に直面することとなり、宇宙からの侵略者への地球連邦の存在意義の再確認も重なり、独自の共栄圏確立という夢は『泡となって消えていく』。だが、地球連邦の疲弊が大きくなったことで、なしくずしに連邦から自治権のお墨付きを得たサイドは全サイドに及んだため、穏便な形で、スペースノイドの自治権獲得が成った。この現状を認めなかったのが、ジオン残党の『過激派』の烙印を決定的にしたのである。この施策は地球連邦の財政改善のためのもので、高度な自治権を認め、空気税の廃止(生命維持装置の世代交代で空気税を徴収する必要が無くなるため)が目玉であった。スペースノイドの融和を進め、人材不足を緩和しようという施策である。スペースノイドの劣等感も『アースノイドの貧困層に比べれば、遥かに教育などで恵まれている』ことの啓蒙で軽減されていく――

 

 

 

 

――複数の世界の事情がこうして絡み合う中、魔女の世界は1949年のお盆が過ぎ、予定の大幅な遅延を許容せざるを得なくなる。地球連邦軍の都合もあるため、扶桑は当分の間、防戦一方の展開を余儀なくされることになった。また、将官クラスの陣頭指揮が尊ばれる風潮の都合上、参謀(幕僚)の職位と職責が軽んじられてしまう問題が発生している。日本系国家は伝統的に『陣頭指揮は大正義』という考えが強いための悪癖であり、地球連邦軍もそれで人材の大量喪失を経験している。M粒子の登場と兵器の発達に反比例して起こった『武士(騎士)道精神の強まり』は軍部に人材不足という深刻な病をもたらし、無人兵器の使用に強い制約という枷の弊害を浮き彫りにした。結局、ロンド・ベルや64Fなどの精鋭を酷使するしか方策はないこと、民間軍事会社への不信からの縮小政策は軍部のキャパシティオーバーを招いた。煽った側は『死ぬまで戦えとは言ってないのに……』とボヤいたが、強い同調圧力を招いたのは彼等である。結局、ヤマトやロンド・ベルなどの精鋭には『骨は拾うから、死んでも戦ってくれ』という他ない様を詫びるしかなかった。地球が出会う異星人の大半が『奴隷か絶滅』を地で行く蛮族まがいのメンタリティしか持たぬ輩であった不幸もあり、ゲッターエンペラーの活動が『目には目を』なことになるのだ。ウィンダミア王国の不幸は『地球が幾多の帝国主義国家を破滅に追い込んできた』事を軽視した事に尽きる。流竜馬のゲッターチェンジのかけ声はいつしか、『非地球系文明』の恐怖の的となる。その最初の事例となったのである――

 

 

 

 

――チェ―――ンジ!!ゲッターエンペラーァァァ・ヌワァンッ!!――

 

――地球に牙抜く者は神であろうが、悪魔であろうが、存在を抹消する。流竜馬のそんな意思を依り代にする形で、ゲッターエンペラーは生まれいでる。地球と人類を『神々の望むステージ』たる時天空との戦闘兵器に仕立て上げるために……――

 

 

 

 

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