――ロマーニャとカールスラントは今の状態では手詰まりであった。日本連邦は太平洋戦争に全戦力を注ぎ込んでおり、他戦線は一考だにもしなかった。それは反発を招いたが、日本連邦には死活問題であるので、他の戦線の維持はスーパーロボットに丸投げしていた。スーパーロボット一機で一つの戦域を支配できるからだ。核兵器が使われれば、一発で大都市が壊滅するが、怪異には効果は薄い。その事実からも、マンハッタン計画が対人戦争を前提に立てられていたかがわかる。スーパーロボットの圧倒的武力はその核兵器すら、おもちゃのように思えるものであったので、それを要請できる点で、日本連邦の力が強調されていた――
――地球連邦軍は扶桑の戦艦で次期戦艦の武装のテストをしていた。そのテストを経て生まれるのが『ブルーノア級戦闘空母』であった。アンドロメダ級に代わる第三世代の旗艦を約束された戦闘空母である。拡大波動砲とホーミング波動砲を装備した次世代の戦闘空母である。そのテスト艦が事前に建造されており、対外的にはそれが『ブルーノア』と発表されていた。これは波動砲を二種類も搭載する故の開発の難航が理由である。洋上空母をベースに生まれたのが、ブルーノアのデコイ艦であり、一説によれば、統合戦争の傷が癒えた北米から回収された『ニミッツ級航空母艦の放置されていた最終号艦』を改造したという噂であった。その試作艦は本来のブルーノアを隠匿するためのデコイが建造の理由であったので、ニミッツ級航空母艦の残骸を再利用したと噂されるのは、もってこいの噂であった。実際に、ニミッツ級航空母艦の面影が色濃く残っており、統合戦争で崩壊したアメリカ合衆国の遺産の再利用感を醸し出していた。それが連邦の狙いである。同時にベクトラ級宇宙空母の二番艦も建造していたので、それらを隠匿する目的の建造と運用が『シイラ』とのコードネームを持つ試作艦であった――
――日本の防衛省は2023年の暮れ頃になると、賑やかな様相になってきた。艦娘・金剛と艦娘・グラーフ・ツェッペリンが日本連邦軍の運用補助官として着任したからである。無論、金剛はいつもの巫女装束姿である。太平洋戦線では手が空く艦娘も多く(敵戦艦がモンタナをベースにした重戦艦であるのも大きいが)、金剛は広報業務も兼ねるということで送り込まれた。グラーフ・ツェッペリンは日本の幹部自衛官らからは『独空母が来てもなぁ……』と戦力としては疑問符がつけられているが、ドイツ艦娘の常で、事務処理能力があるので、抜擢された――
「しかしだ、アヤカ。貴官の遠征はいつだ?」
「物資の搬入とパットンの出征が決まり次第だ。お前の声を聞いとると、うちのはーちゃんと間違えそうになるよ、グラーフ」
「そんなに似ているか?」
「身内でも間違えるくらいだ。特に、フェリーチェの状態だと、聞き分けが身内でも出来ないだろうさ」
キョトンとするグラーフ・ツェッペリンだが、声がキュアフェリーチェとよく似ているのはネタにされている。黒江やみらいでさえ、聞き分けが難しいのだから、他人はなおさらだ。
「OH……そんなに似てますカ?」
「お前の妹の霧島と、ウマ娘のメジロラモーヌがよく似ているそうだから、声の妖精さんの空似は多いと思うぜ?」
「そんなものデスカネ?」
「お前の喋り方だが、ウマ娘のタイキシャトルがよく似とるそうだ。声帯は伊勢と隼鷹に似ているそうだが」
「なんですとーーー!?」
「他人の空似は多いというが、声は珍しいんだがな」
「しかし、貴官もかわいい声だが?」
「転生を繰り返した影響で、地声が軍隊で潰す前の状態になってるからだ。声帯はいじれるから、声はいくらでも変えられるがな」
「私達もいくつかは使い分けできるが、貴官はそれを超えると?」
「しおいがイオナにできるようなもんだ。高雄だって、『タカオ』にできるだろ?」
「あいつは声帯のいじれる幅が広いからな。むしろ、最近はタカオとしてのほうが露出多いぞ」
「むー!!私だって、その気になれば、コンゴウに……」
「それはやめてくれと、うちの部下から要請が出てるぞ」
「SHIT!!WHY!?」
「C.Cやキュアホワイトと聞き間違えるからだとさ」
「ホワッ!?」
「シャーリーの奴だよ。件のC.Cとも仲間だったから、今となっちゃ殴りたいそうだ」
「理不尽デーーース!!」
「ウマ娘のゴルシからも伝言だ。タイキシャトルと間違えそうになるってよ」
「のわ~!!」」
「お前のその喋り、似たタイプが増えたしな。未来世界のアメリカにはテキサスマックの二人がいるし」
「確かにな。しかしだ、ジェネラル。あなたほどの階級だと、出撃しなくても良さそうだが?」
「お前さんとこのガランド元中将と同じだ。出撃してみせんと、日本系の軍隊の現場で人望はつかめん。俺はパイロット出身だしな」
黒江は元の容姿よりも、調と同じ容姿を取っているほうが多くなった。元がクールビューティー風の容貌なので、声が高すぎて、アンバランスになるので、声に見合う容姿ということで、調と同じ容姿を数年ほど使っている。流石に瞳の色は変えたが、シンフォギアのコピーは変わらずに携帯している。
「俺の本来の容姿は敵に割れてるからな。のぞみたちみたいに、それを売りにはしとらんから、弟子の姿を借りているのが現状だ。そいつの友達には、散々に文句言われたがな」
「シラベか。あの子も難儀な立場だな」
「俺と感応した影響で、10年も異世界で過ごしたから、元の世界の元の立場に馴染めなくなってな。それで現地にできた友人の手引きで引き取った。普段はススキヶ原の野比氏に預けてある」
「もう何年だ?」
「かれこれ、20年くらいだな。2000年代の初めの頃、俺が源田の親父さんの密命で自衛隊に入る事になってすぐに引き取ったからな。はーちゃんはそれから間があく」
「前に写真は見させてもらったが、2010年代後半には、夢原少佐も引き取っただろう?」
「正確には、野比氏の子息……養子だけど、二番目の倅と結婚したから、野比氏が住まわせてんだ。元の家には経緯上、帰りづらいからな、あいつは」
「野比氏のご両親は?」
「立派なマンションは住みにくいとかで、以前の家があった公園近くの古いアパートで隠居生活送ってるよ。奥さんの実家に住むって話もあったそうだが、その家は奥さんの兄貴が相続してたそうでな」
のび助は会社の重役で定年退職した後は最盛時の収入と釣り合わなさそうな古普請のアパートに隠居し、のんびりと余生を送っている。1999年で36なら、2023年では60代ほど。21世紀の基準では、枯れるにまだ早い年齢である。
「まだ、枯れるには早かろうに」
「まぁ、あのご両親はのび太が公務員になったことで『役目を終えた』と判断したんだろうな。野比家自体、あの街じゃ江戸以前からの家柄だしな」
「そういえば、前に川辺で姿を見かけましたヨ」
「あの人はつりキチだ。俺は同位体の死に様を鑑みて、最近は控えてるが、付き合い程度には釣りはする。あの人、上手いんだか下手なんだがわからんとこあってなー」
「現役時代はどのような役職に?」
「新宿に本社がある、中小企業の商社マンだった。その癖、外国語は全くだめなんで、よく俺達が仕事手伝ったよ」
「国際化の時代にか?」
「あの時点でも、珍しいくらいだ。99年の時点で、課長にまで出世してる商社マンが、だ」
黒江は野比家とかかわり合いを持ってからは、のび太の父であるのび助の仕事に助け舟を出すこともしていた。のび助は36歳で課長の地位にあったほどの優秀な商社マンだが、1999年以降のグローバル化の時代に珍しく、外国語がてんでダメという弱点があり、グローバル化の時代に対応できなかった。ドラえもんに毎回頼れないと嘆いていたので、黒江達は(その場に居合わせた者によるが)通訳のようなアルバイトで小遣い稼ぎを行っていた。実はペリーヌ・クロステルマンも戦間期にそのアルバイトで福祉事業への出資金を稼いだ事がある『経験者』である。
「国内事業メインだったのか?」
「今から考えるとな。元々は絵描き志望だったから、ドイツ語とフランス語の知識は多少あったんだが、発音になるとダメでな。それで小遣い稼ぎも兼ねて、俺が初めた。次第に他の連中もするようになった。あの家じゃ珍しく、美術の才能はあるから、何度か、俺の実家に飾る油絵を頼んだ事がある」
のび助固有の才能として、絵心がある。黒江はその腕がなかなかであるのを一目で悟り、『実家の応接間に飾る油絵を描いて欲しい』と頼み込み、数点を書いてもらったことがある。元々、21世紀の時点で巨匠と褒め称えられる画家に、学生時代に師事していた過去があり、堅実な職業で家庭を持つのを望んだ、自身の父であった『のびる』の反対で美術学校には行けなかったというエピソードもある。そんな程度には美術に縁があったので、引退後は時たま、息子のツテで『骨川コンツェルンの画廊』に絵を卸し、小遣い稼ぎをしているとも。
「のび太が大成した後は趣味人だな、下手の横好きな麻雀、ゴルフ、そこそこの釣り…。のび太の親父だってわかるよ。年食ったから、タバコはやめたそうだが」
のび助もなかなかの趣味人なので、その子であるのび太も多趣味で、そのまた子のノビスケも将来は多趣味に育つのがわかっている。孫が生まれた後は、若かりし頃にはチェーンスモーカーの域であった喫煙習慣をなんとかなくせた事が言及されるなど、老後の生活が示唆される。
「俺も直にまた出征だが、俺の片腕だった部下が軍務から距離を取る事になったんで、その代わりとして、のぞみを推薦されてな。やつを一人前にするのが当面の間のやりがいになる」
「ああ、例の黒田侯爵を継承した……」
「うむ。その後釜にのぞみを推薦されてな」
黒田は次の『プリキュア5世界解放作戦』を最後に、しばし軍務を休む事となったので、黒江の副官としての後任に推薦されたのが、のぞみであった。当人はそれほど自覚していないが、別世界でちゃんと教師を勤め上げている事が判明するので、指揮官の素質があるのだろう。黒田はなんとなく、(他のプリキュアからの聞き取りから)悟っていたのかもしれない。
「斬艦刀も、三振り目を造らせているところだしな」
「あれを増産させたのか」
「元々は機動兵器用だったが、俺が生身で良いデータ取ってきたからって、増産されるんだと。のぞみに斬艦刀を継承させる。黒田にも了解は取った」
素体の中島錦が元々、大物食いであった事、刀剣の心得があった事、草薙流古武術を継ぐべき者であったなどの要因が重なり、遠征直前の段階で、黒江は斬艦刀を継承させるつもりであった。また、自身は先任大隊長にポジションが上がる見込みであったので、中隊長の後任も決めなくてはならなかった。それも兼ねての推薦であった。大人のぞみが直に、少女のぞみに先駆ける形で斬艦刀を使う事になるのだが、それはここからはちょっと先のこと。
「あいつの過去の戦闘データはこの世界のアニメという形で取ったが、素質はある。それを活かす機会がなかっただけだ。それに転生先での技能がプラスされるんだ。黒田も安心して、侯爵家の継承ができるだろう」
「黒田嬢はどれほど?」
「数年だな。貴族院がなんやかんやで存続したんで、実績作っておきたいんだと。爵位の高い華族は義務が多いんだよ。俺はまだ騎士爵で良かったぜ」
「あなた、爵位持ったンデスね」
「ダイ・アナザー・デイの後からな。うちの隊の幹部級は全員が爵位持ったよ。お上が気を良くしてな……。それで、あいつの転職が余計に大事になったんだよ」
「なるほど。例の事件の対応が神経過敏だったのは、爵位のせいか」
「日本で廃されてるから、日本連邦では通じない!!ってヒスったんだとよ。完全にイカれてると思わんか?日本と扶桑は……」
「よく似た別の国だからな」
グラーフ・ツェッペリンも事件のことは報道で知っているが、日本の神経過敏なくらいにオーバーな保障は爵位に由来する事を知った。日本では1945年に廃されていても、扶桑では現在進行系で存続する制度である。それを『俺達の道理のほうが上なんだ』と宣うのでは、戦争の大義名分にされてもいいくらいの失言だ。
「日本は忘れてるようだな、爵位の意味を」
「その官僚がイカレポンチなだけで、他の連中はわかっていたよ。日本の旧皇族も、扶桑じゃ現役皇族の場合があるしな。だから、日本の多数派は少数派の活動に神経を尖らせてたんだ」
「だろうな」
「先鋭的な少数派が国や組織を破滅に向かわせるのは、枚挙に暇がないが……彼らは何が目的だったんだ?」
「さぁな。表向きの目的は『大日本帝国の二の舞いにならないようにする』ってのが多いが、実態は怨念返しに近い側面がある。それも1940年代の指導層への、な」
2020年代には『戦争を経験した15歳以上の世代』は殆どが黄泉の国へ旅立っているはずだが、そのだいぶ前から、日本人による扶桑の指導層、とりわけ参謀などの職にあった将校への暴力行為が後を絶たなかった。それは陸海・職責を問わなかった。元日本軍人によるリンチ行為も起こっていたが、それよりも大衆の歯止めなき暴力が扶桑の将校団を恐怖のどん底へ落としていた。黒江と智子もその手のトラブルと無縁ではなかった。(逆に、圭子はその威圧感のおかげで、その手のトラブルと無縁であったが)のぞみもそのために、涙を呑む羽目になった。
「なんなんだろうな?」
「デスネ」
「GHQが旧軍部を悪役にするために、あれこれしていたというのは有名だ。その名残りがあるんだろう。特に、日本の中枢にいるのは、戦後直後のそんな教育の申し子だった世代だし、一般大衆も旧軍部の横暴さを覚えてるからな。俺も昔にその手のトラブルに巻き込まれたし、智子なんて、ボケボケの老婆に『憲兵』に間違えられて、杖でボコボコにされて、病院送りにされた事がある」
「初耳だぞ」
「その老婆の孫が2000年代前半当時にあったサッカークラブのホープだった選手でな。ボケ老人だから、法的責任を問えない事をわかってたから、智子に示談を申し込んできてな。億単位だったらしい」
そのサッカークラブは2020年代までに『どこかと合併して無くなった』らしいが、その権利を承継したクラブから20年経っても、支払いが続いているというので、そのクラブの次期エース、あるいはそれに近い地位を築いていた選手であったことは確実だろう。また、智子が扶桑皇国きってのエースパイロットであったことで、選手個人の問題では済まなくなり、クラブが治療費、裁判費用などを負担したのだろうが、途中でそのクラブが売却され、別のチームと合併した際に、その業務も引き継がれたのだろう。智子はその事件の際に精神的にショックを受けていたのを覚えている。
「それからだな。あいつが軍服を着なくなったのは」
この事件はクラブの水面下での交渉、選手個人の誠実な謝罪で表には出なかったが、智子の心に傷を残した事が明言される。黒江や圭子と違い、元々、周囲にチヤホヤされて育ってきたこともあり、こういう事態にすこぶる弱かったのがわかる。
「あいつ、ガキの頃からさ、蝶よ花よで育てられてきててさ。転生しても、そこは変わんなかったから、俺よりトラブルの耐性がないんだ。俺はおふくろとかのおかげで耐性があるが、あいつはそういう事態になるとダメでな。俺やケイがいなけりゃ、泣き寝入りだったかもな…」
「なんと……」
「あのへんの時期は俺でも、胸糞悪い思いしたのは多いから、あいつには辛かったと思う。ガキの頃から褒められて、高飛車になってたこともあるくらいには舞い上がる質だったしな」
「それで、その傷は?」
「ある時、あいつのキャリアの前半が日本でライトノベルになったんだよ、偶然。その作家さんと会った時は、俺達も信じられなかったぜ」
そのライトノベル作家は2000年代にアニメ化された作品を持つくらいの売れっ子作家で、偶然にも、ある企画のライトノベル化の企画をもらっていたところ、偶然にも、容貌の酷似してた智子を見かけ、話しかけたとのことで、その作家と三人はやがて懇意になり、2000年代後半には、その作品のライトノベルがヒットしていたという。その作家はやがて大病を患い、2010年代前半に亡くなってしまったが、晩年に『あなたを疾風に乗せてみたい』と語っていたという。智子は作家を追悼するため、その時期に日本で(実戦では使わなかった)『四式戦闘脚』を履き、追悼飛行を行った。智子が四式で飛んだのは、それが最初で最後であった。
「その作家さんと智子はけっこう仲良くなってな。自分がモデルってんで、けっこう話すのが楽しかったんだと思うぜ?亡くなったのを知った時はその場で卒倒して…」
「その作家さんの作品は?」
「その人の友だちが後を継いで書いてるよ。俺とケイがアドバイザーしてる。最も、ハルカがモデルの人物がメインになったけど」
その作家の告別式の際、智子の号令で集められた、旧いらん子中隊のメンバーが追悼飛行を行ったと、黒江はいう。また、智子が本当に扶桑皇国の英雄であり、いらん子中隊の元戦闘隊長であることも知られたのである。小説と違うのは、小説では、20歳になる1943年に退任し、そのまま明野の教官に退いたが、智子自身は逆に、1945年に旧501に栄転したり、スオムスから帰国していないことだ。
「智子もその人のおかげで、日本で有名になったからな。俺は脇役だったけど、日本での所業で有名だったし、2006年からは俺の戦功は嫌ってほど防衛関係者は耳にしてるし」
「宮藤中尉との関係は?」
「アニメがやってる時にインタビューで話したよ。環境は違うけど、宮藤はいるって答えた」
「なるほど」
「むしろ、プリキュア達のほうが難儀したぜ。素体が統合戦闘航空団の構成員だったのが大半だし、のぞみが一番の古参だって知ったの、はーちゃんに知らされたんだから」
「あの子は私達と?」
「元は同等の存在だった。だが、ZEROにそれを奪われ、ある時に別の意味で近い存在になった。巴武蔵さんの導きで」
サラッというが、キュアフェリーチェは元の世界での母神属性を失い、代わりにゲッター線の使徒の属性が付与されたため、外見は変わっていなくても、かなり攻撃的な様相になっている。みらい達を一度失った悔恨から、能動的に敵を攻撃するようになり、流竜馬のような残虐な戦法も辞さなくなっている。以後はゲッター線を用いた大技が使えるように『進化』していき、ストナーサンシャインとシャインスパークの使用さえ可能だ。
「トモエムサシ……かつてのゲッター3のパイロットか」
「ああ。彼はあの子に何かを見せた。はーちゃんはそれを受け入れた。釈迦が悟りを開くかのように…。ゲッターの意志は『生きる』事を強く求める生命体に力を貸す……。はーちゃんは……何かを願い、それを得たんだろう」
それと同じ事がデザリアム戦役でキュアドリームにも起こった。元々、戦間期に新早乙女研究所の警護をしていた際に高濃度ゲッター線に当てられていた事、その時には、プリキュアとして限界まで成長していたなどの要素が重なり、『進化した』。蛹が蝶に変態するように。つまり、その『進化』が大人のぞみにも反映されることになるわけである。黒江が仕事のことを語る過程で言及された、ことはの『神性の喪失、その代替となる力の会得』はそれと似た状況に置かれた大人のぞみを『戦士』に立ち還らせ、大人のぞみ自身はまったく知らないはずの力を奮う上での伏線であったかもしれない。