――ナリタブライアンは三番目の『プリキュア5の世界』を(のぞみAの体を借りて)様子を確認しに来ていたが、事情を知らぬ、りんCによって、学校の体育祭に参加させられてしまった。当然、素で体が鍛えられていた上、ウマ娘としても、歴代随一の上澄みであるブライアンの身体能力を以てすれば、上位の成績を残すことは『赤子の手をひねる』よりも簡単な事であった――
――のぞみCはその日、入院生活に伴う免疫力の低下で病気になり、寝込んでいた。そのため、後日に入院先に持ち込まれた学内新聞を読んだことで、そのことを知って、大いにパニくった。ブライアンはその説明と釈明をする羽目となった――
「その、なんだ……すまん」
「どーすんのこれぇ~!?」
「お前を鍛えて、ある程度は帳尻合わせしなければならん。直に退院だろう?」
「敵が来たら、どうすんの!?」
「それは心配するな。プリンセスの連中が代行している。キュアトゥインクルはいないがな。お前がいなけりゃ、プリキュア5は万全の状態で戦えんだろう。他のヒーローたちにも援軍を頼んでいるから、今は体を治せ。いざとなれば、お前の変身を借りる」
と、何気にすごいことを言うが、それ(精神が入れ替わってる状態での変身)に例がないわけではない。
「借りるって……」
「精神が入れ替わってる状態での変身は『フレッシュ』の連中に事例があるそうだから、要するに、肉体が変身者のものであれば、別にいいらしい」
見分けがつくように、髪型はいつものしめ縄+ポニーテール、鼻テープ姿のブライアン(肉体はのぞみAのものだが、戦闘時のように『キリッ』としている事から、のぞみCとの見分けは簡単であった)。
「そ、そういえば……前に聞いたことが……」
このC世界も『プリキュアオールスターズ』に連なる世界線であるようだった。また、のぞみAは変身しなくとも、他世界の変身時以上の戦闘力を発揮できるので、それを使いこなせるようになったブライアンは『プリキュア5の現役時代の敵』を恐れていない。
「まぁ、この体の持ち主たる、別のお前は変身しなくとも、今のお前自身くらいはワンパンできると言っていたがな」
「え、変身した状態…ってこと?」
「そうだ。素で鍛えてるし、今の仕事は自衛官だそうだぞ」
「えーーーー?なんでなんで!?」
「話せば長くなる。面会時間中に終わるとも思えんくらいにな」
実際、のぞみAの戦闘能力はZEROとの融合で、他世界の変身態の全てを圧倒するものになっており、その一端に触れたブライアンは『変身しなくとも、素でゲッタードラゴン(ゲッターロボG)と同等クラスの破壊力を発揮する』と評する。その説明が長くなるので、そう言ったのだ。ブライアンは結局、のぞみCに請われ、この後、長い説明をする事になった。
――扶桑皇国はダイ・アナザー・デイ以降、兵器の更新の頻発に悩んでいた。九六式艦戦から零戦への更新途上にあったはずが、それが烈風/紫電改/陣風、更に艦上ジェット戦闘機へと短期間で変わってしまうことで、載せる船のほうが追いつかない問題が発生した。旗艦も大淀型を充てる(通信能力を重視したため)方針であったが、結局は大和型の後継艦に民意で旗艦の座を取られ、その存在意義を失い、結局は予備艦として繋留され、軽度の改修の後、いくつかの試験に用いられた後、史実どおりに解体の予定であった。また、連合艦隊司令部も(日本の民意に)常に出撃を強制されるようになったため、結局は最強の戦艦に置かれることが続くことになり、自衛能力の低い空母に置かれる事は稀であったという。これは扶桑が大和型戦艦を遊ばせているという誤解を受けた事に始まる『連合艦隊司令部は死んでこい』論が幅を効かせたためで、日吉の防空壕も工事が強引に中止され、行き場が無くなった連合艦隊司令部は結局、日露戦争と変わらぬ事を民衆に強いられたわけである。これは日本の軍事当局の経験者も苦言を呈したが、豊田副武を引き合いにしての批判が絶えず、結局は最新最強の戦艦に旗艦を置く風習が継続する事になった。もっとも、巡洋艦や空母では、怪異への自衛能力が低いために、戦艦に旗艦を置く風習は『魔女の世界』では世界的に続いていたが。このゴタゴタで、連合艦隊は事実上の機能不全に陥った。また、戦艦を使わせるために強いたゲリラ活動のために、馬車馬のごとく酷使した戦艦には、船体疲労の蓄積が表れる始末であった。船体疲労が強いと見なされた大和は代艦が必要とされ、1950年度予算で計上の予定であった――
――信濃が戦艦のままであった世界線であったので、大型空母が不足してしまった扶桑海軍は同等以上の規模の空母が(政治的にも)必要になった。だが、信濃の空母改造設計が破棄され、さらにアングルド・デッキや蒸気カタパルトなどの革新に『既存空母では対応に限界がある』とされた事から、一から作るしか手はなかった。皮肉な事に、参考にされたのは、米軍最後の通常動力空母『キティホーク』の図面であった。ただし、キティホークと異なり、『被弾前提の装甲空母』として建造中であった(当初は現代空母そのままで建造の予定であったが、用兵側の反対で『装甲空母』に変更となった)。その関係上、慣熟訓練込みでの竣工は1953年春頃に先延ばしとなった。ただし、同時建造数が起工日の直前で六隻に増やされており、日本なりの詫びであった。これでますます役目が重大となった空軍は優先的に近代化が進められ、F-105に変わり、F-4のワイルド・ウィーゼル型が史実通りに採用され、直ちに量産となった。また、F-4の製造時に、モックアップ段階で検討された『4門の20mm機関砲を装備する』モデルの製造が検討されたが、規格統一を日本の財務省が強引に薦めた事で潰えている。そのため、さらなる次世代機たる『F-15』の製造が早期に始められ、制空用途はそれで統一する流れとなった。1949年盛夏の段階では、64Fと本土の防空部隊への配備が始まっており、旧型機の淘汰は1955年に完了の見込みであった。とはいえ、前線の部隊の大半は悠長に新鋭機の配備を待てないため、大半の部隊は、F-100 スーパーセイバーのレンタルで場しのぎを行っていた。魔女の世界では、戦間期型レシプロ機すら現役の国があるので、その程度の性能でも充分であった。そのため、F-100(史実の欠陥は設計段階で改良済み)は扶桑の一般部隊では相当数が使用されたことになる――
――この機種の混在は、軍事費圧縮を前提に考える『日本の財務省』に、扶桑軍の前線部隊が猛反対したことで生まれた。扶桑としては『安全第一もわかるが、我々は戦時下なのだ』だったが、日本の財務省は(軍隊への侮蔑感情から)そんな窮状に冷酷であった。その対抗策として、南洋方面の空軍が米国に泣きついた結果、リベリオンへの仲介がなされ、戦闘機のレンタルが実現したのである。日本の財務・防衛当局は困惑する羽目となった。防衛当局は(日本から見れば)旧世代のF-1支援戦闘機の改良タイプを扶桑に造らせるつもりであり、財務当局は(戦時下の大量生産を)想定外であった故であった。しかし、戦後の超音速機であるセンチュリーシリーズが飛んでいるのに、大戦型レシプロ戦闘機を使わせる事が酷であることは、『子どもでもわかる』。結局、F-100の運用は(前線部隊の窮状を鑑みて)なしくずし的に認められ、日本向けの写真として、初期の自衛隊機と同じ塗装が施された同機の写真が公開され、話題を呼んだ。これはF-104の最適な運用が『要撃機』であったためでもあるので、制空戦闘機を欲しがった前線の要求とは合致していなかったためでもあった。とはいえ、F-4E以降の大型戦闘機は扶桑の既存の野戦飛行場では運用不可能であった事から、その運用が可能な上昇力を持つ震電改一が運用される理由となっている。とはいえ、戦後型ジェットへの統一を強引に進めさせようとする財務当局の圧力で、震電改一の生産ラインは51年に閉じられる見込みであった(これは扶桑の独自規格を嫌う財務当局の圧力による)。とはいえ、震電改一の性能は(戦後第一~第二世代の)当時の必要性能は充分に満たしており、無理に生産を中止させる必要はなかった。そのことから、震電改一は秋水の代替としての役目を充分に果たしているといえた――
――欧州は財政支出が限界に達していたことと、同位国の無理な介入により、急速に衰退した。致命的なのが(1940年代には当たり前の)人種差別への断罪で、これにより、ウォーモンガーとして鳴らしていたルーデルを含め、大半のカールスラント系の古株の軍人が何かしらの懲罰を被ることとなった。その一方で、懲罰が最も軽度(口頭注意)で済んだのも、ルーデル(ウォーモンガーなので)であった。カールスラント系の軍人達は『若かりし頃の軽率な言動で、今さら処罰を食らう』のはバカバカしかったが、日本連邦が連合軍の主導権を握った以上は『何をされるかわからない』。そのことへの恐怖も、結果的にカールスラント軍の権威を崩壊させた――
――この断罪により、カールスラント系将校の権威はズタズタになったが、ルーデルやハルトマン、バルクホルンなど、却って人徳が評価された者も存在する。差別を疑われたことの亜種で不利益を被った者もいる。元・統合戦闘航空団の幹部経験者である『フーベルタ・フォン・ボニン』である。ティターンズに辱めを受けたのにも関わず、若かりし頃の『ここでは撃墜数だけがものをいう。階級とか、他のくだらぬものはどうでもいい。地上では軍律があるが、空中では最多数撃墜のパイロットで、戦闘技術と経験に優れたものが指揮をとる。この規則には、私を含む全員が服従する。もし私より撃墜数の多い軍曹と一緒に飛べば、私は軍曹の指揮に従う』という発言が防衛省に問題視され(戦前の貴族階級かつ、コンドル軍団出身であるのが災いして)、内通を疑われ、公安警察に激しく追求されるという不幸に遭ったが、エーリカやバルクホルンの弁護活動で冤罪は晴れた。その出来事がきっかけとなり、彼女は『マリーダ・クルスの転生体』と判明。一転して英雄扱いになった。この騒動の裏で、上層部の間でも、実力主義の行き過ぎ(平時に生きる自衛隊などとの共同戦線があるため)も同時に問題とされたため、アジア圏の文化かつ、かつての儒教の名残りである『年長者を敬え』の考えを取り入れる事が決議され、1947年以降、連合軍で蔓延していた『行き過ぎた実力主義』は影を潜めていく。これは1945年を過ぎたがために、カールスラントと扶桑を含めた大半の国々で『強力な魔女』が出現しなくなっていったからでもあり、この傾向はおおよそ数十年は続く事になる――
――それが公的機関での魔女コミュニティの衰退の始まりであった。怪異討伐の成功率も100%ではない上、銃を失えば、何もできない。その事も視線の急速な冷却化に繋がった。異能者に転じた黒江たちを素直に受け入れていれば、栄華が続いただろうが、排除しようとしたことで『排他的』である事が世間の批判を浴びたのである。ミーナは(アニメで人種などの思想で寛容だと描写されていた事から)特に批判を浴びたが、事態が終わった後は人格が変貌していたり、(事態の判明から、人格変貌の直前までは)上層部にバレないように、黒江たちの扱いを良くしようと腐心していた痕跡があった事から、情状酌量していいだろうと判断され、最終的な処分は(幾分か軽くされた)。精神的に追い詰められてのヒステリーだと判定されたからだ。表向きは大尉への降格と半年から一年の飛行資格、編隊長資格の停止、減俸2ヶ月であった。日本人はこれを『肩たたき』と解釈したが、(代えが効かない人材であるため)精神に異常をきたしての療養だと説明されたので、追求はピタッと止んだ。現金なようだが、日本人というのは『喉元過ぎれば熱さを忘れる』のだ。彼女が表舞台を去り、統合戦闘航空団の枠組みも凍結されたため、後世からは(1945年は)『統合戦闘航空団の最初の黄金時代の終焉』とされ、教訓を残したのである――
――彼女らと入れ替わりに、プリキュアたちが台頭したわけだ。華美な服装から、武士道を重んずる扶桑では、そのコスチュームへの批判も多かったのは事実だが、ティターンズの超人たちの強さがありのままに報道されることで、『流血当たり前の凄惨な戦場に、率先して身を置いている』と老人(明治初期、もしくは安土時代の末期生まれ)にも高く評価された。皮肉なことだが、武士時代を生きたか、武士を先祖に持つ者は(時代が下ると、特に)質実剛健を旨にするため、プリキュアのような『派手な格好』は『ふしだら』だの、『扶桑撫子にあるまじき、西洋かぶれ』といいたがる。特に、明治後期~大正初期に既に大人だった世代の者は。特に、のぞみは素体が陸軍所属であったので、その手の批判にもさらされた。そのため、彼女はプリキュアのままで過ごす機会が増えていったのである――
――変身したままでいることは、体力の消耗を抑えられるという利点もあった上、転生後の体を変身による変化に慣らすという、肉体と精神の修行にもなったので、現れた全プリキュアに課せられる事になった。のぞみは(素体が名家の出であったこともあり)特に早くそれを行うこととなり、ここ数年はドリームの姿であるほうが多い。これは日本で騒動に巻き込まれた事、夢原のぞみとしての姿が、現役当時のものなってしまった都合上、『見かけが14~5歳相当』であるため、外見的には思春期の少女にしか見えない事から、日本の左派がうるさく騒いだからである。だが、のぞみの素体になったのは『士官学校卒の職業軍人』で、扶桑では成人扱いの(1945年当時に)17歳の女性。それにも関わず、現役当時の容姿に変貌したのは、それこそが『アカシックレコード』に刻まれた姿であるからだ。のぞみ本人は困惑したものの、現役時代そのままの若々しい肉体を得られた事もあり、大喜び。変身前後の疲労の差異も大きくないため、ZEROとの融合により、その状態を常に保てるようになったこともあり、平時においても変身を保っている事が多くなったのである――
――こうして、事情を聞かされたのぞみCは『世界にプリキュアが必要ないと判断されれば、力は自然に失われる』可能性に落胆した。世界の都合だけで、力の存廃を決められるからだが、プリキュア戦士である者は『戦いから逃げる』事は世界の意思が許さない。大人のぞみがそれを証明している。ブライアンからそれを聞かされ、幻滅したような表情を見せた。
「わたしは戦いから逃げられないんだね……」
「それがお前の青春そのものだからだろうな。別の世界の成人したお前は、却って嬉しそうだったそうだ。戦う事で自己のアイデンティティを得られた事を自覚していたからだろう。力が消えてから、何をしてようとも、虚しかったと言っているからな」
「そ、そんな……」
「大いなる力には、大いなる責任が伴うって格言が昔からあるが……お前は自分自身でも思ってるんだよ、戦士になる事で、自分の心のすき間を埋められたと」
ブライアンはそこで、キュアドリームの形態を取る。変身アイテム無しでの簡易変身であり、いくつかのプリキュアで例がある。のぞみ本人の変身と異なり、ブライアン本来の紫色の闘気が変身と同時に滾っており、それにスパークが走っている。
「別のお前は言っていた。この姿が自分の青春そのだと。お前は大人のお前自身と違う道を辿るだろうが、この姿を持った事の意味を見つめて、自分なりの答えを見出せ。それが第三者である私にできるアドバイスだ」
「なんで、私の体を使ってるの?」
「それが交換条件だったからだ。私の願いに対して……のな」
「あなたの?」
「現役時代のお前には頼めないことだ。陸上競技にまつわることだからな」
「え、なんでなんで?その体の持ち主の私自身ならいいって、どういうこと?」
「生まれ変わって、別の世界の日本軍で、戦闘機パイロットをしてる身だと言っていた。その状態でプリキュアに戻ったんだそうだ。当然、日本軍仕込みのしごきをくぐり抜けて、将校になったということだから、今のお前とは比較にならん運動能力を持つ。だから、陸上競技で鳴らした私の要求に応えられる」
「なにそれ~!?」
「仕方あるまい。記憶と能力が戻ると同時に、現役時代の頃の容姿になったと言っていたからな。そういう奇跡の産物だ。で、怪我で落ち目と言われていた私はあることから出会ってな」
ブライアンは生徒会副会長であるので、対外的な折衝も否応なしにやらされたので、こうした説明は意外と上手かった。自分のことを陸上競技の選手だと説明することで話を進めるなど、副会長としての仕事も高レベルでこなせることがわかる。一匹狼を気取っていた最盛期からは信じられないが、挫折を味わったことで、人当たりが良くなった……いや、無理に強がる理由が消えたことで、本来の優しさが表に出てくるようになったというべきだろう。
「……この世界のエターナルも無粋な真似を。入院患者を襲うなんぞ、たいていの悪の組織も滅多にはせんが……」
「あわわ、でかいホシイナーだ~……どうするの?」
「患者がいるんだぞ、暴れられると面倒だ。膾切りにするしかあるまいよ」
ここで、のぞみが入院しているのを突き止めた、現地世界の敵組織『エターナル』の刺客がテンプレ通りに襲ってきたわけだが。
「ど、どうやって?私たちはココがいないと、フルーレは……」
「この体の持ち主は、色々とあったみたいでな。色々とパワーアップしているのさ」
そういうと、ブライアンはのぞみAの持つ『空中元素固定能力』で『五大剣』という試作武装を形成し、鞘を外す。
「え~~!?じ、自分で剣を!?それも、なんかモンスター狩れそうな……!」
「ああ、そのシリーズなら、2010年代終わりでも続いてるぞ。後輩連中が寮でしてるのを見た事がある」
「へ~……って、く、くるよ!?」
「やれやれ」
その瞬間、ブライアンは『軽く』踏み込み、窓を飛び出す。それと同時に高度を取り、斜め下にいるホシイナーを見据えると、剣を奔らせ、竜巻の如く渦を巻く衝撃波を起こし、敵の動きを封じる。
「風刃閃!!」
そして、技名を叫んだ次の瞬間には、一気に地面目掛けて落下し、ホシイナーの中核である『ホシイナーボール』を剣の刺突で粉砕する。この攻撃は元々、シグナムが古代ベルカ時代に編み出していたものだが、ほぼ同じプロセスの技が古代ベルカの剣術に(偶然にも)存在しており、当事者であった調を介する形で、64Fの剣術マニュアルに加えられた。それを聞いたシグナム本人は苦笑したともいうが、64Fの幹部たちは剣術の猛者たち揃いであり、再現に苦労はしなかった。ブライアンも(袂を分かった父親の意向で)武術をかなりやらされていたため、のぞみAの技能を問題なく発揮可能であったので、とっさに行ったのだ。
「す……すごい。あんな大剣を滑らかに振るえるなんて……」
「初めて持ったフルーレで、派手にチャンバラやらかしたっていうお前が言う台詞か?」
「なん……あ、そうか、その体の持ち主も」
「そういうことだ。お前を襲ってる間に、多分、仲間を引き付ける囮役がいるだろうが、そちらは『彼』が加勢して片付けてくれるそうだ」
「あのお医者さんが?なんで?」
「あの人の本当の仕事は『仮面ライダー』なんだよ。完全な改造人間ではないが、歴戦の勇士だ」
「か、仮面ライダー!?改造人間って……まさか、昭和の!?」
「そうだ。その昭和ライダー第四の男、ライダーマン。それが彼の本当の姿だ」
ここで、のぞみCは自分の主治医が『昭和ライダー第四の男』その人であることを知らされた。昭和ライダーを正確に知っていることから、C世界ののぞみは『仮面ライダー』を知っていることになる。そうなれば、B世界よりの個体よりは話がわかるだろう。ブライアンはひとまず安堵し、一息つくのだった。