ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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今回も二パートに分かれます。


第二百一九話「悲劇が起こった世界線、大人のぞみの決戦」

ーーサンデーサイレンスが言及したように、ブライアンには、史実通りに脚が潰れた後に大病を患い、大学在学中に非業の最期を遂げてしまう世界線があった。それを観測してしまったのも、のぞみに縋った理由である(オグリはハヤヒデを説得する際、『救いがなかった世界線』の存在を教え、ハヤヒデは強い罪悪感に苛まれた。オグリは『最後の勝負』までは籍だけでも維持する』ように指南し、同席したクリークがその場で電話をかけ、シンザンに正式に掛け合った)。

 

 

「オグリさん。私はどうすれば……」

 

「救いがなかった世界線では、君が夢を託したのが『呪い』に転じてしまい、ブライアンは低迷。脚をダメにして引退した数年後に……」

 

「数年後……何なのです!?」

 

「……亡くなってしまう。その世界線では、胃ガンが肝臓と脊髄、最後は肺に転移して……な」

 

「そんな……バカな……」

 

「ブライアンはそれを幻視という形で『見てしまった』。故に、のぞみに縋ったんだ。因果律すら変えられる……その力で、君と自分を救ってくれと。彼女はそれもあって、ブライアンの願いを聞き届けたんだ」

 

のぞみAはマジンガーZEROと融合した故に、因果律操作能力を持つ。どんな結果が出るのかは未知数であるが、のぞみはZEROの意思の同意を得た上で、その力をブライアンに行使した。その結果、ブライアンとハヤヒデの負の未来は払拭されつつあった。その代わりに、サクラローレルの負傷の治り具合が微妙に遅れた。ローレルとトレーナーの必死の努力が実を結ぶ因果は不変らしかった。

 

「君は最後に、あの子と競うだけでいい。それで、あの子の願いは果たされる」

 

「それがブライアンの……」

 

「下の妹さんたちに、君の走りを一回きりでもいい。見せてあげろ」

 

「しかし……。たとえ、ブライアンが引退しても……下の妹たちが…」

 

「それは残酷だぞ、ハヤヒデ。あの子たちに……『成功する』未来はないんだ。タケヒデも例外ではない。君とブライアンが突然変異なだけだ……」

 

「!!」

 

寮で療養生活に入っていたビワハヤヒデに、オグリは(心を鬼にして)史実を教えた。ハヤヒデとブライアンが異常であっただけで、その他の兄弟(ウマ娘世界では『姉妹』だが)は平凡か、それ以下であった。むしろ、デビューにも至らなかった者もいる。

 

「……君とブライアンに才能が集中し、妹さんたちには、君たちほどの才能はない。それは、君とてわかってるだろう?」

 

「し、しかし……」

 

「それは一種の定めなんだ、ハヤヒデ。君にできることは、ブライアンが普通の人生を捨ててでも、レースに生きる決意をしたのを後押ししてやることだ。祈りだけを与えれば、それは呪いになるだけだ。私がかつて、そうであったように。そして、あの子には、今から数年以内に夭折してしまう世界線もある。先ほど言ったように。」

 

「ば、馬鹿な……!?」

 

「引退後に判明したガンが、発覚した時には手遅れの状態になったそうだ。そうだと言ったのは、私がその世界線を訪れた時、あの子は既に墓の下だったからだ。その世界線の君は後悔していた。あの子に願いを託さなければよかったと……」

 

「!!」

 

オグリはピークアウトが起こった後の掌返しが堪えたクチである。ましてや、全盛期に最強と謳われていたのなら、尚更である。そして、ブライアンが夭折した世界線の存在を教える。ハヤヒデの声は衝撃が大きすぎたのか、震え始める。

 

 

「わ、私は……どう……すれば……?」

 

「ブライアンが次に定時連絡を入れる時に、正式に回答する時間を儲ける。その時までに、よく考えておいてくれ」

 

ハヤヒデは妹への罪悪感などで平静を保てなくなり、ついには泣き崩れる。オグリは年長者(ウマ娘はある程度まで成長した後の外見的老化が遅いので、ハヤヒデとオグリは同年代のように見えるが、実は三歳以上は離れている)として、ハヤヒデを敢えて突き放す。自身が(ピークアウト時に)世間に苦しめられた経験を持つからで、ある意味、世間の気まぐれの犠牲者に近かった故の選択だった。ブライアンは復活を願われつつも、それが叶わずに終わり、自身の後継も出せずに夭折した。ウマ娘としても、引退後に判明した病魔のせいで、数年以内に病没してしまった世界線がある。そのことを示すことで、ブライアンの願いを叶えさせる方向に持っていこうとしていた。部屋を出ると、クリークが待っていた。

 

「いいんですか?」

 

「ハヤヒデは、私と違い、ピークの時にターフを去っている。それはある意味では幸せだ。だが、私のように、最強と持ち上げられた後にピークアウトしてしまうと、世間は掌を返す。有馬で勝てたから、私は後世から評価されているようなものさ。願いが呪いに転じてしまう瞬間を、私はよく知っている」

 

オグリは史実の記憶も得たためか、以前よりシリアスな気質になっている。寮の部屋から出て、オグリを待っていたスーパークリークにそう返す。ピークアウトが目に見えてわかった故に、世間の掌返しを受けた身の上であるため、ある意味、ブライアンを通して、ウマ娘の宿命は越えられると示したいのだろう。

 

 

「多少のチートは使ったが、自覚無しに、前世のロールプレイをさせられていた事への意趣返しをしたい。それは私も、ブライアンも同じだ。私は君たちと共に引退できただけで満足だが、ブライアンはそうもいかん。ましてや、不遇の後半生を送った上、直系の子孫もおらん身と分かれば……な」

 

オグリは史実の記憶を得たのも影響して、年長者としての態度を取る事が増えている。また、ウマ娘の宿命の由来が『競走馬にある』ことを知ってしまった故か、それを越えられるという実例を示したいという野心も見せていた。子孫は母系で僅かに残っているが、競走馬の世界では父系が重視されるので、ブライアンの血筋は断絶した扱いである。

 

「それで、ブライアンちゃんは……」

 

「指導者向けではないから、あの子は選手の立場であり続けるだろう。他のスポーツでもあるだろ?ほら……」

 

「名選手は名監督になるとは限らない……ですね」

 

「そうだ。野球とかで、いくらでも例があるだろう?私たちの界隈でもそうだ。私はまだマシだが」

 

「ハヤヒデちゃんはどうすると思います?」

 

「家を継ぐだろうな。脚は治したから、事業が落ち着いた頃には、市民ランナーになれる。シービー、ルドルフもだが、あまり強すぎても、指導者に向かんからな」

 

直近で三冠を得た者たちは例外なく、後輩の指導に向かない。シービーもルドルフも善人だが、(個人としては)偉大な選手だが、指導者には向かない。オグリは文字通りに、地方から立身出世した最後の例(2020年代まで見ても、オグリが『地方から中央に出て、時代の中心にまで立身出世した』最後の例である)であるので、底辺の苦労が理解できる。それはある意味、天才たちの悲劇でもあった。

 

「だが、彼女らも引退の際に、苦しみを味わっている。指導者に向かないのは、どうしようのないことだ。ディープインパクトくらいかもしれんな……向いているとしたら」

 

シービー以降の歴代の三冠馬は種牡馬としての成功を掴めたとは言い難いところがある。明確に大成功したのは、ディープインパクトくらいなもの。トリプルティアラの方も、ジェンティルドンナは子が大成しなかったし、スティルインラブは子を一回成した後に、急死している。個体として優れていても、その子がすごいとは限らない。それがウマ娘としての転生後の人生に反映されているとしたら?オグリはその事に確信を持ちつつあった。そして。

 

「タイシンも……ハヤヒデとチケゾーの史実を知った。故に、自分が三強の最後の一人になってしまうことに打ちのめされたが、最後の一人として『抗う』ことを選んだ。ブライアンもそれを選んだ故に、のぞみの力に縋った。あの人は……それだけの力を持っている」

 

のぞみAはブライアンに何を願われたのか?その片鱗、そして、ナリタタイシンも、ウイニングチケットとビワハヤヒデに待ち受ける因果を知ったが、自分が二人の想いを背負って『抗う』選択をし、オグリにその旨を伝えたことが明らかとなる。

 

 

「私たちの後継ぎを期待されましたからね……あの三人は」

 

「だが、あの三人は私たちより『短命』に終わる宿命だった。タイシンがただ一人、ライスの時代まで現役を続けたが……。それを知った故に、あの子も抗う選択をした。時代は変わる。だが、前世と違う道を歩んでも……神様は許してくれる。そう考えなければ、ウマ娘になった意味などない」

 

オグリは引退後、自身の後輩たちの選択を後押しする道を選んだ。ブライアンとタイシンはオグリの近い後輩であると同時に、ゴルシの歴史改変により、オグリと二人の付き合いは長いものとなっている。また、ウマ娘としての宿命に抗うことを選んだ二人の選択を尊重するなど、二人の師匠ポジションにあった。

 

 

「まさか、オグリちゃんが後輩の面倒を見る日が来るなんて」

 

「私は元から妹持ちだぞ?だが……憎まれ役というのは……やりたくないものだな、クリーク」

 

「ええ……。」

 

「だが、ブライアンへ願いを託しても、それが呪いへ変わってしまった世界はある。私がさっき言った、別の世界線のあの子は言っていた。別の道が平行世界であるのなら、妹の夢を叶えさせてやってほしいと。それが……」

 

「ブライアンちゃんを王者のままで引退させられるように?」

 

「ああ。ディープインパクトやオルフェーヴルが台頭すれば、それ以前の三冠の事は忘れ去られる。それだけの輝きをディープインパクトは持っているし、オルフェーヴルは『あの大地震』の時の三冠だ。あの世界線のハヤヒデは……たった数年で、あの子の生きた証が忘れ去られていくことに耐えられなかったんだろうな」

 

「それも、オグリちゃんが?」

 

「かもしれない。私にできる事はこれくらいしかない。その世界の墓参りもしたが……まさか、その世界の自分自身は想像もしないだろうな。私が誰かに先輩風を吹かせているなど。」

 

「タマちゃんあたりは聞きつけてるかもしれませんよ?」

 

「タマならありえるな。もっとも、その世界線の私には迷惑だろうが」

 

オグリの予測通り、その世界線のタマモクロスが、ブライアンの墓の前で泣き崩れるハヤヒデ、それを慰めるオグリの姿を目撃。だが、その日、オグリはカサマツ時代の仲間に会いに行っており、学園周辺にいるはずはない。当然ながら、困惑。後日、(その世界線の)ルドルフに理由を説明。証拠画像も見せ、ルドルフも驚愕。オグリを呼び出したものの、当人も大パニック。ハヤヒデが呼び出され、説明を請われると、『妹の魂が会わせてくれた、『近くて遠い世界のオグリさんご自身です』と回答。その世界線のトレセン学園は大騒ぎになったという。

 

 

 

このように、ブライアンは『悲劇の三冠馬』であるが、その史実通りに『悲運のウマ娘』になってしまう世界線もある。オグリはその世界線のハヤヒデの願いを汲み、ブライアンに満足の行く競技生活を送らせようとしている。のぞみAはそれに手を貸したことになる。事の起こりは、『接触した世界線』のネオユニヴァースがブライアンの夭折が起きる世界線をオグリに教え、その確認のために、ドラえもんの力を借りて訪れたことにあり、オグリは帰る前、別世界線のブライアンへの手向けとして、(その世界線の自分に迷惑はかかるが)ローレル、マーベラスサンデー、ヒシアマゾン、マヤノトップガンなどと(同行した、スーパークリークがうまいこと言いくるめて)模擬レースを行い、往年の『芦毛の怪物』としてのフルポテンシャルで以て圧倒。自分なりに、別世界のブライアンの鎮魂を祈ったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オトナプリキュアの世界。世界の理を無視する形で危機が訪れたため、大人のぞみはそれまでの(空虚感のあった)日常を捨てる形で、別の自分の代わりに従軍していた。記憶と能力が共有された都合上、並のパイロットでは『歩かすのも一苦労』とされるZガンダムを難なく動かせている。Zガンダムは後続のZZガンダムやνガンダムと異なり、訓練を受けたエースパイロットであれば一定のポテンシャルを安定して発揮できる事から、正式な形で増産されている。可変戦闘機の普及で、以前より可変機構への技術的ハードルが下がったためでもあった。流石に従来通りのライフルでは火力不足になりつつあったので、対艦任務を念頭にバスターライフルの装備がなされた。それに伴い、フレームの段階からガンダニュウムと新式ガンダリウムのハイブリッドで新造されている。主にステルス性の付与のためだ。

 

 

「各機、敵艦を一隻たりとも生かして返すな!!」

 

「了解!!」

 

この時に攻撃に駆り出されたZ系の各機は最低でも『メガビームランチャー』を携行している。Zガンダム本来のハイパーメガランチャーは増産がしにくく、なおかつ(相対的な)旧式化も目立ってきていたため、遥かに威力があり、(ガンダニュウム合金の頑強性が前提だが)連射が効くバスターライフルを使うこととなったのである。バスターライフルといっても、出力の一定程度の増強(構造を一部、ツインバスターライフルと同様に仕立て直した)などの要因で火力が増強されている。そのため、最大出力での射撃は……。

 

 

「おおう……。すんげー威力。これでツインバスターライフルの二分の一程度かいな」

 

バスターライフルはウイングガンダムのものでも、MSとしては究極の破壊力を持つ。パワーは日本の中規模都市の一日分の消費電力に匹敵する(おそらくは21世紀当時の)とされ、半径で150mに及ぶ強烈なプラズマ過流と数十Kmに及ぶ灼熱の奔流を巻き起こす。白色彗星帝国の艦艇は(ガミラス帝国のそれよりは)進んだ対エネルギーコーティングが施されていたが、有無を言わさずにぶち抜かれていく。

 

「先輩(黒江)が好きで使うわけだ。あたしらの必殺技が子供のお遊戯だなぁ」

 

その感想から、バスターライフルの破壊力は歴代プリキュアの最大必殺技をも越えている事がわかる。これは浄化にエネルギーのリソースが割かれている都合である。

 

「さて、今度はっと」

 

今度はビームサーベルによる艦橋潰しと、エンジンをぶち抜く。各僚機も必要最小限の動きで、無砲身の回転砲塔のビームを躱しつつ、駆逐艦を撃沈していく。

 

「白色彗星帝国は艦隊戦に弱いからな。まぁ、オリジナル版だから、蛮族じゃないけど。武器の威力はガミラスより上だからな…。各機、砲塔を優先して破壊しろ。一撃で、お陀仏になりかねんぞ」

 

「了解」

 

白色彗星帝国の艦艇の少なからずは無砲身の回転砲塔を特徴にしている。威力は駆逐艦のもので、一撃でコスモタイガーを炎上させるほど。大人のぞみは別個体の自分の記憶から、攻略方法を僚機らに指示しつつ、自身はバスターライフルの第二射に入る。

 

「悪いけど、一隻たりとも生かして帰すにはいかないんでね。土星空域の塵になってもらうよ」

 

第二射で、水雷戦隊の主力を飲み込むように機動を取り、最適な位置から撃つ。バスターライフルの設計図はウイングガンダムゼロのデータベースに存在しており、白色彗星帝国戦後には、地球連邦軍の重要兵器扱いで生産されていた。その内のワンセットがエースパイロットである(Aが戦功を挙げていたため)のぞみに支給されたのである。

 

「水雷戦隊の出鼻はこれで挫いた。問題は空母部隊だ。Z系やVF-19とかじゃ、処理がおっつかないからなぁ。反応弾を花火感覚で使うにしても、効果範囲がなぁ」

 

反応弾は効果範囲が(宇宙空間では)狭いため、星間国家の艦隊戦では使いにくいのが実際のところ。故に、波動砲などに決戦兵器が変わってしまうのは仕方がないところである。

 

「波動砲はワープができない状況に追い込まないと、最大効果が出ないからなぁ。拡散波動砲は艦隊戦にしか役に立たないけど、こういう時には一番『使い出がある』。とはいえ、あのマルチ隊形はどうかと思う。だから拡散が見捨てられて、拡大に切り替わったりしたんだな。波動砲」

 

大人のぞみは「さらば宇宙戦艦ヤマト」を見た経験があるのか、地球連邦艦隊が波動砲を撃つ時に『マルチ隊形』を取るのに、当たり前の疑問を呈する。さらば~で描かれたのは、拡散波動砲が通じず、全艦隊が飲み込まれるというもので、同隊形の最悪の結果を表すものであった。とはいえ、波動砲のエネルギー量に耐えられるモノはそうそう現れるとは限らないという提言もあり、陣形の採用が続いている。(だが、実際には、自動惑星ゴルバなどがバンバン現れてしまったわけだが)似たような話に、扶桑海軍が防弾装甲を軽視していたら、M動乱などで大量に搭乗員が戦死したために、その重要性を認識したが、その頃には『技量:甲』の搭乗員は戦死したか、空軍に引き抜かれていたという、さもしいオチがついた。

 

「地球連邦軍も、艦隊指揮技量が甲の提督がめっきり減ってるから、マルチ隊形を採用せざるをえないって話だけど、一年戦争から戦争のしっぱなしで人手不足の割に、無人兵器は少ないな」

 

地球連邦軍は無人兵器を忌避していたが、白色彗星帝国やデザリアムなどの『圧倒的物量』との戦争が立て続けに起こり、有人兵器のラインの立て直しが困難に陥っている上、人的資源が底をつき始めている。故に、異世界からの転移者であろうが、転生者であろうが、登用せねばならない。軍縮で職にあぶれた軍人たちを問答無用で再招集したり、民間軍事会社に移籍した人員を部隊と人員ごと買収したり……。民間軍事会社の法的規制を強める代わりに、正規軍から引き抜いた人材を軍籍に戻すなど、色々と強引な手を使わざるを得なくなった。また、トレーズ・クシュリナーダや東方不敗マスター・アジアの広めた風潮により、無人兵器規制が強まっていた弊害で、有人兵器の盾にすべき無人兵器は足りない状況にある。こういう危機的な状況下では、有人も無人もあったものではないのだが。特に、Z系やVF-19系などのハイエンド機はおいそれとパイロットを増やせない。腕利きはそうそう育たないからだ。

 

(本当なら、車さえ免許取れるか怪しかったのが、機動兵器の花形、それもガンダムタイプのパイロットだもんな。今となっちゃ、このコックピットのレイアウトにも慣れちまったよ)

 

全天周囲モニターとリニアシートのコックピットは、23世紀の技術で使われているコックピットのレイアウトではポピュラーなものだ。アナザーガンダムは(ウイングゼロやエピオン以外は)全天周囲モニターも採用していないが、これはゲリラ戦での整備性を重視したためだという。大人のぞみの世界では、25世紀になっても、実用化が怪しいだろう技術だ。

 

(M粒子で、21世紀の光ファイバーとかが無意味になったから、一般用のインターネットが絶えて、ギレンを生み出しちゃったって話だったな。それをタキオン粒子の超空間通信が補った。タッチパネルも、軍用品が主な使用目的に限定されちゃった時期があった。ヤマトとかの艦内で、馬鹿みたいにメーターが多いのは、その時代の名残りらしいけど)

 

デジタル機器にM粒子が大ダメージを与えた後、インターネット網などは比較的早期に代替技術が確立されたものの、21世紀ほど、一般人が小型デジタル機器を使える環境にはない。これはM粒子が軍事利用される過程で、旧来技術でのスマホなどが淘汰されてしまい、M粒子からの回路保護技術の確立が難航した上、代替となる技術が実用化されたことで、旧来型の機器の置き換えが始まってしまった事による。また、保護技術は『タブレット』サイズまでが現時点の限界で、21世紀の小型スマホの電子回路を保護できるほどではないのもネックであろう。また、M粒子のせいで、デジタル機器に信用が置けなくなった時期に流行ったのが『アナログ計器を設置しまくる』という古典SF感たっぷりのレイアウト。ヤマトやまほろばはその時期に改装されたので、独特の計器レイアウトなのだ。

 

(あれ、却って見にくいよなぁ。真田さん達、どうやって読み取ってるんだぁ?)

 

ヤマトの艦内計器の読み取りには、かなりの熟練を要する。それはヤマトが『人を選ぶ』艦であると同時に、過度のデジタル化を嫌う真田志郎の思想が反映されている証でもある。とはいえ、のぞみのような素人(ヤマト型は計器レイアウトが独特なので)には思いっきり優しくないのも事実である。戦いつつ、乗艦の計器のレイアウトを愚痴りたくなるのだった。

 

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