ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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プリキュア5の世界編の区切りです。


第二百二十一話「一つの終幕」

聖闘士の戦闘能力は生身の人間が到れるものとしては究極に近い域である。科学的分析すら不可能な技が多い上、シンフォギアが如何な状態になろうとも、薄皮一枚も傷つける事は出来なかった。黒江が滞在していた期間中、装者らは黒江に真っ向から傷をつけることは叶わず、逆に、体を極限に鍛えていた風鳴弦十郎のみが、まともに戦える状況であった。この時期の報告書は、調と響との間にあった蟠りの説明にも使われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒江の力ははっきり言って、シンフォギア世界では、如何な聖遺物(シンフォギア世界での)の発動よりも強大であった。

 

「これは?」

 

「ああ、これは私が暴走しちゃった時だよ。私個人は記憶ないんだけど、周りから話を聞くと……」

 

シンフォギア世界の記録を仕事で閲覧していたフェイト・T・テスタロッサは、立花響(キュアグレースの姿で特訓中)からヒアリングを行っていた。ある時、ネフィリムと戦い、片腕を食われた直後のこと。

 

「やれやれ。厄介なものが出てきたな」

 

伝説上の半人半獣(ケンタウルス)の形のオーラを纏って、その場に現れた黒江。これは転生を繰り返した中で、射手座の黄金聖闘士もしていた時期があった時の名残りであった。

 

「気をつけろ、そいつは……」

 

「こういうゲテモノの相手は『慣れている』」

 

翼の警告にそういうと、ネフィリムを一睨みで動けなくした。リストリクションを使ったのである。

 

「危ない!!」

 

暴走した響が襲いかかってくるが、黒江は意に介さない。

 

「少し、大人しくしてろ」

 

「ア……ガ……!?」

 

暴走していても、痛覚は普通に機能しているので、電撃入りの光速拳を喰らい、悶絶する。その一方で、食われた腕は再生している。

 

「さて、三枚おろしといくか」

 

黒江は手刀を放った。アームドギアで傷のつかないはずのネフィリムの外皮が紙のように斬り裂かれる。

 

「バカな……アームドギアで傷つかなかったものが……なぜ……手刀で斬れるのだ!?」

 

「悪いな。俺の腕は少々、『特別』なんだ」

 

鮮血を散らすネフィリム。事も無げに黒江は手刀の二打目を放つ。

 

「特別だとッ……?」

 

「聖剣の霊格を宿している身なんでな」

 

「聖剣……だと」

 

この時、翼は黒江が右腕の手刀を放つ一瞬、『エクスカリバー』のビジョンを幻視した。自立型の完全聖遺物すら、まるで、そんじょそこらの猛獣か何かを仕留めるかのように扱う様に、戦慄した。

 

 

「――って感じ。ギアを着てたのに、その機能を使わないで、ネフィリムを圧倒したから……」

 

「翼は言葉もなかったわけか?」

 

「そういうこと。あれでフルポテンシャルじゃないんでしょ?」

 

「うむ。聖剣と言っても、霊格を宿しているだけだから、それを実体化させていても、ネフィリムの餌にはならん。さらに言えば、宝具のエネルギーはお前らの世界の先史文明期の人類の予測を越えたものだ。人為的に抑え込めるものでもない」

 

「それで、私がえらい目に遭いました。高校の単位、危なくなったんですよ?」

 

「聖剣のエネルギーを受けて、生きて帰れたこと自体が幸運なんだがな。まぁ、ギアの聖遺物が強制的に隆起させられたようなものだから、そのエネルギーを使い終わんことにはな」

 

「三~四回分の戦闘を賄えるくらいなんて」

 

「しかも、それはエクスカリバー単独の場合だ。他の聖剣を上乗せしていた場合、お前のギアはキャパシティを越えて、自壊していたぞ」

 

「あの人、どれだけ?」

 

「草薙神剣、布都御魂の二つを組み合わせた場合はエクスカムイとなる。草薙神剣単独では、エクスマキナだそうだ。お前の装者としての最高の力も、おそらくはねじ伏せられるのがオチだろう」

 

「あの人の守護星座は?」

 

「本来は山羊座だが、複数の星座の技が使えるからな。風鳴弦十郎氏でなければ、お前の世界の人間では戦えんだろう」

 

「なんですか、それ」

 

「それだけの力を持つということだ。仕方がないが、セブンセンシズに入門していなければ、本来、青銅や白銀クラスと戦うのがせいぜいだよ」

 

シンフォギアはあくまで、先史文明期のオーバーテクノロジーを用いる戦闘服の範疇にあるので、聖衣ほどの神秘性はない。むしろ、ほぼノーリスクで冥界までも行ける聖衣は異常であり、それでいて、進化を重ねれば、神の攻撃に耐える。それと対等に戦えると、現役で黄金聖闘士のフェイト・テスタロッサ・ハラオウンに太鼓判を押された風鳴弦十郎は人外扱いであるらしい。キュアグレース(立花響)は苦笑するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

オトナプリキュア世界で決戦が始まった頃は、他の世界はそれと対照的に、戦局が膠着状態であったり、小康状態に入っていた。扶桑皇国は(Gフォースなどの奮戦で)ひとまず落ち着けていたが、空母機動部隊の形骸化(軽空母の退役や大型空母の世代交代の遅延で)組織だっての動きが封じられていた。これは日本側が空母機動部隊の再建を急いでいなかった(緊急の場合は、空軍を載せればいいと考えていたので)こと、統合軍としての一体化した行動を取らせたい思惑があったからだ。また、旧来の参謀たちを大量にリストラした影響で、全体の統制が上手く取れなくなったことをひた隠すためであった。兵器の矢継ぎ早の更新はそれをひた隠しにしたい思惑による。また、旧来の人材の少なからずを解雇した後の後釜を育てる時間を得るために、敢えて、軍の組織だっての行動を物理的に封じたところもあった。

 

 

 

日本としては、軍国主義に染まっていると思われた者たちを即座に解雇(退職金は渡す)し、その代わりになる人材は自衛隊流の教育で育成し、(特に陸軍から)旧来の精神主義を一掃したい思惑があったが、魔女の分野は『気の持ちよう』で奇跡が起きた事例があったため、こればかりは頭ごなしに否定出来なかった。また、扶桑に史実の日本帝国の数倍は国力の余裕があったにも関わらず、日本側が内務省の分割解体と警察部門の独立を目論む、家父長制の解体を法的に解体を進めようとして、大混乱を起こしたため、結局はあちらこちらで大混乱に陥った。また、大量の軍人のリストラは社会不安を煽るため、結局は『緊急召集』という名目で留め置かれ、予備役部隊で飼い殺しに遭う者も多岐に渡った。また、憲兵も結局は軍警察としての権利だけを持つ『警務隊』への衣替え、余剰人員の整理などで手打ちとなった。これはガリア式の国家憲兵が否定され、ブリタニア式の軍警察に改められることであり、戦争に使う軍を縮小し、治安維持のための警察の拡大を進めるという日本の意思の表れであった。だが、皇宮警察の拡充は思うようにはいかなかった。皇宮警察自体が(扶桑では不敬罪で処刑ものの)不祥事を引き起こしたからで、皇宮警察そのものが警察庁長官に叱責される事態となった。そのため、妥協的に、近衛師団を連隊規模に縮小して存続させ、隊員に思想に問題ありの場合は直ちに免職とする方法で、日本は扶桑軍からの危険思想の排除を図った。

 

 

 

 

 

 

 

だが、不幸にして、職にあぶれる者は、どのような状況下でも必ず現れる。その救済策の用意に手間取った事もあり、扶桑皇国軍の士官層の人手不足は続いた。のぞみたちは(その異能故の優遇もあり)早期に佐官へ出世したが、参謀格の軍人らの失脚(戦略を考案する人々)を現場の戦術の妙で誤魔化そうとする、日本系の組織の悪癖がここでも表れたのである。結局、自衛隊はこの尻拭いを強いられることになり、幕僚を多数供出せざるを得なくなったため、統合幕僚監部に扶桑出身者を入れる事が容認される。統合幕僚監部の幕僚を扶桑へ派遣せざるを得なくなった結果、自分らの業務が回らなくなってしまったからで、これは黒江を統合幕僚監部に置き、自衛隊出身者を後任の統括官に置きたい思惑もあったが、扶桑出身者を疎んじてきた警察関係者としては予想外の結果であった。

 

 

 

 

航空参謀の大半が失脚してしまった扶桑軍は、諸外国の日本への圧力で、攻撃装備の保有継続に成功したが、空母機動部隊用の航空隊の空軍移籍というパニックと、機材の更新が数年で相次いだ事から、練度の維持が不可能となった。その事も、64Fへの依存に繋がった。空母の世代交代が実質的に失敗して停滞(大戦式から戦後式へのいきなりの交代は無理があった)していたのもあり、海軍の戦略的重要度は低下していった。駆逐艦と巡洋艦の大型化による高額化と少数化も、超甲巡の存在意義を揺るがした。だが、駆逐艦と巡洋艦の進化はサイズはともかく、船体装甲を捨てての進化であったため、扶桑皇国から不評であった(対艦攻撃装備もミサイル装備に依存していたので)。日本では、今さら砲熕型艦艇の設計など不可能(装甲製造ノウハウも失われているため)であるので、結局は重巡洋艦以上の艦種の設計に日本が本格的に関わる事はできず(敗戦でノウハウが失われたので)、歯噛みする事になった。とはいえ、日本経由で、他国艦のカタログスペックを入手できたため、実際のスペックはそれ以下だと確信した扶桑は戦闘艦の近代化改修を押し進める自信を得た。リシュリュー級の評判がガタ落ちしたのも、砲弾の威力ではなく、散布界の広さが扶桑の砲術家たちの失笑を買ったからである(当たれば、長門以前の戦艦であれば、一撃で轟沈もありえる貫通力であったのは評価されていた)。こうして、日本連邦は未来技術で遠距離攻撃のノウハウを得ていったが、それが理由で、魔女による攻撃の必要性が低下してしまったわけだ。この事態に、魔女たちは生き残りをかけ、特殊部隊化の研究に邁進していくのだった。

 

 

 

日本連邦は国力・軍事力共に、1940年代末時点の連合国の覇権国であった。旨味を逃す形になったガリアは少しづつ、反日本連邦の風潮を帯びていく。それはブリタニアの疲弊と、カールスラントの没落で、次の王者こそはガリアであると、上流階級の殆どが考えていたからだが、実際のガリアは兵器開発も停滞していた上、カールスラントから接収した兵器で軍隊の体裁を保つ有様であり、リベリオンを撃退せしめた日本連邦との衝突は民族の死を意味している。それを良識派は理解していたが、当時、ペリーヌの提言で、娯楽が二の次とされたガリアの国民の不満が蓄積されており、ド・ゴールは不満の捌け口をを外敵に向けさせることを選んだのだ。とはいえ、軍部の少なからずはこの事を、後年に『大いなる過ち』と嘆いた。陸海空の全てで疲弊しきっている状態では、怪異にすら抗しえないからだ。特に、海軍はダンケルク級すら一隻の修理が済むかどうか。頼みの綱であるリシュリューは(船体装甲はともかく)既に砲力で旧式化を露呈していた。世の中は大和型以降の新世代戦艦が跳梁跋扈する時代を迎えており、38cm砲は豆鉄砲に過ぎなかった。日本連邦の主力戦艦は既に50cmを超える口径に達していたからである。良識派はそれをよく理解していたが、強国であった時代を忘れられぬガリア国民は『極東の田舎者』と見下す日本連邦が覇権国になる事を許せず、ティターンズに体よく利用されていく。彼らに唆され、禁断の兵器たる核兵器の開発を行うに至るが、それを察知した日本連邦による破滅的報復を招くことになる。

 

 

 

 

 

 

 

ゼウス(Z神)の意向により、星矢の時代の黄金聖闘士が教皇在任者を含めて、数人ほどが完全に蘇生された。これは星矢がハーデスを討った後、ゼウスが代わりに冥界の管理をするようになったこと、アレスや他の神々が戦乱を目論んでいたが、ハーデスとの聖戦で、アテナ軍はほぼ戦力を使い切り、まともな戦力が鷲星座の魔鈴、鳳凰星座の一輝などのごく数人。星矢は戦傷と呪いで廃人となっていた(後に回復)からだ。ゼウスは黄金聖闘士を数人、教皇経験者(前任者)であったシオンを含めて蘇生させた。無論、絶頂期の肉体を与えた上で。サガやシャカなど、特に強大とされた者を。そのため、サガは『IS世界を造ったに等しい存在』である篠ノ之束の監視(彼女は真っ向な存在での対抗は不能なので、黄金聖闘士であるサガが選ばれた)に派遣され、シャカはアテナの命で、黒江の救出を行った。その際に、風鳴訃堂を『最も神に近き存在』として、事実上の粛清をしている(五感剥奪を行った)。また、天秤座の童虎も訪れ、シンフォギア世界の『今後の禍根を断っている』。黄金聖闘士は本来、国を一人で殲滅できる武力を持つため、当然と言えば当然であった。また、神々の秩序が一部崩されたが、大神・ゼウスが人間の味方(どこかのはるか古い宇宙における兜甲児の進化した姿であった)なので、人へのお咎めはなかった。また、ハーデスは星矢(正確には、彼は神話時代の天馬星座の聖闘士の転生体である)や兜一族との強い因縁を持つ事から、ミケーネ闇の帝王と同一の存在でもあることが確実視されていた。

 

 

 

 

 

 

 

かくして、黄金聖闘士らは数人が蘇生したが、それぞれの都合で蘇生しなかった者もいる。アイオリアは後任者のフェイトに後の事を託していたため、アイオロスは星矢などの若い世代を信じていたので、見守る側に留まった。とはいえ、黒江たちに自身の生前の闘技を託しており、それらは黒江たちの力となった。その力は図らずも、ナリタブライアンやジェンティルドンナも(キュアドリーム、キュアアクアとして)プリキュアとして行使する事になった。残敵掃討も終わり、帰還準備を進めていた64F主力だが、そこに、『フレッシュ!プリキュア』の現役時代の敵であった『ラビリンス』が襲来してきた。その指揮官はイース。後にキュアパッションとなる存在であった。これに黒江はこう感想を漏らした。

 

 

 

 

 

「そうか、別の世界かつ、別の時間軸のラビリンスなら、お前(イース。後のキュアパッション)がいても、おかしくはないな」

 

「何を言っている?」

 

「あいにく、俺はこのザマでな。ガキどもに相手してもらえ」

 

「なぜ、私を知っている?」

 

「込み入った事情があるんでな」

 

と、黒江は微笑う。包帯姿だが、どことなく余裕を見せているわけだが。黒江にとっては初対面ではないが、彼女の元来の姿では初めてではある。

 

「大方、ラブたち以外のプリキュアの偵察だろうが、残念だったな。お前、病院送りは確実だぞ?」

 

「?」

 

と、そこで。

 

『ライトニングプラズマ!!』

 

光が走り、イース(この世界の彼女自身かは不明)はいきなり、『ライトニングプラズマ』の洗礼を受けた。放った主はドリームA(ブライアン)だ。

 

「!?☆※!?」

 

億単位の乱打を瞬時に浴びせられた彼女は凄まじい勢いでズタボロにされるわけだが。

 

『喰らいなさい、星々の瞬きを!!スターダスト・レボリューション!!』

 

こちらは、キュアアクアと入れ替わり中のジェンティルドンナ。牡羊座(アリエス)の奥義『スターダストレボリューション』を使い、蜂の巣にする。プリキュアの技と違い、純粋な破壊のエネルギーを浴びせるため、当然、プリキュアの技がお遊戯扱いの破壊力がぶつけられることとなった。

 

「な、何……こ……」

 

「貴方にはご理解いただけないでしょうが、光の速さの攻撃を加えたまで。今のうちに手を引いたほうが賢明ですわよ?」

 

「光の速……だと……!?」

 

「お前のことは、ラブから聞いた。とっとっと失せるんだな。お前の力では、私達の薄皮一枚、傷つけることはできんぞ」

 

黄金のオーラを潤ばせながら、忠告する二人。ウマ娘としての『領域』は、バトル漫画でいうところの覚醒状態に近いため、その境地を戦闘に応用した上、入れ替わった二人が小宇宙に覚醒済みであったので、セブンセンシズに到達する措置は充分にあったのである。

 

「怪物を使役しようとしても、無駄ですわよ。召喚した瞬間、塵に還るのが関の山……」

 

「くっ!!」

 

「意地があるのはわかりますが……」

 

イースは意地があると言わんばかりに殴りかかったが、キュアアクア(ジェンティルドンナ)に軽く受け止められる。渾身の一撃をだ。

 

「!?」

 

「これ以上は、貴方のためになりませんわよ?」

 

合気道の応用で、軽く投げ飛ばす。柔道の技では(ジェンティルドンナのパワーでは)『大怪我確実』なので、相当に手加減したと言える。

 

「諸行断罪・生死即涅槃!!」

 

投げ終わると同時に発動したこれは、乙女座(バルゴ)の技である。シャカの前任者の誰かが用いていたという伝承のある技である。ジェンティルドンナは入れ替わり後は乙女座への適性が確認され、修行を行っていた。その関係で使えたのである。

 

「何がなんだか、わからんな…。乙女座の技は」

 

ブライアンもこの感想である。また、シャカがそうであるように、ジェンティルドンナは普段から、トレーニングに瞑想を取り入れていたため、習得は意外とすんなりいったという。

 

「おいおい、あんま精神にダメージいれんなって。後でラブにどやされるぜ」

 

そこに、キュアビートと入れ替わり中のゴルシがやってくる。

 

「あら、貴方に何か方策がお有りですの?」

 

「逆に言えば、ある程度の身体的な怪我はいいわけだ。この姿で使うには、野蛮な技だけど……グレェーーート・ホーーーーン!!」

 

牡牛座の代々の継承技『グレートホーン』。星矢の時代では運に恵まれず、噛ませ犬とさえ言われてしまった、牡牛座の黄金聖闘士の継承技であった(ここ数代の牡牛座は聖戦で真っ先に討ち死にか、相打ちになったという)。本来は一回の攻撃で『全盛期のローマ帝国の重装歩兵軍団を一発で消し飛ばす』くらいの破壊力を持つ。悪の組織に使う技としては『温情のあるほうだ。

 

「あたしらに喧嘩売ったら、五感が無事で済むと思うなよ、イースさんよぉ。また来たら、今度は容赦しないぞ」

 

彼女(イース)は空高く吹き飛ばされ、そのまま、地球を三周したという。また、ゴルシもその気になれば(上位の聖闘士の証である)五感剥奪ができるようであった。

 

「死ぬことはないだろうが、この星を二、三周はするな」

 

「グレートホーン、本来の出力なら、どのくらいなんだ?」

 

「『全盛期のローマ帝国の重装歩兵軍団(数十万)が一発で消し飛ぶ』んだそうな。」

 

「やったヤツいたのか?」

 

「カルタゴにいたんだろうよ。そうでなきゃ、伝承されるかよ」

 

「それもそうか…。しかし、元に戻ったら、使えんな」

 

「それいうなよ。まぁ、風圧だけで、痴漢や暴漢を明後日の方向に吹き飛ばせるようになったから、今後はその類には困らないぜ」

 

「デコピン一発で、普通のヒトは殺してしまいそうだぞ?」

 

「子供の遊びのしっぺも、上手くやらないと骨を折りかねないですわね」

 

「お前の場合、普通にやれそうだろ。ルドルフが腰抜かしたぞ、今月の経費……」

 

「仕方ありませんわ。普通の道具では……」

 

「カワカミもだが、お前らのようなパワータイプは加減を知らんのか?」

 

と、呆れるブライアン(外見はドリーム)。史実での生年は一番先である故か、ルドルフが一時(ブライアンの絶頂期には)後継候補に考えていたと語るくらいにはリーダーシップを取る。のぞみはリーダーという存在を嫌っているが、人間社会の性質上、どうしてもリーダーシップは必要。絶頂期には日本最強を欲しいままにしながら、悲劇的結末を迎えたナリタブライアンが、より多い勝利数を挙げた後輩ら(ゴルシはG1を六勝、ジェンティルドンナは七勝であり、いずれもブライアンの史実の成績より一段上である)が図らずも、リーダーシップを取る姿は『もし、屈腱炎と股関節炎がなかったのなら?』と、史実の悲劇がなければ、より上の戦績になっていたのでは?とするイフを思わせた。(最も、ブライアンはそれを実現させようとしているが)

 

「さーて、帰りの準備だぞ、お前ら」

 

「その前に、肉を食わせろ、ゴルシ」

 

「この世界に四葉ありすがいるか。それを聞いてないから、ちょっと待て。値引いてくれるかもしれねーし」

 

と、ゴルシはこのB世界に『四葉ありす(四葉財閥令嬢、キュアロゼッタ)』がいるかを聞きたいという。実際、彼女は(転生先でも裕福かつ、有力な家庭に生まれているので)名前を出せば、店側が値引いてくれるくらいのネームバリューを持つ。無論、四葉財閥が存在していれば、(友人ということで)系列店で贅沢ができる。そういったことには目ざとい。

 

「まったく。元の世界でも、ダイヤさんにたかってるじゃありませんか」

 

「あれは自分から言ってくんの。ただ、あいつの好きなゲームメーカー(ウマ娘世界でも、史実通りにTVゲーム機の開発・製造からは手を引いていた模様)のことは言えるか?ショックで卒倒間違いなしだぞ」

 

「仕方がないだろ。私達が物心ついた頃には、既にゲーム機開発から手を引いていたんだぞ、あそこは」

 

 

ゴルシは後輩のサトノダイヤモンドに、『大好きなゲーム機メーカーがどうなったか、調べてきてほしい』と頼まれていたようだが、結果は史実通りに撤退している。ドラえもんとは別の世界が故郷のなのはにも、ゴルシは問い合わせたが、結果は同じであったので、気まずいようだ。また、彼女らの世界線では、彼女はチーム・スピカに入っているようだった。

 

 

 

ひとまず、『プリキュア5の世界の騒乱』はこれで終幕となった。学園などへの色々な説明等の事情で、当分は戻れないが、のぞみBにドリームキュアグレース形態をもたらしたという成果をもたらした。また、B世界のプリキュア5は「いずれ、全プリキュアに訪れる災厄」への警告を受け、その対応のため、力を持ち続ける選択を取るのだった。

 

 

 

 

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