地球連邦軍は度重なる戦乱のため、大規模に軍備を刷新できる余力が消え失せていた。遠征艦隊の装備の大半は既存機を増産したものである。その中で異彩を放つのが、量産型νガンダムであった。サイコフレームの搭載の是非が議論されたが、有事の連続の結果、当初の予定通りの仕様での量産が決まった。ネオ・ジオンの自業自得のような結果である。ジェガンの初期生産機の老朽化も理由であった。量産型νは指揮官機としての配備であり、生産機の大半がインコム装備型である。これはフィン・ファンネルを不足なく動かせる素質のある者がいなかったためである。無論、サイコフレーム搭載であり、皮肉にも、ユニコーンガンダムの護衛機の役目を背負わされたジェスタの増産が難しくなった故の代替機も兼ねている点で、グスタフ・カール共々に『妥協的な機体』と揶揄された。
地球連邦軍は機動兵器による空母戦での優位性に自信を抱いていたが。問題はどうやって、そこに持ち込むか。それ以外の兵器での数は普通に不利であることから無人機と無人艦隊を囮に使うことが推進され、旧式のジム・ライトアーマーやジム・インターセプトカスタムの残存機が(遠隔操作と自律式の併用で)使われ、そこそこの戦果を挙げていた。これは一撃離脱戦を前提に設計されていた関係で、戦闘機より小回りが効くMS相手に対応できず、白色彗星帝国の水雷戦隊は翻弄されていた。
「ふむ。倉庫で埃を被っておった旧式を改造したが、一撃離脱のコンセプトは間違っていなかったようだな」
「部分的に改造はしましたが、製造当時から変えていない箇所の方が多いのです。何分、処分の予定でしたから」
「それで本分が果たせれば、しめたものだ。どの道、Z系で代替する予定で倉庫番になっていたものだ。博物館には充分にあるから、それ以外はここで使ってしまおう。損傷したら、廃棄したまえ」
「はっ」
もったいない気もするが、第二世代機や小型機が主力にある以上、余剰の旧型機はどこかで使ってしまわないとならない。地球連邦軍はこうした取り捨て選択で主力の刷新の予算と枠を得ようとしていた。なんともさもしいが、ジェガン系があまりに多く残存し、需要が無くならない故の連邦宇宙軍の妥協的な旧型機の廃棄方法と言えた。
その一方で、決戦艦隊に量産型νが続々と搬入されていった。スタークジェガンでも満足しないエースや指揮官に配備され、武装も原型機に遜色ないことから、好評である。その一方で、νガンダム自体の増産も(予備機の製造を名目に)進められていた。これは上層部から『あれだけ強力なガンダムを増産しないのはおかしい』という意見があり、専任パイロットのアムロも予備機を欲していた関係で実現した。
「アムロさん、いいんですか?」
「上からの要請だし、予備は欲しかったからな。その内の一機は君に回す。うちにあっても、アストナージが目を回すからな」
と、大人のぞみは水雷戦隊を撃滅した後の定期通信で、別の自分の(ロンド・ベルとしての)上官であるアムロ・レイと会話を交わしていた。
「君の脳波サンプルは取ってある。整備班と話しておいてくれ」
「世界が違っても、同じ人間であるから……ってことですね」
「そういうことだ。俺はネオ・ジオンの残党狩りで動けないから、ハイνの予備機の一機を君に回す。エックス系はサテライトキャノンを除くと、凡庸な特性だからな」
エックス系はサテライトキャノンとビットMSが使えないと、凡庸なガンダムに成り下がるため、単独で戦闘機械として完結している上、サイコフレーム搭載のニューガンダム系が相対的に有利だと、アムロは言う。彼の言う通り、確実に空母決戦は近づいている。その備えのため、露払いの水雷戦隊の排除は必須。これはナグモー提督が水雷戦隊閥であったためで、水雷戦隊が多く投入されるあたり、その好みが窺えた。
「不思議な感覚ですよ。平行同位体の私に、そちらでの私の技能がインストールされるなんて」
「マジンガーZEROとの融合による効果だろうな。全ての次元で最強を誇った個体が更に機械神と融合した以上、君にその恩恵が生じたのは当然だろう。ZEROがそういう存在だったからには……」
「私はこの後にどうすべきだと思いますか?」
「再就職ができるとは限らん時勢だ、こちらの君の代役で食い扶持を得ていくのが無難だろう。再就職できればいいが、物理的に若返った以上、復職は諦めたほうが良い。20代前半ならまだいいが、10代の終わりにまで若返ってしまうとな」
アムロもそう断言する。元が26歳の大人のぞみが17歳に若返っているので、かなり印象は異なる。しかも、プリキュアとしての姿は現役時代そのまま。そうなると、復職はほぼ無理である。
「親御さんには、自衛隊に転職したとでも、言うしかないな。大学か、高校時代の同期とかに誘われた……とかの理由をでっちあげてね。それが一番無理のない説明だろう」
「オトナ」の世界線では、スプラッシュスターの二人に顕著な違いがある。正史と違い、二人に兄弟がいないからだ(正史では存在する、咲の妹と舞の兄が存在しない)。ただし、キュアブライトとウェンディへのパワーアップが起きているなど、正史寄りの出来事も確認されている。のぞみたちは比較的に差異が少ないが、ミルキィローズの合流などの出来事が正史とズレている。そのため、その違いを知り、集まった面々に『正史』との差を認識させる事も、大人のぞみの役目であった。
扶桑の『軍都』は日本主導で全ての解体が決まったが、そこで働く人々の職場を早急に確保せねばならないため、結局は軍関係施設の地下化などで妥協された。軍が存在し続けている上、工廠を持ち続けている都合である。自衛隊の窮状も明らかであったため、結局は弾薬庫のいくつかは維持され、管理の厳重化が実行された。自衛隊の余剰弾薬を隠しておくための土地の確保のために、戦中は扶桑の官営工場を残すことで戦時の需要を満たしておく必要もあったからだ。だが、結局は扶桑が史実の日本帝国よりだいぶ裕福であること、軍部が存在し続けていることから工廠の全面解体には至らず、軍需工場の完全な民営化は頓挫するに至る。特に、自衛隊への兵器供給の弱さが(却って)扶桑に民営化への疑念を抱かせたのである。この予想外の展開は『超人たちに安易に頼れない』扶桑軍の内部事情も多分に絡んでいたためで、ある意味で当然の帰路であった。扶桑の重鎮たちは逐次、地球連邦政府の直面する有事の情報を得ており、日本の提言に『従うふり』をしつつ、有事に対応するための体制を裏で構築していく。一般人から銃や刀を完全には取り上げなかったのは、害獣や怪異への対応力を一般人に残しておくことで、軍の出動回数を減らす思惑があったのである。また、武士時代の倫理観を多少なりとも残しておく事による『刃物を使った犯罪』の抑制を狙ったわけである。日本が(銃刀法を強くしすぎて)狩猟ハンターの確保に四苦八苦しているのを尻目に、扶桑は退役軍人の転じたハンターが山のようにいることから、日本に『助っ人』扱いで派遣することで、日本に恩を売る。日本の治安当局はこの『屈辱』により、『銃刀法を締め付けすぎたし、狩猟免許をもっと取りやすくするんだった』と後悔することとなった。
扶桑軍から『織田幕府時代の気風』の名残りが排除されていく空気では、古参の魔女の多くは『生きづらさ』を感じていた。一族の秘伝を坂本に伝えた後に、戦場で近代兵器に粉砕されていった者も続出していたが、それは魔女になる=特権階級の仲間入りという認識を否定されたショックも大きかったからで、日本側は『法的根拠を否定しただけで、自主的な慣習まで否定したわけではない』といいわけしたが、魔女の世界全体を揺るがしてしまい、結局は『働ける場所を用意せねばならなくなった』。太平洋戦争で活躍する魔女の多くが生え抜きではないのは、世界規模の軍縮で『職にあぶれた軍人』たちを扶桑で雇うしか、魔女が『社会で生きていく道を今後も歩める』という生存権を担保出来なかったからで、科学技術の発展が魔導技術の発展の速度を遥かに追い抜いてしまった故の悲劇と言えた。事変直後からダイ・アナザー・デイ直前までの『特権意識由来の高慢さ』に反感を持つ者が増加していて、戦線で司令部肝いりの64Fを『ハブにする』という、小学生のいじめじみている嫌がらせをしたことが『運の尽き』であった。ダイ・アナザー・デイの後に圭子がリークし、各国の主要報道機関にその有様を報道させたことで、一気に『魔女への懲罰意識』が高まった。それが落ち着いた後は『単純に魔女というだけでは、社会で生きづらくなった』世界となっていた。黒江たちを過去に迫害したことも知れ渡ったため、扶桑は軍内の魔女組織の法的解体を模索していたが、昭和天皇が『組織の解体は、彼女らの生きる権利の否定と解釈されかねない』と懸念したため、議論は(戦時中は)棚上げとされた。この『時代ゆえの大衆の法的意識の未熟さ』が扶桑皇国の内部改革を阻害したのは事実だ。本来、1940年代から1950年代に変わろうとする時代の人々に『21世紀最新の社会規範』を教育させようとするほうが無茶なのだ。
カールスラント軍や皇室親衛隊は士官と下士官の大半が公職追放されたが、程なくして(ファシズムに染まっていないのを条件に)『誤解であった』とのいいわけのもとに、名誉回復がなされていった。そんな掌返しにうんざりした士官や下士官たちが大挙して、扶桑の門戸を叩いた。扶桑が人手不足であったからで、扶桑はそれを歓迎した。人員の質が高かったからで、その結果が、1949年におけるカールスラント人の移住率の高さであった。すっかり軍事国家化していたカールスラントを無理に共和化させようとした故の代償であり、居場所を失った軍人と科学者らが家族や親族を引き連れて移住するのは当たり前であった。このムーヴメントは軍事国家化していたカールスラントには半ば致命傷となるもので、国家形態が保たれたのが奇跡と言えるものであった。日本連邦は青天井の予算を与え、彼らに戦後式兵器の開発を促進させた。その結果、史実での『ヘッケラー&コッホのG3』に相当する試作銃『StG45』が史実通りの改良でG3と改名の後、扶桑軍に採用された。史実と違い、完成型に近い状態であったので、それを熟成させれば良かったのだ。自衛隊式小銃への疑念が強い陸軍が独自判断で最初に採用、次に空軍、最後に海軍となった。これは戦局の都合による。陸軍は九九式小銃すら行き届いていない部隊が多数であった、空軍は早急な突撃銃の配備が必要、海軍は陸戦の機会が減ったからである。自衛隊式の小銃の提供が(政治的理由で)遅れた故の緊急措置であった。使用されるのが、戦後のNATO規格の弾丸であったので、財務省も文句は言えなかったのだ。
扶桑の空母の世代交代は(空母自体の技術の発展で)遅延。魔女の実質的な空母からの『追放』もあり、通常部隊の増強が必須となったが、その第一陣の人員はクーデターに加担した咎で懲戒免職とされたため、結局は完全新規の人員を一から育成し直すしかなく、アメリカ海軍の手を借りるしかなかった。この動きに、自衛隊はなんら関われなかった。ジェット戦闘機時代の空母のノウハウがまったくない上に、装備の攻撃的運用がタブー視されてきたからで、皮肉なことに、これにプライドを傷つけられた日本の政治家らが、自衛隊のタブーを解いていくのである。Gフォース専用といえば、空母の建造も通りそうだからだ。こうして、旧来の価値観が否定された日本と扶桑の軍事関係者は双方がパニックとなり、扶桑海軍に至っては、空母機動部隊の統制が崩壊してしまうほどの衝撃であった。この海軍の醜態も、空軍の発言力が増す理由であった。
扶桑空軍は当初、扶桑の航空戦力の一括管理を目指されたが、海軍航空隊が残ったため、陸軍航空隊と海軍基地航空隊の統合という体裁であった。だが、陸に上がった空母航空隊も空軍に(役所の勘違いで)取り込んでしまい、大パニックとなった。結局は『元の空母航空隊の所属部署の変更はするが、空母航空隊の任務は継続する』という妥協策が取られ、今度は現場を恐慌状態に陥らせた。空母機動部隊はこうしたゴタゴタで、『張り子の虎』状態。64Fはこうしたゴタゴタを隠蔽するためにも、一騎当千が求められた。リベリオンの軍事関係者の内、以前に有能とされた者たちは大半が自由リベリオンに与したが、ごく一部は残留しており、その彼らが扶桑陸軍を圧倒しており、地球連邦軍がそれを救う構図が常態化していた。地球連邦軍はデモンストレーションも兼ね、ZZの拡大設計機『ジークフリート』を動員し、それを移動砲台と戦略爆撃機代わりに運用していた。ティターンズは(ZZのロールアウト前に崩壊したことから)ZZ以降のガンダムの情報に乏しかった。そこに漬け込んだ連邦宇宙軍は『ZZ、νの量産化を再検討』となり、遠征艦隊にその第一生産ロットが回されたわけである。アナハイム・エレクトロニクス社の急速な巻き返しは、野比財団がビスト財団の解体と共に、次なる支配者の地位を得たからで、また、サナリィの不祥事の発覚により(保身のために)出戻る者が増えたのも中興の理由であった。野比財団はのび太~ノビスケの代を黎明期、孫~セワシの代が拡大期とされていた。セワシの引退後は停滞していたが、ノビタダが継承した後は中興を迎えつつあった。これはノビタダ自身が軍人を兼ねていることによる信用度、政治姿勢自体はリベラル寄りであることによるスペースノイドからの支持が大きかった。
ある日の23世紀のフォン・ブラウン市
「プリキュア因子の調査の報告だけど、君も持ってることがわかった。君もプリキュアの前世、あるいはそれ以前……を持つということだよ」
「なんか、一気に増えたね」
「最初期のプリキュアの一人であるのぞみちゃんと出会ったことで、君も覚醒が促されたんだろう。妖精が前世なのも、悪側の人物がプリキュアになるのも、珍しいことでもないしね」
「でも、のぞみさん……大人ののぞみさん、なんで、咄嗟に変身ポーズを取る動きがRXのものなんだろうね?」
「あの子の変身はアイテムが前提だ。だが、ZEROとの融合やダイ・アナザー・デイでの出会い、別次元での衝撃が深層心理に影響したんだろう。RXの光太郎さんの動きはカッコいいからね」
大人のぞみなどがプリキュアへの変身にアイテムを必ずしも必要としなくなったのは、ZEROと融合した影響もあるが、RXになった場合の南光太郎が『超カッコいい』からという『現役時代と変わらない』子供っぽさを残す深層心理が深く関わっていたりする。
「しかし、君もジャストタイミングと言おうか……2026年に因子が覚醒するとはね。妖精が元の姿のプリキュアの4~5人目か」
「まぁ、TVがちょうど終わったし、メタ的に言えば」
「しかし、装者からプリキュアになったのは二人目だよ」
「響さんは現役時代から変身自体が変質したけど、私は人間から『なる』ようになった以外はほとんど同じまま。まぁ、アイテム無しで必殺技使えるようになってるし、見かけも元との関連性はないから、誤魔化しは楽かな」
「声色は高めのままだから、現役時代とはちょっと違うけどね」
「そこはまぁ、プリルンとして変身してるわけじゃないから」
「その姿だと、キュアズギューンって呼ぶべきだね」
「響さんがなったから、予感はしてたけどね」
と、元が小柄であったが、プリキュアとしてはスレンダーな大人体形なので、苦笑する調。ノビタダの時代に呼ばれ、因子の検査結果を聞いていた。彼女は体内に『プリキュア因子』(過去生がプリキュア経験者であった場合、稀に現れる因子)の確認がされてから、おおよそ数年後にそれが活性化。正式にプリキュアとなった。2025年の時点で最新の世代のプリキュアである『アイドルプリキュア』のキュアズギューンであった。とはいえ、プリキュア因子自体は数年前に見つかり、『いずれ自分もなるだろう』と考えていたので、それほどうろたえていない様子であった。
「私がアイドルプリキュアだったとなると……うーん。のぞみさんがキーになったって考えでいい?」
「そう言って差し支えはないね」
「なんか変な感じなんだけど」
「仕方がない。プリキュアとしては、初期メンバーより変化が大きかった追加組だったんだし、その姿は慣れるしかないね」
元が小柄(160cmちょうどに伸びていたが)であったので、キュアズギューンとしての長身の体に違和感がある調。妖精が転じたプリキュアの一員であったという前世由来の出自によるものだが、自分もプリキュアであったということは、あと数人ほどいてもいいはずだが……。
「しばらくはこの姿で通すしかないか。師匠と見分けつけにくいっていわれてたから、私としては助かったけど」
と、本音を漏らす。黒江が自分の姿を借りっぱなしであったので、プリキュアへの覚醒で容姿の変化が起こったのは大歓迎らしい調……もとい、キュアズギューン。ただし、声色については、元のまま(調本来の声色)であるのが、唯一の差異だろうか。
「声はそのままだね」
「仕方がないよ。そこまで同じだと、今度はそれはそれで問題だし。ヒーローユニオンに報告のメール打たなきゃ……。面倒だよぉ~…」
「仕方がないよ。君までプリキュアになったのは事実だし。切歌ちゃんには後で、僕が知らせる。まだ修行中だし、拗ねられても困るからね」
「切ちゃん、今度は事情知ってるから、暴走しないと思うけど、前が前だし、信用ないかぁ……」
「まぁ、暴走して、魂葬しちゃった人数が人数だ。本当なら、法的にはこの世にいてはいけないからね。隠者としてとはいえ、普通に生きれることは感謝してると思うよ。オリンポス十二神の慈悲がなきゃ、地獄の最下層のコキュートス行きは確定するくらいの蛮行だったから」
ノビタダはのび太の転生であるので、調との会話では、在りし日ののび太と変わらぬ会話を交わす。のび太と別人と思われても、宿す魂は同一なので、『23世紀に生きる肉体を得たのび太』と考えて差し支えはない。
「私と師匠の入れ替わりが原因だから、気まずいんだよなぁ…。しかも、元の世界に戻れなくなったじゃない?」
「君たちは普通にいって、日本政府の思惑で免罪された罪人になるはずだった。罪人という意識は背負わきゃならなかった。それを思えば、君だけでも『そもそも、そんなことはなかった』事になったのは、ある意味では、君の本当の両親の願いが叶ったと言えるよ」
「本当の親、か……」
黒江の調査により、A世界においては、調は『月読神社の宮司の孫娘が成長した姿』だと確定している。それはその彼もわかったようだが、お互いに『気づいていないふり』をしている。それもまた、一つの家族愛かもしれないと、調は解釈している。
「それに、君はルートによっては、フィーネに人格が乗っ取られていたことも考えられる。それよりはマシだよ。紆余曲折はあれど」
「確かにね」
「後で、なんか奢ってよ?色々と事情を説明しないといけない人が多いから」
「わかってるさ。そのまま、財団の管理下のホテルに泊まっていきな」
「しばらくは、プリキュアの姿で過ごすことになりそうだしね」
ノビタダが財団の執務に入るのを見届けたキュアズギューン(調)はその姿のままで、フォン・ブラウン市街(クレーターに築かれた上に、複層構造になっている)その内の第二層の繁華街にある、野比財団経営のホテルへエレカで向かった。因子の覚醒による変身の成功や、それを馴染ませるための長時間の変身。色々とやることは多い。さらに、アナハイム・エレクトロニクス社のMS工場の『名代としての視察』など。23世紀の野比家でも『ハウスキーパー・月詠(読)調』(黒江が入れ替わっていた時期に『うろ覚え』で『月詠』と表記してしまったのが定着したので、地球連邦軍の名簿には『月詠』と登録されている。なお、戸籍が作成される時には『月読』で登録されている)としてやるべきことは多い。ましてや、地球連邦軍の遠征中なら、尚更であった。エレカを運転し、財団ビルから、泊まるべきホテルまでのハイウェイを飛ばすのだった。