ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第二百五十三話「二つの世界にて 33」

ダイ・アナザー・デイで覆された軍事的常識は数多あり、扶桑での戦車の旋回砲塔への搭載限界が否定された上、砲塔バスケットの登場は扶桑での戦車の常識を変えてしまった。これは主砲の大口径化が加速度的に進み、手動で操作するのが不可能な大きさになったためで、五式は初の試みであった。後に、四式も改型で取り入れられたが、その双方がより高性能のセンチュリオン改型で代替されてしまうという事態になった。そのため、一時は国産装甲戦闘車両の絶滅寸前に陥ったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを憂慮した原乙未生中将(日本戦車の父。90年代まで長命を保つ)は74式戦車のコピー計画を続行させ、実装甲厚を増加させ、エンジンを強化した型を開発させ、自身の政治力でねじ込ませた。扶桑は大日本帝国より相当に総合的な技術力は上であったので、コピーは比較的容易であった。日本側が正式なライセンス供与を渋ったため、センチュリオンに立場を脅かされる事態になったことでの緊急措置であった。日本側も流石に彼の意向とあれば……と、ライセンスを慌てて供与。センチュリオンを外地に、74式を内地に配するというドクトリンへ変遷していく。しかし、本土インフラ整備の具合から、本土部隊はしばらく、M41軽戦車で忍ぶ羽目となった……。

 

 

 

 

 

MSの配備は戦車の配備の遅れを補うためであった。扶桑陸軍は『陸戦型ガンダム』の供与を要望したが、特殊な経緯で生まれた機体であった故に、これは頓挫。代わりに、スタークジェガンが供与された。仕方がないが、完全な陸戦型MSは一年戦争から数年で淘汰されていた故である(ディジェもOSの改修で宇宙戦に対応したので)。ジェガンは陸戦タイプでは、若干の装甲とフレームの増強がなされているので、ある種の妥協であった。仕方がないが、陸戦型ガンダムはもはや残った機体が十機もなく、ロールアウト当時の姿のままの機体は一機のみという有様。供与どころではなかった。(リバースエンジニアリングするにも、一年戦争時の規格落ち品で構築されたものであるので、再生産の価値はないとされた)その隊長機として生産されたのが、野比財団が試験していたフルアーマーガンダムの更に陸戦型であった。陸戦では、MSは脚などを狙われるので、その強化がなされた機体は都合が良かったのである。

 

 

 

 

 

 

 

連合艦隊は結局、船体用の装甲板をガンダリウム合金などに刷新せざるを得なかった。これはアメリカにある『信濃の防盾』の残骸を散々に引き合いに出されたためで、連合艦隊としても、それに対応せねばならなかった。その結果、船体そのものを作り直すことになったフネも多い。日本側としては『自分らの時代の素材にすれば、耐弾性能は数段上がる』というセールストークをしていたが、地球連邦から、鋼鉄とは比較にならぬ耐弾性能を誇るルナチタニウムを薦められ、重要部の装甲に採用した。実際、ルナチタニウムの装甲の耐弾性能は初代ガンダムが証明していることから、超甲巡の耐弾性能向上などに使用された。ビーム兵器対策はIフィールドジェネレーターや対ビームコーティングを重ねればいいという結論となった。現代艦は被弾後の損害如何では一撃で轟沈する(最も、大戦型の大型艦も轟沈した事例はある)ので、扶桑海軍は更新を渋っている。これは独自裁量で『船体装甲を設ける』という手法で納得してもらうことにした自衛隊。船体装甲のノウハウなど、第二次世界大戦で廃れたためだ。現代兵器が必ずしも、過去の兵器に勝るわけではないのである。その兼ね合いで、戦艦が旗艦になる慣習は(連合艦隊司令長官が出撃しないと、日本の大衆に後ろ指をさされるので)続けられた。指揮専用艦が怪異のせいで生まれない世界線であるので、戦艦が指揮を執る旧来の価値観が生き続けるのも必然であった。

 

 

 

 

 

「貴方方はなぜ、旗艦を旧来の戦艦から変えないのか?」

 

「変えようとしたが、怪異の脅威があったし、連合艦隊司令部が一撃で全滅では洒落にならないので、戦艦か空母を旗艦にしたほうが適当だったのだ。大淀型も貴方方に『時代遅れ』と言われてしまったし……」

 

結局、大淀型の最初で最後の任務はヘリの艦載試験となった。以後は仁淀共々に、博物館船として港に係留される存在に成り果てた。潜水艦隊用に建造され、一時は連合艦隊旗艦に内定したものの、結局はそれが成らず、実戦での使いどころが無くなっての退役となった。軽巡としても、はるかに強いウースター級の登場が見込まれたからだった。

 

「雲龍は空母としては使い物にならなくなるのだから、それを流用すれば……」

 

「貴方方が工作艦にも回したので、弾がありませんよ」

 

と、雲龍型はコア・ファイター運用の空母として生きながらえた六隻を除くと、ダイ・アナザー・デイでの戦没艦の数隻などもある上、建造ドックの上で、そのまま解体処分に追い込まれた艦もあるので、1949年次には、余りが残っていなかった。

 

「それと、連合艦隊司令長官は立派な戦艦か、空母で出撃せんと、世間に海軍自体が後ろ指をさされるのです。それはご理解ください」

 

結局、日吉への司令部移転計画も潰された後の連合艦隊司令部は超戦艦『敷島』に暫定的に移転している。M粒子の軍事利用で、地上からの指揮が困難になったからだ。

 

「しかし、わざわざ、あのようなものを動かすのは」

 

「だから、普段遣い用に、水戸型と播磨型を揃えたのですよ。敷島型はいざという時専用です」

 

「350m超えのどこが慎ましいのです?」

 

と、防衛省もそこはツッコみたいが、280m超えの大戦艦が敵の手で量産される世界線なので、それに対抗できる戦艦というと、300m超えの20インチ以上の砲を搭載…と言う風にスペックが膨れ上がったのである。

 

「我々は本来、大和の増産は予定していなかったのですが、呉軍港の壊滅で世間に空母重視を叩かれた結果、戦艦の増強に踏み切るしかなかったのです。八八艦隊式が時代遅れの烙印を押された以上は……」

 

そうした事情も、扶桑が戦艦を増やした理由であった。八八艦隊型が『旧式のポンコツ』扱いされる時代の到来。呉鎮守府長官の拳銃自殺などもあったため、戦艦部隊の全面刷新はどうしても必要であったのだ。

 

「だからと言って、宇宙戦艦ヤマトの技術まで使う必要は……。原爆や水爆は艦艇には使えないことは判明しておりますし、放射能で海洋汚染が起きれば、人そのものが飢えることになる。それに、貫通爆弾とて、ティターンズも多くは持っていないはずです」

 

「かと言って、貴方方の求める大型空母の運用費は下手な戦艦の三隻分より高額なのですぞ」

 

と、空母が戦艦よりも金食い虫になってしまった現実を突きつけられる日本の防衛省の役人。レシプロ機時代のように、大量の空母を浮かべる時代は急速に終わりつつあった。空母自体の高額化のためである。とはいえ、他国の空母部隊が極めて小規模であったので、扶桑は(やむなく)大規模な空母部隊を維持せねばならないのである。

 

「ミッドウェイ級は我々が使用します。信濃と甲斐が戦艦である以上、大鳳より大型の空母を一から造っていたら、10年以上は必要ですからね」

 

 

こうして、ミッドウェイ級は扶桑海軍がそのまま(自由リベリオンへの譲渡前提であるので、艦名の変更は無し)運用することがなし崩し的に決まっていった。結局、エセックス級やミッドウェイ級は敵味方ともに使用する軍艦となっていく。その補助としての役目が、マルタ級には期待された。改大鳳型の開発が中止された後に、史実の戦後型空母が取って代わる。艦政本部の造船士官たちは、自分達の研究の全てが(敗戦の史実で)否定され、露天駐機で搭載機を増やすのが正義とされたことに涙したという

 

「自分達の信じていたことの全てを歴史に否定されるというのは……あまりに残酷だ」

 

扶桑海軍の艦政本部は(史実のマリアナ沖海戦の結果により)露天駐機による機数の増加を容認するように方針転換。その事も、空母での魔女運用が撤廃される理由であった。この時期の扶桑は『空母×4+強襲揚陸艦×2』を空母機動部隊の定数とする様になった。これは怪異対策も兼ねてのものである。魔女はそもそも、ごく少数しか載せないという慣習があったが、軍事的意義の低下により、5~6人の精鋭を載せるという方針になった。最も、この編成は魔女出身の参謀たちの要請によるもので、洋上運用のノウハウの維持のための施策であった。これは空軍の『パラサイト・ウィッチ』思想がジェット戦闘機とミサイルの時代の到来で淘汰されたためでもあり、構想自体は64Fが宇宙戦艦を用いることで実現したものの、それは当初のアイデアからかけ離れていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

49年の初秋になると、扶桑の地下工廠は活気に溢れるようになった。日本を説き伏せた結果、各種兵器の大規模生産が容認されたからである。扶桑の民間企業も兵器生産を続けていたが、日本の意向で、民間企業の兵器生産が大きく縮小されたため、扶桑は工廠の大規模化を余儀なくされた。航空機や戦車は(戦時下では)消耗品であるので、既存機も生産が続けられた。ただし、制空寄りの紫電改の生産が終わり、陣風も減産されつつあった時期であるので、主な既存機は爆撃機中心であった。結局、日本は戦略爆撃機の研究を続けさせなくてはならぬことになったため、アメリカにB-52の設計を供与してもらい、軍備の『戦後化』を進めさせた。ただし、戦艦や砲熕型巡洋艦などの『戦後世界に存在しなかったもの』は諦められた。その一方で、誰かがお遊びで悲運の試作爆撃機『XB-70』の設計を流し、それに強い興味を示した長島飛行機が1950年代末、浅間の後継機種案としてのリファインを試みるのであった。

 

 

 

 

 

自由リベリオンは戦艦×6、空母(大小含め)×8、巡洋艦×40、駆逐艦×60を有する規模の海軍に膨れ上がった。これは数ヶ月にいっぺんほどの割合で、数隻前後の艦隊で、亡命者が船ごとやってきていたからであった。これだけで、中規模国家の全軍に匹敵する。工作艦は新造で賄うとされた。元々、外征軍への脱皮の途上にあった軍隊であったので、実際に動かせる兵力はこのごく一部。更に言えば、異能者はシャーリーただ一人。実質的に、日本連邦のヒモであった自由リベリオンに兵力の裁量権は殆どない。その存在を認められるには、日本連邦の尖兵にならざるを得ない。その悲哀の時が彼らにとっての苦難であった。とはいえ、日本連邦にとっては自前の技術を鍛えるのに絶好の先生であったので、艦政本部の部員はつぶさに観察。少しづつ技術を身に着けていくのである。自由リベリオンは辛苦の立場だが、日本連邦に旨味を与えられるので、必ずしも従属関係にはなかったといえたのが救いであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

陸軍機甲本部も、技術差を思い知らされたため、従来の構想自体が崩壊。しばらくは最新の外国製戦車のライセンス生産に甘んずる日々が続くことになった。仕方ないが、五式で縮めたはずの技術力が更に離されたので、部員の意気消沈ぶりは酷かった。結局、ホリ車は155ミリ砲に載せ替え、自走砲を兼務させる方向になり、在来車は五式改のみが生き延びた。インフラ整備が戦車に追いつかないため、重装備は南洋に一括配備とされ、南洋軍のみが大規模に機甲軍を持つことになった。しかし、本土の装備があまりに酷かったので、M41とM24で更新されていった。これは本土に兵力をあまり置いてこなかった扶桑の攻撃型ドクトリンの名残りであった。軽戦車と言っても、少し前の中戦車と同等の火力を持つ両者は陸軍機甲本部を精神的に打ちのめすのに充分な効果であり、その流れはM動乱の経験者を中心にあり続け、ブリタニアの次期主力が予定される『チーフテン』戦車の採用に繋がる。74式戦車は根本的に『待ち伏せ運用』が想定されており、大戦型の機甲戦向けではなかったのも、チーフテンの採用に繋がった。これに危惧を覚えた国産閥は『10式か、90式の供与を考えるべし』と説く。しかし、必要技術レベルが1949年の扶桑の保有技術の水準からは数段上の両戦車はハードルが高すぎたため、ごく少数のGフォース所属車が使われる程度であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな状況を補うため、未来世界からの援助を受けられるGフォースと64Fは重宝された。特に、古今東西のガンダムタイプを保有していたことから、64Fは扶桑において、重要な立ち位置にあった。

 

 

 

「RX-78の七号機か…。よく残っていたな」

 

「デザリアム戦役で埃を被ってたのを見つけて、近代化したものよ。フルアーマー形態のキャノンは取り外した上で、ヴェスバーに換装してあるわ」

 

ガンダム七号機。戦後の残党狩りに使われた記録がある以外は倉庫の肥やしにされていた機体であったが、アナハイム・エレクトロニクスの手で新造のフレームに外装が取り付けられたという説明だが、実際は外装も最新素材で新造されている。これは製造当時から、ガンダリウム合金の世代交代が二世代も進んでいるためであった。

 

「一年戦争直後の機体を、よくまぁ……」

 

「新造のフレームとジェネレーターに換装されているから、新鋭機に遜色ない性能値が出せるそうよ。新京で本格的に試験することになってたけど、怪物に対する切り札にするそうよ」

 

二人の乗る列車に連結された貨物車に載せられていた7号機。トンネルもなく、二人の車両が軍用ルートを行くことに切り替えられた結果であった。

 

「トンネルに入らんだろ」

 

「軍用ルートで運ぶから、トンネルはないわ。軍用の貨物線が敷設されたから。ここからは軍の専用車よ」

 

その梱包と連結作業中、アナハイム・エレクトロニクス社のエンジニアから渡された仕様書に目を通す二人。フルアーマーの仕様変更が大規模になったことから、素体も作り直しと言えるほどの手間がかかったらしい。

 

「しかし、ヘビーガンダムなどでも良かっただろ?」

 

「年式はこっちのほうが新しかったのと、ヘビーガンダムの顔がパチモンっぽいのが問題になったそうよ」

 

「まぁ……ガンキャノン式なんだったか?」

 

「ええ」

 

「まさか、バリエーションとはいえ、初代ガンダムを見れるとはな」

 

「マークⅡやゼフィランサスに至るまでの過渡期のものだけどね。完全に同型で残ってるのは、G3タイプだけよ」

 

 

初代ガンダム系もその後期型は『アレックス』に近い外観に洗練されているので、七号機がアレックスに近い外観なのは当然であった。戦後型のゼフィランサスとの直接的な繋がりはないが、影響はあるだろうし、直接的にはマークⅡに繋がるという話である。この系統のさらなる後継はνガンダムを待たねばならなかった。しかし、νガンダムの主要な部材はZ系からの流用であるのも有名な話。

 

「オーガスタ研が造った中では、最後のまともな正規軍用のガンダムね。後はサイコガンダム系に傾倒していくから」

 

オーガスタ研はティターンズの影響下でサイコガンダムなどを造ったが、戦後はエゥーゴの勝利で解体へ追い込まれた。そのスタッフがネオ・ジオンへ流れたのも大問題であった。そのため、オーガスタ研が関わったとして、七号機も解体が予定されたが、その前にデザリアム戦役となり、解体を免れた。こうして、日の目を見たのである。

 

「しかし、原始生物の討伐にガンダムを使うのか?」

 

「何が起こっても対応できるようにしろというのが、統合参謀本部の方針。まぁ、何しても、人的被害が大きいと、軍の来年の予算が減らされるから、その前にどうにかしろってやつね」

 

「まったく、こんなパニックだと、全員は助からんのはお約束なんだがな……」

 

「昔……昭和が終わる頃に、大きいホテルが焼けた事があったの知ってる?」

 

「ああ。オカルトマニアには常識のヤツだからな。その時も全員は助からなかっただろ。それに、70年代のハリウッド映画にも、ビル火災のあったと思うんだが」

 

「最近の若い子はそういう古典は見ないと思ったんだけど?」

 

「うちのおふくろや、マヤノが映画好きなんだよ。そうか、2020年代に大人になるあんたらから見れば、あれは古典か」

 

と、そういうところに気づき、笑い合う二人。ブライアンも、孤高を気取っていた全盛期に比べれば、協調性と社会性が身についてきているのがわかる。一度は落ち目にならなければ、ブライアンは周囲に溶け込むことが選択肢にない事の表れであった。同時に、以前に比べれば、穏やかな笑顔を見せる事も多くなっており、精神的にも安定している。

 

 

「他の世界線では、足を駄目にして、そのまま落ちぶれていくだけだったし、周囲の態度も掌返しで酷くなっていくようだから、この選択は悪くなかったと思う。まぁ、今の姿は同期のビコーペガサスには見せられんが。ヒーローオタクだしな」

 

意外なことだが、ビコーペガサスは幼そうな外見と裏腹に、ブライアンと同期である。面識は殆どないが、ヒーローオタクというのは知っているので、絡まれると面倒という趣旨で口にした。

 

「まぁ、オタクものディープな世界ってのはあるもんよ。うちのみらいも、のび太さんのおかげで、ロボットアニメオタクに……」

 

「魔法を極めておきながら、科学技術の結晶たるロボットにハマる……世の中わからんな」

 

「ま、なのはも学生時代、友達に誘われて、プラモ部に在籍したら、飛行機オタクになったそうよ」

 

「ほう…。あいつもか。しかし、自前で飛べるのに、飛行機オタクか…。面白い」

 

「まぁ、あの子の場合は史実で大怪我した記憶があるし、私たちと出会った世界線でも、ゲッターロボ號に襲われて、片腕切断の重傷負ったから。あの子の片腕には、その時の手術痕が今でも僅かに残ってる。ナノマテリアルでくっつけたから、殆どないけどね。それと、史実の記憶もどこかかしらで得たみたいで、中学から高校に上がる時には、飛行機オタクになっていたそうよ」

 

「魔法で飛べるだろうに」

 

「それはそれってヤツじゃない?」

 

「よく使われるいいわけだな」

 

と、ブライアンは若干呆れる。元々の俗事に興味がなかった姿と打って変わっての態度だが、ある意味、王者であらんとしていた時の虚勢が剥ぎ取られた後のブライアンは意外に人懐っこい性格であるのが表に出始めているのだろう。故に、逆に、成人後の時期は虚勢を張って生きていかなければらなかったのぞみの体とマッチングしたのだろう。

 

「さて、野比財団からの武器のリストは送られてきたのか?」

 

「ええ。今しがた」

 

「……M500か。まぁ、熊より頑丈な体を持つのなら、これくらいは必要か」

 

「たしか、人間が撃てる拳銃の最強じゃ?」

 

「21世紀時点での最強のマグナムだよ。それを更にチューンすると、普通は熊のような大男しか撃てんよ。まぁ、私たちやあんたらなら、話は別だが」

 

と、野比財団からの物資のリストを吟味する。そして、ウマ娘は普通の人間の数倍の筋肉量などを誇るので、シンボリクリスエスやデアリングタクトなどの『見かけが細め、あるいは華奢な少女』が苦も無く大型のライフルを扱う事も当たり前である。

 

「あなたたちはどうなの?」

 

「デアリングタクトやシンボリクリスエスは狩猟免許持ちだと聞いた事がある。デアリングタクトは引退すれば、マタギで食うと言っているよ。ウマ娘用の狩猟免許もある。私も親父に取得を薦められた事はあるが、その時は興味なくてな」

 

 

ウマ娘の引退後の進路の確保のためだろうか。ウマ娘は早い時期に狩猟免許を取れるという。ヒトが狩猟免許取得に多大な労力と時間を必要とするのに対し、ウマ娘は狩猟免許取得が早いと、ブライアンは教える。ブライアンは絶頂期には興味はなかったが、引退後の事を考えると、資格取得は悪いことではないだろう。ブライアンは若干ながらも、後悔を滲ませた。

 

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