結局、日本は『日本連邦』の軍事面の運営に次第に噛めなくなっていった。市民団体等の物理的暴力があまりに凄惨すぎたためで、扶桑で犯罪を犯せば、扶桑の法で裁かれる。その原則すら理解せぬ者が多すぎたのである。また、現存艦隊主義のあまりに、軍事的好機を尽く逃してきたことも、不信を招いた。だが、リベリオンの工業力があまりに誇張された結果、他国から文句が出ていたため、日本は軌道修正を余儀なくされた。扶桑は大日本帝国の数倍以上の生産能力を誇っていたからで、軍需中心とはいえ、かなり近代化されていたため、軍需産業の統廃合を推奨した。この結果、航空は数社に、装甲車両関連も史実で実績のある企業のみに統廃合されていった。その過程で、震電のパテントなどが宮菱重工業へ移管されたり、五式中戦車改の退役車両が日本の戦争博物館に寄贈された。ただし、日本連邦評議会を通しての統制は可能であったため、日本は扶桑軍をこの方法で統制することで『妥協』していった。
日本から、史実の太平洋戦争での悲惨な敗北の記録が流出していった結果、扶桑陸軍は装備とは別のところで、完全なるズタボロに追い込まれた。騎兵閥と歩兵閥が発言力を喪失し、さらに航空部隊と船舶部隊の完全独立で、軍の基礎予算そのものが大きく減少。装備更新どころでは無くなってしまった。だが、武器に明治の遺物が残る有様であったため、特別予算という形で、装備と運用システムそのものの世代交代が急速に進められた。それは開戦後も終わっておらず、質が両極端になる弊害を生んだ。それを隠蔽するため、扶桑陸軍は、地球連邦陸軍で、一年戦争後は埃を被っていたホバークラフト式陸戦艇を購入。陸上戦艦として重宝していた。ラーテ計画の破綻により、その代替として、大和型戦艦に匹敵する火力のホバークラフト陸戦艇を得られたのは僥倖であり、カールスラントの内乱で試験的に使われ、ラーテを一撃で粉砕。ラーテという兵器の存在意義の否定とされた。これにより、残されていた資材は通常兵器の量産に回され、残存の量産車の引き渡しも中止された。結局、ベルリン奪還作戦は太平洋戦争の開戦で棚上げされ、カールスラント人はペルー地域での殺し合いで数を大きく減らし、もはや大国への復活は絶望的になった。旧カールスラント地域は空白地域扱いされる日々が続いていき、もはや、そこがカールスラントの支配地域であった記憶も薄れてきた時代、ようやく奪還は果たされることになる。
1945年からの変革により、扶桑の建築業界なども大量の失職者が生じた。また、頑固な職人気質の鳶職も多かったため、その変革には、物理的な暴力も使われたという。結局、敗戦の記憶は扶桑のあらゆる分野の従事者を意気消沈させてしまい、士気の壊滅を招いた。兵隊たちはゴロツキ同然の扱いに嫌気が差し、脱走も相次いだ。それをどうにか立て直すには、恩給や傷痍軍人の医療等の保証などしかなかった。日本の左派の思惑とは裏腹に、軍人恩給は扶桑軍人の福利厚生の権利として残され、それと同等の給金を文官にも保障した。結局、傷痍軍人の権利も維持せざるを得なくなるなど、扶桑軍人の福利厚生費を縮小しようとしていた日本の財務官僚や政治家などは、自らの起こした混乱で(却って)費用が嵩んだことに困惑。地球連邦軍(正体は防衛関係者のみ知る)への依存度の高さへの危惧もあり、結局、扶桑軍への1950年度予算の過半数は人件費やインフラ整備に費やされることが確実視されており、攻勢よりも、現状の維持が選ばれたのであった。
こうした混乱をよそに、扶桑の大陸領・元住民の取り扱いは決まり、廃止が決まった軍用牧場を複数払い下げ、そこに集団移住させる案が有力であった。これは外地への資金投下を止めさせるためでもあったが、扶桑は日本の属国ではないため、複数の議案が否決されている。生存圏の確保のため、外地は必要だからで、重装備の大半は外地の防衛に使われ、軽戦車などの配備で、本土は忍ぶという構図が長らく続くことになった。戦前の装甲車や旧型戦車を代替するのが、M24やM41と言った戦後式軽戦車であることに、扶桑の戦車兵らは『これで軽戦車だと……』と、車格と火力の強大化に青くなる事例が相次いだという。魔女の世界の対戦車砲の平均は史実の大戦の中期に入る頃の水準であったため、ジャンル自体が陳腐化してしまう危険があり、直ちに大戦末期レベルのものが開発に入った。ミサイルはM粒子の軍事利用で、史実ほどの地位には到達しない見通しであったが、簡便な火力増強策としては有効であったので、そのまま、戦後型の開発にシフトした計画も多い。だが、それらの開発は1950年代半ば近くまでかかる見通しであり、連合軍の構成国は財政破綻と戦後の権利を天秤にかける必要が生じ、結局、多くが発言権を犠牲にしてでも、財政的な見通しから、軍縮を選んでいく。扶桑はそれらで職にあぶれた科学者や軍人をまとめて雇用し、太平洋戦争遂行の原動力としていく。つまり、太平洋戦争は殆ど、扶桑単独で戦っているも同然であったが、実際には、世界の主要国の軍人の殆どは何かかしらの形で、太平洋戦争に関わっていた。そして、協力と引き換えに得られたものを祖国にもたらし、それが魔女の世界の科学を飛躍させた。それと引き換えに、魔女への信仰が薄れ始めてしまう。それを押し留めるべく、各国で期待されたのが、『下手な科学より強大な異能』を行使できる異能者であった。黒江たちからすれば『今更?』な方向転換であったが、魔女そのものが絶えるか否かの瀬戸際であったのもあり、魔女は紆余曲折を経て、(時限付きとはいえ)異能に分類され、保護すべき対象とされたのである。
ティターンズ残党のもたらした変容により、歴史の流れが史実寄りになった『魔女の世界』。そのティターンズ残党をも裏で利用していたのがバダン帝国(ナチ残党)である。ティターンズ残党に物資や兵器を融通し、信用を得た後は64Fとの対峙の必要から、ティターンズ残党の超人らを観察している。また、平成ライダーの最強格の一人『ディケイド』とも敵対している事から、平成ライダーの敵とも共闘関係にある。
「マシーン大元帥、小娘どもにしてやられたな」
「うむ……。小癪な小娘共めが。アポロガイスト、貴様はどうするのだ」
「神敬介(仮面ライダーX)のことは気になるが、貴方方を苦戦させた小娘共は気になるのでね。まぁ、先の対戦では、俺も苦杯をなめたが」
と、アポロガイストは人間態で南洋島へ潜入。怪物退治でピリピリする64Fへ接触を図った。悪の大幹部の割に、大胆不敵だが、アポロガイストは比較的に若い方(一番の年嵩はブラック将軍。元はロマノフ朝の将軍であるので)である故である。
南洋島
「苦戦しているようだな」
「アポロガイストか。何の用だ?Xライダーなら、いないぞ?」
「貴様らが退治に躍起になっておる怪物のいい情報を持ってきたんだがね」
「どういう風の吹きまわしだ?」
「なに、お前たちにこの戦争で倒れられても、今度は我々が困るのでな」
と、悪の大幹部としての矜持を見せるアポロガイスト。そして、怪物はバダンが以前に研究していたカンブリア紀の生物と同種であり、同種は世界線にもよるが、地下にいたので、大絶滅を免れた生物で、繁殖した個体は鋼鉄程度の金属は噛みちぎれる歯を持つこと、カンブリア紀からほとんど進化していないことがアポロガイストから語られる。ブライアンは警戒のためか、気を滾らせている。のぞみAと違い、紫色のオーラであるが、ある領域を超えていることは同様なので、オーラに混じって、火花が散る。
「貴様もご苦労なことだ。まぁ、こうでもせんと、貴様のキャリアはまたよく出来んのも事実だが」
「フン、貴様とて、Xライダーに何回倒されているんだ?」
「ライダー共にとって、迷惑な敵を目指しておるのでな」
アポロガイストは普段の青年の姿で現れている。異様に姿勢がいいなどの特徴から、悪に走る前は警察官か軍人であったのだろうと推測がされている。また、いつの頃か(スカイライダーの時代か?)に一回再生され、Xライダーにまたも敗れたことも示唆された。そのことから、アポロガイストは『強いのか、弱いのか?』なポジションの幹部であることがわかる。
「悪の組織も有能な人材は手放さんということか」
と、悪の組織の人材難をチクリとする。ブライアンはこうした人材難にはげんなり(自身が副会長にされた経緯もあり)しているためである。また、バダンはブライアンの事情も既に調べ上げていたらしい。妙に律儀である。
「ところで、アポロガイスト。お前。次元世界のコーヒー事情を知らんか?等価交換ということで」
「いいだろう。ただで帰すと、私も首領に叱られるのでな」
と、妙な取引だが、武子が未来世界では(好みの銘柄も例外でない)コーヒー豆も大打撃を受け、一部は(過去の世界から採取しなければ)絶滅してしまったことにショックを受けており、私財を投じて、野比財団のコーヒー研究部門へ投資しているということを知っており、次元世界でのコーヒーの事情を存じているであろうアポロガイストと等価交換の取引ということで、ブライアンは武子に手土産を持ち帰ることにした。こうした(組織の直接の利害に関係のない)情報は大っぴらに交換されていた。ヒーローに(自分たちと関係ないところで)倒れられては困るという『ツンデレ』じみた方針であるのも、世界征服目的の悪の組織にも変に律儀な側面があると、未来世界でネタにされる所以である。
未来世界では、アフリカ地域のコーヒーは壊滅的打撃を被っており、未来世界では希少品になっている。そのため、地球連邦政府は他の世界から無事なものをかき集め、再生に躍起になっている。ジオン残党が急速に支持を失っていったのは、こうした『地球古来の食品産業』の保護に無頓着な振る舞いであったのも大きい。また、せっかく造られた食品プラントを『地球至上主義のシンボル』とみなし、爆破しまくったりするテロ行為も、人々の反感を助長した。結局、デザリアム戦役までに、スペースコロニーの脆さが強調された事も、ジオンの大義名分の喪失に繋がったわけだ。そんな時代では、21世紀には栄えていたコーヒー豆もいくつかは種が絶えてしまった。地表そのものが焼かれたからである。好事家が残していた種などから、種を再生している。こればかりはジオン残党も邪魔する大義名分はないため、鳴りを潜めている。ジオンにも、コーヒーの愛好家は多かったからだ。過去の時代や異世界からサンプルを持ち帰り、それを品種改良し、プラントで増やす。それが地球連邦の政策であり、元のジオン系科学者らの贖罪であった。魔女の世界では、中国茶が(中国が既に滅亡したので)歴史の中に消えていった存在であるため、垂涎の的である。だが、扶桑の軍人は紅茶か、コーヒー党が多く、中国茶を知る者は異能者と、一部の歴史家か、先祖に中国人がいた家系の者、あるいは一部の諸侯系の華族のみ。その関係上、日本の飲料業界はそこに商機を見出す一方で、異能者向けに、炭酸飲料などを輸出している。そんな関係があった。
扶桑海軍は結局、八八艦隊の戦艦の代替を完全には手に入れられず、従来サイズの巡洋艦の開発継続をせざるを得なくなった。そんな関係により、軽巡洋艦は淘汰され、重巡の開発が継続された。海軍の混乱は間接的に陸軍にも波及し、戦車のサイズ拡大で、既存の戦車輸送艦が使い物にならなくなるという大問題が発生した。さらに、暁部隊を強引に海軍に転籍させられた結果、陸軍は単独での作戦遂行能力を完全に喪失。予算も大きく削減され、戦車の自主開発も完全にストップ。結局は黎明期の陸自と同様に、輸入装備が過半数を占めていくことになった。だが、今度はエンジニアなどの雇用問題が起こったため、予算規模が数割戻されるというグダグダな有様となり、殆どを異能者に依存する体制になってしまっていた。軍の統合運用を想定していない時代に、それをさせようとしても、無理が生ずる(それでも、扶桑はマシなほうである)のである。
こうした事情から、扶桑空軍は自主的に未来装備を導入。MSもジェガン型を多数購入した他、日本連邦の構成国であるのを利用し、ガンダムタイプの開発予算を確保するほどであった。それがある世界で『サンダーボルト・ガンダム』と呼ばれたであろう機体であった。その世界との違いは、由来がアナハイムガンダムの系譜であり、ZZの後継機が想定されていた『Σガンダム』の内、試作途中で中断された個体であり、全体的にZZに近い印象の外観になっていた。野比財団からのデータ提供により、Iフィールドを充分に稼働させられる出力を持つジェネレーターを搭載したことによる恩恵によるハイメガキャノン(ZZより出力が上)、高出力の超電磁砲などを搭載するなど、第一次ネオ・ジオン戦争当時の第四世代に先祖返りした構成になり、また別の世界線ではメガゼータとも言われたような機体にも近い。試作途中でエゥーゴが解体されたために、倉庫の肥やしにされた機体の再利用ではあったが、完全に流用されたのは、腕などの完成済みのフレームと一部の武装のみで、他は新造であった。つまり、Z計画が地球連邦軍の手で完了した場合の世界線でのサンダーボルトガンダムと言えるが、殆どがΣガンダムの開発資産の流用である事による、ZZ系の派生である事から、『メガゼータ』という方が正しいとされ、公的にはそう呼称されることになった。欺瞞のため、形式番号は『MSZ-009S』で登録されている。つまり、『扶桑空軍が旧エゥーゴの遺産でこしらえた、ZZの改良型』と言える機体であるが、サンダーボルトガンダムの要素もわずかに備えた機体であったと言える。
「おい、のび太。なんて言えばいいんだよ、こいつ」
「まぁ、メガゼータだね。ZZ系の特徴が色濃いし。あれの後継ぎを想定してた試作機のパーツが使い回されたって報告を受けたからね」
「第四世代を作り直したってことの、日本側の反応は?」
「小型機は攻撃への耐性がないって、政治や官僚に言われててね。ガンダニュウム合金でも使わなきゃ、際立って高い防御力は確保出来ないし、ガンダリウムイプシロンは新技術だから、廉価な量産機に使えるほど、コストがまだ下がってない」
「元々が核パルス推進用の合金だからな」
ガンダリウムイプシロンは、核パルス推進用に開発されていた。だが、核パルスが陳腐化した結果、合金の開発も宙に浮いていた。それがガンダリウムγの普及による採用メリットの消失によって復活し、完成を見た。元々がそういう特性の合金なため、γの比ではないビーム耐性を持つ。
「増産を考えてたから、イプシロンにした。元で流用出来たのは、四肢のフレームくらいなもんだよ」
「名目上は流用だからか?」
「うん。新規で超電磁砲は積んだけど、それ以外はΣガンダムになるはずだったものから流用したものが多いから。電装品は新品に取り替えてあるけど」
「で、ハイメガキャノンの改良型を?」
「元はクスィーガンダムの後継機に積む予定で、建造枠も確保されてた機体のものを流用した。第五世代は需要が無くなって、クスィーガンダムを普通に改良したほうが安いとされたから、流用できたんだ」
「そうか。でっち上げたんだな」
「ジオンの最大派閥が消えたんで、MSの新規開発枠が減らされるからね。技術保持のために、アナハイムはでっち上げていたのさ。場合によっちゃ、ネオ・ジオンに『サザビーの後継機』扱いで卸すのも考えられていたらしい」
それはクスィーガンダムの後継機、あるいはナイチンゲールのさらなる改良型として、第五世代MSが考案されており、どちらが採用されてもいいように、連邦、ジオン。どちらの系統のパーツも用意されていたが、第五世代MS自体が『時代の徒花』とされたため、ペーパープランに終わった機体から部材を流用し、連邦系(旧エゥーゴ系含む)の外観を持つ第四世代機として再生されたのだと、のび太は黒江に説明する。のび太は30代後半の姿になっており、お腹に中年太りが若干ながら見られるが、まだ細めの姿であった(のび太は40代以降は太目になる)。
「お前、中年太り始まったな」
「30の後半だしね。55歳の頃には、今よりもふくよかになってるよ」
自嘲混じりだが、そろそろ、親の遺産の相続などを考えないとならなくなる年齢になってきたためか、のび太も体に年齢が出始めるようになった。対して、黒江は若々しいままだ。
「君の運命はノビタダ(末裔)に託してある。僕としては、あと数十年だ。それも人生さ。だけど、財団は君等へ残せる」
「遺訓は頼んだよ」
「分かってるさ。50代までには用意しとくよ」
のび太は30代半ばから、自分の転生までも計算に入れた、壮大なロードマップを作り始めていた。創立者たる自分の意向であれば、子や孫たちなどの子孫には方針を覆せない。のび太は次世代の自分への反感も想定した上で、計画を練り上げている(いた)のがわかる。
「23世紀の子孫の一部は反ジオンのようだけど、原因は一年戦争か?」
「分家の一つがブリティッシュ作戦の爆心地にいて、全滅したようでね。それで、晩年のセワシは反ジオンになったようだ」
のび太としずかの子孫の一部はブリティッシュ作戦で犠牲になる。財団の仕事で、シドニーに在住していたからだという。セワシの次子の家族であったようで、セワシは晩年、反ジオン思想になってしまった。それほどの衝撃をジオンはもたらしたわけだ。実際、ジオン内部にも、ブリティッシュ作戦で、ジオン自体に愛想を尽かした高級将校は多く、一年戦争の敗北の流れを決定づけた。結局はギレンの独善で、大義名分を自ら放棄したようなものであるが、エギーユ・デラーズはそれにも気づかぬほど、ギレンに心酔していた。
「ジオンの罪は、同じスペースコロニーの人々を億単位で殺したことさ。それと、オーストラリアを未来永劫、かつての首都と最大都市を亡くした辺境に落としたことさ。アデレードにレプリカのオペラ・ハウスを作って、償いのつもりなんだろうが……」
「共和国なりの償いなんだろ。作り直そうにも、土地自体がぶっ飛んだから、近い都市にレプリカを用意したんだろうさ。地域国家時代の文化の否定をしてたザビ家へのアンチテーゼなんだろう」
ザビ家はジオンが地域国家を自負する割に、地球の地域国家時代の文化を否定する風潮を抱いており、マ・クベなどが押し留めていたことは、既に知られている。過激なジオニストはそれを連邦打倒のイデオロギーにしているが、実際には、ギレン自体が日本文化に傾倒していたというオチであった。つまり、ザビ家は口では『新たな時代の文化を築く』と言いつつ、実際には『旧国家時代の文化に精神性を依存していた』ことになる。ジオン共和国は公国時代の負の遺産に振り回されることになり、とうとう解体となった。そのうちの贖罪が『オペラ・ハウスの復元』であったと語られる。共和国は生き残るため、公国時代の旧時代の文化否定の振る舞いの責任を『ギレンやキシリアの独断であり、ジオンは一貫して、旧・地域国家時代の文化を尊重していた』としており、マ・クベが生前に骨董品をかき集めていたことなどを根拠としていた。こうした戦中の暴挙を知らぬ世代が勢いでジオン残党の走狗になるという構図が続いていたが、ジオンが意図的に衰退させたインターネットなどの復興で断ち切られた。ジオン共和国は存続期間の殆どで『一年戦争以前の文化の継承と復活』に予算を費やしたが、それはザビ家が意図的に歪めた文明バランスの是正と、人々への贖罪と、ザビ家へのアンチテーゼとしてのイデオロギーによるもので、サイド3の人々は相反する二つの思想に振り回された挙句、一年戦争で(結果的に)勝ちとったはずの自治権をあえなく失うことになったのである。