ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第二百七十話「セクシー・アドベンチャー 3」

扶桑軍の士気は低い傾向が続いた。ダイ・アナザー・デイの地獄を生き残った者は前線勤務を嫌がるようになったが、極度の人材不足に陥ったため、否応なしに前線勤務が続いた者も多い。また、提督らが使い捨て同然に扱われることに恐怖した者も多い。しかし、日本側では絶えて久しい艦種たる戦艦や砲熕型巡洋艦を艦隊規模で指揮できる人材は海自におらず、官僚らも『やむなし』で二次大戦中の提督らをこきつかかっていた。副産物で医療水準と艦内の居住環境が大きく改善された影響で、健康を取り戻す提督らも続出した。また、史実の評価より有能ぶりを発揮した提督もおり、山口多聞は連合艦隊司令長官(これは小沢治三郎の辞任に伴う措置であった)となり、南雲忠一は水雷戦隊の司令官として復帰し、戦前の評判通りに勇猛な司令官ぶりを見せて、日本側を驚かせている。

 

 

 

連合艦隊自体が大艦巨砲主義と航空主兵主義の相克が起こった時期にあったが、航空装備の急速な発展に伴う高額化で、航空主兵主義が却って破綻を来したためと、潜水艦偏重で無力化されたドイツ海軍を見ている日本側の提言もあり、扶桑海軍は保有の航空隊を空母艦載機と対潜哨戒機群に絞り、連邦としては、陸上運用機の空軍の充実に舵を切った。扶桑空軍は海軍の弱体化を誤魔化すために強大になるのを余儀なくされたわけだが、連合空軍全体が主要国の(戦時体制の解除での)急激な軍縮で形骸化していたため、その要望に応えるためでもあった。日本が放棄に向けて動かせていた戦略爆撃機も、他国の圧力で保有の継続をさせるなど、日本の想定外の事態も大きかった。軍の予算を精鋭部隊に多く割くという、未来世界で普遍的になるドクトリンはこの時に(政治的妥協で)生まれたのである。生まれた理由は『軍の全体を動かして、政治的批判を浴びたくない』からで、ある意味、戦後日本の反戦主義と軍事的な動員を求められる現実との相克が生み出した妥協的なドクトリンであり、悪い意味で、地球連邦軍にも引き継がれてしまうものであった。そのドクトリンが、皮肉にも、Zガンダム以降の歴代ガンダムを生み出したと言っても過言ではなかった……。

 

 

 

 

 

64Fは歴代ガンダムの管理所としての役目も背負わされたため、本来は廃棄予定であった『RX-78』の後期生産タイプも保有していた。設計年度は古くとも、『ガンダムである』ことが大事であったからだ。ガンダム七号機は『最後の純正RX-78タイプ』であるので、本来は博物館に行くはずであったが、マークⅡの先祖に当たるのと、設計担当が悪名高いオーガスタ研であったため、ティターンズ否定を志向する世論の後押しで廃棄されるはずであった。だが、デザリアム戦役で戦力確保のために回収された後、アナハイム・エレクトロニクス社が最新技術で修復。外見は同じだが、ムーバブル・フレーム機に生まれ変わった。外見を同じにしたのは、フルアーマー計画で生み出されていた都合上、その追加装備をできるだけ流用するためである。ティターンズの生まれるより以前に設計がされていたのが免罪符となった。

 

 

 

「おし、これで投入出来んな。素体しか調整が間に合わなかったけど、これでも、下手なジム系を使うより確実に怪物を倒せる」

 

『初代ガンダムの末弟にしては、ハイカラな外見だな』

 

「開発開始の時には、ジム改やアレックスが先に完成してたからな。それに、アレックスと同等の性能がないと、ゲルググとその改良型に対抗出来ないって危機感があったからだと。アムロ少佐とかが乗ってないガンダムは、実際に何機かは破壊されたしな」

 

ガンダムは結局、純正のRX-78タイプの生き残り自体が少ないが、エースパイロットが乗った機体である七号機は運よく生き残った。その後は(四号機以降はオーガスタ研の開発なのもあり)ティターンズ系も同然に扱われ、廃棄予定にされていたが、ティターンズが(設立前であるので)関わっていないということで、デザリアム戦役での復帰は追認された。技術的にマークⅡの先祖であることもプラスに働いた。結局、ティターンズ時代のMS開発が否定される流れとなった政治の駆け引きの結果、七号機は計画が『戦中の開始』であったことが幸いしたのである。

 

『なるほどな。あんたの紅蓮はどうだ?』

 

「輻射波動の調整が終わり次第、試運転だ。この姿(キュアメロディ)での操縦にも、すっかり慣れたぜ」

 

ガンダム七号機は素体の状態だが、それでも、ガンダムマークⅢレベルにまで性能が上げられている。各部品が最新の部材に取り替えられ、構造材のガンダリウムの世代交代による軽量化とフレーム構造化による高性能化の恩恵であった。

 

「陸軍の連中、あっという間に自動小銃の時代になって、予算も削られたんで、お通夜なんだと。騎兵の時代も終わって、戦車の時代に突入したのもショックなんだと」

 

『アホか??』

 

「そりゃ、ダイ・アナザー・デイの地獄を味わった連中は自動小銃の配備を望むわな。で、扶桑が量産を見込んでた四式自動小銃は量産見送り、代わりに、完全に戦後式の64式が生産される見通しになった。だから、配備が遅れに遅れて、ドイツのG3が緊急で配備されるそうだ」

 

『やれやれ。自衛隊との規格統一と、旧軍式兵器の排除のためなんだろうが、意図的に遅れさせるとはな。扶桑兵に死ねということか?』

 

「だろうよ。特に将校は地獄に落ちろと言われまくってるそうで、士気がどん底だ。あれじゃ、使い物にならねぇな」

 

「可哀想に。自衛隊の連中のほうがまだ使えるんじゃねぇの?」

 

「だな。せいぜい見張りが精一杯だな。銃後に石を投げられるんじゃ、死にたくなるだろうよ」

 

陸軍の士気がどん底なのは、日本の官民一体の冷遇が原因である。学園都市の起こした戦争以降は中国の台頭に備えての近代化が叫ばれているが、陸自は冷遇されている。それを扶桑にも当てはめようとしたための齟齬であった。さらに、海軍艦艇の居住環境改善のための改修や、武装バランスの是正のための近代化に予算が割かれ、扶桑の建艦計画を破綻させるなど、日本の軍縮傾向が扶桑に迷惑をかけることも常態化していた。戦艦武蔵が不祥事を理由に、元の戦艦に戻れなくなったため、代わりに戦艦三河が建造されたように。

 

「一次大戦もいってない田舎軍隊が……って後ろ指をさされるそうな。仕方がないが、連中は日露戦役から、いきなりガダルカナル島やペリリューの地獄に飛ばされるようなものだから、少しは労ってやれといいたいよ。将軍達は遠征部隊にだけ、その時々の新式装備を与えるドクトリンだったんだ。それが本土部隊に新式を優先させるのに様変わりしちゃえば、前線は『派手に玉砕してこい』と言われてるようなものだ。だから、地球連邦軍の輸送力がものをいうのさ」

 

日本軍の輸送力の貧弱さは語り草だが、扶桑のバックには、地球連邦軍がついている。新式装備はすぐに運べるのだ。ミデアの一個中隊程度でも、第二次世界大戦中の輸送船が霞むような量の物資を運搬できるのだ。二次大戦中の輸送機はせいぜい数千kgだが、ミデアは戦後型ならば、一機で500トン以上を運搬できる。ガルダ級であれば、途方もない量だ。ミーナの失脚は『数百年の差による輸送機の輸送能力の違い』を考慮しなかったことも作用している。

 

「連中の輸送力は途方もないからな。アレでミーナさんは『首が飛んだ』ものな」

 

「彼女は『ジェット機は燃料の消費が……』って、いいわけしたけれど、燃料自体は戦後型は普通のガソリンじゃなくなってるし、ターボファンエンジンは燃料効率なんて、初期のターボジェットとは比較にならないんだ。それを知らなかったじゃ済まされなかったんだよ」

 

ミーナは自分の知識の範囲で判断していたが、黒江が持ってきたジェットは地球連邦軍製のオーパーツのようなもの。Me262などはおもちゃも同然。それを死蔵させてしまったのも、失脚の一因である。つまり、兵站関連の認識が出来ていなかったことも原因であった。書類に形しか目を通さないことがあったのが、ダイ・アナザー・デイでは裏目に出たのだ。

 

「戦局を長引かせたどころか、連合艦隊の主力を回航させる羽目になったからな。ドラえもんの力がなきゃ、あの戦は負けてたよ。本土から欧州に回航するには、いくら急いでも月単位の時間がかかるからな、本当は」

 

「だから、地球連邦軍を僕の子孫が動かしたのさ。連邦軍のスポンサーであるアナハイム・エレクトロニクス社の大株主だし、あいつは」

 

子孫であるノビタダを動かし、ダイ・アナザー・デイに地球連邦軍を大々的に参戦させたのび太。特務MS師団の持つ『城塞攻略用重MS』は戦局に多大な貢献を果たした。ティターンズのサイコ・ガンダム対策で開発されたが、ティターンズが崩壊したために、いらない子扱いすら受けたが、クイン・マンサの登場で重宝がられた経緯を持つ。設計はZZガンダムの原設計が基とされる。機影が同機とほぼ同一なのは、共通の設計が使われたからである。違うのは、『無理に標準サイズに収めてない分、機体の強度が原設計の通りになっている』ことである。第二期生産ロットでは、装甲と構造材が最新世代のガンダリウムに変えられ、各部の動作速度が(他の機動兵器などのスピンオフで)向上。この時点では、欧州に配備されている一個中隊が、ティターンズ残党への抑止力として君臨している。ティターンズ残党には、同機に対抗可能な重MSは(ネオ・ジオン系を含めても)おらず、貴重な先端兵器の温存もあるのか、ザンスカール帝国残党などを使い捨て同然にけしかける程度である。

 

 

『あんたの何代後だ?」

 

「僕の孫の孫の孫の子。8~9代後だね。まぁ、戦車のバケモノ走らせて、盛大に自爆させるよりは、重MSを投入したほうが割がいいってことになった」

 

『アレがそうか?ZZをデカくしたような……』

 

「と、いうよりは、あれが原典だそうな」

 

ガンダム七号機が小さく見えるほどの爆撃機が駐機している。それがジークフリートのGフォートレス形態である。ZZは元々、サイコ・ガンダムへの対抗で大型MSとして開発されていたが、Zガンダムに代わる象徴としての通常タイプのガンダムとして、別案のサイズ機が建造された。それが世に知られる、ZZガンダムとなった。その一方で、ネオ・ジオンがサイコ・ガンダムをも超える巨大機を造る可能性は否定出来なかった。結局、その危惧が的中したため、ジークフリートは建造された。

 

「で、アレが事実上のラーテの代替。キャタピラで走って、道路や橋を壊すより、可変MSで空挺降下して、ハイメガキャノンを一発したほうが遥かに効率的だってされた」

 

『街を爆撃するわけにはいかんのか?』

 

「市街地は温存しろってさ。ベルリンを取り返しても、史実と同等クラスに廃墟じゃ、直すだけの資源がないだろうってことらしい。扶桑は月を目指すそうな」

 

扶桑皇国はこの頃より、資源確保のため、小惑星を地球圏に運ぶ計画を立てている。世界へ鉱物資源を供給するためで、だが、怪異の存在が危惧されているため、64Fは戦争後も存続することの了解が取られている。そうでなければ、今後の時代の安全保障に確実性がないからで、意外に切実な理由であった。結局、64Fに集めた魔女達こそが『戦前の教育で生まれた、最後の撃墜王たち』と評された。これは新世代の魔女らは根本的に違う教育で育てられるからで、坂本らの時代のように、徒弟制じみた育成では、前線への供給が間に合わない時代を迎えたのだ。

 

『月、か……』

 

「未来世界じゃ、連邦の重要地域だよ。最終的に、うちの財団の所有地が三割になる」

 

地球連邦はビスト財団の失墜後、野比財団の拡充で財政危機を乗り切った。そのため、野比家の当主の決定=アナハイム・エレクトロニクス社の最高意思決定と言ってもよく、のび太は野比家中興の祖ということで、ダイ・アナザー・デイ後は絶大な影響力を地球連邦へ行使できる。ガンダムタイプの使用許可がロンド・ベルに本格的に降りるようになったのは、野比財団が(星間戦争時代の到来を脅し文句に使う形で)政府を説得したからである。また、宇宙戦艦ヤマトの独断専行が追認されるようになったのも、(結果的に)彼らの行為が宇宙を救ったからである。

 

『そこまでになるのか』

 

「まぁ、月の行政機能を立て直したの、ウチの財団だしね。ガトランティス戦役の時、月の中規模都市が二、三個は消し飛んだから、その跡地を引き取ったんだ。うちの実験土地に使ってる」

 

野比財団はビスト財団が解体された後の『月面世界の支配者』となった。サイアム・ビストは壮年期に入る頃に晩年のノビスケ(長命を保った)に会っており、その時に密約を交わしており、ビスト財団の財団機能の移管等はその時の密約により、既に決定事項であった。

 

 

「カミさんが地球連邦の統治の永続性を願っていたからね。移民星やコロニーが野心を持てば、地球を滅ぼしかねないから、その前に叩き潰せと、倅や孫に言い残していたようでね。実際、そうしようとした連中が続出したから、政府もガン決まりしてね。で、星間戦争でコロニーの脆さが分かって、連邦に尻尾をふるコロニー群が増えた。星間戦争の宇宙戦艦なら、コロニーなんて軽く壊せるからね」

 

皮肉にも、スペースコロニーの脆さが星間戦争で明らかになったことで、スペースコロニーの新規建設の熱が冷め、恒星間宇宙船の時代の到来により、別星系への移民が始まったが、銀河規模の星間国家や宇宙怪獣などの脅威が立ちふさがる。しかも、星間国家のことごとくが侵略者として現れるのだから、たちが悪い。人類が地球のことを忘却してゆくことを嫌ったしずかの遺言は、巡りに巡って、ジオンやザンスカール帝国が滅亡する原因の一つとなった。

 

『あんたの奥さんは銀河英雄伝説でも読んでたのか?』

 

「ああ。中学か、高校の時だったかな。それで、既存宗教が消え去り、地球への思慕も消えた場合の世界の可能性に怯えたのは確実だろうな」

 

しずかは考えていなかったようだが、既存宗教から派生した邪教が生まれる可能性もあるので、なんとも言えない。実際、ある世界では、一年戦争後に仏教から邪教が生み出され、地球圏を騒乱で荒らしたので、既存宗教から邪教が派生する事はありえる。

 

『あれも相当に古いからな。既存宗教の一派がイカレポンチな所業するのは、あんたが若い頃には、あったはずだが』

 

「ああ、バーミヤンの仏像だね。ドラえもんの話だと、あれでイスラム教の求心力が下がり始めて、統合戦争頃には『既存宗教で一番に権威が衰退した宗教』に成り下がるそうな。あれをやった一派が更に馬鹿なことをしたんだろうな。救いの神が宇宙戦艦ヤマトやテレサって形で出たから、他の宗教はさほど影響がなかったそうな?」

 

と、未来世界での長い動乱は、既存宗教の権威を衰退させたことが分かる。だが、救いの神の教義が何かかしらの形で実現したため、仏教やキリスト教などはかろうじて生きながらえたという。苛烈な宇宙戦争で、古代以来の宗教が絶えてしまうというのは、ハードなSFで見られるストーリーだが、未来世界では、救いがあったために、既存宗教は生きながらえた。コズミック・イラ世界が精神的に荒んでいるのは、宇宙クジラのせいで、既存宗教の権威が衰退し、宗教的な抑えが効かなくなったからである。ある意味、古代以来の信仰が続いたほうが、人心の荒ぶことを止められるという事の証明であった。

 

『なるほどな。試運転をしてくる。元はセミ・モノコック構造だそうだが、フレーム内装に変えられた以上、動きは原型の完成時と違うはずだ』

 

「制御OSも、アナハイム・エレクトロニクス社の規格の最新世代のものに変わってるはずだしね」

 

ベースが一年戦争の機体だが、外観を流用しただけで、殆どが最新世代の技術で造られた機体に生まれ変わったガンダム七号機。初投入時に問題になっていたOSの問題は、改修時にOSそのものを入れ替えることで解決を見ている。機体構造が本来のセミ・モノコック構造では無くなったからである。ブライアンは天性の才能が走り以外にも多く、射撃競技も高い素質があるので、引退後に始めようかと考えているという。

 

『それじゃ、行ってくる。途中で怪異に会ったら、ライフルでぶち抜く』

 

と、ガンダム級の火力であれば、大型怪異を容易にぶち抜けることが明確に語られる。魔女は携行する銃器の大半は対軽装甲目標用の重機関銃クラスまでで、20ミリ機銃を持つことすら稀であったため、数カ月ごとのスパンで再生能力が強まる怪異に対しての決定打を欠く傾向が強まってきていた(黒江たちのように、近接格闘戦で倒す魔女は減少していたので)ため、有無を言わさずに一撃で撃ち抜けるビーム兵器を運用できるMSは垂涎の的である。それよりも遥かに強大なスーパーロボットは『神や仏』の扱いだ。

 

「あんたの紅蓮だが、あれが最新型か?」

 

「一応な。設計の想定で、『補給が常に受けられる』のが前提だから、本来はうちの置かれてる状況には向かない。そこはのび太の財団に改良させた。威力が上がっても、燃料効率が下がると、それはそれで問題だしな」

 

「私は事情が余計にややこしくなったから、困りものですけどね」

 

「お前、前世は妖精からプリキュアっぽいからなぁ。あたしがついていってやるよ」

 

「ありがとうございます」

 

と、キュアズキューンに覚醒したがために、来訪している別世界線の自分(調)自身を含めての装者らへの説明がややこしくなったとぼやく、調。プリキュアへの覚醒は完全にランダムだからで、さらに言えば、自分と同世界線の立花響は『プリキュア因子の覚醒』を(装者であることに執着していたために)抑え込もうとしたために、それが抑えきれなくなって覚醒したが、能力は変異を起こしているという事情により、調査が続いていることも教えなくてはならない。響やクリス、切歌の三人から、あーだこーだと質問攻めにされるのが目に見えていたので、思わず肩を落とすが、シャーリーが慰める。

 

「まぁ、その変貌ぶりを見りゃ、質問攻めしたくなるって。まぁ、ティアナは別ベクトルで変わったけど」

 

「あれもややこしいぞ。二つの能力のメリットがハイブリッドになったようなもんだし、設定上も五本の指に入る強力さを持ってたはずだしな。フェイトの魔法での最速と互角に飛べるしな、あれ」

 

と、ティアナ・ランスターの変貌にも触れる菅野。また、詳細は既に調べがついており、のび太の助言等で、容姿を『前世でのもの』に変え、別名義として、その時の名前である『鴇羽舞衣』を使用しているが、転移前は(ティアナとしては)空戦の才覚無しと判定されていたため、管理局が復帰させようにも、人材育成部門の面子が絡んでしまう。それを回避させるためのウルトラCであった。

 

「あいつの能力に上があるのか?」

 

「あたしの古い前世の記憶だと、ダチの持ってた『蒼天の青玉』が上だったはずだ。乙HIMEとしては、だが。あれはオリジナルのHIMEの力に、乙HIMEの持ってた身体的メリットが融合したようなものだから、あれも元からかなり変質したんだろう。ティアナの元の力は『炎綬の紅玉』。確か、かなり上位の力だが、蒼天の青玉には及ばない……んだが、オリジナルのHIMEの中では(総合的に)最強だったからなぁ……あいつ。のび太とも言ってたが、パワーバランスが変わりすぎてなぁ」

 

と、ティアナはのぞみ以上にややこしくなった人物であることも明確になる。シャーリーの遠い前世の一つが『舞-HiME』シリーズの世界であったことも。

 

「あんたも前世がアニメって形で見られる気分はどうだ?」

 

「今となっちゃ、恥ずぃぜ……。のぞみの気持ちがわかる。まぁ、のび太んちで20年近く過ごしてたことに、みらいはご立腹だが」

 

「仕方がないとはいえ、のび太の家に養子縁組までされてたからな。しかも、フェリーチェの姿で過ごしてるほうが結果的に長くなったし」

 

「うん。みらいちゃんが生き返った後、キュアミラクルの姿で詰め寄ってきたよ。かなりキレた形相で。あん時はまいったよ」

 

「まぁ、みらいもキレる時はキレるからな。それでどうした?」

 

「魔法の世界の冒険の時に覚えた、唯一つの魔法で切り抜けた」

 

「お前なぁ……」

 

のび太は魔法と無縁ではなかったため、それを応用することで、危機を乗り切ったことを口にする。ただし、その魔法というのは……。のび太も『恥ずかしいから、カミさんにも言ってない』というほどのチンケなもの。だが、ある意味で絶大な効果がある。のび太が子供時代にしていたことと言えば?21世紀以降のあれこれでまずいことになる『あれ』である。シャーリーはのび太の隠し玉に合点がいき、呆れた声でいうのだった。

 

 

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